特許第6704506号(P6704506)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6704506ホットメルトグルーガン用スティック型ホットメルト接着体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6704506
(24)【登録日】2020年5月14日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】ホットメルトグルーガン用スティック型ホットメルト接着体
(51)【国際特許分類】
   C09J 175/04 20060101AFI20200525BHJP
   C09J 123/26 20060101ALI20200525BHJP
   C09J 151/06 20060101ALI20200525BHJP
   C09J 133/04 20060101ALI20200525BHJP
   C09J 5/06 20060101ALI20200525BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20200525BHJP
   B29C 65/52 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   C09J175/04
   C09J123/26
   C09J151/06
   C09J133/04
   C09J5/06
   B05C5/00 A
   B29C65/52
【請求項の数】8
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2019-505116(P2019-505116)
(86)(22)【出願日】2017年2月9日
(65)【公表番号】特表2019-518125(P2019-518125A)
(43)【公表日】2019年6月27日
(86)【国際出願番号】EP2017052833
(87)【国際公開番号】WO2017178128
(87)【国際公開日】20171019
【審査請求日】2018年12月13日
(31)【優先権主張番号】16000854.6
(32)【優先日】2016年4月15日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】16170301.2
(32)【優先日】2016年5月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518362889
【氏名又は名称】ジョワト エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】110000545
【氏名又は名称】特許業務法人大貫小竹国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュローデル,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】クロンシャーゲ,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,ウルリヒ
【審査官】 田澤 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第2330165(EP,A1)
【文献】 特開2001−129477(JP,A)
【文献】 特開平07−197006(JP,A)
【文献】 実開平04−098466(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0108335(US,A1)
【文献】 Provisorisches Produktdatenblatt Version 3-07/2010 SikaMelt-9900 Reaktivhotmelt Reiniger,2010年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
B05C 5/00−5/04
B29C 65/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スティック型のホットメルト接着体において、
前記ホットメルト接着体は:
・ 少なくとも1つの反応性ホットメルト接着剤を具備し、該反応性ホットメルト接着剤が、(i)イソシアネート基を含む反応性湿分架橋性ポリウレタン、(ii)シラン基を具備する反応性湿分架橋性ポリオレフィン、(iii)ウレタン基を含む反応性放射線架橋性ポリ(メタ)アクリレートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される第1のセクションおよび
・ 少なくとも1つのクリーニング剤具備し、前記クリーニング剤が、ホットメルト接着剤の化学反応性基を不活性化する少なくとも1つの添加剤をさらに具備し、前記添加剤、反応性ホットメルト接着剤の化学反応性基と反応する官能基を具備し、且つ、前記添加剤単官能性である第2のセクションを具備すること、
前記クリーニング剤が、該クリーニング剤に基づいて、0.1重量%〜20重量%の範囲内の量で添加剤を含有すること、
前記クリーニング剤が、少なくとも1つのワックスを含有すること、
前記クリーニング剤が、該クリーニング剤に基づいて、0.5重量%〜15重量%の範囲内の量でワックスを含有すること、且つ、
前記第1のセクションおよび前記第2のセクションは、互いに色の違いによって、光学的または視覚的に異なるように構成されること、第2のセクションは着色された形態であり、少なくとも1つの着色成分を具備することを特徴とするホットメルト接着体。
【請求項2】
前記第1のセクションは、少なくとも実質的に無色であるように構成され、第1のセクションは、追加の着色成分を含まないことを特徴とする請求項1記載のホットメルト接着体。
【請求項3】
前記第1のセクションの長手方向軸および前記第2のセクションの長手方向軸は、前記ホットメルト接着体の長手方向軸線上にあるように、第1のセクションおよび第2のセクションが、ホットメルト接着剤本体の長手方向軸に沿ってそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1または2記載のホットメルト接着体。
【請求項4】
前記反応性ホットメルト接着剤は、熱可塑性一成分ホットメルト接着剤であること、かつ、
前記第2のセクションのクリーニング剤は、前記第1のセクションのホットメルト接着剤と適合する非反応性熱可塑性物質であることを特徴とする請求項1または2記載のホットメルト接着体。
【請求項5】
前記第2のセクションの添加剤は、C−C30モノアルコール、ベンジルアルコールまたはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1または2記載のホットメルト接着体。
【請求項6】
ホットメルト接着体を加工および塗布するためのキットにおいて、
該キットは、少なくとも1つのホットメルト接着剤吐出装置および請求項1記載の複数のホットメルト接着体を具備することを特徴とするキット。
【請求項7】
ホットメルト接着体は、空気及び水分に対して少なくとも実質的に不透過性である共通のパッケージに周囲を包装されることを特徴とする請求項1記載の複数のホットメルト接着体を具備するパックユニット。
【請求項8】
ホットメルト接着剤吐出装置によってホットメルト接着体を加工しおよび塗布することにおいて、一方で少なくとも1つの第1のセクションと他方で少なくとも1つの第2のセクションの視覚的または光学的な差異を、色差を介して提供する方法において、
前記第1のセクション、(i)イソシアネート基を具備する反応性湿分架橋性ポリウレタン、(ii)シラン基を具備する反応性湿分架橋性ポリオレフィン、(iii)ウレタン基を具備する反応性放射線架橋性ポリ(メタ)アクリレートおよびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの反応性ホットメルト接着剤を具備すること、かつ、
前記第2のセクション、クリーニング剤を具備し、前記第2のセクション、前記化学的反応性ホットメルト接着剤を不活性化する少なくとも1つの添加剤を具備すること、前記添加剤、反応性ホットメルト接着剤の化学的反応基と反応する官能基を具備すること、および、前記添加剤、単官能性であること、
前記クリーニング剤が、該クリーニング剤に基づいて、0.1重量%〜20重量%の範囲内の量で添加剤を含有すること、
前記クリーニング剤が、少なくとも1つのワックスを含有すること、
前記クリーニング剤が、該クリーニング剤に基づいて、0.5重量%〜15重量%の範囲内の量でワックスを含有すること、且つ、
前記第1のセクションおよび前記第2のセクション、お互いが色の違いにより、互いに光学的に異なるように構成されること、少なくとも1つの着色成分が第2のセクションに組み込まれることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホットメルト接着剤の技術分野および対応する組立または接着作業におけるそれらの使用、ならびにこれに関して使用されるホットメルト接着剤吐出装置、特にホットメルト又はホットグルーガンの形での使用の技術分野に関する。
【0002】
本発明は、特に、反応性ホットメルト接着剤およびクリーニング剤またはパージング剤に基づくスティック型(スティック状、ロッド状)のホットメルト接着体であって、ホットメルト接着体が好ましくは円筒形状であり、特にホットメルトグルーガンに使用するのに適しているものに関する。
【0003】
本発明は、同様に、本発明によるホットメルト接着体、特にホットメルト接着剤スティックの製造方法、およびこの方法によって得ることができる接着剤本体に関する。
【0004】
さらに、本発明は、特に、本発明のホットメルト接着剤、特にホットメルト接着剤スティックを具備する、特にホットメルトまたはホットグルーガンの形態のホットメルト接着剤吐出装置(ホットメルト接着剤加工装置)に関するものであり、一方でホットメルト接着剤吐出装置、特にホットメルトまたはホットグルーガンに基づくキット、および、他方で本発明によるホットメルト接着体、特にホットメルト接着剤スティックに関する。
【0005】
本発明はさらに、本発明の少なくとも1つのホットメルト接着体、特にホットメルト接着剤スティックを具備するパックユニットまたはコンテナに関する。
【0006】
さらに、本発明は、組立および/もしくは接着方法のためのかつ/または組立および/もしくは接着方法における本発明によるホットメルト接着体、特にホットメルト接着剤スティックの使用に関する。
【0007】
さらに、本発明は、本発明によるホットメルト接着体に基づく領域の間の視覚的または光学的な差異を識別または提供するための着色成分または着色剤の使用に関するものであり、それぞれの領域が、一方で反応性ホットメルト接着剤を具備するか、他方で清掃剤またはパージング剤を具備するものである。
【0008】
最後に、本発明はまた、第1に反応性ホットメルト接着剤と第2にクリーニング剤とに基づいて、本発明によるホットメルト接着体の上記領域間の視覚的または光学的な差異を識別または提供する方法に関する。
【背景技術】
【0009】
加熱接着剤、熱接着剤またはホットメルトとして同義語として参照されるホットメルト接着剤は、溶媒を含まず室温で固体であり、加熱または熱い状態で流体または液体状態をとる一般的製品であり、この基本的な適用は、接着領域になされる。冷却すると、ホットメルト接着剤の付随した固化により、固体および永久的な(接着性)結合が発生する。
