特許第6704759号(P6704759)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6704759
(24)【登録日】2020年5月15日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】用紙脱落防止補助ユニット
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/70 20060101AFI20200525BHJP
【FI】
   B41J11/70
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-46139(P2016-46139)
(22)【出願日】2016年3月9日
(65)【公開番号】特開2017-159553(P2017-159553A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2018年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507351883
【氏名又は名称】シチズン・システムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】森 靖幸
(72)【発明者】
【氏名】神山 卓郎
【審査官】 佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−128655(JP,A)
【文献】 特開2003−300195(JP,A)
【文献】 特開2010−000779(JP,A)
【文献】 特開2015−189104(JP,A)
【文献】 特開2015−101065(JP,A)
【文献】 特開2015−098149(JP,A)
【文献】 特開2015−039775(JP,A)
【文献】 特開2001−310848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 11/00−11/70
B41J 15/00−15/24
B41J 29/00−29/70
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録動作をおこなった記録媒体を切断して排出するプリンタに取り付けられる用紙脱落防止補助ユニットであって、
前記プリンタから排出された記録媒体を鉛直方向上側から付勢するローラと、
記録媒体を間にして前記ローラに対して鉛直方向下側から当接する当接部材と、
前記ローラの軸心よりも記録媒体の搬送方向における上流側に設けられた回動中心周りに回動可能であって、前記ローラを回転可能に支持する支持部材と、
を備え、
前記用紙脱落防止補助ユニットは、固定刃と当該固定刃に対して相対的に移動可能な可動刃と当該可動刃を駆動するモータとを有するカッタユニットに一体に構成され、且つ、前記モータの体積は前記可動刃よりも大きく、
前記当接部材は、前記モータを収容して通紙方向における下流側に、プリンタ本体の筐体から突出して前記カッタユニットを構成する部材であ
前記カッタユニットは、前記用紙脱落防止補助ユニットと一体で、前記プリンタ本体の筐体に取り付け可能なことを特徴とする用紙脱落防止補助ユニット。
【請求項2】
前記ローラは、前記記録媒体を自重によって鉛直方向上側から付勢することを特徴とする請求項1に記載の用紙脱落防止補助ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリンタから排出された記録媒体の脱落を防止する用紙脱落防止補助ユニットおよびプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
空港などにおいては、長尺状の記録媒体に対して必要事項を記録した後、当該長尺状の記録媒体を所定の位置で切断することによって、搭乗者のチケットや搭乗者の荷物に貼るタグラベルなどを発券するプリンタが設置されている。このようなプリンタにおいては、発券されたチケットやタグラベルの取り違えや紛失を回避するため、記録媒体を完全に切断せずに一部を残して切断する、いわゆるパーシャルカットと称される切断をおこなうことが多い。
【0003】
パーシャルカットにより切断されずに残っている部分は、容易に回収できるように千切れやすくなっている。このため、発行された後回収されずにプリンタに残っているチケットやタグラベルに不用意に触れてしまったり、チケットやタグラベルが風の影響を受けたりすると、切断されずに残っている部分が容易に千切れてしまい、チケットやタグラベルが落下してしまうことがあった。
【0004】
搭乗カウンター内などのように限られたスペースにおいて複数人が作業をおこなっている環境下では、別のオペレーターが近くを通って風が吹いたり、近くを通った別のオペレーターがチケットやタグラベルに引っかかったりしてしまうことがあり、パーシャルカットにより切断されずに残っている部分が簡単に千切れてしまうことがあった。千切れたチケットやタグラベルが飛んでいってしまった場合は回収しに行かなくてはならず、その分業務が遅延し、非効率であった。また、千切れて落下したチケットやタグラベルを紛失してしまった場合、再発行しなければならず非効率であった。
【0005】
また、パーシャルカットにより切断されずに残っている部分が千切れずにつながったまま、回収されずに残っているチケットやタグラベルがある場合に、別のチケットやタグラベルを発券してしまうと混同を生じ、複数のチケットやタグラベルのそれぞれが、誰のチケットかどの荷物のタグラベルであるかが分からなくなってしまうことがあった。このような場合、チケットやタグラベルと荷物との確認作業が必要となり、その分業務が遅延し、非効率であった。
【0006】
パーシャルカットの場合、発券されたチケットやタグラベルなどの記録媒体は完全に切断されることなく一部を残して後続の未記録の記録媒体とつながっている。このため、発券されたチケットやタグラベルを回収するために引っ張ると、未記録の記録媒体も引っ張られて以降の記録位置がずれたり、記録媒体が損傷したりすることがあった。
