【文献】
“第3章 リターナブルPETボトルの要件”, [online], 2013.5.17公開, [2019.7.29検索], インターネット<URL: https://web.archive.org/web/20130317010900/https://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/data/research/h17fy/180201-4_pal_3.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の容器詰飲料の製造方法は、工程(A)、(B)及び(C)を含むものである。
以下、各工程について詳細に説明する。
【0010】
工程(A)
工程(A)は、非重合体カテキン類含有飲料を、0.07〜0.5質量%の非重合体カテキン類と0.01〜1質量%のエタノールとを共存させた状態で120℃以上の温度にて加熱する工程である。
【0011】
本明細書において「非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びエピガロカテキン等の非ガレート体と、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のガレート体を併せての総称である。本発明においては、前記8種の非重合体カテキン類のうち少なくとも1種を含有すればよい。
【0012】
ここで、非重合体カテキン類含有飲料としては、例えば、茶葉から抽出して得られる茶抽出物を配合して調製したものを挙げることができる。 抽出に使用する茶葉は、Camellia属、例えば、C. sinensisvar.sinensis(やぶきた種を含む)、C. sinensis var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉(Camellia sinensis)が挙げられ、その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に分類することができる。不発酵茶としては、例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶が挙げられる。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が挙げられる。更に、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が挙げられる。茶葉は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、非重合体カテキン類の含有量の点から、不発酵茶が好ましく、中でも緑茶が好ましい。
抽出方法としては、ニーダー抽出、攪拌抽出(バッチ抽出)、向流抽出(ドリップ抽出)、カラム抽出等の公知の方法を採用することができる。茶抽出物は、茶抽出液、茶濃縮物又は茶精製物を1種又は2種以上を組み合わせて使用することが可能である。
ここで、本明細書において「茶抽出液」とは、茶葉から抽出溶媒を用いて抽出されたものであって、濃縮や精製操作が行われていないものをいう。
また、「茶濃縮物」とは、茶抽出物のうち溶媒の一部を除去するなどして非重合体カテキン類濃度を高めたものであり、例えば、濃縮方法として、常圧濃縮、減圧濃縮、膜濃縮等を挙げることができる。茶濃縮物としては市販品を使用してもよい。
更に、「茶精製物」とは、茶抽出物のうち精製して非重合体カテキン類の純度を高めたものであり、例えば、特開2004−147508号公報、特開2004−149416号公報、特開2006−160656号公報、特開2007−282568号公報、特開2008−079609号公報等に記載の方法を採用することができる。
また、茶抽出物を、タンナーゼ活性を有する酵素と接触させて、非重合体カテキン類中のガレート体の割合を、例えば、20〜60質量%、好ましくは30〜55質量%に調整してもよい。ここで、本明細書において「非重合体カテキン類中のガレート体の割合」とは、非重合体カテキン類8種に対する上記ガレート体4種の質量比率である。なお、タンナーゼ活性を有する酵素との接触処理は、例えば、特開2004−321105号公報に記載の方法を採用することができる。 茶抽出物の形態としては、水溶液、スラリー、固体等の種々のものが挙げられ、中でも、水溶液が好ましい。非重合体カテキン類含有飲料を調製する際には、茶抽出物の形態に応じて、例えば、加水、濃縮等の操作により非重合体カテキン類の含有量を調整することができる。
【0013】
非重合体カテキン類含有飲料中の非重合体カテキン類の含有量は0.07〜0.5質量%であるが、茶風味の香り立ちの豊かさの観点から、0.09質量%以上が好ましく、0.12質量%以上がより好ましく、0.15質量%以上が更に好ましく、また風味バランスの観点から、0.4質量%以下が好ましく、0.3質量%以下がより好ましく、0.2質量%以下が更に好ましい。非重合体カテキン類の含有量の範囲としては、非重合体カテキン類含有飲料中に、好ましくは0.09〜0.4質量%であり、より好ましくは0.12〜0.3質量%であり、更に好ましくは0.15〜0.2質量%である。なお、非重合体カテキン類の含有量は、前記8種の非重合体カテキン類の合計量に基づいて定義される。なお、非重合体カテキン類含有飲料中の非重合体カテキン類の含有量は、通常知られている分析法のうち測定試料の状況に適した 分析法、例えば、高速液体クロマトグラフ法により測定することができる。具体的には、後掲の実施例に記載の方法で分析することができる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