【0010】
このシステムがベースとするホットメルト接着剤は、ホットメルトまたはホットグルーガンのような対応するホットメルト接着剤吐出装置における加工のために意図したホットメルト接着剤スティックまたはホットメルト接着剤カートリッジと同義語的に参照されるスティック型ホットメルト接着体の形態で提供される。これに関連して、ホットメルト接着体は、一般に、所定のシリンダー高さ(すなわち、ホットメルト接着体の所定の長さを有する)および所定の、より特定的には円形のベース領域(すなわち、ホットメルト接着体の所定の径を有する)を有する円筒形状を有する。
【0011】
ホットメルト接着剤は、一般に、材料コストが低いこととあわせて迅速な加工の利点と関連し、非常に広範な種類の材料および基材の接着も可能にする。使用されるホットメルト接着剤は、補償されるべき結合が生じるべき材料表面の任意の不均一性を可能にし、結果として生じる接着された結合部または接着された層もある程度の弾性を示すことが、これに関する利点である。
【0012】
このような背景に対しても、ホットメルト接着剤は、例えば、対応する積層技術を使用する包装産業、且つ、自動車、家具および木工産業など、多くの産業用途において一般的に使用される。同様に電気工学分野においても、ホットメルト接着剤は、例えば、機械的安定化、絶縁、および対応する構成要素の接着ために、広範囲に使用される。さらに、ホットメルト接着剤は、家庭領域または家庭の趣味および工芸品分野でも使用されるだけでなく、花飾および包装産業においてもしばしば使用される。
【0013】
工業用および家庭用の両方の分野におけるホットメルト接着剤の広範な使用および多数の用途の背景にもかかわらず、それに応じて使用される接着剤システムに関するさらなる最適化のための当該技術分野には大きな需要がある。
【0014】
一般的に言えば、当該分野では、ホットメルト接着剤は、特に、ホットメルトまたはホットグルーガンなどの対応する吐出装置を用いて加工または塗布される。ホットメルトグルーガンで利用できる製品ポートフォリオは、技術要件のプロファイルに従って、様々な応用分野に分かれている。圧縮空気を有さないタンクグルーガン、圧縮空気を有するタンクグルーガン、およびカートリッジ用のタンクガンが流行している。
【0015】
また、特に有利な価格/性能のトレードオフと取扱いの容易さのために、ホットグルースティック用のホットメルトまたはホットグルーガンが確立されている。ここで、一般に、ホットメルトグルーガンの後面には、棒状または円筒状のホットメルト接着剤が導入され、ホットメルトグルーガンの内部では、特に電気的に操作される加熱または溶融装置によって加熱され、それによって溶融されるかまたは流体もしくは液体状態に変換される。未固化ホットメルト接着剤を加熱または溶融装置に連続的に機械的に供給すると、そこに存在する流動化ホットメルト接着剤がそれに応じて移動し、吐出装置、より具体的には接着ノズルなどを介して吐出される。加熱溶融装置に供給され、被接合物に適用される。特にスティック状のホットメルト接着剤の移送手段は、ここでは一般的に、対応する移送機構、特に手動で動作する移送手段によって確保される。
【0016】
これに関連して、同じ特許ファミリーに属する国際公開第2008/101455号またはドイツ連邦共和国特許出願公開第10 2007 008 722号は、ガン状ハウジングを有するホットグルーまたは高速接着ガンに関するもので、このガンの構造は、加工すべきホットメルト接着剤がいろいろな速度で、ホットメルトグルーガンを介して導入されるようなものである;これに関連して、加熱力は、ホットメルト接着剤を溶融させるために適合させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】WO2008/101455
【特許文献2】DE10 2007 008 722
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、ホットメルト接着剤の加工に一般的に使用されるホットメルトグルーガンの欠点の1つは、ホットメルト接着剤の塗布または加工の後に、特に加熱または溶融装置および吐出装置または接着ノズルの領域において、すでに溶融している接着剤が残っていることである。これは、以下に記載されるように、それらの化学的後架橋および化学的接着結合の開発のために、これらの接着剤はいわゆる不可逆的硬化を受け、熱に曝されても溶融性接着結合を形成しないので、特に反応性ホットメルト接着剤に関する問題である。これに関する可能性のある結果は、残留ホットメルト接着剤が排除できずまたは使用直後にクリーニングされないホットメルトグルーガンが使用不能になることであり、または、新たな作業前に分解して清掃しなければならないことであり、これは高価で不便である。
【0019】
この技術は、一般に、すなわち一方で非反応性ホットメルト接着剤であり且つ他方で反応性ホットメルト接着剤として参照される2種類のホットメルト接着剤が知られている:したがって、先行技術においてしばしば使用されるものは、例えばエチレン−酢酸ビニル(EVA)およびポリエステル(PES)に基づく種類の非反応性ホットメルト接着剤である。この種の非反応性ホットメルト接着剤は、その魅力的な価格/性能の交換条件に基づいて多数の標準的な用途に使用されている。従って、スティック状の接着剤の化学的基礎は、特にエチレン−酢酸ビニル(EVA)である。ポリオレフィン(PES)の使用に加えて、ポリオレフィン(PO)またはポリアミド(PA)をベースにしたホットグルーがある。前述のスティックは、その化学組成に関して基本的に均質である。
【0020】
例えば、EVAスティック用の適用分野は、主に花飾および包装産業の分野にある。ポリアミドは、自動車産業および電気産業分野で使用されている。
【0021】
非反応性ホットメルト接着剤は、特に、短い開放時間および硬化時間の点で注目に値する。ここで、非反応性ホットメルト接着剤の中心的な結合原理は、実際の結合が、吐出されたホットメルト接着剤の冷却時に存在する接着剤の固化の結果として本質的に物理的であることである。結果として、非反応性ホットメルト接着剤に基づく問題の接着剤系は、すべて非常に良好な取扱性を持っているが、純粋に物理的結合のために理想的な結合特性を常に有するものではない。
【0022】
非反応性ホットメルト接着剤に関しては、この点でも、圧密化が行われた後、原理的には再び溶融することができると言わねばならない;これらのガンは、比較的長い操作の中止の間ですらいわゆる「目詰まり」しないので、ホットメルトグルーガンでの取扱いを実際に容易にするが、それは、発現する接着接合が、場合によって十分に熱安定性ではないので、そのような接着特性に関して不利である。したがって、その結果、問題の非反応性ホットメルト接着剤は必ずしも十分に耐熱性であるとは限らない。
【0023】
これに関連して、非反応性ホットメルト接着剤は、機械的寸法の完全性が低いこと、それらは、相対的に低い静的負荷下で且つ相対的高い周囲温度ですらクリープを示す傾向があるという欠点を有する。この理由からも、非反応性ホットメルト接着剤は、特に上記室温での用途における狭い使用範囲を有するものである。さらに、特にそれらが加工された後、非反応性ホットメルト接着剤は、化学的に常に適切な耐性を示すとは限らない。
【0024】
上記の非反応性ホットメルト接着剤と同様に、例えば反応性ポリウレタンまたは例えばシラン変性ポリオレフィンに基づいて形成された先行技術において原理的に知られている反応性ホットメルト接着剤も存在する。
【0025】
反応性ホットメルト接着剤の特定の特徴は、それらが、特に加工または適用の間および後に、例えば熱、光線または湿気の影響下で、(後)架橋を導き、および/もしくはさらなる物理的接着特性を導き、化学的接着結合の進展を導く化学的反応官能基を有することである。
【0026】
したがって、反応性ホットメルト接着剤の加工または適用において、接着されるべき物品への適用に続いて、物理的条件だけでなく、それと関連しておよび/もしくは引き続いて、高い凝集力を有する高分子量ポリマーを形成し、および/もしくは物品の表面との化学反応による追加の接着結合を形成するさらなる化学反応も存在する。このように、反応性ホットメルト接着剤では、非常に良好な結合特性、良好な低温柔軟性と併せた高温安定性、および多数の化学物質に対する高い抵抗性を達成することが可能である。したがって、反応性ホットメルト接着剤は、上記の迅速硬化型非反応性ホットメルト接着剤の利点だけでなく、化学的架橋および化学的接着結合の形成に関連するホットメルト接着剤の利点も有する。特に、反応後のホットメルト接着剤は、特に後架橋に起因して、言い換えれば、最初の物理的硬化、および同様に、長引いた乾燥段階のない迅速な加工工程を示す。
【0027】
特に、反応性ホットメルト接着剤は、化学的な後架橋および化学的接着結合の発現により、それに応じて硬化した反応性ホットメルト接着剤をもはや熱に曝すことによって決して溶融することができないか、形成された接着結合が熱によって分離することがない限り、良好な結合特性および高温耐性を有する。
【0028】
しかしながら、この背景に対して、それらの貯蔵および特にホットメルトグルーガン内におけるそれらの加工において、一方では、例えば(大気)水分または(周囲)光線との過剰な接触が、ホットメルト接着剤の化学反応性基の望ましくない早期の反応を導くので、反応性ホットメルト接着剤は問題である。他方では、ホットメルトグルーガンでの加工の場合には、予め溶融され、特に加熱または溶融装置の領域に残り且つ吐出装置、特に接着ノズルの領域に残っている反応性ホットメルト接着剤が、操作における中止または停止の場合に、(熱的に)不可逆的硬化を受ける可能性があり、その際、反応性ホットメルト接着剤と接触しているホットメルトグルーガンの内側表面との化学的接着結合に入る可能性があり、そのような結合はその後の加熱によっても分離が不可能である;したがって、加熱によっても排除できないホットメルトグルーガンの望ましくない目詰まりが生じる。
【0029】
ホットメルトグルーガン等のようなホットメルト接着剤塗布装置におけるそれらの加工特性に関して、上述の反応性ホットメルト接着剤は、関連する装置の対応する使用後および接着剤の硬化後に、この装置から容易に取り外すことができないので、不利である。
【0030】
したがって、結果として、反応性ホットメルト接着剤は、特にホットメルトグルーガンにおけるそれらの用途に関して、所望の貯蔵および加工特性を常に有するとは限らない。
【0031】
したがって、この技術的背景に対して、本発明の目的は、反応性ホットメルト接着剤をベースにしたホットメルトグルーガンによる加工に適した特殊なスティックタイプのホットメルト接着体を提供することにあり、また、本発明のホットメルト接着体の製造方法を提供することにあり、これによってホットメルトグルーガン中の反応性ホットメルト接着体の加工特性に関して、上に概説した先行技術の欠点が回避されるか、さもなければ少なくとも抑制される。
【0032】
特に、本発明のさらなる目的は、特にホットメルトグルーガンでの使用に関して改良された用途特有の特性または加工特有の特性を示す反応性ホットメルト接着剤に基づく対応するホットメルト接着体を提供することであり、本発明は、ここで、例えば、加熱または溶融装置、特に接着ノズルのような作動状態において流体形態の反応性ホットメルト接着剤を具備するホットメルトグルーガンの構成要素の不可逆的な、後加工の目詰まりまたはブロッキングを防止するものである。
