特許第6704426号(P6704426)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6704426
(24)【登録日】2020年5月14日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】微細気泡液供給システム
(51)【国際特許分類】
   B01F 3/04 20060101AFI20200525BHJP
   B01F 15/02 20060101ALI20200525BHJP
   E03C 1/02 20060101ALI20200525BHJP
   E03C 1/10 20060101ALN20200525BHJP
【FI】
   B01F3/04 Z
   B01F15/02 A
   E03C1/02
   !E03C1/10
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-57365(P2018-57365)
(22)【出願日】2018年3月26日
(65)【公開番号】特開2019-166496(P2019-166496A)
(43)【公開日】2019年10月3日
【審査請求日】2018年5月22日
【審判番号】不服2019-257(P2019-257/J1)
【審判請求日】2019年1月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000154233
【氏名又は名称】株式会社富士計器
(74)【代理人】
【識別番号】100085257
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 有
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 正志
【合議体】
【審判長】 服部 智
【審判官】 宮澤 尚之
【審判官】 金 公彦
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3209280(JP,U)
【文献】 特開2017−213526(JP,A)
【文献】 特開平10−292444(JP,A)
【文献】 特開2008−178806(JP,A)
【文献】 特開2012−241441(JP,A)
【文献】 特開2012−081370(JP,A)
【文献】 特開平03−143588(JP,A)
【文献】 特開2011−160789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F1/00-5/26
B01F15/00-15/06
E03C1/00-1/10
C02F1/66-1/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道配管の途中に微細気泡液発生装置を配設した微細気泡液供給システムであって、前記微細気泡液発生装置は水道水配管に接続される通水管内に設けた絞り部を通過する際のキャビテーション効果によって気泡を発生させ、また前記微細気泡液発生装置は量水器よりも下流側で且つ屋上の受水槽よりも上流側に設けられ、前記屋上の受水槽へ水を供給するポンプと受水槽とをつなぐ配管にバイパス流路が設けられ、この配管またはバイパス流路に前記微細気泡液発生装置が設けられていることを特徴とする微細気泡液供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水道水を微細気泡液として端末治具に供給するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、マイクロバブル(ファインバブル)あるいはナノバブル(ウルトラファインバブル)などの微細気泡が多くの用途に応用されている。
気泡の直径が約100μm以下(例えば、50〜500nm)の微細気泡は毛穴よりも小さな気泡が毛穴や汗腺の汚れを効果的に落とすため、美容や健康維持に利用され、また微細気泡液は各種洗浄や植物の育成にも優れていると言われている。
【0003】
上記の洗浄効果は、微細気泡の電気的作用によると言われている。即ち、微細気泡の表面はマイナスの電荷を有しているため微細気泡同士は反発して合体することなく分散状態が維持され、一方、油や皮脂などの汚れは通常プラスに帯電しマイナスに帯電した皮膚などの被洗浄物の表面に電気的に結合している。
このような状態でマイナス電荷を帯びた微細気泡がプラス電荷を帯びた油や皮脂などに接触すると、油や皮脂などは電気的に中和されて被洗浄物の表面から分離しやすい状態となり、洗浄効果が高まる。
【0004】
一方、微細気泡液の生成手段としては、外気を旋回流に巻き込んで強制粉砕する二相流旋回方式と、水の流路にベンチュリやオリフィスを設け、水が高速で通過する際の減圧効果(ベルヌーイの定理)により水中の溶存空気を微細気泡として引き出すキャビテーション方式、この他にも高速剪断方式や加圧圧潰方式などがある。
【0005】
