(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記調理環境情報取得部は、前記記憶部で保持する調理手段の情報を出力し、前記ユーザによる当該調理手段の保有有無の回答を取得することで、前記調理環境情報を取得する、請求項1に記載の調理支援装置。
前記調理環境情報取得部は、前記ユーザに関するレシピ使用履歴の情報を前記記憶部にて参照し、前記ユーザが過去に使用ないし検索したレシピ情報から、当該レシピ情報を用いた調理に使用される調理手段の情報を抽出することで、前記調理環境情報を取得する、請求項1に記載の調理支援装置。
前記調理環境情報取得部は、ネットワークを介して通信可能な、前記ユーザの調理手段から、当該調理手段の情報を含む前記調理環境情報を取得する、請求項1に記載の調理支援装置。
前記調理環境情報取得部は、前記調理手段の情報が含む、当該調理手段のメーカーに関する情報を参照し、前記メーカーのサーバ装置から、前記調理手段の仕様情報を含む前記調理環境情報を取得する、請求項4に記載の調理支援装置。
前記調理環境情報取得部は、前記選択されたレシピ情報で規定されている調理手段のうち、前記ユーザの保有する調理手段で代替可能なものを、前記仕様情報に基づいて特定し、当該ユーザの調理手段の情報を前記調理環境情報とする、請求項5に記載の調理支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本開示の必須構成要件であるとは限らない。
【0018】
(第1の実施形態)
<構成>
まず、
図1を用いて第1の実施形態におけるユーザ端末201からの操作により、調理環境に応じた調理手順の指示情報を生成するサーバ101を含む、調理支援システム10の構成及びその概要について説明する。なお、
図1は、本実施形態の調理支援システム10のブロック図である。
【0019】
本実施形態の調理支援システム10は、
図1に示すように、サーバ101と、ユーザ端末201と、調理機器301とが、例えばインターネットやLAN等のネットワークNWに接続可能に構成されている。
【0020】
サーバ101は、本開示における調理支援装置を構成する装置であり、コンピュータやメインフレーム等の情報処理装置で構成される。サーバ101とネットワークNW間の接続は、有線でもよいし無線でもよい。サーバ101は、サーバ通信部111、記憶部112、調理環境情報取得部113、レシピ選択部114、指示情報生成部115とから構成される。
【0021】
サーバ通信部111は、ネットワークNWを介してユーザ端末201及び調理機器301と通信を行う通信インタフェースである。サーバ通信部111は、ユーザ端末201や調理機器301から送信される調理環境情報やレシピ選択情報を受信する。また、サーバ通信部111は、ユーザ端末201へレシピ情報や、調理指示情報を送信する。
【0022】
記憶部112は、レシピ情報を記憶する。レシピ情報は、料理を作るための情報であって、材料と調理工程とを含むレシピを示す情報である。レシピ情報は、画像とテキストから構成されるコンテンツであってもよいし、動画であってもよい。サーバ101が配信するレシピ情報は、ユーザ(投稿者又は閲覧者)によって投稿されてもよいし、サービス提供事業者によって投稿されてもよい。
【0023】
また、記憶部112は、調理環境情報取得部113が取得する、ユーザの調理環境情報を記憶する。なお、調理環境情報は、ユーザのID情報と紐づけられて記憶される。また、記憶部112は、調理環境情報が示す調理器具や調理道具の特性情報すなわち仕様情報(以下特性情報)を記憶する。なお、本発明における調理手段は、調理器具と調理道具の概念を含むものとする。
【0024】
調理器具の特性情報は、例えばガスコンロの熱量や、電子レンジのワット数等の情報である。また、調理道具の特性情報は、お鍋の容積や、熱容量等の情報である。なお、こうした特性情報は、調理機器301の仕様情報320から取得してもよいし、メーカーが提供する規格情報を用いてもよいし、複数のユーザが使用した調理器具や調理道具の過去の使用実績情報から、機械学習(AI)を用いて推定してもよい。
【0025】
調理環境情報取得部113は、ユーザ端末201や調理機器301から送信された調理環境情報をユーザのID情報と紐づけて記憶部112に記憶する。調理環境情報は、調理器具や調理道具の種類及や数量の情報である。なお、調理環境情報取得部113は、ユーザ端末201が撮影し送信してきた、当該ユーザのキッチンの画像データに対して、適宜な画像解析、画像認識等のアルゴリズムを適用し、調理環境情報を生成するとしてもよい。
【0026】
