【文献】
RODNEY S. Markin,Laboratory Automation Systems An Introduction to Concepts and Terminology,PATHOLOGY PATTERNS,AMERICAN JOURNAL OF CLINICAL PATHOLOGY,1992年,98(4),S3-S10
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カメラ(130)が、前記ワークフローに従った所定の方法ステップにおいて、および/または所定の期間内で、前記視覚的分析より前記データを取得するように構成される、請求項1記載の検査室分析器(100)。
前記ピペット(106)が、前記ピペット操作処理のピペット操作データを取得するように構成され、前記計算装置(102)が、前記ピペット操作データを、前記ワークフローの前記複数の方法ステップと相互に関連する目標ピペット操作データと比較するように構成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の検査室分析器(100)。
前記ピペット(106)が、少なくとも、前記ピペット(106)内に吸引される、および/または前記ピペット(106)から分注される試薬の容量を含む、前記ピペット操作処理のピペット操作データを取得するように構成され、前記計算装置(102)が、前記ピペット操作データを、前記ワークフローの前記複数の方法ステップと相互に関連する目標ピペット操作データと比較するように構成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の検査室分析器(100)。
前記目標データが、前記ワークフローの前記複数の方法ステップのうちの各方法ステップと相互に関連し、前記カメラ(130)が、前記オペレータによって実行される前記ピペット操作処理の各方法ステップの前記データを取得するように構成され、前記計算装置(102)が、前記複数の方法ステップを、引き続く順番で表示するように構成され、前記計算装置(102)は、次の方法ステップに先んじる前の方法ステップの前記データが、前記前の方法ステップと相互に関連する目標データに対応する場合、前記引き続く順番における前記次の方法ステップを表示するように構成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の検査室分析器(100)。
前記ピペット操作処理のピペット操作データが取得され、前記ピペット操作データが、前記ワークフローの前記複数の方法ステップと相互に関連する目標ピペット操作データと比較される、請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
少なくとも、前記ピペット内に吸引される、および/または前記ピペットから分注される試薬の容量を含む、前記ピペット操作処理のピペット操作データが取得され、前記ピペット操作データが、前記ワークフローの前記複数の方法ステップと相互に関連する目標ピペット操作データと比較される、請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
前記目標データが、前記ワークフローの前記複数の方法ステップのうちの各方法ステップと相互に関連し、前記オペレータによって実行される前記ピペット操作処理の各方法ステップの前記データが取得され、前記複数の方法ステップが、引き続く順番で表示され、次の方法ステップに先んじる前の方法ステップの前記データが、前記前の方法ステップと相互に関連する目標データに対応する場合、前記引き続く順番における前記次の方法ステップが表示される、請求項10〜16のいずれか1項に記載の方法。
【発明の概要】
【0007】
本明細書において、手動ピペット操作ワークフローを通して、目的とするピペット操作ワークフローから逸脱する危険性なく、向上したユーザーガイダンスを提供するように構成される、試薬を操作するための検査室分析器、および試薬を操作するための検査室分析器を作動する方法が開示される。
【0008】
開示される試薬を操作するための検査室分析器、および試薬を操作するための検査室分析器を作動する方法の実施形態は、独立請求項の特徴を有する。本発明の好ましい実施形態は、単独の方法で、または任意の組み合わせで実現されてもよく、従属請求項に開示される。
【0009】
以下において使用されるように、「有する」、「備える」、もしくは「含む」という用語、またはそれらの任意の文法上の変形は、非限定的な方法で使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語により導入される特徴のほかには、この文脈において説明される実在物に、それ以上の特徴が存在しないという状況、および1つまたは複数のさらなる特徴が存在するという状況の両方に言及する。例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」、および「AはBを含む」という表現は、Aには、B以外に他の構成要素は存在しないという状況(すなわち、Aが、単独かつ独占的にBにより構成されるという状況)、およびB以外に、実体Aには、構成要素C、構成要素CおよびD、またはさらにそれ以上の構成要素、などの、1つまたは複数のさらなる構成要素が存在するという状況の両方に言及してもよい。
【0010】
さらに、「少なくとも1つの」という用語、「1つまたは複数の」という用語、または特徴もしくは構成要素が1度または2度以上存在し得ることを示す類似の表現は、典型的には、それぞれの機能や構成要素を導入するときに1度だけ使用される。以下において、ほとんどの場合、それぞれの特徴および構成要素に言及するとき、それぞれの特徴および構成要素が1度または2度以上存在し得るという事実があるか否かに関わらず、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」という表現は繰り返されない。
【0011】
