(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまでも一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0016】
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。以下の説明は、入力検出装置として、タッチ検出機能付き液晶表示装置を例として述べるが、これに限定されるものではない。例えば、入力検出装置は、タッチ検出機能付きOLED表示装置でもよいし、表示機能を有していないタッチパネル等であってもよい。
【0017】
(実施の形態1)
実施の形態1では、ペンによるタッチと指によるタッチの両方を検出することが可能なタッチ検出機能付き液晶表示装置(以下、表示装置とも称する)が提供される。実施の形態1に係わる表示装置は、タッチ検出機能を有する入力検出装置を表示装置と一体化した、いわゆるインセルタイプの表示装置である。先ず、表示装置の基本的な構成を説明し、次に、この基本的な構成を基にして、ペンによるタッチを検出する磁界検出(以下、磁界タッチ検出、電磁誘導方式による磁界タッチ検出とも称する)および指によるタッチを検出する電界検出(以下、電界タッチ検出、静電容量方式による電界タッチ検出とも称する)の原理を説明する。
【0018】
<表示装置の基本的な構成>
図1は、表示装置の構成を模式的に示す図である。
図1において、1は、表示装置を示しており、
図1(A)は、表示装置1の平面を示す平面図であり、
図1(B)は、表示装置1の断面を示す断面図である。表示装置1は、TFT(Thin Film Transistor)ガラス基板(以下、絶縁性第1基板または単に第1基板とも称する)TGBと、第1基板TGBに積層されたレイヤ(層)、カラーフィルタCFT、CF(Color Filter)ガラス基板(以下、絶縁性第2基板または単に第2基板とも称する)CGBおよび第2基板CGBに積層されたレイヤ(層)を備えている。
【0019】
図1(A)において、TL(0)〜TL(p)は、第1基板TGBの第1主面TSF1に形成されたレイヤによって構成された駆動電極を示している。また、RL(0)〜RL(p)は、第2基板CGBの第1主面CSF1に形成されたレイヤによって構成された検出電極を示している。理解を容易にするために、
図1(A)では、第1基板TGBと第2基板CGBとが分離して、描かれているが、実際には、
図1(B)に示すように、液晶層を挟んで、第1基板TGBの第1主面TSF1と第2基板CGBの第2主面CSF2とが対向するように配置されている。
【0020】
第1基板TGBの第1主面TSF1と、第2基板CGBの第2主面CSF2との間には、複数のレイヤと、液晶層等が挟まれているが、
図1(B)では、第1主面TSF1と第2主面CSF2との間に挟まれた駆動電極TL(0)〜TL(n+2)、液晶層およびカラーフィルタCFTのみが示されている。また、第2基板CGBの第1主面CSF1には、
図1(A)に示すように複数の検出電極RL(0)〜RL(p)と偏光板が配置されている。また、
図1(B)において、13は検出電極RL(n)に接続された単位検出回路を示している。
【0021】
本明細書では、表示装置1を、
図1(B)に示すように、第2基板CGBおよび第1基板TGBの第1主面CSF1、TSF1側から見たときの状態を、平面視として説明する。第1主面CSF1およびTSF1側から、平面視で見たとき、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、第1基板TGBの第1主面TSF1において、
図1(A)に示すように、行方向(横方向)に延在し、列方向(縦方向)に平行に配置されている。また、検出電極RL(0)〜RL(p)は、第2基板CGBの第1主面CSF1において、
図1(A)に示すように、列方向(縦方向)に延在し、行方向(横方向)に平行に配置されている。
【0022】
駆動電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)の間には、第2基板CGB、液晶層等が介在している。そのため、駆動電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)は、平面視で見たときには、交差しているが、互いに電気的に分離されている。駆動電極と検出電極との間には、容量が存在するため、
図1(B)では、この容量が容量素子として破線で示されている。
【0023】
駆動電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)とは、平面視で見たとき、直交していることが望ましいが、平面視で見たときに、駆動電極と検出電極とは傾きを持って交差していてもよい。そのため、以下の説明で用いる「直交」は「交差」も含むものと理解されるべきである。
【0024】
<磁界検出の原理>
図2は、磁界検出の原理を示す説明図である。磁界検出の期間は、磁界を発生する磁界発生期間と磁界を検出する磁界検出期間とによって構成される。
図2(A)および(C)は、磁界発生期間のときの動作を示しており、
図2(B)は、磁界検出期間のときの動作を示している。説明の都合上、
図2(A)〜(C)は、
図1(A)を90度回転させた状態が示されている。
【0025】
磁界発生期間においては、駆動電極TL(0)〜TL(p)のうち、所定の駆動電極間の端部が、電気的に接続され、端部が接続された駆動電極に、所定の電圧(例えば接地電圧Vs)と磁界駆動信号が供給される。例えば、
図1(A)に示した駆動電極TL(0)およびTL(2)のそれぞれの端部のうち、他方の端部が、
図1(A)の右側において電気的に接続される。これにより、互いに平行に配置されている駆動電極TL(0)およびTL(2)が、直列的に接続される。駆動電極TL(0)の一方の端部に、
図1(A)の左側において、接地電圧Vsを供給し、駆動電極TL(2)の一方の端部に、
図1(A)の左側において、磁界駆動信号を供給する。ここで、磁界駆動信号は、その電圧が周期的に変化する信号である。駆動電極TL(0)およびTL(2)によって、この駆動電極により挟まれた領域(形成された領域)を内側とした磁界発生コイルが構成され、この磁界発生コイルは、磁界駆動信号の電圧の変化に応じた磁界を、その内側で発生する。
【0026】
図2(A)において、GX(n−1)は、駆動電極TL(0)、TL(2)によって構成された磁界発生コイルを示し、GX(n)〜GX(n+4)のそれぞれは、磁界発生コイルGX(n−1)と同様に、駆動電極TL(1)、TL(3)〜TL(p)によって構成された磁界発生コイルを示している。
【0027】
図2(A)において、CおよびL1は、ペンPenに内蔵されている容量素子およびコイルを示している。容量素子CとコイルL1は、共振回路を構成するように、並列接続されている。磁界発生期間において、磁界発生コイルGX(n−1)〜GX(n+3)のそれぞれの一方の端部には、接地電圧Vsが供給される。磁界駆動信号CLKが、磁界発生コイルGX(n)の他方の端部に供給される。これにより、磁界発生コイルGX(n)が、磁界駆動信号CLKの電圧変化に応じた磁界φ1を発生する。ペンPenが、磁界発生コイルGX(n)に近接していれば、磁界発生コイルGX(n)とコイルL1との間は電磁結合され、磁界φ1によってコイルL1に相互誘導による誘起電圧が発生し、容量素子Cが充電される。
【0028】
次に、
図2(B)に示す磁界検出期間に移行する。磁界検出期間においては、検出電極RL(0)〜RL(p)を用いて、磁界の検出が行われる。検出電極RL(0)〜RL(p)は一対の端部を有している。検出電極RL(0)〜RL(p)のうち、所定の検出電極間の他方の端部が、互いに電気的に接続される。例えば、
図1(A)に示した検出電極R(0)とRL(3)のそれぞれの他方の端部が、
図1(A)の上側において電気的に接続される。これにより、平行に配置された検出電極RL(0)、RL(3)が直列的に接続される。磁界検出期間においては、検出電極RL(3)の一方の端部に所定の電圧Vsが供給され、検出電極RL(0)の一方の端部が、単位検出回路に接続される。これにより、検出電極RL(0)とRL(3)とによって挟まれた領域(形成された領域)を内側とした磁界検出コイルが形成され、この磁界検出コイルによって、ペンPenからの磁界の検出が行われる。
【0029】
図2(B)において、DY(n−2)は、検出電極RL(0)、RL(3)によって構成された磁界検出コイルを示しており、DY(n−1)〜DY(n+1)は、同様に検出電極RL(2)〜RL(p)によって構成された磁界検出コイルを示している。磁界検出期間のとき、磁界検出コイルDY(n−1)〜DY(n+1)のそれぞれの一方の端部に、所定の電圧Vsが供給され、それぞれの他方の端部における信号Rx(n−
1)〜Rx(n+1)が、単位検出回路に供給される。
【0030】
磁界発生期間において、容量素子Cに充電が行われていれば、磁界検出期間のとき、コイルL1は、容量素子Cに充電されている電荷に従って、共振回路の共振周波数に応じて変化する磁界φ2を発生する。
図2(B)では、磁界検出コイルDY(n)の内側に、コイルL1の中心(一点鎖線)が存在している。そのため、磁界検出コイルDY(n)とコイルL1との間で電磁結合が発生し、相互誘導によって、磁界検出コイルDY(n)に誘起電圧が発生する。その結果、磁界検出コイルDY(n)の他方の端部における信号Rx(n)は、容量素子Cに充電されている電荷量に応じて変化することになる。磁界検出コイルDY(n)に接続された単位検出回路は、この信号Rx(n)の変化を検出信号として出力する。これにより、ペンPenが近接(タッチ)しているか否か、および座標を抽出することが可能となる。また、電荷量に応じて検出信号が変化するため、ペンPenとの距離を求めることが可能となる。
【0031】
図2(C)は、
図2(B)に続いて移行した磁界発生期間を示している。
図2(A)と異なるのは、磁界発生コイルGX(n+1)に磁界駆動信号CLKが供給されていることである。ペンPenの位置は変化していないため、
図2(C)に示した磁界発生期間においては、コイルL1に誘起電圧が発生せず、容量素子Cは充電されない。これにより、
図2(C)に続いて移行する磁界検出期間においては、ペンPenが近接していないと検出される。以降、同様にして、ペンPenの検出が行われる。
【0032】
<電界検出の原理>
図3は、電界検出の原理を示す説明図である。
図3(A)において、12−0〜12−pのそれぞれは、電界駆動信号を出力する単位駆動回路を示し、13−0〜13−pのそれぞれは、単位検出回路を示している。また、
図3(A)において、実線の○で囲んだパルス信号は、駆動電極TL(2)へ供給される電界駆動信号Tx(2)の波形を示している。外部物体として、指がFGとして示されている。
【0033】
駆動電極TL(2)に、電界駆動信号Tx(2)が供給されると、