なお、上述の調理環境情報取得部113は、記憶部112で保持する調理器具や調理道具(調理手段)の情報をユーザ端末201に送信して出力させ、そのユーザによる当該調理手段の保有有無の回答を取得することで、調理環境情報を取得するとしてもよい。
【0027】
ユーザ端末201で出力させる上述の情報は、サーバ101が記憶部112で予め保持する調理手段のリスト(
図2の調理手段リスト1121)を想定できる。このリストは、例えば各調理手段のメーカーWEBサイトから取得し、マージしてリスト化し生成するとしてもよい。
【0028】
また、調理環境情報取得部113は、記憶部112で予め保持する、上述のユーザに関するレシピ使用履歴の情報を参照し、当該ユーザが過去に使用ないし検索したレシピ情報から、当該レシピ情報で使用される調理手段の情報を抽出することで、調理環境情報を取得するとしてもよい。
【0029】
また、調理環境情報取得部113は、上述のユーザのキッチンに関する撮影データを、ユーザ端末201(の撮像部214)から取得し、この撮影データに基づいて、当該ユーザが所有する調理手段およびキッチンの広さの少なくともいずれかの情報を含む調理環境情報を取得するとしてもよい。
【0030】
また、調理環境情報取得部113は、ネットワークNWを介して通信可能な、上述のユーザの調理手段すなわち調理機器301から、当該調理機器301の情報を含む調理環境情報を取得するとしてもよい。
【0031】
また、調理環境情報取得部113は、調理機器301やユーザ端末201から得た、調理手段の情報が含む、当該調理手段のメーカーに関する情報(例:メーカーWEBサイトのURL、メーカー名など)を参照し、そのメーカーのサーバ装置(前述のURLでアクセス)から、該当調理手段の仕様情報を含む調理環境情報を取得するとしてもよい。
【0032】
また、調理環境情報取得部113は、ユーザ端末201で選択されたレシピ情報で規定されている調理手段のうち、当該ユーザの保有する調理手段で代替可能なものを、上述の仕様情報に基づいて特定し、当該ユーザの調理手段の情報を調理環境情報とするとしてもよい。
【0033】
例えば、レシピ情報で規定されている調理手段が「500ワットの電子レンジ」であったところ、ユーザは「500ワットの電子レンジ」を保有していない状況であったが、「500ワット」での調理モードが選択可能であることが仕様情報から特定できる「1200ワットの電子レンジ」を保有している場合、この「1200ワットの電子レンジ」の情報を、「500ワットの電子レンジ」の代替手段として調理環境情報として採用する。
【0034】
レシピ選択部114は、ユーザ端末201から送信されたレシピ選択情報に基づいて、記憶部112からレシピ情報を選択する。
【0035】
指示情報生成部115は、記憶部112に記憶されたユーザの調理環境情報と、ユーザが指定したレシピ情報から、当該レシピ情報に対応する調理手順の指示情報を生成する。具体的には、調理環境情報が示す調理器具や調理道具の種類及や数量の情報に基づいて、レシピ情報が示すレシピにおける各調理手順を、適宜な調理器具や調理道具に割り当て、指示情報を生成する。また、複数の調理手順を平行して作業を行うように指示情報を生成する。
【0036】
また、指示情報生成部115は、記憶部112に記憶されている特性情報を使用することで、調理の時間をレシピ情報の時間から変更して指示情報として生成することができる。例えば、レシピ情報において、500ワットの電子レンジで3分と指示されているものを、ユーザが1200ワットの電子レンジを使用している場合には、1分30秒で調理できるように時間を変更して指示情報とすることができる。
【0037】
ユーザ端末201は、サーバ101から送信される情報を表示する。また、ユーザ端末201は、サーバ101へ情報を送信することができる。
【0038】
ユーザ端末201は、スマートフォン、携帯電話、PHS、コンピュータ、PDA、腕時計、スマートウォッチ、ヘッドマウントディスプレイ、画像生成装置等の情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークNWを介してサーバ101に接続可能な装置である。なお、ユーザ端末201とサーバ101間の接続は、有線でもよいし無線でもよい。
【0039】
また、ユーザ端末201は、インストールされた専用のアプリケーションソフトウェアによってサーバ101にアクセスしてもよい。また、サーバ101や、別途サーバ(不図示)が提供する動作環境(API(アプリケーションプログラミングインタフェース)、プラットフォーム等)を利用してサーバ101にアクセスしてもよい。
【0040】
端末通信部211は、ネットワークNWを介してサーバ101と通信を行う通信インタフェースである。端末通信部211は、サーバ101から送信される調理指示情報を受信する。また、端末通信部211は、サーバ101へ調理環境情報やレシピ選択情報を送信する。