さらに、以下に使用されるように、「好ましくは」、「より好ましくは」、「詳細には」、「より詳細には」、「具体的には」、「より具体的には」という用語、または類似の用語が、代替の可能性を制限することなく任意の特徴と共に使用される。したがって、これらの用語によって導入される特徴は、任意の特徴であり、請求の範囲をどのような方法においても制限することを意図しない。当業者が理解するように、本発明は、代替の特徴を用いて実行されてもよい。同様に、「本発明の実施形態において」または類似の表現によって導入される特徴は、本発明の代替の実施形態に関するどのような制限もなく、本発明の範囲に関するどのような制限もなく、および本発明の他の任意のまたは任意でない特徴などによって導入される特徴を組み合わせる可能性に関するどのような制限もなく、任意の特徴であると意図される。
【0012】
本発明によると、試薬を操作するための検査室分析器が開示される。本発明の趣旨における検査室分析器は、試料を分析するように構成される装置であり、分析される試料は、少なくとも1つの試薬を使用する分析のために調製される。詳細には、検査室分析器は、電気化学および/または分光実験に使用される。
【0013】
検査室分析器は、複数の方法ステップを含むピペット操作処理のワークフローをオペレータに表示するためのディスプレイを備える計算装置を備える。本発明の趣旨におけるワークフローは、検査室分析器のオペレータによって実行される、所定のパターンのインストラクションである。ワークフローは、画像を用いておよび/または可読文書を用いてなど、図示方式で、一連の作動または方法ステップとして示される。本発明の趣旨におけるピペット操作処理は、ピペットを使用して実行される処理である。ピペット操作処理は、測定された容量の液体の移送を含む。
【0014】
したがって、検査室分析器は、計算装置に接続される、試薬をピペット操作するためのピペットを備える。本発明の趣旨におけるピペットは、測定された容量の液体を移送するために、化学、生物学および医療において一般的に使用される検査室器具である。ピペットは、単一のガラスピペットから、より複雑な調節可能ピペットまたは電子ピペットまで、異なる正確さおよび精密さの、種々の目的のための複数の設計がある。多くの種類のピペットは、液体保持チャンバの上方に部分的な真空を作り出し、液体を吸い上げ、分注するために、この真空を選択的に放出することによって機能する。ピペットは、ピペット操作処理と相互に関連するデータの交換を可能にするための計算装置に接続される。したがって、ピペットは、計算装置によって制御される電子ピペットであってもよい。ピペットの計算装置への接続は、USBケーブルなどのケーブルを用いて、またはブルートゥース(登録商標)などの無線接続を用いて実現されてもよい。
【0015】
検査室分析器は、ピペットによってピペット操作される試薬を含む複数の試薬容器を受容するための複数の区画をさらに備える。本発明の趣旨における試薬容器は、試薬を含むまたは保管することに適した容器である。本発明の趣旨における試薬は、化学または生物反応を引き起こすためにシステムまたは試料に加えられる、または反応が起こるかどうかを確認するために加えられる物質または混合物である。
【0016】
検査室分析器は、計算装置に接続されるカメラをさらに備え、カメラは、オペレータがワークフローに従ってピペット操作処理を手動で実行する間、少なくとも、複数の区画の視覚的分析からデータを取得するように構成される。本発明の趣旨における視覚的分析は、検査室分析器の所定の領域を光検出するためにカメラを使用する分析方法であり、検出の結果はデータによって表示される。換言すると、カメラは、検査室分析器の所定の領域を観察するために使用される。本発明の趣旨におけるピペット操作処理の手動による実行とは、オペレータがピペット操作の複数の方法ステップのうちの少なくとも1つを手動で実行することとして理解される。したがって、ワークフローは、検査室分析器によって自動化された方式で実行されることのない少なくとも1つの方法ステップを含む。たとえば、方法ステップのうちの手動のステップとは、オペレータによる区画内の試薬容器の配置のことであり、オペレータがピペットを操作する間にピペット内に試薬を吸引し、またはオペレータがピペットを操作する間にピペットから試薬を分注することである。
【0017】
計算装置は、データを、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連する目標データと比較するように構成される。換言すると、計算装置は、実際のデータを、方法ステップに関連する目標データと比較するように構成される。たとえば、データは、ピペットおよび/または試薬容器の位置の情報を含み、目標データは、方法ステップのうちの所定の1つのステップにおける、ピペットおよび/または試薬容器の目標位置の情報を含む。換言すると、計算装置は、ピペットおよび/または試薬容器が、ある方法ステップにおいて正確な位置に設置されているかどうかを検出する。したがって、検査室分析器は、ピペット操作処理がオペレータによってワークフローに従って実行されている、または実行されるかどうかを検出してもよい。
【0018】
詳細には、カメラは、ワークフローに従って、所定の方法ステップにおいて、視覚的分析からデータを取得するように構成されてもよい。換言すると、カメラは、持続的ではなく所定の方法ステップにおいてのみ、データを取得する。たとえば、カメラは、オペレータがワークフローに従ってピペット内に試薬を吸引する、および/またはピペットから試薬を分注する各方法ステップにおいて、データを取得する。したがって、取得されるデータの量は、重要な、または必須のデータにまで減少される。
【0019】
それに加え、またはその代わりに、カメラは、所定の期間内において視覚的分析からデータを取得するように構成されてもよい。換言すると、カメラは、持続的ではなく所定の時点においてのみ、データを取得する。たとえば、カメラは、5秒毎に、または方法ステップを実行するために必要な期間であってもよい他の任意の期間毎にデータを取得する。したがって、取得されるデータの量は、重要な、または必須のデータにまで減少される。
【0020】
データは、ピペットの位置を含んでもよく、目標データは、ピペットの目標位置および/または試薬容器の位置を含んでもよい。このようにして、ワークフローに従って、ピペットおよび/または試薬容器が正確な位置にあるかどうかの検出が提供される。
【0021】
目標位置は、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連してもよい。このようにして、ワークフローの1つまたは複数の方法ステップに従った、ピペットおよび/または試薬容器が正確な位置にあるかどうかの検出が提供される。