図3(B)に示すように、駆動電極TL(2)と、この駆動電極TL(2)と直交する検出電極RL(n)との間で電界が発生する。このとき、指FGが、駆動電極TL(2)の近傍をタッチしていると、指FGと駆動電極TL(2)との間でも電界が発生し、駆動電極TL(2)と検出電極RL(n)との間で発生している電界が減少する。これにより、駆動電極TL(2)と検出電極RL(n)との間の電荷量が減少する。その結果、
図3(C)に示すように、駆動信号Tx(2)の供給に応答して生じる電荷量は、指FGがタッチしているときは、タッチしていないときに比べてΔQだけ減少する。電荷量の差は、電圧の差として表れ、単位検出回路13−nに供給され、検出信号として出力される。
【0034】
他の駆動電極についても、同様にして、電界駆動信号を供給することにより、指FGがタッチしているか否かに応じた信号の電圧変化が、検出電極RL(0)〜RL(p)に生じ、検出信号として出力されることになる。これにより、指FGがタッチしているか否か、および座標を抽出することが可能となる。
【0035】
上記したように、磁界検出の際には、駆動電極TL(0)〜TL(p)のうち、選択された駆動電極に磁界駆動信号が供給され、電界検出の際には、選択された駆動電極に電界駆動信号が供給される。一方、表示の際には、駆動電極TL(0)〜TL(p)に、表示駆動信号が供給される。表示駆動信号によって、駆動電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、同じ電圧とされるため、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、1個の共通電極と見なすことができる。
【0036】
<表示装置の全体構成>
図4は、実施の形態1に係わる表示装置1の構成を示すブロック図である。
図4において、表示装置1は、表示パネル(液晶パネル)、制御装置3、ゲートドライバ4およびタッチ制御装置5を備えている。また、表示装置1は、第1スキャナ回路対SCL、第2スキャナ回路対SCR、第1選択駆動回路SDL、第2選択駆動回路SDRおよび検出回路DETを備えている。表示パネルは、表示を行う表示領域とその周辺の額縁領域とを備えている。表示と言う観点で見た場合、表示領域はアクティブ領域であり、表示領域を包囲する額縁領域は非アクティブ領域である。
図4では、2が、表示領域である。
【0037】
表示領域2は、複数の画素が行列状に配置された画素配列を有している。画素配列には、複数の信号線、複数の駆動電極、複数の走査線および複数の検出電極が配置されている。
図4を参照して述べると、画素配列において、信号線SL(0)〜SL(p)は、縦方向(列方向)に延在し、横方向(行方向)に平行に配置されている。また、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、横方向に延在し、縦方向に平行に配置されている。さらに、走査線は、横方向に延在し、縦方向に平行に配置され、検出電極RL(0)〜RL(p)は、縦方向に延在し、横方向に平行に配置されている。この場合、画素は、かかる複数の信号線と複数の走査線とが交差することにより形成される空間に配置されている。表示の期間(表示期間)においては、信号線と走査線により、画素が選択され、選択された画素には、そのときの信号線の電圧と、駆動電極の電圧が印加され、信号線と駆動電極との間の電圧差に従った表示が行われる。
【0038】
制御装置3は、外部端子Ttに供給されるタイミング信号と入力端子Tiに供給される画像情報とを受け、表示期間のとき、画像情報に従った画像信号を形成し、複数の信号線SL(0)〜SL(p)に供給する。また、制御装置3は、外部端子Ttに供給されるタイミング信号とタッチ制御装置5からの制御信号SWとを受け、種々の信号を形成する。
図4には、制御装置3により形成される信号のうち、説明に必要な信号のみが、代表として描かれている。すなわち、制御装置3は、同期信号TSHD、駆動信号TPH、TPL、制御信号COMFL、検出タイミング信号COMSELを形成する。また、制御装置3は、シフトクロック信号CK−AR、CK−BR、CK−AL、CK−BLおよびスタート信号ST−AR、ST−BR、ST−AL、ST−BLを形成する。
【0039】
ここで、制御装置3は本発明に係る制御部である。
【0040】
特に制限されないが、この実施の形態1において、制御装置3は、離間量レジスタS−REGを備えている。この離間量レジスタS−REGに格納された情報に基づいて、制御装置3は、スタート信号ST−AR、ST−BR、ST−AL、ST−BLおよびシフトクロック信号を形成する。また、制御装置3は、破線で示した束レジスタC−REGを備えている。この束レジスタC−REGに格納された情報に基づいて、制御装置3は、スタート信号ST−AR、ST−BR、ST−AL、ST−BLおよびシフトクロック信号を形成する。
【0041】
同期信号TSHDは、表示領域2において表示を行う表示期間とタッチ検出を行うタッチ検出期間とを識別する同期信号である。制御装置3は、この同期信号TSHDによって、タッチ制御装置5が、タッチ検出期間の際に動作するように制御する。
【0042】
ゲートドライバ4は、表示のとき、制御装置3からのタイミング信号に従って走査線信号Vs0〜Vspを形成し、表示領域2内の走査線に供給する。表示期間においては、ハイレベルの走査線信号が供給されている走査線に接続されている画素が選択され、選択された画素は、そのとき信号線SL(0)〜SL(p)に供給されている画像信号に従った表示を行う。
【0043】
なお、
図4では、表示領域2の辺2−Lに沿った額縁領域のみにゲートドライバ4が配置されているが、同一構成のゲートドライバ4が、辺2―Rに沿った額縁領域にも配置されていてもよい。
【0044】
検出回路DETは、磁界タッチ検出および電界タッチ検出の際に、検出電極RL(0)〜RL(p)における信号の変化を検出し、検出信号Rx(0)〜Rx(p)として出力する。
【0045】
タッチ制御装置5は、検出信号Rx(0)〜Rx(p)を受け、タッチされた位置の座標を抽出し、外部端子Toから出力する。また、タッチ制御装置5は、制御信号SWを出力するとともに、同期信号TSHDを受け、制御装置3に同期して動作する。
【0046】
表示領域2は、画素配列の行に平行した辺2−U、2−Dと、画素配列の列に平行した辺2−R、2−Lを有している。ここで、辺2−Uと辺2−Dは、互いに対向した辺であり、この2辺の間に、画素配列における複数の駆動電極と複数の走査線が配置されている。また、辺2−Rと辺2−Lも、互いに対向した辺であり、この2辺の間に、画素配列における複数の信号線と複数の検出電極が配置されている。
【0047】
第1スキャナ回路対SCLおよび第1選択駆動回路SDLは、表示領域2の辺2−Lに沿って、複数の駆動電極の第1端部に近接するように配置されており、第1選択駆動回路SDLは、辺2−Lにおいて、駆動電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれの第1端部に接続されている。同様に、第2スキャナ回路対SCRおよび第2選択駆動回路SDRは、表示領域2の辺2−Rに沿って、複数の駆動電極の第2端部に近接するように配置されており、第2選択駆動回路SDRは、辺2−Rにおいて、駆動電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれの第2端部に接続されている。
【0048】
第1スキャナ回路対SCLは、一対の第1スキャナ回路SCALおよび第2スキャナ回路SCBLを有し、第1選択駆動回路SDLは、選択回路SELLと駆動回路DRVLを有している。同様に、第2スキャナ回路対SCRは、一対の第3スキャナ回路SCARおよび第4スキャナ回路SCBRを有し、第2選択駆動回路SDRは、選択回路SELRと駆動回路DRVRを有している。
【0049】
駆動回路DRVLと駆動回路DRVRはそれぞれ、制御装置3から駆動信号TPHと駆動信号TPLとが供給される信号配線TPHと信号配線TPLとを備える。
【0050】
第1スキャナ回路対SCL、第2スキャナ回路対SCR、第1選択駆動回路SDLおよび第2選択駆動回路SDRは、磁界タッチ検出のとき、駆動電極TL(0)〜TL(p)から、所望の駆動電極を選択し、選択した駆動電極に磁界駆動信号を供給し、電界タッチ検出のときにも、所望の駆動電極を選択し、選択した駆動電極に電界駆動信号を供給する。そのため、磁界タッチ検出および電界タッチ検出の際には、第1スキャナ回路対SCL、第2スキャナ回路対SCR、第1選択駆動回路SDLおよび第2選択駆動回路SDRによって、駆動電極を駆動する駆動回路が構成されていると見なすことができる。
【0051】
第1スキャナ回路対SCL、第2スキャナ回路対SCR、第1選択駆動回路SDLおよび第2選択駆動回路SDRについては、後で図を用いて詳しく説明するので、ここでは、これ以上、説明しない。
【0052】
<表示装置のモジュール構成>
図5は、実施の形態1に係わる表示装置1を実装したモジュール500の全体構成を示す模式的な平面図である。模式的ではあるが、
図5は、実際の配置に合わせて描かれている。同図において、501は、
図1で示した第1基板TGBの領域を示し、502は、第1基板TGBと第2基板CGBとが積層された領域を示している。モジュール500において、第1基板TGBは、領域501と502において一体となっている。また、領域502では、第1基板TGBの第1主面TSF1と第2基板CGBの第2主面CSF2とが対向するように、第1基板TGBに第2基板CGBが搭載されている。また、
図5において、500−U、500−Dは、モジュール500の短辺を示しており、500−L、500−Rは、モジュール500の長辺を示している。
【0053】
領域502であって、表示領域2の辺2−Lとモジュール500の辺500−Lとの間の額縁領域には、
図4で示したゲートドライバ4、第1スキャナ回路対SCLおよび第1選択駆動回路SDLが配置されている。
領域502であって、表示領域2の辺2−Rとモジュール500の辺500−Rとの間の額縁領域には、
図4で示した第2スキャナ回路対SCRおよび第2選択駆動回路SDRが配置されている。表示領域2の辺2−Dとモジュール500の辺500−Dとの間の額縁領域には、
図4で示した検出回路DETおよび制御装置3が配置されている。検出回路DETは、領域501の第1基板TGBの第1主面TSF1に形成された配線および部品により構成されている。平面視で見たとき、検出回路DETを覆うように、制御装置3が、第1基板TGBに実装されている。また、第1スキャナ回路対SCL、第2スキャナ回路対SCR、第1選択駆動回路SDLおよび第2選択駆動回路SDRを構成する配線および部品も、領域502における第1基板TGBの第1主面TSF1に形成されている。
【0054】
図4において説明した検出信号Rx(0)〜Rx(p)は、フレキシブルケーブルFB1内の配線を介して、タッチ制御装置5に供給される。領域501には、フレキシブルケーブルFB2が接続されており、このフレキシブルケーブルFB2に設けられたコネクタCNを介して、タッチ制御装置5と制御装置3との間で信号の送受信が行われる。
【0055】