【0007】
このため、従来、記録媒体を完全に切断(フルカット)し、フルカットした記録媒体の落下を防止するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1〜3を参照。)。また、従来、カッタの可動刃を動作させて記録媒体を完全に切断(フルカット)した後、切断後の記録媒体が取り出されたことを検出した場合に、可動刃の位置を復帰させるようにした技術があった(たとえば、下記特許文献4、5を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平3−194686号公報
【特許文献2】特開平8−81110号公報
【特許文献3】特開2011−18255号公報
【特許文献4】特開2007−111880号公報
【特許文献5】特開2013−111965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1〜5に記載された従来の技術は、フルカットされた記録媒体を落下させないためには、当該記録媒体を或る程度強い力で保持(把持)しなくてはならず、記録媒体の保持力を強くすると、発券された記録媒体を回収する使用者は当該保持力以上の力で記録媒体を引っ張ったり、保持力を解除する操作をおこなわなくてはならないため、使用者に負担がかかってしまうという問題があった。
【0010】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、使用者に負担をかけることなく、プリンタから切断された状態で排出される記録媒体の意図しない落下や落下による紛失を防止することができる用紙脱落防止補助ユニットおよびプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる用紙脱落防止補助ユニットは、記録動作をおこなった記録媒体を切断して排出するプリンタに取り付けられる用紙脱落防止補助ユニットであって、前記プリンタから排出された記録媒体を鉛直方向上側から付勢するローラと、記録媒体を間にして前記ローラに対して鉛直方向下側から当接する当接部材と、前記ローラの軸心よりも記録媒体の搬送方向における上流側に設けられた回動中心周りに回動可能であって、前記ローラを回転可能に支持する支持部材と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる用紙脱落防止補助ユニットは、上記の発明において、前記回動中心が、前記ローラの軸心よりも鉛直方向上側に設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる用紙脱落防止補助ユニットは、上記の発明において、前記支持部材を、前記ローラが前記当接部材に当接する方向に付勢する付勢部材を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる用紙脱落防止補助ユニットは、上記の発明において、前記ローラと前記当接部材との間に保持される記録媒体の有無を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる用紙脱落防止補助ユニットは、上記の発明において、前記当接部材が、前記搬送方向における上流側に、前記プリンタにおける当該プリンタが記録媒体を排出する排出口に対向する開口が形成され、前記支持部材を回動可能に支持する支持部を備えた板状の部材であることを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる用紙脱落防止補助ユニットは、上記の発明において、前記当接部材が、上流側よりも下流側が、鉛直方向下側に位置するように傾斜した面であることを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかるプリンタは、記録媒体に対して記録動作をおこなう記録手段と、前記記録手段により記録動作がおこなわれた記録媒体を所定の位置で切断する切断手段と、前記切断手段によって切断された記録媒体を保持する保持手段と、前記保持手段によって保持される記録媒体の有無を検出する検出手段と、を備え、前記記録手段が、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記保持手段によって保持される記録媒体がない場合に記録動作をおこない、前記保持手段が、前記切断手段によって切断された記録媒体を鉛直方向上側から付勢するローラと、記録媒体を間にして前記ローラに対して鉛直方向下側から当接する当接部材と、前記ローラの軸心よりも記録媒体の搬送方向における上流側に設けられた回動中心周りに回動可能であって前記ローラを回転可能に支持する支持部材と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、この発明にかかるプリンタは、上記の発明において、前記切断手段が、位置が固定された固定刃と当該固定刃に対して相対的に移動可能な可動刃とを備え、前記当接部材が、前記可動刃を収容する筐体の外表面のうち、記録媒体の搬送経路に対向している部分であることを特徴とする。
【0019】
また、この発明にかかるプリンタは、上記の発明において、前記回動中心が、前記ローラの軸心よりも鉛直方向上側に設けられていることを特徴とする。
【0020】
また、この発明にかかるプリンタは、上記の発明において、前記記録手段、前記切断手段、前記保持手段を収容し、前記ローラおよび前記支持部材を覆う外装を備え、前記外装の一部が、前記支持部材の回動にともなう前記ローラの移動軌跡に干渉する位置に設けられていることを特徴とする。
【0021】
また、この発明にかかるプリンタは、上記の発明において、前記当接部材が、上流側よりも下流側が、鉛直方向下側に位置するように傾斜した面であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
