(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記作業内容項目別表作成部は、前記紙工機械の作動内容とオペレータの作業内容とを分離して項目別に作業時間を表す項目別作業時間グラフを作成する項目別作業時間グラフ作成部を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の紙工機械における準備作業時間の分析装置。
前記作業内容項目別表作成部は、前記紙工機械の構成装置別の作動内容と作業時間を表す構成装置別作業時間グラフを作成する構成装置別作業時間グラフ作成部を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の紙工機械における準備作業時間の分析装置。
前記紙工機械の制御装置との間でデータの送信及び受信が可能な通信装置が設けられ、前記通信装置により前記制御装置から前記紙工機械の運転データを受信する一方、前記制御装置または客先コンピュータの少なくともどちらか一方へ前記紙工機械の作業工程改善案を送信することを特徴とする請求項8に記載の紙工機械における準備作業時間の分析装置。
前記通信装置により前記制御装置から前記紙工機械の停止要因データを受信する一方、前記制御装置または客先コンピュータの少なくともどちらか一方へ前記紙工機械の停止要因分析結果を送信することを特徴とする請求項9に記載の紙工機械における準備作業時間の分析装置。
前記通信装置により前記制御装置から前記紙工機械の位置調整データを受信する一方、前記制御装置または客先コンピュータの少なくともどちらか一方へ前記紙工機械の位置調整データの良否結果を送信することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の紙工機械における準備作業時間の分析装置。
前記通信装置により前記制御装置から前記紙工機械の運転データを受信する一方、前記制御装置または客先コンピュータの少なくともどちらか一方へ前記紙工機械の部品故障分析結果を送信することを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の紙工機械における準備作業時間の分析装置。
前記通信装置により前記制御装置から前記紙工機械の運転データを受信する一方、前記制御装置または客先コンピュータの少なくともどちらか一方へ前記紙工機械の部品余寿命分析結果を送信することを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか一項に記載の紙工機械における準備作業時間の分析装置。
前記通信装置により前記制御装置から前記紙工機械の運転データを受信する一方、前記制御装置または客先コンピュータの少なくともどちらか一方へ前記紙工機械の診断分析結果を送信することを特徴とする請求項9から請求項14のいずれか一項に記載の紙工機械における準備作業時間の分析装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、紙工機械にて、例えば、コルゲートマシンでは、異なる種類の段ボールシートを製造するとき、芯紙を波形に加工するための段ロールユニットを交換する作業が必要となる。また、製函機では、異なる種類の段ボール箱を製造するとき、印刷部における印版の交換、インキ洗浄、打ち抜きダイの交換、各種機構の位置調整などの各種作業が必要となる。このような段ボールシートや段ボール箱の製造作業を開始する前に行う準備作業は、生産効率を向上させる上で、できるだけ短い時間で実施することが望まれている。
【0007】
本発明は上述した課題を解決するものであり、製造作業を開始する前に行う準備作業の作業内容を分析することで作業の改善点を見つけ出し、改善内容を提案して生産効率の向上を図ることができる紙工機械における準備作業時間の分析装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置は、紙工機械の稼働開始前に行う準備作業時間における作業内容を分析する紙工機械における準備作業時間の分析装置において、前記準備作業時間におけるオペレータの作業位置を検出する作業位置検出装置と、前記作業位置検出装置の検出結果に基づいてオペレータの動作線図を作成する動作線図作成部と、作業工程データ及び紙工機械運転データに基づいて前記準備作業時間における作業内容を項目別に表す作業内容項目別表を作成する作業内容項目別表作成部と、前記動作線図作成部及び前記作業内容項目別表作成部の作成結果に基づいて前記準備作業時間における作業工程の改善項目を選定する作業工程改善項目選定部と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
従って、準備作業時間におけるオペレータの作業位置に基づいてオペレータの動作線図を作成すると共に、作業工程データ及び紙工機械運転データに基づいて準備作業時間における作業内容を項目別に表す作業内容項目別表を作成し、動作線図及び作業内容項目別表に基づいて準備作業時間における作業工程の改善項目を選定する。そのため、製造作業を開始する前に行う準備作業の作業内容を分析することで、作業の改善点を見つけ出し、改善内容を提案して生産効率の向上を図ることができる。
【0010】
本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、前記動作線図作成部は、前記紙工機械の構成装置に対するオペレータの作業位置及び作業時間の変化を表すオペレータの動作線図を作成することを特徴としている。
【0011】
従って、紙工機械の構成装置に対するオペレータの作業位置及び作業時間の変化を表すオペレータの動作線図により、オペレータの無駄な作業や改善可能な作業を見つけ出すことができ、これを改善するための提案を容易に作成することができる。
【0012】
本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、前記作業内容項目別表作成部は、前記紙工機械の作動内容とオペレータの作業内容とを分離して項目別に作業時間を表す項目別作業時間グラフを作成する項目別作業時間グラフ作成部を有することを特徴としている。
【0013】
従って、紙工機械の作動内容とオペレータの作業内容とを分離して項目別に作業時間を表す項目別作業時間グラフにより、紙工機械の作動内容とオペレータの作業内容における改善可能な項目を容易に見つけることができる。
【0014】
本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、前記作業内容項目別表作成部は、前記紙工機械の構成装置別の作動内容と作業時間を表す構成装置別作業時間グラフを作成する構成装置別作業時間グラフ作成部を有することを特徴としている。
【0015】
従って、紙工機械の構成装置別の作動内容と作業時間を表す構成装置別作業時間グラフにより、紙工機械の各構成装置における改善個所を容易に見つけだすことができる。
【0016】