【0033】
これに関して、本発明のさらなる目的は、本発明によって提供されるホットメルト接着体の使用または加工に関して、ホットメルトグルーガンの不可逆的な目詰まりまたはブロッキングを防止する目的で、本発明に従って提供される措置を、使用者が信頼できる加工特有の監視または検証することを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明の目的は、本発明の第1の様相によれば、請求項1に記載のスティック型ホットメルト接着体、特にホットメルト接着スティックによって、本発明の第1の様相によれば達成される。さらに、本発明のスティック型ホットメルト接着体の有利な構成は、関連する従属請求項の主題である。
【0035】
本発明の別の主題は、本発明の第2の様相によれば、関連する請求項に記載の本発明によるホットメルト接着体を製造するための本発明の方法である。さらに、本発明の方法の有利な構成は、関連する従属請求項の主題である。
【0036】
本発明の第3の様相によれば、本発明の別の主題は、これに関して、対応する独立請求項に定義される本発明の方法によって得ることができる本発明のホットメルト接着体でもある。
【0037】
また、本発明の第4の様相によれば、本発明のさらなる主題は、ホットメルト接着剤吐出装置に関する独立請求項に記載のホットメルト接着剤吐出装置(ホットメルト接着剤加工装置)である。さらに、本発明のホットメルト接着剤吐出装置の有利な構成は、関連する従属請求項の主題である。
【0038】
本発明の第5の様相によれば、本発明はさらに、本発明、キットに関連する独立請求項に係る少なくとも1つのホットメルト接着剤吐出装置および少なくとも1つの本発明によるホットメルト接着体とを有する本発明のキットに関する。
【0039】
さらに、本発明のさらなる主題は、本発明の第6の様相によれば、本発明のパックユニットまたは本発明によるコンテナである。
【0040】
さらに、本発明の第7の様相によれば、本発明のさらに別の主題は、この使用に関連する独立請求項に従って、本発明によるホットメルト接着体を使用して、プロセスを接合または接合するため、または物品または構成要素を接合および/もしくは接合することである。
【0041】
さらに、本発明の第8の様相によれば、本発明の別の主題は、この使用に関する独立請求項に限定されているように、本発明によるホットメルト接着体を形成するセクション間の視覚的または光学的な差異を識別または提供するための、少なくとも1つの着色成分または着色剤の本発明による使用である。
【0042】
最後に、本発明の第10の様相によれば、本発明は、この様相に係る本発明の方法に関する独立請求項において定義されているように、ホットメルト接着体を形成する領域間における視覚的または光学的な差異を特定または提供するための方法に関する。
【0043】
本発明の1つの様相に関して、本発明の下記する記載において、以下に説明されるそのような実施形態、構成、利点、実施例などは、もちろん、これは明示的に述べられる必要なしに、本発明の他の様相に対応して適用されることは容易に理解される。
【0044】
さらに、以下の本文中の値、数字および範囲の指示において、示されたそれぞれの値、数および範囲は限定的な解釈を与えてはならないことは容易に理解されるであろう;当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく、示された範囲またはデータから、個々の場合において、または特定の用途に関連して、逸脱することができることは自明である。
【0045】
原理的には、以下に示す値またはパラメータ等の全てが、正規化された、または標準化された、または明示的に示された決定方法に到達または測定されるか、そうでなければ、当業者にはそれ自体は慣れている測定または決定の方法によって測定することができる場合もある。他に示さない限り、基本的な値またはパラメータは、標準的な条件(すなわち、特に20℃の温度および/もしくは1013.25hPaまたは1.01325バールの圧力下で)で測定される。
【0046】
以下に示すすべての相対量またはパーセンテージ量、特に以下に示す重量ベース量に関して、これらの数値表示は、本発明に関連して−適宜、さらなる化学成分また含有物、特に以下に定義されたような成分を含有する−100%または100重量%になるような方法において、当業者によって選択されおよび/もしくは組み合わされることを心に留めておくべきである。しかしながら、これは当業者に自明である。
【0047】
これが確立され、本発明は、具体的には、好ましい実施形態または実施例を示す図面または図面によって、以下でより詳細に説明され明らかにされる。
【0048】
それゆえに、本発明の第1の様相によれば、本発明の主題は、特にホットメルトグルーガンにおける使用のための好ましくは円筒状のスティックタイプのホットメルト接着体、特にホットメルト接着剤スティックにおいて、ホットメルト接着体は、少なくとも1つの反応性ホットメルト接着剤を具備するかまたはそれからなる少なくとも1つの第1のセクションと、少なくとも1つのクリーニング剤(パージング剤)を有するかまたはそれからなる少なくとも1つの第2のセクションとを具備すること、一方では第1のセクションおよび/もしくは反応性ホットメルト接着剤、他方では第2のセクションおよび/もしくはクリーニング剤は、お互いに光学的および/もしくは視覚的に異なり、特にお互いに色が異なるように構成されているものである。
【0049】
したがって、本発明は、好ましくは円筒形状であり且つホットメルトグルーガンでの加工に適している特定のスティックタイプのホットメルト接着体またはホットメルト接着剤スティックに関するものであり、ここで、本発明によるスティック型ホットメルト接着体は、反応性ホットメルト接着剤から空間的に分離されたクリーニング剤と組み合わせて、少なくとも1つの反応性ホットメルト接着剤を具備するものである。そのため、本発明によれば、スティック型ホットメルト接着体またはホットメルト接着剤スティックは、ホットメルトグルーガンでの加工に適用可能な反応性ホットメルト接着剤系であり、そのために特に一成分反応性ホットメルト接着剤系が使用される。
【0050】
ここで、本発明のアプローチは、ここでは、本発明のスティック型ホットメルト接着体が、意図的な組み合わせにおいて、個別または相互に異なる領域を有するかまたは形成され、それぞれの領域が当該反応性ホットメルト接着剤システム (ホットメルト接着剤領域)またはパージング剤(クリーニング剤領域)として同義語的に参照される特定のクリーニング剤のいずれかを具備するものである。このアプローチに関して、関連する領域は、以下でさらに詳細に観察されるように、互いに光学的または視覚的に異なり、またはそれらの構成において互いに区別可能である。
【0051】
一般的にいえば、当該領域は、特に円筒形状で且つホットメルト接着体の適用状態もしくは使用状態、特にホットメルトグルーガンにおいて存在する本発明によるホットメルト接着体の長手方向の軸に沿って配置され、前記領域は対応する加工を連続的に受けるものであり、その結果、言い換えれば、元成分の加工において、一方の反応性ホットメルト接着剤および他方のクリーニング剤またはパージング剤は、それぞれの溶融物の形で順次加工または吐出される。ここで、クリーニング剤領域の加工によって、ホットメルトグルーガン、特に加熱または溶融装置および吐出装置は、反応性ホットメルト接着剤を除去またはクリーニングし、それによって、ホットメルトグルーガンの永久的な目詰まりを、長い停止時またはそれぞれの操作領域間でさえも弱めることができる。
【0052】
したがって、本発明のホットメルト接着体、特に接着剤スティックの適用または加工においては、一方では反応性ホットメルト接着剤の吐出、他方では清浄剤またはパージング剤の吐出のいずれかが連続して存在し、接着作業、パージング作業のいずれかであると共に、パージング作業は、ホットメルトグルーガンの対応するクリーニングを生じるものである。識別可能性のために、使用者はいつでもこれらの作業にしたがうことができる。
【0053】
これに関連して、本発明によって使用される清浄剤またはパージング剤の中心的な機能は、その溶融時に、ホットメルトグルーガンの溶融装置および/もしくは吐出装置に予め存在する溶融メルト接着剤が除去され、クリーニング剤で置換されるもので、一般的に、これは一般に再溶融可能であり、クリーニング剤が操作部間のホットメルトグルーガン内におよび/もしくは前記ガンの保管中に残ることを可能にする。これにより、本発明によれば、ホットメルトグルーガンは、架橋後ももはや溶融可能ではないホットメルト接着剤がないこと、特に装置の不可逆的な目詰まりが防止されるので、その有用性または保守性を保持するものである。
【0054】
これに関連して、本発明の中心的な概念は、上述したように、本発明のホットメルト接着体の領域(一方では反応性ホットメルト接着剤を有する領域と、他方ではクリーニング剤またはパージング剤の領域)が、それらの配置においてお互い光学的にまたは視覚的に異なるものであり、特に本発明によって当該領域の異なる着色によって確保されるものである。
【0055】
異なった色でも、例えば異なる透光性または不透明度によって、および/もしくは該当する領域の部分上の異なる光学濃度によって、好ましくは異なる着色または彩色によって保証することができる光学的または視覚的な区別の結果として、使用者は、ホットメルト接着剤吐出装置、特にホットメルトグルーガンからどの材料(すなわち一方のホットメルト接着剤および他方のクリーニングまたはパージング剤)が吐出されているかを直接評価することが可能であり、吐出された材料は、装置から供給された溶融物に基づいて直接的に評価され得る。したがって、これに基づいて、使用者は、接着加工とクリーニング加工またはパージング加工との間の目標とされたモニタリングまたは相互調和を行うことができる。したがって、使用者は、ホットメルトグルーガンを相応に格納可能な状態にすることができ、高価で不便なクリーニングをすることなく、使用者はいつでもホットメルトグルーガンを再び使用することができる。
【0056】
一方では反応性ホットメルト接着剤の形態で、他方ではクリーニング剤またはパージング剤の形態でのサイズおよび/もしくは容積の個々の配置および設計ならびにそれぞれの領域の数の選択により、本発明のホットメルト接着体は、特にそれぞれの最終用途または最終用途の背景に対して、調整または個々に適合させることが可能である。これは、本発明によれば、さらに後述するように、一方では特定の反応性ホットメルト接着剤、他方ではそれに続く特定のクリーニング剤を使用することができ、それによって例えば使用される接着剤の化学的特性および/もしくは接着特性に関連するクリーニングもしくはパージング特性を個別に調整するために、意図的に結合することができるものである。
【0057】
したがって、全体として、本発明によるアプローチは、以下に再び要約され、拡張解釈されるように、多くの利点を伴う。
・ 反応性ホットメルト接着剤に基づくホットメルト接着体の提供を介して、本発明は、特に顕著な加工特性(例えば、短い硬化時間など)に関して、非反応性ホットメルト接着剤の利点が、特に、後架橋および/もしくは化学的接着結合の進行に関連によって、反応性ホットメルト接着剤システムの非常に良好な接着性能と結びついている強力な接着剤系を提供する。