【0041】
入力部212は、ユーザが、ユーザ端末201に対して操作を行うための入力装置である。入力部212は、物理的なキーボード等のスイッチによる入力装置でもよいし、表示部213と一体となって、タッチパネルとして構成されていてもよい。
【0042】
表示部213は、ユーザ端末201で情報の表示を行うための画像装置であり、液晶(LCD(Liquid Crystal Display))や有機EL素子等により構成される。
【0043】
調理機器301は、電子レンジやオーブンレンジ、炊飯器などといった調理機器である。ただし、この場合の調理機器301は、通信部311及び記憶部312を備えており、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークNWを介してサーバ101と通信可能であるとする。
【0044】
そのため、記憶部312で保持する、当該調理機器301の仕様情報320(
図3参照)を、通信部311を介してサーバ101へ送信可能である。なお、調理機器301とサーバ101間の接続は、有線でもよいし無線でもよい。
【0045】
通信部311は、ネットワークNWを介してサーバ101と通信を行う通信インタフェースである。通信部311は、サーバ101から送信される調理環境情報の取得要求を受信する。また、通信部311は、サーバ101に向けて、仕様情報320を調理環境情報として送信する。
【0046】
<ユーザ端末表示画面について>
本開示の実施形態に係る、サーバ101を用いてユーザに調理支援を行う際の、ユーザ端末201の表示画面について、
図2から
図7を用いて説明する。
【0047】
<<調理環境情報の取得>>
まず、調理環境情報をユーザ端末201から取得する手順について説明する。調理環境情報とは、ユーザが使用する調理器具や調理道具に関する情報である。
図4は、ユーザ端末201において、調理器具の保有有無について回答を受け付けるための画面G10である。ここで受け付ける保有有無に関する回答は、キッチンの広さ、コンロの種類、コンロの口数、炊飯器や電子レンジ等の有無や、それらの型式に関するものである。なお、調理器具の情報には、キッチンのレイアウトの情報を含んでいてもよい。
【0048】
図4の画面G10では、ユーザが、調理環境に関する各項目G101と、その選択をするプルダウンG102とが、列挙されている。項目G101としては、例えば、ガスコンロ、電気コンロ、炊飯器、オーブンレンジ、電子レンジ、オーブントースター、ブレンダー、ミキサー、といった調理器具に対応したものが含まれる。
【0049】
ユーザは、こうした調理器具のうち、その有無の選択対象を指定するチェックボックスG103でチェックを入れる。また、当該項目の調理器具の有無について、上述のプルダウンG102を操作し指定する。なお、ガスコンロについては、その口数が、調理に際して同時並行で進めうる加熱動作の数に対応するため、有無のみならず口数の選択用のプルダウンとなっている。また、キッチンの広さについても、その面積のサイズ感を選択するプルダウンが配置されている。
【0050】
或いは、
図5の画面G20に示すように、各調理器具の有無ではなく、対象となる調理器具の型式をプルダウンG202で選択させるとしてもよい。その場合、ユーザは、自身が保有している調理器具のうち、例えば炊飯器に関して型式「AB−100C」をプルダウンG202で選択し、また、電子レンジに関して型式「DR500W」を選択し、同様に、オーブントースターに関して型式「OT−200X」を選択する。また、このユーザは、ブレンダーを保有しているものの、型式はわからないため「不明」を選択する。
【0051】
このように、自身の保有する調理器具に関する選択動作を行ったユーザは、例えば、所定の確認ボタン(不図示)をクリックする。一方、これを受けたユーザ端末201は、当該ユーザが調理器具の保有有無に関して選択を完了したと認識し、調理道具の保有有無に関する選択画面(
図6の画面G30)に遷移させる。
【0052】
図6及び
図7は、ユーザが、ユーザ端末201を用いて調理道具の有無やその数を選択するための画面G30、G40をそれぞれ示す図である。調理道具の情報とは、フライパンやお鍋、包丁といった調理道具それぞれの有無や数量に関する情報である。
【0053】
調理器具に関する選択を受け付ける画面(
図4、
図5)と同様、調理道具の保有有無について回答を受け付けるための画面G30では、各調理道具に関する各項目G301と、その選択をするプルダウンG302とが、列挙されている。項目G301としては、例えば、フライパン、鍋、中華鍋、土鍋、圧力鍋、寸胴鍋、せいろ、包丁、さしみ包丁、キッチンはさみ、といった調理道具に対応したものが含まれる。
