(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6704447
(24)【登録日】2020年5月14日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】運転者支援システムの機能正常性検査
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20200525BHJP
【FI】
G08G1/16 C
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-514788(P2018-514788)
(86)(22)【出願日】2016年8月11日
(65)【公表番号】特表2018-534660(P2018-534660A)
(43)【公表日】2018年11月22日
(86)【国際出願番号】EP2016069103
(87)【国際公開番号】WO2017059991
(87)【国際公開日】20170413
【審査請求日】2018年3月19日
(31)【優先権主張番号】102015219496.5
(32)【優先日】2015年10月8日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,アレクサンダー
【審査官】
上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−033680(JP,A)
【文献】
特開2011−121490(JP,A)
【文献】
特開2010−140171(JP,A)
【文献】
特開2001−199260(JP,A)
【文献】
特開2010−251613(JP,A)
【文献】
特開2008−070616(JP,A)
【文献】
特開2002−324235(JP,A)
【文献】
特開2005−338266(JP,A)
【文献】
特開2010−199260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00−99/00
B60R 21/00−21/13
21/34−21/38
B60W 30/00−50/16
G06T 7/00−7/90
G05D 1/00−1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)の運転者支援システム(2)の機能正常性を決定するための方法であって、前記運転者支援システム(2)が少なくとも1つの光センサ(3,9)と少なくとも1つのカメラセンサ(4,10)とを有しており、これらの光センサおよびカメラセンサが、少なくとも概ね同じ周囲の状況を検出するために前記車両(1)に形成されかつ/または調整されている方法において、
前記光センサ(3,9)によって算出された少なくとも1つの第1の輝度値を、前記カメラセンサ(4,10)によって算出された少なくとも1つの第2の輝度値と比較し、これらの輝度値の比較によって、前記運転者支援システム(2)の機能正常性を決定し、
前記光センサ(3,9)の、時間的に相前後して検出された第1の輝度値の第1の特性曲線と、前記カメラセンサ(4,10)の、時間的に相前後して検出された第2の輝度値の第2の特性曲線とを、前記運転者支援システム(2)の機能正常性を決定するために算出し、かつ互いに比較し、
衛星支援されたナビゲーションシステムのデータに依存して目標輝度値の特性曲線を算出し、前記運転者支援システム(2)の機能正常性を決定するために、前記第1の輝度値の第1の特性曲線および/または前記第2の輝度値の第2の特性曲線を前記目標輝度値の特性曲線と比較することを特徴とする、運転者支援システム(2)の機能正常性を決定するための方法。
【請求項2】
複数の前記特性曲線の比較時に、前記特性曲線が同時に同じ勾配変化を有するときにのみ、前記運転者支援システム(2)の機能正常性が検知されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
少なくとも2つの光センサ(3,9)および/または少なくとも2つのカメラセンサ(4,10)によって検出された前記輝度値をそれぞれ互いに比較し、この比較時に、検出された輝度値の互いの偏差が、プリセット可能な限界値よりも小さいことが確認されると、前記運転者支援システム(2)の機能正常性が検知されることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