【0014】
非重合体カテキン類含有飲料は、更にルチンを含有していてもよい。ルチンは、原料由来のものでも、新たに加えられたものでもよい。
非重合体カテキン類含有飲料中のルチンの含有量は、茶風味の香り立ちの豊かさの観点から、0.0005質量%以上が好ましく、0.0007質量%以上がより好ましく、0.001質量%以上が更に好ましく、0.003質量%以上がより更に好ましく、0.03質量%以上が殊更に好ましく、そして0.1質量%以下が好ましく、0.08質量%以下がより好ましく、0.06質量%以下が更に好ましい。ルチンの含有量の範囲としては、非重合体カテキン類含有飲料中に、好ましくは0.0005〜0.1質量%であり、より好ましくは0.0007〜0.08質量%であり、更に好ましくは0.001〜0.06質量%であり、より更に好ましくは0.003〜0.06質量%であり、殊更に好ましくは0.03〜0.06質量%である。なお、本明細書において、非重合体カテキン類含有飲料中のルチンの含有量は、原料に由来するもの、及び新たに加えられたもの等の総量である。また、非重合体カテキン類含有飲料中のルチンの含有量は、通常知られている分析法のうち測定試料の状況に適した 分析法、例えば、高速液体クロマトグラフ法により測定することができる。具体的には、後掲の実施例に記載の方法で分析することができる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
【0015】
非重合体カテキン類含有飲料中の水の含有量は、茶風味の香り立ちの豊かさの観点から、95質量%以上が好ましく、97質量%以上が更に好ましく、そして99.9質量%以下が好ましく、99.8質量%以下が更に好ましい。飲料中の水の含有量の範囲としては、好ましくは95〜99.9質量%であり、より好ましくは97〜99.8質量%である。
【0016】
非重合体カテキン類含有飲料は、茶飲料でも、非重合体カテキン類を含有する非茶飲料であってもよいが、中でも、茶風味の香り立ちの豊かさが明確に奏される点で、茶飲料が好ましい。茶飲料としては、例えば、緑茶飲料、烏龍茶飲料、紅茶飲料が挙げられ、中でも、茶風味の香り立ちの豊かさが明確に奏される点で、緑茶飲料が好ましい。また、非重合体カテキン類を含有する非茶飲料としては、例えば、果汁飲料、野菜飲料、炭酸飲料、乳酸菌飲料、スポーツ飲料等の酸性飲料の他、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤等を挙げることができる。
【0017】
非重合体カテキン類含有飲料のpH(20℃)は、茶風味の香り立ちの豊かさの観点から、5以上が好ましく、5.5以上がより好ましく、6以上が更に好ましく、そして7.5以下が好ましく、7.3以下がより好ましく、7以下が更に好ましい。飲料のpH(20℃)の範囲としては、好ましくは5〜7.5であり、より好ましくは5.5〜7.3であり、更に好ましくは6〜7である。なお、pHの測定方法は、通常知られている分析法のうち測定試料の状況に適した 分析法、例えば、下記実施例に記載の方法で測定することができる。
【0018】
更に、非重合体カテキン類含有飲料には、甘味料、pH調整剤、香料、炭酸ガス、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、各種エステル、色素、乳化剤、保存料、調味料、果汁エキス、野菜エキス、花蜜エキス、品質安定剤等の添加剤が飲料の種類に応じて1種又は2種以上含まれていてもよい。添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。
【0019】
本工程で使用するエタノールは、一般に食品工業用途に用いられているエタノールであれば特に限定されない。なお、エタノールは、飲料の原料由来のものでも構わない。
【0020】
非重合体カテキン類とエタノールとを非重合体カテキン類含有飲料中にて共存させる方法としては、非重合体カテキン類を水に溶解する前、溶解中、溶解した後のいずれか1以上においてエタノールを配合しても良いが、好ましくは非重合体カテキン類を水に溶解中及び/又は溶解した後にエタノールを配合すると良く、更に好ましくは非重合体カテキン類を水に溶解した後にエタノールを配合するとよい。なお、共存させるエタノールは、新たに添加されたものでも、飲料の原料由来のものでも構わない。
【0021】
非重合体カテキン類含有飲料中に共存させるエタノールの量は、茶風味の香り立ちの豊かさの観点から、0.01〜1質量%であるが、より一層の茶風味の香り立ちの豊かさの観点から、0.012質量%以上が好ましく、0.015質量%以上がより好ましく、0.018質量%以上が更に好ましく、そして0.5質量%以下が好ましく、0.25質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましく、0.06質量%以下が殊更に好ましい。かかるエタノールの量の範囲としては、非重合体カテキン類含有飲料中に、好ましくは0.012〜0.5質量%であり、より好ましくは0.015〜0.25質量%であり、更に好ましくは0.015〜0.1質量%であり、殊更に好ましくは0.018〜0.06質量%である。なお、非重合体カテキン類含有飲料中のエタノールの含有量は、通常知られている分析法のうち測定試料の状況に適した 分析法、例えば、高速液体クロマトグラフ法により測定することができる。具体的には、後掲の実施例に記載の方法で分析することができる。なお、測定の際には装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
