(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
建築物の屋上、ベランダ、バルコニーの防水構造としてシート防水構造が用いられている。また、シート防水構造の施工において工期を短縮するために施工に工数を要しない簡便な工法が望まれている。そして、固定ディスクと固定用ビスを用いて防水シートを固定するいわゆる機械的固定工法が用いられている。
【0003】
機械的固定工法は接着剤を用いて防水シートを固定する接着工法と比較して、下地の調整や下地の水分の乾燥を待つ必要がない等の点で工期を短縮することが可能な工法である。
【0004】
この機械的固定工法には一般的に先付工法と後付工法とがある。
先付工法は、防水下地上に上面が接着層で被覆された固定ディスクを固定用ビスで固定しておき、防水下地上に防水シートを敷設した後に上記固定ディスクと防水シートを接合する方法である。そして固定ディスクと防水シートとの接合は、誘導加熱装置を用いて溶着する方法が用いられている。
また後付工法は、防水下地上に防水シートを敷設した後に押さえ金具を抑え金具固定用ビスで固定し、上から補強用シートを接合固定する方法である。
【0005】
ここで、防水構造は経年劣化による改修が必要であり、防水シートを用いた機械的固定工法においても改修施工が行われている。機械的固定工法における改修では、改修用の防水シートを敷設固定するために改修用の固定ディスクを下地に対し固定する必要がある。この改修用の固定ディスクは通常、既存の固定ディスクの位置からずらして固定されている。
【0006】
このような改修工法として特許文献1には、既存防水シートが絶縁工法により敷設施工されたシート防水構造物の改修方法であって、改修用の第2接合片を既存の第1接合片間の所定位置に分散させ配置して既存防水シート上に固定し、その上から改修用防水シートを敷設して改修用の第2接合片に接着する方法が開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1に第1実施形態である改修前の防水シート固定構造の断面図を示す。下地1の上にベース2が配置され、ベース2はベース留め具3によって下地1に固定されている。そして固定板5がベース2の上部に配置され固定板留め具7が固定板5を貫通してベース2に留められることで固定板5がベース2を介して下地1に固定される。さらに、下地1の上には防水シート6が敷設され、固定板5によって防水シート6が固定されている。
【0016】
より具体的に
図1の実施形態は先付工法による防水シート固定構造であり、下地1に長方形のプレート状のベース2がベース留め具3により下地1に固定されている。ベース留め具3はベース2の上から下地に向けてベース2を貫通して留め付けられている。ベース2の上には固定板5が固定板留め具7によって固定されている。固定板5はベース2と同様に長方形のプレート状であり、固定板留め具7は固定板5を貫通してベース2に留め付けられている。そして、固定板5と下地1を覆うように防水シート6が敷設され、固定板5の下地に対し上面と防水シート6の下面とが接合されることで防水シート6が固定板5に固定される。このように、防水シート6は固定板5を介して下地1に対し固定される。
【0017】
固定板5と防水シート6との接合は、熱による融着や溶剤による溶着等が用いられるが、
図1の実施形態においては誘導加熱装置による融着により接合されている。
【0018】
図2には第1実施形態の変形例として、後付工法による防水シート固定構造を示している。下地1に長方形のプレート状のベース2がベース留め具3により下地1に固定されている。ベース留め具3はベース2の上から下地に向けてベース2を貫通して留め付けられている。ベース2の上には防水シート6が下地1を覆って敷設され、固定板5が防水シート6の上からベース2の上部に配置され、固定板留め具7によって固定されている。固定板5はベース2と同様に長方形のプレート上であり、固定板留め具7は固定板5を貫通してベース2に留め付けられている。そして、固定板5を覆って防水シート6の上に補強用シート8が敷設されている。補強用シート8はその端縁部が防水シート6と接合されている。補強用シート8の端縁部にはシーラー9が塗布されている。
【0019】
ここでベース2は固定板5を安定的に配置できる形状であればよい。
図1のようにベース2が固定板5よりも大きいことが好ましいが、それに限らず安定的に固定板5が配置できればよい。正方形、長方形、円形、長尺状等の形状であってよい。断面の形状もコの字形や斜面を有する形状であってもよい。
材質としては、金属製、合成樹脂製、木製等のものが用いられる。耐久性、軽量性などの点からは合成樹脂製のものが好ましく、強度や固定板留め具7の固定強度の点からは金属製が好ましい。金属としては、鉄製、ステンレス製、アルミ製などを用いることができる。