【0054】
ユーザは、こうした調理道具のうち、その有無の選択対象を指定するチェックボックスG303でチェックを入れる。また、当該項目の調理道具の有無について、上述のプルダウンG302を操作し指定する。
【0055】
或いは、
図7の画面G40に示すように、各調理道具の有無ではなく、対象となる調理道具の数をプルダウンG402で選択させるとしてもよい。その場合、ユーザは、自身が保有している調理道具のうち、例えばフライパンに関して、その保有数「1」を、鍋に関して、その保有数「2」を、圧力鍋に関して、その保有数「1」を、包丁に関して、その保有数「2」を、キッチンはさみに関して、その保有数「1」を、それぞれプルダウンG402で選択する。
【0056】
このように、自身の保有する調理道具に関する選択動作を行ったユーザは、例えば、所定の確認ボタン(不図示)をクリックする。一方、これを受けたユーザ端末201は、当該ユーザが調理道具の保有有無や数に関して選択を完了したと認識し、調理手段に関する選択内容が確定する。ユーザ端末201は、確定した入力内容を調理環境情報としてサーバ101へ送信する。
【0057】
また、調理環境情報取得部113は、例えば、記憶部112が保持するレシピ使用履歴1122(
図8参照)を参照し、ユーザが過去に使用ないし検索したレシピ情報から、当該レシピ情報を用いた調理に使用される調理手段の情報を抽出することで、調理環境情報を取得するとしてもよい。例えば
図8におけるレシピ使用履歴1122のうち、ユーザID「00001」が使用したレシピ「r00115」の内容「出力500Wの電子レンジを3分間・・・」から、「500W」及び「電子レンジ」の各語彙を抽出し、これらを調理環境情報とする。この時、調理環境情報取得部113は、文章中から調理手段に対応する語彙を特定するための辞書を、予め保持しているものとする。
【0058】
また、調理環境情報取得部113は、ユーザのキッチンに関する撮影データをユーザ端末201の撮像部214から取得し、その撮影データに基づいて、当該ユーザが所有する調理器具ないし調理道具、およびキッチンの広さの少なくともいずれかの情報を、調理環境情報として取得するとしてもよい。
【0059】
この場合、調理環境情報取得部113は、上述の撮影データを入力として、画像認識エンジンに与えることで、当該撮影データ中に含まれる被写体のうち調理器具や調理道具を特定する。勿論、上述の画像認識エンジンは、調理器具や調理道具の認識に関して適宜な学習を行って必要な認識精度で被写体を特定可能なものとする。
【0060】
また、画像認識エンジンは、撮影データから、例えばキッチン空間中の柱や天井の各頂点を特定し、各頂点間の寸法を算定することで、当該キッチンの広さを推定する機能を有しているものとする。
【0061】
また、調理環境情報取得部113は、ネットワークNWを介して通信可能である、上述の調理機器301から、当該調理機器301の仕様情報320を調理環境情報として取得する。調理環境情報取得部113は、こうして得たキッチンの撮影データや調理機器301の仕様情報320などを、取得情報1123(
図9参照)として記憶部112に格納しておく。
【0062】
なお、調理環境情報取得部113は、上述の調理機器301(調理器具)から当該調理機器301のメーカーに関する情報、例えばメーカーWEBサイトのURLを取得し、このURLをアクセス先として、当該メーカーのサーバ装置に対し、当該調理機器301の仕様情報の取得要求を通知して、調理環境情報として仕様情報を取得するとしてもよい。
【0063】
<<調理手順の指示情報の表示>>
次に、ユーザが選択したレシピに対して、ユーザの調理環境情報に応じた調理支援の指示情報を表示する表示画面について説明する。
図10は、ユーザ端末201にユーザが選択したレシピである「自宅でできる海の幸フルコース〇〇」で使用する材料が表示された画面G50である。ユーザ端末201は、この画面G50とは異なる他の画面が表示されている場合でもユーザの操作に基づいて当該画面G50に戻って表示することができる。そのため、ユーザはいつでも材料を確認することができる。
【0064】
図11は、ユーザ端末201に、ユーザが選択したレシピの作り方の手順が表示された画面G60である。作り方の手順は、ユーザの調理器具や調理道具毎に、どの時間に各調理器具や調理道具を使用して調理を行うかを示すものである。
【0065】
この作り方の手順は、レシピを選択したユーザの調理環境情報に基づいて、レシピの調理手順を、時間に応じて調理器具や調理道具に割り当て生成される指示情報である。具体的には、
図11は、ユーザの調理手段が、「まな板、フライパン、お鍋1、お鍋2、電子レンジ」である調理環境情報に基づいて、ユーザが選択したレシピの調理手順の指示情報を示している。