・ 同時に、時には反応性ホットメルト接着剤システムに付随する欠点が本発明の範囲内で克服される:したがって、反応性ホットメルト接着剤とクリーニング剤との意図的な組み合わせにより、関連する塗布装置、特にホットメルト接着ガンの時々の恒久的な目詰まりを防止することに関して、加工の一部としてのその適用を持続的に改善する。したがって、本発明の範囲内で、全体的に驚くべきことに、使用される反応性ホットメルト接着剤の観点から、一方では優れた接着性能の直径特性を、他方では改善された技術的適用面を一体化することが成功したと共に、1つの同じ材料で、光学的分化のための能力によって取り扱いが著しく改善される。
・ これに関連して、一方では反応性ホットメルト接着剤を用い、他方ではクリーニング剤を用いて、ホットメルト接着体が基になっている部分は互いに光学的に異なる、特に互いの色が異なる設計であり、加工の過程で、どの材料がホットメルトグルーガンから吐出されているかをいつでも知ることができることが、本発明の範囲内で確保される。
・ したがって、これに基づいて、ホットメルトグルーガンのチップまたはノズルで、関連するクリーニング剤またはパージング剤が吐出されるまで組成物が吐出されるものであり、視覚的にまたは光学的に知覚するのは簡単であるので、使用者または加工者が、停止のために使用されるホットメルトグルーガンを準備またはセットアップすることは非常に簡単である。したがって、本質的に、少量のクリーニング剤で十分であり、したがって、本発明のホットメルト接着体は、全体として、反応性ホットメルト接着剤の高い割合を有することができる。
・ したがって、これに関連して、ガンの費用のかかる不便な解体および清掃、または清浄剤またはパージング剤の別個の導入のための必要性もなく、それによって維持および維持のコストおよび複雑性が持続的に低減される。
・ これに対応して、再び反応性ホットメルト接着剤がホットメルトグルーガンのノズルで吐出されるまで組成物が吐出されるだけであり、これは再び光学的または視覚的手段によって直接知覚され得ることから、使用されるホットメルトグルーガンは、莫大なコストと複雑さを伴わずに操作することができる。したがって、視覚的にまたは光学的に異なるまたは異なる色の反応性ホットメルト接着剤がノズルチップに現れるとすぐに、操作および接着プロセスを再開することができ、これは材料の最適消費にも関連する。
・ 以下でより詳細に説明するように、クリーニング剤またはパージング剤は、特に、反応性ホットメルト接着剤と適合する非反応性材料または熱可塑性または非反応性ホットメルト接着剤の形態の材料を具備し、常にクリーニング装置やパージング剤を再度溶融させることができ、塗布装置やホットメルトグルーガンの目詰まりを防止することができる。
【0058】
上述したように、反応性ホットメルト接着剤、より特定的には一成分反応性ホットメルト接着剤をクリーニング剤またはパージング剤、特に熱可塑性クリーニング剤またはパージング剤と組み合わせることにより、本発明によるホットメルト接着体、より詳細には円筒状のホットメルト接着体に基づいて、従来技術に対してホットメルトグルーガンを用いた加工に関して持続的な改善が達成される。
【0059】
それゆえに、上述したように、本発明の中心的な概念は、反応性ホットメルト接着剤を有するホットメルト接着体の第1のセクションおよび/もしくは本発明のホットメルト接着体の同様のクリーニング剤のような第2のセクションを設計することである。
【0060】
これに関連して、本発明は、特に一方では第1のセクションおよび/もしくは反応性ホットメルト接着剤、他方では第2のセクションおよび/もしくはクリーニング剤が、互いに異なる光透過性(半透明性)、好ましくは互いに異なる色を有することを想定するものである。この手段によって、問題の構成要素の正確な光学的または視覚的な区別を確実にすることが可能であり、特にホットメルトグルーガンなどの対応するホットメルト接着剤吐出装置から溶融状態で吐出される場合にも同様である。これに対応して、使用者または加工者は、適用時にホットメルトグルーガンからどの材料が吐出されているかに関する視覚的または光学的情報をいつでも受け取ることができるものである。
【0061】
本発明の具体例によれば、これに関連して、第1のセクションおよび/もしくは反応性ホットメルト接着剤が少なくとも実質的に無色であるように構成されていることが可能である。これに関して、第1のセクションおよび/もしくは反応性ホットメルト接着剤は、少なくとも実質的に着色成分(着色剤)を含まなくてよく、特に追加の着色成分を含まない。
【0062】
さらに、本発明によれば、第2のセクションおよび/もしくはクリーニング剤が着色されていることが可能である。これに関して、第2のセクションおよび/もしくはクリーニング剤は、少なくとも1つの着色成分(着色剤)を含んでもよい。
【0063】
しかしながら、本発明によれば、第2のセクションおよび/もしくはクリーニング剤が無色および/もしくは対応する着色成分(着色剤)を含まない場合もあり得るので、第1のセクションまたは反応性ホットメルト接着剤は、特に着色成分または着色剤の添加によって相応して着色される。
【0064】
本発明にしたがって想定される光学的差異を確保するために、それぞれ第1のセクションおよび第2のセクションを設計するためのさらなる技術的対策については、以下の所見も参照することができる。
【0065】
本発明によれば、光学的差、特に色差が、一方でホットメルト接着剤および他方でクリーニング剤の溶融状態、特に溶融されかつ/または使用および/もしくは加工の間、少なくとも実質的に保持される場合である。これにより、特に溶融物の形態または流体状態におけるホットメルトグルーガンから吐出されている材料の対応する差別化または評価を可能にする。
【0066】
これに関連して、本発明は、特に、光学的な差、特に色の差異が、使用者によって知覚可能であり、特にホットメルト接着体の使用および/もしくは加工の間に、特にホットメルトグルーガンによる、特に、反応性ホットメルト接着剤およびクリーニング剤のそれぞれが溶融した形態における吐出および/もしくは塗布の間かつ/または吐出および/もしくは塗布から、視覚的および/もしくは光学的に知覚可能であることを提供する。したがって、使用者または加工者は、塗布または加工中のいつでも、ホットメルトグルーガンから特定の材料が吐出されていることに関する情報を受け取り、それに応じて、接着加工が、接着加工およびクリーニング加工が実行されているかどうかについて直接的な結論を出すことができるものである。
【0067】
本発明のホットメルト接着体の物理的設計または成形に関しては、特に、対応するベース領域および高さ(すなわち、ホットメルト接着体の長さ)を有する円筒状のスティックである。特に、本発明によるホットメルト接着体、特に円筒状のホットメルト接着体は、少なくとも実質的に(円形に)丸い断面を有する。
【0068】
一般に、本発明によるホットメルト接着体を形成する第1および第2のセクションは、本発明によるホットメルト接着体の長手方向軸に沿って配置されており、ここで、特に、これらの領域は、本発明によるホットメルト接着体を対応して形成する。
【0069】
本発明によれば、特に、第1のセクションおよび第2のセクションは、それぞれ円筒形状を有する。
【0070】
本発明によれば、第1のセクションおよび第2のセクションが少なくとも実質的に同一のベース領域および/もしくは少なくとも実質的に同一の直径を有することがさらに好ましい。特に、それぞれのベース領域は、形状および/もしくは面積において、より詳細には形状及び面積において同一である。
【0071】
さらに、本発明は、特に、第1のセクションおよび第2のセクションが、ホットメルト接着体内に存在するそれぞれの範囲および/もしくは位置の範囲において、本発明によるホットメルト接着体を形成することを提供する。したがって、この場合、本発明によるホットメルト接着体は、全体として、構成領域の全体的な配置または全体によって形成される。
【0072】
本発明の1つの実施形態によれば、第1のセクションがホットメルト接着体の第1の端部を形成し、第2のセクションがホットメルト接着体の第2の端部を形成する場合がある。したがって、ホットメルト接着体の一方の端部に配置される第1のセクションまたは反応性ホットメルト接着剤および他方の端部に配置される第2のセクションまたはクリーニング剤について、特に本発明によって提供される。したがって、使用または加工に関して、例えば、反応性ホットメルト接着剤を最初に加工した後、関連するホットメルトグルーガンをすすぐまたは掃除する目的でクリーニング剤を下流に吐出することが可能である。例えば、本発明によるホットメルト接着体は、正確に1つの第1のセクションと1つの第2のセクション(配置:第1のセクション/第2のセクション;例えば、以下のような長さ設計または体積設計:2/3第1のセクション/1/3第2のセクション)を具備することができる。
【0073】
しかしながら、本発明によれば、本発明によるホットメルト接着体の両端部は、それぞれの場合に第1のセクションによって、または第2のセクションによって、より具体的にはいずれの場合にも第2のセクションによって形成されることが可能である。第2のセクションまたはクリーニング剤によって両端部が形成される本発明の実施形態では、これは、用途または使用において、最初にホットメルトグルーガンのパージングまたはクリーニングが行われ、続いて反応性ホットメルト接着剤の吐出が続き、最後にホットメルトグルーガンの最終クリーニングまたはパージングが続くことを意味する。これに関連して、本発明の1つの有利な形態では、特に、両端が第2のセクションによって形成され、第2のセクションが両側の第1のセクションに隣接するホットメルト接着体が提供される(配置:第2のセクション/第1のセクション/第2のセクション;例えば、以下のような長さ設計または体積設計:1/4第2のセクション/2/4第1のセクション/1/4第2のセクション)。
【0074】
本発明による特に好ましい実施形態によれば、第1のセクションおよび第2のセクションは、それぞれの場合に互いに配置された、特に互いに対向しているベース領域、特にシリンダベース領域で互いに接続され、特に永続的に接続または接合されている。したがって、本発明によれば、それぞれの場合に接続された部分を有するかまたはそれらからなるワンピースホットメルト接着体が提供される。
【0075】
さらに、好ましい方法において、第1のセクションおよび第2のセクションはそれぞれ、ホットメルト接着体の長手方向軸に沿って配置され、特に、第1のセクションの長手方向軸および第2のセクションの長手方向軸が、それぞれの部分によって形成されたホットメルト接着体の長手方向軸線上にあるようにするものである。
【0076】
ホットメルト接着体が、同一数の第1のセクションおよび第2のセクションを有する場合が一般的であり得る。例えば、ホットメルト接着体は、第1のセクションおよび第2のセクションまたは2つの第1のセクションおよび2つの第2のセクションなどを有することができる。
【0077】
一般に、本発明によれば、ホットメルト接着体は、複数の、特に2,3,4またはそれ以上の第1のセクションと、複数の、特に2,3,4またはそれ以上の第2のセクションを有する場合がある。
【0078】
一般的に、これに関連して、一方では1つの第1のセクションおよび/もしくは複数の第1のセクション、他方では1つの第2のセクションおよび/もしくは複数の第2のセクションは、交互にかつ/またはホットメルト接着剤の長手軸に沿ってお互いに交互に配置される場合がある。したがって、加工の状況では、ホットメルト接着剤またはクリーニング剤が交互に吐出される。したがって、対応する部分の数の選択のために、一方では反応性ホットメルト接着剤の、もう一方ではクリーニング剤の吐出間隔の数を指定することが可能である。
