特許第6704490号(P6704490)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6704490通信容量管理装置、通信容量管理方法およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6704490
(24)【登録日】2020年5月14日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】通信容量管理装置、通信容量管理方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 15/00 20060101AFI20200525BHJP
   G06Q 50/32 20120101ALI20200525BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   H04M15/00 G
   G06Q50/32
   H04M11/00 302
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-87876(P2019-87876)
(22)【出願日】2019年5月7日
(62)【分割の表示】特願2018-75644(P2018-75644)の分割
【原出願日】2014年9月1日
(65)【公開番号】特開2019-134492(P2019-134492A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2019年5月7日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 頒布日:平成26年6月25日、頒布物:報道資料No.2014−12、auの新料金「カラホとデジラ」音声通話定額と一人ひとりに合った選べる6つのデータ定額サービス〜さらに国内初!家族でデータを贈れる「データギフト」が登場!〜
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成26年6月25日,ウェブサイトのアドレス:http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2014/06/25/438.html、http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2014/06/25/besshi438.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成26年6月25日,ウェブサイトのアドレス:http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1462527702、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1462527705
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成26年7月1日,ウェブサイトのアドレス:http://www.au.kddi.com/mobile/charge/pr/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成26年7月1日,ウェブサイトのアドレス:http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k147127889、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k147127890
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用 ウェブサイトの掲載日:平成26年8月13日,ウェブサイトのアドレス:http://www.au.kddi.com/mobile/charge/data−option/data−charge/?bid=we−dcom−chargepr−0048、http://www.au.kddi.com/mobile/charge/data−option/data−charge/rate/、http://www.au.kddi.com/mobile/charge/data−option/data−charge/usage/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成26年8月13日,ウェブサイトのアドレス:http://www.au.kddi.com/mobile/charge/data−option/data−gift/?bid=we−dcom−chargepr−0049
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成26年8月13日,ウェブサイトのアドレス:http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1472528310、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k147127887、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228448、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228463、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228456、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228462、