本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、前記作業工程改善項目選定部は、作業時間が標準的な作業時間よりも長い作業項目を改善項目として選定することを特徴としている。
【0017】
従って、作業時間が標準的な作業時間よりも長い作業項目を改善項目として選定することで、選定した改善項目における作業時間を短縮して作業効率を向上することができる。
【0018】
本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、前記作業工程改善項目選定部は、作業項目の作業完了が他の作業項目の開始条件となっている作業項目を改善項目として選定することを特徴としている。
【0019】
従って、作業項目の作業完了が他の作業項目の開始条件となっている作業項目を改善項目として選定することで、選定した改善項目における作業時間を短縮すると共に他の作業項目の開始時間を早くすることで作業効率を向上することができる。
【0020】
本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、前記作業工程改善項目選定部は、オペレータの移動距離が長い作業項目を改善項目として選定することを特徴としている。
【0021】
従って、オペレータの移動距離が長い作業項目を改善項目として選定することで、選定した改善項目における作業時間を短縮して作業効率を向上することができる。
【0022】
本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、前記作業工程改善項目選定部は、改善項目として選定する数または割合を予め設定することを特徴としている。
【0023】
従って、改善項目として選定する数または割合を予め設定することで、効率的に改善項目を選定することができる。
【0024】
本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、前記作業工程改善項目選定部が選定した改善項目に対する作業工程の改善案を作成する作業工程改善案作成部が設けられることを特徴としている。
【0025】
従って、選定した改善項目に対する作業工程の改善案を作成することで、作成した作業工程の改善案を紙工機械の納入先に提供することができる。
【0026】
本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、前記紙工機械の制御装置との間でデータの送信及び受信が可能な通信装置が設けられ、前記通信装置により前記制御装置から前記紙工機械の運転データを受信する一方、前記制御装置または客先コンピュータの少なくともどちらか一方へ前記紙工機械の作業工程改善案を送信することを特徴としている。
【0027】
従って、通信装置により紙工機械の運転データを収集して作業工程改善案を作成し、作成した作業工程改善案を送信することで、紙工機械の製造業者が作成した作業工程改善案を紙工機械の納入先に容易に提供することができる。
【0028】
本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、前記通信装置により前記制御装置から前記紙工機械の停止要因データを受信する一方、前記制御装置または客先コンピュータの少なくともどちらか一方へ前記紙工機械の停止要因分析結果を送信することを特徴としている。
【0029】
従って、停止要因データに基づいて停止要因を分析して改善案を作成することができ、容易に紙工機械の納入先に対して停止要因分析結果や改善案を提案することができる。
【0030】
本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、前記通信装置により前記制御装置から前記紙工機械の位置調整データを受信する一方、前記制御装置または客先コンピュータの少なくともどちらか一方へ前記紙工機械の位置調整データの良否結果を送信することを特徴としている。
【0031】
従って、サーバに紙工機械の位置調整データの最適値を記憶させておくことで、現在調整している紙工機械の位置調整データに基づいてこの位置調整データの良否結果を容易に判定し、紙工機械の納入先にアドバイスすることができる。
【0032】
本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、前記通信装置により前記制御装置から前記紙工機械の運転データを受信する一方、前記制御装置または客先コンピュータの少なくともどちらか一方へ前記紙工機械の部品故障分析結果を送信することを特徴としている。
【0033】
従って、紙工機械の運転データに基づいて紙工機械の部品故障分析を行うことで、故障部品に対する交換作業を早期に提案して実施することができる。
【0034】
本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、前記通信装置により前記制御装置から前記紙工機械の運転データを受信する一方、前記制御装置または客先コンピュータの少なくともどちらか一方へ前記紙工機械の部品余寿命分析結果を送信することを特徴としている。
【0035】
従って、紙工機械の運転データに基づいて紙工機械の部品余寿命分析することで、消耗部品に対する交換作業の適切な時期を提案して実施することができる。
【0036】
本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、前記通信装置は、部品交換予定日に部品納入までに要する日数を加えた期間より前に前記紙工機械の部品余寿命分析結果を送信することを特徴としている。
【0037】
従って、部品交換時期および部品納期を考慮した時期に送信することで、客先での保管在庫を減らして、好適な時期に部品交換を行うことができる。
【0038】
本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、前記通信装置により前記制御装置から前記紙工機械の運転データを受信する一方、前記制御装置または客先コンピュータの少なくともどちらか一方へ前記紙工機械の診断分析結果を送信することを特徴としている。
【0039】
従って、紙工機械の運転データに基づいて紙工機械の診断分析することで、稼働している紙工機械の運転状態が正常なものであるかどうかを判断し、異常が発生する前に紙工機械の運転状態を知らせることができる。
【0040】
また、本発明の準備作業時間の分析方法は、紙工機械の稼働開始前に行う準備作業時間における作業内容を分析する紙工機械における準備作業時間の分析方法において、前記準備作業時間におけるオペレータの作業位置に基づいてオペレータの動作線図を作成する工程と、作業工程データ及び紙工機械作動データに基づいて前記準備作業時間における作業内容を項目別に表す作業内容項目別表を作成する工程と、前記動作線図及び前記作業内容項目別表に基づいて前記準備作業時間における作業工程の改善項目を選定する工程と、を有することを特徴とするものである。
【0041】