この発明にかかる用紙脱落防止補助ユニットおよびプリンタによれば、使用者に負担をかけることなく、プリンタから切断された状態で排出される記録媒体の意図しない落下や落下による紛失を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】この発明にかかる実施の形態のプリンタの外観を示す説明図である。
図2】搬送経路を開放した状態のプリンタを示す説明図である。
図3】プリンタおよびカッタユニットの内部構成を示す説明図である。
図4】カッタユニットを示す説明図(その1)である。
図5】カッタユニットを示す説明図(その2)である。
図6】プリンタの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる用紙脱落防止補助ユニットおよびプリンタの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0025】
まず、この発明にかかる実施の形態の用紙脱落防止補助ユニットを備えた、この発明にかかる実施の形態のプリンタの構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態のプリンタの外観を示す説明図である。図1においては、この発明にかかる実施の形態のプリンタを、当該プリンタの使用状態における斜め上方から見た状態を示している。
【0026】
図1において、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、上部ユニット110と下部ユニット120とを備えている。プリンタ100は、たとえば、台などの上面に設置して使用する。プリンタ100を設置した状態において、上部ユニット110は下部ユニット120の上側に配置され、下部ユニット120は上部ユニット110の下側に配置される。
【0027】
上部ユニット110の外装をなす筐体111には、各種の操作キー112や、プリンタ100の状態などを表示するディスプレイ113が設けられている。各種の操作キー112やディスプレイ113は、プリンタ100の正面側に設けられている。下部ユニット120には、プリンタ100の電源スイッチ121や、下部ユニット120に対して上部ユニット110を回動させる際に操作される開放ボタン122が設けられている。開放ボタン122が操作されると、下部ユニット120に対して上部ユニット110を固定するロック(図示を省略する)が解除され、これにより、下部ユニット120に対して上部ユニット110を回動させ、プリンタ100が記録対象とする記録媒体を搬送する搬送経路(図3を参照)を開放することができる。
【0028】
上部ユニット110は、プリンタ100の幅方向(図1における矢印X方向)の一方の端部において、下部ユニット120に対して回動可能に連結されている(図2を参照)。下部ユニット120に対して上部ユニット110を回動させることにより、搬送経路を開放することができる。記録媒体は、搬送経路において、図1における矢印Y方向に沿って搬送される。
【0029】
また、下部ユニット120には、カッタユニット130が取り付けられている。カッタユニット130は、下部ユニット120に対して取り外し可能に取り付けられている。カッタユニット130は、プリンタ100の正面側に設けられ、プリンタ100によって記録動作がおこなわれた記録媒体を、所定の位置で切断する。カッタユニット130は、プリンタ100の正面側において、上部ユニット110とともに、プリンタ100によって記録動作がおこなわれた記録媒体を排出する記録媒体排出部140を構成する。記録媒体排出部140は、カッタユニット130と上部ユニット110との間に形成される。
【0030】
図2は、搬送経路を開放した状態のプリンタ100を示す説明図である。図2においては、図1に示したプリンタ100において、下部ユニット120に対して上部ユニット110を回動させ、搬送経路を開放した状態を示している。図2において、プリンタ100は、図示を省略する記録媒体保持部によって保持される長尺状の記録媒体を記録部(図3を参照)に案内するガイド部材201を備えている。
【0031】
記録媒体保持部は、プリンタ100の使用に際して、プリンタ100の背面側に取り付けられる。プリンタ100は、長尺状の記録媒体を記録動作の対象とし、記録媒体保持部は、長尺状の記録媒体を、先端から引き出し可能に保持する。記録媒体保持部において、長尺状の記録媒体は、たとえば、山折りと谷折りとを交互に繰り返す蛇腹折りされた状態で保持される。あるいは、記録媒体保持部において、長尺状の記録媒体は、たとえば、ロール状に巻回された状態で保持される。
【0032】
ガイド部材201は、当該ガイド部材201によって案内される記録媒体の上側に設けられる上側ガイド部材201aと、当該記録媒体の下側に設けられる下側ガイド部材201bとによって構成されている。ガイド部材201は、記録媒体保持部側よりも記録部側が狭くなるように、水平方向に対して傾斜した状態で設けられている。すなわち、上側ガイド部材201aは、記録媒体保持部側の端部が記録部側の端部よりも高くなるように、下側ガイド部材201bは記録媒体保持部側の端部が記録部側の端部よりも低くなるように設けられている。
【0033】
上部ユニット110には、サーマルヘッド202が設けられている。サーマルヘッド202は、記録媒体の幅方向に沿ってライン状に配列された複数の発熱素子(発熱抵抗体)や、当該発熱素子を駆動するドライバICなどを備えている。ドライバICは、制御回路305からの指令に基づいて、サーマルヘッド202における各発熱素子に接続された電極配線に選択的に通電することによって、通電された電極配線に対応する発熱素子を発熱させる。サーマルヘッド202は、発熱素子において発生した熱を記録媒体に伝達することによって、当該記録媒体における感熱発色材料を発色させる。
【0034】