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228446、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228464、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228457、http://cscnt.kddi.com/_layouts/A/QA.aspx?ID=58073789&qid=k1481228457、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228452、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1472528318、http://cscnt.kddi.com/_layouts/A/QA.aspx?ID=52773295&qid=k1472528318、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228461、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228445、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228465
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】松尾 周一郎
(72)【発明者】
【氏名】北原 武
(72)【発明者】
【氏名】増崎 和彦
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 星治
(72)【発明者】
【氏名】有木 博信
【審査官】 石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−138701(JP,A)
【文献】 特開2012−138700(JP,A)
【文献】 特開2012−138711(JP,A)
【文献】 特表2013−516860(JP,A)
【文献】 特開2006−115002(JP,A)
【文献】 特開2004−326375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 19/00
G06Q 10/00−10/10
30/00−30/08
50/00−50/20
50/26−99/00
H04M 3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
15/00−15/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信容量について制限がある無線通信回線において、所定の期間毎に所定の量だけ付与される使用期限付きの通信容量である定期付与通信容量の残容量の管理を行う残容量管理部と、
前記無線通信回線の残容量が自動先行付与条件の指定値または指定値以下になると、次回分の定期付与通信容量が付与される時機の前に利用することができるように、前記無線通信回線において通信容量を付与する自動先行付与処理を実行する先行付与管理部と、
を備える通信容量管理装置。
【請求項2】
ユーザから自動先行付与条件の入力を受付ける先行付与要求受付部をさらに備える、請求項1に記載の通信容量管理装置。
【請求項3】
前記先行付与要求受付部は、前記自動先行付与処理の実行回数の上限値の指定を受付ける、
請求項2に記載の通信容量管理装置。
【請求項4】
前記先行付与要求受付部は、通信容量の付与日の指定を受付ける、
請求項2又は3のいずれか1項に記載の通信容量管理装置。
【請求項5】
前記残容量管理部は、追加購入された使用期限付きの通信容量である追加購入通信容量の残容量の管理をさらに行い、
前記自動先行付与条件とする残容量の対象は、定期付与通信容量の残容量と追加購入通信容量の残容量の合計である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の通信容量管理装置。
【請求項6】
通信容量について制限がある無線通信回線において、所定の期間毎に所定の量だけ付与される使用期限付きの通信容量である定期付与通信容量の残容量の管理を行う通信容量管理装置が、
前記無線通信回線の残容量が自動先行付与条件の指定値または指定値以下になると、次回分の定期付与通信容量が付与される時機の前に利用することができるように、前記無線通信回線において通信容量を付与する自動先行付与処理を実行する、
通信容量管理方法。
【請求項7】
通信容量について制限がある無線通信回線において、所定の期間毎に所定の量だけ付与される使用期限付きの通信容量である定期付与通信容量の残容量の管理を行う通信容量管理装置のコンピュータを、
前記無線通信回線の残容量が自動先行付与条件の指定値または指定値以下になると、次回分の定期付与通信容量が付与される時機の前に利用することができるように、前記無線通信回線において通信容量を付与する自動先行付与処理を実行する手段、
として機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信容量管理装置、通信容量管理方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末を利用したデータ通信の通信容量には、例えば月ごとに制限がかけられている。そして、その月に予め付与された通信容量を消費してしまうと、その月はデータ通信が使用できなくなったり、使用は可能でも通信速度が低速に抑えられることが一般的である。また、例えば特許文献1には、通信料金を前払いし、通信容量の使用に応じて課金を行い、前払い料金に対応する分の通信容量の使用を可能にするシステムについて開示がある。また、特許文献2には、複数の携帯端末をグループ化し、そのグループに対して通信容量(接続度数)を設定することで、例えば、企業の部署内のメンバで通信容量を共同利用し、料金管理も部署ごとに行う技術について開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2001−504299号公報