従って、製造作業を開始する前に行う準備作業の作業内容を分析することで、作業の改善点を見つけ出し、改善内容を提案して生産効率の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置及び方法によれば、製造作業を開始する前に行う準備作業の作業内容を分析することで作業の改善点を見つけ出し、改善内容を提案して生産効率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る紙工機械における準備作業時間の分析装置及び方法の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0045】
図8は、本実施形態の製函機を表す概略構成図である。
【0046】
本実施形態において、
図8に示すように、製函機10は、段ボールシートSを加工することで段ボール箱(箱体)Bを製造するものである。この製函機10は、段ボールシートS及び段ボール箱Bを搬送する方向Dに直線状をなして配置された給紙部11と、印刷部21と、排紙部31と、ダイカット部41と、フォルディング部51と、カウンタエゼクタ部61とを備えている。
【0047】
給紙部11は、段ボールシートSを一枚ずつ送り出して一定の速度で印刷部21に送るものである。この給紙部11は、テーブル12と、前当て13と、供給ローラ14と、吸引装置15と、フィードロール16とを有している。テーブル12は、多数枚の段ボールシートSを積み重ねて載置可能であると共に、昇降可能に支持されている。前当て13は、テーブル12上に積み重ねられた段ボールシートSの前端位置を位置決めすることができ、下端部とテーブル12との間に1枚の段ボールシートSが通過可能な隙間が確保されている。供給ローラ14は、テーブル12に対応して段ボールシートSの搬送方向Dに複数配置されてなり、テーブル12が下降したときに、積み重ねられた多数枚の段ボールシートSのうちの最下位置にある段ボールシートSを前方に送り出すことができる。吸引装置15は、積み重ねられた段ボールシートSを下方、つまり、テーブル12や供給ローラ14側に吸引するものである。フィードロール16は、供給ローラ14により送り出された段ボールシートSを印刷部21に供給することができる。
【0048】
印刷部21は、段ボールシートSの表面に多色刷り(本実施形態では、4色刷り)を行うものである。この印刷部21は、4つの印刷ユニット21A,21B,21C,21Dが直列をなして配置され、段ボールシートSの表面に4つのインキ色を使用して印刷を行うことができる。各印刷ユニット21A,21B,21C,21Dは、ほぼ同様に構成され、印刷シリンダ22、インキ供給ロール(アニロックスロール)23、インキチャンバ24、受ロール25を有している。印刷シリンダ22は、その外周部に印版26が取付けられ、回転可能に設けられている。インキ供給ロール23は、印刷シリンダ22の近傍にて印版26に対接するように配置され、回転可能に設けられている。インキチャンバ24は、インキを蓄えるものであり、インキ供給ロール23の近傍に設けられている。受ロール25は、印刷シリンダ22との間で段ボールシートSを挟持することで、所定の印圧を付与しながら搬送するものであり、印刷シリンダ22の下方に対向して回転可能に設けられている。なお、図示しないが、各印刷ユニット21A,21B,21C,21Dは、その前後に上下一対の送りロールが設けられている。
【0049】
排紙部31は、スロッタ装置を有し、段ボールシートSに対して、罫線加工を施すと共に溝切り加工を施すものである。この排紙部31は、第1罫線ロール32と、第2罫線ロール33と、スリッタヘッド34と、第1スロッタヘッド35と、第2スロッタヘッド36を有している。
【0050】
第1罫線ロール32は、円形状に形成され、段ボールシートSの搬送方向Dに直交する水平方向に所定間隔で複数(本実施形態では、4個)配置され、図示しない駆動装置により回転可能となっている。第2罫線ロール33は、円形状に形成され、段ボールシートSの搬送方向Dに直交する水平方向に所定間隔で複数(本実施形態では、4個)配置され、図示しない駆動装置により回転可能となっている。この場合、下側に配置された第1罫線ロール32は、段ボールシートSの裏面(下面)に罫線加工を施すものであり、下側に配置された第2罫線ロール33は、第1罫線ロール32と同様に、段ボールシートSの裏面(下面)に罫線加工を施すものであり、各罫線ロール32,33に対向する上方位置に、受ロール37,38が同期して回転可能に設けられている。
【0051】
スリッタヘッド34及び第1スロッタヘッド35は、円形状に形成され、段ボールシートSの搬送方向Dに直交する水平方向に所定間隔で複数(本実施形態では、5個)配置され、図示しない駆動装置により回転可能となっている。スリッタヘッド34は、1個で構成され、搬送される段ボールシートSにおける幅方向の端部に対応して設けられており、この段ボールシートSにおける幅方向の端部を切断することができる。第1スロッタヘッド35は、4個で構成され、搬送される段ボールシートSにおける幅方向の所定の位置に対応して設けられており、この段ボールシートSにおける所定の位置で溝切り加工を行うと共に、糊代片加工を行うことができる。第2スロッタヘッド36は、4個で構成され、搬送される段ボールシートSにおける幅方向の所定の位置に対応して設けられており、この段ボールシートSにおける所定の位置に溝切り加工を行うと共に、糊代片加工を行うことができる。この場合、スリッタヘッド34及び第1スロッタヘッド35は、対向する下方位置に下ヘッド39が同期して回転可能に設けられ、第2スロッタヘッド36は、対向する下方位置に下ヘッド40が同期して回転可能に設けられている。
【0052】
ダイカット部41は、段ボールシートSに対して、手穴等の打ち抜き加工を施すものである。このダイカット部41は、上下一対の送り駒42と、アンビルシリンダ43及びナイフシリンダ44を有している。送り駒42は、段ボールシートSを上下から挟持して搬送するものであり、回転可能に設けられている。アンビルシリンダ43及びナイフシリンダ44は、それぞれ円形状に形成され、図示しない駆動装置により同期して回転可能となっている。この場合、アンビルシリンダ43は、外周部にアンビルが形成される一方、ナイフシリンダ44は、外周部における所定の位置に刃物取付台(打ち抜き刃)が取付けられている。
【0053】
フォルディング部51は、段ボールシートSを搬送方向Dに移動させながら折り畳み、幅方向の両端部を接合して扁平状の段ボール箱Bを形成するものである。このフォルディング部51は、上搬送ベルト52と、下搬送ベルト53,54と、成形装置55とを有している。上搬送ベルト52及び下搬送ベルト53,54は、段ボールシートS及び段ボール箱Bを上下から挟持して搬送するものである。成形装置55は、左右一対の成形ベルトを有し、この成形ベルトにより段ボールシートSにおける幅方向の各端部を下方に折り曲げながら折り畳むものである。また、フォルディング部51は、糊付装置56が設けられている。この糊付装置56は、グルーガンを有し、所定のタイミングで糊を吐出することで、段ボールシートSにおける所定の位置に糊付けを行うことができる。
