特許第6704400号(P6704400)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6704400
(24)【登録日】2020年5月14日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】眼科用液剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/542 20060101AFI20200525BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/5575 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20200525BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20200525BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20200525BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   A61K31/542
   A61K31/5377
   A61K31/5575
   A61K9/08
   A61K47/34
   A61P27/02
   A61P27/06
   A61P43/00 121
【請求項の数】11
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2017-540335(P2017-540335)
(86)(22)【出願日】2015年10月16日
(65)【公表番号】特表2017-531045(P2017-531045A)
(43)【公表日】2017年10月19日
(86)【国際出願番号】IB2015057963
(87)【国際公開番号】WO2016063184
(87)【国際公開日】20160428
【審査請求日】2018年10月2日
(31)【優先権主張番号】2985/DEL/2014
(32)【優先日】2014年10月20日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】517139266
【氏名又は名称】センティス・ファーマ・プライヴェート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マンダール・ヴイ・シャア
(72)【発明者】
【氏名】ディーパック・バフリ
【審査官】 小森 潔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−037327(JP,A)
【文献】 特表2014−520895(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0157963(US,A1)
【文献】 Soluplus(登録商標) Technical Information,2010年,1−8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/542
A61K 31/5377
A61K 31/5575
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高眼圧症に罹患する患者の眼圧を低下させるための水性無菌眼科用医薬製剤であって、活性薬剤としてのブリンゾラミド又はその医薬的に許容される塩、ラタノプロスト又はチモロールから選択される追加の治療活性薬剤、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、及びポリソルベートから選択される界面活性剤を、医薬的に許容される添加剤と共に含み、溶液の形態である、製剤。
【請求項2】
リンゾラミド、製剤の0.01 w/v %〜5 w/v %の量で存在する請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
前記追加の治療活性薬剤がチモロールである、請求項1又は2に記載の製剤。
【請求項4】
前記追加の治療活性薬剤がラタノプロストである、請求項1又は2に記載の製剤。
【請求項5】
リビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、製剤の0.01 w/v %〜5.0 w/v %の量で存在する請求項1〜4のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項6】
リソルベートが製剤の0.001 w/v %〜15 w/v %の量で存在する請求項1〜5のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項7】
前記医薬的に許容される添加剤が、等張化剤、粘度増強剤、非水性溶媒、緩衝剤、pH調整剤、抗酸化剤、キレート剤、防腐剤、及び/又はこれらの2種以上の組合せを含む群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項8】
ブリンゾラミド、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、ポリソルベート80、及びラタノプロスト又はチモロールのいずれか、並びに医薬的に許容される添加剤を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項9】
緑内障又は高眼圧症の患者の高眼圧の処置に適用される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項10】
処置を必要とする対象の各々の眼に1日1回又は1日2回若しくは3回投与するために使用され前記の処置可能な状態に高眼圧が含まれる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製剤
【請求項11】
pHが5.5〜8の範囲である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2014年10月20日に出願したインド仮出願第2985/DEL/2014の優先権を主張し、その内容は、全体が本明細書に参照により組み込まれる。
【0002】
本発明は、炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)を単独で水性溶液中に含む眼科用製剤、及びその製造方法に関連する。
【0003】
また、本発明の眼科用製剤は、第二の治療活性薬剤と組み合わせて、それを必要とする哺乳類に用いることもでき、ここで前記第二の治療活性薬剤は、ベータブロッカー、プロスタグランジン類似体、プロスタミド(prostamide)、アルファ2アドレナリン作動薬、縮瞳薬、神経保護剤、及びこれらの組合せから選択されるが、これらに限定されない。
【0004】
また、本発明の眼科用製剤は、第三の治療活性薬剤と組み合わせて、それを必要とする哺乳類に用いることもでき、ここで前記第三の治療活性薬剤は、ベータブロッカー、プロスタグランジン類似体、プロスタミド、アルファ2アドレナリン作動薬、縮瞳薬、神経保護剤、及びこれらの組合せから選択されるが、これらに限定されない。
【0005】
本発明は、炭酸脱水酵素阻害剤を単独で水性溶液中に含むか、及び/又は第二の眼圧(IOP)低減剤及び/又は緑内障治療剤と組み合わせた、及び/又はさらに第三の眼圧(IOP)低減剤及び/又は緑内障治療剤と組み合わせた、眼科用製剤、並びにその製造方法に関連する。
【0006】
本発明は、本願明細書に説明される方法により製造される組成物、及び緑内障又は高眼圧症に罹患するヒトを処置するための方法にさらに関連する。
【背景技術】
【0007】
ブリンゾラミド(Brinzolamide)は、高眼圧症又は開放隅角緑内障の患者の眼圧を低下させるために用いられる炭酸脱水酵素阻害剤である。ブリンゾラミドは、化学的には(R)-(+)-4-エチルアミノ-2-(3-メトキシプロピル)-3,4-ジヒドロ-2H-チエノ[3,2-e]-1,2-チアジン-6-スルホンアミド-1,1-ジオキシドであり、実験式C12H21N3O5S3を有する。ブリンゾラミドは、分子量383.5及び融点約131℃を有する。
【0008】
この化合物は、米国特許第5,378,703号(Deanら)に開示されている。また、本化合物は、欧州特許EP 527801にも開示されている。米国特許第6,071,904号は、ブリンゾラミド眼科用組成物の調製のための方法を開示している。
【0009】
眼科用懸濁液の形態のブリンゾラミドは、米国のAlcon Laboratories Inc.により、Azopt(登録商標) (ブリンゾラミド眼科用懸濁液1%)の商標で開発及び上市されている。ブリンゾラミド懸濁液は、開放隅角緑内障又は高眼圧症(OHT)の患者の上昇した眼圧(IOP)を低下させるために適応される。
【0010】
ブリンゾラミドの眼科用懸濁液の調製に関して、先行技術文献において様々な方法又は手法が開示されてきた。
【0011】
国際特許出願WO 98/25620は、ブリンゾラミドがオートクレーブ後、冷却の際に大型の針状結晶として再結晶化するため、この化合物を含む懸濁液の製造には従来の滅菌方法を採用することができないことを教示する。WO 98/25620によれば、原料の融解を起こすので、乾熱滅菌も適しておらず、一方エチレンオキシド及びガンマ線照射による滅菌は、許容できない分解産物を発生させる。
【0012】