【0022】
次に、非重合体カテキン類とエタノールとを共存させた飲料を120℃以上の温度にて加熱するが、茶風味の香り立ちの豊かさの観点から、123℃以上が好ましく、127℃以上がより好ましく、133℃以上が更に好ましく、そして160℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、145℃以下が更に好ましい。かかる加熱温度の範囲としては、好ましくは123〜160℃であり、より好ましくは127〜150℃であり、更に好ましくは133〜145℃である。
【0023】
加熱時間は加熱温度により適宜選択可能であるが、より一層の茶風味の香り立ちの豊かさの観点から、10秒間以上が好ましく、15秒間以上がより好ましく、20秒間以上が更に好ましく、そして90秒間以下が好ましく、70秒間以下がより好ましく、50秒間以下が更に好ましい。かかる加熱時間の範囲としては、好ましくは10〜90秒間であり、より好ましくは15〜70秒間であり、更に好ましくは20〜50秒間である。なお、ここでいう「加熱時間」とは、予め所定の温度に制御された装置を使用する場合は、当該装置に、非重合体カテキン類とエタノールとを共存させた飲料を収容してから取り出すまでの経過時間をいう。また、装置に、非重合体カテキン類とエタノールとを共存させた飲料を収容した後に温度設定する場合は、所望の設定温度に到達してから降温を開始するまでの経過時間をいう。装置としては、例えば、超高温瞬間殺菌装置等を使用することができる。
【0024】
工程(B)
工程(B)は、工程(A)後の飲料を、80℃以上の温度にて飲料容器に充填し密封する工程である。より一層の茶風味の香り立ちの豊かさの観点から、工程(A)後、非重合体カテキン類とエタノールとを共存させた飲料を、80℃以上の温度にて工程(B)に供する。
本工程で使用する飲料容器としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、瓶等の通常の包装容器を挙げることができる。また、飲料容器として、充填前に容器内面を温水等で殺菌したものを使用することが好ましい。
【0025】
飲料を飲料容器に充填する温度は80℃以上であるが、81℃以上が好ましく、83℃以上が更に好ましく、また茶風味の香り立ちの豊かさの観点から、90℃以下が好ましく、88℃以下がより好ましく、87℃以下が更に好ましい。かかる充填温度の範囲としては、好ましくは80〜90℃であり、より好ましくは81〜88℃であり、更に好ましくは83〜87℃である。ここでいう「充填温度」とは、飲料容器に充填する際の飲料の温度である。
【0026】
飲料を飲料容器に充填後、容器開口部を密封部により密封する。飲料を飲料容器に充填後に降温させてから密封してもよいが、より一層の茶風味の香り立ちの豊かさの観点から、充填後は降温させずに速やかに密封することが好ましい。例えば、飲料容器がPETボトルの場合、PETボトルの開口部をキャップ等で巻締すればよい。なお、飲料の飲料容器への充填及び密封は、無菌環境下で行うことができる。
【0027】
工程(C)
工程(C)は、工程(B)後の容器詰飲料を、15〜40分間かけて50℃まで降温させる工程である。
工程(C)では、工程(B)後の容器詰飲料を、15〜40分間かけて50℃まで降温させるが、茶風味の香り立ちの豊かさ及び非重合体カテキン類の安定性の観点から、17分間以上かけて降温させることが好ましく、19分間以上かけて降温させることがより好ましく、22分間以上かけて降温させることが更に好ましく、そして35分間以内に降温させることが好ましく、30分間以内に降温させることがより好ましく、27分間以内に降温させることが更に好ましい。すなわち、17〜35分間かけて50℃まで降温させることが好ましく、19〜30分間かけて50℃まで降温させることがより好ましく、22〜27分間かけて50℃まで降温させることが更に好ましい。
【0028】
また、工程(C)において、容器詰飲料を50℃まで降温させる間に、所定温度にて所定時間保持する温度保持工程(C')を有しても良い。ここで、本明細書において「温度保持工程」とは、容器詰飲料を所定温度に保持した状態で所定時間維持することをいう。
保持温度は、茶風味の香り立ちの豊かさの観点から、55℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、65℃以上が更に好ましく、70℃以上が殊更に好ましく、また、非重合体カテキン類の安定性の観点から、80℃以下が好ましく、78℃以下がより好ましく、76℃以下が更に好ましい。かかる保持温度の範囲としては、好ましくは55〜80℃であり、より好ましくは60〜80℃であり、更に好ましくは65〜78℃であり、殊更に好ましくは70〜76℃である。ここで、本明細書において「保持温度」とは、1℃たりとも温度変化があってはならない状態で保持することを意味せず、前述の保持温度の範囲内で設定した保持温度±2℃程度の範囲で昇温降温を繰り返すことも含む概念である。なお、温度保持工程(C')を行う場合には、工程(C)に係る50℃までの降温時間は、温度保持工程(C')に係る保持時間を含めて、工程(B)後から工程(C)完了(50℃まで降温させる)までの経過時間とする。
【0029】
