【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記厚生労働省によって作成された濃度指針は、「現時点で入手可能な毒性に係る科学的見地から、ヒトがその濃度の空気を一生涯にわたって摂取しても、健康への有害な影響は受けないであろうと判断される値を算出したもの。」とされる。
【0011】
しかしながら、上記濃度指針は「現時点」における暫定的なものであり、日本のみならず世界各国において、上記濃度指針以下の濃度で健康被害が生じるというデータも多く出ている。たとえば、上記濃度指針では、ホルムアルデヒドの基準値が0.08ppmとなっているが、小児喘息を減少させるには、0.016ppm以下にする必要があるとの報告があるとされている(かもがわ出版、「化学物質過敏症」石川哲、宮田幹夫著)。
【0012】
また、シックハウス症候群を引き起こす揮発性有機化合物は多岐にわたり、これら種々の物質に対して、適正な濃度指針を作成するのは困難である。さらに、揮発性有機化合物に対する薬物過敏性を獲得した患者では、上記濃度指針以下の濃度の有機物を摂取し、あるいは接触した場合でも、アレルギー反応を発症する可能性が高くなることは明らかである。また、上記薬物過敏性を獲得した患者は、特定の揮発性有機化合物のみならず、種々の揮発性有機化合物に対して過敏反応が生じることが知られている。
【0013】
また、人体に悪影響を与える揮発性有機化合物は、上記濃度指針に記載されたものに限られず、また、今後、毒性のある新たな揮発性有機化合物が生成される可能性もある。
【0014】
また、平成14年の中間報告では、「特殊な発生源がない限り全ての室内空間が対象となる」と記載されている。しかしながら、室内を構成する建材の全体から均一に揮発性有機化合物が発散し、室内全体が同じ濃度にあることはなく、特定の建材や家具等から発散することが多い。このため、それらの近傍では、上記濃度指針以上の濃度となっている場合が多い。また、複数種類の揮発性有機化合物が複合されている場合も多い。
【0015】
したがって、上記濃度指針は一応の安全基準として利用できるものの、有害物質分解除去装置に要求される性能は、たとえばホルムアルデヒド等の建材等に広く用いられ、上記濃度指針に規定された濃度が高いものについては、少なくとも上記基準の2分の1以下の濃度を達成できる必要があると考えられる。
【0016】
上記種々の揮発性有機化合物を精度高く除去するには、大掛かりな装置が必要である。また、高い濃度の揮発性有機化合物に暴露されるのは、一般家庭の室内である場合が多い。従来の空気清浄機は、埃や細菌を除去する能力は高いが、揮発性有機化合物を精度高く除去するのは困難である。また、特許文献1に記載されているような、従来の揮発性有機化合物を除去できるとされる空気清浄機では、充分な効果を得ることができないことは明らかである。
【0017】
また、非特許文献1に記載されているように、光触媒の有用性、特に揮発性有機化合物や、細菌ウイルスに対する除去性能は実証されているが、実効性のある製品化技術について、十分な知見が得られていない。
【0018】
本願発明は、室内における揮発性有機化合物や、浮遊細菌・ウイルスを、精度高く低減させることができる有害物質分解除去装置を提供するとともに、有機化合物過敏症に到った患者や、感染症患者に対して、治療環境を提供できる隔離チャンバーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本願発明は、繊維を交絡させて形成されたシート状多孔質体の少なくとも表面近傍に光触媒を保持させた光触媒担持体と、上記光触媒担持体に所要の光を照射する光源と、上記光触媒担持体の表面に沿って設けられたガス流路とを備え、上記光触媒を用いて空気中の揮発性有機化合物及び/又は有害微生物を除去する有害物質分解除去装置である。上記光触媒担持体は、上記ガス流路を構成する所定の隙間を開けるとともに、上記光源を囲むようにして、上下方向に同心円筒状に配置された外側光触媒担持体及び内側光触媒担持体を備えて構成されている。また上記光触媒担持体及び上記ガス流路の上方を覆うとともに、略円錐状に形成されて上方に空気排出口を設けた上壁部と上記光触媒担持体の外周にガス流路を構成する所定の隙間を開けて設けられた円筒状の光反射板とを備えて構成されている。
