(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
情報が付与された複数の第1の物品を収容する物品収容部と、前記第1の物品を払い出す操作を行う払出操作部とを有し、前記第1の物品を払い出す物品払出機と、複数の第2の物品が載置される物品載置部と、前記第2の物品を把持するクレーンと、前記クレーンを操作するクレーン操作部と、前記第1の物品に付与された情報を読み取る物品情報読取部とを有し、前記物品情報読取部により読み取られた前記第1の物品に付与された情報に基づいて制御されるクレーンゲーム機とを備えた物品払出装置の制御方法であって、
前記払出操作部への操作に基づいて、前記物品払出機から前記第1の物品を払い出すステップと、
前記物品払出機から払い出された前記第1の物品に付与された情報を前記クレーンゲーム機の前記物品情報読取部により読み取るステップと、
前記物品情報読取部により読み取られた前記第1の物品に付与された情報に基づいて、前記クレーンゲーム機を制御するステップとを有し、
前記クレーンゲーム機には、前記クレーンゲーム機を識別する識別情報が付与されており、
前記第1の物品に付与された情報には、前記クレーンゲーム機の識別情報が含まれており、
前記クレーンゲーム機を制御するステップは、
前記第1の物品に付与された情報に含まれた前記クレーンゲーム機の識別情報が前記クレーンゲーム機の識別情報と一致するか否かを判断し、一致した場合のみ前記クレーンゲーム機のゲームの実行を許可する
ことを特徴とする物品払出装置の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による物品払出装置について
図1乃至
図5を用いて説明する。
図1は本実施形態による物品払出装置の正面図であり、
図2は本実施形態による物品払出装置のブロック図であり、
図3は本実施形態による物品払出装置により払い出される物品を示す図であり、
図4は本実施形態による物品払出装置におけるメモリの構成を示す図であり、
図5は本実施形態による物品払出装置の動作を示すフローチャートである。
【0018】
(物品払出装置の構成)
本実施形態による物品払出装置の外観を
図1に示す。
【0019】
本実施形態の物品払出装置10は、ひとつの筐体12内に、物品を払い出す4台の物品払出機20と、クレーンゲームを行う1台のクレーンゲーム機40とが組み込まれている。例えば、物品払出装置10の正面左右両側に、それぞれ2台の物品払出機20が積み重ねられ、物品払出装置10の正面中央に、クレーンゲーム機40が設けられている。クレーンゲーム機40は、積み重ねられた2台の物品払出機20に左右両側から挟まれている。筐体12の底部には、必要に応じて、物品払出装置10を移動し設置するためのキャスター(図示せず)とストッパ(図示せず)とが設けられている。
【0020】
物品払出機20は、コインを投入してハンドルを操作することにより物品を払い出す、通称ガチャガチャと呼ばれているゲーム機である。
【0021】
クレーンゲーム機40は、利用者がクレーンを操作することにより物品を把持して獲得するゲーム機である。
【0022】
物品払出機20の上部には、例えば、カプセルに封入された物品22が多数個収納された物品収納部24が設けられている。物品収納部24の下部には、物品購入時に利用者が操作する払出操作部であるハンドル26が設けられている。ハンドル26の右側には、物品購入用のコイン又は貨幣を投入するコイン投入口28が設けられている。コイン投入口28の下部には不要なコイン又は貨幣を排出するコイン排出口31が設けられている。
【0023】
物品払出機20の内部には、物品収納部24から払い出される物品22が落下して通過する通路(図示せず)が設けられている。物品は通路(図示せず)を経て、物品払出口30から払い出される。
【0024】
クレーンゲーム機40の上部には、複数の物品42が載置される物品載置部44が設けられている。物品載置部44内には、物品42を把持するクレーン46が設けられている。物品載置部44の下部には、クレーン46を操作するクレーン操作部48が設けられている。クレーン操作部48には、クレーン46を
図2の左右方向及び前後方向に移動させる指示を行うための操作ボタン48aと、物品42の把持動作を指示するための操作ボタン48bとが設けられている。操作ボタン48bを押下することにより、自動的に、クレーン46を
図2の下方向に移動し、クレーン46により物品42を掴み、掴んだ物品42を物品載置部44の落とし穴(図示せず)に離すための動作を行う。操作ボタン48bの押下時、クレーン46が物品42上方の適切な位置にない場合には、クレーン46は物品42を掴み損ねて物品42を獲得することができない。
【0025】