【0054】
カウンタエゼクタ部61は、段ボール箱Bを計数しながら積み重ねた後、所定数のバッチに仕分けした後、排出するものである。このカウンタエゼクタ部61は、ホッパ装置62を有している。このホッパ装置62は、段ボール箱Bが積み重ねられる昇降自在なエレベータ63を有し、このエレベータ63には、整形手段としての図示しない前当板と整角板とが設けられている。なお、ホッパ装置62の下方に、搬出コンベア64が設けられている。
【0055】
段ボールシートSは、給紙部11のテーブル12上に積み重ねられる。給紙部11にて、テーブル12上に積み重ねられている多数枚の段ボールシートSは、まず、前当て13により位置決めされ、次に、テーブル12が下降することで、複数の供給ローラ14により最下位置にある段ボールシートSが送り出される。すると、この段ボールシートSは、一対のフィードロール16により所定の一定側で、印刷部21に供給される。
【0056】
印刷部21にて、各印刷ユニット21A,21B,21C,21Dでは、インキ供給ロール23の表面にインキチャンバ24からインキが供給されており、印刷シリンダ22及びインキ供給ロール23が回転すると、インキ供給ロール23の表面のインキが印版26に転移される。そして、印刷シリンダ22と受ロール25との間に段ボールシートSが搬送されると、この段ボールシートSが印版26と受ロール25とにより挟持され、この段ボールシートSに印圧が付与されることでその表面に印刷が施される。印刷された段ボールシートSは、送りロールにより排紙部31に搬送される。
【0057】
排紙部31にて、段ボールシートSが第1罫線ロール32を通過するとき、段ボールシートSの裏面側(裏ライナ側)に罫線が形成される。段ボールシートSが第2罫線ロール33を通過するとき、同様に、段ボールシートSの裏面側に罫線が再形成される。段ボールシートSは、スリッタヘッド34を通過するとき、切断位置で一方の端部が切断され、第1スロッタヘッド35を通過するとき、罫線の上流側の位置に溝が形成される。このとき、罫線の切断位置で上流側の端部が切断される。段ボールシートSは、第2スロッタヘッド36を通過するとき、罫線の下流側の位置に溝が形成される。このとき、罫線の切断位置で下流側の端部が切断され、糊代片(接合片)が形成される。その後、罫線加工と溝切り加工が施された段ボールシートSは、ダイカット部41に搬送される。
【0058】
ダイカット部41にて、段ボールシートSがアンビルシリンダ43とナイフシリンダ44との間を通過するとき、手穴が形成される。そして、手穴が形成された段ボールシートSは、フォルディング部51に搬送される。
【0059】
フォルディング部51にて、段ボールシートSは、上搬送ベルト52及び下搬送ベルト53,54により搬送方向Dに移動されながら、糊付装置56により糊代片により糊が塗布されてから、成形装置55により、罫線を基点として下方に折り畳まれる。この折り畳みが180度近くまで進むと折り畳み力が強くなり、糊代片とこの糊代片に重なる段ボールシートSの端部とが押えられて互いに密着され、段ボールシートSの両端部が接合され、段ボール箱Bとなる。そして、この段ボール箱Bは、カウンタエゼクタ部61に搬送される。
【0060】
カウンタエゼクタ部61にて、良品と検出された段ボール箱Bは、ホッパ装置62に送られる。このホッパ装置62に送られた段ボール箱Bは、搬送方向Dの先端部が前当板に当たり、整角板により整形された状態でエレベータ63上に積み重ねられる。そして、所定数の段ボール箱Bがエレベータ63上に積み重ねられると、このエレベータ63が下降し、所定数の段ボール箱Bが1バッチとなって搬出コンベア64により排出され、製函機10の後行程に送られる。
【0061】
本実施形態は、紙工機械として上述した製函機10を適用しており、製函機10は、準備作業時間の分析装置が設けられている。以下、製函機10における準備作業時間の分析装置のシステムについて説明する。
図1は、製函機における準備作業時間の分析装置のシステムを表す全体構成図である。
【0062】
図1に示すように、製函機10は、製造工場に設置され、制御装置101を備えている。制御装置101は、製函機10の操作スイッチ102及び入力装置103が接続されている。操作スイッチ102は、運転開始スイッチや運転停止スイッチなどの各種のスイッチ類である。入力装置103は、例えば、キーボードやマイクなどである。また、制御装置101は、製函機10のドライブ装置104を介してモータ105が接続されると共に、センサ106が接続されている。ドライブ装置104及びモータ105は、製函機10の各装置を作動させるものであり、センサ106は、製函機10の運転状態(位置、速度、温度、振動など)を検出するものである。更に、制御装置101は、製函機10により製造された段ボール箱Bの品質を検査する品質検査装置107が接続されている。品質検査装置107は、例えば、各端部が内方に折り曲げられた段ボール箱Bにおける両端部の隙間が予め設定された所定範囲にあるかどうかを検査するものである。
【0063】
製函機10が設置された製造工場は、製函機10の運転状態を監視する工場内カメラ111が設けられている。また、製函機10を運転操作するオペレータは、オペレータの視界と同様の映像を写すオペレータカメラ112を装着している。また、オペレータは、工場内における作業位置を検出するオペレータ位置検出装置113を装着している。オペレータ位置検出装置113は、例えば、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を用いたものであってもよい。制御装置101は、工場内カメラ111とオペレータカメラ112とオペレータ位置検出装置113が接続されており、撮影画像や検出結果が入力される。なお、工場内カメラ111、オペレータカメラ112、オペレータ位置検出器113は、制御装置101を介さずに通信網144に接続してもよい。
【0064】
制御装置101は、表示装置114が接続されている。表示装置114は、ディスプレイであって、製函機10の運転データなどが表示される。
【0065】
製函機10が設置された製造工場内または製造工場に隣接して客先の管理事務所120が設けられており、管理事務所120には、パーソナルコンピュータ(または、モバイル端末など)121が設けられている。
【0066】
製造メーカの本社130は、サーバ131が設けられており、サーバ131に分析装置132が接続されている。分析装置132は、複数のパーソナルコンピュータ(または、モバイル端末など)133,134が接続されている。複数のパーソナルコンピュータ133,134は、例えば、管理部や技術部の他、営業部や出先の事務所などである。
【0067】
製函機10の制御装置101は、通信装置141が接続され、製造メーカの本社130のサーバ131は、通信装置142が接続され、管理事務所120のパーソナルコンピュータ121は、通信装置143が接続されている。各通信装置141,142,143は、通信網144を介してデータの送受信が可能となっている。この通信網144は、例えば、インターネット回線、専用回線、携帯電話回線などである。