EP0941094は、ミリングボトル(milling bottle)中のブリンゾラミドとチロキサポール(tyloxapol)との;又はブリンゾラミドとトリトン(Triton)Xとの濃縮スラリーをオートクレーブし、オートクレーブ後に熱いスラリーをボールミリング(ball milling)し、その後スラリーを残りの成分に加えることにより、ブリンゾラミド懸濁液を作製する方法を開示する。ここで、オートクレーブの高温及び高圧により、ブリンゾラミドが分解することに注目すべきである。その後、オートクレーブが完了し、冷却の際に、ブリンゾラミドは、1000〜5000 μmの粒径を有する大型の結晶として沈殿する。しかし、チロキサポール及び/又はトリトンXをスラリー中に含めることによって、ボールミリングにより結晶を容易に粉砕することができる。ブリンゾラミドは、眼を傷つけてしまうので、これらの大型の針状結晶のままでは投与することができない。したがって、沈殿したブリンゾラミド結晶を粉砕して粒径を小さくする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,378,703号
【特許文献2】EP 527801
【特許文献3】米国特許第6,071,904号
【特許文献4】WO 98/25620
【特許文献5】EP0941094
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、先行技術文献は、ブリンゾラミドと界面活性剤とのスラリーのオートクレーブ、及びさらにスラリーのボールミリングを開示する。しかしながら、この方法に関連する欠点は、ブリンゾラミドのスラリーを最初にオートクレーブし、その後オートクレーブ中に形成されたブリンゾラミドの針状結晶のさらなるサイズの縮小のためのボールミリングを行うためのミリングボトルが必要となることである。
【0015】
乾熱滅菌は、原料の融解を起こす。エチレンオキシドによる滅菌は、許容できない分解産物及び残渣を発生させ、微粉化した原料のガンマ線照射による滅菌は、承認申請で許容されない分解産物を生じる。
【0016】
多くの場合、炭酸脱水酵素阻害剤や他の有効成分等の眼科用途に有用な活性成分の結晶化は、調製中に発生する。温度121℃及び圧力115 lbsでのオートクレーブによる滅菌により、製剤中の有効成分の溶解度の増加がもたらされ、この温度で、ブリンゾラミドは溶液になる。しかしながら、冷却すると、ブリンゾラミドは針状結晶として沈殿する。これらの針状結晶は、破壊して懸濁するのが難しい。別の文献では、結晶が容易に壊れるようにチロキサポールが溶液中に用いられるか、又はボールミル及び/若しくはジェットミル等の特別な設備を用いて大型の針状結晶を破砕している。
【0017】
文献中に開示されたブリンゾラミド懸濁液の大部分は、調製中及び保管中の活性成分の結晶化及び凝集という問題に直面する。有効成分の結晶化又は凝集は、用量の不均一性、投与の困難性、大型薬剤粒子に起因する眼への刺激、及び/又は高薬剤濃度に起因するあらゆる眼の悪影響をもたらす。
【0018】
したがって、ブリンゾラミドのような、しかしこれに限定されない、低溶解度を有する薬剤を可溶化して薬剤の浸透性及びバイオアベイラビリティを向上させることができる剤形を調剤することへのアンメット・メディカル・ニーズが未だに存在する。上に開示した文献はいずれも、ブリンゾラミドの溶解度の向上について、またこれを完全に溶液の形態にすることについて、教示していない。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本願明細書において、驚くべきことに、本発明の発明者らは、Soluplus(登録商標)等のポリマー及びポリソルベート(polysorbate)80等の界面活性剤を、活性成分であるブリンゾラミドに加えて、製剤を溶液形態中に完全に溶解させることにより、驚くべきことに製剤の安全性及び有効性に影響を与えることなくブリンゾラミド溶液の濃度を低減させることができたことを見出した。
【0020】
本願明細書に記述する眼科用製剤の製造方法は、効率的、経済的であり、商業スケールの調製において実現可能であり、文献において公知のブリンゾラミド懸濁液と比較すると、本方法において製剤化にはボールミル及び/又はジェットミル等の特定の設備の使用を必要としない。
【0021】
さらに、ブリンゾラミド溶液は、患者への投与が容易であり、また本発明のブリンゾラミド溶液には、薬剤粒子の沈降、ケーキング、凝集等の懸濁液の一般的なデメリットが見られないので、投与の変動性も低減される。よって、本発明の製剤は、より患者適合性(ペイシェント・コンプライアント)である。
【0022】
したがって、本発明の目的は、活性成分ブリンゾラミドの濃度を低減することであり、ここで活性成分ブリンゾラミドは溶液の形態である。
【0023】
本発明の別の目的は、ブリンゾラミドを単体で含むか、又は第二の及び/若しくは第三のIOP低減剤及び/若しくは緑内障治療剤、並びに医薬的に許容される成分と組み合わせて含む眼科用液剤であって、ボールミル及び/又はジェットミル等の特別な設備の使用を必要としない、眼科用液剤を提供することである。
【0024】
本願明細書において、本発明の発明者らは、(ブリンゾラミド等であるがこれに限定されないCAI等の)低い水溶解度の活性成分を、Soluplus(登録商標)等のポリマー及びポリソルベート80等の界面活性剤と共に、50℃より高温に加熱した後に溶解したときに、活性成分ブリンゾラミドが、可溶化剤であるSoluplus(登録商標)及びポリソルベート80等の界面活性剤の助けにより、沈殿せずに溶液の形態のままでいる、無菌眼科用医薬製剤を製剤化した。
【0025】
炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)、例えばラタノプロスト(latanoprost)、トラボプロスト(travoprost)、ウノプロストン(unoprostone)、タフルプロスト(tafluprost)、ビマトプロスト(bimatoprost)等、より具体的にはブリンゾラミドを含む本発明の眼科用製剤は、ベータブロッカー、プロスタグランジン類似体、プロスタミド、アルファ2アドレナリン作動薬、縮瞳薬、神経保護剤、及びこれらの組合せ等であるが、これらに限定されない、第二のIOP低減剤及び/又は緑内障治療剤と組み合わせて用いることもでき、ここで本発明の眼科用製剤は溶液の形態である。
【0026】
炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)、例えばラタノプロスト、トラボプロスト、ウノプロストン、タフルプロスト、ビマトプロスト等、より具体的にはブリンゾラミドを含む本発明の眼科用製剤は、ベータブロッカー、プロスタグランジン類似体、プロスタミド、アルファ2アドレナリン作動薬、縮瞳薬、神経保護剤、及びこれらの組合せ等であるが、これらに限定されない、第三のIOP低減剤及び/又は緑内障治療剤と組み合わせて用いることもでき、ここで本発明の眼科用製剤は溶液の形態である。
【0027】
本発明は、現在の用量である1.0%の約半分、好ましくは約0.5%の、医薬的有効量の溶液形態のブリンゾラミドを、第二の治療活性薬剤及びその薬理活性代謝物、その塩及びラセミ体と組み合わせて、又はさらに第三の治療活性薬剤及びその薬理活性代謝物、その塩、溶媒和物、及びラセミ体と組み合わせて含む、溶液形態の眼科用製剤、並びに緑内障及び高眼圧症を処置するための方法、並びにその製造方法を提供する。
【0028】
(発明の概要)
本発明は、ブリンゾラミドのような炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)等の活性成分を、Soluplus(登録商標)等のポリマー及びポリソルベート80等の界面活性剤並びに/又は他の医薬的に許容される添加剤と組み合わせて含む、溶液の形態の無菌眼科用医薬製剤に関連する。
【0029】
また、炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)、例えばラタノプロスト、トラボプロスト、ウノプロストン、タフルプロスト、ビマトプロスト等、より具体的にはブリンゾラミドを含む本発明の眼科用製剤は、ベータブロッカー、プロスタグランジン類似体、プロスタミド、炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)、アルファ2アドレナリン作動薬、縮瞳薬、神経保護剤、及びこれらの組合せ等であるが、これらに限定されない、第二のIOP低減剤及び/又は緑内障治療剤と組み合わせて用いることもでき、ここで本発明の眼科用製剤は溶液の形態である。
【0030】
また、炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)、例えばラタノプロスト、トラボプロスト、ウノプロストン、タフルプロスト、ビマトプロスト等、より具体的にはブリンゾラミドを含む本発明の眼科用製剤は、ベータブロッカー、プロスタグランジン類似体、プロスタミド、アルファ2アドレナリン作動薬、縮瞳薬、神経保護剤、及びこれらの組合せ等であるが、これらに限定されない、第三のIOP低減剤及び/又は緑内障治療剤と組み合わせて用いることもでき、ここで本発明の眼科用製剤は溶液の形態である。
【0031】
本発明は、緑内障及び関連する眼圧(IOP)の上昇並びに/又は高眼圧症に罹患するヒトの処置のための、炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)と、プロスタグランジンと、Soluplus(登録商標)等のポリマーとの組合せと、併せて他の医薬的に許容される添加剤を含む、無菌眼科用医薬製剤に関連する。
【0032】
本発明は、緑内障及び関連する眼圧(IOP)の上昇並びに/又は高眼圧症に罹患するヒトの処置のための、炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)と、ベータブロッカーと、Soluplus(登録商標)等のポリマーとの組合せと、併せて他の医薬的に許容される添加剤を含む、無菌眼科用医薬製剤に関連する。