表示領域2には、既に述べたように、複数の画素が行列状に配列された画素配列を有しており、画素配列の行に沿って配置された複数の駆動電極TL(0)〜TL(p)および走査線と、配列の列に沿って配置された複数の信号線SL(0)〜SL(p)と複数の検出電極RL(0)〜RL(p)とを備えている。
図5には、例として、2個の駆動電極TL(n)、TL(m)と2個の信号線SL(k)、SL(n)と3個の検出電極RL(n−2)〜RL(n)が示されている。なお、
図5では、走査線は、省略されているが、走査線は、例示した駆動電極TL(n)、TL(m)と平行して、延在している。
【0056】
また、
図5には、画素配列が、破線PDMとして示されており、画素配列PDMに配置されている複数の画素のうち、表示領域2の4個の角に配置されている画素と、例示した駆動電極および信号線との交差部に配置された画素が、Pixとして示されている。
【0057】
<電磁誘導方式と静電容量方式との両方の駆動方法>
図6〜
図8は、実施の形態1に係わる電磁誘導方式と静電容量方式との両方の駆動方法を説明するための説明図である。
【0058】
この実施の形態1では、電磁誘導方式の入力検出と静電容量方式の入力検出の両方を一つの装置構成で行うことができる入力検出装置を内蔵した表示装置について説明する。この実施の形態1の表示装置は、一つの装置構成により電磁誘導方式の検出動作と静電容量方式の検出動作と、表示動作とを時分割で行うことができるようになっている。しかし、この実施の形態1に限定されず、電磁誘導方式の入力検出と、静電容量方式の入力検出を行う入力検出装置と、表示動作を行う表示装置とを重ねて使用することもできる。
【0059】
図6(A)および(B)は、本実施の形態1における電磁誘導方式の駆動方法を説明するための説明図である。
図2では、離間して配置された2本の駆動電極の端部を直列に接続してループ状の磁界発生コイルを構成する例により磁界タッチ検出の原理を示したが、本実施の形態1では、磁界タッチ検出の時、離間して配置された2本の駆動電極を同時に選択し、互いに電流が反対の向きに流れるように、駆動電圧を供給する。
【0060】
図6(A)および(B)では、表示領域2の辺2−Lと2−Rに沿って配列した駆動電極TL(0)〜TL(p)の中から、離間して配置された駆動電極TL(n+3)と駆動電極TL(n+1)が同時に選択されている。
【0061】
信号配線TPHには、
図2で説明した磁界駆動信号に相当する交流の駆動信号TPHが供給される。この交流信号は、例えばゼロ電圧と、ゼロ電圧より電圧値の高いプラス電圧とに変動する。プラス電圧は、ゼロ電圧より電圧値が高い電圧であればどのような値であってもよい。
【0062】
なお、表示領域の辺2−Lに沿った信号配線TPHと辺2−Rに沿った信号配線TPHに供給される交流電圧の位相および振幅は同一である。信号配線TPLに、
図2で説明した接地電圧に相当するゼロ電圧が駆動信号TPLとして供給される。
【0063】
図6(A)は、信号配線TPHから選択される駆動電極にプラス電圧が供給されている時の駆動状態を示す。
【0064】
駆動電極TL(n+3)の端部n1は、単位駆動回路USLの第1スイッチS01を介して信号配線TPHに接続され、+で図示されるプラスの電圧が供給されている。駆動電極TL(n+3)の端部n2は、単位駆動回路USRの第2スイッチS00を介して信号配線TPLに接続され、0で図示されるゼロ電圧が供給されている。+電圧は0電圧よりも高い電圧であるため、駆動電極TL(n+3)の端部n1から端部n2の方向へ電流I12が流れ、駆動電極TL(n+3)の周辺に磁界φ12が発生する。
【0065】
また、駆動電極TL(n+1)の端部n1は、単位駆動回路USLの第2スイッチS00を介して信号配線TPLに接続され、−で図示されるゼロ電圧が供給される。駆動電極TL(n+1)の端部n2は、単位駆動回路USRの第1スイッチS01を介して信号配線TPHに接続され、+で図示されるプラスの電圧が供給される。従って、駆動電極TL(n+1)には端部n2から端部n1の方向へ電流I11が流れ、駆動電極TL(n+1)の周辺に磁界φ11が発生する。
【0066】
この時、駆動電極TL(n+3)と駆動電極TL(n+1)に流れる電流I12とI11の向きが反対であるため、それぞれの駆動電極の端部が直列に接続されていなくても、ループ状の磁界発生コイルを構成していると見なすことができる。電流I1
1と電流I1
2により生成した磁界φ11とφ12とは、それぞれ反対の向きを有し、駆動電極TL(n+3)と駆動電極TL(n+1)との間に配置された非選択の駆動電極TL(n+2)の領域で重畳する。このようにして、信号配線TPHからプラス電圧が供給される時に強い磁界を駆動電極TL(n+2)の領域に発生させることができる。
【0067】
この時、駆動電極TL(n+3)を本発明に係る第1駆動電極、駆動電極TL(n+1)を第2駆動電極、プラス電圧を第1駆動電圧、ゼロ電圧を第2駆動電圧とする。本発明において、第1駆動電圧は第2駆動電圧よりも電圧値が高い駆動電圧である。第2駆動電圧はゼロ電圧に限られず第1駆動電圧と異なる電圧であって第1駆動電圧よりも電圧値が低い電圧であればよい。また、各駆動電極TL(0)〜TL(p)の端部n1を第1端部、端部n2を第2端部とする。
【0068】
この図では、第1駆動電極の第1端部から第2端部に電流が流れ、第2駆動電極の第2端部から第1端部に電流が流れるように駆動したが、第1駆動電極の第2端部から第1端部に電流が流れ、第2駆動電極の第1端部から第2端部に電流が流れるようにしてもよい。
【0069】
駆動電極TL(n+2)を含め、非選択の駆動電極は駆動電圧が供給されないフローティング電位となっている。
【0070】
図6(B)では、信号配線TPHから選択される駆動電極にゼロ電圧が供給されている時の駆動状態を示す。この
図6(B)の状態では、駆動電極TL(n+1)、TL(n+3)の両端にゼロ電圧が供給され、電流が流れないため、駆動電極TL(n+2)の領域において磁界は発生しない。その後、信号配線TPHから供給される駆動電圧がプラス電圧に変化すると、再び、
図6(A)に示す駆動状態となり磁界が発生する。磁界タッチ検出の磁界発生期間においては駆動信号TPHの電圧変化に伴い、
図6(A)の状態と
図6(B)の状態とが繰り返される。
【0071】
図6に示す電磁誘導方式による磁界タッチ検出については、後で
図9〜
図14などを用
いて詳しく説明する。
【0072】
図7(A)および(B)は、電磁誘導方式の別の駆動方法を説明するための説明図である。
図6では、第1駆動電極および第2駆動電極が1本ずつの場合を説明したが、この図では第1駆動電極および第2駆動電極はそれぞれ複数の隣接した駆動電極を含んでいる。
【0073】
図7(A)においては、隣り合った3本の駆動電極(以下、束駆動電極とも称する)TL(n−1)〜TL(n+1)と、隣り合った3本の駆動電極TL(n+3)〜TL(n+5)が、磁界タッチ検出期間の際に、同時に選択され、互いに反対の向きに電流が流れるように駆動される。この時束駆動電極TL(n+3)〜TL(n+5)が第1駆動電極、束駆動電極TL(n−1)〜TL(n+1)が第2駆動電極に相当する。第1駆動電極と第2駆動電極がそれぞれ複数本の駆動電極の束からなる場合、発生する磁界φ21とφ22を
図6の場合よりも強くすることができ、磁界タッチ検出の検出感度が向上する。特に限定されるものではないが、第1駆動電極と第2駆動電極の束ね数は等しいものとする。束ね数は3に限らず任意の値を設定することができる。
【0074】
図7(A)では、第1駆動電極TL(n+3)〜TL(n+5)のそれぞれの第1端部n1に同時に信号配線TPHから+で図示されるプラス電圧が供給され、それぞれの第2端部n2に同時に信号配線TPLから0で図示されるゼロ電圧が供給されている。また、第2駆動電極TL(n−1)〜TL(n+1)のそれぞれの第2端部n2に同時に信号配線TPHから+で図示されるプラス電圧が供給され、それぞれの第1端部n1に同時に信号配線TPLから0で図示されるゼロ電圧が供給されている。
【0075】
図7(A)では、第2駆動電極TL(n−1)〜TL(n+1)において、第2端部n2から第1端部n1へ向かう方向に電流I21が流れ、第1駆動電極TL(n+3)〜TL(n+5)においては、第1端部n1から第2端部n2へ向かう方向に電流I22が流れることになる。
【0076】
図7(A)においては、非選択の駆動電極TL(n+2)を挟むように、2個の束駆動電極TL(n−1)〜TL(n+1)、TL(n+3)〜TL(n+5)が離間して配置され、それぞれが発生する磁界φ21とφ22が駆動電極TL(n+2)の領域において重畳されている。その後、信号配線TPHの電圧がゼロ電圧に変化すると
図7(B)の駆動状態となり、2個の束駆動電極の間に磁界は発生しなくなる。磁界発生期間において
図7(A)と(B)の状態が繰り返される。
【0077】
束駆動電極の数の設定方法として、例えば制御装置3は、
図4に破線で示すような束レジスタC−REGを設け、束駆動電極の個数、すなわち同時に選択する第1駆動電極および第2駆動電極の数を決定する情報を格納することができる。
【0078】
また、制御装置3は、
図4に示す離間量レジスタS−REGにより、第1駆動電極と第2駆動電極の間に配置される非選択の駆動電極の数、すなわち第1駆動電極と第2駆動電極の離間量を決定する情報を格納することができる。
【0079】
第1駆動電極および第2駆動電極のそれぞれの束ね数が大きいと、検出感度が向上し、束ね数が小さいと、検出の解像度が向上する。また、離間
量によっても検出の解像度や感度等を制御することができる。これらに格納する情報を変更することで駆動電極を束ねる数や離間
量を任意に定めることができる。
【0080】
図8は、静電容量方式の駆動方法を説明するための説明図である。静電容量方式による電界タッチ検出のときは、駆動電極TL(0)〜TL(p)から、所望の駆動電極を選択し、選択した駆動電極に電界駆動信号を供給する。
図8では駆動電極TL(n+2)が選択され、駆動電極TL(n+2)の領域において、電界が発生する。
【0081】
選択された駆動電極TL(n+2)は、第1端部n1が単位駆動回路USLの第1スイッチS01を介して信号配線TPHに接続され、第2端部n2が単位駆動回路USRの第1スイッチS01を介して信号配線TPHに接続される。また、非選択の駆動電極TL(0)〜TL(n+1)、TL(n+3)〜TL(p)は、第1端部n1が単位駆動回路USLの第2スイッチS00を介して信号配線TPLに接続され、第2端部n2が単位駆動回路USRの第2スイッチS00を介して信号配線TPLに接続される。
【0082】
電界タッチ検出のとき、信号配線TPLには、所定の駆動信号TPLが供給されている。所定の電圧として、例えば接地電圧Vs、表示用の駆動電圧VCOMDC等の直流電圧が挙げられる。信号配線TPHには、例えば電圧Vsと電圧Vd(電圧Vsよりも高い電圧)との間で電圧値が周期的に変化するような交流の駆動信号TPHが供給されている。電界タッチ検出の時の駆動信号TPHは電界駆動信号に相当する。
【0083】