【0020】
固定板5は防水シート6を固定できるものであればよい。厚み方向に貫通し、固定板留め具7を打ち込むための穴を備えていることが好ましい。この穴の周囲には固定板留め具7の頭が収容されるための座くりが設けられていることが好ましい。固定板5の厚みは0.5mm〜2.0mm程度で、形状は正方形または長方形をした矩形状のプレート状や、円形または楕円形状のディスク状、長尺状など任意であり、大きさは1辺または外径が50mm〜100mm程度に形成することができる。固定板5は金属製、硬質合成樹脂製、木製等が用いられる。強度や耐久性の点から金属製が好ましい。金属製の固定用板を構成する鋼鈑の材質としては、ステンレス板や、亜鉛・アルミニウム・マグネシウムメッキまたは亜鉛メッキ等の防錆処理が施された鋼板など、多湿状態でも錆びにくい鋼鈑が好適に使用される。
【0021】
図1の実施形態のように融着により固定板5と防水シート6とが接合される場合には固定板6の上面には接着層が設けられている。固定板5の接着層としてはアクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ニトリルゴム系、スチレン‐ブタジエンゴム系などの各種接着剤や、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂被覆層、またポリ塩化ビニル系樹脂やアクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂の組成物を溶剤に溶解したシール材などを用いることができる。
図1の実施形態では固定板5の上面に熱可塑性樹脂被覆層であるポリ塩化ビニル系樹脂の被覆層が積層一体化されている(図示なし)。接合強度を考慮すると、防水シート6と熱可塑性樹脂被覆層の材質は同種のものを用いるのが好ましく、防水シート6がポリ塩化ビニル系樹脂製である場合には、固定板5の熱可塑性樹脂被覆層もポリ塩化ビニル系樹脂からなることが好ましい。また接着層は固定板5の上面に予め設けるだけでなく、施工時に新たに設けてもよい。
【0022】
ベース留め具3は、ベース2を下地1に固定するための留め具であって、ネジ、ビス、ボルト、釘等が用いられる。また、ベース留め具3は下地に打ち込まれ固定される。材質としては、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼等の鋼材などが使用できる。また、ベース2の上面から頭部がはみ出ないように、ベース留め具3の頭の形状は皿、平、なべがよく、ドライバーやレンチで掛ける座面の窪み形状は十字穴、六角穴、四角穴が好ましい。
【0023】
固定板留め具7は固定板5をベース2に固定するための留め具であって、ネジ、ビス、ボルト、釘等が用いられる。これにより固定板5はベース2を介して下地1に対し固定されることとなる。固定板留め具7はベース2に固定されていればよいが、ベース2を貫通し、下地に接する状態でもよい。さらに、固定板留め具7が下地1に達し、下地1に固定されていても良い。また、固定板留め具7は下地1に固定されていなくても良い。固定板留め具7が下地1に固定されていない状態であれば、固定板留め具7を固定する際に下地を穿孔することがなく、施工時の音や振動を軽減することができる。
【0024】
固定板留め具7の材質としては、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼等の鋼材などが使用できる。また、固定板5の上面から頭部がはみ出ないように、固定板留め具7の頭の形状は皿、平、なべがよく、ドライバーやレンチで掛ける座面の窪み形状は十字穴、六角穴、四角穴が好ましい。
【0025】
ベース留め具3、固定板留め具7を下地に打ち込む際には、下地にあらかじめ挿入された合成樹脂製等のプラグを用いても良いし、接着剤を注入しても良い。これらによりベース留め具3、固定板留め具7が下地1により強固に固定される。
【0026】
下地1は建築物の屋上、ベランダ、バルコニー等の躯体であり、コンクリート下地、金属下地、軽量発泡コンクリート(ALC)、鋼材、木質材等が用いられる。また、下地1の上に無機質板、モルタル材層等の他の層を積層しても良い。
図1の第一の実施形態では下地1はコンクリート下地である。
【0027】
防水シート6としては熱可塑性樹脂製防水シートが好ましく使用され、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等を使用することができる。