【0033】
本発明は、現在の用量である1.0%の約半分、好ましくは約0.5%の、医薬的有効量の溶液形態のブリンゾラミドを、第二の治療活性薬剤及びその薬理活性代謝物、その塩及びラセミ体と組み合わせて、又はさらに第三の治療活性薬剤及びその薬理活性代謝物、その塩、溶媒和物、及びラセミ体と組み合わせて含み、溶液の形態である、眼科用製剤を提供する。
【0034】
本発明は、緑内障又は高眼圧症の処置を必要とする対象におけるそのような処置のための方法であって、医薬的有効量のブリンゾラミド及びその薬理的に活性な塩を、第二の治療活性薬剤及びその薬理活性代謝物、その塩及びラセミ体と組み合わせて、又はさらに第三の治療活性薬剤及びその薬理活性代謝物、その塩、溶媒和物、及びラセミ体と組み合わせて含み、溶液の形態である、眼科用製剤を、必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。
【0035】
本発明は、医薬的有効量のブリンゾラミド及びその薬理的に活性な塩を、第二の治療活性薬剤及びその薬理活性代謝物、その塩及びラセミ体と組み合わせて、又はさらに第三の治療活性薬剤及びその薬理活性代謝物、その塩、溶媒和物、及びラセミ体と組み合わせて含み、溶液の形態である、眼科用製剤を製造する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本願明細書で用いられる場合、用語「第二の治療活性薬剤」は、ベータブロッカー、プロスタグランジン類似体、プロスタミド、アルファ2アドレナリン作動薬、縮瞳薬、神経保護剤、及びこれらの組合せから選択されるが、これらに限定されない。
【0037】
本願明細書で用いられる場合、用語「第三の治療活性薬剤」は、ベータブロッカー、プロスタグランジン類似体、プロスタミド、アルファ2アドレナリン作動薬、縮瞳薬、神経保護剤、及びこれらの組合せから選択されるが、これらに限定されない。
【0038】
本願明細書で用いられる場合、用語「第二の治療活性薬剤」と「第二の眼圧(IOP)低減剤及び/又は緑内障治療剤」とは、互換的に用いられる。
【0039】
本願明細書で用いられる場合、用語「第三の治療活性薬剤」と「第三の眼圧(IOP)低減剤及び/又は緑内障治療剤」とは、互換的に用いられる。
【0040】
本願明細書で用いられる場合、用語「処置する」は、対象の疾患の少なくとも一つの症状を軽減、低減、又は緩和することを意味する。例えば、用語「処置する」は、高眼圧を低減若しくは緩和すること、及び/又は網膜神経節細胞のさらなる損傷若しくは喪失を低減若しくは予防することを意味していてもよい。例えば、処置は、障害の一つ以上の症状の縮小、又は障害の完全な根絶である可能性がある。
【0041】
本願明細書で用いられる場合、用語「局所投与」は、液体、溶液、懸濁液、ゲル、クリーム、又は軟膏を介した、対象の外部角膜表面への投与手段である。
【0042】
本願明細書で用いられる場合、用語「Soluplus(登録商標)」は、どこで現れる場合でも、両親媒性のポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールのグラフトコポリマー(PVCap-PVAc-PEG)である。
【0043】
本願明細書で用いられる場合、用語「API」は、どこで現れる場合でも、「ブリンゾラミド」の略語である。
【0044】
本願明細書で用いられる場合、用語「難溶性(poorly soluble)」は、水又は油での溶解度に関連して化合物に言及する場合は、米国薬局方及び国民医薬品集(USP-NF)に定義されるとおりである。この定義によれば、溶解度は、1部(パーツ)の溶質を溶解させるために必要な溶媒の部を単位として規定される。水等、特定の溶媒にやや溶けにくい(sparingly soluble)化合物は、1部の化合物を溶解させるために30〜100部の溶媒を必要とする。溶けにくい(slightly soluble)化合物は、100〜1000部の溶媒を必要とする。非常に溶けにくい(very slightly soluble)化合物は、1000〜10,000部の溶媒を必要とする。不溶性の化合物は、1部の溶質を溶解させるために10,000部よりも多い溶媒を必要とする。
【0045】
本発明は、炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)等の難溶性薬剤/活性成分が、オートクレーブ後の冷却か又は50℃より高温に加熱した後の冷却のいずれかの間に、可溶化されて高度に可溶化された形態になる、無菌眼科用医薬製剤を製剤化するものである。
【0046】
本発明は、バイオアベイラビリティ及び製造性を改善するための、高度に可溶化された形態の難溶性薬剤/活性成分にさらに関連する。
【0047】
本発明は、眼科的に許容される成分、例えばSoluplus(登録商標) {ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールのグラフトコポリマー(PVCap-PVAc-PEG)}等のポリマー及びポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸モノエステル)等の界面活性剤の使用によって、第二の及び/又は第三のIOP低減剤及び/又は緑内障治療剤と、併せて医薬的に許容される成分と組み合わせたブリンゾラミド溶液が形成される、方法の提供にさらに関連する。
【0048】
この本発明は、眼科用製剤を調製するための方法を追加的に提供し、ここで、本発明の発明者らは、驚くべきことに、懸濁液中に存在するブリンゾラミドの濃度と比較して、製剤の安全性及び有効性に影響を与えることなく、ブリンゾラミドの濃度を低減させることができ、また、本願明細書に記述する方法は、効率的、経済的であり、商業スケールの調製に実現可能であり、製剤化にはボールミル及び/又はジェットミル等の特定の設備の使用を必要としない。
【0049】
さらに、本発明は、文献に引用された方法の一つ以上の短所を改良する方法を提供する。
【0050】
一実施態様において、第二のIOP低減剤及び/又は緑内障治療剤は、ベータブロッカー、プロスタグランジン類似体、プロスタミド、アルファ2アドレナリン作動薬、縮瞳薬、神経保護剤、副交感神経作用薬、及びこれらの組合せ等を含むが、これらに限定されない群から選択される。
【0051】
一実施態様において、第二の薬剤は、ラタノプロスト、トラボプロスト、ウノプロストン、タフルプロスト、ビマトプロスト等から選択されるが、これらに限定されない、プロスタグランジン類似体である。
【0052】
一実施態様において、第二の薬剤は、ブリモニジン(brimonidine)、アプラクロニジン(apraclonidine)等から選択されるが、これらに限定されない、アルファ2受容体作動薬である。
【0053】
一実施態様において、第二の薬剤は、ブナゾシン(bunazosin)等から選択されるが、これらに限定されない、アルファ1受容体拮抗薬である。
【0054】
一実施態様において、第二の薬剤は、チモロール(timolol)、ベフノロール(befunolol)、カルテオロール(carteolol)、ニプラジロール(nipradilol)、ベタキソロール(betaxolol)、レボブノロール(levobunolol)、アテノロール(atenolol)、メチプラノロール(metipranolol)等から選択されるが、これらに限定されない、ベータ受容体拮抗薬(ベータブロッカー)である。
【0055】
一実施態様において、第二の薬剤は、ルベゾール(lubezole)、ニモジピン(nimodipine)等から選択されるが、これらに限定されない、神経保護剤である。
【0056】
一実施態様において、第二の薬剤は、ドルゾラミド(dorzolamide)、ブリンゾラミド、メタゾラミド(methazolamide)、ジクロルフェナミド(dichlorphenamide)、ダイアモックス(diamox)、アセタゾラミド(acetazolamide)等から選択されるが、これらに限定されない、炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)類似体である。一実施態様において、第二の薬剤は、カルバコール(carbachol)、エコチオパート(echothiophate)、ピロカルピン(pilocarpine)等から選択されるが、これらに限定されない、副交感神経作用薬である。
【0057】
一実施態様において、第三のIOP低減剤及び/又は緑内障治療剤は、ベータブロッカー、プロスタグランジン類似体、プロスタミド、アルファ2アドレナリン作動薬、縮瞳薬、神経保護剤、副交感神経作用薬、及びこれらの組合せ等を含むが、これらに限定されない群から選択される。
【0058】
一実施態様において、第三の薬剤は、ラタノプロスト、トラボプロスト、ウノプロストン、タフルプロスト、ビマトプロスト等から選択されるが、これらに限定されない、プロスタグランジン類似体である。
【0059】
一実施態様において、第三の薬剤は、ブリモニジン、アプラクロニジン等から選択されるが、これらに限定されない、アルファ2受容体作動薬である。
【0060】
一実施態様において、第三の薬剤は、ブナゾシン等から選択されるが、これらに限定されない、アルファ1受容体拮抗薬である。
【0061】
一実施態様において、第三の薬剤は、チモロール、ベフノロール、カルテオロール、ニプラジロール、ベタキソロール、レボブノロール、アテノロール、メチプラノロール等から選択されるが、これらに限定されない、ベータ受容体拮抗薬(ベータブロッカー)である。
【0062】
一実施態様において、第三の薬剤は、ルベゾール、ニモジピン等から選択されるが、これらに限定されない、神経保護剤である。
【0063】
