(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6704290
(24)【登録日】2020年5月14日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】エストロゲン受容体発現向上剤及びこれを含む組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 36/39 20060101AFI20200525BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20200525BHJP
A61P 17/18 20060101ALI20200525BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20200525BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20200525BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20200525BHJP
【FI】
A61K36/39
A61P17/00
A61P17/18
A61K8/9789
A61Q19/08
A23L33/105
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-96804(P2016-96804)
(22)【出願日】2016年5月13日
(65)【公開番号】特開2017-203009(P2017-203009A)
(43)【公開日】2017年11月16日
【審査請求日】2019年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100196313
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 大輔
(72)【発明者】
【氏名】後藤 悠
(72)【発明者】
【氏名】及川 優
(72)【発明者】
【氏名】多田 明弘
【審査官】
原口 美和
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−257056(JP,A)
【文献】
特開平07−138126(JP,A)
【文献】
特表2008−517972(JP,A)
【文献】
森永乳業株式会社,NEWS RELEASE,女性ホルモン低下状態における皮膚光老化に対するアロエステロール(R)の予防効果とそのメカニズムを解明(オンライン),2015年,URL,https://www.morinagamilk.co.jp/download/index/15138/150529.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/39
A23L 33/105
A61K 8/9789
A61P 17/00
A61P 17/18
A61Q 19/08
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒルガオ科(Convolvulaceae)アサガオカラクサ属(Evolvulus)アサガオカラクサ(Evolvulus alsinoides L.)の抽出物からなるエストロゲン受容体発現向上剤。
【請求項2】
紫外線によるエストロゲン受容体の発現量減少を抑制するために用いられる、請求項1に記載のエストロゲン受容体発現向上剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のエストロゲン受容体発現向上剤を有効成分として含む、エストロゲン受容体発現向上用組成物。
【請求項4】
エストロゲン、エストロゲン様作用剤及びエストロゲン分泌向上作用を有する成分からなる群から選ばれる1種又は2種以上の成分を含む、請求項3に記載のエストロゲン受容体発現向上用組成物。
【請求項5】
外用組成物である請求項3又は4に記載のエストロゲン受容体発現向上用組成物。
【請求項6】
経口組成物である請求項3又は4に記載のエストロゲン受容体発現向上用組成物。
【請求項7】
食品組成物である請求項6に記載のエストロゲン受容体発現向上用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエストロゲンの応答反応を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
エストロゲンは、ステロイドホルモンの一種であり、卵胞ホルモンまたは女性ホルモンとも呼ばれる。エストロゲンとしては、エストロン、エストラジオール、エストリオールが知られており、特にエストラジオールは哺乳類に普通にみられる卵胞ホルモンのうち最も有効なものであり、卵巣、胎盤、睾丸、副腎皮質などで生成される。
【0003】
エストロゲンは、その受容体を介して生理作用を示し、その受容体は生殖器や乳腺のみならず全身の細胞に存在し、その働きは多岐に渡っている。エストロゲンの作用については、一般的には、乳腺細胞の増殖促進、卵巣排卵制御、脂質代謝制御、インスリン作用、血液凝固作用、中枢神経(意識)女性化、LDL(low density lipoprotein)の減少とVLDL(very low density lipoprotein)・HDL(high density lipoprotein)の増加による動脈硬化抑制などが知られている(特許文献1)。
【0004】
またエストロゲンの分泌の減退が、加齢に伴う皮膚老化の一因として知られている。エストロゲンは成人女性の健康維持に深く関わっており、その分泌不足は種々の内科的疾患を招く他、肌の過敏症、弾力性低下、潤いの減少等の好ましくない肌の変化の原因となることが知られている(特許文献2)。
【0005】
一方、エストロゲンの分泌を促進する技術がこれまでに種々提案されている。例えば、特許文献3には桔梗(Platycodi Radix)抽出物及び白何首烏(Cynanchum wilfordii)抽出物によりエストロゲンの分泌を促進することができることが記載されている。その他、大豆に含まれるイソフラボンにエストロゲン分泌向上作用があることは周知である。
【0006】