防水シート6は熱可塑性樹脂層の単層でも良いが、寸法安定性、引張強度に優れるという点からガラスクロス、ガラス不織布、ポリエステルクロス、ポリエステル不織布等の基材層を積層した複層品が好ましい。基材層は最下層に設けても良いが熱可塑性樹脂層の中間に設けても良い。また熱可塑性樹脂層は一層であっても、複数の層であってもよく、それぞれの層の組成を異なるものとしてもよい。
【0028】
補強用シート8は防水シート6と同様のシートが使用でき、熱可塑性樹脂製防水シートが好ましく使用され、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等を使用することができる。補強用シート8は熱可塑性樹脂層の単層でも良く、ガラスクロス、ガラス不織布、ポリエステルクロス、ポリエステル不織布等の基材層を積層した複層品でも良い。また熱可塑性樹脂層は一層であっても、複数の層であってもよく、それぞれの層の組成を異なるものとしてもよい。
【0029】
本発明においては上記以外の部材等をさらに設けても良い。例えば、下地に断熱層となる断熱材を用いたり、無機質板、緩衝用シート等を用いても良い。
【0030】
第2実施形態として、第1実施形態の改修について説明する。
第2実施形態は既存の固定板とその周囲の防水シートを取り外し、ベースに固定板を固定し固定板によって新規の防水シートを固定することを要旨とする。下地にベースが固定されているために改修時の固定板を留めつける際にベースに合わせて固定板を配置することができ、固定板の位置決め作業が簡易となり、改修施工の工数低減となる。
【0031】
図1、
図2の防水シート固定構造において第2実施形態の防水シート固定構造の改修工法は、固定板留め具7を外し固定板5と防水シート6の一部を取り除く工程と、防水シート6の上から改修用の改修防水シートを敷設する工程と、ベースの上部に改修用の改修固定板を配置し、固定板留め具7で改修固定板を貫通してベース2に留め付ける工程を有しており、改修固定板で改修防水シートが固定されている。
【0032】
より具体的に
図1の実施形態の改修について
図1、
図3により説明する。固定板である既存固定板51と防水シートである既存防水シート61を切断し、固定板留め具7を外す。この切断した既存防水シート61と既存固定板51をベース2から取り外す。ここで既存防水シート61は既存固定板51の周囲に沿って切断されている。そして、改修固定板52をベース2の上に配置する。改修固定板52は固定板留め具7でベース2に固定されている。改修固定板52は既存固定板51を再利用してもよいし、新たな固定板を用いても良い。固定板留め具7は、既存の固定板留め具を用いても良いし、新たな固定板留め具に交換しても良い。耐久性の面から新たな固定板留め具に交換することが好ましい。次に、改修防水シート62を既存防水シート61の上から下地1の上に敷設し、改修防水シート62と改修固定板52とを接合し、改修防水シート62を固定する。
改修固定板52と改修防水シート62との接合は、防水シート6と固定板5との接合と同様に、熱による融着や溶剤による溶着等が用いられるが、
図3の実施形態においては誘導加熱装置による融着により接合されている。
なお、以降も既存固定板51および改修固定板52は固定板であり、既存防水シート61および改修防水シート62は防水シートである。
【0033】
ここで、既存固定板51と既存防水シート61とは接合されているので、既存防水シート61を既存固定板51から剥離させることが容易でない場合は、新たな固定板として改修固定板52を用いることが好ましい。特に、誘導加熱装置による融着により既存固定板51と既存防水シート61とが接合されている場合は、既存防水シート61を既存固定板51から剥離させても既存防水シート61がきれいに剥離せず、また既存固定板51の接着層(図示なし)も再利用が困難なため、改修固定板52は新たな固定板を使用することが好ましい。
【0034】
また、既存固定板51を取り外す際に既存防水シート61切り取ることになるが、少なくとも既存固定板51と接合されている既存防水シート61を切り取ればよい。既存固定板51よりも大きくベース2の大きさに対応させて既存防水シート61を切り取ってもよい。
図3(3−1)では切り取られた既存防水シート61aがベース2に対応した大きさであり、残った既存防水シート61bがベース2の周囲に存在している。
【0035】
既存固定板51を取り外すには固定板留め具7を外すこととなる。既存防水シート61を切り抜く、切込みを入れる等して、固定板留め具7の頭を露出させ、固定板留め具7の頭に設けられた窪みにドライバーやドリル等を用いて固定板留め具7を外すことができる。
【0036】
このようにして、既存固定板51と既存防水シート61を取り外すことで、ベース2が視認できる状態となる。これによりベース2を目安として、ベース2の上に改修固定板52を容易に配置し固定することができる。