本発明において、電界タッチ検出の時の駆動信号TPHを第3駆動電圧とする。信号配線TPLに供給される所定の電圧は、特に制限されず任意の電圧を用いることができる。信号配線TPHに供給される電界駆動信号についても同様である。
【0084】
電界タッチ検出においては、駆動電極の両端から電界駆動信号が供給されるので、これに伴って電界が発生し、駆動電極と容量を形成する検出電極から、電界駆動信号に応じた検出信号が出力されることになる。
【0085】
図8に示す静電容量方式による電界タッチ検出については、後で
図15〜
図17などを用いて詳しく説明する。
【0086】
<第1スキャナ回路対、第2スキャナ回路対、第1選択駆動回路および第2選択駆動回路の構成>
図9は、実施の形態1に係わる第1スキャナ回路対SCL、第2スキャナ回路対SCR、第1選択駆動回路SDLおよび第2選択駆動回路SDRの構成を示すブロック図である。
図9では、
図6に示した電磁誘導方式の駆動方法に対応する構成が示されている。
図9では、図面が複雑になるのを避けるために、表示領域2に配置されている駆動電極TL(0)〜TL(p)のうち、駆動電極TL(n)〜TL(n+5)に対応する第1スキャナ回路対SCL、第2スキャナ回路対SCR、第1選択駆動回路SDLおよび第2選択駆動回路SDRの部分のみが示されている。
図9に示していない駆動電極TL(0)〜TL(n−1)およびTL(n+6)〜TL(p)についても、同様な構成になっている。ここでは、
図9に示した部分を、代表として説明する。
【0087】
第1選択駆動回路SDLは、選択回路SELLと駆動回路DRVLとを備えており、表示領域2の辺2−Lに沿って配置されている。駆動回路DRVLは、駆動電極TL(n)〜TL(n+5)に対応した複数の単位駆動回路USLを備えている。また、選択回路SELLも、駆動電極TL(n)〜TL(n+5)のそれぞれに対応した単位選択回路SEL(n)〜SEL(n+5)を備えている。また、駆動電極TL(n)〜TL(n+5)のそれぞれは、一対の第1端部n1、第2端部n2を有している。
【0088】
単位駆動回路USLのそれぞれは、単位選択回路SEL(n)〜SEL(n+5)に1対1に対応しており、第1スイッチS01と第2スイッチS00とを備えている。第1スイッチS01は、対応する駆動電極の第1端部n1と信号配線TPHとの間に接続され、第2スイッチS00は、対応する駆動電極の第1端部n1と信号配線TPLとの間に接続されている。第1スイッチS01は、対応する単位選択回路からの第1単位選択信号によってスイッチ制御され、第2スイッチS00も、対応する単位選択回路からの第2単位選択信号によってスイッチ制御される。
【0089】
駆動電極TL(n)を例にして述べると、単位選択回路SEL(n)と、この単位選択回路SEL(n)に接続された単位駆動回路USLが、駆動電極TL(n)に対応していることになる。駆動電極TL(n)の第1端部n1は、単位選択回路SEL(n)からの第1単位選択信号SELH_L(n)によってスイッチ制御される第1スイッチS01を介して、信号配線TPHに接続されている。また、駆動電極TL(n)の第1端部n1は、単位選択回路SEL(n)からの第2単位選択信号SELG_L(n)によってスイッチ制御される第2スイッチS00を介して、信号配線TPLに接続されている。
【0090】
残りの駆動電極TL(n+1)〜TL(n+5)のそれぞれも、第1端部n1は、対応する単位選択回路SEL(n+1)〜SEL(n+5)からの第1単位選択信号SELH_L(n+1)〜SELH_L(n+5)によってスイッチ制御される第1スイッチS01を介して、信号配線TPHに接続されている。また、それぞれの第1端部n1は、対応する単位選択回路SEL(n+1)〜SEL(n+5)からの第2単位選択信号SELG_L(n+1)〜SELG_L(n+5)によってスイッチ制御される第2スイッチS00を介して、信号配線TPLに接続されている。
【0091】
選択回路SELLを構成する単位選択回路SEL(n)〜SEL(n+5)には、第1スキャナ回路対SCLから、磁界タッチ検出および電界タッチ検出の際に、選択信号が供給される。すなわち、第1スキャナ回路対SCLを構成する一対の第1スキャナ回路SCALおよび第2スキャナ回路SCBLから第1選択信号AL(n)〜AL(n+5)および第2選択信号BL(n)〜BL(n+5)が供給される。すなわち、第1スキャナ回路対SCLを構成する第1スキャナ回路SCALと
第2スキャナ回路SCBLとは、対応する駆動電極TL(n)〜TL(n+5)の第1端部n1に接続された単位選択回路
SEL(n)〜SEL(n+5)を共有する。
【0092】
第1スキャナ回路SCALおよび第2スキャナ回路SCBLのそれぞれは、複数のシフト段が直列接続されたシフトレジスタを有しており、それぞれのシフトレジスタには、
図4に示した制御装置3からシフトクロック信号CK−AL、CK−BLおよびスタート信号ST−AL、ST−BLが供給される。
【0093】
図10(A)および(B)は、実施の形態1に係わる第1スキャナ回路SCALおよび第2スキャナ回路SCBLの構成を概略的に示すブロック図である。
図10(A)は、第1スキャナ回路SCALの構成を示し、
図10(B)は、第2スキャナ回路SCBLの構成を示している。第1スキャナ回路SCALおよび第2スキャナ回路SCBLのそれぞれは、特に制限されないが、表示領域2に配置された駆動電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれに対応したシフト段を備えており、これらのシフト段が、直列的に接続されることによって、シフトレジスタが構成されている。
図10(A)および(B)には、
図9に示した駆動電極TL(n)〜TL(n+5)に対応するシフト段FAL(n)〜FAL(n+5)、FBL(n)〜FBL(n+5)のみが示されている。
【0094】
シフト段FAL(n)〜FAL(n+5)のそれぞれは、クロック端子CK、データ入力端子Dおよびデータ出力端子Qを備えており、クロック端子CKに供給されているシフトクロック信号CK−ALの変化に同期して、データ入力端子Dに供給されているデータ(情報)を取り込み、データ出力端子Qから出力する。シフト段FAL(n)のデータ出力端子Qは、次段のシフト段FAL(n+1)のデータ入力端子Dに接続され、シフト段FAL(n+1)のデータ出力端子Qは、次段のシフト段FAL(n+2)のデータ入力端子Dに接続されている。以降、シフト段のデータ出力端子Qが、次段のシフト段のデータ入力端子Dに接続されることにより、シフト段が直列的に接続されている。シフト段FAL(n)〜FAL(n+5)のそれぞれのクロック端子CKには、シフトクロック信号CK−ALが供給される。また、
図10(A)において、初段となるシフト段FAL(n)のデータ入力端子Dには、スタート信号ST−ALが供給される。
【0095】
磁界タッチ検出および電界タッチ検出の際には、駆動電極の選択を示す選択情報が、スタート信号ST−ALとして、シフト段FAL(n)に供給される。また、磁界タッチ検出および電界タッチ検出の際には、シフトクロック信号CK−ALが周期的に変化する。これにより、例えばシフト段FAL(n)に選択情報であるスタート信号ST−ALが取り込まれ、シフトクロック信号CK−ALが変化するたびに、選択情報であるスタート信号ST−ALは、シフト段FAL(n)からシフト段FAL(n+5)へ向かって順次移動することになる。この実施の形態1においては、特に制限されないが、選択を示す選択情報は、ハイレベルである。そのため、ハイレベルが、シフト段FAL(n)からシフト段FAL(n+5)へ向かって移動することになる。
【0096】
シフト段FAL(n)〜FAL(n+5)のデータ出力端子Qから出力される信号が、第1スキャナ回路SCALから出力される第1選択信号となる。シフト段FAL(n)〜FAL(n+5)のそれぞれが、駆動電極TL(n)〜TL(n+5)に1対1で対応しているため、シフト段FAL(n)のデータ出力端子Qから出力される信号が、第1選択信号AL(n)となる。同様に、シフト段FAL(n+1)〜FAL(n+5)のデータ出力端子Qから出力される信号が、第1選択信号AL(n+1)〜AL(n+5)となる。そのため、磁界タッチ検出および電界タッチ検出の際には、第1選択信号AL(n)からAL(n+5)に向かって、第1選択信号は、順次ハイレベルとなる。
【0097】
第1スキャナ回路SCALを構成するシフト段FAL(n)〜FAL(n+5)を例にして説明したが、第2スキャナ回路SCBLを構成するシフト段FBL(n)〜FBL(n+5)も同様である。シフト段FBL(n)〜FBL(n+5)には、シフトクロック信号として、CK−BLが供給され、スタート信号として、ST−BLが供給される。選択を示すハイレベルのスタート信号ST−BLは、シフトクロック信号CK−BLの変化に同期して、シフト段FBL(n)からFBL(n+5)へ向かって移動し、第2選択信号BL(n)〜BL(n+5)として、出力される。
【0098】
選択回路SELLを構成する単位選択回路SEL(n)〜SEL(n+5)は、磁界タッチ検出および電界タッチ検出の際、対応する第1選択信号AL(n)〜AL(n+5)または対応する第2選択信号BL(n)〜BL(n+5)が、駆動電極の選択を示しているとき、検出タイミング信号COMSELに従って、対応する単位駆動回路USL内の第1スイッチS01、第2スイッチS00を、オン状態とするような第1単位選択信号SELH_L(n)〜SELH_L(n+5)および第2単位選択信号SELG_L(n)〜SELG_L(n+5)を形成する。
【0099】
第1スキャナ回路対SCLおよび第1選択駆動回路SDLを例にして説明したが、第2スキャナ回路対SCRおよび第2選択駆動回路SDRも、同様の回路構成になっている。そのため、第2スキャナ回路対SCRおよび第2選択駆動回路SDRについては、簡単に説明する。
【0100】
図11(A)および(B)は、実施の形態1に係わる第3スキャナ回路SCARおよび第4スキャナ回路SCBRの構成を概略的に示すブロック図である。第2スキャナ回路対SCRも、一対の第3スキャナ回路SCARおよび第4スキャナ回路SCBRを備えており、それぞれの第3スキャナ回路SCARおよび第4スキャナ回路SCBRは、
図11(A)および(B)に示すように、複数のシフト段FAR(n)〜FAR(n+5)、FBR(n)〜FBR(n+5)を有するシフトレジスタを備えている。第3スキャナ回路SCARのシフトレジスタには、ハイレベルのスタート信号ST−ARが供給され、シフトクロック信号CK−ARの変化に同期して、順次移動する。また、第4スキャナ回路SCBRのシフトレジスタにも、ハイレベルのスタート信号ST−BRが供給され、シフトクロック信号CK−BRの変化に同期して、順次移動する。ここで、ハイレベルのスタート信号ST−AR、ST−BRの移動する方向は、スタート信号ST−AL、ST−BLの移動する方向と同じである。また、シフトクロック信号CK−AR、CK−BRは、シフトクロック信号CK−AL、CK−BLと同じ周期のクロック信号である。
【0101】
