特許第6704741号(P6704741)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6704741
(24)【登録日】2020年5月15日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】マイクロ波加熱用包装容器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20200525BHJP
   H05B 6/64 20060101ALI20200525BHJP
   F24C 7/02 20060101ALI20200525BHJP
   B65D 81/34 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   A47J27/00 107
   H05B6/64 J
   F24C7/02 551D
   B65D81/34 U
   F24C7/02 551B
【請求項の数】6
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2016-16354(P2016-16354)
(22)【出願日】2016年1月29日
(65)【公開番号】特開2017-131549(P2017-131549A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2018年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】399054321
【氏名又は名称】東洋アルミニウム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101409
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 泰二
(74)【代理人】
【識別番号】100175385
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 さやか
(72)【発明者】
【氏名】左近 貴浩
【審査官】 根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−106225(JP,A)
【文献】 米国特許第05593610(US,A)
【文献】 特開2000−139379(JP,A)
【文献】 特開昭64−038526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
H05B 6/46、 6/52−6/64
H05B 6/70− 6/80
B65D 81/32−81/36
F24C 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波加熱用包装容器であって、
マイクロ波透過材料からなり、上方が解放され、内包物を収容する収容部と、
マイクロ波透過材料からなり、前記収容部の上方部分を封止するための封止体と、
前記封止体に設けられる単一の金属シート体とを備え、
前記収容部、前記封止体及び前記金属シート体は、それぞれ、平面視において円形形状を有し、
前記金属シート体は、前記封止体による封止状態において前記収容部の中央部分に位置付けられ、
前記収容部の前記上方部分の水平投影面積に対する前記金属シート体の水平投影面積の比が7.9%〜27.8%に設定されている、マイクロ波加熱用包装容器。
【請求項2】
マイクロ波加熱用包装容器であって、
マイクロ波透過材料からなり、上方が解放され、内包物を収容する収容部と、
マイクロ波透過材料からなり、前記収容部の上方部分を封止するための封止体と、
前記封止体に設けられる単一の金属シート体とを備え、
前記収容部、前記封止体及び前記金属シート体は、それぞれ、平面視において楕円形形状を有し、
前記金属シート体は、前記封止体による封止状態において前記収容部の中央部分に位置付けられると共に、前記封止体に対して楕円形形状の長軸方向が一致するように設けられており、
前記収容部の前記上方部分の水平投影面積に対する前記金属シート体の水平投影面積の比が30.0%〜41.4%に設定されている、マイクロ波加熱用包装容器。
【請求項3】
マイクロ波加熱用包装容器であって、
マイクロ波透過材料からなり、上方が解放され、内包物を収容する収容部と、
マイクロ波透過材料からなり、前記収容部の上方部分を封止するための封止体と、
前記封止体に設けられる単一の金属シート体とを備え、
前記収容部、前記封止体及び前記金属シート体は、それぞれ、平面視において矩形形状を有し、
前記金属シート体は、前記封止体による封止状態において前記収容部の中央部分に位置付けられると共に、前記封止体に対して矩形形状の長辺方向及び短辺方向が一致するように設けられており、
前記収容部の前記上方部分の水平投影面積に対する前記金属シート体の水平投影面積の比が略30%に設定されている、マイクロ波加熱用包装容器。
【請求項4】
マイクロ波加熱用包装容器であって、
マイクロ波透過材料からなり、上方が解放され、内包物を収容する収容部と、
マイクロ波透過材料からなり、前記収容部の上方部分を封止するための封止体と、
前記封止体に設けられる単一の金属シート体とを備え、
前記収容部及び前記封止体は、それぞれ、平面視において矩形形状を有し、
前記金属シート体は、平面視において楕円形形状を有し、前記封止体による封止状態において前記収容部の中央部分に位置付けられると共に、前記封止体に対して楕円形形状の長軸方向が矩形形状の長辺方向に一致するように設けられており、
前記収容部の前記上方部分の水平投影面積に対する前記金属シート体の水平投影面積の比が30.4%〜36.2%に設定されている、マイクロ波加熱用包装容器。
【請求項5】
前記封止体は、前記収容部の上方部分に応じた形状を有する蓋体からなる、請求項1から請求項のいずれかに記載のマイクロ波加熱用包装容器。
【請求項6】
前記封止体は、前記収容部の上方部分を覆うように取り付けられる封止フィルムからなる、請求項1から請求項のいずれかに記載のマイクロ波加熱用包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はマイクロ波加熱用包装容器に関し、特に、蓋と収容部とを有し、収容部に冷凍食品等を収容するためのマイクロ波加熱用包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロ波を利用して食品等を加熱するマイクロ波加熱装置が広く普及している。マイクロ波加熱装置による加熱では、温めムラ、すなわち局所的に強く加熱される所謂ホットスポットや、局所的に温まりにくい所謂クールスポット等ができる場合があることが知られており、この温めムラに対応するため様々な包装容器が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、蓋を有する矩形の金属箔の皿からなる容器において、蓋の頂面に導電材料の板を設けることが提案されている。
【0004】
又、特許文献2では、水平断面が円形であり、ポットパイを置く上部開放アルミニウム箔浅箱と、浅箱を蔽う成形プラスチック蓋と、当該成形プラスチック蓋の表面上に設けられ、周囲に複数の突起が形成された電導性アルミニウム箔板とを備える容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−106225号公報