【特許文献2】特開2003−18333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通信容量の使用頻度や使用タイミングには変動があり、ある月は、多くの通信容量を使用したが、その次の月にはあまり使用しないようなことがある。例えば、通信容量を多く使用してしまい、月々定期的に付与される通信容量が無くなりかけているような状況において、翌月付与される予定の通信容量から必要な通信容量を前もって付与してもらい利用することができれば便利である。しかし、上述した従来の技術では、例えばある無線通信回線について、翌月に付与される予定の通信容量の中から、前もって通信容量を付与することはできない。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、例えばある無線通信回線に定期的に付与される通信容量について、次の付与時機に付与される予定の通信容量の中から、前もって所望の容量の通信容量の付与を受け利用することができる、通信容量管理装置、通信容量管理方法およびコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、通信容量について制限がある無線通信回線において、所定の期間毎に所定の量だけ付与される使用期限付きの通信容量である定期付与通信容量の残容量の管理を行う残容量管理部と、前記無線通信回線の残容量が自動先行付与条件の指定値または指定値以下になると、次回分の定期付与通信容量が付与される時機の前に利用することができるように、前記無線通信回線において通信容量を付与する自動先行付与処理を実行する先行付与管理部と、を備える通信容量管理装置である。
(2)本発明の一態様は、上記(1)の通信容量管理装置において、ユーザから自動先行付与条件の入力を受付ける先行付与要求受付部をさらに備える、通信容量管理装置である。
(3)本発明の一態様は、上記(2)の通信容量管理装置において、前記先行付与要求受付部は、前記自動先行付与処理の実行回数の上限値の指定を受付ける、通信容量管理装置である。
(4)本発明の一態様は、上記(2)または(3)のいずれかの通信容量管理装置において、前記先行付与要求受付部は、通信容量の付与日の指定を受付ける、通信容量管理装置である。
(5)本発明の一態様は、上記(1)から(4)のいずれかの通信容量管理装置において、前記残容量管理部は、追加購入された使用期限付きの通信容量である追加購入通信容量の残容量の管理をさらに行い、前記自動先行付与条件とする残容量の対象は、定期付与通信容量の残容量と追加購入通信容量の残容量の合計である、通信容量管理装置である。
【0007】
(6)本発明の一態様は、通信容量について制限がある無線通信回線において、所定の期間毎に所定の量だけ付与される使用期限付きの通信容量である定期付与通信容量の残容量の管理を行う通信容量管理装置が、前記無線通信回線の残容量が自動先行付与条件の指定値または指定値以下になると、次回分の定期付与通信容量が付与される時機の前に利用することができるように、前記無線通信回線において通信容量を付与する自動先行付与処理を実行する、通信容量管理方法である。
【0008】
(7)本発明の一態様は、通信容量について制限がある無線通信回線において、所定の期間毎に所定の量だけ付与される使用期限付きの通信容量である定期付与通信容量の残容量の管理を行う通信容量管理装置のコンピュータを、前記無線通信回線の残容量が自動先行付与条件の指定値または指定値以下になると、次回分の定期付与通信容量が付与される時機の前に利用することができるように、前記無線通信回線において通信容量を付与する自動先行付与処理を実行する手段、として機能させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、無線通信回線に定期的に付与される定期付与通信容量について、次回分の定期付与通信容量の中から所望の容量を、所定の付与時機の前に付与することで、ユーザの利便性が向上させる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る通信容量管理装置1の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る通信容量管理装置1を実現するハードウェアの構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る通信容量管理装置1を使用した無線通信システムの構成例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る通信容量の管理に用いるデータテーブルの一例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る定期付与通信容量の先行付与の管理に用いるデータテーブルの一例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る定期付与通信容量の先行付与の指示に用いる画面の一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る定期付与通信容量の先行付与処理のフローチャートの一例である。
図8】本発明の一実施形態に係る定期付与通信容量の付与処理のフローチャートの一例である。
図9】本発明の一実施形態に係る通信容量の減少に対して通信容量の追加を促す処理のフローチャートの一例である。