上記光源は、上記光触媒担持体の内方面を照射できるように側壁部に設けた発光素子と、上記上壁部の内面を照射できるように頂部に設けた発光素子とを備える円筒状に形成されている。上記光触媒担持体は、所定の光反射率と光透過率とを有し、また、光を通過させる開口部を備えるとともに、各光触媒担持体を透過及び通過した光、及び各光触媒担持体の表面で反射された光が、これらに対向する上記光触媒担持体、上記上壁部及び上記光反射板の各表面に照射されるように構成されている。上記光反射板及び上記上壁部は、繊維を交絡させて形成された所定の光反射率を有するシート状多孔質体から形成されて
いる。上記光反射板の内側表面において反射された光が対向する上記光触媒担持体に照射されるように構成されているとともに、
上記頂部に設けた発光素子から照射されて上記上壁部の内面で反射された光が、上方から上記光触媒担持体及び上記ガス流路に照射されるように構成されている。上記
光反射板の内側表面に、上記光触媒が保持されている。
【0020】
上述したように、光触媒を用いて種々のVOCや、細菌・ウイルスを分解除去できることが知られている。しかし、光触媒を用いてVOC等を精度高く分解するには、光触媒に対して高いエネルギーを持った光を照射する必要がある。また、光触媒の反応面積を大きく設定するとともに、揮発性有機化合物等の有害物質を含むガスを、上記光触媒の近傍を通過させる必要がある。
【0021】
本願発明に係る上記光触媒担持体は、繊維を交絡させて形成されたシート状多孔質体から形成されているとともに、上記光源から放射された光が所定量通過できるように構成されている。このため、一のシート状光触媒担持体を通過した光を、光の照射方向に対して上記一のシート状光触媒担持体の後方に位置する他の光触媒担持体に照射することが可能となる。このため、一の光触媒担持体の光源に対する背面側にも、空気等を流動させるガス流路を設けることが可能となり、分解対象となる空気等のガスの処理量を増加させることができる。また、一のシート状光触媒担持体における上記光源と反対側の表面に担持された光触媒に光を照射することもできる。このため、光を照射できる光触媒担持体の表面積をこれまでになく大きく設定することが可能となる。
【0022】
また、光源に対して背面側にもガス流路を設けることができるため、光触媒担持体間の隙間を小さく設定してもガス流路の断面を確保することが可能となり、大量のガスを光触媒担持体の表面近傍で流動させることが可能となる。このため、光触媒による揮発性有機化合物等の分解効率や除去精度が高まる。
【0023】
光が通過できる光触媒担持体を構成する手法は特に限定されることはない。シート状多孔質体内を光が通過できるように構成することができる。上記光触媒担持体を、少なくとも可視光線域の波長の光に対して、5%〜80%の光透過率、より好ましくは、10〜50の光透過率を有するように構成するのが望ましい。光触媒担持体自体に光透過性を持たせることにより、上記光触媒担持体内を透過する光を、上記光触媒担持体の内部及び/又は上記光源側と反対側の表面近傍に担持させた光触媒に照射するように構成することができる。この構成を採用することにより、装置内に配置される光触媒担持体の表面の全域に、所要の強さの光を照射することが可能となる。このため、上記ガス流路を流れるガス中の揮発性有機化合物を効率よく分解できるのみならず、光源から照射される光を効率よく利用することが可能となる。
【0024】
しかも、光触媒担持体に担持された光触媒のほぼすべてに光を照射することが可能となり、有機化合物分解性能を格段に高めることができる。特に、上記光源と反対側の表面近傍に担持された光触媒にも光が照射されるため、光源の光を極めて有効に利用することができる。