【0022】
計算装置は、データの、目標データからのずれを信号化(signalize)するように構成されてもよい。たとえば、計算装置は、データの、目標データからのずれを聴覚的および/または視覚的に信号化するように構成されてもよい。このようにして、オペレータは、ワークフローに従って、あらゆる誤操作の知らせを受けてもよい。
【0023】
ピペットは、ピペット操作処理のピペット操作データを取得するように構成されてもよく、計算装置は、ピペット操作データを、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連する目標ピペット操作データと比較するように構成されてもよい。このようにして、ワークフローに従って、ピペット操作処理がオペレータによって正確に実行されたかどうかの検出が提供される。
【0024】
計算装置は、ピペット操作データの、目標ピペット操作データからのずれを信号化するように構成されてもよい。たとえば、計算装置は、ピペット操作データの、目標ピペット操作データからのずれを聴覚的および/または視覚的に信号化するように構成されてもよい。このようにして、オペレータは、ワークフローに従って、あらゆる不正確なピペット操作の知らせを受けてもよい。
【0025】
本発明の趣旨におけるピペット操作データは、ピペット内に吸引される、および/またはピペットから分注される試薬の少なくとも容量を含む、ピペットにより取得されるデータである。
【0026】
目標データは、ワークフローの複数の方法ステップのうちの各方法ステップと相互に関連する。換言すると、目標データは、各方法ステップと関連し、それによって、それぞれの方法ステップの目標データが、互いに独立となる。カメラは、オペレータによって実行されるピペット操作処理の各方法ステップのデータを取得するように構成されてもよい。このようにして、すべての単一の方法ステップが、カメラによって視覚的に観測される。計算装置は、複数の方法ステップを、引き続く順番(subsequent order)で表示するように構成されてもよい。換言すると、方法ステップは、ワークフローに従った所定の順番で存在する。計算装置は、次の方法ステップに先んじる前の方法ステップのデータが、相互に関連する目標データに対応する場合、引き続く順番における次の方法ステップを表示するように構成されてもよい。換言すると、ディスプレイは、前の方法ステップが正確に実行されている場合のみ、ワークフローに従って次の方法ステップを表示する。このようにして、オペレータによって不正確な方法ステップが実行されている、または実行される場合、ワークフローの誤った進行を防止するために、ワークフローは終了または中断される。したがって、オペレータは、ワークフローを通して安全に誘導される。
【0027】
カメラによって取得されるデータは、少なくとも、複数の区画の画像を含んでもよい。このようにして、計算装置は、これらの画像を、所定の方法ステップにおいて存在すると予定される画像であってもよい目標データと比較してもよい。換言すると、計算装置は、ワークフローの方法ステップと相互に関連する画像の一致または不一致を検出してもよい。
【0028】
目標データは、計算装置に、および/またはUSBスティックなどの計算装置外部にある記憶媒体に記憶されてもよい。このようにして、異なるワークフローと相互に関連する異なる目標データが、計算装置に記憶または入力されてもよい。
【0029】
本発明によると、複数の試薬を手動操作するための検査室分析器を作動する方法が開示される。方法は、複数の方法ステップを含むピペット操作処理のワークフローをオペレータに表示することと、オペレータがワークフローに従って手動でピペット操作処理を実行する間に、少なくとも複数の試薬容器の視覚的分析からデータを取得することと、データを、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連する目標データと比較することと、を含む。方法により、ピペット操作処理がオペレータによってワークフローに従って実行されている、または実行されるかどうかを検出することが可能になる。
【0030】
視覚的分析によるデータは、ワークフローに従って、所定の方法ステップにおいて取得されてもよい。このようにして、取得されるデータの量は、重要な、または必須のデータにまで減少される。
【0031】
それに加え、またはその代わりに、視覚的分析によるデータは、所定の期間内で取得される。このようにして、取得されるデータの量は、重要な、または必須のデータにまで減少される。
【0032】
データは、検査室分析器のピペットの位置を含んでもよく、目標データは、ピペットの目標位置および/または試薬容器の位置を含む。このようにして、ワークフローに従って、ピペットおよび/または試薬容器が正確な位置にあるかどうかの検出が提供される。
【0033】
目標位置は、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連する。このようにして、ワークフローの1つまたは複数の方法ステップに従って、ピペットおよび/または試薬容器が正確な位置にあるかどうかの検出が提供される。
【0034】
データの、目標データからのずれが信号化されてもよい。詳細には、データの、目標データからのずれは、聴覚的および/または視覚的に信号化されてもよい。このようにして、オペレータは、ワークフローに従って、あらゆる不正確な作動の知らせを受けてもよい。
【0035】
さらに、ピペット操作処理のピペット操作データが取得されてもよく、ピペット操作データは、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連する目標ピペット操作データと比較される。このようにして、ピペット操作処理がオペレータによってワークフローに従って正確に実行されるかどうかの検出が提供される。
【0036】
ピペット操作データの、目標ピペット操作データからのずれが、信号化されてもよい。詳細には、ピペット操作データの、目標ピペット操作データからのずれは、聴覚的および/または視覚的に信号化されてもよい。このようにして、オペレータは、ワークフローに従って、あらゆる不正確なピペット操作処理の知らせを受けてもよい。
【0037】
ピペット操作データは、少なくとも、ピペット内に吸引される、および/またはピペットから分注される試薬の容量を含んでもよい。