少なくとも概ね同じ周囲の状況を検出するために調整された少なくとも2つの光センサ(3,9)によって同時に検出された複数の前記第1の輝度値から、前記第1の輝度値を決定することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
同じ周囲の状況を検出するために調整された少なくとも2つのカメラセンサ(4,10)によって同時に検出された複数の前記第2の輝度値から、前記第2の輝度値を決定することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
車両(1)の運転者支援システム(2)を運転するための装置であって、前記運転者支援システム(2)が少なくとも1つの光センサ(3,9)と少なくとも1つのカメラセンサ(4,10)とを有しており、これらの光センサおよびカメラセンサが、同じ周囲の状況を検出するために前記車両(1)に形成されかつ/または調整されている形式のものにおいて、
規定通りの使用時に請求項1から5までのいずれか1項記載の方法を実施する、特別に整えられた制御装置(5)が設けられていることを特徴とする、運転者支援システム(2)を運転するための装置。
【請求項7】
請求項6記載の装置を有する、車両(1)のための運転者支援システム(2)。
【請求項8】
請求項7記載の運転者支援システム(2)を有する、車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両、特に自動車の運転者支援システムの機能正常性を決定するための方法に関し、この場合、運転者支援システムが少なくとも1つの光センサと少なくとも1つのカメラセンサとを有しており、これらの光センサおよびカメラセンサは、少なくとも概ね同じ周囲の状況を検出するために車両に形成されかつ/または調整されている。
【0002】
また本発明は、この方法を実施するための装置、並びにこのような形式の装置を備えた運転者支援システムおよび自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
今日の自動車にはますます、外側または内側の周囲の状況の検出に役立つ複数の光センサおよび複数のカメラセンサが装備される。従って、光センサは、例えば車両の外側の周囲の光の状態を検査するために、大抵は車両の前部領域、特にフロントガラスの上部の後ろ側に固定される。光センサまたはカメラセンサが提供するデータを特に制御装置で検査および評価することにより、次いで例えば車両、特に前照灯の照明装置が作動される。例えば先行する車両に対する間隔を検出するカメラセンサは、同様に車両の前部領域に取り付けられる。それによって、外側および/または内側の周囲の状況を検出することにより、運転者支援システムに、例えば交通状況において危険が迫っているかどうか、前照灯を作動させる必要があるかどうか、または運転者が注意力散漫であるか若しくは眠いかどうかの情報を提供する。車両乗員の安全性が対象となる使用時においては、光センサおよびカメラセンサの機能正常性およびひいては運転者支援システムの機能正常性が重要となる。
【発明の概要】
【発明の効果】
【0004】
本発明によれば、光センサによって算出された少なくとも1つの第1の輝度値がカメラセンサによって算出された少なくとも1つの第2の輝度値と比較され、これらの輝度値の比較によって、運転者支援システムの機能正常性が決定されるようになっている。請求項1の特徴を有する本発明による方法は、運転者支援システムの機能正常性の決定が、車両に既に設けられている既存の手段に基づいている、という利点を有している。従って、光センサおよび/またはカメラセンサのための追加的な検査装置を使用する必要はない。光センサおよび/またはカメラセンサは、これが同じ周囲の状況、特に同じ周囲の状況の範囲を検出するために配置されかつ/または調整されている場合に、同じまたは類似の輝度値を算出し、かつセンサの支障のない運転が得られる、ことが前提とされる。従って、輝度値の偏差は特に、支障のない運転がもはや得られないときに発生する。この方法を実施するために、好適には光センサがカメラセンサと比較され、第1の輝度値が基準値として選択される。選択的に、カメラセンサが光センサと比較され、この場合、第2の輝度値が基準値として選択されてもよい。好適には、外側の周囲の状況に依存して、妥当な輝度値が基準値として決定される。例えばよく晴れた日のトンネル侵入走行時に光センサが第1の輝度値の低下を感知し、これに対してカメラセンサの第2の輝度値が変わらない場合、カメラセンサの機能不良を推論する。