図10】本発明の一実施形態に係る定期付与通信容量の自動先行付与の設定に用いる画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る通信容量管理装置1の構成を示すブロック図である。
図1において、通信容量管理装置1は、残容量管理部11と、先行付与管理部12と、先行付与要求受付部13と、課金処理部14と、通知部15と、通信部16と、管理データ記憶部17とを備える。
【0012】
残容量管理部11は、通信容量に制限がある無線通信回線に割り当てられた通信容量の残容量の管理を行うにあたり、所定の期間毎に所定の量だけ付与された使用期限付きの通信容量である定期付与通信容量と、追加購入された使用期限付きの通信容量である追加購入通信容量とを区別して管理する。定期付与通信容量とは、所定期間ごとに所定の量だけ与えられる使用期限付きの通信容量である。また、追加購入通信容量とは、追加購入された使用期限付きの通信容量であって、定期付与通信容量だけでは通信容量が足りない場合などにユーザが購入することによって追加される通信容量である。管理とは、無線通信回線ごとにその無線通信回線で使用することができる定期付与通信容量と追加購入通信容量とを記憶し、当該無線通信回線での通信容量の使用に応じて定期付与通信容量又は追加購入通信容量から使用した分だけ通信容量を減算することをいう。また、管理とは、定期付与通信容量については通信容量が付与されたときに付与分だけ定期付与通信容量を加算して記憶し、追加購入通信容量については通信容量が購入されたときに購入分だけ追加購入通信容量を加算して記憶することをいう。
【0013】
先行付与管理部12は、ある無線通信回線について、次回の付与時機において付与される定期付与通信容量の中から所望の容量を、次回付与時機の前に取得し、現在の定期付与通信容量に加える先行付与処理を行う。
先行付与要求受付部13は、ある無線通信回線について、先行付与処理を行う場合に、その先行付与処理の要求を受け付ける。
【0014】
課金処理部14は、先行付与管理部12が、先行付与処理を行うにあたり、当該先行付与処理に対する料金を徴収する課金処理を行う。
【0015】
通知部15は、ある無線通信回線において所定の期間に先行付与処理で取得した通信容量または先行付与処理を行った処理回数が所定の閾値を超えると、当該無線通信回線を利用する端末装置に対して通信容量の追加購入を促す通知を行う。
通信部16は、後述するユーザ契約情報管理装置114、決済装置116、通信制御装置112などと通信を行う。
管理データ記憶部17は、無線通信回線ごとの通信容量の残容量、先行付与処理が行われた履歴等を記憶する。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態に係る通信容量管理装置1を実現するハードウェアの構成例を示すブロック図である。図2において、通信容量管理装置1は、CPU部21と通信部16と記憶部22を備える。これら各部はデータを交換できるように構成されている。CPU部24は通信容量管理装置1の制御を行う。この制御機能は、CPU部21がコンピュータプログラムを実行することにより実現される。通信部16は他の装置と通信する。記憶部22は、CPU部21で実行されるコンピュータプログラムや各種のデータを記憶する。記憶部22は、通信容量管理プログラム23を記憶している。
【0017】
図1に示される残容量管理部11と、先行付与管理部12と、先行付与要求受付部13と、課金処理部14と、通知部15の各機能は、図2に示されるCPU部21が記憶部22に記憶される通信容量管理プログラム23を実行することにより実現される。また、図1に示される管理データ記憶部17は、図2に示される記憶部22内に設けられる。
【0018】
図3は、本発明の一実施形態に係る通信容量管理装置1を使用した無線通信システムの構成例を示す図である。図3において、端末102は、無線通信回線106で基地局104と接続されている。無線通信回線106には通信容量に制限がある。端末102から無線通信回線106を使用して基地局104へ送信されたユーザデータは、基地局104からゲートウェイ108へ転送される。ゲートウェイ108は、無線通信回線106を使用する端末102の通信が許可されていれば、基地局104から転送された端末102のユーザデータをインターネット110へ出力する。同様に、ゲートウェイ108は、インターネット110から入力された端末102宛てのユーザデータを、無線通信回線106を使用する端末102の通信が許可されていれば、基地局104を介して端末102へ転送する。
【0019】
無線通信回線106の通信容量の制限内である場合には、無線通信回線106を使用する端末102の通信が許可される。一方、無線通信回線106の通信容量の制限外である場合には、無線通信回線106を使用する端末102の通信が許可されない。又は、通信が許可されたとしても通信速度が低下する。これにより、端末102は、無線通信回線106の通信容量の制限内であれば、当該無線通信回線106を使用して、インターネット110に接続される他の通信装置との間で通信を行うことができる。一方、端末102は、無線通信回線106の通信容量の制限外である場合には、当該無線通信回線106を使用して、インターネット110に接続される他の通信装置との間で通信を行うことができない。又は、通信できたとしても通信速度が低下する。
【0020】
通信制御装置112は、ゲートウェイ108に対して、無線通信回線106を使用する端末102の通信を許可するか否(非許可)か、あるいは通信速度を指示する。この無線通信回線106を使用する端末102の通信の許可又は非許可や通信速度は、通信容量管理装置1からの無線通信回線106の通信許可情報に基づいている。また、通信制御装置112は、ゲートウェイ108から、無線通信回線106を使用する端末102の通信でゲートウェイ108により転送されたユーザデータの転送量を示す転送データ量情報を取得する。この転送データ量情報は、通信制御装置112から通信容量管理装置1へ送信される。