【0038】
目標データは、ワークフローの複数の方法ステップのうちの各方法ステップと相互に関連してもよい。オペレータによって実行されるピペット操作処理の各方法ステップのデータが取得されてもよい。複数の方法ステップが、引き続く順番で表示されてもよく、次の方法ステップに先んじる前の方法ステップのデータが、相互に関連する目標データに対応する場合、引き続く順番における次の方法ステップが表示されてもよい。このようにして、オペレータによって不正確な方法ステップが実行されている、または実行される場合、ワークフローの誤った進行を防止するために、ワークフローは終了または中断される。したがって、オペレータは、ワークフローを通して安全に誘導される。
【0039】
取得されるデータは、少なくとも複数の試薬容器の画像を含んでもよい。このようにして、これらの画像は、所定の方法ステップにおいて存在すると予定される画像であってもよい目標データと比較されてもよい。換言すると、ワークフローの方法ステップと相互に関連する画像の一致または不一致が検出されてもよい。
【0040】
目標データは、検査室分析器の計算装置および/または記憶媒体に記憶されてもよい。このようにして、異なるワークフローと相互に関連する異なる目標データが、計算装置に記憶または入力されてもよい。
【0041】
本発明はさらに、プログラムがコンピュータ上またはコンピュータネットワーク上で実行される時に、本明細書に包含される1つまたは複数の実施形態において、本発明による方法を実行するための、コンピュータ上で実行可能なインストラクションを含むコンピュータプログラムを開示および提案する。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能なデータキャリアに記憶されてもよい。したがって、具体的には、上記のような方法ステップのうちの1つ、2つ以上、またはすべてが、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用することによって、好ましくはコンピュータプログラムを使用することによって実行されてもよい。
【0042】
本発明は、さらに、プログラムがコンピュータ上またはコンピュータネットワーク上で実行される時に、本明細書に包含される1つまたは複数の実施形態において、本発明による方法を実行するために、プログラム符号化手段を有するコンピュータプログラム製品を開示および提案する。具体的には、プログラム符号化手段は、コンピュータが読み取り可能なデータキャリアに記憶されてもよい。
【0043】
さらに、本発明は、データ構造を記憶するデータキャリアを開示および提案し、データ構造は、コンピュータまたはコンピュータネットワーク内に、たとえばコンピュータまたはコンピュータネットワークの作業用メモリまたはメインメモリ内にロードされた後、本明細書において開示される1つまたは複数の実施形態による方法を実行してもよい。
【0044】
本発明は、さらに、プログラムがコンピュータ上またはコンピュータネットワーク上で実行される時に、本明細書において開示される1つまたは複数の実施形態による方法を実行するために、機械が読み取り可能なキャリアに記憶されるプログラム符号化手段を有するコンピュータプログラム製品を提案および開示する。本明細書において使用されるように、コンピュータプログラム製品とは、取引可能な製品としてのプログラムを指す。製品は、一般的に、紙の形式で、またはコンピュータが読み取り可能なデータキャリア上でなど、任意の形式で存在してもよい。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワーク上で流通されてもよい。
【0045】
最後に、本発明は、本明細書において開示される1つまたは複数の実施形態による方法を実行するために、コンピュータシステムまたはコンピュータネットワークが読み取り可能なインストラクションを含む、変調データ信号を提案および開示する。
【0046】
好ましくは、本発明のコンピュータで実施される態様を参照すると、本明細書において開示される実施形態の1つまたは複数による方法における方法ステップのうちの1つまたは複数、または方法ステップの全てが、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用して実行されてもよい。従って、概して、データの供給および/または操作を含む方法ステップのいずれもが、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用して実行されてもよい。概して、これらの方法ステップは、典型的に、試料の提供および/または実測の実行という特定の態様など、手作業を要する方法ステップを除いて、いずれの方法ステップを含んでもよい。
【0047】
具体的には、本発明は、以下のものをさらに開示する。
少なくとも1つのプロセッサを含むコンピュータまたはコンピュータネットワークであって、プロセッサが、本明細書に記載される実施形態の1つによる方法を実行するように構成される、コンピュータまたはコンピュータネットワーク
データ構造がコンピュータ上で実行されている間、本明細書に記載される実施形態の1つによる方法を実行するように構成される、コンピュータにロード可能なデータ構造
コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されている間、本明細書に記載される実施形態の1つによる方法を実行するように構成されるコンピュータプログラム
コンピュータプログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されている間、本明細書に記載される実施形態の1つによる方法を実行するためのプログラム手段を含むコンピュータプログラム
先行する実施形態によるプログラム手段を含むコンピュータプログラムであって、プログラム手段が、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶される、コンピュータプログラム
記憶媒体であって、データ構造が記憶媒体に記憶され、データ構造が、コンピュータまたはコンピュータネットワークのメインおよび/または作業用記憶装置にロードされたあとに、本明細書に記載される実施形態の1つによる方法を実行するように構成される、記憶媒体