【特許文献2】特開昭64−038526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1や特許文献2の技術のように、容器の大部分に金属材料を用いることは、マイクロ波加熱装置の庫内で火花を生じる原因ともなるため安全上の観点から、近年では避けられる傾向にある。
【0007】
又、近年、マイクロ波加熱装置で加熱調理する食品について、調理時間の短縮が望まれており、特に、冷凍食品に関しては、調理に5〜7分程度かかるものが多く比較的長いため、時間短縮への強い要望がある。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、安全性をより向上させると共に調理時間の短縮を実現することができるマイクロ波加熱包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、マイクロ波加熱用包装容器であって、マイクロ波透過材料からなり、上方が解放され、内包物を収容する収容部と、マイクロ波透過材料からなり、収容部の上方部分を封止するための封止体と、封止体に設けられる単一の金属シート体とを備え、収容部、封止体及び金属シート体は、それぞれ、平面視において円形形状を有し、金属シート体は、封止体による封止状態において収容部の中央部分に位置付けられ、収容部の上方部分の水平投影面積に対する金属シート体の水平投影面積の比が7.9%〜27.8%に設定されているものである。
【0010】
このように構成すると、円形形状を有するマイクロ波加熱用包装容器において、火花の発生を極力抑える一方で、金属シート体を設けない場合と比べて収容部中央付近の温めムラを低減できる。
【0013】
請求項2記載の発明は、マイクロ波加熱用包装容器であって、マイクロ波透過材料からなり、上方が解放され、内包物を収容する収容部と、マイクロ波透過材料からなり、収容部の上方部分を封止するための封止体と、封止体に設けられる単一の金属シート体とを備え、収容部、封止体及び金属シート体は、それぞれ、平面視において楕円形形状を有し、金属シート体は、封止体による封止状態において収容部の中央部分に位置付けられると共に、封止体に対して楕円形形状の長軸方向が一致するように設けられており、収容部の上方部分の水平投影面積に対する金属シート体の水平投影面積の比が30.0%〜41.4%に設定されているものである。
【0014】
このように構成すると、楕円形形状を有するマイクロ波加熱用包装容器において、火花の発生を極力抑える一方で、金属シート体を設けない場合と比べて収容部中央付近の温めムラを低減できる。
【0017】
請求項記載の発明は、マイクロ波加熱用包装容器であって、マイクロ波透過材料からなり、上方が解放され、内包物を収容する収容部と、マイクロ波透過材料からなり、収容部の上方部分を封止するための封止体と、封止体に設けられる単一の金属シート体とを備え、収容部、封止体及び金属シート体は、それぞれ、平面視において矩形形状を有し、金属シート体は、封止体による封止状態において収容部の中央部分に位置付けられると共に、封止体に対して矩形形状の長辺方向及び短辺方向が一致するように設けられており、収容部の上方部分の水平投影面積に対する金属シート体の水平投影面積の比が略30%に設定されているものである。
【0018】
このように構成すると、矩形形状を有するマイクロ波加熱用包装容器において、火花の発生を極力抑える一方で、金属シート体を設けない場合と比べて収容部中央付近の温めムラを低減できる。
【0021】
請求項記載の発明は、マイクロ波加熱用包装容器であって、マイクロ波透過材料からなり、上方が解放され、内包物を収容する収容部と、マイクロ波透過材料からなり、収容部の上方部分を封止するための封止体と、封止体に設けられる単一の金属シート体とを備え、収容部及び封止体は、それぞれ、平面視において矩形形状を有し、金属シート体は、平面視において楕円形形状を有し、封止体による封止状態において収容部の中央部分に位置付けられると共に、封止体に対して楕円形形状の長軸方向が矩形形状の長辺方向に一致するように設けられており、収容部の上方部分の水平投影面積に対する金属シート体の水平投影面積の比が30.4%〜36.2%に設定されているものである。
【0022】
このように構成すると、矩形形状を有するマイクロ波加熱用包装容器において、火花の発生を極力抑える一方で、金属シート体を設けない場合と比べて収容部中央付近の温めムラを低減できる。
【0025】
請求項記載の発明は、請求項1から請求項のいずれかに記載の発明の構成において、封止体は、収容部の上方部分に応じた形状を有する蓋体からなるものである。
【0026】
このように構成すると、蓋体を有するマイクロ波加熱用包装容器について、好適に収容部中央付近の温めムラを低減できる。
【0027】
請求項記載の発明は、請求項1から請求項のいずれかに記載の発明の構成において、封止体は、収容部の上方部分を覆うように取り付けられる封止フィルムからなるものである。
【0028】
このように構成すると、フィルム部材による密閉構造を有するマイクロ波加熱用包装容器について、好適に収容部中央付近の温めムラを低減できる。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、円形形状を有するマイクロ波加熱用包装容器において、火花の発生を極力抑える一方で、金属シート体を設けない場合と比べて収容部中央付近の温めムラを低減できるため、安全性をより向上させると共に調理時間の短縮を実現することができる。
【0031】
請求項記載の発明は、楕円形形状を有するマイクロ波加熱用包装容器において、火花の発生を極力抑える一方で、金属シート体を設けない場合と比べて収容部中央付近の温めムラを低減できる。
【0033】
請求項記載の発明は、矩形形状を有するマイクロ波加熱用包装容器において、火花の発生を極力抑える一方で、金属シート体を設けない場合と比べて収容部中央付近の温めムラを低減できるため、安全性をより向上させると共に調理時間の短縮を実現することができる。
【0035】
請求項記載の発明は、矩形形状を有するマイクロ波加熱用包装容器において、火花の発生を極力抑える一方で、金属シート体を設けない場合と比べて収容部中央付近の温めムラを低減できるため、安全性をより向上させると共に調理時間の短縮を実現することができる。
【0037】
請求項記載の発明は、請求項1から請求項のいずれかに記載の発明の効果に加えて、蓋体を有するマイクロ波加熱用包装容器について、好適に収容部中央付近の温めムラを低減でき、金属シート体を設けない場合と比べて調理時間の短縮を実現することができる
【0038】
請求項記載の発明は、請求項1から請求項のいずれかに記載の発明の効果に加えて、フィルム部材による密閉構造を有するマイクロ波加熱用包装容器について、好適に収容部中央付近の温めムラを低減でき、金属シート体を設けない場合と比べて調理時間の短縮を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】この発明の第1の実施の形態に係るマイクロ波加熱用包装容器の外観形状を示した斜視図である。
図2】上記マイクロ波加熱用包装容器が備える収容部の平面図である。
図3図2における矢印III方向視の側面図である。
図4】上記マイクロ波加熱用包装容器が備える蓋体の平面図である。
図5図4におけるV方向視の側面図である。