【0025】
上記光触媒担持体に光を通過させる手法として、上記光触媒担持体自体に光の透過性を持たせることができる。上記光透過率は、シートの厚みを調整することにより、所要の値に設定できる。また、上記光触媒担持体に、上記光源からの光を通過させる開口部を設けることができる。上記開口部を通過した光を、ガス流路を構成する上記隙間を介して配置された他の光触媒担持体の表面に照射し、上記他の光触媒担持体で反射される光を対向する光触媒担持体の表面に照射できるように構成することができる。
【0026】
この手法を採用することにより、光源からの光の強度を低下させることなく、一の光触媒担持体の背面側に配置した複数の光触媒担持体の表面に照射することが可能となる。上記光触媒担持体を、光透過性のある材料で形成するとともに、上記開口部を備えて構成するのが望ましい。これにより、光源から離れて位置する光触媒担持体に所要の光を照射することが可能となり、有害物質の分解効率を高めることができる。
【0027】
さらに、上記各光触媒担持体の表面を、少なくとも可視光線域の波長の光に対して、20〜95%の光反射率、より好ましくは、60〜95%の光反射率を備えるように構成し、各光触媒担持体の表面で反射した光を対向する光触媒担持体の表面に照射するように構成するのが好ましい。これにより、上記ガス流路を構成する光触媒担持体の表面で光が散乱して、光触媒担持体表面に光をくまなく照射することが可能となる。これにより、光触媒担持体表面に照射される光の強度が均一化されて、上記光触媒担持体間を流れるガスに含まれるVOCや細菌・ウイルスを精度高く分解することが可能となる。上記範囲の反射率以下では、光が十分に散乱せず、装置内を所要の照度に保持することが困難になる。
【0028】
また、光触媒担持体の形態に応じて、上記光通過性と上記光反射率を組み合わせて調整することにより、光触媒担持体の表面に対して、均一な光を照射することが可能となる。
【0029】
上記光触媒担持体の配置形態は特に限定されることはない。たとえば、光触媒担持体を、上記ガス流路を構成する所定の隙間を開けて同心円筒状に配置された外側光触媒担持体と内側光触媒担持体とを備えて構成し、中央部に設けた光源から、上記内側光触媒担持体の内面に光を照射し、上記内側光触媒担持体を通過した光を、上記ガス流路を介して対向する外側光触媒担持体の内面に照射するとともに、上記外側光触媒担持体の内面で反射された光を、上記内側光触媒担持体の外面に照射するように構成することができる。
【0030】
上記構成を採用すると、光源から光が放射状に照射されるため、光源からの光を効率よく利用することができる。このため、装置の容積に比して、分解効率の高い装置を構成できる。
【0031】
また、上記光触媒担持体を、上記ガス流路を構成する所定の隙間を開けて平行状に配置された第1の光触媒担持体と第2の光触媒担持体とを備えて構成し、第1の光触媒担持体の一側に設けた光源から、上記第1の光触媒担持体の一方の面に光を照射し、上記第1の光触媒担持体を通過した光を、上記ガス流路を介して対向する第2の光触媒担持体の一方の面に照射するとともに、上記第2の光触媒担持体の一方の面で反射された光を、上記第1の光触媒担持体の他方の面に照射するように構成することができる。
【0032】
上記構成を採用すると、厚みの小さい装置を構成することが可能となる。このため、室内の壁面に取り付けて用いることができる有害物質分解除去装置を提供できる。
【0033】
上記光触媒担持体の外側に、ガス流路を介して光反射板を設け、上記光反射板に反射した光を対向する光触媒担持体の表面に照射するように構成することができる。光反射板を構成する材料は特に限定されることはない。上記光反射板は光を透過させる必要がなく、反射率の高いものを採用できる。また、上記光反射板の表面に光触媒を担持させるのが好ましい。