プログラム符号化手段を有するコンピュータプログラム製品であって、プログラム符号化手段がコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行される場合、本明細書に記載される実施形態の1つによる方法を実行するために、プログラム符号化手段が記憶媒体に記憶され得る、または記憶される、プログラム符号化手段を有するコンピュータプログラム製品
【0048】
本発明の結果を要約すると、以下の実施形態が好ましい。
【0049】
実施形態1 複数の試薬を手動操作するための検査室分析器であって、
複数の方法ステップを含むピペット操作処理のワークフローをオペレータに表示するためのディスプレイを含む計算装置と、
計算装置に接続される、試薬をピペット操作するためのピペットと、
ピペットによってピペット操作される試薬を含む複数の試薬容器を受容するための複数の区画と、
計算装置に接続されるカメラであって、カメラが、オペレータがワークフローに従ってピペット操作処理を手動で実行する間、少なくとも複数の区画の視覚的分析からデータを取得するように構成され、計算装置が、データを、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連する目標データと比較するように構成される、カメラと
を備える検査室分析器。
【0050】
実施形態2 カメラが、ワークフローに従った所定の方法ステップにおいて、視覚的分析からデータを取得するように構成される、実施形態1に係る検査室分析器。
【0051】
実施形態3 カメラが、所定の期間内において、視覚的分析からデータを取得するように構成される、実施形態1または2に係る検査室分析器。
【0052】
実施形態4 データが、ピペットの位置を含み、目標データが、ピペットの目標位置および/または試薬容器の位置を含む、実施形態1〜3のいずれか1つに係る検査室分析器。
【0053】
実施形態5 目標位置が、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連する、実施形態4に係る検査室分析器。
【0054】
実施形態6 計算装置が、データの、目標データからのずれを信号化するように構成される、実施形態1〜5のいずれか1つに係る検査室分析器。
【0055】
実施形態7 計算装置が、データの、目標データからのずれを聴覚的および/または視覚的に信号化するように構成される、実施形態6に係る検査室分析器。
【0056】
実施形態8 ピペットが、ピペット操作処理のピペット操作データを取得するように構成され、計算装置が、ピペット操作データを、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連する目標ピペット操作データと比較するように構成される、実施形態1〜7のいずれか1つに係る検査室分析器。
【0057】
実施形態9 計算装置が、ピペット操作データの、目標ピペット操作データからのずれを信号化するように構成される、実施形態8に係る検査室分析器。
【0058】
実施形態10 計算装置が、ピペット操作データの、目標ピペット操作データからのずれを聴覚的および/または視覚的に信号化するように構成される、実施形態9に係る検査室分析器。
【0059】
実施形態11 ピペット操作データが、少なくとも、ピペットに吸引される、および/またはピペットから分注される試薬の容量を含む、実施形態8〜10のいずれか1つに係る検査室分析器。
【0060】
実施形態12 目標データが、ワークフローの複数の方法ステップのうちの各方法ステップと相互に関連し、カメラが、オペレータによって実行されるピペット操作処理の各方法ステップのデータを取得するように構成され、計算装置が、複数の方法ステップを引き続く順番で表示するように構成され、計算装置が、次の方法ステップに先んじる前の方法ステップのデータが、相互に関連する目標データに対応する場合、引き続く順番における次の方法ステップを表示するように構成される、実施形態1〜11のいずれか1つに係る検査室分析器。
【0061】
実施形態13 カメラによって取得されるデータが、少なくとも複数の区画の画像を含む、実施形態1〜12のいずれか1つに係る検査室分析器。
【0062】
実施形態14 目標データが、計算装置および/または記憶媒体に記憶される、実施形態1〜13のいずれか1つに係る検査室分析器。
【0063】
実施形態15 複数の試薬を手動操作するための検査室分析器を作動する方法であって、
複数の方法ステップを含むピペット操作処理のワークフローをオペレータに表示することと、
オペレータがワークフローに従って手動でピペット操作処理を実行する間に、少なくとも複数の試薬容器の視覚的分析からデータを取得することと、
データを、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連する目標データと比較することと、
を含む方法。
【0064】
実施形態16 視覚的分析によるデータが、ワークフローに従った所定の方法ステップにおいて取得される、実施形態15に係る方法。
【0065】
実施形態17 視覚的分析によるデータが、所定の期間内において取得される、実施形態15または16に係る方法。
【0066】
実施形態18 データが、検査室分析器のピペットの位置を含み、目標データが、ピペットの目標位置および/または試薬容器の位置を含む、実施形態15〜17のいずれか1つに係る方法。
【0067】
実施形態19 目標位置が、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連する、実施形態18に係る方法。
【0068】
実施形態20 データの、目標データからのずれを信号化することをさらに含む、実施形態15〜19のいずれか1つに係る方法。
【0069】
実施形態21 データの、目標データからのずれが、聴覚的および/または視覚的に信号化される、実施形態20に係る方法。
【0070】
実施形態22 ピペット操作処理のピペット操作データが取得され、ピペット操作データが、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連する目標ピペット操作データと比較される、実施形態15〜21のいずれか1つに係る方法。
【0071】
実施形態23 ピペット操作データの、目標ピペット操作データからのずれを信号化することをさらに含む、実施形態22に係る方法。
【0072】