図6】上記マイクロ波加熱用包装容器が備える金属シート体の平面図である。
図7】この発明の第2の実施の形態に係るマイクロ波加熱用包装容器が備える収容部の平面図である。
図8図7における矢印VIII方向視の側面図である。
図9】上記マイクロ波加熱用包装容器が備える蓋体の平面図である。
図10図9における矢印X方向の側面図である。
図11】上記マイクロ波加熱用包装容器が備える金属シート体の平面図である。
図12】この発明の第3の実施の形態に係るマイクロ波加熱用包装容器が備える収容部の平面図である。
図13図12における矢印XIII方向視の側面図である。
図14図12における矢印XIV方向視の側面図である。
図15】上記マイクロ波加熱用包装容器が備える蓋体の平面図である。
図16図15における矢印XVI方向の側面図である。
図17】上記マイクロ波加熱用包装容器が備える金属シート体の平面図である。
図18】この発明の第4の実施の形態に係るマイクロ波加熱用包装容器の外観形状を示した斜視図である。
図19】試験A−1における温度測定の位置を示す図である。
図20】比較例1−1の結果を示す図である。
図21】比較例1−2の結果を示す図(A)に測定結果を示すグラフ、(B)に平面視におけるイメージ写真を示している。
図22】実施例1−1の結果を示す図(A)に測定結果を示すグラフ、(B)に平面視におけるイメージ写真を示している。
図23】実施例1−2の結果を示す図(A)に測定結果を示すグラフ、(B)に平面視におけるイメージ写真を示している。
図24】実施例1−3の結果を示す図(A)に測定結果を示すグラフ、(B)に平面視におけるイメージ写真を示している。
図25】検討例1−1の結果を示す図(A)に測定結果を示すグラフ、(B)に平面視におけるイメージ写真を示している。
図26】試験A−2における温度測定の位置を示す図である。
図27】比較例2−1の結果を示す図である。
図28】比較例2−2の結果を示す図であり、(A)に測定結果を示すグラフ、(B)に平面視におけるイメージ写真を示している。
図29】実施例2−1の結果を示す図であり、(A)に測定結果を示すグラフ、(B)に平面視におけるイメージ写真を示している。
図30】実施例2−2の結果を示す図であり、(A)に測定結果を示すグラフ、(B)に平面視におけるイメージ写真を示している。
図31】検討例2−1の結果を示す図であり、(A)に測定結果を示すグラフ、(B)に平面視におけるイメージ写真を示している。
図32】検討例2−2の結果を示す図であり、(A)に測定結果を示すグラフ、(B)に平面視におけるイメージ写真を示している。
図33】試験A−3における温度測定の位置を示す図である。
図34】比較例3−1の結果を示す図である。
図35】比較例3−2の結果を示す図であり、(A)に測定結果を示すグラフ、(B)に平面視におけるイメージ写真を示している。
図36】実施例3−1の結果を示す図であり、(A)に測定結果を示すグラフ、(B)に平面視におけるイメージ写真を示している。
図37】検討例3−1の結果を示す図であり、(A)に測定結果を示すグラフ、(B)に平面視におけるイメージ写真を示している。
図38】検討例3−2の結果を示す図であり、(A)に測定結果を示すグラフ、(B)に平面視におけるイメージ写真を示している。
図39】検討例3−3の結果を示す図であり、(A)に測定結果を示すグラフ、(B)に平面視におけるイメージ写真を示している。
図40】実施例3−2の結果を示す図であり、(A)に測定結果を示すグラフ、(B)に平面視におけるイメージ写真を示している。
図41】検討例3−3の結果を示す図であり、(A)に測定結果を示すグラフ、(B)に平面視におけるイメージ写真を示している。
図42】試験B−1の測定結果を示すグラフを表した図である。
図43】試験B−2の測定結果を示すグラフを表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、この発明の第1の実施の形態に係るマイクロ波加熱用包装容器の外観形状を示した斜視図であり、図2は、その収容部の平面図であり、図3は、図2における矢印III方向視の側面図であり、図4は、その蓋体の平面図であり、図5は、図4におけるV方向視の側面図であり、図6は、その金属シート体の平面図である。
【0041】
これらの図を参照して、マイクロ波加熱用包装容器1は、マイクロ波透過材料からなり、上方が解放され、内包物を収容する収容部11と、マイクロ波透過材料からなり、収容部11の上方の開口部分11aを封止するための封止体としての蓋体12と蓋体12の上面12aに設けられる金属シート体13とを備える。
【0042】
収容部11、蓋体12及び金属シート体13は、それぞれ平面視において円形形状を有する。
【0043】
収容部11は、筒状の側壁と円形の底面とを備える紙容器である。
【0044】
蓋体12は、透明で耐熱性を有する部材(例えば、透明ポリプロピレン(透明PP))により構成されている。
【0045】
金属シート体13は、蓋体12による封止状態において収容部11の中央部分に位置付けられる。すなわち、金属シート体13は、蓋体12の上面12aにおいて、金属シート体13の中心部Pと収容部11の中心部Cとが一致するように設けられる。尚、金属シート体13は、シート状のアルミニウムから構成されている。
【0046】
又、収容部11の上方部分(すなわち開口部分11a)の水平投影面積に対する金属シート体の水平投影面積の比は5.0%〜30.0%更に好ましくは7.9%〜27.8%に設定されている。
【0047】
このように構成することで、円形形状を有するマイクロ波加熱用包装容器において、火花の発生を極力抑える一方で、金属シート体を設けない場合と比べて収容部中央付近の温めムラを低減できる。よって、安全性をより向上させると共に調理時間の短縮を実現することができる。
【0048】
図7は、この発明の第2の実施の形態に係るマイクロ波加熱用包装容器が備える収容部の平面図であり、図8は、図7における矢印VIII方向視の側面図であり、図9は、その蓋体の平面図であり、図10は、図9における矢印X方向の側面図であり、図11は、その金属シート体の平面図である。尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0049】
これらの図を参照して、この実施の形態によるマイクロ波加熱用包装容器にあっては、その形状が、第1の実施の形態における円形形状から、楕円形状に変更されている。
【0050】
すなわち、収容部11、蓋体12及び金属シート体13は、それぞれ、平面視において楕円形形状を有している。
【0051】
又、金属シート体13は、蓋体12による封止状態において収容部11の中央部分に位置付けられると共に、蓋体12に対して楕円形形状の長軸方向が一致するように設けられる。
【0052】
更に、収容部11の上方部分(すなわち開口部分11a)の水平投影面積に対する金属シート体の水平投影面積の比は20.0%〜49.0%更に好ましくは30.0%〜41.4%に設定されている。
【0053】
このように構成すると、楕円形形状のマイクロ波加熱用包装容器において、火花の発生を極力抑える一方で、金属シート体を設けない場合と比べて収容部中央付近の温めムラを低減できる。よって、安全性をより向上させると共に調理時間の短縮を実現することができる。
【0054】