【0005】
本発明の好適な実施態様によれば、光センサの、時間的に相前後して検出された第1の輝度値の第1の特性曲線と、カメラセンサの、相前後して検出された第2の輝度値の第2の特性曲線とが、運転者支援システムの機能正常性を決定するために算出され、かつ互いに比較されるようになっている。この実施例の利点は、第1の特性曲線と第2の特性曲線とが同じであるかまたは類似する限りは、運転者支援システムの機能正常性が推論される、という点にある。従って、例えばよく晴れた日のトンネル侵入走行時または退出走行時に、光センサおよびカメラセンサは、明から暗へのまたは暗から明への変化に対して、第1の特性曲線および第2の特性曲線が特に類似の勾配または少なくとも同じ勾配方向を有するように、反応することが前提とされる。この場合、特性曲線間の本質的な偏差は、光センサまたはカメラセンサの機能不良を示す。この場合、好適には、外側の周囲の状況に依存してより妥当な特性曲線が基準特性曲線として決定される。
【0006】
好適な形式で、複数の特性曲線の比較時に、特性曲線が少なくとも概ね同時に少なくとも概ね同じ勾配変化を有するときにのみ、運転者支援システムの機能正常性が検知されるようになっている。この実施例の利点は、特に、特性曲線の勾配変化が同じ方向に向かっていて、同じまたはほぼ同じ勾配を有するときに、機能正常性が推論される、という点にある。2つのセンサの輝度変化が異なって解釈される場合、例えば光センサの側から見て例えば基準勾配に相当する第1の勾配がカメラセンサの第2の勾配とは異なる決定がなされると、カメラセンサが機能不良を有することが検知される。
【0007】
特に好適には、少なくとも2つの光センサおよび/または少なくとも2つのカメラセンサの、検出された輝度値がそれぞれ互いに比較され、この比較時に、検出された輝度値の互いの偏差が、プリセット可能な限界値よりも大きいことが検知されると、機能不良が検知されるようになっている。この方法の実施例の利点は、光センサが特にカメラセンサとは無関係に比較され、その逆でもある、という点にある。例えば2つの光センサの2つの第1の輝度値が提供されていて、その互いの偏差が限界値を下回っている場合、光センサの機能正常性が推論される。そうではなく、偏差が限界値を上回っている場合、好適には3つ目の第1の輝度値が比較のために引き合いに出される。この3つ目の第1の輝度値が2つの第1の輝度値の一方と概ね一致している場合、互いの偏差は限界値を下回っており、従って検出された輝度値が他の2つの輝度値と一致していない光センサに機能不良が存在すると推論される。この方法の別の好適な実施例によれば、2つの第1の輝度値および2つの第2の輝度値も互いに比較されてよい。2つの第1の輝度値と2つの第2の輝度値の一方との偏差が限界値を下回っている場合、このことから、他の3つの輝度値とは異なる第2の輝度値が、機能不良を有するセンサによって算出されることが推論され得る。別の好適な実施例は、少なくとも2つの第1の輝度値と少なくとも1つの第2の輝度値との比較、または少なくとも1つの第1の輝度値と少なくとも2つの第2の輝度値との比較に関する。限界値によって、例えば感度または応答時間等のセンサ特有の特性値の形の、2つの同じセンサ間の、特に製造に基づく僅かな偏差は、機能不良として検知されないことが考慮される。
【0008】
本発明の好適な実施態様によれば、同じ周囲の状況を検出するために調整された少なくとも2つのレンズセンサによって同時に検出された複数の第1の輝度値から、第1の輝度値が決定されるようになっている。この実施例の利点は、第1の輝度値が特に第1の平均値として決定されることによって、少なくとも2つの個別の第1の輝度値の間で発生する、特に製造に基づく僅かな偏差が補正される、という点にある。好適には、第1の平均値がカメラセンサの第2の輝度値と比較されるか、または少なくとも2つのカメラセンサによって形成される第2の輝度値と比較される。
【0009】
特に好適には、少なくとも概ね同じ周囲の状況を検出するために調整された少なくとも2つのカメラセンサによって同時に検出された複数の前記第2の輝度値から、第2の輝度値が決定されるようになっている。この実施例の利点は、第2の輝度値、特に第2の平均値を決定することによって、少なくとも2つの個別の第2の輝度値の間に発生する、特に製造に基づく僅かな偏差が補正される、という点にある。好適には、第2の平均値が、光センサの第1の輝度値と比較されるか、または少なくとも2つの光センサによって形成される第1の輝度値と比較される。好適には、第1の平均値と第2の平均値とが互いに比較される。