実施形態24 ピペット操作データの、目標ピペット操作データからのずれが、聴覚的および/または視覚的に信号化される、実施形態23に係る方法。
【0073】
実施形態25 ピペット操作データが、少なくとも、ピペット内に吸引される、および/またはピペットから分注される試薬の容量を含む、実施形態22〜24のいずれか1つに係る方法。
【0074】
実施形態26 目標データが、ワークフローの複数の方法ステップのうちの各方法ステップと相互に関連し、オペレータによって実行されるピペット操作処理の各方法ステップのデータが取得され、複数の方法ステップが、引き続く順番で表示され、次の方法ステップに先んじる前の方法ステップのデータが、相互に関連する目標データに対応する場合、引き続く順番における次の方法ステップが表示される、実施形態15〜25のいずれか1つに係る方法。
【0075】
実施形態27 取得されるデータが、少なくとも複数の試薬容器の画像を含む、実施形態15〜26のいずれか1つに係る方法。
【0076】
実施形態28 目標データが、検査室分析器の計算装置および/または記憶媒体に記憶される、実施形態15〜27のいずれか1つに係る方法。
【0077】
本発明のさらなる詳細が、以下の好ましい実施形態の開示から得られる。実施形態の特徴は、単独の方法で、または任意の組み合わせで実現されてもよい。本発明は、実施形態に限定されない。実施形態は、図に概略的に描かれる。図中の同一の参照番号は、同一の要素、機能的に同一の要素、またはそれぞれの機能に関して互いに対応する要素を参照する。
【発明を実施するための形態】
【0079】
図1は、複数の試薬を手動操作するための検査室分析器100の斜視図を示している。検査室分析器100は、血小板機能分析器のような卓上検査室機器であってもよい。検査室分析器100は、計算装置102を含む。計算装置102は、複数の方法ステップを含むピペット操作処理のワークフローをオペレータに表示するためのディスプレイ104を含む。計算装置104は、市販のPCであってもよく、ディスプレイ104は、PCのモニターであってもよい。
【0080】
検査室分析器100は、試薬をピペット操作するためのピペット106をさらに含む。ピペット106は、計算装置102に接続される。より詳細には、ピペット106は、電子ピペットであり、計算装置102に電子的に接続される。
図1に示される実施形態において、ピペット106は、ケーブル108によって計算装置102に接続されている。たとえば、ピペット106および計算装置102の両方が、USBインターフェースを含んでもよく、ケーブル108は、ピペット106および計算装置102に接続されるUSBケーブルであってもよい。ピペット106は、当業者に知られている任意の電子接続によって計算装置に接続されてもよいことが、明示的に述べられる。たとえば、代替的に、ピペット106は、無線通信、ブルートゥース(登録商標)などの無線接続によって計算装置102に接続されてもよい。
【0081】
検査室分析器100は、ピペット106によってピペット操作される試薬を保管するための複数の試薬容器120、122、124、126、128を受容するために、複数の区画110、112、114、116、118をさらに含む。
図1に示される実施形態では、検査室分析器100は、5つの試薬容器120、122、124、126、128を受容するために、5つの区画110、112、114、116、118を含んでいる。言うまでもなく、区画の数は5つに限定されず、それより多くても少なくてもよい。詳細には、検査室分析器100は、少なくとも2つの区画を含む。区画110、112、114、116、118は、
図1の図において、左から右に1列に配置されている。したがって、区画110、112、114、116、118は、左から右に見て、第1区画110、第2区画112、第3区画114、第4区画116、第5区画118と表されてもよい。第1、第2、第3、第4、第5という表現は、特定の重要さの順序を表すことを意図しておらず、単に、それぞれの区画110、112、114、116、118の差別化を容易にすることを意図している。同様に、試薬容器120、122、124、126、128は、左から右に見て、第1試薬容器120、第2試薬容器122、第3試薬容器124、第4試薬容器126、第5試薬容器128と表されてもよい。第1、第2、第3、第4、第5という表現は、特定の重要さの順序を表すことを意図しておらず、単に、それぞれの試薬容器120、122、124、126、128の差別化を容易にすることを意図している。
【0082】
検査室分析器100は、カメラ130をさらに含む。カメラ130は、計算装置102に接続される。カメラ130は、ディスプレイ104の上部に配置されてもよい。カメラ130は、オペレータがワークフローに従ってピペット操作処理を手動で実行する間、少なくとも複数の区画110、112、114、116、118の視覚的分析からデータを取得するように構成される。計算装置102は、データを、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連する目標データと比較するように構成される。目標データは、計算装置102、および/またはUSBスティック、ディスクなどの記憶媒体に記憶される。
【0083】
検査室分析器100は、複数のキュベット142、144、146、148、150を受容するための複数のキュベット区画132、134、136、138、140をさらに含む。
図1に示される実施形態では、検査室分析器100は、5つのキュベット142、144、146、148、150を受容するための5つのキュベット区画132、134、136、138、140を含んでいる。言うまでもなく、キュベット区画の数は5つに限定されず、それより多くても少なくてもよい。キュベット区画132、134、136、138、140は、