また、上部ユニット110には、図示を省略する搬送検出センサが設けられている。搬送検出センサは、上部ユニット110における下側ユニット120側の面に設けられており、搬送経路における記録媒体の有無に応じて出力が変化する。プリンタ100は、搬送検出センサの出力に基づいて、搬送経路における記録媒体の有無を検出する。搬送検出センサは、たとえば、マイクロスイッチやフォトセンサによって実現することができる。
【0035】
下部ユニット120には、プラテン203が設けられている。プラテン203は、図1に示すように搬送経路を閉じた状態において、搬送経路を間にしてサーマルヘッド202に対向する。プラテン203は、記録媒体の幅方向を軸心方向とする円筒形状をなし、軸心周りに回転可能に設けられている。プラテン203は、図示を省略する輪列を介してモータ304(図3を参照)に接続されており、モータの回転力が伝達されることによって回転する。
【0036】
カッタユニット130は、可動刃308と固定刃307とを備えており(図3を参照)、プリンタ100によって記録動作がおこなわれて排出された長尺状の記録媒体を所定の位置で切断する。カッタユニット130の筐体204内には、プリンタ100から排出された記録媒体の挿入を受け付け、可動刃308および固定刃307によって切断した記録媒体を筐体204の外に排出する通紙経路306が設けられている(図3を参照)。
【0037】
カッタユニット130には、用紙脱落防止補助ユニット205が設けられている。用紙脱落防止補助ユニット205は、カッタユニット130によって切断された記録媒体を、カッタユニット130の筐体204の一部とローラ206との間に挟持することによって、当該記録媒体を保持する。この実施の形態において、用紙脱落防止補助ユニット205は、カッタユニット130と一体に設けられている。
【0038】
用紙脱落防止補助ユニット205は、回収検出センサ207を備えている。回収検出センサ207は、カッタユニット130の筐体204の一部をなす天面208とローラ206との間における記録媒体の有無に応じて出力が変化する。回収検出センサ207は、たとえば、天面208とローラ206との間に存在する記録媒体を検出した場合にON状態を示す信号(ハイレベル信号)を出力し、天面208とローラ206との間に存在する記録媒体を検出しない場合にOFF状態を示す信号(ローレベル信号)を出力する。回収検出センサ207の出力は、プリンタ100の制御回路305に入力される。回収検出センサ207は、たとえば、マイクロスイッチやフォトセンサによって実現することができる。回収検出センサ207を設けることにより、天面208とローラ206との間における記録媒体の有無を検出することができる。
【0039】
(プリンタ100およびカッタユニット130の内部構成)
つぎに、プリンタ100およびカッタユニット130の内部構成について説明する。図3は、プリンタ100およびカッタユニット130の内部構成を示す説明図である。図3においては、図1におけるプリンタ100を、A−A線の位置において図1における矢印Z方向に沿って切断した断面を示している。
【0040】
図3において、プリンタ100は、記録媒体挿入部301から記録部302およびカッタユニット130を経由して記録媒体排出部140に至る搬送経路303を備えている。搬送経路303は、上部ユニット110と下部ユニット120とを、図1に示すように上下方向に重ね合わせた状態において、上部ユニット110と下部ユニット120との間に形成される。
【0041】
記録部302は、上記のサーマルヘッド202とプラテン203とによって構成される。サーマルヘッド202とプラテン203とは、搬送経路303を間にして対向配置されている。プラテン203は、サーマルヘッド202との間において記録媒体を挟持した状態で回転することにより、プラテン203の外周面と記録媒体との間に生じる摩擦によって記録媒体を搬送する。
【0042】
プラテン203は、輪列を介して連結されたモータ304の回転方向に応じて、記録媒体を記録媒体保持部から記録媒体挿入部301を経由して記録媒体排出部140側へ搬送する方向と、記録媒体を記録媒体排出部140側から記録媒体挿入部301を経由して記録媒体保持部側へ搬送する方向と、に回転する。以降、搬送経路303において、記録媒体挿入部301側を「上流側」、記録媒体排出部140側を「下流側」として説明する。
【0043】
プリンタ100が備える制御回路305は、プラテン203モータ304やサーマルヘッド202を駆動制御する。制御回路305は、たとえば、下部ユニット120に設けられる。また、制御回路305は、プリンタ100に対する記録指示を出力する外部装置との通信をつかさどるインターフェースを備えている。
【0044】
制御回路305には、搬送検出センサや回収検出センサ207などの各種センサの出力が入力される。制御回路305は、各種センサの出力やインターフェースを介して外部装置から受信した記録指示に基づいて、モータ304やサーマルヘッド202を駆動制御して記録動作をおこなう。また、制御回路305は、記録動作に際して、カッタユニット130に対して、可動刃308を駆動制御させる制御信号を出力する。
【0045】
カッタユニット130が備える通紙経路306は、プリンタ100に取り付けられた状態において、搬送経路303の一部を構成する。カッタユニット130は、位置が固定された固定刃307と、固定刃307に対してスライド可能に設けられた可動刃308と、を備えている。可動刃308は、通紙経路306を開放する位置と、通紙経路306を分断する位置と、の間をスライドする。カッタユニット130は、可動刃308を固定刃307に接触させた状態を維持したまま、可動刃308と固定刃307とをハサミのようにすり合わせながら固定刃307に対して可動刃308をスライドさせることによって記録媒体を切断する。
【0046】
可動刃308は、記録媒体の幅方向において、中央部が凹んだ略V字形状をなす刃部を備えている。これにより、記録媒体の一部を残して切断する、いわゆるパーシャルカットをおこなうことができる。具体的には、可動刃308を、可動刃308の刃部における中央部の凹んだ部分が固定刃307の刃部に接触しない位置までスライドさせることにより、記録媒体における可動刃308の刃部と固定刃307の刃部とが接触しない部分を残して残余の部分を切断することができる。