また、上記各光触媒担持体の上方に、略円錐状に形成されるとともに、上方に空気排出口が形成された上壁部を設けるのが好ましい。上記上壁部も上記光反射板と同様の材料から形成することができる。
【0034】
揮発性有機化合物や、細菌ウイルスを所要の程度まで低下させるには、光源から発せられた光が一の光触媒担持体を通過し、これに対向する光触媒担持体表面に照射される光の照度が、5000ルクス以上となるように構成するのが望ましい。さらに、上記光触媒担持体の全表面における照度が5000ルクス以上になるように構成するのが望ましい。本願発明では、光触媒担持体に光通過性及び光反射性を持たせているため、装置を構成する光触媒担持体の全表面を5000ルクス以上の照度に設定することが可能となる。
【0035】
上記光触媒担持体のすべての表面に5000ルクス以上の光が照射されるように、上記光源の光強度、上記光触媒担持体の光透過率、上記開口部の形状、配置等を設定するのが好ましい。
【0036】
繊維を交絡させて形成されたシート状多孔質体であれば、上記光触媒担持体を構成する材料は特に限定されることはない。たとえば、上記光触媒担持体を、セルロース繊維を用いたパルプモールド法によって形成することができる。上記光触媒担持体の表面の、少なくとも可視光線領域の波長の光に対する反射率が、20〜95%となるように、上記セルロース繊維を漂白して光触媒担持体の白色度や表面粗さ等を設定するのが好ましい。
【0037】
上記光触媒担持体を、表面に凹凸を備えて構成するのが好ましい。上記凹凸を設けることにより、光触媒担持体の表面積を増加させることができる。たとえば、椀状、あるいはカップ状の凹凸を設けることができる。上記凹凸の底部あるいは頂部に上記開口部を設けることができる。
【0038】
上記ガス流路を流動する揮発性有機化合物や、細菌・ウイルスを上記光触媒担持体の表面に吸着させてから分解するように構成することができる。すなわち、上記光触媒担持体の吸着性能を高め、上記分解機能と吸着機能とを組み合わせて、有害な有機化合物を分解除去することができる。上記光触媒担持体の吸着性能を高めるため、揮発性有機化合物等を吸着する吸着成分を含ませることができる。たとえば、二酸化珪素等の粉体を、光触媒担持体に担持させることにより、揮発性有機化合物の吸着性能を高めることが可能となる。上記二酸化珪素は光によって変質せず、吸着した揮発性有機化合物を光触媒の近傍に留めることができる。このため、分解途中の中間生成物を吸着させて分解を促進することができる。
【0039】
また、細菌等が付着した微粒子を補足するために、上記光触媒担持体に静電気を帯びるように構成することもできる。
【0040】
上記光源の種類も限定されることはなく、光触媒反応を生じさせる光であればよい。たとえば、上記光源を、LED発光素子を備えて構成することができる。また、紫外線を照射できる光源を採用してもよい。
また、本願発明では、上記光触媒担持体及び上記ガス流路の上方を覆うとともに、略円錐状に形成されて上方に空気排出口を設けた上壁部を備えて構成される。上記上壁部は、光を反射する材料で形成されている。そして、上記光源として、円筒状の壁部の外周のみならず、頂部に多数の発光素子を配列して構成したものを採用することにより、上記上壁部の内面で反射された光を、上記光触媒担持体及び上記ガス流路の上方から照射することが可能となり、光触媒担持体に担持された光触媒の作用をより高めることができる。
【0041】
上記光源の表面近傍にも揮発性有機化合物や細菌等が付着した塵等が流動するため、これら物質が光源の表面に付着して、光の照射効率が低下する恐れがある。たとえば、上記LED発光素子を採用した場合、LED発光素子の表面に沿ってガスが流動するため、揮発性有機化合物が、上記LED発光素子の表面に吸着されて光の照射量が減少し、揮発性有機化合物の分解効率が低下する恐れがある。上記不都合を回避するため、上記ガス流路を流れるガスが、上記LED発光素子に接触するのを阻止する透光性の隔離シートを設けることができる。
【0042】