上記の微細気泡液を生成する装置の具体例として、特許文献1にはキャビテーション効果によってガス溶解効率を引き出すことができる液体処理ノズルが開示され、一例として、洗面台の混合栓とシャワーヘッドをつなぐホースの途中に液体処理ノズルを設けている。
【0006】
特許文献2には、第1および第2のプロペラ形翼列をケーシング内に配置したマイクロバブル発生装置が開示され、このマイクロバブル発生装置の具体的な設置個所として、浴槽の循環路が示されている。
【0007】
特許文献3には、キャビテーションを利用して溶存空気によるマイクロバブルを発生させる装置が開示され、このマイクロバブル発生装置の具体的な設置個所としては特に挙げていないが、最終段のノズルの出口に金網やメッシュ板などの多孔体を取付けるとあるので、シャワーヘッドなどの端末部と考えられる。
【0008】
特許文献4には、マイクロバブル生成器を組み込んだシャワーヘッドが開示されている。この先行技術も前記先行技術と同様に、洗面台の混合栓にホースをつなぎ、このホースの先端にシャワーヘッドを取り付けているため、水の流路の最下流端にマイクロバブル生成器が配置されることになる。
【0009】
特許文献5には、外箱内に配設され洗濯水が溜められる水槽と、この水槽内に連通状態で配設され洗濯物が収容される回転槽と、前記回転槽内の洗濯物に対して流体を噴射する流体噴射装置とを備えた洗濯機が開示され、特に流体噴射装置内にマイクロバブルなどの気泡発生手段を配置した構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】再表2016-178436号公報
【特許文献2】特開2007-021343号公報
【特許文献3】特開2009-136864号公報
【特許文献4】特開2016-002196号公報
【特許文献5】特開2016-209331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した特許文献1〜5に開示された先行技術にあっては、いずれも微細気泡を発生する装置を、混合栓よりも下流側の配管やホース或いは末端装置(シャワーヘッドなど)内に組み込むようにしている。
【0012】
一方、前記したように毛穴よりも小さな気泡を含んだ水道水は洗浄効果が高く、洗顔、風呂に限らず植物の育成にも役立つ。このように多くの利点がある微細気泡を含有した水を生成するために、個々の配管の末端装置或いはその直前の配管に気泡発生手段を設けていたのでは、気泡発生手段の数が多くなりコストアップになる。
【0013】
更に、既に出来上がった家屋やビルの配管に、後から気泡液発生装置を設けるのは大掛かりな工事が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため本発明に係る微細気泡液供給システムは、量水器(水道メータ)よりも下流側で且つ最初の配管分岐部よりも上流側に微細気泡液発生装置を配設する構成とした。ここで、量水器(水道メータ)としては親メータに限らず小メータも含む。
【0015】
微細気泡液発生装置は両端を配管に接続するが、接続する配管としては量水器と最初の配管分岐部との間の一部にバイパス配管を設け、このバイパス配管か本管の何れかに微細気泡液発生装置を設け、切替弁でバイパス配管か本管の一方に水道水を流すようにすることができる。尚、バイパス配管は必ずしも設ける必要はない。
【0016】
また、前記微細気泡液発生装置としては、例えば両端が前記水道配管に接続されるとともに一部が拡径された膨出部となった通水管と、キャビテーションにより微細気泡を発生させるためのノズルと、このノズルを前記膨出部内において保持するとともに通水部が形成された支持部とを備えたものが考えられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、1つの微細気泡液発生装置によって家全体或いはビル全体に微細気泡液を供給することができる。したがって、配管の端末毎に微細気泡液発生装置を取付ける必要がないので、コスト的に有利となる。
【0018】
また、水道配管の一部にバイパス流路を設け、このバイパス流路かこれと平行な配管のどちらかに微細気泡液発生装置を設けるようにした場合には、何らかの理由により微細気泡を含まない水がほしくなった時に、流路を切り替えるだけ済むため、微細気泡液発生装置を取付けることに抵抗感がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1参考例に係る微細気泡液供給システムの全体図
図2】微細気泡液発生装置の一例を示す図
図3】切替バブルの一例を示す断面図
図4本発明に係る微細気泡液供給システムの全体図
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1参考例に係る微細気泡液供給システムを戸建て住宅に適用した例であり、量水器(水道メータ)1から戸建て住宅2内に配管3が引き込まれている。










【0021】
配管3の上流端は量水器1に接続され、戸外に設けられた最初の分岐部4-1において散水栓5への配管が分岐し、次いで、分岐部4-2において一階部分の配管と二階部分の配管に分岐している。