【0021】
通信容量管理装置1は、通信制御装置112から受信した転送データ量情報に基づいて、無線通信回線106についての通信容量の残量を更新する。また、通信容量管理装置1は、無線通信回線106についての通信容量の残量に基づいて、無線通信回線106の通信許可情報を通信制御装置112へ送信する。この通信許可情報は、無線通信回線106を使用する端末102の通信の許可又は非許可や通信速度の制限の情報である。
【0022】
ユーザ契約情報管理装置114は、無線通信回線106を契約しているユーザの情報(ユーザ契約情報)を管理している。ユーザ契約情報として、ユーザ識別子(ユーザID)、無線通信回線106の識別番号(回線番号)、通信容量等についての契約内容などを示す情報がある。通信容量管理装置1は、必要に応じて、ユーザ契約情報管理装置114へ、ユーザ契約情報を問い合わせる。
【0023】
決済装置116は、ユーザによる代金支払いの決済処理を行う。通信容量管理装置1は、必要に応じて、決済装置116へ、ユーザによる代金支払いの決済状況を問い合わせる。
【0024】
端末102は、通信により、通信容量管理装置1へアクセスすることができる。端末102と通信容量管理装置1の間の通信は、無線通信回線106を介した通信であってもよく、又は、無線通信回線106を介さない通信であってもよい。通信容量管理装置1は、端末102からの要求に応じて該当する処理を行う。
【0025】
本実施形態において、ユーザがデータ通信に利用できる通信容量は、ユーザが契約した無線通信回線106ごとに割り当てられているものとする。通信容量の種類には、上述した定期付与通信容量と追加購入通信容量とが存在する。一例として、本実施形態では、定期付与通信容量は、定期的に通信容量を付与する契約を行った無線通信回線106対して毎月7GBずつ付与され、その使用期限は1カ月であるとする。また、追加購入通信容量は、500MBまたは1GB単位で購入することができ、その使用期限は例えば購入した日から62日であるとする。また、これら2種類の通信容量のうち、優先的に追加購入通信容量から使用されると決められているとする。なお、ユーザは複数の無線通信回線106を契約して使用することができる。また、定期付与通信容量については、翌月以降への繰り越しが可能であるとする。
【0026】
図4は、本発明の一実施形態に係る通信容量の管理に用いるデータテーブルの一例を示す図である。
図4で例示したデータテーブルは、残容量管理部11が無線通信回線ごとの通信容量の残容量を管理するために用いるデータテーブルの一例である。図4で例示したデータテーブルの1行目は、ユーザ「001」は、無線通信回線「090−1234−5678」を契約して利用しており、無線通信回線「090−1234−5678」に割り当てられた通信容量の残容量のうち、定期付与通信容量の残容量は7GB、追加購入通信容量の残容量は500MBであることを示している。また、2行目は、ユーザ「001」は、2つ目の無線通信回線「080−1234−5678」を契約して利用しており、無線通信回線「080−1234−5678」に割り当てられた通信容量の残容量のうち、定期付与通信容量の残容量は5GB、追加購入通信容量の残容量は200MBであることを示している。また、3行目は、ユーザ「002」は、無線通信回線「090−1234−5679」を契約して利用しており、この無線通信回線に割り当てられた通信容量の残容量のうち、定期付与通信容量の残容量は1GB、追加購入通信容量の残容量は1GBであることを示している。
【0027】
残容量管理部11は、例えば、無線通信回線「090−1234−5679」(3行目)について100MB分のデータ通信が行われたことを示す情報を、通信制御装置112から受信すると、図4で例示したデータテーブルを参照し、無線通信回線「090−1234−5679」の追加購入通信容量の残容量である1GBを読み出し、読み出した1GBから100MBを減じた値(0.9GB)で追加購入通信容量の値を上書きして更新する。追加購入通信容量の値を更新するのは、上述したように優先的に追加購入通信容量から使用されるからである。また、翌月を迎えると、残容量管理部11は、ユーザ契約情報管理装置114から、無線通信回線「090−1234−5679」の契約情報を取得し、例えばこの無線通信回線が、定期付与通信容量を付与する契約であるとすると、この契約に基づいて、定期付与通信容量の値1GBを翌月分の7GBで上書きして更新する。
【0028】
図5は、本発明の一実施形態に係る定期付与通信容量の先行付与の管理に用いるデータテーブルの一例を示す図である。
このデータテーブルは、先行付与毎に、無線通信回線の回線番号と、先行付与が行われた日付けの情報と、先行付与された通信容量を示す情報を有する。ある無線通信回線について先行付与処理を行うと、先行付与管理部12は、図4で例示したデータテーブルの当該無線通信回線の定期付与通信容量に先行付与分を加算して更新するとともに図5で例示したデータテーブルを更新する。例えば、無線通信回線「090−1234−5678」について、500MBの先行付与を行うと、残容量管理部11は、先行付与を行った無線通信回線と、日付と、通信容量とを追加する。これにより、図5における2行目のデータが追加される。
図4図5で例示したデータテーブルは、管理データ記憶部17が記憶しており、残容量管理部11は、これらのデータテーブルを用いて無線通信回線ごとに定期付与通信容量及び追加購入通信容量通信容量の残容量を区別して管理する。また、定期付与通信容量については、定期付与通信容量に含まれる先行付与分の容量を把握する。
【0029】