図12は、この発明の第3の実施の形態に係るマイクロ波加熱用包装容器が備える収容部の平面図であり、図13は、図12における矢印XIII方向視の側面図であり、図14は、図12における矢印XIV方向視の側面図であり、図15は、その蓋体の平面図であり、図16は、図15における矢印XVI方向の側面図であり、図17は、その金属シート体の平面図である。尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0055】
これらの図を参照して、この実施の形態によるマイクロ波加熱用包装容器にあっては、その形状が、第1の実施の形態における円形形状から、矩形形状に変更されている。
【0056】
すなわち、収容部11、蓋体12及び金属シート体13は、それぞれ、平面視において矩形形状を有している。尚、以下で説明する矩形形状には角丸のものが含まれる。
【0057】
又、金属シート体13は、蓋体12による封止状態において収容部11の中央部分に位置付けられると共に、蓋体12に対して矩形形状の長辺方向及び短辺方向が一致するように設けられている。
【0058】
更に、収容部11の上方部分(すなわち開口部分11a)の水平投影面積に対する金属シート体の水平投影面積の比は20.0%〜40.0%更に好ましくは略30.0%に設定されている。
【0059】
このように構成すると、矩形形状のマイクロ波加熱用包装容器において、火花の発生を極力抑える一方で、金属シート体を設けない場合と比べて収容部中央付近の温めムラを低減できる。よって、安全性をより向上させると共に調理時間の短縮を実現することができる。
【0060】
図18は、この発明の第4の実施の形態に係るマイクロ波加熱用包装容器の外観形状を示した斜視図である。尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0061】
同図を参照して、この実施の形態によるマイクロ波加熱用包装容器1にあっては、第1の実施の形態において収容部11の開口を封止していた蓋体12が、封止フィルム15に変更されている。
【0062】
封止フィルム15は、一例としてPET(ポリエチレンテレフタレート)やPP、NY(ナイロン)等の基材にシーラント層を付与した複層フィルムとして構成されており、収容部11の上方部分を覆うようにして、例えば、ヒートシール等により、収容部11の開口部分の周縁部において取り付けられる。
【0063】
又、封止フィルム15の上面15aには、収容部11の中央部分に位置付けられて、金属シート体13が粘着剤等を介し貼り付けられている。すなわち、金属シート体13は、封止フィルム15の上面15aにおいて、金属シート体13の中心部と収容部11の中心部とが一致するように設けられている。
【0064】
このようにフィルム部材による密閉構造を有するマイクロ波加熱用包装容器についても、第1の実施の形態の場合と同様、好適に収容部中央付近の温めムラを低減でき、金属シート体を設けない場合と比べて調理時間の短縮を実現することができる。
【0065】
尚、以上の各実施の形態では、収容部の開口部分を封止するための封止体として、蓋体や封止フィルムを採用することについて説明したが、これに限られず、任意の部材を用いて収容部の開口を封止することができる。
【0066】
又、以上の各実施の形態では、容器部は紙製であったが、これに限られず任意のマイクロ波透過部材、例えば、合成樹脂製のものを用いることができる。
【0067】
更に、以上の各実施の形態では、マイクロ波加熱用包装容器の収容部、封止体(蓋体、封止フィルム)及び金属シート体が、特定の部材により構成されることについて説明したがこれに限られない。例えば、金属シート体は、アルミニウムのシートから構成されていたが、これに限られず、マイクロ波を反射する金属部材により構成することができる。更に、金属シート体は、アルミシートと薄紙とを貼り合わせた複合シートにより構成することもできる。又、金属シート体の厚みは、6〜80μmとすることが望ましい(厚み数値はアルミシートの厚み又は複合シートの総厚み)。
【0068】
更に、以上の各実施の形態では、金属シート体は、蓋体又は封止フィルムの上面に設けられていたが、これに限られず、下面に設けられていてもよく、蓋体又は封止フィルムに一体化して埋め込まれていても構わない。
【0069】
更に、以上の各実施の形態では、蓋体の上面は平坦であり、又、金属シート体は平坦な部材により構成されていたがこれに限られない。蓋体の上面は曲面により構成されていてもよく、この場合、面積は水平面に対して蓋体の上面を投影したものを求めればよい。又、金属シート体は曲面からなる蓋体に応じて湾曲した表面を有していてもよく、又、立体的な形状を有していてもよい。このような平坦でない金属シート体の面積は、水平面に対して金属シート体を投影した面積を求めればよい。
【0070】
更に、上記の第3の実施の形態では、金属シート体は矩形形状を有していたが、これに限られない。例えば、金属シート体は楕円形形状とすることも可能である。すなわち、金属シート体は、平面視において楕円形形状を有し、蓋体等の封止体による封止状態において収容部の中央部分に位置付けられると共に、封止体に対して楕円形形状の長軸方向が矩形形状の長辺方向に一致するように設けられていてもよい。又、この場合、面積比は、30.4%〜36.2%であることが好ましい。
【実施例】
【0071】
1.概要
<<試験A>>
金属シート体の大きさ(面積)や形状は、加熱効率と密接な関係があると考えられる。又、様々な形状のマイクロ波加熱用包装容器に対し金属シート体の面積や形状を変更しながら、加熱効率の評価を行った。
【0072】
実施例として、マイクロ波加熱用包装容器の形状に関し、以下の3つを評価している。
【0073】
・円形形状
・楕円形形状
・矩形形状
<<試験B>>
又、市販の商品をマイクロ波加熱用包装容器に移し替えて加熱効率の評価を行った。実施例としての評価は蓋体を有するマイクロ波加熱用包装容器と、封止フィルムが設けられたマイクロ波加熱用包装容器の2種類について行った。
【0074】
以下において各試験の結果を説明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
2.試験の内容及び結果
<<試験A>>
<<試験A−1>>円形形状のマイクロ波加熱用包装容器に関する評価
(1)マイクロ波加熱用包装容器の準備
(1−1)実施例及び検討例について
各実施例及び検討例として、第1の実施の形態に準じたもの、すなわち、円形形状の収容部及び蓋体に対して、円形形状の金属シート体を取り付けたものを準備した。評価は、様々なサイズの金属シート体について行った。収容部、蓋体及び金属シート体の仕様はそれぞれ以下の通りである。
・収容部
実施例1−1〜実施例1−3及び検討例1−1共通で以下のものを準備した(図2及び図3も参照)。
【0075】
形状 :円形形状
容器外径(TO):φ150mm
容器口径(TI):φ142.2mm
底部外径(BT):φ134mm
深さ(VD) :40mm
容量 :490cc
備考 :コップ型成型、耐熱ペーパーコップ
・蓋体
実施例1−1〜実施例1−3及び検討例1−1共通で以下のものを準備した(図4及び図5も参照)。
【0076】
形状 :円形形状
全高(H1) :約16mm
突出高さ(H2):約8mm
備考 :透明PP製
・金属シート体
実施例1−1〜実施例1−3及び検討例1−1として以下のものを準備した(図6も参照)。
【0077】
形状 :円形形状(各実施例等で共通)