【0068】
ここで、本実施形態の製函機における準備作業時間の分析装置について説明する。
図2は、分析装置を表す概略構成図である。
【0069】
図2に示すように、分析装置132は、準備作業時間分析部151と、機械停止分析部152と、機械調整分析部153と、部品故障分析部154と、部品余寿命分析部155と、機械診断分析部156とを有している。準備作業時間分析部151は、製函機10を操作するオペレータの動作と、事前に設定されて制御装置101に入力された作業工程データと、製函機10の運転データなどに基づいて製函機10の稼働開始前に行う準備作業時間における作業内容を分析するものである。なお、準備作業時間分析部151の詳細な内容については後述する。
【0070】
機械停止分析部152は、製函機10による段ボール箱Bの製造作業中に、製函機10が停止したときの原因を分析するものである。機械停止分析部152は、製函機10の停止要因データと、運転速度と、過去のエラー履歴と、品質管理データとに基づいて製函機10の停止原因を分析する。機械停止分析部152は、製函機10の停止原因を分析すると、停止原因に対する改善案を作成し、通信網144を用いて客先に提案することができる。なお、製函機10の停止要因データの収集作業は、製函機10の停止時に、オペレータが入力装置103を用いて停止要因データを入力することにより行うものであり、オペレータ停止要因データを入力すると、製函機を再始動可能とするとよい。
【0071】
機械調整分析部153は、製函機10による段ボール箱Bの製造開始時に、製函機10における各種装置の位置調整作業を分析するものである。各種装置の位置調整作業とは、例えば、印刷部21での段ボールシートSに対する印刷位置の調整作業、排紙部31での段ボールシートSに対する罫線加工位置や溝切り加工位置の調整作業、ダイカット部41での段ボールシートSに対する打ち抜き加工位置の調整作業、フォルディング部51での段ボールシートSに対する折り畳み位置の調整作業などである。機械調整分析部153は、製函機10における各種装置の位置調整のための基準位置のデータと、オペレータが調整した最適調整値のデータを段ボール箱Bの種類ごとに取得し、格納しておく。そして、製函機10による段ボール箱Bの製造開始時に、オペレータが位置調整した調整値と、格納してある最適調整値とを比較し、位置調整作業が適正なものであるかを判定する。各種装置の位置調整作業が適正なものでないとき、通信網144を用いてオペレータに助言することができる。
【0072】
部品故障分析部154は、製函機10による段ボール箱Bの製造作業中に、製函機10の運転状態を監視し、製函機10の運転状態に基づいて各種機器の故障を分析するものである。部品故障分析部154は、例えば、モータのトルク、電流値、温度、振動値、音などを検出し、検出値と最適値との差が予め設定された偏差値を超えると、モータ異常と判定する。部品故障分析部154は、モータ異常と判定したとき、通信網144を用いてオペレータに助言することができる。
【0073】
部品余寿命分析部155は、製函機10における各種機器の使用時間を監視し、各種機器の使用時間に基づいて各種機器の余寿命を分析するものである。部品余寿命分析部155は、例えば、モータのトルクなどを検出し、各種機器の使用時間に対する検出値の変化から、モータ及び駆動関連部品の余寿命を推定する。部品余寿命分析部155は、モータ及び駆動関連部品の余寿命からモータ及び駆動関連部品の交換時期を推定し、通信網144を用いてオペレータに助言することができる。
【0074】
機械診断分析部156は、製函機10による段ボール箱Bの製造作業中に、製函機10の運転状態を監視し、製函機10の運転状態に基づいて機械の予兆診断を行うものである。機械診断分析部156は、例えば、モータのトルクなどを検出し、検出値と最適値との偏差値に基づいてモータ及び駆動関連部品の異常を判定する。機械診断分析部156は、モータ及び駆動関連部品の異常を判定したとき、通信網144を用いて警報を発したり、オペレータに助言して機械の故障を未然に防止することができる。
【0075】
ここで、準備作業時間分析部151について詳細に説明する。
図3は、準備作業時間分析部を表す概略構成図である。
【0076】
図3に示すように、準備作業時間分析部151は、製函機(紙工機械)の稼働開始前に行う準備作業時間における作業内容を分析するものである。準備作業時間分析部151は、動作線図作成部161と、作業内容項目別表作成部162と、作業工程改善項目選定部163と、作業工程改善案作成部164とを有している。そして、作業内容項目別表作成部162は、項目別作業時間グラフ作成部165と、構成装置別作業時間グラフ作成部166とを有している。
【0077】
動作線図作成部161は、オペレータの作業位置に基づいてオペレータの動作線図を作成するものである。製函機10の制御装置101は、工場内カメラ111が撮影した映像、オペレータカメラ112が撮影した映像、オペレータ位置検出装置113の検出結果が入力される。この各カメラ111,112の撮影画像とオペレータ位置検出装置113の検出結果は、各通信装置141,142及び通信網144を介してサーバ131に入力されており、動作線図作成部161は、このデータに加えて、製函機10の作業工程データ及び運転データに基づいて製函機10の準備作業時間におけるオペレータの作業位置を把握することができる。
【0078】
動作線図作成部161は、製函機10の準備作業時間におけるオペレータの作業位置に基づいてオペレータの動作線図を作成する。この動作線図は、製函機10の構成装置に対するオペレータの作業位置及び作業時間の変化を表すものである。
【0079】
図4は、製函機の準備時間におけるオペレータの作業内容を表す動作線図である。この
図4のオペレータの動作線図にて、横軸は、製函機10の構成装置として、右から、供給コンベア、オートフィーダ、給紙部11、1C印刷部21A、2C印刷部21B、3C印刷部21C、4C印刷部21D、排紙部31、ダイカット(DC)部41、フォルディング(FG)部51、カウンタエゼクタ部(CE)61、検品、結束機、ロボット、払い出し部である。また、縦軸は、時間であって処理番号として表記しており、「−1」と「1」の間の位置が起動位置である。また、本実施形態では、2人のオペレータにより準備作業を実施している。
【0080】
動作線図作成部161により作成されたオペレータの動作線図について説明する。オペレータの動作線図において、
図4に示すように、オペレータAは、処理番号「−2」にて、次工程で使用する段ボールシートSの準備を開始し、処理番号「1」まで継続する。処理番号「−1」にて、前工程の段ボール箱Bの製造(オーダ生産)が完了し、給紙部11、1C印刷部21A、2C印刷部21B、3C印刷部21C、4C印刷部21D、排紙部31、ダイカット(DC)部41で、次工程のオートセットが開始され、また、処理番号「3」にて、フォルディング(FG)部51、カウンタエゼクタ部(CE)61で、オートセットが開始される。処理番号「1」にて、オペレータAは、4C印刷部21Dに移動し、処理番号「3」から処理番号「18」まで、4C印刷部21D、3C印刷部21C、2C印刷部21B、給紙部11の順に移動し、それぞれ印版の交換作業及び段ボールシートSの積込作業を行う。