図6は、本発明の一実施形態に係る定期付与通信容量の先行付与の指示に用いる画面の一例を示す図である。
図6に例示した画面は、例えばユーザが自分が契約する無線通信回線の契約情報を確認したり、その無線通信回線に割り当てられた通信容量の使用状況を確認するために用いる、通信サービス事業体が提供するユーザ専用のポータルサイトなどに設けられている。 符号31は、ユーザが契約している無線通信回線の一覧が表示された領域である。領域31には、先行付与を行うユーザが契約する無線通信回線の一覧が表示されている。また、無線通信回線ごとに、現在の残容量が、定期付与通信容量と追加購入通信容量とに分けて表示されている。ユーザは、これらの中から先行付与を行う無線通信回線を選択する。符号32は、先行付与する通信容量を入力する入力欄である。ユーザが、これらの項目を入力して実行ボタン33を押下すると、入力した情報が管理データ記憶部17に書き込まれ、通信容量の先行付与処理が実行される。具体的には先行付与要求受付部13が、この先行付与の要求を受け付け、先行付与管理部12が先行付与処理を実行する。
この画面には、これらの項目以外にも、所定期間(例えば最近6か月)における先行付与回数、先行付与処理によって得た通信容量の累積を表示させたり、先行付与処理の履歴を表示させてもよい。また、これら先行付与回数や先行付与された通信容量の累積、先行付与処理の履歴などについては、別途管理画面を設け、その管理画面にて表示させるようにしてもよい。
【0030】
次に通信容量の先行付与処理について図7を用いて説明する。
図7は、本発明の一実施形態に係る定期付与通信容量の先行付与処理のフローチャートの一例である。
まず、先行付与要求受付部13が、ユーザによる先行付与の要求を受け付ける(ステップS1)。具体的には、ユーザが、図6で例示した画面にて、定期付与通信容量の先行付与を行う無線通信回線を選択し、先行付与する無線通信容量を入力し実行ボタン33を押下する。すると先行付与要求受付部13は、入力された情報(先行付与要求情報)を受け付け、管理データ記憶部17に書き込んで記憶させ、先行付与管理部12に先行付与の実行を指示する。
【0031】
次に先行付与管理部12は、要求のあった無線通信回線について先行付与が可能か否かの判定を行う(ステップS2)。例えば、先行付与管理部12は、図5で例示したデータテーブルから当該無線通信回線における過去の所定期間での先行付与の履歴情報を抽出し、先行付与を行った回数、先行付与された通信容量の合計値の情報を算出する。そして、先行付与管理部12は、先行付与された回数または先行付与された通信容量合計値のうち少なくとも一方を、それぞれについての所定の閾値と比較し、回数または通信容量合計値がその閾値を上回っていれば、例えばその月内は、先行付与が不可であると判定する。なお、先行付与回数や先行付与された通信容量の閾値は、管理データ記憶部17が記憶しているものとする。また、先行付与の可否判断には、以下のような条件を加えてもよい。例えば、当月の定期付与通信容量の使用期限(月末)までの残日数が所定日数を下回った場合に先行付与が可能と判定する。また、先行付与する通信容量が所定の容量以下かあるいは定期付与分(7GB)に対して所定割合(例えば50%)を超えない場合に先行付与が可能と判定する。また、先行付与を受けようとするユーザが定期付与の契約を行ってから所定期間が経過している場合に先行付与が可能と判定する。また、ユーザが定期付与の契約を行ってから、当該契約について支払いの滞納回数が所定回数以下の場合に先行付与が可能と判定する。また、ユーザが定期付与の契約を行ってから、当該契約について支払いの滞納が無い場合に先行付与が可能と判定する。また、ユーザから定期付与契約の解約の申し出を受けていない場合に先行付与が可能と判定する。また、ユーザが先行付与を受けようとする無線通信回線について、複数端末の利用契約を行っている場合に先行付与が可能と判定する。また、最近の所定月数の間連続して先行付与を受けていない場合に先行付与が可能と判定する。また、最近の所定月数の間に通信容量の追加購入を行った実績があれば、定期付与契約を行ってからの経過期間が短くても、あるいは滞納回数が多くても先行付与が可能と判定する。なお、これらの条件は、複数を組み合わせて使用してもよい。その際、複数の条件全てを満たす場合のみ移管可能と判定してもよいし、複数の条件のうち1つでも満たせば移管可能と判定するようにしてもよい。
【0032】
先行付与が不可であると判定した場合(ステップS2;No)、先行付与管理部12は、図6の画面にて「先行付与の条件を満たさないので、先行付与は実行できません」等のメッセージを表示する。また、先行付与管理部12は、当該無線通信回線を利用する端末のメールアドレスや電話番号などのメッセージ送信先情報をユーザ契約情報管理装置114から取得し、通知部15に通信容量の追加購入を促す通知を行うよう指示を行う。通知部15は、「当月内に通信容量の先行付与を受けられる回数又は通信容量の上限を超えました。通信容量が必要な場合は、通信容量の追加購入を行ってください。」など追加購入通信容量の購入を促すメッセージを、ユーザ契約情報管理装置114から取得したメッセージ送信先宛てに通知する(ステップS5)。また、今後、ユーザが先行付与サービスを活用することができるように、先行付与を受けられるための条件や、今回どの条件を満たさなかったために先行付与を受けられなかったのか等の情報をあわせて通知するようにしてもよい。
【0033】