【0010】
本発明の好適な実施態様によれば、衛星支援されたナビゲーションシステムのデータおよび/または実際の時刻に依存して目標輝度値が算出され、運転者支援システムの機能正常性を決定するために、第1の輝度値および/または第2の輝度値が目標輝度値と比較される。この実施例の利点は、これによって、測定された第1および第2の輝度値と比較される追加的な輝度値が提供される、という点にある。この場合、目標輝度値を用いて、妥当な第1および第2の輝度値が決定される。この目標輝度値は基準値である。例えば夜間走行時に第1の輝度値と目標輝度値とが互いに一致するが、第2の輝度値は一致しない場合、第2の輝度値の偏差に基づいてカメラセンサに機能不良が存在することが推論される。
【0011】
請求項8の特徴を有する本発明による装置は、規定通りの使用時に請求項1から7までのいずれか1項記載の方法を実施する、特別に整えられた制御装置が設けられていることを特徴とする。その他の利点および好適な特徴は、上記説明並びに請求項に記載されている。
【0012】
請求項9の特徴を有する本発明による運転者支援システムは、規定通りの使用時に請求項1から7までのいずれか1項記載の方法を実施する特別に整えられた装置を有することを特徴とする。
【0013】
請求項10の特徴を有する、本発明による車両、特に自動車は、本発明による運転者支援システムを有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】1実施例による運転者支援システムを有する車両の概略図である。
【
図2】光センサおよび/またはカメラセンサの機能正常性を決定するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を以下に1実施例を用いて詳しく説明する。
【0016】
図1は、運転者支援システム2を有する車両1の概略図を示す。車両1に設置された運転者支援システム2は、光センサ3とカメラセンサ4と制御装置5とを有している。制御装置5は警告装置6に接続されている。光センサ3およびカメラセンサ4は、前進走行方向で前方に向けて車両1のフロントガラス7の内側に取り付けられている。この場合、光センサ3およびカメラセンサ4は車両1内で、破線8で示されているように、車両1の同じまたはほぼ同じ外側の周囲の状況を検出するように調整されている。オプション的に、追加の光センサ9および追加のカメラセンサ10が、車両1の同じまたはほぼ同じ外側の周囲の状況を検出するように、フロントガラス7の内側に取り付けられている。選択的に、光センサ3,9およびカメラセンサ4,10は、内方に向いていてよく、それによって車両1の内側の周囲の状況を検出することができる。光センサ3,9およびカメラセンサ4,10は、ハウジング12,13,14,15内に固定されている。この制御装置5は、コントロールユニット16および特に不揮発性メモリ17を有している。照明装置18が制御装置5に接続されている。
【0017】
車両1の外側の周囲の状況に依存して、光センサ3が第1の輝度値を検出し、カメラセンサ4が第2の輝度値を検出する。第1の輝度値および第2の輝度値は、制御装置5に伝送される。制御装置5が、第1の輝度値または第2の輝度値の低下を検出すると、通常は、運転者支援システム2の制御介入が、例えば照明装置18の作動によって行われる。カメラセンサ4は、図示の実施例ではCCDカメラまたはCMOSカメラまたはその他の公知の手段であってもよい。
【0018】
ここでは、この方法を実施するために、第1の輝度値および第2の輝度値が制御装置5に伝送され、そこで互いに比較される。このために、少なくとも1回の計算過程および1回の比較過程が制御装置5によって実施される。この比較過程によって、第1の輝度値と第2の輝度値との間の偏差が算出されると、例えば警告装置6によって警告信号のアウトプットが行われる。
【0019】
図2に1例をあげて示された、車両1の運転者支援システム2の機能正常性を決定するためのプロセスにおいて、光センサ3およびカメラセンサ4は、第1のステップS1で同じ外側の周囲の状況を検出する。この場合、第2のステップS2で、光センサ3が第1の輝度値を算出し、カメラセンサ4が第2の輝度値を算出する。算出された第1の輝度値および算出された第2の輝度値は、第3のステップS3で制御装置5に伝送され、この制御装置5で例えばソフトウエアアルゴリズムによって互いに比較される。
【0020】