一実施態様において、第三の薬剤は、ドルゾラミド、ブリンゾラミド、メタゾラミド、ジクロルフェナミド、ダイアモックス、アセタゾラミド等から選択されるが、これらに限定されない、炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)類似体である。
【0064】
一実施態様において、第三の薬剤は、カルバコール、エコチオパート、ピロカルピン等から選択されるが、これらに限定されない、副交感神経作用薬である。
【0065】
点眼剤中のアルファ2受容体作動薬の濃度は特に限定されないが、ブリモニジンの場合には、ブリモニジンを0.01〜5 w/v %、好ましくは0.1〜0.5 w/v %、より好ましくは0.1 w/v %、0.15 w/v %、0.2 w/v %、又は0.5 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。さらに、アプラクロニジンの場合には、アプラクロニジンを0.01〜5 w/v %、好ましくは0.5〜1 w/v %、より好ましくは0.5 w/v %又は1 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。
【0066】
点眼剤中のアルファ1受容体拮抗薬の濃度は特に限定されないが、ブナゾシンの場合には、ブナゾシンを0.001〜0.3 w/v %、好ましくは0.003〜0.03 w/v %、より好ましくは0.01 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。
【0067】
点眼剤中のベータ受容体拮抗薬(ベータブロッカー)の濃度は特に限定されないが、チモロールの場合には、チモロールを0.01〜5 w/v %、好ましくは0.1〜0.5 w/v %、より好ましくは0.1 w/v %、0.25 w/v %、又は0.5 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。さらに、ベフノロールの場合には、ベフノロールを0.01〜5 w/v %、好ましくは0.25〜1 w/v %、より好ましくは0.25 w/v %、0.5 w/v %、又は1 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。カルテオロールの場合には、カルテオロールを0.01〜5 w/v %、好ましくは1〜2 w/v %、より好ましくは1 w/v %又は2 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。ニプラジロールの場合には、ニプラジロールを0.01〜5 w/v %、好ましくは0.25 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。ベタキソロールの場合には、ベタキソロールを0.01〜5 w/v %、好ましくは0.25〜0.5 w/v %、より好ましくは0.25 w/v %又は0.5 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。レボブノロールの場合には、レボブノロールを0.01〜5 w/v %、好ましくは0.25〜0.5 w/v %、より好ましくは0.25 w/v %又は0.5 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。メチプラノロールの場合には、メチプラノロールを0.01〜5 w/v %、好ましくは0.3 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。
【0068】
点眼剤中の副交感神経作用薬の濃度は特に限定されないが、ピロカルピンの場合には、ピロカルピンを0.01〜20 w/v %、好ましくは0.1〜5 w/v %、より好ましくは0.5 w/v %、1 w/v %、2 w/v %、3 w/v %、又は4 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。
【0069】
点眼剤中の炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)の濃度は特に限定されないが、ドルゾラミドの場合には、ドルゾラミドを0.01〜5 w/v %、好ましくは0.5〜2 w/v %、より好ましくは0.5 w/v %、1 w/v %、又は2 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。さらに、ブリンゾラミドの場合には、ブリンゾラミドを0.01〜5 w/v %、好ましくは0.1〜2 w/v %、より好ましくは1 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。さらに、アセタゾラミドの場合には、アセタゾラミドを0.01〜5 w/v %、好ましくは1〜5 w/v %の濃度で含む点眼剤を使用することができる。ちなみに、アセタゾラミドが経口投与される場合には、250〜1000 mgの日用量を使用することができる。
【0070】
点眼剤中のプロスタグランジンの濃度は特に限定されないが、ラタノプロストの場合には、ラタノプロストを0.0001〜5 w/v %、好ましくは0.0005〜1 w/v %、より好ましくは0.001〜0.1 w/v %、さらにより好ましくは0.005 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。イソプロピルウノプロストンの場合には、イソプロピルウノプロストンを0.001〜5 w/v %、好ましくは0.01〜1 w/v %、より好ましくは0.12〜0.15 w/v %、さらにより好ましくは0.12 w/v %又は0.15 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。ビマトプロストの場合には、ビマトプロストを0.0001〜5 w/v %、好ましくは0.001〜1 w/v %、より好ましくは0.01〜0.03 w/v %、さらにより好ましくは0.01 w/v %又は0.03 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。トラボプロストの場合には、トラボプロストを0.0001〜5 w/v %、好ましくは0.001〜1 w/v %、より好ましくは0.004 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。
【0071】
点眼剤中のRhoキナーゼ阻害剤の濃度は特に限定されないが、Rhoキナーゼ阻害剤を0.0001〜5 w/v %、好ましくは0.001〜1 w/v %の濃度で含む点眼剤を、1日1回又は複数回、点眼することができる。
【0072】
本発明の任意の実施態様において、好ましい眼科薬剤は、炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)、例えばラタノプロスト、トラボプロスト、ウノプロストン、タフルプロスト、ビマトプロスト等、より具体的にはブリンゾラミド、又はこれらの組合せであり、ここで本発明の眼科用製剤は溶液の形態である。
【0073】
より好ましくは、眼科薬剤は、ブリンゾラミド及びドルゾラミド、又はこれらの医薬的に許容される塩を、ベータブロッカー若しくは医薬的に許容されるその塩(好ましくはチモロールマレイン酸塩)と組み合わせたもの、又はプロスタグランジン類似体若しくは医薬的に許容されるその塩(好ましくはブリモニジン酒石酸塩)と組み合わせたもの、又はアルファ2アドレナリン作動薬と組み合わせたものを含む群から選択される。
【0074】
特に好ましい本発明の複合製剤は、炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)とプロスタグランジン、又は炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)とアルファ2アドレナリン作動薬、又は炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)とプロスタミド、又は炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)とベータブロッカー、又は炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)と副交感神経作用薬である。
【0075】
より特に好ましい本発明の複合製剤は、炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)とプロスタグランジンとベータブロッカー、又は炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)とアルファ2アドレナリン作動薬とベータブロッカー、又は炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)とプロスタミドとベータブロッカー、又は炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)と副交感神経作用薬とベータブロッカーである。
【0076】
関連する実施態様において、上に規定した方法は、事前の、同時の、又は逐次の、第二の及び/又は第三の眼科薬剤の適用をさらに含む。
【0077】
ある実施態様において、本発明は、現在の用量である1.0%の約半分、好ましくは約0.5%の、医薬的有効量の溶液形態のブリンゾラミドを、第二の治療活性薬剤及びその薬理活性代謝物、その塩及びラセミ体と組み合わせて、又はさらに第三の治療活性薬剤及びその薬理活性代謝物、その塩、溶媒和物、及びラセミ体と組み合わせて含み、溶液の形態である、眼科用製剤を提供する。
【0078】