クレーンゲーム機40の内部には、クレーン46で把持した物品42を落下させて通過する通路(図示せず)が設けられている。クレーン操作部48の下部には、物品42を外部に排出する物品排出口49が設けられている。
【0026】
クレーンゲーム機40のクレーン操作部48の右側には、物品払出機20から払い出された物品に付されたバーコードを読み取るためのバーコード読取部50が設けられている。
【0027】
本実施形態の物品払出装置10のブロック図を
図2に示す。
【0028】
物品払出装置10には4台の物品払出機20と1台のクレーンゲーム機40とが設けられている。
【0029】
クレーンゲーム機40には、物品42を把持するクレーン46と、クレーン46を操作するクレーン操作部48と、クレーン操作部48を制御するクレーン制御部62と、クレーンを制御する制御情報を記憶する制御情報メモリ64と、クレーンゲーム機40を識別する情報である識別情報(ID)と、後述する様々なクレーンゲーム機の制御情報とを記憶する制御情報テーブル65と、バーコードを読み取るバーコード読取部50と、バーコード読取部50により読み取られたバーコード情報を一時的に記憶するバーコード一時メモリ67と、クレーンゲーム機40が読取りクレーンゲームを実行したバーコードを記憶するバーコードメモリ66とが設けられている。
【0030】
物品払出装置10には、ゲームの操作案内やBGM(バックグラウンドミュージック)を出力するための音声出力部70が設けられている。例えば、クレーンゲーム機40が作動状態になると、作動状態になった旨の信号が音声出力部70に送信される。音声出力部64からは、例えば、物品払出装置10の操作説明や、クレーンゲーム機40が作動状態になったことを知らせるBGM(バックグラウンドミュージック)や、クレーンゲーム機40の操作説明が音声出力される。
【0031】
(物品)
本実施形態による物品払出装置により払い出される物品22について
図3を用いて説明する。
図3(a)は物品22の斜視図であり、
図3(b)は物品22に付されたバーコードラベル22cを示す図である。
【0032】
本実施形態の物品払出装置10の物品払出機20により払い出される物品22は、ケースであるカプセル22a内に様々な景品22bを収納している。更に、カプセル22aの表面にバーコードラベル22cを貼り付けている。
【0033】
バーコードラベル22cには、例えば、クレーンゲーム機を示すアイコン22dと、所定のバーコード22eとが印刷されている。
【0034】
物品22にバーコードを付す態様としては、カプセル22aの表面にバーコードラベルを貼り付ける以外の他の態様でもよい。例えば、カプセル22aの内面にバーコードラベルを貼り付けてもよい。カプセル22a内に景品22bと共にバーコードラベルを収納してもよい。カプセル22aに収納される景品22bにバーコードを付してもよい。
【0035】
また、バーコード以外の態様で物品22に情報を付与してもよい。例えば、文字、記号等を物品22にいずれかの場所に付与してもよい。
【0036】
(バーコードシステム)
本実施形態の物品払出装置10では、物品払出機20により払い出される物品22にバーコード22eを付し、クレーンゲーム機40のバーコード読取部50に、物品22に付されたバーコード22eを読み取らせている。
【0037】
このようにすることにより、本実施形態の物品払出装置10では、物品払出機20とバーコードゲーム機40のハードウエアを大きく変更することなく、物品22を介して物品払出機20からバーコードゲーム機40に情報を伝達することができる。
【0038】
本実施形態の物品払出装置10で使用するバーコード体系について、
図4(a)を用いて説明する。
【0039】
本実施形態では、同じ筐体12に組み込まれた物品払出機20とクレーンゲーム機40によりシステムを完結するようにしている。筐体12に組み込まれた物品払出機20から払い出された物品22によってのみ、同じ筐体22に組み込まれたクレーンゲーム機40を制御するようにしている。
【0040】
本実施形態の物品払出装置10で使用するバーコードは、ゲーム機IDと、グループ番号と、シリアル番号とにより構成されている。
【0041】
ゲーム機IDは、このバーコードにより起動できる物品払出装置10のクレーンゲーム機40を識別するための情報である。クレーンゲーム機40と一体となった4台の物品払出機20には、そのクレーンゲーム機40のゲーム機IDを含むバーコードラベル22cが貼り付けられたカプセル22aを収納する。
【0042】
カプセル22aに貼り付けるバーコードラベル22cは、例えば、1枚の用紙に100片のバーコードを印刷して提供される。1枚の用紙の100片のバーコードラベル22cには、001、002、…、100のシリアル番号が印刷される。用紙から個々のバーコードラベル22cを剥がして各カプセル22aに貼り付ける。