第3スキャナ回路SCARからは、第1スキャナ回路SCALと同様に、それぞれの駆動電極TL(n)〜TL(n+5)に対応した第3選択信号AR(n)〜AR(n+5)が出力され、第4スキャナ回路SCBRからは、第2スキャナ回路SCBLと同様に、それぞれの駆動電極TL(n)〜TL(n+5)に対応した第4選択信号BR(n)〜BR(n+5)が出力される。
【0102】
選択回路SELRは、駆動電極TL(n)〜TL(n+5)に対応した単位選択回路SER(n)〜SER(n+5)を備えている。単位選択回路SER(n)〜SER(n+5)は、対応する第3選択信号AR(n)〜AR(n+5)、第4選択信号BR(n)〜BR(n+5)、および検出タイミング信号COMSELを受け、第3単位選択信号SELH_R(n)〜SELH_R(n+5)と第4単位選択信号SELG_R(n)〜SELG_R(n+5)を形成する。
【0103】
表示領域2の辺2−Rに沿って配置された駆動回路DRVRは、複数の単位駆動回路USRを備えている。単位駆動回路USRは、対応する駆動電極TL(n)〜TL(n+5)のそれぞれの第2端部n2と信号配線TPHとの間に接続された第1スイッチS01と第2端部n2と信号配線TPLとの間に接続された第2スイッチS00とを備えている。単位駆動回路USR内の第1スイッチS01は、対応する単位選択回路SER(n)〜SER(n+5)からの第3単位選択信号SELH_R(n)〜SELH_R(n+5)によってスイッチ制御され、第2スイッチS00は、対応する単位選択回路SER(n)〜SER(n+5)からの第4単位選択信号SELG_R(n)〜SELG_R(n+5)によってスイッチ制御される。
【0104】
選択回路SELLと同様に、選択回路SELRを構成する単位選択回路SER(n)〜SER(n+5)は、磁界タッチ検出および電界タッチ検出の際、対応する第3選択信号または対応する第4選択信号が、駆動電極の選択を示しているとき、検出タイミング信号COMSELに従って、対応する単位駆動回路USR内の第1スイッチS01および第2スイッチS00を、オン状態とするような第3単位選択信号SELH_R(n)〜SELH_R(n+5)および第4単位選択信号SELG_R(n)〜SELG_R(n+5)を形成する。
【0105】
磁界タッチ検出の際、信号配線TPHには、磁界駆動信号である駆動信号TPHが供給される。駆動信号TPHは、例えば第1駆動電圧と、第1駆動電圧より電圧値の小さな第2駆動電圧との間で変動する交流電圧である。信号配線TPLには駆動信号TPLとして第2駆動電圧が供給される。第2駆動電圧は例えば接地電圧Vsであり、第1駆動電圧は電圧Vdである。
【0106】
<第1選択駆動回路および第2選択駆動回路の構成>
次に、実施の形態1における第1選択駆動回路SDLおよび第2選択駆動回路SDRの構成と動作の詳細について説明する。
【0107】
第1選択駆動回路SDLは、選択回路SELL、駆動回路DRVL、複数の単位駆動回路USLとを含む。同様に、第2選択駆動回路SDRは、選択回路SELR、駆動回路DRVR、複数の単位駆動回路USRとを含む。この実施の形態においては、第1選択駆動回路SDLと第2選択駆動回路SDRの回路構成および動作は全く同一になっている。
【0108】
選択回路SELLは、駆動電極TL(0)〜TL(p)に対応した複数の単位選択回路SEL(0)〜SEL(p)を備えており、駆動回路DRVLも、駆動電極に対応した複数の単位駆動回路USLを備えている。単位選択回路SEL(0)〜SEL(p)は、互いに同じ構成を有し、単位駆動回路USLも互いに同じ構成を有している。第2選択駆動回路SDRを構成する選択回路SELR、駆動回路DRVRも同様である。
【0109】
そのため、ここでは、駆動電極TL(n)に対応した単位選択回路SEL(n)および単位駆動回路USLを例にして、第1選択駆動回路SDLを説明する。
【0110】
図12(A)に第1選択駆動回路SDLを構成する単位選択回路SEL(n)および単位駆動回路USLを示す。
【0111】
単位選択回路SEL(n)は、N型電界効果トランジスタ(以下、Nトランジスタとも称する)N1L〜N6Lと、P型電界効果トランジスタ(以下、Pトランジスタとも称する)P1L〜P6Lと、インバータ回路IV1L〜IV5Lを備えている。本明細書においては、Pトランジスタは、ゲートに○印を付して、Nトランジスタと区別するように描かれている。
【0112】
NトランジスタN1LとPトランジスタP1Lは、それぞれのソース・ドレイン経路が並列的に接続されるように、それぞれのソースとドレインが接続されている。また、NトランジスタN1Lのゲートには、第1選択信号AL(n)が供給され、PトランジスタP1Lのゲートには、第1選択信号AL(n)をインバータ回路IV1Lで反転した第1反転選択信号XAL(n)が供給されている。これにより、NトランジスタN1LとPトランジスタP1Lによって、第1選択信号AL(n)によりスイッチ制御される第1転送スイッチTP1Lが構成されている。
【0113】
また、NトランジスタN2LとPトランジスタP2Lは、それぞれのソース・ドレイン経路が並列的に接続され、NトランジスタN2Lのゲートには、第2選択信号BL(n)が供給され、PトランジスタP2Lのゲートには、第2選択信号BL(n)をインバータ回路IV2Lで反転した第2反転選択信号XBL(n)が供給されている。これにより、NトランジスタN2LとPトランジスタP2Lとによって、第2選択信号BL(n)によりスイッチ制御される第2転送スイッチTP2Lが構成されている。
【0114】
第1転送スイッチTP1Lと第2転送スイッチTP2Lのそれぞれの一方の端子には、検出タイミング信号COMSELが供給されている。また、第1転送スイッチTP1Lの他方の端子は、インバータ回路IV4Lの入力に接続され、第2転送スイッチTP2Lの他方の端子は、インバータ回路IV5Lの入力に接続されている。
【0115】
インバータ回路IV4Lの出力は、第1単位選択信号SELH_L(n)として、対応する単位駆動回路USLに供給され、インバータ回路IV5Lの出力は、第2単位選択信号SELG_L(n)として単位駆動回路USLに供給される。単位駆動回路USLは、駆動電極TL(n)の第1端部n1と信号配線TPHとの間に接続されたPトランジスタP5Lと、駆動電極TL(n)の第1端部n1と信号配線TPLとの間に接続されたPトランジスタP6Lとを備えている。このPトランジスタP5Lが、
図9に示した第1スイッチS01に相当し、PトランジスタP6Lが、
図9に示した第2スイッチS00に相当する。PトランジスタP5Lは、そのゲートに、インバータ回路IV4Lから第1単位選択信号SELH_L(n)が供給され、この第1単位選択信号SELH_L(n)によってスイッチ制御される。また、PトランジスタP6Lは、そのゲートに、インバータ回路IV5Lから第2単位選択信号SELG_L(n)が供給され、この第2単位選択信号SELG_L(n)によってスイッチ制御される。
【0116】
以降、磁界タッチ検出期間において、第1スキャナ回路SCALと第2スキャナ回路SCBLからの選択信号が単位選択回路SEL(n)に出力された時の動作について述べる。
【0117】
なお、上述したように、第1スキャナ回路SCALと第2スキャナ回路SCBLとは、それぞれの駆動電極において、単位選択回路
SELおよび単位駆動回路USLを共有しているから、第1スキャナ回路SCALと第2スキャナ回路SCBLとは同一の駆動電極の第1端部n1を同時に選択しない。すなわち、駆動電極TL(n)を例にすると、第1スキャナ回路SCALと第2スキャナ回路SCBLのどちらかが駆動電極TL(n)を選択するか、どちらも選択しないかの3通りとなる。
【0118】
<第1スキャナ回路SCALおよび第2スキャナ回路SCBLが非選択の時>
第1スキャナ回路SCALも第2スキャナ回路SCBLも第1駆動電極TL(n)を選択しないとき、単位選択回路SEL(n)に供給される第1選択信号AL(n)、および第2選択信号BL(n)が駆動電極の選択を示さないロウレベルとなる。第1選択信号AL(n)がロウレベルの時、NトランジスタN1L,NトランジスタN6Lはオフ状態となる。
【0119】
NトランジスタN5Lは、そのソース・ドレイン経路が、インバータ回路IV4Lの入力と所定の電圧VGLOとの間に接続されている。NトランジスタN5Lのゲートにロウレベルの位相反転であるハイレベルの第1反転選択信号XAL(n)が供給されるとNトランジスタN5Lがオン状態となり、インバータ回路IV4Lの入力には、所定の電圧VGLOが供給されることになる。この所定の電圧VGLOは、例えばロウレベルに相当する接地電圧である。そのため、駆動電極TL(n)が非選択のとき、インバータ回路IV4Lからハイレベルの第1単位選択信号SELH_L(n)が、PトランジスタP5Lに供給されることになり、PトランジスタP5Lはオフ状態となる。
【0120】
NトランジスタN3LとPトランジスタP3Lは、それぞれのソース・ドレイン経路が並列的に接続され、NトランジスタN3Lのゲートには、第1反転選択信号XAL(n)が供給され、PトランジスタP3Lのゲートには、第1選択信号AL(n)が供給されている。これにより、NトランジスタN3LとPトランジスタP3Lとによって、第1反転選択信号XAL(n)によりスイッチ制御される第3転送スイッチTP3Lが構成されている。また、NトランジスタN4LとPトランジスタP4Lは、それぞれのソース・ドレイン経路が並列的に接続され、NトランジスタN4Lのゲートには、第2反転選択信号XBL(n)が供給され、PトランジスタP4Lのゲートには、第2選択信号BL(n)が供給されている。これにより、NトランジスタN4LとPトランジスタP4Lとによって、第2反転選択信号XBL(n)によりスイッチ制御される第4転送スイッチTP4Lが構成されている。
【0121】
第3転送スイッチTP3Lと第4転送スイッチTP4Lは直列接続され、制御信号COMFLが、直列接続された第3転送スイッチTP3Lと第4転送スイッチTP4Lを介して、インバータ回路IV3Lの入力に供給されている。このインバータ回路IV3Lの出力は、インバータ回路IV5Lの入力に接続されている。第1選択信号AL(n)および第2選択信号BL(n)がロウレベルのとき、第1反転選択信号XAL(n)および第2反転選択信号XBL(n)がハイレベルとなるので、第3転送スイッチTP3Lおよび第4転送スイッチTP4Lが、ともにオン状態となる。このときインバータ回路IV5Lにインバータ回路IV3Lを介して、制御信号COMFLの位相反転信号が供給されることになる。後述するが、制御信号COMFLは磁界タッチ検出期間の磁界発生期間においてハイレベルとなる信号であるため、第2単位選択信号SELG_L(n)はハイレベルとなり、Pトランジスタ
P6Lはオフとなる。
【0122】
これにより、第1スキャナ回路SCALも第2スキャナ回路SCBLも駆動電極TL(n)を選択しないとき、駆動電極TL(n)の第1端部n1は信号配線TPHにも信号配線TPLにも接続されない。
【0123】
<第1スキャナ回路SCALが駆動電極TL(n)を選択する時>