【0037】
さらに固定板留め具7はベース2に固定されていればよく、下地1に固定されていることを要しない。そして、固定板留め具7が下地1に実質的に固定されていない場合、特に固定板留め具7が下地2に穿孔されていない場合、改修の際に音や振動が大きくならず部屋内への影響が小さくなる。
固定板留め具7が下地1に固定されていると、固定板留め具7を取り外す際に音や振動が大きくなる。また、改修時に改修固定板52を固定する際に、下地1に固定板留め具7を固定するために下地1に下穴を設けると、音や振動が大きくなる。また、下穴を設けない場合でも、インパクトドライバ等で固定板留め具7を下地2に穿孔させると、音や振動が大きくなる。そこで、改修固定板52を固定する際に下地1に固定板留め具7を固定することなく、固定板留め具7をベース2に打ち込むことで、音や振動を低減しつつ改修固定板52を下地1に対し固定することができる。
【0038】
このように、ベース2を下地1に固定し、下地1に固定板留め具7を固定せずに改修固定板52をベース2に固定することで、改修工事における音や振動を低減することができる。ここで、病院やマンション等、日時を問わず人が部屋にいる場合には改修時の音や振動が問題となる。このような場合に、固定板留め具7を下地1に固定せずベース2に固定することで音や振動による影響を抑えることができるため好ましい。
【0039】
次に
図2の実施形態の改修について
図2、
図4により説明する。既存固定板51の周囲の既存防水シート61と既存補強用シート81を切断し、さらに固定板留め具7を外して、切断した防水シート6、補強用シート81と固定板をベース2から取り外す。既存防水シート61、ベース2の上から改修防水シート62を敷設する。そして、改修固定板52をベース2の上部であって改修防水シート62の上に配置し、固定板留め具7でベース2に固定する。固定板留め具7は、既存の固定板留め具を用いても良いし、新たな固定板留め具に交換しても良い。耐久性の面から新たな固定板留め具に交換することが好ましい。改修固定板52を覆うように改修防水シート62の上から改修補強用シート82を敷設、固定する。
図4(4−2)では改修補強用シート82の周囲と改修防水シート62とを接合している。改修補強用シート82の周囲と改修防水シート62との接合は、熱による融着や溶剤による溶着や接着剤による接着等を用いることができる。改修補強用シート82の端縁部にはシーラー9が塗布されている。
なお、以降も既存補強用シート81、改修補強用シート82は補強用シートである。
【0040】
図5(5−1)に第1実施形態の変形例として、パラペット等の立上がった壁部の構造を示す。
図5の実施形態は立上がり部における先付工法による防水シート固定構造である。下地1に長方形のプレート状のベース2が立上がり壁10に沿って固定されている。ベース2はベース留め具3により下地1に固定されている。ベース留め具3はベース2の上から下地に向けてベース2を貫通して留め付けられている。ベース2の上には固定板5が固定板留め具7によって固定されている。固定板5はベース2と同様に長方形のプレート状であり、固定板留め具7は固定板5を貫通してベース2に留め付けられている。そして、固定板5と下地1を覆うようにポリ塩化ビニル樹脂系の防水シート6が敷設され、固定板5の下地に対し上面と防水シート6の下面とが接合されることで防水シート6が固定板5に固定される。このように、防水シート6は固定板5を介して下地1に対し固定される。固定板5の上面には防水シート6と同じポリ塩化ビニル樹脂系の接着層が設けられており、防水シート6の下面と固定板5の上面とが誘導加熱装置による融着により接合されている。
【0041】
第2実施形態の変形例として立上がり部の改修について
図5(5−2)、(5−3)により説明する。
既存防水シート61の固定板留め具7と対応する位置に切込みを入れ、固定板留め具7の頭を露出させて、固定板留め具7を取り外す。次に既存固定板51の周囲の既存防水シート61を切断し、切断した既存防水シート61と既存固定板51をベース2から取り外す。そして、改修固定板52をベース2の上に配置し、改修固定板52は固定板留め具7でベース2に固定する。このとき、固定板留め具7は既存の固定板留め具7の留め付けられていた位置とは異なる部分に新たな固定板留め具7を固定する。次に、改修防水シート62を既存防水シート61の上から下地1の上に敷設し、改修防水シート62と改修固定板52とを接合し、改修防水シート62を固定する。改修固定板52と改修防水シート62との接合は、は誘導加熱装置による融着により接合されている。
【0042】
さらに第1実施形態、第2実施形態の変形例として、長尺状のベース2の上に円板や矩形状の固定板5を用いることもできる。