温度保持工程(C')において、温度保持時間は茶風味の香り立ちの豊かさの観点から2分間以上が好ましく、4分間以上がより好ましく、6分間以上が更に好ましく、また非重合体カテキン類の安定性の観点から、25分間以下が好ましく、18分間以下がより好ましく、15分間以下が更に好ましく、12分間以下がより更に好ましい。かかる保持時間の範囲としては、好ましくは2〜25分間、より好ましくは4〜18分間、更に好ましくは5〜15分間、より更に好ましくは6〜12分間である。ここでいう「保持時間」とは、飲料が所望の保持温度±2℃の範囲内に到達した時間(T0)から保持温度±2℃より大きく温度変化した時間(T1)までの経過時間(T1−T0)をいう。温度を保持するための装置としては、例えば、パストライザー等を使用することができる。
【0030】
工程(D)
工程(C)後、容器詰飲料を50℃から40℃まで降温させる工程(D)を有していてもよい。なお、降温させる温度は40℃以下であっても構わない。
本工程においては、容器詰飲料を徐々に降温してもよいが、急速に降温すると、非重合カテキン類の安定性の観点において好ましい。なお、急速に降温するには、例えば、冷却ファン、冷却水シャワー、冷蔵庫等の冷却装置を用いてもよい。
工程(D)においては、容器詰飲料を、50℃から40℃まで10分間以内に降温させることが好ましく、9分間以内に降温させることがより好ましく、8分間以内に降温させることが更に好ましい。なお、容器詰飲料を、50℃から40℃まで降温させる時間の下限値は1分間以上が好ましく、2分間以上がより好ましく、3分間以上が更に好ましい。工程(D)においては、容器詰飲料を50℃から40℃まで降温させる時間は、好ましくは1〜10分間以内であり、より好ましくは2〜9分間以内であり、更に好ましくは3〜8分間以内である。
【0031】
上記実施形態に関し、本発明は更に以下の製造方法又は方法を開示する。
<1>
次の工程(A)、(B)及び(C);
(A)非重合体カテキン類含有飲料を、0.07〜0.5質量%の非重合体カテキン類と0.01〜1質量%エタノールとを共存させた状態で120℃以上の温度にて加熱する工程、
(B)工程(A)後の飲料を、80℃以上の温度にて飲料容器に充填し密封する工程、及び
(C)工程(B)後の容器詰飲料を、15〜40分間かけて50℃まで降温させる工程
を含む、容器詰飲料の製造方法。
【0032】
<2>
次の工程(A)、(B)及び(C);
(A)非重合体カテキン類含有飲料を、0.07〜0.5質量%の非重合体カテキン類と0.01〜1質量%エタノールとを共存させた状態で120℃以上の温度にて加熱する工程、
(B)工程(A)後の飲料を、80℃以上の温度にて飲料容器に充填し密封する工程、及び
(C)工程(B)後の容器詰飲料を、15〜40分間かけて50℃まで降温させる工程
を含む、非重合体カテキン類含有飲料の茶風味の香り立ち又は長期保存における非重合体カテキン類の残存率の向上方法。
【0033】
<3>
非重合体カテキン類が、好ましくはカテキン、ガロカテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートから選択される1種又は2種以上であり、更に好ましくは前記8種すべてである、前記<1>記載の容器詰飲料の製造方法、又は前記<2>記載の非重合体カテキン類含有飲料の茶風味の香り立ち若しくは長期保存における非重合体カテキン類の残存率の向上方法(以下、「容器詰飲料の製造方法」又は「非重合体カテキン類含有飲料の茶風味の香り立ち若しくは長期保存における非重合体カテキン類の残存率の向上方法」を「容器詰飲料の製造方法等」と称する)。
<4>
非重合体カテキン類含有飲料が、好ましくは茶葉から抽出して得られる茶抽出物、茶濃縮物及び茶精製物から選択される1種又は2種以上を配合して調製したものである、前記<1>〜<3>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<5>
茶葉が、好ましくはるCamellia属〔例えば、C. sinensis var.sinensis(やぶきた種を含む)、C. sinensis var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉(Camellia sinensis)〕であり、より好ましくは不発酵茶、半発酵茶及び発酵茶から選択される1種又は2種以上であり、更に好ましくは不発酵茶であり、より更に好ましくは緑茶である、前記<4>記載の容器詰飲料の製造方法等。
<6>
茶抽出物が、非重合体カテキン類中のガレート体の割合を、好ましくは20〜60質量%、更に好ましくは30〜55質量%に調整したものである、前記<4>又は<5>記載の容器詰飲料の製造方法等。
<7>
非重合体カテキン類含有飲料中の非重合体カテキン類の含有量が、好ましくは0.09質量%以上、より好ましくは0.12質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上であって、好ましくは0.4質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下、更に好ましくは0.2質量%以下である、前記<1>〜<6>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<8>
非重合体カテキン類含有飲料中の非重合体カテキン類の含有量が、好ましくは0.09〜0.4質量%であり、より好ましくは0.12〜0.3質量%であり、更に好ましくは0.15〜0.2質量%である、前記<1>〜<7>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<9>