寸法 :(実施例1−1)直径40mm(面積比:7.9%)
(実施例1−2)直径60mm(面積比:17.8%)
(実施例1−3)直径75mm(面積比:27.8%)
(検討例1−1)直径103mm(面積比:52.5%)
※面積比とは、容器口径(TIに対応)面積に対する金属シート体の面積の比である。
【0078】
備考 :厚さ6〜80μmのアルミシート
(1−2)比較例について
・[比較例1−1]
比較例1−1として図2及び図3に示すような円形形状の収容部を有し、蓋体なしのマイクロ波加熱用包装容器を準備した。尚、収容部の仕様は上述の実施例1−1等のものと同様である。
・[比較例1−2]
比較例1−2として図2図5に示すような円形形状の蓋体及び収容部を有するマイクロ波加熱用包装容器を準備した。尚、蓋体及び収容部の仕様は上述の実施例1−1等のものと同様である。
(2)試験方法
各実施例及び比較例における加熱試験は以下の手順で行った。
(i) まず、マイクロ波加熱用包装容器の収容部に、加熱試験用の供試体として、市販のホワイトソース(ハインツ日本株式会社製)を300g充填した(各実施例及び比較例1−2ではさらに蓋体により容器を密封した)。
(ii) 続けて、ホワイトソースを充填したマイクロ波加熱用包装容器を、業務用冷凍庫にて、−20℃の雰囲気下で5日間保持した。その後、上記供試体を、マイクロ波加熱装置(シャープ株式会社製、商品名:「RE−MA1−N」定格高周波出力1000W、フラットテーブル方式)により加熱試験を行った。
【0079】
尚、マイクロ波加熱装置の設定は、600Wの出力とした。加熱前の供試体に、各実施例及び各比較例の蓋を設置し、最初の加熱を行った。最初の加熱時間は、3分とした。
(iii) 供試体を加熱後、蓋を外して、加熱されたホワイトソースの温度を測定した。ホワイトソースの温度を測定した位置は、図19において黒丸印で示す位置である。
【0080】
図19は、試験A−1における温度測定の位置を示す図である。具体的には、同図を参照して、マイクロ波加熱用包装容器の中央に温度計ch2を配置すると共に、温度計ch2の位置を含む直線K上において、温度計ch2から距離L11(=30.0mm)だけ離間した位置に温度計ch1を配置した。温度計ch1とは逆の側にも同様に温度計ch2から距離L11(=30.0mm)だけ離間した位置に温度計ch3を配置した。更に、温度計ch1の位置を通り、直線Kに直交する直線上において、温度計ch1から距離L12(=55.0mm)だけ離間した位置に温度計ch5を配置した。更に、温度計ch3の位置を通り、直線Kに直交する直線上において、温度計ch5の位置とは反対側に温度計ch3から距離L13(=55.0mm)だけ離間した位置に温度計ch4を配置した。尚、温度計ch1〜ch5それぞれは、容器の頂部から、深さL14(=20.0mm)の位置に配置している。
【0081】
使用した温度計は、K熱電対である。K熱電対を図19の黒丸印で示す各位置に挿入し、30秒経過後の温度を記録した。
(iv) その後、上記供試体を電子レンジにて更に1分間、追加の加熱をした。
(v) (iv)の追加の加熱後、供試体について、上記の手順に従い温度を測定した。
【0082】
尚、喫食に適した温度を75℃と設定し(以下「喫食温度」と称する)、図19の黒丸印で示す各供試体の各位置の温度全てが、喫食温度(75℃)以上に達するまで、追加の加熱及び温度測定を繰り返した。
【0083】
その結果、図20図25に示す測定結果が得られた。以下、各図を参照しながら各測定結果について順に説明する。
【0084】
図20は、比較例1−1の結果を示す図であり、図21は、比較例1−2の結果を示す図であり、図22は、実施例1−1の結果を示す図であり、図23は、実施例1−2の結果を示す図であり、図24は、実施例1−3の結果を示す図であり、図25は、検討例1−1の結果を示す図である。
【0085】
まず、図20を参照して、蓋体なしの場合の比較例1−1では、容器の端付近に配置した温度計ch4及び温度計ch5では、速やかな温度上昇が観測され、両方の測定点で4分後には喫食温度に到達した。一方、中央付近の温度計ch1〜ch3では、温度上昇が鈍く、7分後にようやく温度計ch1及び温度計ch3において喫食温度に到達し、温度計ch2に至っては、喫食温度に達するのに8分を要した。このため、各時間での計測温度を結んだ曲線は下に凸の形状となっており、時間とともに最も温度が高い計測点と最も温度が低い計測点との温度差が小さくなっていくような傾向が見受けられた。
【0086】
図21の(A)を参照して、通常の蓋体(すなわち、金属シート体を設けない蓋体のことを意味する。以下において同様。)の場合の比較例1−2においては、比較例1−1に比べると加熱効率や温度差について若干改善が見受けられるものの全体としては同じような傾向が見られた。各位置の温度がすべて喫食温度75℃以上に達するまでの時間(以下、「所要時間」と称する。そのように見做せると考えられる推計時間を含む)は、6分であった。
【0087】
図22の(A)を参照して、実施例1−1の場合は、各比較例と比べて、温度計ch2での加熱効率が改善されており、各時間での計測温度を結んだ曲線はW字形状となった。所要時間は、5分であった。
【0088】
図23の(A)を参照して、実施例1−2の場合は、実施例1−1と同様の傾向が見られた。特に温度計ch2での加熱効率は更に改善していた。結果として、所要時間は、5分であった。
【0089】
図24の(A)を参照して、実施例1−3の場合は、各位置での加熱のバラツキがかなり改善されており、より均一に加熱されていることが確認できた。所要時間は、4分であった。
【0090】
図25の(A)を参照して、検討例1−1の場合は、比較例1−1や比較例1−2のような下に凸のグラフ形状を示した。所要時間は、6分であった。
(3)評価方法
上記測定結果について、温度測定を行った各位置の温度がすべて喫食温度75℃以上に達するまでの時間が、比較例1−1及び比較例1−2のいずれよりも短縮されているか否かを評価した。
(4)結果
上述のようにして行った試験及び評価の結果を以下の表1に示す。
【0091】
【表1】
(1)「加熱時間」の列を参照して、各位置で計測した温度全てが、喫食温度75℃以上に達するまでの時間を示している。
【0092】
又、「蓋体なしとの差」の列を参照して、比較例1−1の加熱時間と対象となる実施例の加熱時間との差を記載している。
【0093】
更に、「通常の蓋との差」の列を参照して、比較例1−2の加熱時間と対象となる実施例の加熱時間との差を記載している。
【0094】
最後に、「評価」については、「通常の蓋との差」において加熱時間が1分短縮されたものについて“〇”印、1分を超えて短縮されたものについて“◎”印を記載している。一方、「通常の蓋との差」において、加熱時間の短縮が確認できなかったものについて“△”印、加熱時間が延びたものについて“×”印を記載している。
(2)その結果、まず、比較例1−1は、「加熱時間」が、8分であった。又、比較例1−2は、「加熱時間」は、6分であり、比較例1−1と比べて2分短かった。
【0095】
これに対して、実施例1−1及び実施例1−2は、いずれも、「加熱時間」が5分であり、「蓋体なしとの差」及び「通常の蓋との差」は、それぞれ−3分及び−1分となった。従って評価は、“〇”としている。
【0096】