図6、
図7には長尺状のベース2の上に円盤状の固定板5を用いた変形例を示している。
図6は先付工法であり、
図7は後付工法である。そして、
図6の先付工法の断面は
図1と同様であり、円盤状の固定板5が用いられ、固定板5がベース2の幅方向略中央に配置された以外は
図1と同じである。
図7の後付工法の断面は
図2と同様であり、円盤状の固定板5が用いられ、固定板5がベース2の幅方向略中央に配置された以外は
図2と同じである。
【0043】
長尺状のベース2の上に円盤状の固定板5を用いた変形例の改修工法は、既存固定板5を取りは外さない点が
図3または
図4の改修工法と異なっている。
図6、
図7の改修工法は既存防水シート61の上から改修用の改修防水シート62を敷設する工程と、ベース2の上部に改修用の改修固定板52を配置し、固定板留め具7で改修固定板52を貫通してベース2に留め付ける工程を有し、改修固定板52で改修防水シート62を固定している。この場合、既存防水シート61を切断し、既存固定板5、既存防水シート61、固定板留め具7を取り外す必要がないため、改修時の工数低減となる。
以下、
図6、
図7についてより具体的に説明する。
【0044】
図6(6−1)には下地1に防水シート6を敷設した先付工法によるシート防水固定構造の平面図を示している。防水シート6の一部を切欠き、防水シート6の下にあるベース2、固定板5等を図示している。下地1の上にプレート状のベース2がベース留め具3で固定されている。ベース2の上に円盤状の固定板5が固定板留め具7でベース2に固定されている。ここで、
図1と同様にベース留め具3は下地1にまで達し、固定板留め具7はベース2を貫通し下地1には達していない。既存防水シート61を敷設固定した平面図が
図6(6−2)となる。
【0045】
次に
図6(6−1)の先付工法における改修工法について
図6(6−2)、(6−3)により説明する。既存防水シート61が敷設固定された
図6(6−2)において、既存防水シート61が下地1に敷設されているために、ベース2、既存固定板51等は直接視認できない。ここで、ベース2は一定の厚みがあるため、ベース2が固定された既存防水シート61部分はライン状に盛り上がる。そのため、ベース2の位置が確認できるので、そのベース2の上部であって既存防水シート61の上に改修固定板52を配置する。以後の工程を
図6(6−3)で説明する。なお、
図6(6−3)は既存防水シート61、改修防水シート62の一部が切欠いた平面図である。改修固定板52はベース2の上部であって、既存固定板51の位置を外して配置されている。既存固定板51の位置は既存防水シート61のふくらみを目視や触診により確認することができる。この場合にも、ベース2の位置を目安に確認することができる。そして、固定板留め具7をベース2に留めることで改修固定板52をベース2に固定し、改修防水シート62を既存防水シート61の上から、改修固定板52を覆って敷設する。改修防水シート62の改修固定板52に対応する位置に誘導加熱装置を置き、電磁誘導加熱により改修防水シート62と改修固定板52とを接合する。
【0046】
そして固定板留め具7は元の固定板留め具7が留め付けられていた箇所とは異なる箇所に固定される。ここで固定板留め具7がねじ山を有するビスやネジ等の場合、元の場所とは異なる新たな場所に穿孔されることで、固定板留め具7のねじ山がプレート2に充分に食い込むことで固定板5がプレート2に強固に固定される。
【0047】
図7(7−1)には下地1に防水シート6を敷設した後付工法によるシート防水固定構造の平面図を示している。防水シート6、補強用シート8の一部を切欠き、ベース2、固定板5等を図示している。下地1の上にプレート状のベース2がベース留め具3で固定されている。ベース2の上には防水シート6が敷設され、ベース2の上部であって、防水シート6の上に円盤状の固定板5が配置されている。固定板5は固定板留め具7でベース2に固定されている。ここで、
図2と同様にベース留め具3は下地1にまで達し、固定板留め具7はベース2を貫通し下地1には達していない。そして、防水シート6は固定板5によって固定されている。さらに、固定板5を覆って補強用シート8が敷設され、補強用シート8と防水シート6とは熱や溶剤によって接合されている。そして図示していないが補強用シート8の周囲にはシーラーが塗布されている。
【0048】
次に
図7(7−1)の後付工法における改修工法について