【0079】
本発明によれば、第1のセクションと第2のセクションが、互いに異なる長さを有する場合がある。
【0080】
これに関連して、特に、第1のセクションが、第2のセクションよりも長い長さを有する場合がある。
【0081】
同様に、第1のセクションと第2のセクションの長さ比[長さ比第1のセクション:第2のセクション]は、50:1〜0.5:1の範囲、特に25:1〜0.75:1の範囲、好ましくは10:1〜1:1の範囲、より好ましくは5:1〜1.25:1の範囲、非常に好ましくは4:1〜1.5:1の範囲である。
【0082】
特に、第1のセクションと第2のセクションの長さ比[長さ比第1のセクション:第2のセクション]は、少なくとも0.5:1、特に少なくとも0.75:1、好ましくは少なくとも1:1、より好ましくは少なくとも1.25:1、非常に好ましくは少なくとも1.5:1である。
【0083】
また、第1のセクションと第2のセクションの長さ比(長さ比第1のセクション:第2部分)は、最大で50:1、特に最大で25:1、好ましくは最大で10:1、より好ましくは最大で5:1、非常に好ましくは最大で4:1である。
【0084】
特に、本発明によれば、第1のセクションおよび第2のセクションが、互いに異なる体積、特に一方の反応性ホットメルト接着剤および他方のクリーニング剤の異なる体積を有する場合もあり得る。
【0085】
したがって、本発明によれば、第1のセクションの体積、特に反応性ホットメルト接着剤の体積は、第2のセクションの体積、特にクリーニング剤の体積よりも大きい場合がある。
【0086】
特に、第1のセクションと第2のセクションの体積比[体積比第1のセクション:第2のセクション]が50:1〜0.5:1、特に25:1〜0.75:1、好ましくは10:1〜1:1、より好ましくは5:1〜1.25:1、非常に好ましくは4:1〜1.5:1の範囲にある場合がある。
【0087】
これに対応して、本発明によれば、第1のセクションと第2のセクションの体積比[体積比第1のセクション:第2のセクション]は、少なくとも0.5:1、特に少なくとも0.75:1、好ましくは少なくとも1:1、より好ましくは少なくとも1.25:1、非常に好ましくは少なくとも1.5:1である。
【0088】
特に、第1のセクションと第2のセクションの体積比[体積比第1のセクション:第2のセクション]は、最大で50:1、特に最大で25:1、好ましくは最大で10:1、より好ましくは最大で5:1、非常に好ましく最大で4:1である。
【0089】
第1および第2のセクションの長さ比および/もしくは当該部分の体積比の目標とされた選択により、吐出または塗布される反応性ホットメルト接着剤の量およびクリーニング剤のそれぞれの量を予め決定または調整し、互いに調和させることが可能である。本発明によれば、特に、クリーニング剤の体積と比較して、それに対応して大きい体積の反応性ホットメルト接着剤が存在し、それによって接着剤塗布の加工工程がそれに応じて拡張される。特に、対応するホットメルトグルーガンの効率的なパージングまたはクリーニングを確実にするために、第2のセクションの長さおよび/もしくはその体積を選択または調整すべきであり、当業者はいつでもそれを達成することができる位置にある。
【0090】
さらに、前記部分の配置に関して、ホットメルト接着体の加工方向、特にホットメルトグルーガンにおけるホットメルト接着剤の使用または加工の場合に、第1のセクションが、第1のセクションに隣接している第2のセクションの下流側に配置される。したがって、この実施形態によれば、ホットメルト接着体の加工方向において、第1のセクションは、言い換えれば隣接する第2のセクションの上流に配置され、最初に吐出される接着剤として加工される。
【0091】
特に、ホットメルト接着体の加工方向において、特にホットメルトグルーガンにおけるホットメルト接着体の使用および/もしくは加工の場合に、下流側に最初に配置される部分は、第1のセクションによって形成される場合がある。このことから、本発明のホットメルト接着体をホットメルトグルーガンに加工または使用において、それは最初に吐出される反応性ホットメルト接着剤であり、接着剤の接着を直ちに開始することができる。この種の配置は、ホットメルトグルーガンの停止前の動作において、すすぎまたは清掃が最後に行われたときに、特に有利である。
【0092】
しかしながら、同様に、本発明による場合は、特にホットメルトグルーガンにおけるホットメルト接着体の使用および/もしくは加工の場合において、ホットメルト接着体の加工方向において、下流側に最初に配置された部分は、第2のセクションによって形成されることである。これは、ホットメルト接着体の加工または使用において、またはホットメルトグルーガンの動作において、装置が最初にクリーニング剤でパージングまたはクリーニングされ、それにより反応性ホットメルト接着剤のその後の吐出またはその後の塗布を最適化することを意味する。
【0093】
それゆえに、本発明によれば、ホットメルト接着体の加工方向において、特にホットメルトグルーガンにおけるホットメルト接着体の使用および/もしくは加工の場合において、下流側に最初に配置される部分は、第1のセクションによって形成される場合であるか、またホットメルト接着体の加工方向において、特にホットメルトグルーガンにおけるホットメルト接着体の使用および/もしくは加工の場合において、下流側に最初に配置される部分は、第2のセクションによって形成される場合である。
【0094】
本発明による好ましい実施形態の1つによれば、ホットメルト接着体の加工方向において、特にホットメルトグルーガンにおけるホットメルト接着体の使用および/もしくは加工の場合において、下流側の最後に配置される部分は、第2のセクションによって形成される。したがって、本発明によるホットメルト接着体の加工または使用において、ホットメルトグルーガンのそれぞれの作業の範囲内で、下流側に最後に配置された部分は、第2のセクションによって形成されるので、これに対応してこの銃をきれいな状態で停止させることができ、この理由によって、後続の加工サイクルのための作業の即時再開を保証することができる。
【0095】
本発明の第1のセクションおよび第2のセクションの寸法およびこれによる
ホットメルト接着体の寸法は、広い範囲で変化し得る。
【0096】
特に、ホットメルト接着体は、1cm〜100cmの範囲内、特に2cm〜80cmの範囲内、好ましくは3cm〜60cmの範囲内、より好ましくは4cm〜40cmの範囲内、非常に好ましくは5cm〜30cmの範囲内の長さを有することが可能である。
【0097】
同様に、ホットメルト接着体は、0.1cm〜10cmの範囲内、特に0.2cm〜5cmの範囲内、好ましくは0.4cm〜4cmの範囲内、より好ましくは0.5cm〜3cmの範囲内、非常に好ましくは0.6cm〜1.5cmの範囲内の直径を有することが可能である。
【0098】
特に、ホットメルト接着体は、ホットメルト接着剤スティックに対して標準化されているか、または商業的に慣習的なサイズを有することができる。これに関連して、本発明によるホットメルト接着体またはホットメルト接着剤スティックは、商業的に慣習的なホットメルトグルーガンに使用するための接着剤スティックまたは接着剤カートリッジのように設計することができる。この目的のために、スティック形態のホットメルト接着体は、例えば7mm、11mm、12mmまたは18mmの(商業的に)慣習的な直径を有すると共に、例えば5cm〜30cmの接着剤スティック長(たとえば19mmの直径には30cmの長さ、12mmの直径には20cmの長さ)を有する。
【0099】
さらに、本発明によれば、第1のセクションおよび/もしくは第2のセクションがいずれの場合も均一であるように構成されている場合、これは、特に、それぞれの構成要素がそれぞれのセクションに均一に存在するかまたは均一に分布しているという事実を指す。これは、反応性ホットメルト接着剤およびクリーニング剤の両方を加工する際に、それぞれの吐出の調和および/もしくは高品質につながる。
【0100】
さらに、本発明に従って使用される反応性ホットメルト接着剤に関して、反応性ホットメルト接着剤が熱可塑性および/もしくは一成分ホットメルト接着剤である場合がある。反応性ホットメルト接着剤を熱可塑性ホットメルト接着剤として構成することにより、特に、加工または使用に関して定義された溶融特性が確保されるかまたは可能にされる。さらに、反応性ホットメルト接着剤の一成分ホットメルト接着剤としての構成は、適用および/もしくは加工に特有の利点をもたらす。
【0101】
一般に、本発明によれば、反応性ホットメルト接着剤は、湿分架橋性、熱架橋性および/もしくは放射線架橋性ホットメルト接着剤、特に湿分架橋性ホットメルト接着剤である場合がある。反応性ホットメルト接着剤が湿分架橋性ホットメルト接着剤である本発明の実施形態の場合、加工または使用の一部として起こる任意の(後)架橋は、例えば大気湿分の存在下で行われてもよい。
【0102】
一般に、反応性ホットメルト接着剤は化学反応性基を具備する。これに関して、化学反応性基は、イソシアネート基、シラン基、エポキシド基、ウレタン基および反応性二重または多重結合(特にC−C二重または多重結合)ならびにそれらの組み合わせ、好ましくはイソシアネート基およびシラン基から選択することができる。特に、化学反応性基は、反応性ホットメルト接着剤の末端に、または、反応性ホットメルト接着剤の分子足場に末端に配置される。本発明によるホットメルト接着体の使用または用法において、この理論に制限されることを望むことなく、本発明によるホットメルト接着体の使用または使用において、この理論に限定されることを望まずに、問題の化学反応性基は、定義された後架橋をもたらし、また、接着すべき物品との化学的接着結合の発生を生じ、最終的に顕著な接着特性および接着剤の部分の高い熱安定性という結果をもたらす。
【0103】
本発明によれば、本発明によれば、特に反応性ホットメルト接着剤は、(i)反応性、特に湿分架橋性ポリウレタン(PUR)、好ましくはイソシアネート基で官能化されたポリウレタンおよび/もしくはイソシアネート基を含有するポリウレタン、より好ましくはイソシアネート末端ポリウレタン; (ii)反応性、特に湿分架橋性ポリオレフィン(POR)、好ましくはシラン基で官能化されたおよび/もしくはシラン基を含有するポリオレフィン、より好ましくはシラン基でグラフトされたポリオレフィン;(iii)反応性、特に放射線架橋性、好ましくはUV架橋性ポリ(メタ)アクリレート、好ましくはウレタン基で官能化されたウレタン基で官能化されたポリ(メタ)アクリレート;およびそれらの組合せからなる群から選択されるものであり、より好ましくは(i)反応性、特に湿分架橋性ポリウレタン(PUR)、好ましくはイソシアネート基で官能化されたポリウレタンおよび/もしくはイソシアネート基を含有するポリウレタン、より好ましくはイソシアネート末端ポリウレタンから選択されるものである場合が好ましい。
【0104】
これに関連して、特に、上記の反応性PURホットメルト接着剤は、高い耐熱性および多数の化学物質に対する高い耐性を有する一方、ポリオレフィン、特に該当するシラン変性ポリオレフィンの特徴の1つは、接着されるべき基板として、例えば未加工のポリオレフィン、特にポリプロピレンの接着が可能であることである。
【0105】