実施態様の一において、本発明は、緑内障又は高眼圧症の処置を必要とする対象におけるそのような処置の方法であって、医薬的有効量のブリンゾラミド及びその薬理的に活性な塩を、第二の治療活性薬剤及びその薬理活性代謝物、その塩及びラセミ体と組み合わせて、又はさらに第三の治療活性薬剤及びその薬理活性代謝物、その塩、溶媒和物、及びラセミ体と組み合わせて含み、溶液の形態である、眼科用製剤を、必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0079】
別の実施態様において、本発明は、医薬的有効量のブリンゾラミド及びその薬理的に活性な塩を、第二の治療活性薬剤及びその薬理活性代謝物、その塩及びラセミ体と組み合わせて、又はさらに第三の治療活性薬剤及びその薬理活性代謝物、その塩、溶媒和物、及びラセミ体と組み合わせて含み、溶液の形態である、眼科用製剤を製造する方法を提供する。
を提供する。
【0080】
実施態様の一において、本願明細書に記述する、ブリンゾラミド溶液を含む眼科用製剤の調製に適した組成物を調製するための方法が提供される。手順は、4つの主要な工程に分けられる:
1. その他の製品ビヒクル(Remaining Product Vehicle)(RPV)の調製
2. 無菌Milli Q水の調製
3. API含有溶液の調製
4. バルク調製
【0081】
1.0 その他の製品ビヒクル(RPV)の調製
1) (実際のバッチの大きさの)60%のmilli Q水を清潔なガラスビーカーにとる。
2) 調剤量(dispensed quantity)のエデト酸二ナトリウム、次いでマンニトールを、連続攪拌(rpm 800±100)下で徐々に加える。
3) 調剤量のカルボマーを、上記の溶液中に、rpmを増加させて(2000±100)、散布により(via sprinkling)徐々に加える。添加の完了後、攪拌速度を1200±100まで減少させる。
4) カルボマーが完全に溶解した後、調剤量の塩化ナトリウムを連続攪拌下で加え、溶液が透明になるまで攪拌する。
5) 溶液の初期pHを確認し、5 N水酸化ナトリウム溶液でpHを7.5に調整する。
6) milli Q水で体積を(実際のバッチの大きさの)80%にする。
7) バルク溶液を47 mm、20ミクロンのPPフィルターで濾過する。
8) RPVをSchottガラス瓶中で121℃で30分間オートクレーブする。
注記:濾過及びオートクレーブ中のRPVの目減りを埋め合わせるために、約10%のRPVの余剰分が調製される。この処方は正確な数量を記していることに留意されたい。しかし、調剤量は10%過剰である。
【0082】
2.0 無菌milli Q水の調製
1) Schottガラス瓶中、製品の総質量の20%を包含する、十分な水をオートクレーブする。RPVをオートクレーブしながら、別の瓶でオートクレーブすることができる。オートクレーブは、121℃で30分間行う。
【0083】
3.0 API含有溶液の調製
1) 清潔なガラスビーカーに、添加される(実際のバッチの大きさの)10%の0.25%チロキサポール溶液をとる(製剤に必要な場合、そうでなければ単に水を使用する)。
2) 調剤量のポリソルベート80、その後そこにsoluplusを、攪拌下で徐々に加える。
3) 調剤量の塩化ベンザルコニウムを上記の溶液に連続攪拌下で徐々に加え、溶液が透明になるまで攪拌する。
4) 調剤量のAPI(ブリンゾラミド、次いでラタノプロスト)を、連続攪拌下で徐々に加える。
5) APIが完全に溶解するまで、5 N塩酸を用いてスラリーのpHをおよそ3.5に低下させる。
6) 溶液の体積をバルク溶液の20%にし、5 N水酸化ナトリウムで溶液のpHを6.0に調整する。
7) ラミナーフローフード下で、47 mm、0.45ミクロンのPVDFフィルター、次いで47 mm、0.22ミクロンのPVDFフィルターを通して濾過し大型の無菌容器内に入れる。
【0084】
4.0 バルク調製
1) バルク溶液の20%である上記の調製した無菌API溶液に、予めオートクレーブしたRPVを加えて質量を90%にする。すなわち、質量で約70%のRPVの添加である。
2) 予め滅菌したmilli Q水で体積を(実際のバッチの大きさの)100.0%にする。
3) 無菌状態で溶液を2時間攪拌する。
4) 予め滅菌した眼科用途に適した瓶に最終溶液を充填する。
【0085】
本願明細書で用いられる場合、「薬剤の組合せ」及び類似の用語は、2種類の薬剤:(1)炭酸脱水酵素阻害剤並びに/又はCAI薬剤の薬理活性代謝物、塩、溶媒和物、及びラセミ体と、(2)プロスタグランジン類似体並びに/又はプロスタグランジン類似体の薬理活性代謝物、塩、溶媒和物、及びラセミ体との組合せを指す。
【0086】
本願明細書で用いられる場合、「薬剤の組合せ」及び類似の用語は、3種類の薬剤:(1)炭酸脱水酵素阻害剤並びに/又はCAI薬剤の薬理活性代謝物、塩、溶媒和物、及びラセミ体と、(2)プロスタグランジン類似体並びに/又はプロスタグランジン類似体の薬理活性代謝物、塩、溶媒和物、及びラセミ体と、(3)ベータブロッカー並びに/又はプロスタグランジン類似体の薬理活性代謝物、塩、溶媒和物、及びラセミ体の組合せを指す。
【0087】
薬理活性代謝物には、不活性であるが投与後に体内で薬理的に活性な形に変換されるものが含まれる。
【0088】
組合せの投与には、任意の適切な経路による、単一の製剤又は単位剤形での組合せの投与、組合せの個々の薬剤の同時ではあるが別個の投与、又は組合せの個々の薬剤の逐次投与が含まれる。
【0089】
組合せの個々の薬剤の用量によっては、ある薬剤の投与を、組合せ中の他の薬剤と比較してより頻繁に投与する必要がある可能性がある。したがって、適切な投与を可能にするために、包装された医薬品は、薬剤の組合せを包含する1以上の剤形、及び薬剤の組合せのうちの1種を包含するが組合せの他の薬剤を包含しない1以上の剤形を包含してもよい。
【0090】
本願明細書中に記述する方法において使用される薬剤の組合せの至適用量は、公知の方法を用いて、各個体について経験的に決定することができ、また、疾患の進行の度合い;個体の年齢、体重、全体的な健康、性別、及び食事;投与時期;並びにその個体が服用している他の薬、に限定されないがこれらを含む、様々な因子に依存するものである。至適投与量は、当業者に周知の定常的な試験及び手順を用いて確立してもよい。
【0091】
投与の頻度は、使用する製剤及び処置又は予防しようとする特定の状態、並びに患者/対象の病歴に応じて変動し得る。一般的に、有効な治療を提供するために十分な最少用量の使用が好まれる。処置又は予防しようとする状態に関して、IOP又は網膜損傷をモニタリングするのに適したアッセイ又は試験を用いて、治療有効性について全体的に患者をモニタリングしてもよく、当業者はこれらに精通している。
【0092】
一実施態様において、プロスタグランジンには、JP-A-59-1418に開示されるプロスタグランジン(特に、プロスタグランジンF2アルファ等の天然のプロスタグランジン)、JP-T-3-501025に開示されるラタノプロスト等のプロスタグランジン、JP-A-2-108に開示されるイソプロピルウノプロストン等のプロスタグランジン、JP-T-8-501310に開示されるビマトプロスト等のプロスタグランジン、JP-A-10-182465に開示されるトラボプロスト等のプロスタグランジン、Surv Opthalmol 47 (Suppl 1): S13-S33, 2002に開示されるAL-6598等のプロスタグランジン、及びExp Eye Res. 89: 608-17, 2009に開示されるPF-04475270等のプロスタグランジンが含まれる。これらの中で、プロスタグランジンは、好ましくはPGF2アルファ又はPGF2アルファ誘導体、より好ましくはイソプロピルウノプロストン、ラタノプロスト、トラボプロスト、又はビマトプロストである。
【0093】
一実施態様において、アルファ2受容体作動薬には、ブリモニジン及びアプラクロニジンが含まれる。
【0094】
一実施態様において、アルファ1受容体拮抗薬にはブナゾシンが含まれる。
【0095】
一実施態様において、ベータ受容体拮抗薬には、チモロール、ベフノロール、カルテオロール、ニプラジロール、ベタキソロール、レボブノロール、及びメチプラノロールが含まれる。
【0096】
一実施態様において、炭酸脱水酵素阻害剤には、ドルゾラミド、ブリンゾラミド、及びアセタゾラミドが含まれる。
【0097】
本発明の一実施態様によれば、ブリンゾラミドを0.01質量%〜5.0質量%の量で含む、本願明細書に記述する方法により調製される無菌眼科用製剤が提供される。
【0098】
好ましい実施態様において、本発明は、水性の液体、溶液、エマルション、固体分散物、懸濁液、逆エマルション(reverse emulsion)及びマイクロエマルション、ナノエマルション、リポソーム、ナノリザーバーシステム(nano reservoir system)、インサイチュゲル点眼剤(in-situ gel drops)、ナノ粒子システム(nanoparticulate system)、リポソーム点眼剤(liposomal drops)、生体付着性ゲル点眼剤(bioadhesive gel drops)、点眼剤(drops)等の形態の無菌眼科用製剤を提供する。
【0099】
別の好ましい実施態様において、本発明は、眼に前記組成物を投与することを含む、局所的眼送達のための眼科用製剤を提供する。他の好ましい実施態様には、ヒト又は動物の耳及び/又は鼻に投与するための、耳及び/又は鼻用製剤が含まれる。
【0100】
本発明のより好ましい実施態様において、医薬的に許容される添加剤は、少なくとも1種のポリマー、少なくとも1種の界面活性剤、少なくとも1種の等張化剤、少なくとも1種の粘度増強剤、少なくとも1種の溶媒、少なくとも1種の緩衝剤、少なくとも1種のpH調整剤、少なくとも1種の抗酸化剤、少なくとも1種のキレート剤、及び少なくとも1種の防腐剤から選択されるが、これらに限定されない。