非重合体カテキン類含有飲料が、好ましくはルチンを更に含有する、前記<1>〜<8>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<10>
非重合体カテキン類含有飲料中のルチンの含有量が、好ましくは0.0005質量%以上、より好ましくは0.0007質量%以上、更に好ましくは0.001質量%以上、より更に好ましくは0.003質量%以上、殊更に好ましくは0.03質量%以上であって、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.08質量%以下、更に好ましくは0.06質量%以下である、前記<9>記載の容器詰飲料の製造方法等。
【0034】
<11>
非重合体カテキン類含有飲料中のルチンの含有量が、好ましくは0.0005〜0.1質量%であり、より好ましくは0.0007〜0.08質量%であり、更に好ましくは0.001〜0.06質量%であり、より更に好ましくは0.003〜0.06質量%であり、殊更に好ましくは0.03〜0.06質量%である、前記<9>又は<10>記載の容器詰飲料の製造方法等。
<12>
非重合体カテキン類含有飲料中の水の含有量が、好ましくは95質量%以上、更に好ましくは97質量%以上であって、好ましくは99.9質量%以下、更に好ましくは99.8質量%以下である、前記<1>〜<11>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<13>
非重合体カテキン類含有飲料中の水の含有量が、好ましくは95〜99.9質量%であり、更に好ましくは97〜99.8質量%である、前記<1>〜<12>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<14>
非重合体カテキン類含有飲料が、好ましくは茶飲料、又は非重合体カテキン類を含有する非茶飲料であり、より好ましくは緑茶飲料、烏龍茶飲料又は紅茶飲料であり、更に好ましくは緑茶飲料である、前記<1>〜<13>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<15>
非重合体カテキン類含有飲料のpH(20℃)が、好ましくは5以上、より好ましくは5.5以上、更に好ましくは6以上であって、好ましくは7.5以下、より好ましくは7.3以下、更に好ましくは7以下である、前記<1>〜<14>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<16>
非重合体カテキン類含有飲料のpH(20℃)が、好ましくは5〜7.5であり、より好ましくは5.5〜7.3であり、更に好ましくは6〜7である、前記<1>〜<15>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<17>
非重合体カテキン類含有飲料が、甘味料、pH調整剤、香料、炭酸ガス、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、各種エステル、色素、乳化剤、保存料、調味料、果汁エキス、野菜エキス、花蜜エキス及び品質安定剤から選択される1種又は2種以上の添加剤を更に含有する、前記<1>〜<16>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<18>
非重合体カテキン類とエタノールとを非重合体カテキン類含有飲料中に共存させる方法が、好ましくは非重合体カテキン類を水に溶解する前、溶解中、溶解した後のいずれか1以上においてエタノールを配合する方法、より好ましくは非重合体カテキン類を水に溶解中及び/又は溶解した後にエタノールを配合する方法、更に好ましくは非重合体カテキン類を水に溶解した後にエタノールを配合する方法である、前記<1>〜<17>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<19>
非重合体カテキン類含有飲料中に共存させるエタノールの量が、好ましくは0.012質量%以上、より好ましくは0.015質量%以上、更に好ましくは0.018質量%以上であって、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.25質量%以下、更に好ましく0.1質量%以下、より更に好ましくは0.06質量%以下である、前記<1>〜<18>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<20>
非重合体カテキン類含有飲料中に共存させるエタノールの量が、好ましくは0.012〜0.5質量%であり、より好ましくは0.015〜0.25質量%であり、更に好ましくは0.015〜0.1質量%であり、より更に好ましくは0.018〜0.06質量%である、前記<1>〜<19>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
【0035】
<21>
工程(A)に係る加熱温度が、好ましくは123℃以上、より好ましくは127℃以上、更に好ましくは133℃以上であって、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下、更に好ましくは145℃以下である、前記<1>〜<20>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<22>