【0047】
また、カッタ部は、固定刃307に対する可動刃308の移動量を調整することにより、記録媒体の幅方向全域にわたって記録媒体を切断することもできる。具体的には、可動刃308を、可動刃308の刃部のすべてが固定刃307の刃部に接触する位置までスライドさせることにより、幅方向全域にわたって記録媒体を切断することができる。
【0048】
可動刃308の刃部は、中央部が凹んだ略V字形状に限るものではなく、たとえば、搬送経路303の幅方向に平行であって、一部に凹み(切り欠き)を備えた直線形状であってもよい。これによってもパーシャルカットをおこなうことができる。また、可動刃308の刃部は、搬送経路303の幅方向に対して傾斜した直線状であってもよい。これによっても、固定刃307に対する可動刃308の移動量を調整することにより、パーシャルカットをおこなうことができる。
【0049】
可動刃308は、図示を省略する輪列を介してカッタモータ309に連結されており、カッタモータ309の動力が輪列を介して伝達されることによってスライドする。カッタモータ309は、カッタユニット130の筐体204内に設けられている。カッタユニット130の筐体204内には、固定刃307、可動刃308、カッタモータ309および輪列に加えて、カッタモータ309を駆動制御する制御回路が搭載された回路基板310が設けられている。カッタモータ309や回路基板310は、カッタユニット130の筐体204内において、固定刃307や可動刃308および通紙経路306よりも下側に設けられている。
【0050】
上記のローラ206は、カッタユニット130の筐体204の外側であって、当該筐体204の下流側に設けられている。ローラ206は、カッタユニット130の筐体204の下流側に設けられた支持部材311を介して、カッタユニット130の筐体204に連結されている。ローラ206は、記録媒体の幅方向を軸心方向とする円筒形状をなし、両端において支持部材311によって軸心周りに回転可能に支持されている。
【0051】
支持部材311において、ローラ206を支持する側とは反対側の端部は、ローラ206の軸心よりも記録媒体の搬送方向における上流側であって、かつ、ローラ206の軸心よりも鉛直方向上側において、筐体204に連結されている。支持部材311は、筐体204との連結位置を中心として回動可能に設けられている。これにより、ローラ206は、ローラ206の軸心周りに回転可能であるとともに、支持部材311の回動中心周りに回動可能とされている。
【0052】
上部ユニット110の外装をなす筐体111の一部は、支持部材311の回動にともなうローラ206の移動軌跡に干渉する位置に設けられている。これにより、支持部材311が回動中心周りに回動し、ローラ206が天面208から離反する方向へ移動した場合、当該支持部材311の回動は、上部ユニット110の筐体に当接する位置で制限される。これにより、部品点数を増やすことなく簡易な構成によって、支持部材311の上方への回動範囲を制限するストッパの機能を実現することができる。
【0053】
ストッパの機能を実現する筐体111は、たとえば、支持部材311の鉛直方向上側から当該支持部材311を覆う形状とすることができる。また、ストッパの機能を実現する筐体111は、鉛直方向上側から支持部材311を覆う形状に限らず、たとえば、支持部材311よりもプリンタ100における正面側から当該支持部材311覆う形状であってもよい。
【0054】
支持部材311が回動することにより、ローラ206は、支持部材311のカッタユニット130の筐体204との連結位置を中心とし、支持部材311の長さ寸法を半径寸法とする円周上を移動する。支持部材311におけるローラ206側の端部は、ローラ206の自重によって、鉛直方向における下方に付勢されている。
【0055】
ローラ206および支持部材311は、カッタユニット130の筐体のうち、カッタモータ309を収容することによって突出した部分における天面208の上側に設けられている。この天面208は、上流側よりも下流側が、鉛直方向下側に位置するように傾斜している。ローラ206は、ローラ206の自重によって、支持部材311が鉛直方向における下方に付勢されることにより、天面208に当接している。これにより、用紙脱落防止補助ユニット205は、ローラ206と天面208との間に記録媒体を挟持することができる。この実施の形態においては、天面208によって、この発明にかかる当接部材が実現される。
【0056】
ローラ206は、ローラ206と天面208との間に挟持されている記録媒体が回収される際に、プリンタ100の使用者などによって引っ張られる記録媒体との間に生じる摩擦により、図3における時計回り方向に回動する。これにより、記録媒体が回収されるまでの間、当該記録媒体を損傷させることなく確実に保持するとともに、当該記録媒体を回収する回収者に抵抗を感じさせることなく容易に回収させることができる。
【0057】
支持部材311は、ローラ206と天面208との間に挟持されている記録媒体が回収される際に、プリンタ100の使用者などによって記録媒体が引っ張られることによってローラ206および支持部材311に対して鉛直方向における上方への外力が加えられた場合、当該外力に応じて天面208から離反する方向へ回動する。これにより、記録済みの記録媒体が回収される際にローラ206の軸に荷重がかかった場合には当該ローラ206の位置を移動させて荷重を逃がすことができるので、記録媒体を回収する回収者に抵抗を感じさせることなく容易に回収させるとともに、ローラ206の損傷を防止することができる。
【0058】
(カッタユニット130の筐体の形状)