【0081】
オペレータAは、処理番号「18」で、供給コンベア他に移動し、処理番号「19」から処理番号「25」まで、その次の印版や使用するインキの準備作業を行う。その後、処理番号「25」にて、4C印刷部21Dに移動し、処理番号「26」から処理番号「40」まで、4C印刷部21D、3C印刷部21C、オートフィーダの順に移動し、その次の印版の準備作業及び段ボールシートSの準備作業を行う。
【0082】
一方、オペレータBは、ロボットで、前工程におけるトラブル処理を処理番号「8」まで実施しており、処理番号「8」にて、検品に移動し、処理番号「9」から処理番号「12」まで、次工程の段ボール箱Bを確認する。その後、オペレータBは、処理番号「13」にて、オートフィーダに移動し、処理番号「20」まで、生産画面のチェックを行う。そして、オペレータBは、処理番号「20」にて、移動しながら看板を取り、カウンタエゼクタ部(CE)61に移動する。ここで、処理番号「20」にて、試し製造された段ボール箱Bを取り出し、処理番号「24」にて、1枚目の検品を行い、処理番号「29」にて、ダイの確認作業を行う。その後、処理番号「33」にて、調整作業を実施し、処理番号「34」にて、2枚目の試し段ボール箱Bの製造を行い、処理番号「36」にて、試し製造された段ボール箱Bを取り出し、処理番号「37」にて、2枚目の検品を行う。処理番号「38」にて、再度調整作業を実施し、処理番号「39」にて、段ボール箱Bの連続製造を開始し、処理番号「41」から、検品を行った後、処理番号「46」にて、運転速度を上げて通常運転を開始する。
【0083】
図3に示すように、作業内容項目別表作成部162は、作業工程データ及び紙工機械運転データに基づいて準備作業時間における作業内容を項目別に表す作業内容項目別表を作成するものであり、項目別作業時間グラフ作成部165と、構成装置別作業時間グラフ作成部166とから構成されている。
【0084】
項目別作業時間グラフ作成部165は、製函機10の作動内容とオペレータの作業内容とを分離して項目別に作業時間を表す項目別作業時間グラフを作成するものである。また、構成装置別作業時間グラフ作成部166は、製函機10の構成装置別の作動内容と作業時間を表す構成装置別作業時間グラフを作成するものである。
【0085】
図5は、製函機の準備時間における項目別作業時間グラフを表すグラフ、
図6は、現状の製函機の準備時間における構成装置別作業時間グラフである。
図5及び
図6のグラフにて、横軸は、時間であって、「t0」が起点位置(準備作業開始)である。
【0086】
項目別作業時間グラフにおいて、
図5に示すように、項目「機械セット」では、時間t−1から時間t0まで、製函機10を減速停止し、時間t0から、次工程で製造する段ボール箱Bのための製函機10の機械セットを実施している。項目「インキ洗浄/交換」では、時間t0から、印刷部21におけるインキ洗浄やインキ交換を実施している。項目「オペレータA」では、時間t0から、生産実績の入力作業と印版交換作業と手動設定作業を実施する。項目「オペレータB」では、時間t0から、手動設定作業と打ち抜きダイ交換作業を実施し、機械の起動(マシン起動及び試し通紙)後に点検作業を実施している。
【0087】
また、構成装置別作業時間グラフは、
図6に示すように、
図5に示す項目別作業時間グラフの詳細内容であり、給紙部11と印刷部21と排紙部31とダイカット(DC)部41とフォルディング(FG)部51とカウンタエゼクタ部(CE)61における各種機器の作動時間を表すものである。このグラフから、どの機器がどのくらいの準備時間を要しているかがわかる。
【0088】
図3に示すように、作業工程改善項目選定部163は、動作線図作成部161と作業内容項目別表作成部162の作成結果に基づいて準備作業時間における作業工程の改善項目を選定するものである。作業工程改善項目選定部163は、例えば、作業時間が標準的な作業時間よりも長い作業項目を改善項目として選定する。なお、この標準的な作業時間とは、オペレータの移動速度やマシン可動部の移動速度により計算した理論値と、収集した過去の実測値を考慮した時間である。この場合、 過去の実績値とは、例えば、複数の客先に既設の機械の類似作業における実績値の平均値である。
【0089】
図6に左下傾斜斜線で示すように、例えば、給紙部11におけるセット箇所11−1、11−2、排紙部31におけるセット箇所31−4、31−5,31−6,31−7、ダイカット(DC)部41におけるセット箇所41−1、41−2,41−5、カウンタエゼクタ部(CE)61におけるフロントストップのセット箇所61−2が標準的な作業時間よりも長時間を要している。そのため、作業工程改善項目選定部163は、この作業時間が標準的な作業時間よりも長い作業項目を改善項目として選定する。例えば、製函機10のセット箇所11−1における本装置の標準的な作業時間が1分であるのに、この工場では3分かかっていた場合に、その作業項目を改善項目として選定する。また、
図6に右下傾斜斜線で示すように、例えば、給紙部11におけるセット箇所11−11、11−16、印刷部21におけるセット箇所21−1、21−2は他の作業と並行して行える作業や前倒しして作業開始可能である項目と思われる。作業工程改善項目選定部163は、これらも改善項目として選定する。なお、作業工程改善項目選定部163は、改善項目として選定する数または割合を予め設定してもよい。
【0090】
なお、上述した説明では、作業工程改善項目選定部163は、作業時間が標準的な作業時間よりも長い作業項目を改善項目として選定するように構成したが、この構成に限定されるものではない。作業工程改善項目選定部163の選定基準は、下記のものがあり、複数組み合わせてもよい。
1.パレート分析により上位から所定(設定可能)のパーセンテージに含まれる項目
2.その作業項目の完了が他の作業工程の開始条件になっている項目
例えば、
図6にて、セット箇所11−1、11−2が完了したらセット箇所11−6が開始できる。
セット箇所31−4〜31−7が完了したらセット箇所31−10が開始できる。
セット箇所61−2が完了したらセット箇所61−5が開始できる。
3.動作線図で、オペレータの移動距離が長い項目
例えば、
図4において、処理番号「13」:オペレータBの検品からオートフィーダへの移動、処理番号「20」:オペレータBのオートフィーダからカウンタエゼクタ部(CE)61への移動、処理番号「25」:オペレータAの供給コンベア他から4C印刷部21Dへの移動。
4.動作線図で、オペレータの作業時間が、その作業に対する標準的な時間に対して所定(設定可能)のパーセンテージを超える項目
例えば、ある作業の標準的な作業時間に対して200パーセンテージを超えるものと設定した場合、標準的な作業時間が1分であれば2分以上かかっているもの。