【0066】
この指示情報の画面は、まな板は調理開始から2分程度使用し、まな板で加工した食材をお鍋2に移し、2分から24分頃まで煮込む手順を示す。また、まな板を8分から10分の間使用し、加工した食材をフライパンに移して焼く手順を示す。さらに、まな板を16分から18分の間使用し、加工した食材をフライパンに移し、先に焼いた食材に合わせて焼く手順を示す。また、お鍋1は15分から使用し、フライパンで焼きあがった食材をお鍋1に移して煮込む手順を示す。電子レンジは、お鍋1で煮込んだ食材を28分から32分の間加熱する手順を示す。そして、加熱後にお鍋2で煮込んだ食材を合わせる手順を示す。
【0067】
図12は、ユーザ端末201に、調理開始後の指示情報を示された画面G70であり、具体的手順が表示されている。現在の時間は点線で示すタイムバーで示されており、
図12は調理開始から13分経過していることを示している。また、画面G70の下部には、当該タイムバーで示す時間における調理手順の具体的な指示情報が表示される。この時間は、フライパンとお鍋2が同時に調理を行っている状態である。フライパンは、お鍋2の調理開始後の10分から調理を開始しているため、フライパンを用いた調理手順が表示されている。タイムバーは、ユーザが任意に動かすことが可能であり、過去や先の調理手順を見ることができる。このように、ユーザの調理環境に合わせて複数の調理手順を並列して表示し、ユーザの調理支援を行うことができる。
【0068】
次に、
図13は、ユーザの調理道具が、「まな板、フライパン、お鍋、電子レンジ」である調理環境情報に基づいて、ユーザが選択したレシピの調理手順の指示情報を示している画面G80であり、具体的手順が表示されている。
【0069】
図11、
図12で示す調理環境情報(お鍋が2つ)と異なり、お鍋が1つである場合の調理手順の指示情報について示すものである。すなわち、この場合お鍋を使う調理手順は順次行う必要があるため、
図12のお鍋1で行っていた調理手順を、24分頃から調理を行う指示情報とし、それに伴いまな板、フライパンの調理手順も18分頃から開始する指示情報とされている。このように、1つのレシピを選択した場合であっても、ユーザの調理環境情報に合わせた調理手順の指示情報を表示することができる。
【0070】
<処理の流れ>
次に、本開示の第1の実施形態に係る調理支援システム10の動作について、
図14に示すフローチャートと、ユーザ端末201の表示画面を示す
図4〜
図7等を参照しながら説明する。
図14のフローチャートは、サーバ101とユーザ端末201ないし調理機器301の各動作の関連状態を示している。
【0071】
ステップS101において、ユーザ端末201は、ユーザからの調理環境情報の選択を受け付ける。具体的には、
図4〜
図7で示すように、ユーザが、ユーザ端末201を用いて、調理環境情報である調理器具や調理道具の有無を入力部212から入力し、これをユーザ端末201が取得することとなる。ユーザ端末201における、調理環境情報取得の詳細については、既に述べた通りである。
【0072】
ステップS102において、ユーザ端末201は、ステップS101で選択された調理環境情報をサーバ101に送信する。具体的には、ユーザ端末201は、ユーザから選択を受け付けた調理環境情報を、端末通信部211を介してネットワークNWに送信する。
【0073】
なお、
図14の例では、ユーザ端末201が調理環境情報を取得し、これをサーバ101に送信する形態となっているが、調理機器301が、その仕様情報320を、要求に応じて或いは所定タイミングの到来をもってサーバ101に配信するとしてもよい。
【0074】
ステップS103において、サーバ101は、ステップS102でユーザ端末201から送信された調理環境情報を受信し、これを記憶部112に格納する。具体的には、サーバ101は、サーバ通信部111が受信した調理環境情報を、ユーザ端末201を使用するユーザIDと紐づけて記憶部112に記憶する。
【0075】
ステップS104において、ユーザ端末201は、ユーザからのレシピ選択情報の入力を受け付ける。具体的には、サーバ101から提供される複数のレシピ情報を選択可能に表示させ、ユーザ所望のレシピ情報の選択を入力部212で受け付ける。
【0076】
ステップS105において、ユーザ端末201は、ステップS104で得たレシピ選択情報をサーバ101に送信する。具体的には、ユーザ端末201は、レシピ選択情報を、端末通信部211を介してネットワークNWに送信する。
【0077】
ステップS106において、サーバ101のレシピ選択部114は、上述のレシピ選択情報に基づいて、ユーザが選択したレシピ情報を記憶部112から読み出す。