又、実施例1−3は、「加熱時間」が4分であり、「蓋体なしとの差」及び「通常の蓋との差」は、それぞれ−4分及び−2分となった。従って評価は、“◎”としている。
【0097】
又、検討例1−1は、「加熱時間」が6分であり、「蓋体なしとの差」及び「通常の蓋との差」は、それぞれ−2分及び0分となった。従って評価は、“△”としている。
<<試験A−2>>楕円形形状のマイクロ波加熱用包装容器に関する評価
(1)マイクロ波加熱用包装容器の準備
(1−2)実施例及び検討例について
各実施例として、第2の実施の形態に準じたもの、楕円形形状の収容部及び蓋体に対して、楕円形形状の金属シート体を取り付けたものを準備した。評価は、様々なサイズの金属シート体について行った。収容部、蓋体及び金属シート体の仕様はそれぞれ以下の通りである。
・収容部
実施例2−1、実施例2−2及び検討例2−1、検討例2−2共通で以下のものを準備した(図7及び図8も参照)。
【0098】
形状 :楕円形形状
容器外径:179mm×120mm(長軸×短軸)(TOL×TOS)
容器口径:152mm×102mm(長軸×短軸)(TIL×TIS)
底部外径:140mm×90mm(長軸×短軸)(BTL×BTS)
深さ(VD) :30mm
容量 :310cc
備考 :紙のプレス成形により製作
・蓋体
実施例2−1、実施例2−2及び検討例2−1、検討例2−2共通で以下のものを準備した(図9及び図10も参照)。
【0099】
形状 :楕円形形状
全高(H1) :約22mm
突出高さ(H2):約12mm
備考 :OPS(二軸延伸ポリスチレン)製
・金属シート体
実施例2−1、実施例2−2及び検討例2−1、検討例2−2として以下のものを準備した(図11も参照)。
【0100】
形状 :楕円形形状(各実施例等で共通)
寸法 :(実施例2−1)98mm×48mm(LL×SL)(面積比:30.0%)
(実施例2−2)109.0mm×59.0mm(LL×SL)(面積比:41.4%)
(検討例2−1)116.0mm×66.0mm(LL×SL)(面積比:49.4%)
(検討例2−2)133.0mm×83.0mm(LL×SL)(面積比:71.3%)
※面積比とは、容器口径(TIに対応)面積に対する金属シート体の面積の比である。
【0101】
備考 :厚さ6〜80μmのアルミシート
(1−2)比較例について
・[比較例2−1]
比較例2−1として図7及び図8に示すような収容部を有し、蓋体なしのマイクロ波加熱用包装容器を準備した。収容部の仕様は上述の実施例2−1等のものと同様である。
・[比較例2−2]
比較例2−2として図7図10に示すような楕円形形状の蓋体及び収容部を有するマイクロ波加熱用包装容器を準備した。蓋体及び収容部の仕様は上述の実施例2−1等のものと同様である。
(2)試験方法
上記<<試験A−1>>の場合と同様、マイクロ波加熱用包装容器に、ホワイトソースを300g充填し、上記と同様の操作により、温度を測定した。
【0102】
尚、比較例2−1以外の各実施例、各検討例及び比較例2−2ではさらに蓋体により容器を密封した。
【0103】
又、手順(iii)でホワイトソースの温度を測定した位置は、図26において黒丸印で示す位置である。
【0104】
図26は、試験A−2における温度測定の位置を示す図である。具体的には、同図を参照して、マイクロ波加熱用包装容器の中央に温度計ch2を配置すると共に、温度計ch2の位置を含み長軸方向に延びる直線K上において、温度計ch2から一方側に距離L21(=30.0mm)だけ離間した位置に温度計ch1を配置した。更に直線K上において温度計ch1から一方側に距離L22(=38.0mm)だけ離間した位置に温度計ch5を配置した。又、温度計ch2の他方側においても同様に距離L21だけ離間した位置に温度計ch3を配置し、更に距離L22だけ離間した位置に温度計ch4を配置した。尚、温度計ch1〜ch5それぞれは、容器の頂部から、深さL23(=14.8mm)の位置に配置している。
【0105】
その結果、図27図32に示す測定結果が得られた。以下、各図を参照しながら各測定結果について順に説明する。
【0106】
図27は、比較例2−1の結果を示す図であり、図28は、比較例2−2の結果を示す図であり、図29は、実施例2−1の結果を示す図であり、図30は、実施例2−2の結果を示す図であり、図31は、検討例2−1の結果を示す図であり、図32は、検討例2−2の結果を示す図である。
【0107】
まず、図27を参照して、蓋体なしの場合の比較例2−1では、容器の端付近に配置した温度計ch4及び温度計ch5では、速やかな温度上昇が観測され、両方の測定点で4分後には喫食温度に到達した。又、中央に配置した温度計ch2でも、ある程度速やかに温度が上昇し、5分後には喫食温度に到達した。これに対して温度計ch1及び温度計ch3では、温度上昇が鈍く、7分後にようやく喫食温度に到達した。各時間での計測温度を結んだ曲線はWの字形状となった。
【0108】
図28の(A)を参照して、通常の蓋の場合の比較例2−2においては、比較例1−1に比べると加熱効率や温度差について若干改善が見受けられるものの全体としては同じような傾向が見られた。所要時間は、6分であった。
【0109】
図29の(A)を参照して、実施例2−1の場合は、中央付近の温度上昇のほうが、両端付近の温度上昇よりも早く、グラフは上に凸の山形となった。各比較例と比べて、中央付近における加熱効率が改善されており、所要時間は、約4.5分であった。
【0110】
図30の(A)を参照して、実施例2−2の場合は、実施例2−1と概ね同様の傾向が見られた。所要時間は、5分であった。
【0111】
図31の(A)を参照して、検討例2−1の場合は、比較例2−1及び比較例2−2と比べると、中央の温度計ch2における加熱効率の改善が見受けられたものの、温度計ch2と温度計ch1及び温度計ch3との間で、加熱効率にバラツキが生じる傾向が見受けられた。結果として、所要時間は、6分であった。
【0112】
図32の(A)を参照して、検討例2−2の場合は、概ね検討例2−1と同様の傾向が見受けられた。結果として、所要時間は、略6分であった。
(3)評価方法
上記<<試験A−1>>の場合と同様、上記測定結果について、温度測定を行った各位置の温度がすべて喫食温度75℃以上に達するまでの時間が、比較例2−1及び比較例2−2のいずれよりも短縮されているか否かを評価した。
(4)結果
上述のようにして行った試験及び評価の結果を以下の表2に示す。
【0113】
【表2】
(1)各列の記載については、上記<<試験A−1>>の場合と同様である。
(2)その結果、まず、比較例2−1は、「加熱時間」が、7分であった。又、比較例2−2は、「加熱時間」は、6分であり、比較例2−1と比べて1分短かった。
【0114】
これに対して、実施例2−1は、「加熱時間」が4.5分であり、「蓋体なしとの差」及び「通常の蓋との差」は、それぞれ−2.5分及び−1.5分となった。従って評価は、“◎”としている。
【0115】
又、実施例2−2は、「加熱時間」が5分であり、「蓋体なしとの差」及び「通常の蓋との差」は、それぞれ−2分及び−1分となった。従って評価は、“〇”としている。
【0116】
更に、検討例2−1及び検討例2−2は、いずれも、「加熱時間」が6分であり、「蓋体なしとの差」及び「通常の蓋との差」は、それぞれ−1分及び−0分となった。従って評価は、“△”としている。
<<試験A−3>>矩形形状のマイクロ波加熱用包装容器に関する評価
(1)マイクロ波加熱用包装容器の準備