【0091】
図3に示すように、作業工程改善案作成部164は、作業工程改善項目選定部163が選定した改善項目に対する作業工程の改善案を作成するものである。作業工程改善案作成部164は、作業工程の改善案を各通信装置141,142,143及び通信網144を介して製函機10の制御装置101や客先コンピュータに送信し、表示装置114に表示することで、作業工程の改善案を客先に提案することができる。
【0092】
図7は、改善後の製函機の準備時間における構成装置別作業時間グラフである。
【0093】
図6に示すように、作業工程改善項目選定部163は、給紙部11と排紙部31とダイカット(DC)部41とカウンタエゼクタ部(CE)61における各種作業を選定しており、作業工程改善案作成部164は、この選定項目を改善可能であるかどうかを分析する。改善方法としては、新たな機器の導入、オペレータの人員増加、オペレータの受け持ち作業の見直しなどである。本実施形態では、作業工程改善案作成部164は、作業工程改善項目選定部163が選定した各選定項目を改善可能としている。
図7に示すように、作業工程改善案作成部164は、新たな機器の導入により給紙部11と排紙部31とダイカット(DC)部41とカウンタエゼクタ部(CE)61における各種作業の作業時間を短縮することが可能となった。作業時間が短縮された作業項目として、
図7に左下傾斜斜線と右下傾斜斜線で示す項目がある。
【0094】
図3に示すように、準備作業時間分析部151は、製函機10における準備作業時間を分析した結果、準備作業時間を短縮可能とした作業工程改善案を作成することができた。
図1に示すように、分析装置132は、作成した作業工程改善案を各通信装置141,142,143及び通信網144を介して客先のコンピュータや製函機10の制御装置101に送信して作業工程改善案を提案する。
【0095】
このように本実施形態の紙工機械における準備作業時間の分析装置にあっては、製函機10の準備作業時間におけるオペレータの作業位置を検出するオペレータ位置検出装置113と、オペレータ位置検出装置113の検出結果に基づいてオペレータの動作線図を作成する動作線図作成部161と、作業工程データ及び製函機10の運転データに基づいて準備作業時間における作業内容を項目別に表す作業内容項目別表を作成する作業内容項目別表作成部162と、動作線図作成部161及び作業内容項目別表作成部162の作成結果に基づいて準備作業時間における作業工程の改善項目を選定する作業工程改善項目選定部163とを設けている。
【0096】
従って、準備作業時間におけるオペレータの作業位置に基づいてオペレータの動作線図を作成すると共に、作業工程データ及び紙工機械運転データに基づいて準備作業時間における作業内容を項目別に表す作業内容項目別表を作成し、動作線図及び作業内容項目別表に基づいて準備作業時間における作業工程の改善項目を選定する。そのため、製造作業を開始する前に行う準備作業の作業内容を分析することで、作業の改善点を見つけ出し、改善内容を提案して生産効率の向上を図ることができる。
【0097】
本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、動作線図作成部161は、製函機10の構成装置に対するオペレータの作業位置及び作業時間の変化を表すオペレータの動作線図を作成する。従って、製函機10の構成装置に対するオペレータの作業位置及び作業時間の変化を表すオペレータの動作線図により、オペレータの無駄な作業や改善可能な作業を見つけ出すことができ、これを改善するための提案を容易に作成することができる。
【0098】
本実施形態の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、作業内容項目別表作成部162は、製函機10の作動内容とオペレータの作業内容とを分離して項目別に作業時間を表す項目別作業時間グラフを作成する項目別作業時間グラフ作成部165を有している。従って、製函機10の作動内容とオペレータの作業内容とを分離して項目別に作業時間を表す項目別作業時間グラフにより、製函機10の作動内容とオペレータの作業内容における改善可能な項目を容易に見つけることができる。
【0099】
本実施形態の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、作業内容項目別表作成部162は、製函機10の構成装置別の作動内容と作業時間を表す構成装置別作業時間グラフを作成する構成装置別作業時間グラフ作成部166を有している。従って、製函機10の構成装置別の作動内容と作業時間を表す構成装置別作業時間グラフにより、製函機10の各構成装置における改善個所を容易に見つけだすことができる。
【0100】
本実施形態の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、作業工程改善項目選定部163は、作業時間が標準的な作業時間よりも長い作業項目を改善項目として選定する。例えば、この工場の製函機10のセット箇所11−1における標準的な作業時間が1分であるのに、他の工場の製函機では3分かかっていた場合、オペレータの作業動線や作業手順などに改善の余地があることが予想される。従って、作業時間が最も長い作業項目を改善項目として選定することで、選定した改善項目における作業時間を短縮して作業効率を向上することができる。
【0101】
本実施形態の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、作業工程改善項目選定部163は、作業項目の作業完了が他の作業項目の開始条件となっている作業項目を改善項目として選定する。従って、作業項目の作業完了が他の作業項目の開始条件となっている作業項目を改善項目として選定することで、選定した改善項目における作業時間を短縮すると共に、選定した改善項目の作業が完了した時点で他の作業項目が作業開始できるので、全体の準備時間が早期に完了し、作業効率を向上することができる。
【0102】
本実施形態の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、作業工程改善項目選定部163は、オペレータの移動距離が長い作業項目を改善項目として選定する。従って、オペレータの移動距離が長い作業項目を改善項目として選定することで、オペレータの作業動線や作業手順の見直しなどの対策により、コストミニマムで作業効率を向上することができる。
【0103】
本実施形態の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、作業工程改善項目選定部163は、改善項目として選定する数または割合を予め設定することを特徴としている。従って、改善項目として選定する数または割合を予め設定することで、任意に改善項目の選定数や選定範囲を設けることができるため、より効率的に改善項目を選定することができる。
【0104】