第4のステップS4で、制御装置5は、第1の輝度値と第2の輝度値との間の偏差をプリセット可能な限界値と比較する。
【0021】
第1の輝度値と第2の輝度値との間の偏差が限界値よりも小さい場合(j)、運転者支援システム2は第5のステップS5で、光センサ3およびカメラセンサ4が支障なく作動していることを検知する。
【0022】
偏差が限界値よりも大きい場合(n)、運転者支援システム2は、第6のステップS6で、センサのうちの1つが機能不良を有していることを検知する。
【0023】
どのセンサが機能不良を有しているかを突き止めるために、制御装置5は妥当性検査を実施する。この場合、車両1の外側の周囲の光の状態をより精確に表していて従ってより信頼できる第1の輝度値または第2の輝度値が、基準値として決定される。
【0024】
第1および第2の輝度値だけが提供される場合、この実施例では、第7のステップS7で、第1および/または第2の輝度値が目標輝度値と比較される。目標輝度値は、この実施例では、位置、時刻および/または気象データを検出する衛星支援ナビゲーションシステムのデータに依存して算出される。
【0025】
例えば、所定の時刻または所定の場所において支配している光の状態に関するデータが、制御装置5に記憶されたデータバンクまたは一覧表から取り出され、これらのデータに制御装置5がアクセスすることができる。
【0026】
例えば光センサ3の第1の輝度値と目標輝度値とが互いに一致しているが、カメラセンサ4の第2の輝度値と目標輝度値とが一致していない場合、第1の輝度値が基準値であるのに対して、カメラセンサ4が機能不良を有していることが検知される。
【0027】
他方では、例えばカメラセンサ4の第2の輝度値と目標輝度値とが互いに一致しているが、光センサ3の第1の輝度値と目標輝度値とが一致していない場合、第2の輝度値が基準値であるのに対して、光センサ3が機能不良を有していることが検知される。
【0028】
光センサ3の第1の輝度値および/またはカメラセンサ4の第2の輝度値だけよりも多くの輝度値が提供される場合、制御装置5は好適には妥当性検査を第8のステップS8で実施する。
【0029】
このために、追加的な光センサ9および/または追加的なカメラセンサ10によって、追加的な第1および/または追加的な第2の輝度値が第9のステップS9で検出される。この場合、追加的な光センサ9および追加的なカメラセンサ10は、車両1の概ね同じ外側の周囲の状況8に割り当てられていて、好適には光センサ3およびカメラセンサ4と重複して作業する。
【0030】
追加的に算出された第1の輝度値および/または追加的に算出された第2の輝度値は、第10のステップS10で制御装置5に伝送され、評価される。
【0031】
次いで、これらの輝度値がステップ8で妥当性検査される。
【0032】
妥当性検査は、第11のステップS11で、第1および/または第2の輝度値を追加的な第1の輝度値および/または追加的な第2の輝度値と比較する。好適には、支障なく作動するセンサによる輝度値は、限界値よりも小さい偏差を有している(j)。
【0033】
第2の輝度値間の偏差が限界値よりも大きい場合、第12のステップS12で、輝度値がそれぞれ他の輝度値とは異なるセンサにおいて機能不良が検知される(n)。
【0034】
例えば追加的な第1の輝度値が第1の輝度値に相当している場合、追加的な光センサ9と光センサ3とが支障なく作動していることが検知される。それと同時に、これによって運転者支援システム2がカメラセンサ4の機能不良を検知する。
【0035】
例えば追加的な第2の輝度値が第2の輝度値に相当している場合、追加的なカメラセンサ10とカメラセンサ4とが支障なく作動していることが検知される。それと同時に、運転者支援システム2は、これによって光センサ3の機能不良を検知する。
【0036】
例えば追加的な第2の輝度値が第1の輝度値に相当している場合、追加的な第2のカメラセンサ10と第1の光センサ3とが支障なく作動していることが検知される。それと同時に、運転者支援システム2は、これによってカメラセンサ4の機能不良を検知する。
【0037】
これと同じことが、追加的な第1の輝度値が第2の輝度値に相当する場合に当てはまる。
【0038】
オプション的に、第1の輝度値を第2の輝度値と比較するために、ステップS3で制御装置5は、第1の輝度値から第1の特性曲線を形成し、第2の輝度値から第2の特性曲線を形成し、第1の特性曲線と第2の特性曲線とを比較し、特に第1の特性曲線の第1の勾配を第2の特性曲線の第2の勾配と比較する。