またエストロゲンと同様の作用を有するもの(エストロゲン様作用剤)が種々知られている。例えば、Saussurea属植物からの抽出物、五斂子の葉部からの抽出物、ラカシシュの抽出物などがエストロゲン様作用を有することが知られている(特許文献4〜6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015−205840号公報
【特許文献2】特開2013−177439号公報
【特許文献3】特表2005−539007号公報
【特許文献4】特開2001−316240号公報
【特許文献5】特開2002−226323号公報
【特許文献6】特開2007−210977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
エストロゲンはその受容体に結合することによってその生理作用を発揮する(特許文献1)。そのため、リガンドであるエストロゲンの分泌量が一定であっても、その受容体の発現量を向上させることによってエストロゲンの応答反応を向上させることができる。そこで、本発明はエストロゲン受容体の発現を向上する新規の技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明は、ヒルガオ科(Convolvulaceae)のアサガオカラクサ属植物(Evolvulus)の抽出物からなるエストロゲン受容体発現向上剤である。本発明は優れたエストロゲン受容体発現向上効果を有する。
【0010】
本発明の好ましい形態では、アサガオカラクサ属植物がアサガオカラクサ (Evolvulus alsinoides L.)である。
【0011】
本発明のエストロゲン受容体発現向上剤は、コラーゲン産生を促進するために用いられることが好ましい。
【0012】
本発明のエストロゲン受容体発現向上剤は、光老化の抑制のために用いられることが好ましい。
【0013】
本発明は上述のエストロゲン受容体発現向上剤を有効成分として含む、エストロゲン受容体発現向上用組成物にも関する。本発明の組成物は優れたエストロゲン受容体発現向上効果を有する。
【0014】
エストロゲン、エストロゲン様作用剤及びエストロゲン分泌向上作用を有する成分からなる群から選ばれる1種又は2種以上の成分を含む形態とすることにより、エストロゲン受容体発現向上用組成物の効果を相乗的に向上させることができる。
【0015】
本発明のエストロゲン受容体発現向上用組成物は、外用組成物又は経口組成物の形態とすることが好ましい。
また、本発明のエストロゲン受容体発現向上用組成物を経口組成物とする場合には、食品組成物の形態とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は優れたエストロゲン受容体の発現向上効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】UVAを照射した線維芽細胞におけるエストロゲン受容体のmRNAの発現量を表す棒グラフである。
【
図2】抗エストロゲン受容体抗体を用いてアサガオカラクサ抽出物を添加した線維芽細胞を免疫染色した染色写真である。
【
図3】アサガオカラクサ抽出物及びエステラジオールを添加した線維芽細胞におけるI型コラーゲンのmRNA発現量を表す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のエストロゲン受容体発現向上剤は、ヒルガオ科(Convolvulaceae)のアサガオカラクサ属植物(Evolvulus)の抽出物からなる。
アサガオカラクサ属植物(Evolvulus)としては、アサガオカラクサ(Evolvulus alsinoides L.)、シロガネカラクサ(Evolvulus boninensis)、マルバアサガオカラクサ(Evolvulus rotundifolia)、エボルブラス グロメラタス(Evolvulus glomeratus)、エボルブラス アルシノイデス バー グリセバチアヌス(Evolvulus alsinoides var grisebachianus)、エボルブラス ピロサス(Evolvulus pilosus)、エボルブラス アルブスキュラ カナス(Evolvulus arbuscula ssp. Canus)、エボルブラス ヌムラリアス(Evolvulus nummularius)、エボルブラス セリセウス バー ホロセリセウス(Evolvulus serisceus var holosericeus)などを用いることができるが、アサガオカラクサ(Evolvulus alsinoides L.)を用いることが特に好ましい。
【0019】
前記植物の抽出物は、日本において自生又は生育された植物、漢方生薬原料などとして販売される日本産のものを用い抽出物を作製することもできるし、丸善株式会社などの植物抽出物を扱う会社より販売されている市販の抽出物を購入し、使用することもできる。
【0020】
抽出する植物体の部位としては、特に限定されないが全草が好ましい。
抽出物の形態としては、溶媒抽出物又はその溶媒除去物が好ましく例示できる。抽出溶媒としては、極性溶媒が好ましく例示できる。このような極性溶媒としては、例えば、水、エタノール、メタノール、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコールなどのアルコール類、酢酸エチルや蟻酸メチルなどのエステル類、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、クロロホルムや塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどのエーテル類から選ばれる1種乃至は2種以上が好ましく例示できる。
これらの内、さらに好ましいものは、水及び/又はアルコール類である。特に好ましい溶媒は、50%エタノールである。
【0021】
抽出にあたっては、植物体又はその加工物に1〜10倍量の溶媒を加え、室温であれば数日、沸点付近の温度であれば数時間浸漬することが好ましい。溶媒による抽出後、不溶物を濾過などで除去し、必要に応じて減圧濃縮や凍結乾燥により溶媒を除去することができる。
【0022】
本発明のエストロゲン受容体発現向上剤は任意成分と適宜混合し組成物、特に好ましくは外用組成物又は経口組成物の形態とすることができる。