【0043】
バーコードが印刷された各用紙を区別するために、シリアル番号の他にグループ番号が設定されている。各用紙に対して、例えば、001、002、003、…のグループ番号が付与される。
【0044】
このように、カプセル22aに貼り付けるバーコードラベル22cには、同一のバーコードが印刷されたものが存在しないようにする。
【0045】
(制御情報メモリ・制御情報テーブル)
制御情報メモリ64には、
図4(b)に示すように、クレーンゲーム機40を制御するための制御情報が記憶される。
【0046】
制御情報メモリ64に記憶される制御情報としては、例えば、ゲーム回数、ゲーム難易度、ゲーム時間等の情報がある。
【0047】
ゲーム回数とは、クレーンゲームできる回数のことである。ゲーム回数が0になるとゲームは終了する。
【0048】
ゲーム難易度とは、ゲームの難易度を定めるパラメーターである。例えば、クレーン46がカプセル22aを把持するバネの強さである。バネが弱いとカプセル22aを把持しにくいので難易度は高くなり、バネが強いとカプセル22aを把持しやすいので難易度は低くなる。
【0049】
ゲーム時間も、ゲームの難易度を定める一種のパラメーターである。クレーン46を左右前後に移動させる指示を行うための操作ボタン48aを操作できるゲーム時間を定める。例えば、ゲーム時間が短いと難易度は高くなり、ゲーム時間が長いと難易度は低くなる。
【0050】
制御情報テーブル65には、
図4(c)に示すように、クレーンゲーム機40のゲーム機IDと、バーコードの各シリアル番号に対応したゲーム制御情報が格納されている。
【0051】
ゲーム機IDは、そのクレーンゲーム機40のID、例えば「A」である。
【0052】
ゲーム制御情報は、シリアル番号001〜100のそれぞれに対する、ゲーム回数、ゲーム難易度、ゲーム時間等である。読み取ったバーコードのシリアル番号から、利用者により行われるクレーンゲームのゲーム制御情報が決定する。
【0053】
ゲーム制御情報は、例えば、ゲーム回数、ゲーム難易度、ゲーム時間である。
【0054】
ゲーム制御情報のゲーム回数について、例えば、ゲーム回数が「0」のシリアル番号のバーコードラベル22cが貼り付けられたカプセル22aの場合は、クレーンゲームを行うことができないので「外れ」となる。
【0055】
また、ゲーム回数が「1」のシリアル番号のバーコードラベル22cが貼り付けられたカプセル22aの場合は、クレーンゲームを1回行うことができる。
【0056】
また、ゲーム回数が「2」のシリアル番号のバーコードラベル22cが貼り付けられたカプセル22aの場合は、クレーンゲームを2回行うことができる「当り」となる。
【0057】
また、ゲーム回数が「3」のシリアル番号のバーコードラベル22cが貼り付けられたカプセル22aの場合は、クレーンゲームを3回行うことができる「大当り」となる。
【0058】
そして、ゲーム制御情報のゲーム難易度、ゲーム時間により、クレーンゲームの難易度が決定される。
【0059】
(バーコードメモリ・バーコード一時メモリ)
バーコードメモリ66は、物品払出装置10のクレーンゲーム機40のバーコード読取部50により読み取られ、実際にクレーンゲームが実行されたバーコードを記憶する。
図4(d)に示すように、バーコードのゲーム機ID、グループ番号、シリアル番号等が記憶される。
【0060】
このバーコードメモリ66に記憶されたバーコードと照合することにより、同じバーコードで何度もクレームゲームを行うことを防止することができる。
【0061】
バーコードメモリ66は、物品払出装置10のバーコード読取部50で読取り、クレーンゲームを行ったバーコードを、物品払出装置10の設置時から全て記憶しておくものなので、十分な記憶容量を確保しておく必要がある。
【0062】
物品払出装置10を新たな場所で再設置する等、全てを入れ換えたい場合には、バーコードメモリ66をリセットして全てのバーコードを削除すればよい。
【0063】
バーコード一時メモリ67は、物品払出装置10のクレーンゲーム機40のバーコード読取部50により読み取られたバーコードを一時的に記憶する。
図4(e)に示すように、バーコードのゲーム機ID、グループ番号、シリアル番号等が記憶される。
【0064】
(物品払出装置の動作)
本実施形態の物品払出装置10の動作について
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0065】
まず、利用者がコイン投入口28から指定金額のコインを投入する(ステップS11)。
【0066】
次に、利用者が物品払出機20のハンドル26を回転させる(ステップS12)。
【0067】