【0078】
ステップS107において、サーバ101の指示情報生成部115は、上述のユーザの調理環境情報である調理器具や調理道具の種類や数と、ユーザが選択したレシピ情報とから、当該レシピ情報に対応する調理手順の指示情報を生成する。また、ユーザが使用する、調理器具や調理道具の特性情報すなわち仕様情報を使用することで、調理の時間をレシピ情報の時間から変更して指示情報として生成することができる。
【0079】
なお、調理環境情報取得部113は、ユーザの選択したレシピ情報で規定されている調理手段のうち、当該ユーザの保有する調理手段で代替可能なものを、例えば取得情報1123に基づいて特定し、当該ユーザの調理手段の情報を調理環境情報とするとしてもよい。
【0080】
ステップS108において、サーバ101は、指示情報が完了するまでステップS111までの間のループを行う。ユーザ端末201も、このループに連動して動作が継続する。
【0081】
ステップS109において、サーバ通信部111は、ステップS107で生成した指示情報をユーザ端末201に送信する。
【0082】
ステップS110において、ユーザ端末201は、サーバ101から送信された指示情報を受信し、これを表示する。具体的には、端末通信部211が受信した指示情報を、表示部213にて表示する。表示部213で表示される画面の内容は、
図11で説明した、ユーザが選択したレシピの作り方の手順や、調理開始後は、
図12で説明したタイムバーに対応する具体的手順である。時間の経過や、ユーザの入力操作によって表示内容が変わる。なお、ユーザ端末201は、指示情報の表示を行うとともに、調理状況の取得を行ってもよい。
【0083】
ステップS111において、サーバ101は、指示情報が完了するまでステップS108までの間のループを行う。
【0084】
以上のように、本開示の第1の実施形態に係るサーバ(調理支援装置)101は、ユーザが選択した調理環境情報に応じて、ユーザが指定したレシピ情報に基づく調理手順の指示情報を生成し、ユーザ端末201で指示情報の表示することで調理支援を行うことができる。ユーザは、ユーザ端末201に表示される調理手順の指示情報に従い調理を行うことで、ユーザの調理環境に合わせ複数の調理手順を並行して調理を行うことが可能となり調理を効率的に行うことができる。
【0085】
また、ユーザ端末201は、指示情報の表示を行うとともに、調理状況の取得を行ってもよい。例えば、ユーザ端末201のマイク部から調理中の音声を取得し、指示された調理手順が終了したかどうかを音声から判別し、終了と判別された場合、当該調理手順が完了したという調理状況をサーバ101に送信してもよい。また、各調理器具がセンサ及び通信機能を備え、調理状況をサーバ101に送信してもよい。調理状況からユーザが、指示情報の時間通りに調理手順を終わらせたかどうかを知ることができる。時間通り又は時間より早く調理手順を終わらせている場合、ユーザは調理の手際が良いと推定され、ユーザIDに紐づけられる習熟度の値が高くなるようにしてもよい。指示情報生成部は、ユーザの習熟度が高い場合、ユーザの習熟度が低い場合に比較して、調理手順の指示情報の時間を短く設定し、より手際よく、効率よく調理ができるように指示情報の生成を行ってもよい。
【0086】
(第2の実施形態)
次に、本開示の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、2人のユーザA、ユーザBが調理を共同で行うものである。
図15にて示すように、第1の実施形態のユーザ端末201が、ユーザ端末201a、ユーザ端末201bの2台となっている点が構成として異なるが、第1の実施形態と同様の構成の部分についての説明は省略する。ユーザAが使用するのはユーザ端末201aであり、ユーザBが使用するのはユーザ端末201bである。
【0087】
<ユーザ端末表示画面について>
図16に示す画面G90は、ユーザ端末201a及びユーザ端末201bに表示されるユーザが選択したレシピの作り方の手順であり、どの時間に各調理器具や調理道具を使用して調理を行うかを示すものである。また、この画面G90は、調理開始後の指示情報を示された画面であり、具体的手順が表示されている。
【0088】
ユーザの調理道具が、「まな板、フライパン、お鍋1、お鍋2、電子レンジ」である調理環境情報に基づいて、ユーザAが選択したレシピの調理手順の指示情報を示している。この指示情報の画面は、まな板はユーザAが調理開始から2分程度使用し、まな板で加工した食材をお鍋2に移し、ユーザBが2分から24分頃まで煮込む手順を示す。また、ユーザAがまな板を8分から10分の間使用し、ユーザBが加工した食材をフライパンに移して焼く手順を示す。さらに、ユーザAがまな板を16分から18分の間使用し、ユーザBが加工した食材をフライパンに移し、先に焼いた食材に合わせて焼く手順を示す。また、ユーザBがお鍋1を15分から使用し、フライパンで焼きあがった食材をお鍋1に移して煮込む手順を示す。ユーザAが、電子レンジにてお鍋1で煮込んだ食材を28分から32分の間加熱する手順を示す。そして、ユーザAが、加熱後にお鍋2で煮込んだ食材を合わせる手順を示す。