外用組成物としては化粧料、医薬部外品、医薬品などが好適に例示でき、本発明の効果を損ねない限度において、通常使用される任意成分を含有することもできる。このような任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、2,4−ヘキサンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤;桂皮酸系紫外線吸収剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4'−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。
【0023】
外用組成物における前記植物抽出物の濃度は、固形分として、好ましくは0.0001〜1質量%であり、より好ましくは0.001〜0.5質量%である。
【0024】
経口組成物としては、例えば、菓子やパン、麺などの一般食品、ドリンク製剤、カプセル剤や錠剤の形態をとる健康増進の目的を有する食品群(例えば、特定保健用食品等)、顆粒剤、粉末剤、カプセル剤や、錠剤の形態をとる経口投与医薬品等が例示できる。
経口組成物の形態とする場合においては、許容される任意成分を含有することができる。このような任意成分としては、食品であれば、塩、砂糖、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、酢等の調味成分、着色成分、フレーバー等の矯臭成分、増粘剤、乳化・分散剤、保存料、安定剤、各種ビタミン類等が好適に例示でき、健康増進の目的を有する食品群や医薬品であれば、結晶セルロース、乳糖等の賦形剤、アラビヤガムやヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤、クロスカルメロースナトリウム、デンプン等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、矯味、矯臭剤、着色剤、各種ビタミン類等が好ましく例示できる。これらを常法に従って処理することにより、本発明の経口投与組成物を製造することができる。
【0025】
経口組成物における前記植物の抽出物の含有量は、固形分として、好ましくは0.01〜100質量%、より好ましくは0.1〜50質量%とすることができる。
また、固形分として前記植物の抽出物を1日あたり1〜200mgを1回又は数回に分けて飲用する形態とすることが好ましい。
【0026】
本発明のエストロゲン受容体発現向上用組成物は、エストロゲン、エストロゲン様作用剤及びエストロゲン分泌向上作用を有する成分から選ばれる成分を含む形態とすることが好ましい。
エストロゲンとしては特に限定されないが、現在市販薬にも配合されているエチニルエストラジオールやエストラジオールなどを好適に例示することができる。
エストロゲン様作用剤としてはSaussurea属植物からの抽出物、五斂子の葉部からの抽出物、ラカシシュの抽出物などを例示することができる。
また、エストロゲン分泌向上作用を有する成分としては、桔梗(Platycodi Radix)抽出物、白何首烏(Cynanchum wilfordii)抽出物、大豆抽出物(イソフラボン)などを例示することができる。
【0027】
本発明のエストロゲン受容体発現向上剤は、コラーゲンの産生促進、乳腺細胞の増殖促進、卵巣排卵制御、脂質代謝制御、インスリン感受性の向上、血液凝固能の促進、中枢神経(意識)の女性化、LDLの減少とVLDL・HDLの増加による動脈硬化抑制のために用いることができる。
また、本発明のエストロゲン受容体発現向上剤は、敏感肌の改善、肌の弾力性低下の抑制、潤いの減少の抑制など、加齢に伴う皮膚老化の抑制の目的に用いることができる。
さらに、本発明のエストロゲン受容体発現向上剤は、光老化、より具体的には紫外線による老化の抑制のために用いることができる。
【実施例】
【0028】
<植物抽出物の調製>
アサガオカラクサ(Evolvulus alsinoides L.)の乾燥した全草100gに対して50%エタノール1Lで室温にて10日間抽出し、減圧濃縮後、凍結乾燥して、その乾固物を70%エタノールに5%濃度に溶解し、これを被験試料とした。
【0029】
<試験例1>
線維芽細胞を3.5cmディッシュに1.0×10
5 cells/dishで播種した。24時間後、表1及び
図1に示す強度でUVAを照射した。照射から18時間後、mRNAを回収しRT−qPCR法によりエストロゲン受容体(ERα)のmRNAの発現量を測定した。結果を表1及び
図1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
表1及び
図1に示す通り、エストロゲン受容体の発現量はUVAの照射量に比例して低減する。
【0032】
<試験例2>
線維芽細胞を4ウェルチャンバースライドに7.0×10
4 cells/wellで播種した。このとき同時に、アサガオカラクサ抽出物を最終濃度が0.04%となるように培地に添加した(対照には抽出溶媒のみを添加した)。24時間後回収し、抗エストロゲン受容体抗体とDAPIを用いてエストロゲン受容体(ERα)の免疫染色を行った。結果を
図2に示す。
【0033】
図2に示すようにアサガオカラクサの抽出物は優れたエストロゲン受容体発現向上効果を有する。この結果はアサガオカラクサの抽出物にはエストロゲンの応答反応を増強する作用があることを示している。
また、試験例1及び2の結果は、紫外線によるエストロゲン受容体の発現量減少を抑制する目的に、アサガオカラクサの抽出物を応用できることを示唆している。
【0034】
<試験例3>
線維芽細胞を24穴プレートに7.0×10
4 cells/wellで播種した。24時間後、アサガオカラクサ抽出物を最終濃度が0.04%となるように培地に添加した(対照には抽出溶媒のみを添加した)。24時間後、培地を除去し、エストロゲンの一種であるエストラジオールを最終濃度が10
−11Mとなるように添加した培地に置き換えた(エストラジオール非添加群には培地のみに置き換えた)。さらに24時間後、mRNAを回収しRT−PCR法によりI型コラーゲン(COL1A1)のmRNA発現量を測定した。結果を
図3に示す。
【0035】
図3に示すようにアサガオカラクサの抽出物とエストラジオールを両方とも添加した線維芽細胞においては、顕著なI型コラーゲン産生効果が見られた。この結果は、アサガオカラクサの抽出物が線維芽細胞に対して、エストラジオールとの相乗効果による顕著なI型コラーゲンの産生向上効果を発揮することを示している。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は化粧料、医薬品、食品に応用することができる。