【0101】
実施態様の一において、使用してもよいポリマーは、カルボマー974P等のカルボマー(登録商標)、Soluplus(登録商標) (ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー)、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びこれらの混合物から成るが、これらに限定されない群から選択され、前記ポリマーは、0.01%〜5.0%の量で使用してもよい。
【0102】
実施態様の一において、使用してもよい防腐剤は、塩化ベンゼトニウム、フェニルエタノール、フェニルプロパノール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、ホウ酸フェニル水銀、クロルヘキシジン酢酸塩又はグルコン酸塩、セトリミド、クロロクレゾール、安息香酸、ベンジルアルコール、ブチルパラベン、プロピルパラベン、メチルパラベン、クロロブタノール、フェノキシエタノール、メチルパラベンナトリウム、プロピルパラベンナトリウム、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、過酸化水素、亜塩素酸ナトリウム、及びこれらの混合物から成るが、これらに限定されない群から選択され、前記防腐剤は、0.005%〜0.5%の量で使用してもよい。
【0103】
別の実施態様において、使用してもよい界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ドキュセートナトリウム、ポリオキシアルキルエーテル、ポリオキシアルキルフェニルエーテル、ポリオキシル40硬化ヒマシ油(Cremophor RH 40)、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシ硬化ヒマシ油、ポリオキシソルビタンエステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート、ポリオキシル35ヒマシ油、ソルビタンモノラウレート、ポロキサマー、及びこれらの混合物から成るが、これらに限定されない群から選択され、前記界面活性剤は、0.001%〜15 %、好ましくは0.01%〜0.5%の量で使用してもよい。
【0104】
別の実施態様において、使用してもよい非イオン性界面活性剤は、チロキサポール;ポリソルベート20、ポリソルベート60、及びポリソルベート80等のポリオキシエチレンソルビタンエステル;Cremaphor EL等のポリエトキシル化ヒマシ油;HCO-40等のポリエトキシル化硬化ヒマシ油;及びポロキサマーから成るが、これらに限定されない群から選択され、前記界面活性剤は、約0.01〜0.2 %の量で使用してもよい。
【0105】
実施態様の一において、使用してもよい等張化剤は、マンニトール、デキストロース、グリセリン、塩化カリウム、塩化ナトリウム、及びこれらの混合物から成るが、これらに限定されない群から選択され、等張化剤は、約0.1%〜5.0%の量で使用してもよく、又は組成物の浸透圧を涙液と同一にするような量で加えられる。
【0106】
他の実施態様において、溶媒、好ましくは極性有機溶媒は、N-メチルピロリジノン、脂肪族及び芳香族アルコール、エタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド、エトキシジグリコール、ミリスチン酸イソプロピル、トリアセチン、ポリエチレングリコール、並びにプロピレングリコールから成るが、これらに限定されない群から選択される。
【0107】
別の実施態様において、使用してもよい粘度増強剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースカルボマー、ポロキサマー、ポリビニルアルコール、ポビドン、ポリエチレンオキシド、カルボキシメチルセルロースカルシウムから成るが、これらに限定されない群から選択される。
【0108】
本発明の別の実施態様において、緩衝剤には、酢酸ナトリウム等の酢酸塩;リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、及びリン酸水素二カリウム等のリン酸塩;ε-アミノカプロン酸;グルタミン酸ナトリウム等のアミノ酸塩;並びにホウ酸及びその塩が含まれ、緩衝剤は、一般的には全組成物に対して0.01〜2.0 w/v %の割合で含有される。
【0109】
本発明の別の実施態様において、緩衝剤は、pH 4.5〜8.5の範囲で緩衝能力を有するべきである。
【0110】
本発明の別の実施態様の一において、pH調整剤には、塩酸、クエン酸、リン酸、酢酸、酒石酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸水素ナトリウムが含まれるが、これらに限定されない。
【0111】
本発明の別の実施態様の一において、キレート剤には、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、ジエチレンアミン五酢酸、及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されず、キレート剤は、一般的には全組成物に対して0.005〜0.2 w/v %の量で存在する。
【0112】
本発明の別の実施態様の一において、抗酸化剤には、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸マグネシウム、重亜硫酸カルシウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸カルシウム、チオ硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、トコフェロール、並びに亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸マグネシウム、亜硫酸カルシウムのような亜硫酸塩が含まれるが、これらに限定されず、亜硫酸塩は、一般的には0.01〜1.0 % w/vの量で存在する。
【0113】
本発明の別の実施態様の一において、無菌眼科用医薬製剤は、製剤ビヒクルを濾過するための、約0.45ミクロン〜0.22ミクロンの孔径を有する、PES(ポリエーテルスルホン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等のメンブレンフィルターを用いて、無菌的に滅菌してもよい。本発明の別の実施態様において、本願明細書において記述する方法によって調製されるブリンゾラミドの眼科用製剤を、LDPE若しくはHDPE又はPET又はポリカーボネートの、0.5〜20 mLの容積の適切な容量のバイアル中に充填してもよい。
【0114】
本発明の別の実施態様は、高眼圧症又は開放隅角緑内障の患者の高眼圧、眼表面の痛み、ぶどう膜炎、強膜炎、上強膜炎、角膜炎、外科的に誘導された炎症、眼内炎、虹彩炎、萎縮性黄斑変性症、網膜色素変性症、医原性網膜症、網膜裂孔、網膜静脈及び動脈の塞栓症、視神経症、血管新生緑内障、角膜血管新生、毛様体炎、鎌状赤血球網膜症、翼状片、季節性アレルギー性結膜炎、眼瞼及び眼球結膜、酒土性座瘡、表層点状角膜炎、帯状ヘルペス角膜炎、虹彩炎、毛様体炎、選択された感染性結膜炎、並びに眼科手術後の術後炎症のような、眼に関連する疾患の処置又は予防に有用な活性成分から成る。
【0115】
したがって、本発明の主要な実施態様は、高眼圧症に罹患する患者の眼圧を低下させるための、活性薬剤としての炭酸脱水酵素阻害剤又はその医薬的に許容される塩と、ポリマーと、第二の又は第三の治療活性薬剤とを、場合により医薬的に許容される添加剤及び/又はその混合物と共に含み、溶液の形態である、水性無菌眼科用医薬製剤を提供する。
【0116】
本発明の別の実施態様において、炭酸脱水酵素阻害剤は、ブリンゾラミド、ドルゾラミド、アセタゾラミド、及び/又はこれらの混合物の群から選択されるが、これらに限定されない。
【0117】
本発明の別の実施態様において、炭酸脱水酵素阻害剤はブリンゾラミドである。
【0118】
本発明の別の実施態様において、ブリンゾラミドは、製剤の0.01〜5 w/v %の量で存在する。
【0119】
本発明の別の実施態様において、ブリンゾラミドは、製剤の0.1〜2 w/v %の量で存在する。
【0120】
本発明の別の実施態様において、ブリンゾラミドは、製剤の0.3〜1.0 %の量で存在する。
【0121】
本発明の別の実施態様において、第二の治療活性薬剤は、(i)ベータブロッカー、(ii)プロスタグランジン類似体、(iii)プロスタミド、(iv)アルファ2アドレナリン作動薬、(v)縮瞳薬、(vi)神経保護剤、(vii)副交感神経作用薬、若しくはこれらの薬理活性代謝物、塩、及びラセミ体、並びに/又はこれらの混合物を含む群から選択される。
【0122】
本発明の別の実施態様において、第二の治療活性薬剤は、ラタノプロスト、トラボプロスト、ウノプロストン、タフルプロスト、ビマトプロスト、ブリモニジン、アプラクロニジン、ブナゾシン、チモロール、ベフノロール、カルテオロール、ニプラジロール、ベタキソロール、レボブノロール、アテノロール、メチプラノロール、ルベゾール、ニモジピン、カルバコール、エコチオパート、ピロカルピン、及び/又はこれらの混合物を含む群から選択される。
【0123】
本発明の別の実施態様において、第二の治療活性薬剤は、チモロールである。
【0124】
本発明の別の実施態様において、第三の治療活性薬剤は、(i)ベータブロッカー、(ii)プロスタグランジン類似体、(iii)プロスタミド、(iv)アルファ2アドレナリン作動薬、(v)縮瞳薬、(vi)神経保護剤、(vi)副交感神経作用薬、若しくはこれらの薬理活性代謝物、塩、ラセミ体、及び/又はこれらの混合物を含む群から選択される。