図1の図において、左から右に1列に配置されている。したがって、キュベット区画132、134、136、138、140は、左から右に見て、第1キュベット区画132、第2キュベット区画134、第3キュベット区画136、第4キュベット区画138、第5キュベット区画140と表されてもよい。第1、第2、第3、第4、第5という表現は、特定の重要さの順序を表すことを意図しておらず、単に、それぞれのキュベット区画132、134、136、138、140の差別化を容易にすることを意図している。同様に、キュベット142、144、146、148、150は、左から右に見て、第1キュベット142、第2キュベット144、第3キュベット146、第4キュベット148、第5キュベット150と表されてもよい。第1、第2、第3、第4、第5という表現は、特定の重要さの順序を表すことを意図しておらず、単に、それぞれのキュベット142、144、146、148、150の差別化を容易にすることを意図している。キュベット142、144、146、148、150は、試薬容器120、122、124、126、128の少なくともいくつかからピペット操作される試薬の混合物をその中に受容するように構成される。キュベット142、144、146、148、150内の試薬の混合物は、検査室分析器100によって分析される。
【0084】
カメラ130は、ワークフローに従った所定の方法ステップにおいて、視覚的分析からデータを取得するように構成される。詳細には、カメラ130は、5秒毎などの所定の期間内に視覚的分析からデータを取得するように構成される。カメラ130によって取得されるデータは、少なくとも複数の区画110、112、114、116、118の画像を含む。換言すると、カメラ130は、少なくとも複数の区画110、112、114、116、118を撮影するように構成される。データは、ピペット106の位置を含む。換言すると、データは、検査室分析器100におけるピペット106の位置と相互に関連する。たとえば、データは、試薬容器120、122、124、126、128もしくは区画110、112、114、116、118において、および/またはキュベット区画142、144、146、148、150において、ピペット106がどこに位置決めされるかの情報を含む。目標データは、ピペット106の目標位置および/または試薬容器120、122、124、126、128の位置を含む。目標位置は、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連する。換言すると、目標データは、以下においてさらに説明される所定の方法ステップにおいて、ピペット106および/または試薬容器120、122、124、126、128が位置すると予定される位置を含む。計算装置102は、データの、目標データからのずれを信号化するように構成される。詳細には、計算装置102は、データの、目標データからのずれを聴覚的および/または視覚的に信号化するように構成される。たとえば、計算装置102が、データの、目標データからのずれを判定すると、警報機による警告音が鳴る、および/または警告がディスプレイ104上に表示される。
【0085】
ピペット106は、ピペット操作処理のピペット操作データを取得するように構成される。計算装置102は、ピペット操作データを、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連する目標ピペット操作データと比較するように構成される。計算装置102は、ピペット操作データの、目標ピペット操作データからのずれを信号化するように構成される。詳細には、計算装置102は、ピペット操作データの、目標ピペット操作データからのずれを聴覚的および/または視覚的に信号化するように構成される。たとえば、計算装置102が、ピペット操作データの、目標ピペット操作データからのずれを判定すると、警報機による警告音が鳴る、および/または警告がディスプレイ104上に表示される。ピペット操作データは、少なくとも、ピペット106内に吸引される、および/またはピペット106から分注される試薬の容量を含む。このため、ピペット106は、ノブ154およびピペットディスプレイ156を含む電子カード152を含んでもよい。電子カード152は、ピペット106内に配置され、ピペット106内に吸引される、および/またはピペット106から分注される試薬の容量を検出するように構成される。
【0086】
任意に、目標データは、ワークフローの複数の方法ステップのうちの各単一の方法ステップと相互に関連する。カメラ130は、オペレータによって実行されるピペット操作処理の各単一の方法ステップのデータを取得するように構成される。計算装置102は、複数の方法ステップを、引き続く順番で表示するように構成される。計算装置102は、次の方法ステップに先んじる前の方法ステップのデータが、相互に関連する目標データに対応する場合、引き続く順番における次の方法ステップを表示するように構成される。
【0087】
以下に、検査室分析器100を作動する方法が説明される。オペレータが、計算装置102を作動させる。さらに、オペレータは、ピペット106を作動させる。そして、オペレータは、実行される所定のピペット操作処理を選択する。計算装置102は、複数の方法ステップを含む、選択されたピペット操作処理のワークフローを、ディスプレイ104上でオペレータに表示する。方法ステップは、試薬容器120、122、124、126、128の情報を含む。より詳細には、方法ステップは、試薬容器120、122、124、126、128のうちのどの1つが、区画110、112、114、116、118のうちのどの1つの中に配置されなければならないかの情報を含む。たとえば、第1試薬容器120が、第1区画110内に配置されなければならないことや、第2試薬容器122が、第2区画112内に配置されなければならないことなどを示す情報がディスプレイ104上に表示され、試薬容器120、122、124、126、128は、試薬容器内に保管される試薬の情報を有する。たとえば、試薬容器120、122、124、126、128は、試薬容器内に保管されるそれぞれの試薬の識別を容易にするために、異なる色などによって印を付けられる。
【0088】
次に、オペレータがワークフローに従ってピペット操作処理を手動で実行する間、少なくとも複数の試薬容器120、122、124、126、128の視覚的分析からデータを取得するために、計算装置102がカメラ130を作動させる。取得されるデータは、少なくとも複数の試薬容器120、122、124、126、128の画像を含む。視覚的分析によるデータは、ワークフローに従った所定の方法ステップにおいて取得される。したがって、ワークフローに従ったピペット操作処理の第1の方法ステップが、区画110、112、114、116、118における試薬容器120、122、124、126、128の配置においてみられてもよい。その代わりに、またはそれに加えて、視覚的分析によるデータは、5秒毎などの所定の期間内に取得される。