つぎに、カッタユニット130の筐体の形状について説明する。図4および図5は、カッタユニット130を示す説明図である。図4においては、図1に示したプリンタ100と同様に、カッタユニット130を斜め上方から見た状態を示しており、カッタユニット130の外観を示している。図5においては、図4におけるカッタユニット130を、B−B線の位置において図3における矢印Z方向に沿って切断した断面を示している。
【0059】
図4および図5において、カッタユニット130の筐体204は、記録媒体の通紙方向における寸法が固定刃307や可動刃308よりも大きいカッタモータ309や回路基板310を収容することにより、記録媒体の通紙方向における寸法が、上側は小さく下側が大きくなる形状をなしている。すなわち、カッタユニット130の筐体204は、可動刃308および固定刃307を収容する上部よりも、カッタモータ309や回路基板310を収容する下部の方が、記録媒体の搬送方向における寸法が大きい。
【0060】
カッタユニット130の筐体204は、カッタモータ309や回路基板310を収容する分、カッタモータ309や回路基板310の大きさに応じた一定のスペースを確保する必要がある。仮に、可動刃308の側方にカッタモータ309を配置する場合、筐体204の幅方向における寸法がカッタモータ309の分だけ大きくなってしまい、このような形状の筐体204を備えたカッタユニット130を後付けで取り付けるプリンタ100の形状に制限が生じる。すなわち、プリンタ100側において、カッタモータ309の分だけ幅方向に突出した筐体204を取り付けることができるよう、空間を確保しておかなくてはならない。このような場合、カッタユニット130を取り付けない状態で使用するプリンタ100の美観を損ねてしまう。
【0061】
これに対し、筐体204において、記録媒体の通紙方向における寸法を調整して、固定刃307や可動刃308よりも大きいカッタモータ309や回路基板310を収容することにより、カッタユニット130の後付けを容易に実現することができる。これにより、プリンタ100の開発者が使用者の用途に応じたプリンタ100をそれぞれ開発することなく、カッタユニット130を取り付けた使用態様やカッタユニット130を取り付けない使用態様など、プリンタ100の使用者の用途に応じたプリンタ100を選択させ提供することができる。
【0062】
この発明にかかる当接部材は、固定刃307や可動刃308よりも体積の大きいカッタモータ309を収容することにより、固定刃307や可動刃308が配置される筐体204の上部よりも、必然的に、通紙方向における下流側に突出した筐体204の形状を利用して実現されている。すなわち、この発明にかかる当接部材は、筐体204内にカッタモータ309を収容することによって必然的に存在する突出部分の天面208を利用して実現されている。このように、天面208を当接部材として利用することにより、排出された記録媒体の下面を支持するために部品点数を増やすことなく、ローラ206との間に記録媒体を挟持することができる。
【0063】
(プリンタ100の処理手順)
つぎに、プリンタ100の処理手順について説明する。図6は、プリンタ100の処理手順を示すフローチャートである。図6のフローチャートにおいて、まず、外部装置から記録指示を受信するまで待機する(ステップS601:No)。ステップS601において、外部装置から記録指示を受信した場合(ステップS601:Yes)、回収検出センサ207がON状態であるか否かを判断する(ステップS602)。
【0064】
ステップS602において、回収検出センサ207がON状態ではない場合(ステップS602:No)、記録媒体排出部140に記録媒体がないと判断して、ステップS601:Yesにおいて受信した記録指示に基づく記録動作をおこなう(ステップS603)。
【0065】
一方、ステップS602において、回収検出センサ207がON状態である場合(ステップS602:Yes)、ステップS601:Yesにおいて受信した記録指示を所定のメモリに記憶する(ステップS604)。そして、回収検出センサ207がON状態ではなくなるまで待機する(ステップS605:Yes)。ステップS605において、回収検出センサ207がON状態ではなくなった場合(ステップS605:No)、ステップS604においてメモリに記憶した記録指示を読み出して(ステップS606)、ステップS603へ移行する。これにより、記録指示を受信した時点において、記録媒体排出部140に記録媒体がある場合にも、記録媒体排出部140に記録媒体から記録媒体が回収された後、直ちに記録動作をおこなうことができる。
【0066】
プリンタ100においては、ステップS605において回収検出センサ207がON状態になるまで待機している間に複数の記録指示を受信した場合、受信した順番で複数の記録指示を順次記憶し、回収検出センサ207がON状態になった時点で記憶されている記録指示に応じた記録動作を順次おこなってもよい。
【0067】
上述した実施の形態のプリンタ100においては、ローラ206の自重によって、支持部材311におけるローラ206側の端部が鉛直方向における下方に付勢されるように構成したが、支持部材311はローラ206の自重によって付勢する構成に限るものではない。支持部材311を、ローラ206が天面208に当接する方向に付勢する付勢部材を設けてもよい。
【0068】
具体的に、支持部材311は、当該支持部材311の回動中心となる軸にトーションスプリングを設けることによって、当該支持部材311におけるローラ206側の端部を天面208に近づく方向に付勢することができる。この場合、支持部材311の回動中心となる軸に設けられたトーションスプリングによって、この発明にかかる付勢部材を実現することができる。
【0069】
また、具体的に、支持部材311は、支持部材311と筐体204の間にコイルスプリングを掛け渡し、当該コイルスプリングによって、当該支持部材311におけるローラ206側の端部を天面208に近づく方向に付勢することができる。この場合、支持部材311と筐体204の間に掛け渡されたコイルスプリングによって、この発明にかかる付勢部材を実現することができる。