第1スキャナ回路SCALが駆動電極TL(n)を選択する時、第2スキャナ回路SCBLは駆動電極TL(n)を選択しないので、第1選択信号AL(n)がハイレベルとなり、第2選択信号BL(n)がロウレベルとなる。
【0124】
第1選択信号AL(n)が、ハイレベルとなった場合、第1転送スイッチTP1Lがオン状態となる。これにより、PトランジスタP5Lのゲートには、インバータ回路IV4Lから、位相反転された検出タイミング信号COMSELが、第1単位選択信号SELH_L(n)として供給されることになる。
【0125】
磁界発生期間において、検出タイミング信号COMSELはハイレベルを示すので、ロウレベルの第1単位選択信号SELH_L(n)により、Pトランジスタ5Lのゲートがオンとなり、駆動電極TL(n)の第1端部n1が信号配線TPHに接続される。
【0126】
また、第1選択信号AL(n)がハイレベルとなった時、NトランジスタN6Lがオン状態となり、インバータ回路IV5Lの入力には、所定の電圧VGLOが供給されることになる。この所定の電圧VGLOは、例えばロウレベルに相当する接地電圧である。そのため、インバータ回路IV5Lからハイレベルの第2単位選択信号SELG_L(n)が、PトランジスタP6Lに供給されることになり、PトランジスタP6Lはオフ状態となる。
【0127】
第2選択信号BL(n)はロウレベルであるので、第2転送スイッチTP2Lはオフ状態となり、第3転送スイッチTP3Lもオフ状態となり動作しない。すなわち、第1スキャナ回路SCALが駆動電極TL(n)を選択する時、駆動電極TL(n)の第1端部n1には信号配線TPHが接続され、第1駆動電圧と第2駆動電圧との間で変動する駆動信号TPHが供給される。
【0128】
<第2スキャナ回路SCBLが駆動電極TL(n)を選択する時>
第2スキャナ回路SCBLが駆動電極TL(n)を選択する時、第1スキャナ回路SCALは駆動電極TL(n)を選択しないので、第2選択信号BL(n)がハイレベルとなり、第1選択信号AL(n)がロウレベルとなる。
【0129】
第2選択信号BL(n)が、ハイレベルとなった場合には、第2転送スイッチTP2Lがオン状態となる。その結果、PトランジスタP6Lのゲートには、インバータ回路IV5Lから、位相反転された検出タイミング信号COMSELが、第2単位選択信号SELG_L(n)として供給されることになる。
【0130】
検出タイミング信号COMSELはハイレベルであるので、ロウレベルの第2単位選択信号SELG_L(n)により、Pトランジスタ
P6Lのゲートがオンとなり、駆動電極TL(n)の第1端部n1が信号配線TPLに接続される。
【0131】
この時、第1選択信号AL(n)はロウレベルとなるから、NトランジスタN5Lを介してロウレベルの接地
電圧VGLOの位相反転であるハイレベルがインバータ回路IV4LからPトランジスタP5Lに供給され、P5Lはオフとなる。すなわち、第2スキャナ回路SCBLが駆動電極TL(n)を選択する時、駆動電極TL(n)の第1端部n1には信号配線TPLが接続され、第2駆動電圧である駆動信号TPLが供給される。
【0132】
すなわち、駆動電極TL(n)が第1スキャナ回路SCALに選択されるか、第2スキャナ回路SCBLに選択されるか、どちらにも選択されないかによって、駆動電極TL(n)の第1端部n1に信号配線TPHが接続されるか、信号配線TPLが接続されるか、いずれの信号配線にも接続されないかが決定される。
【0133】
駆動電極TL(n)に対応した単位選択回路SEL(n)とそれに対応した単位駆動回路USLを例にして説明したが、選択回路SELL内の残りの単位選択回路および駆動回路DRVL内の残りの単位駆動回路も同様である。
【0134】
また、単位選択回路SEL(n)とそれに対応した単位駆動回路USLを例にして説明したが、単位選択回路SER(n)とそれに対応した単位駆動回路USRについても、同様の回路構成および動作である。
図12(B)に
第2選択駆動回路SDRを構成する単位選択回路SER(n)および単位駆動回路
USRを示す。
【0135】
単位選択回路SER(n)は、
図12(A)に示した単位選択回路SEL(n)と同じ構成を有し、単位駆動回路USRは、
図12(A)に示した単位駆動回路USLと同じ構成を有している。また、単位選択回路SER(n)および単位駆動回路USRの動作は、単位選択回路SEL(n)および単位駆動回路USLと同じである。そのため、ここでは、単位選択回路SEL(n)および単位駆動回路USLとの対応関係のみを述べて、構成と動作の詳しい説明は省略する。
【0136】
単位選択回路SER(n)は、NトランジスタN1R〜N6Rと、PトランジスタP1R〜P6Rと、インバータ回路IV1R〜IV5Rを備えている。ここで、NトランジスタN1R〜N6Rは、
図12(A)で説明したNトランジスタN1L〜N6Lに対応し、PトランジスタP1R〜P6Rは、
図12(A)で説明したPトランジスタP1L〜P6Lに対応し、インバータ回路IV1R〜IV5Rは、
図12(A)で説明したインバータ回路IV1L〜IV5Lに対応する。また、TP1R〜TP4Rは、第1〜第4転送スイッチであり、
図12(A)で説明した第1〜第4転送スイッチTP1L〜TP4Lに対応している。また、単位駆動回路USRは、
図12(A)で説明したPトランジスタP5LおよびP6Lに対応するPトランジスタP5RおよびP6Rを備えている。
【0137】
単位選択回路SER(n)には、表示領域2の辺2−Rに沿って配置された第2スキャナ回路対SCR内の第3スキャナ回路SCARから第3選択信号AR(n)が供給され、さらに第2スキャナ回路対SCR内の第4スキャナ回路SCBRから第4選択信号BR(n)が供給される。また、単位選択回路SER(n)には、検出タイミング信号COMSEL、制御信号COMFLおよび所定の電圧VGLOが供給され、
図12(A)で説明した単位選択回路SEL(n)と同様にして、第3単位選択信号SELH_R(n)と第4単位選択信号SELG_R(n)を形成する。
【0138】
単位選択回路SER(n)と単位駆動回路USRは、単位選択回路SEL(n)、単位駆動回路USLと同一の回路構成であり、同様に動作する。
【0139】
従って第3スキャナ回路SCARが駆動電極TL(n)の第2端部n2を選択する時、すなわち第3選択信号AR(n)がハイレベルの時、ロウレベルの第3単位選択信号SELH_R(n)により単位駆動回路USR内のPトランジスタP5Rがオン状態となり、端部n2が信号配線TPHに接続される。
【0140】
第4スキャナ回路SCBRが駆動電極TL(n)を選択する時、すなわち第4選択信号BR(n)がハイレベルの時、ロウレベルの第4単位選択信号SELG_R(n)により単位駆動回路USR内のPトランジスタP6Rがオン状態となり、駆動電極TL(n)の第2端部n2が信号配線TPLに接続される。
【0141】
また、第3スキャナ回路SCARも第4スキャナ回路SCBRも駆動電極TL(n)を選択しないとき、第3単位選択信号SELH_R(n)も第4単位選択信号SELG_R(n)もハイレベルとなり、端部n2は信号配線TPHおよびTPLから切り離される。
【0142】
<磁界タッチ検出の基本動作>
以上説明したように、実施の形態1に係る表示装置
1は、選択する駆動電極TLの第1端部n1を選択する第1スキャナ回路SCALと、第2スキャナ
回路SCBLとを備える。また選択する駆動電極の第2端部n2を選択する第3スキャナ回路SCARおよび第4スキャナ回路SCBRとを備える。
【0143】
図6で説明したように、磁界タッチ検出においては、離間して配置された第1駆動電極の端部n1、n2と第2駆動電極の端部n1、n2を同時に選択する必要があるので、制御装置3は、第1スキャナ回路SCALと第2スキャナ回路SCBLとが第1駆動電極および第2駆動電極の端部n1をそれぞれ選択し、第3スキャナ回路SCARと第4スキャナ回路SCBRとが第1駆動電極および第2駆動電極の端部n2をそれぞれ選択するように制御する。
【0144】
すなわち、第1スキャナ回路SCALと第2スキャナ回路SCBLとはタイミングをずらして離間した2つの駆動電極を同時に選択し、第3スキャナ回路SCARと第4スキャナ回路SCBRともタイミングをずらして離間した2つの駆動電極を同時に選択する。この時、それぞれのスキャナ回路は離間量と、
第1駆動電極および第2駆動電極のそれぞれ
に含まれる駆動電極の本数に応じた数、駆動電極を選択するタイミングがずれる。
【0145】
また、1つの駆動電極の両端部に異なる駆動電圧を供給するために、両端部を同時に異なる信号配線TPHと信号配線TPLに接続する必要がある。すなわち、例えば、第1駆動電極の端部n1を第1スキャナ回路SCALが選択する場合、端部n1は信号配線TPHに接続されるので、端部n2は信号配線TPLに接続することができる第4スキャナ回路SCBRから選択する必要がある。
【0146】
この時、第2駆動電極は第2スキャナ回路SCBLと第3スキャナ回路SCARに同時に選択され、両端部が異なる信号配線に接続されるようになっている。またこの時、第1駆動電極と第2駆動電極に流れる電流の向きは互いに反対の向きになるようになっている。このためには、第1スキャナ回路SCALと第2スキャナ回路SCBLとのタイミングのずらし方と第3スキャナ回路SCARと第4スキャナ回路SCBRとのタイミングのずらし方を逆にする必要がある。
【0147】
以下に、このような動作概要について説明する。
図4、
図9〜
図12を用いて、実施の形態1に係るスキャナ回路のタイミング制御の動作概要について説明する。
【0148】
図9では、第1駆動電極TL(n+3)と第2駆動電極TL(n+1)とが、駆動電極TL(n+2)を挟んで離間して配置され、同時に選択されて駆動されている。
【0149】
第1駆動電極TL(n+3)の第1端部n1は第1スキャナ回路SCALからの第1選択信号AL(n+3)により信号配線TPHに接続され、第2駆動電極TL(n+1)の第1端部n1は第2スキャナ回路SCBLからの第2選択信号BL(n+1)により信号配線TPLに接続されている。
【0150】
また、第1駆動電極TL(n+3)の第2端部n2は第4スキャナ回路SCBRからの第4選択信号BR(n+3)により信号配線TPLに接続され、第2駆動電極TL(n+1)の第2端部n2は第3スキャナ回路SCARからの第3選択信号AR(n+1)により信号配線TPHに接続されている。
【0151】
図9に示される駆動状態の場合、第1駆動電極および第2駆動電極は1本の駆動電極のみからなるため、束レジスタC−REGに格納される束ね量mは1であり、第1駆動電極と第2駆動電極の間に配置される非選択の駆動電極は一本であるため離間量レジスタS−REGに格納される離間量nは1である。
【0152】
この時、第1駆動電極TL(n+3)は第2駆動電極TL(n+1)より束ね量m+離間量n個分、対応するスキャナ回路のシフト段が先に進むことになるから、制御装置3は第1スキャナ回路SCALおよび第4スキャナ回路SCBRが第2スキャナ回路SCBLおよび第3スキャナ回路SCARよりm+n個先の駆動電極を選択するように制御する。
【0153】