【0125】
本発明の別の実施態様において、第三の治療活性薬剤は、ラタノプロスト、トラボプロスト、ウノプロストン、タフルプロスト、ビマトプロスト、ブリモニジン、アプラクロニジン、ブナゾシン、チモロール、ベフノロール、カルテオロール、ニプラジロール、ベタキソロール、レボブノロール、アテノロール、メチプラノロール、ルベゾール、ニモジピン、ドルゾラミド、ブリンゾラミド、メタゾラミド、ジクロルフェナミド、ダイアモックス、アセタゾラミド、カルバコール、エコチオパート、ピロカルピン、及び/又はこれらの混合物を含む群から選択される。
【0126】
本発明の別の実施態様において、第三の治療活性薬剤は、ラタノプロストである。
【0127】
本発明の別の実施態様において、ポリマーは、カルボマー974P(カルボマー(登録商標))、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー(Soluplus(登録商標))、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及び/又はこれらの混合物を含む群から選択される。
【0128】
本発明の別の実施態様において、ポリマーは、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーである。
【0129】
本発明の別の実施態様において、ポリマーは、製剤の0.01質量%〜5.0質量%の量で存在する。
【0130】
本発明の別の実施態様において、ポリマーは、製剤の0.1質量%〜3.0質量%の量で存在する。
【0131】
本発明の別の実施態様において、ポリマーは、製剤の0.3質量%〜1.0質量%の量で存在する。
【0132】
本発明の別の実施態様において、製剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ドキュセートナトリウム、ポリオキシアルキルエーテル、ポリオキシアルキルフェニルエーテル、ポリオキシル40硬化ヒマシ油(Cremophor RH 40)、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシ硬化ヒマシ油、ポリオキシソルビタンエステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート、ポリオキシル35ヒマシ油、ソルビタンモノラウレート、ポロキサマー、及び/又はこれらの混合物を含む群から選択される界面活性剤をさらに含む。
【0133】
本発明の別の実施態様において、界面活性剤は、ポリソルベート、好ましくはポリソルベート80である。
【0134】
本発明の別の実施態様において、界面活性剤は、製剤の0.001質量%〜15質量%の量で存在する。
【0135】
本発明の別の実施態様において、界面活性剤は、製剤の0.01質量%〜5.0質量%の量で存在する。
【0136】
本発明の別の実施態様において、界面活性剤は、製剤の0.05質量%〜3.0質量%の量で存在する。
【0137】
本発明の別の実施態様において、医薬的に許容される添加剤は、等張化剤、粘度増強剤、非水性溶媒、緩衝剤、pH調整剤、抗酸化剤、キレート剤、防腐剤、及び/又はこれらの2種以上の組合せを含む群から選択される。
【0138】
本発明の別の実施態様において、製剤は、水性の液体、溶液、エマルション、固体分散物、懸濁液、逆エマルション及びマイクロエマルション、ナノエマルション、リポソーム、ナノリザーバーシステム、インサイチュゲル点眼剤、ナノ粒子システム、リポソーム点眼剤、生体付着性ゲル点眼剤、点眼剤の形態である。
【0139】
本発明の別の実施態様において、製剤は、ブリンゾラミド、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、ポリソルベート80、及び第二の又は第三の治療活性薬剤のいずれか、並びに医薬的に許容される添加剤及び/又はこれらの混合物を含む。
【0140】
本発明の別の実施態様において、製剤は、ブリンゾラミド、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、ポリソルベート80、及び第二の治療活性薬剤としてラタノプロスト、並びに医薬的に許容される添加剤及び/又はこれらの混合物を含む。
【0141】
本発明の別の実施態様において、製剤は、ブリンゾラミド、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、ポリソルベート80、及び第三の治療活性薬剤としてチモロール、並びに医薬的に許容される添加剤及び/又はこれらの混合物を含む。
【0142】
本発明の別の実施態様において、製剤は、緑内障又は高眼圧症の患者における高眼圧の処置に適用される。
【0143】
本発明のさらに別の実施態様は、緑内障又は高眼圧症の患者の高眼圧の処置を必要とする対象における、そのような処置の方法であって、医薬的有効量のブリンゾラミド又はその塩を、場合により第二の又は第三の治療活性薬剤及びその薬理活性代謝物、塩、若しくはラセミ体、並びに/又は医薬的に許容される添加剤と組み合わせて含む眼科用製剤を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、方法を提供する。
【0144】
本発明の別の実施態様において、製剤は、それを必要とする各眼に、1日1回投与される。
【0145】
本発明の別の実施態様において、製剤は、それを必要とする各眼に、1日2回又は3回投与される。
【0146】
本発明の別の実施態様において、処置可能な状態には高眼圧が含まれる。
【0147】
本発明の別の実施態様において、製剤のpHは、5.5〜8の範囲である。
【実施例】
【0148】
本発明の範囲は、以下の実施例により説明されるが、これらは、いかなる形においても発明の範囲を制限することを意図されない。
【0149】
用語「適量」は、本実施例中のどこに登場する場合も、「十分な量」の省略形であり、本発明の組成物における使用にちょうど十分な量の、添加剤の量である。
【0150】
様々な例示的実施態様が、以下の表に示されるように構成される:
【0151】
【表1】
【0152】
本発明の範囲は、以下の実施例により説明されるが、これらは、いかなる形においても発明の範囲を制限することを意図されない。
【0153】
【表2】
【0154】
調製方法:
製造方法は以下のとおりである:手順は、4つの主要な工程に分けられる。
1. その他の製品ビヒクル(RPV)の調製
2. 無菌Milli Q水の調製
3. API含有溶液の調製
4. バルク調製
【0155】
1.0 その他の製品ビヒクル(RPV)の調製
1) (実際のバッチの大きさの)60%のmilli Q水を清潔なガラスビーカーにとる。
2) 調剤量のエデト酸二ナトリウム、次いでマンニトールを、連続攪拌(rpm 800±100)下で徐々に加える。
3) 調剤量のカルボマーを、上記の溶液中に、rpmを増加させて(2000±100)、散布により徐々に加える。添加の完了後、攪拌速度を1200±100まで減少させる。
4) カルボマーが完全に溶解した後、調剤量の塩化ナトリウムを連続攪拌下で加え、溶液が透明になるまで攪拌する。
5) 調剤量の塩化ベンザルコニウムを上記の溶液に連続攪拌下で徐々に加え、溶液が透明になるまで攪拌する。
6) 溶液の初期pHを確認し、5 N水酸化ナトリウム溶液でpHを7.5に調整する。
7) milli Q水で体積を(実際のバッチの大きさの)80%にする。
8) バルク溶液を47 mm、20ミクロンのPPフィルターで濾過する。
9) RPVをSchottガラス瓶中で121℃で30分間オートクレーブする。
注記:濾過及びオートクレーブ中のRPVの目減りを埋め合わせるために、約10%のRPVの余剰分が調製される。この処方は正確な数量を記していることに留意されたい。しかし、調剤量は10%過剰である。
【0156】
2.0 無菌milli Q水の調製
1) Schottガラス瓶中、製品の総質量の20%を包含する、十分な水をオートクレーブする。RPVをオートクレーブしながら、別の瓶でオートクレーブすることができる。オートクレーブは、121℃で30分間行う。
【0157】
3.0 API含有溶液の調製
1) 清潔なガラスビーカーに、添加される(実際のバッチの大きさの)10%の0.25%チロキサポール溶液をとる(製剤に必要な場合、そうでなければ単に水を使用する)。
2) 調剤量のポリソルベート80、その後そこにsoluplusを、攪拌下で徐々に加える。
3) 調剤量のAPIを、連続攪拌下で徐々に加える。
4) APIが完全に溶解するまで、5 N塩酸を用いてスラリーのpHをおよそ3.5に低下させる。
5) 溶液の体積をバルク溶液の20%にし、5 N水酸化ナトリウムで溶液のpHを6.0に調整する。
6) ラミナーフローフード下で、47 mm、0.45ミクロンのPVDFフィルター、次いで47 mm、0.22ミクロンのPVDFフィルターを通して濾過し大型の無菌容器内に入れる。
【0158】
1.1 バルク調製
1) バルク溶液の20%である上記の調製した無菌API溶液に、予めオートクレーブしたRPVを加えて質量を90%にする。すなわち、質量で約70%のRPVの添加である。
2) 予め滅菌したmilli Q水で体積を(実際のバッチの大きさの)100.0%にする。
3) 無菌状態で溶液を2時間攪拌する。
4) 予め滅菌した眼科用途に適した瓶に最終溶液を充填する。
【0159】
【表3】
【0160】
調製方法:
製造方法は以下のとおりである:手順は、4つの主要な工程に分けられる。
1. その他の製品ビヒクル(RPV)の調製
2. 無菌Milli Q水の調製
3. API含有溶液の調製
4. バルク調製
【0161】
1.0 その他の製品ビヒクル(RPV)の調製
1) (実際のバッチの大きさの)60%のmilli Q水を清潔なガラスビーカーにとる。