【0039】
運転者支援システム2が、比較時に、特性曲線間の著しい偏差を検知すると、例えばプリセット可能な限界値と相違する偏差を検知すると、この場合、運転者支援システム2はこれのセンサのうちの1つの機能不良を推定する。
【0040】
この場合、欠陥のあるセンサを決定するために、目標輝度値から成る特性曲線を比較のために考慮するか、またはステップ9およびステップ10に従って第1および/または第2の輝度値から追加的な特性曲線が検出され、制御装置5によって形成され、比較のために考慮される。
【0041】
以下に破線で示された別の実施例に従って、S2およびS9で決定された第1および/または第2の輝度値、並びに追加的な第1および/または追加的な第2の輝度値が共に、ステップS13で制御装置5により評価される。特に、制御装置5は好適には、少なくとも2つの第1の輝度値から第1の平均値、および/または少なくとも2つの第2の輝度値から第2の平均値を決定する。
【0042】
第1および第2の平均値が提供されると、制御装置5はステップS14で第1の平均値を第2の平均値と比較する。2つの平均値間の偏差が限界値より小さい場合(j)、ステップS15で、例えば光センサ3,9およびカメラセンサ4,10が支障なく作動していることが検知される。
【0043】
偏差が限界値より大きい場合(n)、運転者支援システム2はステップS16で、センサのうちの少なくとも1つが機能不良を有していることを検知する。
【0044】
すると、欠陥のあるセンサを確定するために、好適には、第1の平均値が第2の輝度値と比較されるか、または第2の平均値が第1の輝度値と比較される。
【0045】
この方法を、1例をあげて説明するために、ここでは第1の平均値が個別の第1の輝度値AおよびBより成っていて、第2の平均値が個別の第2の輝度値CおよびDより成っている。この場合、AおよびBは欠陥のない光センサ3,9によって検出されなければならない。
【0046】
第1の平均値が第2の平均値と相違している場合、この例に従って、少なくとも1つの個別の第2の輝度値CまたはD、好適にはそれぞれ個別の第2の輝度値C,Dが第1の平均値と比較される。
【0047】
もちろん、第2の平均値と少なくとも1つの第1の輝度値A,Bとの比較も可能である。
【0048】
第1の平均値が第2の輝度値の一つと同じであれば、例えば第1の平均値がCと同じであれば、光センサ3,9も、また第2の輝度値Cを検出する個別のカメラセンサ4も、支承なく作動することが検知される。
【0049】
第2の輝度値の1つに対する第1の平均値の偏差が限界値より大きい場合、例えばDに対する第1の平均値の偏差が限界値より大きい場合、第2の輝度値Dを検出するカメラセンサ10が機能不良を有していることが検知される。
【0050】
個別の第2の輝度値CおよびDから形成され、この場合、Dが欠陥のあるカメラセンサ10によって検出される、第2の平均値が、それぞれ個別の第1の輝度値A,Bと比較されると、それぞれの比較の際に、限界値より大きい偏差が検知される。
【0051】
これにより、この実施例に従って欠陥のあるセンサは検知されないので、制御装置5は、ステップS17で好適には2つの比較方向を実施する。この場合、第1の平均値と個別の第2の輝度値との比較も、また第2の平均値と個別の第1の輝度値との比較も行われ、それによって、機能不能を有するセンサが検知される。
【0052】
この場合、欠陥のあるカメラセンサ4は、図示の実施例によれば、好適には第1の平均値と個別の第2の輝度値C,Dとの前記比較によって検知される。
【0053】
オプション的に、欠陥のあるカメラセンサ4を、ステップS7に従って第2の輝度値C,Dと目標輝度値との比較によって検知することも可能である。
【0054】
第2の輝度値C,Dが、個別の追加的な第1または第2の輝度値と比較されるべき場合、上記のステップS8に従って、欠陥のあるセンサの確定が行われる。次いで、平均値の比較から、個別の輝度値の比較が再び行われる。
【符号の説明】
【0055】
1 車両
2 運転者支援システム
3 光センサ
4 カメラセンサ
5 制御装置
6 警告装置
7 フロントガラス
9 追加の光センサ
10 追加のカメラセンサ
16 コントロールユニット
17 不揮発性メモリ
18 照明装置
S1 第1のステップ
S2 第2のステップ
S3 第3のステップ
S4 第4のステップ
S5 第5のステップ
S6 第6のステップ
S7 第7のステップ
S8 第8のステップ
S9 第9のステップ
S10 第10のステップ