これにより、制御装置3は、シフトクロック信号CK−BLを変化させる前にシフトクロック信号CK−ALを2回(m+n回)、変化させるとともに、最初にシフトクロック信号CK−ALを1回分(n回分)変化させるときに、スタート信号ST−ALを、駆動電極の選択を示すハイレベルにし、その後ロウレベルにする。また、制御装置3は、シフトクロック信号CK−ARを変化させる前に、m+n(2回)の回数分、シフトクロック信号CK−BRを変化させる。このときも、シフトクロック信号CK−BRを、最初に1回(n回)分変化させるとき、スタート信号ST−BRを、駆動電極の選択を示すハイレベルにし、その後ロウレベルにする。すなわち、シフトクロック信号CK−BLおよびCK−ARが変化する前に、シフトクロック信号CK−ALとシフトクロック信号CK−BRは、同時に、m+nの回数分、変化する。
【0154】
また、この時束ね量m(1)個分のハイレベルのスタート信号と、離間量n(1)個分のロウレベルのスタート信号が第1スキャナ回路SCALと第4スキャナ回路SCBRのシフトレジスタに格納される。
【0155】
制御装置3は、シフトクロック信号CK−ALおよびCK−BRを、m+nの回数分変化させた後、シフトクロック信号CK−AL、CK−BL、CK−ARおよびCK−BRのそれぞれを、周期的に変化させる。シフトクロック信号CK−AL、CK−BL、CK−ARおよびCK−BRのそれぞれを周期的に変化させるとき、それぞれのシフトクロック信号の周期が同じになるように、変化させる。また、制御装置3は、シフトクロック信号CK−BLおよびCK−ARを、最初に変化させるとき、スタート信号ST−BLおよびST−ARのそれぞれを、駆動電極の選択を示すハイレベルにする。
【0156】
これにより、第1スキャナ回路SCALのシフトレジスタにおいては、第2スキャナ回路SCBLのシフトレジスタに比べて、ハイレベルのスタート信号が、2個のシフト段分だけ、先に移動することになる。同様に、第4スキャナ回路SCBRのシフトレジスタにおいては、第3スキャナ回路SCARのシフトレジスタに比べて、ハイレベルのスタート信号が、2個のシフト段分だけ、先に移動することになる。
【0157】
例えば、
図10(B)に示した第2スキャナ回路SCBLのシフト段FBL(n)が、ハイレベルのスタート信号を保持しているとき、
図10(A)に示した第1スキャナ回路SCALでは、シフト段FAL(n+2)が、ハイレベルのスタート信号を保持している状態となる。このとき、
図11(A)に示した第3スキャナ回路SCARにおいては、シフト段FAR(n)が、ハイレベルのスタート信号を保持しており、
図11(B)に示した第4スキャナ回路SCBRにおいては、シフト段FBR(n+2)が、ハイレベルのスタート信号を保持している状態となる。
【0158】
また、この状態で、シフトクロック信号CK−AL、CK−BL、CK−ARおよびCK−BRが変化すると、それぞれのシフトレジスタに格納されているハイレベルのスタート信号は移動し、シフト段FAL(n+3)、FBL(n+1)、FAR(n+1)およびFBR(n+3)のそれぞれが、ハイレベルのスタート信号を保持する状態へ変化する。
【0159】
この状態へ変化することにより、第1スキャナ回路SCALは、第1選択信号AL(n+3)をハイレベルにし、第1選択信号AL(n)〜AL(n+2)およびAL(n+4)〜AL(n+5)をロウレベルにする。同様に、第2スキャナ回路SCBLは、第2選択信号BL(n+1)をハイレベルにし、第2選択信号BL(n)およびBL(n+2)〜
BL(n+5)をロウレベルにする。また、第3スキャナ回路SCARは、第3選択信号AR(n+1)をハイレベルにし、第
3選択信号AR(n)およびAR(n+2)〜A
R(n+5)をロウレベルにする。同様に、第4スキャナ回路SCBRは、第4選択信号BR(n+3)をハイレベルにし、第
4選択信号BR(n)〜BR(n+2)およびBR(n+4)〜BR(n+5)をロウレベルにする。
【0160】
従って、単位選択回路SEL(n+3)にハイレベルの第1選択信号AL(n+3)とロウレベルの第2選択信号BL(n+3)が供給される。また、単位選択回路SER(n+3)にハイレベルの第4選択信号BR(n+3)とロウレベルの第3選択信号AR(n+3)が供給される。また、単位選択回路SEL(n+1)にハイレベルの第2選択信号BL(n+1)とロウレベルの第1選択信号AL(n+1)が供給される。また、単位選択回路SER(n+1)にハイレベルの第3選択信号AR(n+1)とロウレベルの第4選択信号BR(n+1)が供給される。また、それ以外の単位選択回路SEL(n),SEL(n+2),SEL(n+4),SEL(n+5)は全て非選択となりロウレベルの第1〜第4選択信号が供給される。
【0161】
この時、
図12で説明した動作に従って、駆動電極TL(n+3)の第1端部n1に信号配線TPHから駆動信号TPHが供給され、駆動電極TL(n+3)の第2端部n2に信号配線TPLから駆動信号TPLが供給される。駆動電極TL(n+1)の第1端部n1に信号配線TPLから駆動信号TPLが供給され、駆動電極TL(n+1)の第2端部n2に信号配線TPHから駆動信号TPHが供給される。駆動電極TL(n+1)と駆動電極TL(n+3)以外の非選択の駆動電極は、第1端部n1も第2端部n2も信号配線から分離されたフローティング電位となる。この時、駆動信号TPHの電圧値が変動して、選択された駆動電極の端部に第1駆動電圧が供給され、磁界が発生する。
【0162】
図9では、駆動信号TPHが第1駆動電極TL(n+3)の第1端部n1と第2駆動電極TL(n+1)の第2端部n2に第1駆動電圧Vdを供給する駆動状態が示される。
【0163】
実施の形態1の表示装置1は、第1駆動電極と第2駆動電極に流れる電流の向きが反対となっていればよいので、
図9で示した駆動状態と逆の駆動状態となるように電流を流してもよい。すなわち、第1駆動電極TL(n+3)の第1端部n1に信号配線TPLを接続し、第2端部TL(n+1)の第2端部n2に信号配線TPHを
接続してもよい。この時、第2駆動電極に対しては第1端部n1に信号配線TPHを
接続し第2端部n2に信号配線TPLを
接続することになる。
【0164】
この時は、第1駆動電極の第1端部n1を第2スキャナ回路SCBLが選択し、第2端部n2を第3スキャナ回路SCARが選択するようにし、第2駆動電極の第1端部n1を第1スキャナ回路SCALが選択し、第2端部n2を第4スキャナ回路SCBRが選択するように、スキャナ回路のタイミングを調整すればよい。すなわち、第2スキャナ回路SCBLと第3スキャナ回路SCARをm+n本先に進めればよい。
【0165】
この時は、接地電圧Vsが第1駆動電圧、電圧Vdが第2駆動電圧として読み替えられる。第1駆動電圧と第2駆動電圧は第1駆動電極に電流を
流して磁界を発生させるために、電圧値が異なる駆動電圧であればよく、どちらが電圧値が高い電圧であるか、低い電圧であるかを限定するものではない。
【0166】
また、本明細書では、対応するシフト段が先に進んでいる駆動電極TL(n+3)を第1駆動電極とし、駆動電極TL(n+1)を第2駆動電極として説明しているが、駆動電極TL(n+3)を第2駆動電極とし、駆動電極TL(n+1)を第1駆動電極としてもよい。
【0167】
以上で説明したように、実施の形態1の表示装置1は、第1駆動電極の第1端部n1または第2駆動電極の第1端部n1を選択する第1スキャナ回路SCALと、第2スキャナ回路SCBLとを備える。また、第1駆動電極の第2端部n2または第2駆動電極の第2端部n2を選択する第3スキャナ回路SCARと、第4スキャナ回路SCBRとを備えている。かつ、制御装置3は、第1駆動電極と第2駆動電極に同時に流れる電流が反対の向きとなるように、第1駆動電極の第1端部n1と第2駆動電極の第2端部n2に第1駆動電圧を供給し、第1駆動電極の第2端部n2と第2駆動電極の第1端部n1に第2駆動電圧を供給する。この時、制御装置3は、上述したように、第1スキャナ回路SCAL、第2スキャナ回路SCBL、第3スキャナ回路SCAR、第4スキャナ回路SCBRを介して、第1駆動電極と第2駆動電極のそれぞれの端部n1、n2を選択する選択信号を供給する。
【0168】
表示装置1は、第1スキャナ回路SCALおよび第2スキャナ回路SCBLと、駆動電極の第1端部n1の間に接続される第1選択駆動回路SDLを有し、第1選択駆動回路SDLは第1スキャナ回路SCALおよび第2スキャナ回路SCBLからの選択信号に応じて選択される第1駆動電極の第1端部n1に第1駆動電圧を供給し、第2駆動電極の第1端部n1に第2駆動電圧を供給する。また表示装置1は、第3スキャナ回路SCARおよび第4スキャナ回路SCBRと、駆動電極の第2端部n2の間に接続される第2選択駆動回路SDRを有し、第2選択駆動回路SDRは第3スキャナ回路SCARおよび第4スキャナ回路SCBRからの選択信号に応じて選択される第1駆動電極の第2端部n2に第2駆動電圧を供給し、第2駆動電極の第2端部n2に第1駆動電圧を供給する。
【0169】
第1スキャナ回路SCALと第2スキャナ回路SCBLは表示領域2の辺2−Lに沿って配置され、互いに重複しないように同時に第1駆動電極の第1端部n1または第2駆動電極の第1端部n1を選択する。第3スキャナ回路SCARと第4スキャナ回路SCBRは表示領域2の辺2−Rに沿って配置され、互いに重複しないように同時に第1駆動電極の第2端部n2または第2駆動電極の第2端部n2を選択する。
【0170】
<磁界タッチ検出の全体動作>
次に、波形図を用いて、実施の形態1に係わる表示装置1における磁界タッチ検出の全体動作を説明する。
図13および
図14は、磁界タッチ検出の動作を説明する波形図である。図面が複雑になるのを避けるために、波形図は、
図13および
図14に分けてある。
【0171】
図13には、
図4に示した第1スキャナ回路対SCL、第2スキャナ回路対SCR、第1選択駆動回路SDLおよび第2選択駆動回路SDRに共通に供給される制御信号COMFL、検出タイミング信号COMSELおよび駆動信号TPH、TPLの波形と、第1スキャナ回路対SCLに供給されるシフトクロック信号CK−AL、CK−BLおよびスタート信号ST−AL、
ST−BLの波形とが示されている。また、
図13には、
図9に示した単位選択回路SEL(n)〜SEL(n+5)から出力される第1単位選択信号SELH_L(n)〜SELH_L(n+5)および第2単位選択信号SELG_L(n)〜SELG_L(n+5)の波形が示されている。
【0172】
一方、
図14には、第2スキャナ回路対SCRに供給されるシフトクロック信号CK−AR、CK−BRおよびスタート信号ST−AR、ST−BRの波形と、
図9に示した単位選択回路SER(n)〜SER(n+5)から出力される第3単位選択信号SELH_R(n)〜SELH_R(n+5)および第4単位選択信号SELG_R(n)〜SELG_R(n+5)の波形が示されている。
図14を、
図13の下側に配置することによって、表示装置1の動作を示す波形図が完成する。
【0173】
図13および