工程(A)に係る加熱温度が、好ましくは123〜160℃であり、より好ましくは127〜150℃であり、更に好ましくは133〜145℃である、前記<1>〜<21>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<23>
工程(A)に係る加熱時間が、好ましくは10秒間以上、より好ましくは15秒間以上、更に好ましくは20秒間以上であって、好ましくは90秒間以下、より好ましくは70秒間以下、更に好ましくは50秒間以下である、前記<1>〜<22>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<24>
工程(A)に係る加熱時間が、好ましくは10〜90秒間であり、より好ましくは15〜70秒間であり、更に好ましくは20〜50秒間である、前記<1>〜<23>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<25>
飲料容器が、好ましくはポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、又は瓶である、前記<1>〜<24>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<26>
飲料容器が、好ましくは充填前に容器内面を殺菌したものである、前記<1>〜<25>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<27>
工程(B)に係る充填温度が、好ましくは81℃以上、より好ましくは83℃以上であって、好ましくは90℃以下、より好ましくは88℃以下、更に好ましくは87℃以下である、前記<1>〜<26>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<28>
工程(B)に係る充填温度が、好ましくは80〜90℃であり、より好ましくは81〜88℃であり、更に好ましくは83〜87℃である、前記<1>〜<27>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<29>
工程(C)に係る降温時間が、好ましくは17分間以上、より好ましくは19分間以上、更に好ましくは22分間以上であって、好ましくは35分間以内、より好ましくは30分間以内、更に好ましくは27分間以内である、前記<1>〜<28>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<30>
工程(C)に係る降温時間が、好ましくは17〜35分間、より好ましくは19〜30分間、更に好ましくは22〜27分間である、前記<1>〜<29>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
【0036】
<31>
工程(C)において、好ましくは容器詰飲料を50℃まで降温させる間に、所定温度にて所定時間保持する温度保持工程(C')を有する、前記<1>〜<30>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<32>
保持温度が、好ましくは55℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは65℃以上、より更に好ましくは70℃以上、であって、好ましくは80℃以下、より好ましくは78℃以下、更に好ましくは76℃以下である、前記<31>記載の容器詰飲料の製造方法等。
<33>
保持温度が、好ましくは55〜80℃であり、より好ましくは60〜80℃であり、更に好ましくは65〜78℃であり、殊更に好ましくは70〜76℃である、前記<31>又は<32>記載の容器詰飲料の製造方法等。
<34>
保持時間が、好ましくは2分間以上、より好ましくは4分間以上、更に好ましくは6分間以上であって、好ましくは25分間以下、より好ましくは18分間以下、更に好ましくは15分間以下、より更に好ましくは12分間以下である、前記<31>〜<33>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<35>
保持時間が、好ましくは2〜25分間、より好ましくは4〜18分間、更に好ましくは5〜15分間、より更に好ましくは6〜12分間である、前記<31>〜<34>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<36>
工程(C)後、好ましくは容器詰飲料を50℃から40℃まで降温させる工程(D)を有する、前記<1>〜<35>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
<37>
工程(D)において、容器詰飲料を50℃から40℃まで急速に降温させる、前記<36>記載の容器詰飲料の製造方法等。
<38>
工程(D)においては、容器詰飲料を50℃から40℃まで降温させる時間が、好ましくは10分間以内、より好ましくは9分間以内、更に好ましくは8分間以内であって、好ましくは1分間以上、より好ましくは2分間以上、更に好ましくは3分間以上である、前記<36>又は<37>記載の容器詰飲料の製造方法等。
<39>
工程(D)においては、容器詰飲料を50℃から40℃まで降温させる時間が、好ましくは1〜10分間以内であり、より好ましくは2〜9分間以内であり、更に好ましくは3〜8分間以内である、前記<36>〜<38>のいずれか一に記載の容器詰飲料の製造方法等。
【実施例】
【0037】
1.非重合体カテキン類の分析