先行付与が可能であると判定した場合(ステップS2;Yes)、先行付与管理部12は、図6の画面にて「先行付与を実行します」等のメッセージを表示し、ユーザに先行付与が可能であることを通知する。また、通知部15が先行付与の実行を通知するメッセージを送信してもよい。続いて、先行付与管理部12は、先行付与処理を行う(ステップS3)。具体的には、先行付与管理部12は、先行付与要求受付部13が受け付けた先行付与要求情報を管理データ記憶部17から取得する。そして、先行付与管理部12は、取得したこれらの情報に基づいて、図4で例示したデータテーブルの無線通信回線のレコードの定期付与通信容量に先行付与する通信容量を加算する。また、先行付与管理部12は、当該無線通信回線の回線番号、処理日、先行付与する通信容量の情報を図5で例示したデータテーブルに追加する。
なお、通信容量の先行付与には手数料がかかり、手数料の徴収に際しては、その都度、ユーザの同意を得るようにしてもよい。その場合、例えば、ユーザが使用する端末の表示画面に先行付与手数料の負担を承諾するか否かを選択できるような画面を表示し、そのユーザが承諾した場合のみ先行付与処理を行うようにする。
【0034】
次に課金処理部14は、先行付与手数料を徴収する課金処理を実行する(ステップS4)。具体的には、先行付与管理部12は、先行付与処理が成功すると、当該無線通信回線と契約しているユーザのID(識別情報)や先行付与する通信容量の情報などを課金処理部14に出力し、課金処理部14に課金処理の実行を指示する。課金処理部14は、管理データ記憶部17が記憶する手数料を読み込んで、ユーザIDと課金すべき手数料とを決済装置116へ送信し、課金処理を依頼する。なお、手数料については、管理データ記憶部17が、先行付与処理1回あたりの手数料、または先行付与する通信容量や回数に応じて設定された手数料を記憶しているものとする。また、課金処理部14は、無線通信回線を利用するユーザIDについて、決済装置116へ課金処理を依頼する。なお、先行付与にかかる手数料は、通信容量を追加購入するのに必要な金額よりも安価であることが望ましい。それによって、通信容量を追加購入する余裕がないユーザでも先行付与を利用することができるようになり、ユーザのデータ通信の利用の促進を図ることができる。
【0035】
なお、ステップS2の判定において、先行付与の回数や通信容量の合計値が所定の閾値を超えている場合、先行付与の制限を行うのではなく、通常より高額な手数料を徴収して先行処理を実行するようにしてもよい。
また、先行付与管理部12は、所定のタイミング(例えば1日1回)ごとに、各無線通信回線について、先行付与を実行する条件を満たしているかどうかの判定を行い、先行付与の条件を満たすユーザに対しては、通知部15を介して「先行付与の条件を満たしているので、先行付与サービスのご利用が可能です。」といった案内メッセージを送信し、当該ユーザに対し先行付与を利用するよう促してもよい。
【0036】
次に通常の付与時に定期付与通信容量を付与する処理について図8を用いて説明する。
図8は、本発明の一実施形態に係る定期付与通信容量の付与処理のフローチャートの一例である。図8の処理は所定の時機に(例えば、毎月1日)開始される。
【0037】
まず、残容量管理部11は、定期付与通信容量の付与時機かどうかを判定する(ステップS1)。例えば、定期付与通信容量の付与時機が毎月1日であって、残容量管理部11は、現在の日付が1日であるかを判定する。付与時機でない場合(ステップS11;No)、本処理フローを終了する。
付与時機である場合(ステップS11;Yes)、残容量管理部11は、各無線通信回線について、先行付与されているかどうかを判定する(ステップS12)。具体的には、残容量管理部11が、先行付与管理部12に先行付与の有無について問い合わせる。先行付与管理部12は、図5で例示したデータテーブルに基づいて、各無線通信回線について先行付与の有無と、先行付与した通信容量との情報を残容量管理部11に出力する。残容量管理部11は、取得した先行付与の有無の情報に基づいて、各無線通信回線について先行付与の有無を判定する。
【0038】
先行付与がない場合(ステップS12;No)、その無線通信回線に対して、定期付与通信容量(7GB)の付与を行う(ステップS14)。具体的には、残容量管理部11は、図4で例示したデータテーブルの対象とする無線通信回線のレコードの「定期付与通信容量」の値を7GBで更新する。
【0039】
先行付与がある場合(ステップS12;Yes)、その無線通信回線に対して、定期付与通信容量から既に先行付与した通信容量の分を差し引いた容量の付与を行う(ステップS13)。具体的には、既に2GBを先行付与している場合、残容量管理部11は、定期付与通信容量の7GBから、先行付与管理部12から取得した2Gを差し引いた5Gを算出し、図4で例示したデータテーブルの対象とする無線通信回線のレコードの「定期付与通信容量」の値を5GBで更新する。
【0040】
なお、ここでは、新たに定期付与通信容量が付与される際に、前月の定期付与通信容量が0になる場合を例に説明を行ったが、余った定期付与通信容量は、翌月以降にも繰り越すことができるようにしてもよい。例えば、前月分の定期付与通信容量として1GBが残っており、また、前月に2GBの先行付与を行っている場合、残容量管理部11は、前月の残り1GBに、7GBから2GBを差し引いた値(5GB)を加算した値(6GB)で、当該無線通信回線の「定期付与通信容量」欄を更新する。
【0041】
次に残容量が少なくなっているユーザに対して先行付与又は通信容量の追加購入を促す処理について図9を用いて説明する。
図9は、本発明の一実施形態に係る通信容量の減少に対して通信容量の追加を促す処理のフローチャートの一例である。
まず、残容量管理部11が、通信制御装置112から受信したデータ通信で消費された通信容量の情報に基づき、図4で例示したデータテーブルの残容量を更新する際に、その無線通信回線の残容量(定期付与分と追加購入分の合計)を管理データ記憶部17に格納された所定の閾値と比較する(ステップS21)。残容量が閾値を上回っていれば(ステップS21;No)、本処理フローは終了する。
【0042】