一般に、反応性ホットメルト接着剤は、室温(20℃)および周囲圧力(1013.25hPa)で固体状態であるべきである。さらに、反応性ホットメルト接着剤は、40℃〜100℃の範囲内、特に50℃〜90℃の範囲内、好ましくは55℃〜80℃の範囲内の、好ましくはDIN EN1238:2011−07によって測定される特にリングおよびボールによって測定される軟化点および/もしくは軟化範囲を有するべきである。
【0106】
これに関連して、反応性ホットメルト接着剤は、好ましくはDIN EN 1238:2011−07によって測定される特にリングおよびボールによって測定される少なくとも40℃、特に少なくとも50℃、好ましくは少なくとも55℃、好ましくは少なくとも60℃である軟化点および/もしくは軟化範囲を有するべきである。
【0107】
さらに、本発明に関連して、反応性ホットメルト接着剤が、特にDIN53765:1194−03によって測定される55℃〜275℃の範囲内、特に65℃〜225℃の範囲内、好ましくは70℃〜175℃の範囲内の動的走査熱量測定(DSC)によって特に測定される融点を有する場合に利点がある。
【0108】
これに関連して、反応性ホットメルト接着剤が、特に好ましくはDIN53765:1994−03によって測定される80℃〜300℃の範囲内、特に90℃〜250℃の範囲内、好ましくは95℃〜200℃の範囲内の動的走査熱量測定(DSC)によって測定される加工温度を有する場合に利点がある。
【0109】
反応性ホットメルト接着剤が、特にDIN EN ISO 3219:1994−10によっておよび/もしくは特に90℃〜200℃の範囲内の温度において測定された5000mPas〜150000mPasの範囲内、特に7500mPas〜125000mPasの範囲内、好ましく10000mPas〜100000mPasの範囲内の粘度、特に動的粘度を有する場合に有利である。
【0110】
さらに、反応性ホットメルト接着剤が、特に20℃の温度で測定されおよび/もしくは特にDIN IN 51757:2011−01によって測定された0.5g/cm〜2.5g/cmの範囲内、特に0.6g/cm〜2.3g/cmの範囲内、好ましくは0.7g/cm〜2.1g/cmの範囲内、より好ましくは0.8g/cm〜2g/cmの範囲内の密度ρを有するべきである。
【0111】
上記の反応性ホットメルト接着剤の特性および/もしくはパラメータは、特に溶融特性、流動性、および特にホットメルトグルーガンからの吐出行為に関して、用途特有のおよび/もしくは加工特有の特性および利点をもたらす。
【0112】
反応性ホットメルト接着剤として、例えばジョワト エスイーによって販売されている市販の製品Jowatherm Reaktant 601.60を使用することが可能である。
【0113】
さらに、本発明によって使用されるクリーニング剤またはパージング剤に関しては、クリーニング剤が熱可塑性、特に非反応性熱可塑性および/もしくは非反応性ホットメルト接着剤、特に熱可塑性非反応性ホットメルト接着剤であることは、本発明によれば特に当てはまる。このことから、新たな操作の後、クリーニング剤は溶融により熱にさらされることによってホットメルトグルーガンから除去され得る。
【0114】
特に、クリーニング剤は、ホットメルト接着剤に適合するクリーニング剤である。本発明に関連して使用される「相溶性」という用語は、特に、反応性ホットメルト接着剤に関して、クリーニング剤は、ホットメルト接着体の使用の一部として、関連するホットメルトグルーガンの極めて効率的なパージングまたはクリーニングを確実にするように設計および/もしくは選択され、したがって反応性ホットメルト接着剤を効率的に除去する。ここで、「相溶性」という用語は、特に以下に定義される種類のクリーニング剤の付随する物理化学的特性をも指す:
【0115】
これに関連して、本発明によれば、クリーニング剤が(i)エチレン−酢酸ビニル(EVAポリマー);(ii)(メタ)アクリレート;(iii)ポリオレフィン(PO)、特にポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)およびアタクチックポリオレフィン(APAO)、(iv)ポリウレタン(PU);(v)ポリアミド(PA)、(vi)ポリエステル(PES)およびそれらの組合せからなる群から選択される場合、 より好ましくは(i)エチレン−酢酸ビニル(EVAポリマー)、(ii)(メタ)アクリレート;(iii)ポリオレフィン(PO) およびそれらの組み合わせから選択される場合に利点がある。
【0116】
さらに本発明の1つの実施形態によれば、クリーニング剤および/もしくは第2のセクションが、反応性ホットメルト接着剤と、特に反応性ホットメルト接着剤の化学反応性基と反応する少なくとも1つの添加剤を含むこと、および/もしくは、反応性ホットメルト接着剤の化学反応性基を不活性化することがその場合である。この種類の添加剤の存在により、反応性ホットメルト接着剤の化学反応性基の対応する不活性化を実現するためのクリーニングおよび/もしくはパージングが可能であり、それにより、その(後)架橋および/もしくは(例えば、反応性ホットメルト接着剤の溶融物を運ぶホットメルトグルーガンの構成要素の内面への)化学接着結合を防止することができる。したがって、上記で定義したように添加剤が存在すると、反応性接着剤の反応性基をブロックすることができ、したがって、いわゆるそのような反応性ホットメルト接着剤自体を不活性化して非反応性ホットメルト接着剤に変換することができる。その結果、パージングまたはクリーニングは、それに続いて改善または促進される。さらに、(前の)反応性ホットメルト接着剤の汚染は、不活性状態においてそれがそれに続く加熱によって再び融解して塗布されることから、あまり重要ではない。
【0117】
これに関連して、添加剤は、反応性ホットメルト接着剤、特に反応性ホットメルト接着剤の化学反応性基と反応する官能基、特にヒドロキシル基を含むべきである。さらにこれに関連して、添加剤は単一の官能基を有するか、または単官能性でなければならない。関連ヒドロキシル基がPURホットメルト接着剤の遊離イソシアネート基と反応することができるので、例えば反応性PURホットメルト接着剤を使用する場合には、ヒドロキシル基を有する添加剤の供給が考えられる。したがって、原理的には、使用される特定の反応性ホットメルト接着剤に依存して、アミン基またはアミド基の使用も考慮される。当業者は、添加剤の対応する反応性基をいつでも選択し、それらを使用される反応性ホットメルト接着剤に合わせることができる。
【0118】
さらに、添加剤に関しては、20℃の温度の添加剤が、多くとも50Pa、特に多くとも40Pa、好ましくは多くとも30Pa、さらに好ましくは多くとも20Paの蒸気圧を有する場合に利点があることが判明した。この手段により、特に高温で加工する場合に、添加剤の早すぎる蒸発が防止される。これに関連して、添加剤は、反応性ホットメルト接着剤、特に反応性ホットメルト接着剤の化学反応性基と反応する官能基、特にヒドロキシル基を含むべきである。さらに、この関連では、添加剤は単一の官能基を有するか、または単官能性でなければならない。
【0119】
さらに、添加剤は、有機化合物、特にモノアルコール、好ましくはC〜C30モノアルコール、特にC〜C30脂肪アルコールおよび/もしくはベンジルアルコールであるべきである。
【0120】
特に、クリーニング剤および/また第2のセクションは、クリーニング剤および/もしくは第2のセクションに基づいて、多くとも20重量%、特に多くとも15重量%、好ましくは多くとも10重量%、より好ましくは多くとも5重量%、非常に好ましくは多くとも2重量%の量の添加剤を含有することが好ましい。特に、クリーニング剤および/もしくは第2のセクションは、クリーニング剤および/もしくは第2のセクションに基づいて、0.1重量%〜20重量%の範囲内、特に0.5重量%〜15重量%の範囲内、好ましくは0.75重量%〜10重量%の範囲内、より好ましくは1重量%〜5重量%の範囲内、非常に好ましくは1.25重量%〜2重量%の範囲内の量の添加剤を含有することが好ましい。
【0121】
さらに、クリーニング剤および/もしくは第2のセクションは、少なくとも1つのワックス、特に天然、合成または化学的に変性された(半合成)ワックスを含むことができる。これに関連して、クリーニング剤および/もしくは第2のセクションは、クリーニング剤および/もしくは第2のセクションに基づいて、多くとも15重量%、特に多くとも10重量%、好ましくは多くとも5重量%の量のワックスを含有することが好ましい。特に、クリーニング剤および/もしくは第2のセクションは、クリーニング剤および/もしくは第2の部分に基づいて、0.5重量%〜15重量%の範囲内、特に1重量%〜10重量%の範囲内、好ましくは1.5重量%〜5重量%の量のワックスを含有することが好ましい。この手段によって、特に後でクリーニング剤の流動性を設定することも可能である。
【0122】
クリーニング剤としては、例えばジョワト エスイーによって市販の製品930.34を使用することが可能である。この製品は、EVAおよびワックスをベースとする配合物であり、この配合物は、特に、反応性ホットメルト接着剤として使用されるPURホットメルト接着剤のイソシアネート基を中和するために、モノアルコールと添加剤を任意に混合することができる。このクリーニング剤は、特に、本発明のホットメルト接着体のジョワト エスイー製の前記反応性ホットメルト接着剤Jowatherm Reaktant601.60と、別のセクションのそれぞれの場合における形態において、組み合わせることができる。
【0123】
さらに、クリーニング剤および反応性ホットメルト接着剤は、(i)少なくとも実質的に同一の軟化点および/もしくは軟化範囲、かつ/または、(ii)少なくとも実質的に同一の融点および/もしくは加工温度、かつ/または、(iii)少なくとも実質的に同一の粘度、かつ/または、(iv)同じ密度を有する場合に、本発明による利点がある。
【0124】
これに関連して、クリーニング剤は、反応性ホットメルト接着剤の軟化点および/もしくは軟化範囲に基づいて、反応性ホットメルト接着剤のそれから多くとも20%、特に多くとも10%、好ましくは多くとも5%まで逸脱する軟化点および/もしくは軟化範囲を有することが好ましく、かつ/または、反応性ホットメルト接着剤の融点もしくは加工温度に基づいて、反応性ホットメルト接着剤のそれから多くとも20%、特に多くとも10%、好ましくは多くとも5%まで逸脱する融点もしくは加工温度を有することが好ましい。さらに、クリーニング剤は、反応性ホットメルト接着剤の粘度に基づいて、反応性ホットメルト接着剤の多くも20%、特に多くとも10%、好ましくは多くとも5%まで逸脱する粘度を有することができる。さらに、クリーニング剤は、反応性ホットメルト接着剤の密度に基づいて、反応性ホットメルト接着剤のものよりも多くとも50%、特に多くとも40%、好ましくは多くとも30%逸脱する密度を有することができる。
【0125】
さらに、クリーニング剤は、周囲圧力(1013.25hPa)下の室温(20℃)で、固体状態であるべきである。
【0126】
さらに、クリーニング剤は、軟化点および/もしくは軟化範囲、特にリングおよびボールによって測定され、好ましくはDIN EN 1238:2011−07によって測定され、40℃〜100℃の間、特に50℃〜90℃の間、好ましくは55℃〜80℃の間の軟化点および/もしくは軟化範囲を有するべきである。
【0127】