図7(7−2)により説明する。既存固定板51、既存補強用シート81の上から改修防水シート62を敷設する。ここで、ベース2は直接視認できないが、ベース2は一定の厚みがあるため、ベース2が固定された改修防水シート62部分はライン状に盛り上がる。そのため、ベース2の位置が確認できるので、そのベース2の上部であって改修防水シート62の上に改修固定板52を配置する。そして、固定板留め具7をベース2に留めることで改修固定板52をベース2に固定し、改修補強用シート82を改修固定板52の上から敷設し、改修補強用シート82と改修防水シート62とを熱や溶剤によって接合する。そして図示していないが補強用シート8の周囲にはシーラーを塗布する。改修固定板52はベース2の上部であって、既存固定板51の位置を外して配置されている。既存固定板51の位置は既存防水シート61のふくらみを目視や触診により確認することができる。この場合にも、ベース2の位置を目安に確認することができる。
なお、
図7(7−2)では、改修補強用シート82の一部を切欠き、改修固定板52、固定板留め具7を実線で図示している。
【0049】
次に3回目以降の改修方法について説明する。3回目以降の改修方法も第2実施形態と同様である。既存の固定板とその周囲の防水シートを取り外し、ベースに固定板を固定し固定板によって新規の防水シートを固定することを要旨とする。下地にベースが固定されているために改修時の固定板を留めつける際にベースに合わせて固定板を配置することができ、固定板の位置決め作業が簡易となり、改修施工の工数低減となる。
【0050】
先付の場合の3回目改修について説明する。
図3(3−2)において、改修固定板52の周囲の防水シート62を切断し、さらに固定板留め具7を外して、切断した改修防水シート62と改修固定板52をベース2から取り外す。そして、3回目の固定板(図示なし)をベース2の上に配置する。3回目の固定板は固定板留め具7でベース2に固定される。次に、3回目の防水シート(図示なし)を改修防水シート62の上から下地1の上に敷設し、3回目の防水シートと3回目の固定板とを接合し、3回目の防水シートを固定する。
3回目の固定板と3回目の防水シートとの接合は、熱による融着や溶剤による溶着等が用いられる。
【0051】
後付の場合の3回目改修について説明する。
図4(4−2)において、改修固定板52の周囲の改修防水シート62と改修補強用シート82を切断し、さらに固定板留め具7を外して、切断した改修防水シート62、改修補強用シート82と改修固定板52をベース2から取り外す。防水シート62、ベース2の上から3回目の防水シート(図示なし)を敷設する。そして、3回目の固定板(図示なし)をベース2の上部であって3回目の防水シート6の上に配置し、固定板留め具7でベース2に固定する。3回目の固定板を覆うように3回目の防水シートの上から3回目の補強用シートを敷設、固定する。3回目の補強用シートの周囲と3回目の防水シート6との接合は、熱による融着や溶剤による溶着や接着剤による接着等を用いることができる。
【0052】
図6、
図7のように固定板5を取り外すことなく改修を行う場合の3回目以降の改修は2回目の改修と同様に行うことができる。ベース2の上部であって、すでに固定されている固定板5の位置からずらして改修用の固定板5をベース2に固定し、固定板5によって改修用の防水シート6を固定する。
【0053】
図6の先付の場合の3回目改修について説明する。3回目の固定板(図示なし)をベース2の上部であって、既存防水シート61の上に既存の固定板の位置を外して配置する。3回目の固定板は固定板留め具7でベース2に固定される。次に、3回目の防水シート(図示なし)を改修防水シート62の上から下地1の上に敷設し、3回目の防水シートと3回目の固定板とを接合し、3回目の防水シートを固定する。
3回目の固定板と3回目の防水シートとの接合は、熱による融着や溶剤による溶着等が用いられる。
【0054】
図7の後付の場合の3回目改修について説明する。防水シート62、ベース2の上から3回目の防水シート(図示なし)を敷設する。そして、3回目の固定板(図示なし)をベース2の上部であって3回目の防水シートの上に配置し、固定板留め具7でベース2に固定する。3回目の固定板(図示なし)をベース2の上部であって既存の固定板の位置を外して配置する。3回目の固定板を覆うように3回目の防水シートの上から3回目の補強用シートを敷設、固定する。3回目の補強用シートの周囲と3回目の防水シートとの接合は、熱による融着や溶剤による溶着や接着剤による接着等を用いることができる。そして、3回目の補強用シート(図示なし)の周囲にシーラー(図示なし)を塗布する。
【0055】
4回目以降の改修も3回目の改修と同様にして行うことができる。
【0056】
なお、本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、またこの他にも本発明の技術的思想内においてさまざまな形態をとり得ることができる。