(1−1)実施例及び検討例について
各実施例及び各検討例として、第3の実施の形態に準じたもの、矩形形状の収容部及び蓋体に対して、矩形形状の金属シート体を取り付けたものを準備した。評価は、様々なサイズの金属シート体について行った。収容部、蓋体及び金属シート体の仕様はそれぞれ以下の通りである。
・収容部
実施例3−1、検討例3−1〜検討例3−3共通で以下のものを準備した(図12図14も参照)。
【0117】
形状 :矩形形状
容器外径:175mm×122mm(長辺×短辺)(TOL×TOS)
容器口径:164mm×113mm(長辺×短辺)(TIL×TIS)
底部外径:148mm×98mm(長辺×短辺)(BTL×BTS)
深さ(VD) :25mm
容量 :380cc
備考 :紙のプレス成形により製作
・蓋体
実施例3−1、検討例3−1〜検討例3−3共通で以下のものを準備した(図15及び図16も参照)。
【0118】
形状 :矩形形状
全高(H1) :約25mm
突出高さ(H2):約11mm
備考 :OPS製
・金属シート体
実施例3−1、検討例3−1〜検討例3−3として以下のものを準備した(図17も参照)。
【0119】
形状 :矩形形状(各実施例等で共通)
寸法 :(実施例3−1)105.0mm×51.0mm(LL×SL)(面積比:30.0%)、角部曲率半径:5.0mm(R)
(検討例3−1)115.0mm×61.0mm(LL×SL)(面積比:40.9%)、角部曲率半径:3.5mm(R)
(検討例3−2)125.0mm×71.0mm(LL×SL)(面積比:51.5%)、角部曲率半径:8.5mm(R)
(検討例3−3)139.0mm×85.0mm(LL×SL)(面積比:67.8%)、角部曲率半径:15.5mm(R)
※面積比とは、容器口径(TIに対応)面積に対する金属シート体の面積の比である。
【0120】
備考 :厚さ6〜80μmのアルミシート
[実施例3−2]及び[実施例3−3]
これらの実施例として、第3の実施の形態において、金属シート体を、楕円形形状に変更したものを準備した。収容部、蓋体の仕様は上述の実施例3−1等のものと同様である。
・金属シート体
(実施例3−2)109.0mm×59.0mm(LL×SL)(面積比:30.4%)
※実施例2−2のものと同等のものである。
【0121】
(実施例3−3)116.0mm×66.0mm(LL×SL)(面積比:36.2%)
※検討例2−1と同等のものである。
(1−2)比較例について
・[比較例3−1]
比較例3−1として図12図14に示すような収容部を有し、蓋体なしのマイクロ波加熱用包装容器を準備した。収容部の仕様は上述の実施例3−1等のものと同様である。
・[比較例3−2]
比較例3−2として図12図16に示すような矩形形状の蓋体及び収容部を有するマイクロ波加熱用包装容器を準備した。蓋体及び収容部の仕様は上述の実施例3−1等のものと同様である。
(2)試験方法
上記<<試験A−1>>の場合と同様、マイクロ波加熱用包装容器に、ホワイトソースを300g充填し、上記と同様の操作により、温度を測定した。
【0122】
尚、比較例3−1以外の各実施例、各検討例及び比較例3−2ではさらに蓋体により容器を密封した。
【0123】
又、手順(iii)でホワイトソースの温度を測定した位置は、図33において黒丸で示す位置である。
【0124】
図33は、試験A−3における温度測定の位置を示す図である。具体的には、同図を参照して、マイクロ波加熱用包装容器の中央に温度計ch2を配置すると共に、温度計ch2の位置を含み長辺方向に延びる直線K上において、温度計ch2から一方側に距離L31(=30.0mm)だけ離間した位置に温度計ch1を配置した。更に直線K上において温度計ch1から一方側に距離L32(=38.0mmだけ離間した位置に温度計ch5を配置した。又、温度計ch2の他方側においても同様に距離L31だけ離間した位置に温度計ch3を配置し、更に距離L22だけ離間した位置に温度計ch4を配置した。尚、温度計ch1〜ch5それぞれは、容器の頂部から、深さL33(=13.5mm)の位置に配置している。
【0125】
その結果、図34図41に示す測定結果が得られた。以下、各図を参照しながら各測定結果について順に説明する。
【0126】
図34は、比較例3−1の結果を示す図であり、図35は、比較例3−2の結果を示す図であり、図36は、実施例3−1の結果を示す図であり、図37は、検討例3−1の結果を示す図であり、図38は、検討例3−2の結果を示す図であり、図39は、検討例3−3の結果を示す図であり、図40は、実施例3−2の結果を示す図であり、図41は、検討例3−3の結果を示す図である。
【0127】
まず、図34を参照して、蓋体なしの場合の比較例3−1では、容器の端付近に配置した温度計ch4及び温度計ch5では、速やかな温度上昇が観測され、両方の測定点で5分後には喫食温度に到達した。又、中央に配置した温度計ch2でも、ある程度速やかに温度が上昇し、6分後には喫食温度に到達した。これに対して温度計ch1及び温度計ch3では、温度上昇がやや鈍く、7分後にようやく喫食温度に到達した。比較例2−1との比較からいえば、各時間における最大温度と最小温度との差は小さかった。各時間での計測温度を結んだ曲線は7分後の結果を除き概ねWの字形状となった。
【0128】
図35の(A)を参照して、通常の蓋体の場合の比較例3−2においては、比較例1−1に比べると加熱効率について若干改善が見受けられるものの全体としては同じような傾向が見られた。所要時間は、5分であった。
【0129】
図36の(A)を参照して、実施例3−1の場合は、比較例3−1及び比較例3−2と比べて、中央付近、特に温度計ch2における加熱効率が改善されており、所要時間は、5分であった。
【0130】
図37の(A)を参照して、検討例3−1の場合は、比較例3−1及び比較例3−2と比べて温度計ch2において速やかな温度上昇が見受けられたものの、実施例3−1と比べると全般的に温度上昇が鈍くバラツキも見受けられた。結果として、所要時間は、6分であった。
【0131】
図38の(A)を参照して、検討例3−2の場合は、検討例3−1と比べて更に温度上昇のバラツキが見受けられ、結果として、所要時間は、7分であった。
【0132】
図39の(A)を参照して、検討例3−3の場合は、検討例3−2と同様の傾向が見受けられ、結果として、所要時間は、7分であった。
【0133】
図40の(A)を参照して、実施例3−2の場合は、実施例3−1と同様の改善が見受けられ、所要時間は、5分であった。
【0134】
図41の(A)を参照して、実施例3−3の場合は、実施例3−2と同様の傾向が見受けられ、所要時間は、略5分であった。
(3)評価方法
上記<<試験A−1>>の場合と同様、上記測定結果について、温度測定を行った各位置の温度がすべて喫食温度75℃以上に達するまでの時間が、比較例3−1及び比較例3−2のいずれよりも短縮されているか否かを評価した。
(4)結果
上述のようにして行った試験及び評価の結果を以下の表3に示す。
【0135】
【表3】
(1)各列の記載については、上記<<試験A−1>>の場合と同様である。
(2)その結果、まず、比較例3−1は、「加熱時間」が、7分であった。又、比較例3−2は、「加熱時間」は、6分であり、比較例3−1と比べて1分短かった。
【0136】