2) 調剤量のエデト酸二ナトリウム、次いでマンニトールを、連続攪拌(rpm 800±100)下で徐々に加える。
3) 調剤量のカルボマーを、上記の溶液中に、rpmを増加させて(2000±100)、散布により徐々に加える。添加の完了後、攪拌速度を1200±100まで減少させる。
4) カルボマーが完全に溶解した後、調剤量の塩化ナトリウムを連続攪拌下で加え、溶液が透明になるまで攪拌する。
5) 溶液の初期pHを確認し、5 N水酸化ナトリウム溶液でpHを7.5に調整する。
6) milli Q水で体積を(実際のバッチの大きさの)80%にする。
7) バルク溶液を47 mm、20ミクロンのPPフィルターで濾過する。
8) RPVをSchottガラス瓶中で121℃で30分間オートクレーブする。
注記:濾過及びオートクレーブ中のRPVの目減りを埋め合わせるために、約10%のRPVの余剰分が調製される。この処方は正確な数量を記していることに留意されたい。しかし、調剤量は10%過剰である。
【0162】
2.0 無菌milli Q水の調製
1) Schottガラス瓶中、製品の総質量の20%を包含する、十分な水をオートクレーブする。RPVをオートクレーブしながら、別の瓶でオートクレーブすることができる。オートクレーブは、121℃で30分間行う。
【0163】
3.0 API含有溶液の調製
1) 清潔なガラスビーカーに、添加される(実際のバッチの大きさの)10%の0.25%チロキサポール溶液をとる(製剤に必要な場合、そうでなければ単に水を使用する)。
2) 調剤量のポリソルベート80、その後そこにsoluplusを、攪拌下で徐々に加える。
3) 調剤量の塩化ベンザルコニウムを上記の溶液に連続攪拌下で徐々に加え、溶液が透明になるまで攪拌する。
4) 調剤量のAPI(ブリンゾラミド、次いでラタノプロスト)を、連続攪拌下で徐々に加える。
5) APIが完全に溶解するまで、5 N塩酸を用いてスラリーのpHをおよそ3.5に低下させる。
6) 溶液の体積をバルク溶液の20%にし、5 N水酸化ナトリウムで溶液のpHを6.0に調整する。
7) ラミナーフローフード下で、47 mm、0.45ミクロンのPVDFフィルター、次いで47 mm、0.22ミクロンのPVDFフィルターを通して濾過し大型の無菌容器内に入れる。
【0164】
4.0 バルク調製
1) バルク溶液の20%である上記の調製した無菌API溶液に、予めオートクレーブしたRPVを加えて質量を90%にする。すなわち、質量で約70%のRPVの添加である。
2) 予め滅菌したmilli Q水で体積を(実際のバッチの大きさの)100.0%にする。
3) 無菌状態で溶液を2時間攪拌する。
4) 予め滅菌した眼科用途に適した瓶に最終溶液を充填する。
【0165】
【表4】
【0166】
調製方法:
製造方法は以下のとおりである:手順は、4つの主要な工程に分けられる。
【0167】
1.0 その他の製品ビヒクル(RPV)の調製
1) (実際のバッチの大きさの)60%のmilli Q水を清潔なガラスビーカーにとる。
2) 調剤量のエデト酸二ナトリウム、次いでマンニトールを、連続攪拌(rpm 800±100)下で徐々に加える。
3) 調剤量のカルボマーを、上記の溶液中に、rpmを増加させて(2000±100)、散布により徐々に加える。添加の完了後、攪拌速度を1200±100まで減少させる。
4) カルボマーが完全に溶解した後、調剤量の塩化ナトリウムを連続攪拌下で加え、溶液が透明になるまで攪拌する。
5) 調剤量の塩化ベンザルコニウムを上記の溶液に連続攪拌下で徐々に加え、溶液が透明になるまで攪拌する。
6) 溶液の初期pHを確認し、5 N水酸化ナトリウム溶液でpHを6.0に調整する。
7) milli Q水で体積を(実際のバッチの大きさの)80%にする。
8) バルク溶液を47 mm、20ミクロンのPPフィルターで濾過する。
9) RPVをSchottガラス瓶中で121℃で30分間オートクレーブする。
注記:濾過及びオートクレーブ中のRPVの目減りを埋め合わせるために、約10%のRPVの余剰分が調製される。この処方は正確な数量を記していることに留意されたい。しかし、調剤量は10%過剰である。
【0168】
2.0 無菌Milli Q水の調製
1) Schottガラス瓶中、製品の総質量の20%を包含する、十分な水をオートクレーブする。RPVをオートクレーブしながら、別の瓶でオートクレーブすることができる。オートクレーブは、121℃で30分間行う。
【0169】
3.0 API含有溶液の調製
1) (実際のバッチの大きさの)10%の無菌Milli Q水を清潔なガラスビーカーにとる。
2) 調剤量のポリソルベート80、その後そこにsoluplusを、攪拌下で徐々に加える。
3) 調剤量のAPI(チモロール、次いでブリンゾラミド)を、連続攪拌下で徐々に加える。
4) APIが完全に溶解するまで、5 N塩酸を用いてスラリーのpHをおよそ3.5に低下させる。
5) 溶液の体積をバルク溶液の20%にし、5 N水酸化ナトリウムで溶液のpHを6.0に調整する。
6) ラミナーフローフード下で、47 mm、0.45ミクロンのPVDFフィルター、次いで47 mm、0.22ミクロンのPVDFフィルターを通して濾過し大型の無菌容器内に入れる。
【0170】
4.0 バルク調製
1) バルク溶液の20%である上記の調製した無菌API溶液に、予めオートクレーブしたRPVを加えて質量を90%にする。すなわち、質量で約70%のRPVの添加である。
2) 予め滅菌したmilli Q水で体積を(実際のバッチの大きさの)100.0%にする。
3) 無菌状態で溶液を2時間攪拌する。
4) 予め滅菌した眼科用途に適した瓶に最終溶液を充填する。
【0171】
【表5】
【0172】
安定性試験:
本発明の無菌眼科用医薬製剤を、本願明細書に記述するとおりに調製し、50℃で4週間のストレス条件、及び40℃、25%以下の相対湿度(RH)で1ヶ月間の加速条件で、安定性を試験する。同試験の結果を、表1に示す。
【0173】
加速試験は、10 mL、3ピースの、不透明LDPE瓶、不透明LDPEノズル、及びオレンジ色のキャップ(ETOガス殺菌により滅菌)に充填された製剤を設置する工程、及び40℃、25%以下の相対湿度(RH)、暗所で維持する工程を含む。
【0174】
当業者に理解されるように、薬剤がブリンゾラミドを含む場合、好ましくは測定される不純物には、不純物A (S)-4-(エチルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2-(3-メトキシプロピル)-2H-チエノ[3,2-e]-1,2-チアジン-6-スルホンアミド-1,1-ジオキシド;不純物B (R)-4-(アミノ)-3,4-ジヒドロ-2-(3-メトキシプロピル)-2H-チエノ[3,2-e]-1,2-チアジン-6-スルホンアミド1,1-ジオキシド、不純物C (S)-4-(ヒドロキシ)-3,4-ジヒドロ-2-(3-メトキシプロピル)-2H-チエノ[3,2-e]-1,2-チアジン-6-スルホンアミド1,1-ジオキシド、及び不純物D 6-(アミノ-ヒドロキシ-オキソ-6-スルファニル)-2-(3-メトキシプロピル)-1,1-ジオキソ-3H-チエノ[3,2-e]チアジン-4-オン、及び総不純物、並びにあらゆる独立した不特定不純物の量の同定が含まれる。
【0175】
当業者に理解されるように、薬剤がチモロールを含む場合、好ましくは測定される不純物には、不純物-1 3-クロロ-4(N-モルホリノ-1,2,5-チアジアゾール)及び総不純物、並びにあらゆる独立した不特定不純物の量の同定が含まれる。
【0176】
【表6】
【0177】
結果:
製剤3についての50℃、4週間のストレス安定性の結果:
ブリンゾラミド含有量は、100.1%(限度:90.0〜110.0%)と測定され、これは許容可能な限度範囲内であり、全ての既知の不純物(不純物A;B;C、及びD)は、表1に示すとおり、十分に許容可能な限度範囲内であり、総不純物は、0.2%(限度:NMT 2.0%)と測定され、これは許容可能な限度範囲内である。
【0178】
チモロール含有量は、102.8%(限度:90.0〜110.0%)と測定され、これは許容可能な限度範囲内であり、既知の不純物(不純物1)は、検出レベル未満であり、総不純物は、0.02%(限度:NMT 1.5%)と測定され、これは許容可能な限度範囲内である。
【0179】
製剤3についての40℃及びNMT 25% RH、1ヶ月間の加速安定性の結果:
ブリンゾラミド含有量は、100%(限度:90.0〜110.0%)と測定され、これは許容可能な限度範囲内であり、全ての既知の不純物(不純物A;B;C、及びD)は、表1に示すとおり、十分に許容可能な限度範囲内であり、総不純物は、0.19%(限度:NMT 2.0%)と測定され、これは許容可能な限度範囲内である。
【0180】
チモロール含有量は、102.7%(限度:90.0〜110.0%)と測定され、これは許容可能な限度範囲内であり、既知の不純物(不純物1)は、検出レベル未満であり、総不純物は、0.03%(限度:NMT 1.5%)と測定され、これは許容可能な限度範囲内である。
【0181】
pH;オスモル濃度及び物理的パラメーター等の残りの全ての他のパラメーターは、十分に仕様書の範囲内、すなわちラベルの表示のとおりである。
【0182】
したがって、上記の安定性データから、全ての製剤が、安定かつ十分に仕様書の範囲内であると結論付けられる。
【0183】
(発明の有用性)
本発明者らは、活性薬剤として炭酸脱水酵素阻害剤又はその医薬的に許容される塩、及びポリマー、並びに第二の又は第三の治療活性薬剤を、場合により医薬的に許容される添加剤及び/又はこれらの混合物と共に含む、水性無菌眼科用医薬製剤を提供する。本願の製剤は、高眼圧症又は緑内障に罹患する患者の眼圧を低下させるために利用されるものである。