【0070】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の用紙脱落防止補助ユニット205は、記録動作をおこなった記録媒体を切断して排出するプリンタ100に取り付けられる用紙脱落防止補助ユニット205であって、プリンタ100から排出された記録媒体を鉛直方向上側から付勢するローラ206と、記録媒体を間にしてローラ206に対して鉛直方向下側から当接する当接部材としての天面208と、ローラ206の軸心よりも記録媒体の搬送方向における上流側に設けられた回動中心周りに回動可能であって、ローラ206を回転可能に支持する支持部材311と、を備えたことを特徴としている。
【0071】
この発明にかかる実施の形態の用紙脱落防止補助ユニット205によれば、プリンタ100から切断された状態で排出された記録媒体を、ローラ206と天面208との間に狭持することができ、これにより、当該記録媒体に不用意に触れてしまったり風の影響を受けたりした場合に当該記録媒体が意図せずに落下することを防止できる。
【0072】
また、この発明にかかる実施の形態の用紙脱落防止補助ユニット205によれば、プリンタ100から切断された状態で排出される記録媒体を、ローラ206と天面208との間に狭持することにより、記録媒体が回収されるまでの間、当該記録媒体を損傷させることなく確実に保持するとともに、当該記録媒体を回収する回収者に抵抗を感じさせることなく容易に回収させることができる。
【0073】
また、この発明にかかる実施の形態の用紙脱落防止補助ユニット205によれば、軸心周りに回動可能なローラ206自体を支持部材311によって回動中心周りに回動可能に支持することにより、記録済みの記録媒体が回収される際にローラ206の軸に荷重がかかった場合には当該ローラ206の位置を移動させて荷重を逃がすことができるので、記録媒体を回収する回収者に抵抗を感じさせることなく容易に回収させるとともに、ローラ206の損傷を防止することができる。
【0074】
このように、この発明にかかる実施の形態の用紙脱落防止補助ユニット205によれば、使用者に負担をかけることなく、プリンタ100から切断された状態で排出される記録媒体の意図しない落下や落下による紛失を確実に防止することができる。
【0075】
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、記録媒体に対して記録動作をおこなう記録手段を実現する記録部302と、記録部302により記録動作がおこなわれた記録媒体を所定の位置で切断する切断手段を実現する固定刃307および可動刃308と、切断された記録媒体を保持する保持手段を実現するローラ206および当接部材としての天面208と、を備えている。
【0076】
そして、ローラ206と天面208とによって、固定刃307および可動刃308によって切断された記録媒体を鉛直方向上側から付勢し、このローラ206を、ローラ206の軸心よりも記録媒体の搬送方向における上流側に設けられた回動中心周りに回動可能な支持部材311によって回転可能に支持するとともに、回収検出センサ207による検出結果に基づいて、ローラ206および天面208によって保持される記録媒体がない場合に、記録部302が記録動作をおこなうようにしたことを特徴としている。
【0077】
この発明にかかる実施の形態のプリンタ100によれば、切断された記録済みの記録媒体を保持手段によって保持することにより、当該記録媒体に不用意に触れてしまったり風の影響を受けたりした場合に当該記録媒体が意図せずに落下することを防止できる。
【0078】
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100によれば、記録済みの記録媒体がない場合にのみ記録動作をおこなうことにより、記録済みの記録媒体が回収されない状態でつぎの記録動作がおこなわれたためにジャムが発生することを確実に防止することができる。
【0079】
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100によれば、記録済みの記録媒体をローラ206によって保持することにより、当該記録済みの記録媒体を損傷させることなく確実に保持するとともに、当該記録媒体を回収する回収者に抵抗を感じさせることなく容易に回収させることができる。
【0080】
さらに、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100によれば、軸心周りに回動可能なローラ206自体を支持部材311によって回動中心周りに回動可能に支持することにより、記録済みの記録媒体が回収される際にローラ206の軸に荷重がかかった場合には当該ローラ206の位置を移動させて荷重を逃がすことができるので、記録媒体を回収する回収者に抵抗を感じさせることなく容易に回収させるとともに、ローラ206の損傷を防止することができる。
【0081】
また、この発明にかかる実施の形態の用紙脱落防止補助ユニット205およびプリンタ100は、回動中心が、ローラ206の軸心よりも鉛直方向上側に設けられていることを特徴としている。
【0082】
この発明にかかる実施の形態の用紙脱落防止補助ユニット205およびプリンタ100によれば、ローラ206に対して鉛直方向上側への荷重がかけられた場合、当該荷重に応じて回動中心周りに支持部材311を回動させることによって、ローラ206を鉛直方向上側に移動させることができる。これにより、ローラ206と天面208との間に狭持された記録媒体の回収に際して鉛直方向上側への荷重がかけられることが多いローラ206を、かけられた荷重に応じて移動させ、ローラ206の軸にかかった荷重を効果的に逃がすことができ、ローラ206の損傷を防止することができる。
【0083】