試料溶液をフィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラムL−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度40℃にてグラジエント法により分析した。非重合体カテキン類の標準品として、栗田工業製のものを使用し、検量線法で定量した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。なお、グラジエントの条件は、以下のとおりである。
【0038】
時間(分) A液濃度(体積%) B液濃度(体積%)
0 97% 3%
5 97% 3%
37 80% 20%
43 80% 20%
43.5 0% 100%
48.5 0% 100%
49 97% 3%
60 97% 3%
【0039】
2.エタノールの分析
次に示すガスクロマトグラフ法にしたがって行う。
分析機器は、GC-14B(島津製作所社製)を使用する。
分析機器の装置構成は次の通りである。
検出器 :FID
カラム :Gaskuropack55、80〜100mesh、φ3.2mm×3.1mm
【0040】
分析条件は次の通りである。
温度 :試料注入口及び検出機250℃、カラム130℃
ガス圧力:ヘリウム(キャリアガス)140kPa、水素 60kPa、空気 50kPa
注入量 :2μL
【0041】
以下の手順にて分析用試料を調製する。 検体5gを量りとり、これに水を加えて25mLに定容する。その溶液をディスクろ過し、試料溶液とした。調製した試料溶液をガスクロマトグラフ分析に供する。
【0042】
3.ルチンの分析
試料溶液をフィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ(型式Waters2695、WATERS製)を用い、カラム(Shimpach VP ODS、150×4.6mmI.D.)を装着し、カラム温度40℃でグラジエント法により分析した。移動相C液はリン酸を0.05質量%含有する蒸留水溶液、D液はメタノール溶液とし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は368nmの条件で行った。なお、グラジエントの条件は、以下のとおりである。
【0043】
時間(分) C液濃度(体積%) D液濃度(体積%)
0 95% 5%
20 80% 20%
40 30% 70%
41 0% 100%
46 0% 100%
47 95% 5%
60 95% 5%
【0044】
4.非重合体カテキン類の残存率の算出方法
保存前の容器詰飲料中の非重合体カテキン類の含有量、及び55℃で14日間保存後の容器詰飲料中の非重合体カテキン類の含有量から、下記式により非重合体カテキン類の残存率を求めた。
【0045】
非重合体カテキン類の残存率(%)=(保存後の容器詰飲料中の非重合体カテキン類の含有量/保存前の容器詰飲料中の非重合体カテキン類の含有量)×100
【0046】
5.pHの測定方法
pHメータ(HORIBA コンパクトpHメータ、堀場製作所製)を用いて、容器詰飲料を20℃に温度調整をして測定した。
【0047】
6.官能評価
各容器詰飲料について「保存前の茶風味」、「55℃で14日間保存後の茶風味」について、専門パネル3名が下記の基準にて評価し、その後協議により評点を決定した。
【0048】
茶風味の評価
製造直後の実施例2の容器詰飲料の茶風味を評点5とし、製造直後の比較例4の容器詰飲料の茶風味を評点2として、下記の5段階で評価を行った。具体的な評価基準は以下のとおりである。
【0049】
茶風味の評価基準
5:茶の香り立ちがとてもよく、茶の風味が十分にある。
4:茶の香り立ちがよく、茶の風味がある。
3:茶の香り立ちがややあり、茶の風味がややある。
2:茶以外の香りがややあり、茶の風味があまりない。
1:茶以外の香りが強く、茶の風味がない。
【0050】
製造例1
緑茶精製物の製造
ポリフェノンG(三井農林社製、非重合体カテキン類33質量%、ルチン0.99質量%)200gを、25℃にて250r/min攪拌条件下の95質量%エタノール水溶液800g中に分散させ、酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)100gを投入後、約10分間攪拌を続けた。次に、2号ろ紙で濾過した後、濾液に活性炭16gを添加し、再び2号ろ紙で濾過した。次に0.2μmメンブランフィルターで再濾過した。次に、40℃、減圧下にて濾液からエタノールを留去し、イオン交換水で非重合体カテキン類濃度を15質量%に調整して、緑茶精製物を得た。得られた緑茶精製物は、非重合体カテキン類の含有量が15質量%であり、ルチンの含有量が0.32質量%であり、非重合体カテキン類中のガレート体の割合が52質量%であった。
【0051】
製造例2
緑茶抽出物の製造
緑茶葉(二番煎茶)30gを70℃のイオン交換水1000gで5分間、攪拌抽出し、その後金網により濾過して、茶殻を取り除いた。次に、この抽出液を2号濾紙で吸引濾過して、緑茶抽出物を得た。得られた緑茶抽出物は、非重合体カテキン類の含有量が0.27質量%であり、ルチンの含有量が0.00030質量%であり、非重合体カテキン類中のガレート体の割合が48質量%であった。
【0052】
実施例1
(工程A)
製造例1で得られた緑茶精製物を水に溶解したものにエタノールを配合し、非重合体カテキン類の含有量が0.2質量%、エタノール含有量が0.02質量%となるように調製した。次いで、非重合体カテキン類及びエタノールを共存させた緑茶飲料を135℃にて30秒間、超高温瞬間殺菌装置にて加熱した。