【0089】
現在の時間は点線で示すタイムバーで示されており、
図16の例では、調理開始から13分経過していることを示している。また、画面G90の下部には、当該タイムバーで示す時間における調理手順の具体的な指示情報が表示される。この時間にユーザAがお鍋2で調理を行う手順と、ユーザBがフライパンで調理を行う手順が表示されている。タイムバーは、ユーザが任意に動かすことが可能であり、過去や先の調理手順を見ることができる。
【0090】
このように、ユーザの調理環境に合わせて複数の調理手順を並列して表示し、ユーザの調理支援を行うことができる。このように、ユーザAとユーザBに対して調理手順の担当を割り当て、それぞれのユーザに対して指示情報を生成し、表示される。
【0091】
<処理の流れ>
次に、本開示の第2の実施形態に係る調理支援システム20の動作について、
図17に示すフローチャートと、ユーザ端末201の表示画面を示す
図16を参照しながら説明する。
図17のフローチャートは、サーバ101とユーザ端末201a、ユーザ端末201bの各動作の関連状態を示している。
【0092】
ステップS201において、ユーザ端末201aは、ユーザからの調理環境情報の選択を受け付ける。具体的には、ユーザ端末201aは、ユーザが選択した調理環境情報である、調理器具及び調理道具の情報を受け付ける。
【0093】
ステップS202において、ユーザ端末201aは、ステップS201で受け付けた調理環境情報をサーバ101に送信する。具体的には、ユーザ端末201aは、調理環境情報を、端末通信部211を介してネットワークNWに送信する。
【0094】
ステップS203において、サーバ101は、ステップS202で送信された調理環境情報を受信し、これを記憶部112に格納する。具体的には、サーバ通信部111が受信した調理環境情報を、ユーザ端末201を使用するユーザIDと紐づけて記憶部112に記憶する。
【0095】
ステップS204において、ユーザ端末201aは、ユーザからのレシピ選択情報の入力を受け付ける。具体的には、ユーザ端末201aは、サーバ101から提供される複数のレシピ情報のうち、ユーザが所望するレシピ情報の選択を、入力部212で受け付ける。
【0096】
ステップS205において、ユーザ端末201aは、ステップS204で選択されたレシピ選択情報をサーバ101に送信する。具体的には、ユーザ端末201aは、レシピ選択情報を、端末通信部211を介してネットワークNWに送信する。
【0097】
ステップS206において、サーバ101のレシピ選択部114は、ステップS205で送信されたレシピ選択情報に基づいて、対応するレシピ情報を記憶部112から読み出す。
【0098】
ステップS207において、サーバ101の指示情報生成部115は、上述のユーザの調理環境情報である調理器具や調理道具の種類や数と、ユーザが選択したレシピ情報とから、当該レシピ情報に対応する調理手順の指示情報を生成する。指示情報は、ユーザA及びユーザBのそれぞれに対する指示が生成される。また、ユーザが使用する、調理器具や調理道具の特性情報を使用することで、調理の時間をレシピ情報の時間から変更して指示情報として生成することができる。
【0099】
ステップS208において、サーバ101は、指示情報が完了するまでステップS214までの間のループを行う。ユーザ端末201も、このループに連動して動作が継続する。
【0100】
ステップS209において、サーバ通信部111は、ステップS207で生成された指示情報をユーザ端末201aとユーザ端末201bに送信する。
【0101】
ステップS210において、ユーザ端末201aは、サーバ101から送信された指示情報を表示する。具体的には、端末通信部211が受信した指示情報を、表示部213で表示を行う。表示部213で表示される画面の内容は、
図12で説明したタイムバーに対応する具体的手順である。同様に、ステップS211において、ユーザ端末201bは、サーバ101から送信された指示情報を表示する。
【0102】