上記透光性の隔離シートは、種々の材料から形成することができる。たとえば、光によって劣化しにくい透光性の樹脂フィルムを採用することができる。上記隔離シートは、光源側に設けることもできるし、光触媒担持体の側に設けることもできる。上記光触媒担持体を、上記隔離シートを備えて形成し、これら部材を一体的に交換できるように構成することもできる。
【0043】
上記隔離シートの形態は、光源の形態及び光触媒担持体の形態に応じて形成することができる。たとえば、円筒状の光源の周囲に円筒状の光触媒担持体を配置して構成される装置においては、上記光源を囲む円筒状の隔離シートを設けることができる。一方、平板状の光源と平板状の光触媒担持体を配置して構成される装置においては、上記光源と上記光触媒担持体の間に、平板状の隔離シートを配置することができる。
【0044】
分解効率を高めるには、揮発性有機化合物等を含むガスをできるだけ光触媒担持体の表面近傍で流動させるのが効果的である。このため、一の光触媒担持体の表面に沿って流動するガスを、一方の側面から他方の側面に流動させるガス通過孔を設けることができる。
【0045】
上記ガス通過孔の形態は限定されることはないが、一方向に流れるガスを一の側面から他の側面に誘導するため、光触媒担持体に凸部を設け、この凸部におけるガスの流動方向と反対側に開口する通過孔を設けるのが好ましい。また、光触媒担持体に凹凸を設け、上記凹凸の側面に、ガスの流れに対向する向きに開口する通過孔を設けることができる。
【0046】
上記ガスを流動させる手法は特に限定されることはない。たとえば、光源から発せられる熱による対流現象を利用して、上記ガス流路の下方から上方に向けてガスを流動させることができる。また、電動ファン等を利用して強制的に流動させることもできる。
【0047】
上記有害物質分解除去装置は、単独で、あるいは種々の空気清浄機構と組み合わせて、室内空気浄化装置として構成できる。たとえば、塵を除去するフィルター等を設けることもできる。なお、本願発明に係る有害物質分解除去装置は、光触媒の作用によって高い殺菌性能を備えており、上述したように空気感染を防止する目的で使用することもできる。
【0048】
また、本願発明に係る有害物質分解除去装置は、有機化合物の分解性能が高いため、空気中の揮発性有機化合物の濃度を非常に低く保持することができる。このため、揮発性有機化合物によって発症する疾病、たとえば、所定物質の過敏性(アレルギー)に対する治療装置を構成できる。特に、治療装置として用いる場合、少なくとも患者の存在空間における総有機化合物濃度を0.005ppm以下に設定できるように構成するのが望ましい。上記濃度は、一般的なガス検知管の検出限度であり、主な揮発性有機化合物の濃度を上記の濃度以下にすることにより、所要の効果を期待できる。
【0049】
また、上記治療装置の一形態として、揮発性有機化合物に対しての過敏性を獲得した患者を収容できる隔離チャンバーを設け、この隔離チャンバー内に上記有害物質分解除去装置を設けて、上記隔離チャンバー内の空気を循環させつつ、上記隔離チャンバー内の所定の揮発性有機化合物の濃度を0.005ppm以下まで減少させるように構成することもできる。上記隔離チャンバーの形態は特に限定されることはなく、たとえば、患者の周囲の空間を通気性のないシート等で区画して構成することもできる。これにより、患者の病状を改善することが可能となる。
【0050】
また、本願発明に係る有害物質分解除去装置は、細菌・ウイルスの除去性能も高い。このため、感染症の患者を隔離する目的で、本願発明に係る上記有害物資分解除去装置及び上記隔離チャンバーを用いることができる。
【0051】
さらに、介護が必要な老人は感染症にかかりやすい。すなわち、健康な人が保有する細菌等によっても、感染症を引き起こす危険性がある。本願発明に係る有害物質分解除去装置は居室等に容易に設置できるものであるため、老人等の居室に設置して、家庭内の感染症を防止する手段として用いることもできる。