【0089】
ディスプレイ104は、ワークフローに従ったピペット操作処理の方法ステップをさらに表示する。たとえば、ディスプレイ104は、第1試薬容器120内に保管される試薬の所定の量を吸引し、所定の量を第5試薬容器128内に分注するためにピペット106を使用するというインストラクションを表示する。したがって、ワークフローに従ったピペット操作処理の第2の方法ステップが、第1の吸引処理において見られてもよく、ワークフローに従ったピペット操作処理の第3の方法ステップが、第1の分注処理において見られてもよい。手動のピペット操作処理のこれらの方法ステップの間、カメラ130は、少なくとも複数の試薬容器120、122、124、126、128の視覚的分析からさらにデータを取得する。データは、ピペット106の位置を含む。換言すると、カメラ130は、試薬容器120、122、124、126、128、および試薬容器120、122、124、126、128に位置する、またはその付近に位置するピペット106を撮影する。
【0090】
計算装置102は、データを、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連する目標データと比較する。目標データは、計算装置102に記憶される。その代わりに、またはそれに加えて、目標データは、USBスティック、ディスクなどの記憶媒体に記憶される。目標データは、ピペット106の目標位置および/または試薬容器120、122、124、126、128の位置を含む。目標データは、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連する。換言すると、目標データは、ワークフローに従った所定の方法ステップにおいて、ピペット106および/または試薬容器120、122、124、126、128がどこに位置すると予定されるかの情報を含む。たとえば、目標データは、上記の第1の方法ステップにおいて、第1試薬容器120が、第1区画110内に配置されることが予定されることや、第2試薬容器122が、第2区画112内に配置されることが予定されることなどの情報を含む。さらに、この実施例に関して、目標データは、上記の第2の方法ステップにおいて、ピペット106およびそのピペット先端部が、それぞれ、第1試薬容器120に位置することが予定されるという情報、および上記の第3の方法ステップにおいて、ピペット106が、第5試薬容器128に位置することが予定されるという情報を含む。計算装置102は、カメラ130によって取得される画像を、目標データのこの情報と比較する。
【0091】
計算装置102がデータと目標データとの不一致を検出する場合、計算装置102は、このデータの、目標データからのずれをオペレータに対して信号化する。たとえば、オペレータが、試薬容器120、122、124、126、128を不正確な位置に、もしくは不正確な区画110、112、114、116、118に配置した場合、または、間違った試薬を吸引するか、もしくは試薬を試薬容器120、122、124、126、128のうちの間違った1つに分注した場合、または、関連する、もしくは相互に関連する方法ステップに従って、ピペット106が試薬容器120、122、124、126、128のうちの間違った1つに位置する場合、計算装置102は、データの、目標データからのずれを検出する。計算装置102は、データの、目標データからのずれを聴覚的および/または視覚的に信号化してもよい。たとえば、計算装置102は、オペレータによって聞き取られる警告を作動させてもよく、および/またはオペレータによって見られる警告をディスプレイ104上に表示してもよい。言うまでもなく、ワークフローは、詳細には記載されない、さらなる方法ステップを含んでもよい。たとえば、ワークフローは、実行されるそれぞれの分析に応じて、さらに試薬を、第5試薬容器128もしくは試薬容器120、122、124、126、128の別の1つに、またはキュベット142、144、146、148、150のうちの所定の1つに吸引および分注することを含んでもよい。
【0092】
さらに、ピペット106は、ピペット操作処理のピペット操作データを取得してもよい。ピペット操作データは、少なくとも、ピペット106内に吸引される、および/またはピペット106から分注される試薬の容量を含んでもよい。上記の実施例に関して、ピペット106は、第1試薬容器120から吸引される量20ml、および第5試薬容器128に分注される量20mlを検出する。計算装置102は、ピペット操作データを、ワークフローの複数の方法ステップと相互に関連する目標ピペット操作データと比較する。換言すると、上記の第2および第3の方法ステップにおいて、計算装置102は、ピペット106内に吸引される量およびピペット106から分注される量が、目標吸引量および目標分注量に対応するかどうか比較する。計算装置102が、ピペット操作データの、目標ピペット操作データからのずれを検出する場合、このずれはオペレータに対して信号化される。ピペット操作データの、目標ピペット操作データからのずれは、オペレータに対して聴覚的および/または視覚的に信号化されてもよい。たとえば、上記の第2および第3の方法ステップにおいて、計算装置102が、ピペット106内に吸引される量およびピペット106から分注される量が、目標吸引量および目標分注量に対応しないことを検出する場合、計算装置102は、オペレータによって聞き取られる警告を作動させてもよく、および/またはオペレータによって見られる警告をディスプレイ104上に表示してもよい。
【0093】
任意に、目標データは、ワークフローの複数の方法ステップのうちの各方法ステップと相互に関連し、オペレータによって実行されるピペット操作処理の各方法ステップのデータが取得される。複数の方法ステップが、所定の引き続く順番で、ディスプレイ104上に表示され、次の方法ステップに先んじる前の方法ステップのデータが、前の方法ステップの相互に関連する目標データに対応する場合のみ、引き続く順番における次の方法ステップは表示される。換言すると、オペレータによって実行される前の方法ステップが、ワークフローに従って実行される予定の方法ステップに完全に対応する場合、計算装置102は、実行される次の方法ステップを表示するためにディスプレイ104を作動させるのみである。