(工程B)
工程(A)を経た飲料を85℃にてポリエチレンテレフタレート製容器に充填して速やかにキャップで密閉した。
(工程C)
工程(B)を経た容器詰緑茶飲料を、70℃に加温した状態を5分間保持した後、50℃まで降温させた。すなわち、本容器詰緑茶飲料は(工程(B))後、19分間かけて50℃まで降温させた。
(工程D)
工程(C)後、容器詰緑茶飲料を50℃から40℃まで6分間かけて降温させ、容器詰緑茶飲料を得た。得られた容器詰緑茶飲料について官能評価を行った。その結果を表1に示す。得られた容器詰飲料について55℃にて14日間保存を行った後、官能評価及び非重合カテキン類の残存率を測定した。その結果を表2に示す。
【0053】
実施例2〜4
工程(C)に係る降温時間及び保持時間を表1及び表2に示す時間に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により容器詰緑茶飲料を得た。得られた容器詰緑茶飲料について官能評価を行った。その結果を表1に示す。得られた容器詰緑茶飲料について55℃にて14日間保存を行った後、官能評価及び非重合カテキン類の残存率を測定した。その結果を表2に示す。
【0054】
実施例5
工程(A)に係る加熱温度を表1に示す温度に変更したこと以外は、実施例2と同様の操作により容器詰緑茶飲料を得た。得られた容器詰緑茶飲料について官能評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0055】
実施例6
工程(C)に係る保持温度及び保持時間を表1に示す温度と時間に変更したこと以外は、実施例2と同様の操作により容器詰緑茶飲料を得た。得られた容器詰緑茶飲料について官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0056】
実施例7
(工程A)
製造例2で得られた緑茶抽出物38質量部と、ポリフェノンG(三井農林社製)0.2質量部とを水に溶解したものにエタノールを配合し、非重合体カテキン類の含有量が0.17質量%、エタノール含有量が0.08質量%となるように調整し、緑茶飲料を調製した。次いで、非重合体カテキン類及びエタノールを共存させた緑茶飲料を135℃にて30秒、超高温瞬間殺菌装置にて加熱した。
(工程B)
工程(A)を経た飲料を冷却し、85℃にてポリエチレンテレフタレート製容器に充填してキャップで密閉した。
(工程C)
工程(B)を経た容器詰緑茶飲料を、70℃の温水で加温した状態を5分間保持した後、50℃まで降温させた。すなわち、本容器詰緑茶飲料は(工程(B))後、19分間かけて50℃まで降温させた。
(工程D)
工程(C)後、容器詰緑茶飲料を、50℃から40℃まで6分間かけて降温させ、容器詰緑茶飲料を得た。得られた容器詰緑茶飲料について官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0057】
実施例8
工程(A)において、飲料中のエタノール含有量が0.15質量%となるようにエタノールを配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により容器詰緑茶飲料を得た。得られた容器詰緑茶飲料について官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0058】
実施例9
工程(A)において、飲料中のルチン含有量が0.006質量%となるようにルチンを配合したこと以外は、実施例2と同様の操作により容器詰緑茶飲料を得た。得られた容器詰緑茶飲料について官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0059】
比較例1
工程(A)においてエタノールを添加しなかったこと以外は、実施例2と同様の操作により容器詰緑茶飲料を得た。得られた容器詰飲料について官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0060】
比較例2
工程(A)に係る加熱温度を表1に示す温度に変更したこと以外は、実施例2と同様の操作により容器詰緑茶飲料を得た。得られた容器詰緑茶飲料について官能評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0061】
比較例3
工程(B)に係る充填温度を表1に示す温度に変更したこと以外は、実施例2と同様の操作により容器詰緑茶飲料を得た。得られた容器詰緑茶飲料について官能評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0062】
比較例4
工程(B)後、7分間で50℃まで急激に冷却したこと以外は、実施例1と同様の操作により容器詰緑茶飲料を得た。得られた容器詰緑茶飲料について官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
表1から、非重合体カテキン類含有飲料を、非重合体カテキン類とエタノールとを特定量共存させた状態で120℃以上の温度にて加熱し、当該飲料を80℃以上の温度にて飲料容器に充填して密封した後、容器詰飲料を15〜40分間かけて50℃まで降温することにより、茶風味の香り立ちの豊かな非重合体カテキン類含有容器詰飲料が得られることがわかる。
【0065】
【表2】
【0066】
表2から、本発明の容器詰飲料の製造方法であれば、長期保存を行っても非重合体カテキン類が安定であり、十分に非重合体カテキン類が残存することがわかる。