同様に、クリーニング剤は、特にリングおよびボールによって測定され、好ましくはDIN EN 1238:2011−07によって測定される少なくとも40℃、特に少なくとも50℃、好ましくは少なくとも55℃の軟化点および/もしくは軟化範囲を有するべきである。
【0128】
さらに、クリーニング剤は、特に動的走査熱量測定(DSC)によって測定され、好ましくはDIN 53765:1994−03によって測定される55℃〜275℃の範囲内、特に65℃〜225℃の範囲内、好ましくは70℃〜175℃の範囲内の融点を有するべきである。
【0129】
さらに、クリーニング剤は、特に動的走査熱量測定(DSC)によって測定され、好ましくはDIN53765:1994−03によって測定される80℃〜300℃の範囲内、特に90℃〜250℃の範囲内、好ましくは95℃〜200℃の範囲の加工温度を有するべきである。
【0130】
さらに、クリーニング剤は、DIN53765:1994−03によって測定され、かつ/または、95℃〜200℃の温度範囲における5000mPas〜150000mPaの範囲内、特7500〜125000mPasの範囲内、好ましくは10000mPas〜100000mPasの範囲内の粘度、特に動的粘度を有するべきである。
【0131】
さらに、クリーニング剤は、特に20℃の温度で、および/もしくは、特にDIN 51757:2011−01よって測定される0.5g/cm〜2.5g/cmの範囲内、特に0.6g/cm〜2.3g/cmの範囲内、好ましくは0.7g/cm〜2.1g/cmの範囲内、より好ましくは0.8g/cm〜2g/cmの範囲内の密度ρを有するべきである。
【0132】
さらにまた、本発明によれば、第2のセクションおよび/もしくはクリーニング剤または第1のセクションおよび/もしくは反応性ホットメルト接着剤、特に第2のセクションおよび/もしくはクリーニング剤は、少なくとも1つの着色成分および/もしくは少なくとも1つの着色剤を含むことがその場合である。これに関連して、本発明によれば、着色成分および/もしくは着色剤が顔料着色剤、特に有機もしくは無機の顔料着色剤であることがその場合である。
【0133】
しかしながら、本発明によれば、第2のセクションおよび/もしくはクリーニング剤および第1のセクションおよび/もしくは反応性ホットメルト接着剤の各々は、少なくとも1つの着色成分および/もしくは少なくとも1つの着色剤を含むことがその場合であり、ここでは、一方では第2のセクションおよび/もしくはクリーニング剤の着色成分および/もしくは着色剤、他方では第1のセクションの着色成分および/もしくは着色剤かつ/または反応性ホットメルト接着剤が 視覚的におよび/もしくは光学的に区別可能であり、特に着色成分および/もしくは着色剤は、顔料着色剤、特に有機または無機顔料着色剤である。
【0134】
しかし、本発明によれば、第2のセクションのみおよび/もしくはクリーニング剤のみが少なくとも1つの着色成分および/もしくは少なくとも1つの着色料を含む場合もあり得る。これに関連して、着色成分および/または着色剤は、顔料着色剤、特に有機または無機顔料着色剤でなければならない。
【0135】
さらに、本発明によれば、第1のセクションのみおよび/もしくは反応性ホットメルト接着剤のみが、少なくとも1つの着色成分および/もしくは少なくとも1つの着色剤を含む場合もあり得る。この場合にも、着色成分および/もしくは着色剤は、顔料着色剤、特に有機もしくは無機の顔料着色剤でなければならない。
【0136】
本発明によれば、関連する着色剤または着色成分は、特にホットメルト接着体の使用もしくは加工において化学的に安定であり、特に熱的に安定であり、使用中に崩壊しないように選択すべきであり、これによって関連する使用または加工の場合および/もしくは溶融物の形態の構成要素の存在であっても、関連する光学的もしくは視覚的差異が知覚可能かつ/または光学的および/もしくは視覚的に把握可能である。
【0137】
これに関連して、例としてかつ非限定的に、着色成分および/もしくは着色剤は、特に酸化鉄、二酸化チタン、酸化クロムおよびそれらの混合物から、特に酸化鉄および二酸化チタンの群から選択される無機顔料着色剤であることが、本発明によればその場合である。
【0138】
さらに、着色成分および/もしくは着色剤は、特にアゾ顔料、特にモノアゾ、ジアゾ、ナフトール、ベンズイミダゾロンおよび金属錯体顔料;多環式顔料、特にフタロシアニン顔料; ベンズイミダゾロンおよびそれらの混合物の群から選択される有機顔料着色剤であってもよい。
【0139】
着色成分または着色剤の量および/もしくは濃度は、それぞれのセクションに関連して広い範囲内で変化してもよい:
【0140】
しかしながら、本発明によれば、特に良好な結果は、第1のセクションおよび/もしくは反応性ホットメルト接着剤または第2のセクションおよび/もしくはクリーニング剤が、お互いに独立して、それぞれのセクションに基づいておよび/もしくは反応性ホットメルト接着剤またはクリーニング剤に基づいて、0.01重量%〜10重量%の範囲内、特に0.05重量%〜5重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%〜4重量%の範囲内、より好ましくは0.5重量%〜3重量%の範囲内の量の着色成分および/もしくは着色剤を含む場合に得られるものである。
【0141】
特に、第2のセクションおよび/もしくはクリーニング剤は、第2のセクションおよび/もしくはクリーニング剤に基づいて、0.01重量%〜10重量%の範囲内、特に0.05重量%〜5重量%の範囲内、好ましくは0.1重量%〜4重量%の範囲内、より好ましくは0.5重量%〜3重量%の範囲内の着色成分および/もしくは着色料を含むことが好ましい。
【0142】
本発明に関連して、一方では反応性ホットメルト接着剤と他方ではクリーニング剤との次の組み合わせが特にそれら自身を証明していた:
・ したがって、本発明によれば、反応性ホットメルト接着剤は、反応性、特に湿分架橋性ポリウレタン(PUR)、好ましくはイソシアネート基で官能化されたポリウレタンおよび/もしくはイソシアネート基を含有するポリウレタン、より好ましくはイソシアネート末端ポリウレタンを具備するかまたはそれらからなり、かつ、クリーニング剤は、非反応性エチレンビニルアセテート(EVAポリマー)を具備するかまたはそれらからなることがその場合である。これに関連して、クリーニング剤は、特に上記で定義したように、ヒドロキシル基を含む少なくとも1つの添加剤を含有してもよい。
・ さらに、反応性ホットメルト接着剤は、反応性、特に湿分架橋性ポリオレフィン(POR)、好ましくはシラン基で官能化されたポリオレフィン、および/もしくはシラン基を含有するポリオレフィン、より好ましくはシラン基と結合されたポリオレフィンを含むか、 非反応性ポリオレフィン(PO)を具備するかまたはからなる。これに関連して、クリーニング剤は、反応性ホットメルト接着剤、特に反応性ホットメルト接着剤の化学反応性基と反応するか、かつ/または、反応性ホットメルト接着剤の化学反応性基を不活性化する少なくとも1つの添加剤を任意に具備することができる。
・ さらに、反応性ホットメルト接着剤は、反応性の、特に放射線架橋性の、好ましくはUV架橋性のポリ(メタ)アクリレート、好ましくはウレタン基で官能化されたウレタン基を含有するポリ(メタ)アクリレートおよび/もしくはウレタン基を含むポリ非反応性(メタ)アクリレートを具備するかまたはそれらからなる。この場合、クリーニング剤は、反応性ホットメルト接着剤、特に反応性ホットメルト接着剤の化学反応性基と反応するか、かつ/または、反応性ホットメルト接着剤の化学反応性基を不活性化する少なくとも1つの添加剤を任意に具備することができる。
【0143】
さらに本発明のホットメルト接着体に関して、少なくとも1つの第1のセクションおよび少なくとも1つの第2のセクションを組み立てることによって、特に永続的に接合することによって得ることができ、それらの製造後のそれぞれの部分は、それらの対向面、特にベース面において、好ましくは対向する面の少なくとも1つ、特にベース面を部分的に溶融させることによって互いに接着、特に接着結合される。
【0144】
さらに、本発明に関連して、ホットメルト接着体が、特に空気および/もしくは水分に対して少なくとも実質的に不浸透性の包皮および/もしくは周囲包装内に存在および/もしくは挿入される場合がある。同様に、ホットメルト接着体は、特に空気および/もしくは水分に対して少なくとも実質的に不浸透性である、特にワックスに基づく少なくとも1つのコーティングを具備することができる。この手段により、特に反応性ホットメルト接着剤の化学反応性基の早期反応が防止されるので、本発明によるホットメルト接着体の貯蔵特性および/もしくは貯蔵時間が増加する。
【0145】
上述したように、本発明は、ホットメルトグルーガンにおける使用の背景にある下地の接着性能および取扱いの両方に関して、優れたサービスおよび/もしくは加工特性を有する高性能ホットメルト接着体を提供する。
【0146】
本発明の第2の様相によれば、本発明の別の主題は、上述したような本発明によるホットメルト接着体、特にホットメルト接着剤スティックを製造する方法であって、その方法において、少なくとも1つの反応性ホットメルト接着剤を具備するかまたはそれからなる少なくとも1つの第1のセクションおよび少なくとも1つのクリーニング剤を具備するかまたはそれからなる少なくとも1つの第2のセクションが、最初に単独でおよび/もしくは互いに独立してかつ/または互いに別々に製造され、それらの製造後に、特にそれらの対向面、特にベース面において互いに永久に接合され、好ましくは接着結合されるものである。
【0147】
本発明のホットメルト接着体の関連するセクションは、例えば押出機もしくはギアポンプを使用するように、当業者にそれ自体が知られている方法で製造されるものである。例えば、該当するセクションは、最初に、連続ストランドまたは連続スティックとして製造され、その後、関連するセクションの対応する長さに、特に自動で切断される。
【0148】
本発明よれば、本発明のホットメルト接着体を得る目的で関連セクションを組み立てることは、例えば、第1のセクションおよび/もしくは第2のセクションの対向する面、特にベース面の少なくとも1つを部分的に溶融および/もしくは溶融させることによって達成することができる。
【0149】
本発明の手順によって、全体の効果は、本発明のホットメルト接着体を形成するためのセクションの安定した組立を保証することであり、(選択的に)シャープな移行部および/または(選択的に)シャープな接続部が存在することにより、相応して実用的な利点に加えて、本発明のホットメルト接着体の部分における改善された貯蔵特性を伴う。
【0150】
本発明の第3の様相によれば、これに関連して、本発明のさらなる主題は、本発明による上述の方法によって得ることができる本発明のホットメルト接着体、特にホットメルト接着剤スティックでもある。
【0151】
本発明の第4の様相によれば、本発明のさらに別の主題は、好ましくは反応性ホットメルト接着剤を溶融しおよび/もしくは吐出しおよび/もしくは塗布するための、好ましくはホットメルト接着体、特にホットメルト接着剤スティックの加工および/もしくは使用のためのホットメルト接着剤吐出装置、特にホットメルトおよび/もしくはホットグルーガンであり、ここで、前記ホットメルト接着剤吐出装置が、上述したように少なくとも1つのホットメルト接着体を具備するものである。
【0152】