利用者がハンドル26を回転させると、物品収納部24に収納されていた物品22が通路(図示せず)を落下し(ステップS13)、物品払出口30から払い出される。
【0068】
利用者は物品排出口30から払い出された物品22を取り出す(ステップS14)。
【0069】
次に、利用者は取り出した物品22をクレーンゲーム機40のバーコード読取部50に近づけて、物品22に貼付されたバーコード22eを読み取らせ、そのバーコードをバーコード一時メモリ67に格納する(ステップS15)。
【0070】
次に、バーコード一時メモリ67に格納されたゲーム機IDを、制御情報テーブル65に記憶されたゲームIDと比較し、ゲーム機IDが一致するか否か判断する(ステップS16)。
【0071】
ゲーム機IDが一致すれば、同じ筐体10の物品払出機20から払い出されたカプセル22に貼り付けられたバーコードであるので、ゲームを進行させる。
【0072】
ゲーム機IDが一致しなければ、他の筐体の物品払出機から払い出されたカプセル22に貼り付けられたバーコードや、全く無関係なバーコードであると思われるので、この筐体10のクレーンゲーム機40でゲームを行うことができず、ゲームを終了させる。
【0073】
ゲーム機IDが一致した場合には、続いて、バーコード一時メモリ67に格納されたバーコードを、バーコードメモリ66に記憶されたバーコードと比較し、既に読み取ったバーコードであるか否か判断する(ステップS17)。
【0074】
既に読み取ったバーコードである場合には、同じバーコードではクレーンゲームを複数回行うことはできないので、ゲームを終了させる。
【0075】
既に読み取ったバーコードでない場合には、バーコード一時メモリ67に格納されたバーコードをバーコードメモリ66に格納する(ステップS18)。これにより同じバーコードで複数回クレーンゲームを行えないようにする。
【0076】
次に、読み取ったバーコードのシリアル番号に基づき、制御情報テーブル65からクレーン制御情報であるゲーム回数、ゲーム難易度、ゲーム時間等を取得して、制御情報メモリ64に格納する(ステップS19)。
【0077】
続いて、取得したクレーン制御情報に基づきクレーンゲーム機40を作動させる(ステップS20)。
【0078】
まず、クレーンゲーム機40内の照明とクレーン操作部62のスイッチが点灯し、音声出力部70からクレーンゲーム操作が可能になった旨を案内し、クレーンゲーム遊戯操作方法の案内等のクレーンゲーム案内を行う(ステップS21)。
【0079】
続いて、クレーンゲーム機40は、取得したクレーン制御情報に基づいて作動し、利用者がクレーン操作部48の操作ボタン48aとボタン48bを操作してクレーンゲームを実行する(ステップS22)。
【0080】
利用者のクレーンゲームの実行結果に応じて、物品42が獲得できた場合には、物品42は、クレーンゲーム機40の通路(図示せず)を落下し、プライズ取り出し口である物品排出口49に排出される(ステップS23)。
【0081】
利用者は物品排出口49に排出された物品42を取り出す(ステップS24)。
【0082】
これにより本実施形態の物品払出装置10の動作が終了する。
【0083】
なお、利用者がクレーンゲームにより物品42が獲得できなかった場合には、ステップS22で、本実施形態の物品払出装置10の動作が終了する。
【0084】
このように本実施形態によれば、物品払出機から物品を購入すると、おまけとして、クレーンゲームを楽しむことができる。利用者にとってクレーンゲームは失敗すると物品を獲得することができないリスクのあるゲームであるが、おまけであれば気軽に楽しむことができる。クレーンゲームに成功すれば更に物品を獲得することができる。仮にクレーンゲームに失敗しても物品を購入するという初期の目的を達成することができる。これにより、利用者の購買意欲を更に高めることができる。
【0085】
また、本実施形態によれば、物品に付されたバーコードに基づいてクレーンゲーム機が制御されるので、くじ引きのスリルと様々な難易度のクレーンゲームを楽しむことができる。
【0086】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0087】
例えば、上記実施形態では、物品払出装置のひとつの筐体内に、4台の物品払出機を設けたが、1台、2台、3台又は5台以上の物品払出機を物品払出装置のひとつの筐体内に組み込んでもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、物品払出装置のひとつの筐体内に、1台のクレーンゲーム機を設けたが、2台以上の複数のクレーンゲーム機を物品払出装置のひとつの筐体内に組み込んでもよい。
【0089】
また、上記実施形態の物品払出装置、物品払出機、クレーンゲーム機は一例であって、他の構造であってもよい。