これに対して、実施例3−1は、「加熱時間」が5分であり、「蓋体なしとの差」及び「通常の蓋との差」は、それぞれ−2分及び−1分となった。従って評価は、“〇”としている。
【0137】
又、検討例3−1は、「加熱時間」が6分であり、「蓋体なしとの差」及び「通常の蓋との差」は、それぞれ−1分及び0分となった。従って評価は、“△”としている。
【0138】
更に、検討例3−2及び検討例3−3は、いずれも、「加熱時間」が7分であり、「蓋体なしとの差」及び「通常の蓋との差」は、それぞれ0分及び+1分となった。従って評価は、“×”としている。
【0139】
更に、実施例3−2及び実施例3−3は、いずれも、「加熱時間」が5分であり、「蓋体なしとの差」及び「通常の蓋との差」は、それぞれ−2分及び−1分となった。従って評価は、“〇”としている。
【0140】
実施例3−1の金属シート体の形状は、容器開口の形状とは相似形の矩形であるのに対して、実施例3−2及び実施例3−3の金属シート体の形状は、楕円であり、容器開口の形状とは相似形ではない。しかしながら、実施例3−2及び実施例3−3では、容器開口の形状と相似形の矩形の場合と同様の加熱効率が得られたと言える。
<<試験B>>
<<試験B−1>>楕円形形状のマイクロ波加熱用包装容器
(1)マイクロ波加熱用包装容器の準備
(1−2)実施例について
・[実施例4−1]
実施例2−1等と同等の構成のもの、すなわち、第2の実施の形態に準じ、楕円形形状の収容部及び蓋体に対して、楕円形形状の金属シート体を取り付けたものを準備した。尚、収容部、蓋体及び金属シート体の仕様については、実施例2−1と同様である。
・[実施例4−2]
図7及び図8に示すような収容部を有し、収容部の上方部分に封止フィルムを設け、封止フィルムの上面に金属シートを設けるものを準備した(封止フィルムについては第4の実施の形態も参照)。尚、収容部及び金属シート体の仕様については、実施例2−1と同様である。
(1−2)比較例について
・[比較例4−1]
比較例2−1と同様の構成のもの、すなわち、収容部を有し、蓋体なしのマイクロ波加熱用包装容器を準備した。尚、収容部の仕様についても、上述の比較例2−1と同様である。
・[比較例4−2]
比較例2−2と同等の構成のもの、すなわち、楕円形形状の蓋体及び収容部を有するマイクロ波加熱用包装容器を準備した。尚、蓋体及び収容部の仕様についても、上述の比較例2−2と同様である。
・[比較例4−3]
図7及び図8に示すような収容部を有し、この収容部の上方部分に封止フィルムを設けるものを準備した。収容部の仕様については、上述の比較例2−1等と同様である。
(2)試験方法
マイクロ波加熱用包装容器の収容部に、株式会社ニチレイ社製「蔵王えびグラタン」(容量:210g;パッケージ記載の加熱時間:4分(600W))の内容物を移し替え、蓋体又は封止フィルムにより密封したのち、上記<<試験A−1>>等の場合と同様の手順により、温度を測定した。尚、温度の測定位置に関しては<<試験A−2>>の場合と同様である。
【0141】
その結果、図42に示す測定結果が得られた。図42は、試験B−1の測定結果を示すグラフを表した図である。グラフに示す凡例において「封止フィルムのみ」(四角印)が比較例4−3に対応し、「蓋体のみ」(三角印)が比較例4−2に対応し、「封止フィルムに貼り付け」(バツ印)が実施例4−2に対応し、「蓋体に貼り付け」(*印)が実施例4−1に対応し、「蓋体なし」(丸印)が比較例4−1に対応する。
【0142】
具体的には、比較例4−1が喫食温度に達するまで4分以上に掛かったのに対して、実施例4−2は3分程度であり、実施例4−1については更に3分を切る結果となった。このように、比較例4−1に対しては、実施例4−1及び実施例4−2共に1分以上の短縮となった。又、実施例4−1及び実施例4−2は、比較例4−2及び比較例4−3と比較しても喫食温度までの加熱時間の短縮を達成している。
【0143】
更に、実施例4−1及び実施例4−2は、パッケージ記載の加熱時間:4分と比べても、約1分の短縮を達成している。
【0144】
このように、えびなどの具材を含み不均一な食材に関しても、本実施例による効果が確認できた。
<<試験B−2>>円形形状のマイクロ波加熱用包装容器
(1)マイクロ波加熱用包装容器の準備
(1−2)実施例について
・[実施例5−1]
実施例1−1等と同等の構成のもの、すなわち、第1の実施の形態に準じ、円形形状の収容部及び蓋体に対して、円形形状の金属シート体を取り付けたものを準備した。尚、収容部、蓋体及び金属シート体の仕様については、実施例1−3と同様である。
・[実施例5−2]
第4の実施の形態(図18)に準じたもの、すなわち、図2及び図3に示すような収容部を有し、収容部の上方部分に封止フィルムを設け、封止フィルムの上面に金属シートを設けるものを準備した。尚、収容部及び金属シート体の仕様については、実施例1−3と同様である。
(1−2)比較例について
・[比較例5−1]
比較例1−1と同様の構成のもの、すなわち、収容部を有し、蓋体なしのマイクロ波加熱用包装容器を準備した。尚、収容部の仕様についても、上述の比較例1−1と同様である。
・[比較例5−2]
比較例1−2と同等の構成のもの、すなわち、円形形状の蓋体及び収容部を有するマイクロ波加熱用包装容器を準備した。尚、蓋体及び収容部の仕様についても、上述の比較例1−2と同様である。
・[比較例5−3]
図2及び図3に示すような収容部を有し、この収容部の上方部分に封止フィルムを設けるものを準備した。収容部の仕様については、上述の比較例1−1等と同様である。
(2)試験方法
マイクロ波加熱用包装容器の収容部に、日清製粉グループの日清フーズ株式会社製「マ・マー 弾む生パスタ 海老とほうれん草のグラタン」(容量:220g;パッケージ記載の加熱時間:5分30秒(600W))の内容物を移し替え、蓋体又は封止フィルムにより密封したのち、上記<<試験A−1>>等の場合と同様の手順により、温度を測定した。尚、温度の測定位置に関しては<<試験A−1>>の場合と同様である。
【0145】
その結果、図43に示す測定結果が得られた。図43は、試験B−2の測定結果を示すグラフを表した図である。グラフに示す凡例において「封止フィルムのみ」(菱形印)が比較例4−3に対応し、「蓋体のみ」(四角印)が比較例4−2に対応し、「封止フィルムに貼り付け」(三角印)が実施例4−2に対応し、「蓋体に貼り付け」(バツ印)が実施例4−1に対応し、「蓋体なし」(丸印)が比較例4−1に対応する。
【0146】
具体的には、比較例5−1が喫食温度に達するまで4.5分以上に掛かったのに対して、実施例5−1及び実施例5−2共に3分を切る結果となった(グラフでは喫食温度と実施例5−1及び実施例5−2との交点については不図示)。このように、比較例5−1に対しては、実施例5−1及び実施例5−2共に約2分の短縮となった。又、実施例5−1及び実施例5−2は、比較例5−2及び比較例5−3と比較しても喫食温度までの加熱時間の短縮を達成している。
【0147】
更に、実施例5−1及び実施例5−2は、パッケージ記載の加熱時間:5分30秒と比べても、約2分30秒の短縮を達成している。
【0148】
このように様々な容器形状又は具材に関し本実施例の効果が確認できた。
【符号の説明】
【0149】
1…マイクロ波加熱用包装容器
11…収容部
12…蓋体
13…金属シート体
15…封止フィルム
図1
図2
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