本実施形態の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、作業工程改善項目選定部163が選定した改善項目に対する作業工程の改善案を作成する作業工程改善案作成部164を設けている。従って、選定した改善項目に対する作業工程の改善案を作成することで、作成した作業工程の改善案を製函機10の納入先に提供することができる。
【0105】
本実施形態の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、製函機10の制御装置101や客先コンピュータ121との間でデータの送信及び受信が可能な通信装置141,142,143を設け、通信装置141,142により制御装置101から製函機10の運転データを受信する一方、制御装置101や客先コンピュータ121へ製函機10の作業工程改善案を送信する。従って、通信装置141,142により通信網144を介して製函機10の運転データを収集して作業工程改善案を作成し、作成した作業工程改善案を送信することで、製函機10の製造業者が作成した作業工程改善案を製函機10の納入先に容易に提供することができる。
【0106】
本実施形態の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、通信装置141,142により制御装置101から製函機10の停止要因データを受信する一方、制御装置101や客先コンピュータ121へ製函機10の停止要因分析結果を送信する。従って、停止要因データに基づいて停止要因を分析して改善案を作成することができ、容易に製函機10の納入先に対して停止要因分析結果や改善案を提案することができる。
【0107】
本実施形態の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、通信装置141,142により制御装置101から製函機10の位置調整データを受信する一方、制御装置101や客先コンピュータ121へ製函機10の位置調整データの良否結果を送信する。従って、サーバ131に製函機10の位置調整データの最適値を記憶させておくことで、現在調整している製函機10の位置調整データに基づいてこの位置調整データの良否結果を容易に判定し、製函機10の納入先にアドバイスすることができる。
【0108】
本実施形態の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、通信装置141,142により制御装置101から製函機10の運転データを受信する一方、制御装置101や客先コンピュータ121へ製函機10の部品故障分析結果を送信する。従って、製函機10の運転データに基づいて製函機10の部品故障分析を行うことで、故障部品に対する交換作業を適切な時期に提案して実施することができる。
【0109】
本実施形態の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、通信装置141,142により制御装置101から製函機10の運転データを受信する一方、制御装置101や客先コンピュータ121へ製函機10の部品余寿命分析結果を送信する。従って、製函機10の運転データに基づいて製函機10の部品余寿命分析することで、消耗部品に対する交換作業を早期に提案して実施することができる。
【0110】
また、通信装置141,142,143は、部品交換時期および部品納期を考慮した時期、つまり、部品交換予定日に部品納入までに要する日数を加えた期間より前に製函機10の部品余寿命分析結果を送信する。従って、客先での保管在庫を減らして、好適な時期に部品交換を行うことができる。
【0111】
本実施形態の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、通信装置141,142により制御装置101から製函機10の運転データを受信する一方、制御装置101や客先コンピュータ121へ製函機10の診断分析結果を送信する。従って、製函機10の運転データに基づいて製函機10の診断分析することで、稼働している製函機10の運転状態が正常なものであるかどうかを判断し、異常が発生する前に製函機10の運転状態を知らせることができる。
【0112】
本実施形態の紙工機械における準備作業時間の分析装置では、製函機10の作業工程改善案、停止要因分析結果、位置調整データの良否結果、部品故障分析結果、部品余寿命分析結果、診断分析結果を制御装置101へ送信し、客先コンピュータへも送信する。作業工程改善案、停止要因改善案、消耗部品の手配・交換提案等は、客先組織的な対応(管理部門の判断)が必要なため、客先コンピュータへ送信することにより、客先のの判断が適時可能となる。また、機械の不適正な調整に対するアラームや機械故障時の対処方法のアドバイス等は、機械制御装置に送信することで現場作業者がタイムリーに対応できるとともに、客先管理部門へも並行して送信することで、客先管理部門も機械の状態を把握することができる。
【0113】
また、本実施形態の紙工機械における準備作業時間の分析方法にあっては、製函機10の準備作業時間におけるオペレータの作業位置に基づいてオペレータの動作線図を作成する工程と、作業工程データ及び紙工機械作動データに基づいて準備作業時間における作業内容を項目別に表す作業内容項目別表を作成する工程と、動作線図及び作業内容項目別表に基づいて準備作業時間における作業工程の改善項目を選定する工程とを有する。従って、製造作業を開始する前に行う準備作業の作業内容を分析することで、作業の改善点を見つけ出し、改善内容を提案して生産効率の向上を図ることができる。
【0114】
なお、上述した実施形態では、本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置を製函機10に適用して説明したが、段ボールシートの製造装置としてのコルゲートマシンに適用してもよい。段ボールシートの製造装置としてのコルゲートマシンは、図示しないが、波形加工された芯紙に裏ライナ(第2ライナ)を貼り合わせて片面段ボールシートを製造し、製造された片面段ボールシートの芯紙に表ライナ(第1ライナ)を貼り合わせて連続した両面段ボールシートを製造する。そして、連続した両面段ボールシートを所定長さに切断することで、板状の両面段ボールシートを製造するものである。
【0115】
即ち、コルゲートマシンは、複数のミルロールスタンドと、シングルフェーサと、ブリッジと、プレヒータと、グルーマシンと、ダブルフェーサと、ロータリシャと、スリッタスコアラと、カットオフと、不良品排出装置と、スタッカとを備えている。
【0116】
紙工機械として、製函機10に代えてコルゲートマシンを適用した場合であっても、ネットワークや分析装置の機能はほぼ同様である。コルゲートマシンによる段ボールシートの製造作業では、段ボールシートの製造工程の間で、段ボールシートの種類の変更に応じて、芯紙を波形に加工するための段ロールユニットの交換作業や各ライナや芯紙の供給作業などの準備作業を行う必要がある。本発明の紙工機械における準備作業時間の分析装置及び方法は、これらの準備作業時間を分析するものである。