【0022】
一階部分の配管では、分岐部4-3にてキッチンに分岐し、分岐部4-4にて洗濯機に分岐し、分岐部4-5にてトイレに分岐し、二階部分の配管では、分岐部4-6にて洗面台に分岐し、分岐部4-7にて風呂場に分岐し、分岐部4-8にて給湯器に分岐している。一階部分の配管と二階部分の配管は合流部6で合流した後、下水管7に捨てられる。
【0023】
前記量水器1と最初の分岐部4-1との間にはバイパス流路8が設けられ、切替弁9により本管かバイパス流路8かを選択できるようにされている。そして、この実施例にあっては、バイパス流路8に微細気泡液発生装置10を設けている。
【0024】
微細気泡液発生装置10の構造は図2に示すように、両端が水道水配管に接続される通水管11と、通水管11の中央部に形成された膨出部12内に配置されたノズル13と、このノズル13を膨出部12内に保持する支持部材14とで構成される。
【0025】
通水管11は管体11Aと管体11Bを接続して形成され、管体11Aと管体11Bは互いに対峙している端部がそれぞれ拡径されている。管体11Bの拡径部の径は、管体11Aの拡径部の径よりも大きく、管体11Aの拡径部が管体11Bの拡径部に挿入されて、それぞれの内周及び外周に形成されたネジを螺合させて接続している。
【0026】
支持部材14は内側リング15と外側リング16とこれら内側リング15と外側リング16とをつなぐ板状連結部17とからなり、内側リング15の内側にノズル13が螺合して保持され、外側リング16は前記管体11Aと管体11Bとの間にスプリング(クッション材)18を介して保持され、連結部17と連結部17との間は流路となっている。
【0027】
ノズル13は筒状をなし、内側流路19はオリフィス状に絞られ、内側流路19の上流端には取水プレート20が取付けられている。この取水プレート20は円盤状をなし、厚み方向に貫通穴21が形成されている。貫通穴21は等間隔で複数、例えば4つ穿設され、且つ貫通穴21は軸方向に対し捩じれている。その結果、貫通穴を通過した水流にはひねりが加えられ、更にオリフィス状に絞られた部分を通過するため、キャビテーション効果が有効に作用し、水中に溶解している気体が微細な気泡となって水中に引き出される。
【0028】
前記切替弁9は図3に示すように、配管3が挿入される開口22、23とバイパス流路8の配管が挿入される開口24が形成され、これら開口22、23、24とが直交する部分に円形の部屋25が形成され、この部屋25内に各開口22、23、24を選択的に塞ぐ弁体26が外部操作によって回転可能に収納されている。
【0029】
図3の状態では、量水器1を通過した水はバイパス流路8に入らずストレートに供給される。一方、図に示す状態から弁体26を反時計方向に90°回転させると、量水器1を通過した水はバイパス流路8に入り、微細気泡液発生装置10内を通過し、微細気泡が含まれた水が家庭内の各端末まで供給される。弁体26の回転操作は遠隔操作により行うようにしてもよい。
【0030】
図4は本発明に係る微細気泡液供給システムをマンションに適用した例であり、量水器(親メータ)1から一旦地上の受水槽27に溜められ、この受水槽27内の水をポンプ28、配管29を介して屋上の受水槽30に送り、この受水槽30から各家庭に分岐部および子メータ31を介して供給される構造になっている。
【0031】
この実施例にあっても、ポンプ28と屋上の受水槽30とをつなぐ配管29の途中に切替弁32及びバイパス路33を設け、この実施例にあっては、配管29に微細気泡液発生装置10を設けている。微細気泡液発生装置10にて発生した微細気泡は、一旦受水槽30内で保持されるが、微細気泡の表面は負に帯電しているため微細気泡同士が反発し水中から消失しにくく、各家庭で使用されるまでの間、微細気泡は水中に留まる。
【0032】
マンションでは、各家庭ごとの水道水使用量を測る子メータ31が設けられている。各家庭ごとに好みも異なり、全ての家庭が微細気泡が含まれている水道水を要求しないことも考えられる。このようなことを想定し、子メータ31とその下流側の最初の分岐部との間の配管にバイパス流路8及び微細気泡液発生装置10を設けるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0035】
1…量水器(水道メータ)、
2…戸建て住宅、
3…配管、
4-1〜4-8…分岐部、
5…散水栓、
6…合流部、
7…下水管、
8…バイパス流路、
9…切替弁、
10…微細気泡液発生装置、
11…通水管、11A,11B…管体、
12…膨出部、
13…ノズル、
14…支持部材、
15…内側リング、
16…外側リング、
17…連結部、
18…スプリング(クッション材)、
19…内側流路、
20…取水プレート、
21…貫通穴、
22〜24…開口、
25…部屋、
26…弁体、
27,30…受水槽、
28…ポンプ、
29…配管、
31…子メータ、
32…切替弁、
33…バイパス路。

図1
図2
図3
図4