残容量が閾値以下であれば(ステップS21;Yes)、残容量管理部11は、通信容量の追加購入と次回分の定期付与通信容量からの先行付与とのうち何れか一方の選択を促す通知を行うよう通知部15に指示情報を出力する。通知部15は、先行付与先のユーザが使用する端末宛てに、残容量が足りないこと及び通信容量の先行付与又は追加購入を促すメッセージを送信する(ステップS22)。
【0043】
本実施形態により、無線通信回線において定期的に付与される通信容量を付与時機前であっても利用することができるようになるので、急に通信容量を多く消費してしまい残容量が少なくなったような場合でも、ユーザはデータ通信のサービスを利用できるようになる。また、通信サービス事業体にとっても、ユーザのデータ通信サービスの利用促進によって収入の増加が見込める。
なお、通信容量の先行処理において手数料の課金を行う場合を例に説明を行ったが、課金する代わりに、次回の付与時機において、定期付与通信容量から先行して付与した容量以上の容量を差し引いた通信容量を、定期付与通信容量として付与するようにしてもよい(通信容量による支払)。あるいは、課金と通信容量による支払とをユーザが選択できるようにしてもよい。
【0044】
[自動先行付与処理]
次に自動先行付与処理について説明する。自動先行付与処理とは、所定の条件を満たしたことをトリガーにして自動的に先行付与処理を行う機能である。
図10は、本発明の一実施形態に係る定期付与通信容量の自動先行付与の設定に用いる画面の一例を示す図である。
図10において、領域41にはユーザが契約している無線通信回線と各回線における定期付与通信容量の使用実績が表示されている。ユーザは、この表示を参照してどの無線通信回線に対して自動先行付与を設定するかを選択する。入力欄42は、1回の先行付与処理において付与する通信容量を入力する。
【0045】
符号43〜46は、自動先行付与の条件を入力するための入力欄である。入力欄43には、付与回数を入力する。付与回数とは、自動先行付与の条件が揃ったときに何回自動で先行付与処理を行うかを示している。例えば、付与回数が「2」ならば、先行付与処理が自動で2回実行されると、それ以降は先行付与を行わないことを意味している。入力欄44には、付与タイミングを入力する。入力欄44は、例えばプルダウンであって、「残容量指定」、「付与日指定」、「残容量指定または付与日指定」の中から選択できる。「残容量指定」は、残容量が指定した値になると自動先行付与を行う条件である。条件とする残容量は、入力欄45に入力する。なお、条件とする残容量の対象として、定期付与通信容量の残容量か、定期付与通信容量の残容量と追加購入通信容量の残容量の合計かを選択できるようにしてもよい。「付与日指定」は、毎月指定した日になると自動先行付与を行う条件である。付与を行う日は、入力欄46に入力する。また、「残容量指定または付与日指定」は、条件とする残容量または指定した付与日の条件を満たすと、自動的に先行付与処理が実行される条件である。
ユーザが登録ボタン47を押下すると、先行付与要求受付部13は、この画面で入力された情報(先行付与プラン)を管理データ記憶部17に書き込んで記憶させる。
【0046】
先行付与プランが登録されると、先行付与管理部12は、対象となる無線通信回線について先行付与プランで設定された付与タイミング条件を満たすかどうかを判定し、条件を満たすと先行付与処理をスタートさせる。例えば、先行付与の条件に付与日が設定された場合、先行付与管理部12は、毎月付与日になると、管理データ記憶部17から先行付与プランを読み出し、図7を用いて説明した先行付与処理を実行する。
【0047】
また、付与プランで残容量が指定された場合、先行付与管理部12は、定期的に残容量管理部11から付与先無線通信回線の残容量の情報を取得し、付与先無線通信回線の残容量が先行付与プランに設定された先行付与の条件とする通信容量以下となったかどうかを検出する。先行付与プランに設定された通信容量以下となった場合、先行付与管理部12は、付与プランに基づく先行付与処理を実行する。以下の処理は、付与日が設定された場合と同様である。
【0048】
なお、自動付与の条件が満たされたときに、既に所定の期間における先行付与の回数や先行付与した通信容量が閾値以上の場合、通知部15は、付与先のユーザに対して先行付与ができないこと及び通信容量の追加購入を促す通知を行う。
【0049】
これにより、ユーザは先行付与の設定処理を行う手間を省くことができ、また、先行付与処理の実行を忘れることを防ぐことができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0051】
また、上述した通信容量管理装置1の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0052】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の無線通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の無線通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0053】
1…通信容量管理装置、11…残容量管理部、12…先行付与管理部、13…先行付与要求受付部、14…課金処理部、15…通知部、16…通信部、17…管理データ記憶部、21…CPU部、22…記憶部、23…通信容量管理プログラム、102…端末、104…基地局、106…無線通信回線、108…ゲートウェイ、112…通信制御装置、114…ユーザ契約情報管理装置、116…決済装置
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
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図10