これに関して、前記ホットメルト接着剤吐出装置は、特に溶融したホットメルト接着剤および/もしくは前記ホットメルト接着体の溶融したクリーニング剤のためのホットメルト接着体のための少なくとも1つの収容装置および/もしくはホットメルト接着体用の少なくとも1つの移送装置および/もしくはホットメルト接着体のための少なくとも1つの溶融装置および/もしくは塗布装置、好ましくは接着ノズルを具備するものである。この場合、特に一方の溶融装置及び他方の吐出装置および/もしくは塗布装置が構造ユニットを形成するか又は共通構成要素として存在することが可能である。
【0153】
本発明の第5の様相によれば、本発明のさらなる主題は、本発明のキット、反応性ホットメルト接着剤の溶融および/もしくは吐出および/もしくは塗布するための、好ましくはホットメルト接着体、特にホットメルト接着剤スティックの加工および/もしくは使用のためのキットであり、ここで、該キットは、少なくとも1つのホットメルト接着剤吐出装置、好ましくは上述したようなホットメルトおよび/もしくはホットグルーガン、および上述したような少なくとも1つのホットメルト接着体、特にホットメルト接着剤スティック、好ましくは複数のホットメルト接着体を具備するものである。
【0154】
さらに、本発明の第6の様相によれば、本発明のさらなる主題は、上記に定義した少なくとも1つのホットメルト接着体、特にホットメルト接着剤スティックを具備する本発明のパックユニットおよび/もしくはコンテナであり、ここで、特にホットメルト接着体が、空気および/もしくは湿気に対して少なくとも実質的に不透過性である周囲包装内に存在および/もしくは挿入されるものである。
【0155】
さらにまた、本発明の第7の様相によれば、本発明のさらなる主題は、接合および/もしくは接着行程のためおよび/もしくは製品および/もしくは構成部品および/もしくは基板を接合および/もしくは接着するための上述したような少なくとも1つのホットメルト接着体、このましくはホットメルト接着剤スティックの使用である。
【0156】
また、本発明の第8の様相によれば、本発明の主題は、ホットメルト接着体、特にホットメルト接着剤スティックの少なくとも1つの第1のセクションと少なくとも1つの第2のセクションの視覚的および/もしくは光学的な差異、特に色差を識別および/もしくは提供するための、特に上で定義したような少なくとも1つの着色成分および/もしくは着色剤の使用であり、ここで、特にそれぞれ溶融の形態において反応性ホットメルト接着剤およびクリーニング剤の吐出および/もしくは塗布における好ましくはホットメルトグルーガンによるホットメルト接着体の使用および/もしくは加工において第1のセクションが反応性ホットメルト接着剤を具備し、第2のセクションが少なくともクリーニング剤を具備すること、特に第1のセクションおよび/もしくは反応性ホットメルト接着剤と第2のセクションおよび/もしくはクリーニング剤は、互いに光学的に異なるように、特に互いに色が異なるように構成されること、特に着色成分および/もしくは着色剤は、一方で第1のセクションにおよび/もしくは反応性ホットメルト接着剤に、または他方で第2のセクションにおよび/もしくはクリーニング剤に組み込まれる。
【0157】
最後に、本発明の第9の様相によれば、本発明は、ホットメルト接着剤、特にホットメルト接着剤スティックの少なくとも1つの第1のセクションおよび少なくとも1つの第2のセクションの視覚的および/もしくは光学的な差、特に色差を識別および/もしくは提供するための本発明の方法に関するもので、ここで、それぞれ溶融した形態において、特に一方でホットメルト接着剤および他方でクリーニング剤の吐出および/もしくは塗布において、好ましくはホットメルトグルーガンによるホットメルト接着体の使用および/もしくは加工において、特に上述したようなホットメルト接着体、特にホットメルト接着剤スティックの第1のセクションは反応性ホットメルト接着剤を具備し、第2のセクションは少なくとも1つのクリーニング剤を具備するものであり、特に一方で第1のセクションおよび/もしくは反応性ホットメルト接着剤と、他方で第2のセクションおよび/もしくはクリーニング剤は互いに光学的に異なるように、特に互いに色が異なるように構成されるものであり、特に上記で定義した少なくとも1つの着色成分および/もしくは着色剤は、第1のセクションおよび/もしくは反応性ホットメルト接着剤に、一方では第2のセクションおよび/もしくはクリーニング剤に組み込まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0158】
図1図1Aは、ホットメルト接着剤スティックの形態で存在する、本発明の円筒形状のホットメルト接着体の概略平面図を示す;図1Bは、本発明の別の実施形態による本発明のホットメルト接着体の概略平面図を示す;図1Cは、本発明のさらに別の実施形態による本発明によるホットメルト接着体の概略平面図を示す;図1Dは、本発明のもう1つの実施形態による本発明のホットメルト接着体の概略平面図を示す。
図2図2Aは、本発明によるホットメルト接着体を提供するための本発明の手順の概略図を示す;図2Bは、本発明のさらなる実施形態による、本発明のホットメルト接着体を提供するための本発明の手順の概略図を示す。
図3図3は、特に本発明によるホットメルト接着体が挿入されたホットメルトグルーガンの形態で存在する本発明のホットメルト接着剤排出装置の概略図を示しており、図3Aは、ホットメルト接着剤の排出を伴うホットメルト接着剤排出装置の第1の動作状態または使用状態を示し、図3Bは、洗浄剤の排出を伴う本発明のホットメルト接着剤排出装置のさらなる動作状態または使用状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0159】
以下の本文において、本発明は、好ましい例示的な実施形態を表す図面または図面を参照してより詳細に説明される。しかしながら、本発明のこれらの好ましい例示的な実施形態の説明に関連して、本発明を決して限定するものではなく、本発明のさらなる利点、特性および局面および特徴を記載する。
【実施例】
【0160】
図1A,1B,1Cおよび1Dは、より詳細にはホットメルト接着剤スティックの形態であり、特に円筒形状を有しており、したがって、ホットメルト接着剤ガンに使用するのに適している本発明のスティック型ホットメルト接着体1を示している。該当図は、本発明に係るスティック型ホットメルト接着体1が、少なくとも1つの反応性ホットメルト接着剤を具備する少なくとも1つの第1のセクション2と、少なくとも1つのクリーニング剤(パージング剤)を具備する少なくとも1つの第2セクションとを具備することを示している。さらに該当図は、一方で第1のセクション2または反応性ホットメルト接着剤と、他方で第2のセクション3またはクリーニング剤とが、互いに光学的に異なること、特にそれらの設計においてに互いに色彩的に異なることを示している。
【0161】
これに関して、図1Aは、それぞれ第1のセクション2と第1のセクション2とは視覚的および/もしくは光学的に、より具体的には色彩的に異なるように設計された第2のセクション3を有する本発明のホットメルト接着体1を示す。次に図1Bを参照すると、本発明のホットメルト接着体1は、2つの第1のセクション2と2つの第2のセクション3を有し、これらのセクション2,3は、発明によるホットメルト接着体1おいて交互に配置されている。これに関連して、図1Cは、本発明によるホットメルト接着体1にも交互に配置されたそれぞれ3つの第1のセクション2および2つの第2のセクション3を有する本発明のさらなる実施形態を示す。
【0162】
これに関して、本発明によるホットメルト接着体1は、図1A乃至図1Cにおいて示されるように、反応性ホットメルト接着剤を最初に有する全ての第1のセクション2の最初が溶融されて加工されるようなホットメルトグルーガンにおいて、それらの使用または用途に関して特に使用され、それに続いて、クリーニングまたはパージング剤を有する第2のセクション3に基づいて加工するかまたはパージングおよび/もしくはクリーニングされるもので、最終的にそれぞれの場合において、該当するホットメルトグルーガンをクリーニングおよび/もしくはパージングするために、クリーニング剤に基づく第2のセクション3が加工されるものである。
【0163】
図1Dは、本発明のホットメルト接着体1のさらなる実施形態を示し、ホットメルト接着体1の両端部は、第2のセクション3によって形成されている。したがって、本発明のホットメルト接着体1の加工または使用において、第2のセクション3の最初の加工およびクリーニング剤の最初の加工があり、最後にさらなる第2のセクション3の加工が行われ、これにより、該当のホットメルトグルーガンは、動作開始時および動作終了時の両方においてクリーニング剤でパージングまたはクリーニングされる。
【0164】
本発明の方法に関して、図2Aおよび図2Bは、本願発明の手順を示すもので、これによって、最初にそれぞれの第1のセクション2および第2のセクション3が製造されるかまたは単独で存在し、そして関連したセクション2および3は、製造された後に、それぞれのセクション2,3の関連した円筒形状または本体のそれぞれのベース面上で、所望の順序で互いに結合されるかまたは互いに接続される。その結果として、本発明によるホットメルト接着体1の特定の設計に関して、該当するセクションのサイズおよび順序の背景に対して特定の目的で高い変動性を提供することが可能であり、このサイズおよび順序は特定の用途に適合されるものである。
【0165】
最後に、図3は、ホットメルト接着剤吐出装置4がホットメルトグルーガンの形態をとっている本発明によるホットメルト接着体1を挿入した本発明のホットメルト接着剤吐出装置4を示す。本発明のホットメルト接着剤吐出装置4またはホットメルトグルーガンは、ホットメルト接着体1用の受容装置5と、ホットメルト接着体1用の移送装置6と、ホットメルト接着剤用の溶融装置7とを有する。さらに、ホットメルト接着剤吐出装置は、特に、溶融したホットメルト接着剤用および/またはホットメルト接着体の溶融クリーニング剤用の吐出または塗布装置8を具備する。これに関して、図3Aは、操作状態もしくは使用状態を示すもので、これによって、(第1のセクション2から始まる)流体状態に変換された溶融反応性ホットメルト接着剤2’または反応性ホットメルト接着剤2’が、吐出および/もしくは塗布装置8、より詳細には吐出ノズルから吐出されるかまたは塗布される。図3Bは、洗浄剤3’によるホットメルト接着剤吐出装置4のクリーニングおよび/もしくはパージングの動作および/もしくは使用状態を示すもので、反応性ホットメルト接着剤2’から光学的におよび/もしくは視覚的に区別可能であり、また、吐出および/もしくは塗布装置8を介して溶融状態または流体状態で吐出される。
【0166】
本発明の範囲から逸脱することなく、本発明のさらなる構成、修正、変形、適合、特異性、および利点は、当業者にとって容易に認識され、実現可能である。
【符号の説明】
【0167】
1 好ましくは円筒形のスティックタイプのホットメルト接着体、特にホットメルト接着剤スティック
2 第1のセクションまたは反応性ホットメルト接着剤
2’ 溶融状態または流体状態の反応性ホットメルト接着剤、および/もしくは吐出される反応性ホットメルト接着剤
3 第2のセクションまたはクリーニング剤
3’ 溶融したまたは液体のクリーニング剤または吐出されたクリーニング剤
4 ホットメルト接着剤吐出装置、特にホットメルトグルーガン
5 ホットメルト接着体の収容装置
6 ホットメルト接着剤移送装置
7 ホットメルト接着剤の溶融装置
8 吐出および/もしくは塗布装置
図1
図2
図3