また、この発明にかかる実施の形態の用紙脱落防止補助ユニット205およびプリンタ100によれば、ローラ206の軸心よりも支持部材311の回動中心が鉛直方向上側に設けられているため、プリンタ100から排出された記録媒体を、ローラ206の自重を利用して鉛直方向上側から付勢することができる。これにより、構造の複雑化や部品点数を抑えて、プリンタ100から切断された状態で排出される記録媒体が意図せずに落下することを防止できる。
【0084】
また、この発明にかかる実施の形態の用紙脱落防止補助ユニット205およびプリンタ100は、カッタユニット130が、位置が固定された固定刃307と当該固定刃307に対して相対的に移動可能な可動刃308とを備え、可動刃308を収容する筐体の外表面のうち、記録媒体の搬送経路303に対向している天面208によって当接部材を実現したことを特徴としている。
【0085】
この発明にかかる実施の形態の用紙脱落防止補助ユニット205およびプリンタ100によれば、可動刃308の筐体の一部である天面208を当接部材として兼用することができるため、プリンタ100を構成する部品点数を抑え、構成の簡易化を図り、プリンタ100内の限られた空間を有効に利用することができる。これにより、プリンタ100の小型化を図ることができる。
【0086】
また、この発明にかかる実施の形態の用紙脱落防止補助ユニット205およびプリンタ100は、天面208が、上流側よりも下流側が、鉛直方向下側に位置するように傾斜した面であることを特徴としている。
【0087】
この発明にかかる実施の形態の用紙脱落防止補助ユニット205およびプリンタ100によれば、面の傾斜と記録媒体の自重とを利用して、プリンタ100から切断された状態で排出された記録媒体が天面208から浮き上がることを確実に防止することができる。これによって、簡易な構成によって、プリンタ100から切断された状態で排出された記録媒体が意図せずに落下することを防止できる。
【0088】
また、この発明にかかる実施の形態の用紙脱落防止補助ユニット205およびプリンタ100によれば、上流側よりも下流側が鉛直方向下側に位置するように傾斜する面の傾斜と記録媒体の自重とを利用して、切断された記録済みの記録媒体を、上流側から下流側に付勢することができる。これにより、切断された記録済みの記録媒体が、下流側から上流側に逆流することを防止し、ジャムが発生することを確実に防止することができる。
【0089】
また、この発明にかかる実施の形態の用紙脱落防止補助ユニット205は、ローラ206と天面208との間に保持される記録媒体の有無を検出する検出手段を実現する回収検出センサ207を備え、回収検出センサ207による検出結果を出力するようにしたことを特徴としている。
【0090】
この発明にかかる実施の形態の用紙脱落防止補助ユニット205によれば、ローラ206と天面208との間における記録媒体の有無を、用紙脱落防止補助ユニット205が取り付けられるプリンタ100に通知することができる。これにより、当該通知を受けたプリンタ100において、ローラ206と天面208との間に記録媒体がない場合にのみ記録動作をおこなうよう制御することができ、このような制御をおこなうことより、記録済みの記録媒体が回収されない状態でつぎの記録動作がおこなわれたためにジャムが発生することを確実に防止することができる。
【0091】
また、この発明にかかる用紙脱落防止補助ユニット205は、カッタユニット130に一体に設けられているものに限らない。この発明にかかる用紙脱落防止補助ユニット205は、天面208が、搬送方向における上流側に、プリンタ100における当該プリンタ100が記録媒体を排出する排出口に対向する開口が形成され、支持部材311を回動可能に支持する支持部を備えた板状の部材であってもよい。
【0092】
このような構成の用紙脱落防止補助ユニット205によれば、ローラ206の軸心方向に沿って用紙脱落防止補助ユニット205を見た場合に略L字形状をなす板状の部材にローラ206を設けた簡易で軽量な構成によって用紙脱落防止補助ユニット205を実現することができる。これにより、既成のプリンタ100に用紙脱落防止補助ユニット205を後付けする場合に、プリンタ100に負担をかけることなく当該用紙脱落防止補助ユニット205を取り付けることができる。また、後付けを可能とすることにより、用紙脱落防止補助ユニット205の汎用性を高めることができる。
【0093】
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、記録部302、カッタユニット130、用紙脱落防止補助ユニット205を収容し、ローラ206および支持部材311を鉛直方向上側から覆う外装の一部が、支持部材311の回動にともなうローラ206の移動軌跡に干渉する位置に設けられていることを特徴としている。
【0094】
この発明にかかる実施の形態のプリンタ100によれば、プリンタ100の外装によって、ローラ206が過剰に浮き上がることを防止するストッパの機能を兼用させることができる。これにより、支持部材311の回動にともなってローラ206の位置を移動させるようにした場合にも、構成を複雑化したり部品点数を増やしたりすることなく、ローラ206が過剰に浮き上がることを防止して、切断された記録済みの記録媒体が意図せずに落下することを確実に防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
以上のように、この発明にかかる用紙脱落防止補助ユニットおよびプリンタは、プリンタから排出された記録媒体の脱落を防止する用紙脱落防止補助ユニットおよびプリンタに有用であり、特に、長尺状の状態から所定の長さで切断されて排出される記録媒体の脱落を防止する用紙脱落防止補助ユニットおよびプリンタに適している。
【符号の説明】
【0096】
100 プリンタ
110 上部ユニット
120 下部ユニット
130 カッタユニット
140 記録媒体排出部
202 サーマルヘッド
203 プラテン
204 カッタユニットの筐体
205 用紙脱落防止補助ユニット
206 ローラ
208 天面
207 回収検出センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6