ステップS212において、ユーザ端末201aは、指示情報の表示を行うとともに、調理状況の送信を行う。例えば、ユーザ端末201aのマイク部から調理中の音声を取得し、指示された調理手順が終了したかどうかを音声から判別し、終了と判別された場合、当該調理手順が完了したという調理状況をサーバ101に送信する。なお、各調理器具がセンサ及び通信機能を備え、調理状況をサーバ101に送信してもよい。同様に、S213において、ユーザ端末201bは、指示情報の表示を行うとともに、調理状況の送信を行う。サーバ101は、送信された調理状況から、指示された調理手順が時間通りに終了しているかを認識することができる。
【0103】
ステップS214において、サーバ101は、指示情報が完了するまでステップS208までの間のループを行う。
【0104】
以上のように、本開示の第2の実施形態に係るサーバ(調理支援装置)101は、ユーザの調理環境情報に応じて、ユーザが指定したレシピ情報に基づく調理手順の指示情報を生成し、ユーザ端末201aとユーザ端末201bにおいて指示情報の表示することで調理支援を行うことができる。ユーザAとユーザBは、ユーザ端末201a及びユーザ端末201bに表示される調理手順の指示情報に従い調理を行うことで、各ユーザが調理手順を分担しながら調理手順を並行して調理を行うことが可能となり調理を効率的に行うことができる。
【0105】
また、ユーザ端末201aとユーザ端末201bは、それぞれユーザA用の指示情報と、ユーザB用の指示情報の別々の指示情報の表示を行ってもよい。
【0106】
また、調理状況から、ユーザAとユーザBが、それぞれ指示情報の時間通りに調理手順を終わらせたかどうかを知ることができる。そのため、指示情報の時間と、実際の調理時間の差異をポイント化し、調理完了までの両者のポイントの合計(調理達成状態に関する情報)として算出してもよい。ポイントの合計の優劣により、ユーザAとユーザBの調理作業の手際を判定し両者に通知をすることで、調理に遊戯性を持たせることができる。
【0107】
なお、本実施形態では調理を行うユーザをユーザAとユーザBの2人としたが、2人以上であってもかまわない。
【0108】
(プログラム)
図18は、コンピュータ801の構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ801は、CPU802、主記憶装置803、補助記憶装置804、インタフェース805を備える。
【0109】
ここで、実施形態に係るサーバ101を構成する各機能を実現するためのプログラムの詳細について説明する。
【0110】
サーバ101は、コンピュータ801に実装される。そして、サーバ101の各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置804に記憶されている。CPU802は、プログラムを補助記憶装置804から読み出して主記憶装置803に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU802は、プログラムに従って、上述した記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置803に確保する。
【0111】
当該プログラムは、具体的には、コンピュータ801において、レシピ情報を記憶するステップと、ユーザの調理環境情報の選択を受け付けるステップと、記憶されたレシピ情報の中からユーザが指定したレシピ情報を選択するステップと、ユーザ選択を受けて取得した調理環境情報に応じて、選択されたレシピ情報に基づく調理手順の指示情報を生成するステップと、をコンピュータによって実現するプログラムである。
【0112】
なお、補助記憶装置804は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェース805を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムがネットワークNWを介してコンピュータ801に配信される場合、配信を受けたコンピュータ801が当該プログラムを主記憶装置803に展開し、上記処理を実行してもよい。
【0113】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置804に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)
であってもよい。
【0114】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【解決手段】調理支援システム10において、サーバ101(調理支援装置)は、レシピ情報を記憶する記憶部112と、ユーザの調理環境情報を所定の装置から取得する調理環境情報取得部113と、記憶されたレシピ情報の中からユーザが指定したレシピ情報を選択するレシピ選択部114と、取得した調理環境情報に応じて、選択されたレシピ情報に基づく調理手順の指示情報を生成する指示情報生成部115と、を備える。