図14において、DPは、表示領域2において画像の表示が行われる表示期間を示している。また、TP(n−1)〜TP(n+4)は、磁界検出の期間(以下、磁界タッチ検出期間とも称する)を示している。また、TP(ss)は、磁界タッチ検出を開始する開始期間を示している。この実施の形態1においては、磁界タッチ検出期間TP(n−1)〜TP(n+4)のそれぞれは、
図2で説明したように、磁界発生期間と磁界検出期間とによって構成されている。
図13では、例として磁界タッチ検出期間TP(n+3)を構成する磁界発生期間に符合TPGが付され、磁界検出期間に符合TPDが付されている。他の磁界タッチ検出期間についても、同様に磁界発生期間TPGとそれに続く磁界検出期間TPDによって、磁界タッチ検出期間は構成されている。
【0174】
この実施の形態1においては、特に制限されないが、開始期間TP(ss)以降、磁界タッチ検出期間と表示期間DPとが交互に発生するように、制御装置3が制御を行う。また、制御装置3は、1回の磁界タッチ検出期間において、1個の駆動電極の領域で磁界が発生するように制御する。この実施の形態1では、駆動電極TL(0)の領域から駆動電極TL(p)の領域に向けて、順次、磁界が発生するように制御している。
図13および
図14に示した磁界タッチ検出期間TP(n−1)における磁界発生期間では、駆動電極TL(n−1)の領域において、磁界が発生するように制御する。同様に、磁界タッチ検出期間TP(n)〜TP(n+4)のそれぞれにおける磁界発生期間では、駆動電極TL(n)〜TL(n+4)の領域で磁界が発生するように制御する。
【0175】
この実施の形態1においては、制御装置3が、制御信号COMFLによって、第1スキャナ回路対SCLおよび第2スキャナ回路対SCR等に磁界タッチ検出期間TPと表示期間DPとを識別させる。また、検出タイミング信号COMSELによって、磁界発生期間TPGを把握させる。すなわち、制御装置3は、磁界タッチ検出期間TPのとき、制御信号COMFLをハイレベルにし、磁界発生期間TPGのとき、検出タイミング信号COMSELをハイレベルにする。また、
図4に示した検出回路DETは、制御信号COMFLがハイレベルかつ検出タイミング信号COMSELがロウレベルの磁界検出期間TPDのときに動作する。制御装置3は、制御信号COMFLと検出タイミング信号COMSELがロウレベルの表示期間DPにおいて、信号線SL(0)〜SL(p)に画像信号を供給して表示を行う。
【0176】
制御装置3は、それぞれの磁界発生期間TPGにおいて、信号配線TPHに接地電圧Vsより電圧値の高い電圧Vdと接地電圧Vsとの間で電圧値が周期的に変化する交流の駆動信号TPHを供給する。また、磁界検出期間TPDおよび表示期間DPにおいて、信号配線TPHに接地電圧Vsを供給する。制御装置3は、磁界タッチ検出期間TPにおいて信号配線TPLに接地電圧Vsを供給し、表示期間DPにおいて、信号配線TPLに表示駆動電圧VCOMDCを供給する。
【0177】
この実施の形態において、表示駆動電圧VCOMDCは、接地電圧Vsよりも電位の低い負の直流電圧である。表示駆動電圧VCOMDCは表示する映像の情報などにより設定される値であり、この実施の形態の値に限定されず任意の値の電圧とすることができる。表示駆動電圧VCOMDCが正の直流電圧であってもよい。
【0178】
制御装置3は、時刻t5において、開始期間TP(ss)を始めるときから、シフトクロック信号CK−BL、CK−ARを変化させ始めるが、シフトクロック信号CK−ALおよびCK−BRについては、時刻t5よりも前に、離間量レジスタS−REGに格納されている離間量nと束レジスタC−REGに格納されている束ね
量mの合計に応じた数だけ、シフトクロック信号CK−ALおよびCK−BRを変化させる。
図13および
図14の例では、離間量レジスタS−REGに離間量として1が格納され束レジスタC−REGに束ね量として1が格納されている場合を示している。そのため、制御装置3は、時刻t5よりも前の時刻t1およびt3においてシフトクロック信号CK−ALおよびCK−BRを合計2回変化させる。また、制御装置3は、時刻t0から時刻t2の間、スタート信号ST−ALおよびST−BRを、駆動電極の選択を示すハイレベルにする。
【0179】
その後、時刻t4において、制御装置3は、スタート信号ST−BLおよびST−ARを、駆動電極の選択を示すハイレベルにする。制御装置3は、時刻t5において、シフトクロック信号CK−AL、CK−BL、
CK−ARおよびCK−
BRを変化させ、以降、磁界タッチ検出期間のたびに、制御装置3は、シフトクロック信号CK−AL、CK−BL、
CK−ARおよびCK−
BRを変化させる。このとき、シフトクロック信号CK−AL、CK−BL、CK−ARおよびCK−
BRは、互いに同じ周期となるように、制御装置3は、変化させる。
【0180】
これにより、第1スキャナ回路SCALのシフトレジスタにおいて、駆動電極の選択を示すハイレベルのスタート信号ST−ALを格納しているシフト段は、第2スキャナ回路SCBLのシフトレジスタにおいて、ハイレベルのスタート信号ST−BLを格納しているシフト段よりも、2段先に進んでいることになる。同様に、第4スキャナ回路SCBRのシフトレジスタにおいて、駆動電極の選択を示すハイレベルのスタート信号ST−BRを格納しているシフト段は、第3スキャナ回路SCARのシフトレジスタにおいて、ハイレベルのスタート信号ST−ARを格納しているシフト段よりも、2段先に進んでいることになる。すなわち、第1スキャナ回路SCALおよび第4スキャナ回路SCBRは、第2スキャナ回路SCBLおよび第3スキャナ回路SCARに比べて、離間量レジスタS−REGに格納されている離間量と束レジスタC−REGに格納されている束ね
量の合計に相当する2個分先の駆動電極を選択することになる。
【0181】
シフトクロック信号CK−AL、CK−BL、CK−ARおよびCK−
BRが、周期的に変化し、磁界タッチ検出期間TP(n−1)に到達すると、第1スキャナ回路SCALのシフト段FAL(n)(
図10(A)参照)が、ハイレベルのスタート信号を保持し、ハイレベルの第1選択信号AL(n)を出力する。磁界タッチ検出期間TP(n−1)の磁界発生期間TPGにおいて、検出タイミング信号COMSELはハイレベルであり、シフト段FAL(n)に対応した単位選択回路SEL(n)からは、
図13に示すように、ロウレベルの第1単位選択信号SELH_L(n)と、ハイレベルの第2単位選択信号SELG_L(n)が出力される。
【0182】
このとき、第4スキャナ回路SCBRのシフト段FBR(n)(
図11(B)参照)においても、ハイレベルのスタート信号が保持されるため、シフト段FBR(n)は、ハイレベルの第4選択信号BR(n)を出力する。そのため、
図14に示すように、磁界タッチ検出期間TP(n−1)の磁界発生期間TPGにおいて、ロウレベルの第4単位選択信号SELG_R(n)およびハイレベルの第3単位選択信号SELH_R(n)が対応する単位選択回路SER(n)から出力される。
【0183】
その結果、磁界タッチ検出期間TP(n−1)の磁界発生期間TPGにおいて、駆動電極TL(n)の第1端部n1は、信号配線TPHに接続され、第2端部n2は信号配線TPLに接続される。
【0184】
これにより、磁界タッチ検出期間TP(n−1)の磁界発生期間TPGにおいて、駆動電極TL(n)は、第1端部n1から駆動信号TPHの変動に応じて第1駆動電圧Vdが供給され、第2端部n2から、第2駆動電圧Vsが供給され、磁界を発生することになる。
【0185】
なお、1個の駆動電極TL(n−1)を挟んで、駆動電極TL(n)から離間した駆動電極TL(n−2)については、この波形図では省略されている。
【0186】
駆動電極TL(n−2)に相当する駆動電極が存在しない時、すなわち、駆動電極TL
(n)が、表示領域2において最も端、または端から2個目の駆動電極である場合には、駆動電極TL(n)のみを駆動させてもよい。また、第1スキャナ回路SCALと第4スキャナ回路SCBRとが端から3番目の駆動電極から選択を開始するように駆動してもよい。また、表示領域の外側の額縁領域に、駆動電極TL(n―2)と同様に機能する補助電極を配置してもよい。
【0187】
シフトクロック信号CK−AL、CK―BL、CK−ARおよびCK−BRが変化して、磁界タッチ検出期間TP(n+1)に到達すると、ハイレベルのスタート信号が、シフト段FAL(n+1)からシフト段FAL(n+2)へ移動し、シフト段FAL(n+2)に格納される。同様に、シフト段FBR(n+1)からシフト段FBR(n+2)へ、ハイレベルのスタート信号が移動し、シフト段FBR(n+2)に格納される。
【0188】
このとき、第2スキャナ回路SCBLのシフトレジスタのシフト段FBL(n)(
図10(B)参照)に、時刻t5で、第2スキャナ回路SCBLのシフトレジスタに取り込まれたハイレベルのスタート信号が、前段のシフト段から移動し、シフト段FBL(n)に格納される。同様に、このとき、第3スキャナ回路SCARのシフトレジスタのシフト段FAR(n)(
図11(A)参照)に、時刻t5で、第3スキャナ回路SCARのシフトレジスタに取り込まれたハイレベルのスタート信号が、前段のシフト段から移動し、シフト段FAR(n)に格納される。
【0189】
そのため、磁界タッチ検出期間TP(n+1)の磁界発生期間TPGにおいては、シフト段FAL(n+2)、FBR(n+2)に対応した単位選択回路SEL(n+2)、SER(n+2)からだけではなく、シフト段FAL(n)、FBR(n)に対応した単位選択回路SEL(n)、SER(n)からも、検出タイミング信号COMSELに同期した第1単位選択信号、第2単位選択信号、第3単位選択信号、第4単位選択信号が出力されることになる。
【0190】
その結果、
図13に示すように、磁界タッチ検出期間TP(n+1)の磁界発生期間TPGにおいては、単位選択回路SEL(n+2)からロウレベルの第1単位選択信号SELH_L(n+2)が出力され、駆動電極TL(n+2)の第1端部n1は、信号配線TPHに接続される。単位選択回路SEL(n)からロウレベルの第2単位選択信号SELG_L(n)が出力され、駆動電極TL(n)の第1端部n1は、信号配線TPLに接続される。
【0191】
また、この時、
図14に示すように、単位選択回路SER(n+2)からロウレベルの第4単位選択信号SELG_R(n+2)が出力され、駆動電極TL(n+2)の第2端部n2は、信号配線TPLに接続される。また、単位選択回路SER(n)からロウレベルの第3単位選択信号SELH_R(n)が出力され、駆動電極TL(n)の第2端部n2は、信号配線TPHに接続される。
【0192】
この時、駆動電極TL(n+2)の第1端部n1と駆動電極TL(n)の第2端部n2に駆動信号TPHの変動に応じて第1駆動電圧Vdが供給され、駆動電極TL(n+2)の第2端部n2と駆動電極TL(n)の第1端部n1に第2駆動電圧Vsが供給される。駆動電極TL(n+2)と駆動電極TL(n)にそれぞれ反対の向きに発生した磁界が、その間に配置された駆動電極TL(n+1)、領域において重畳する。
【0193】
磁界タッチ検出期間TP(n+2)〜TP(n+4)のそれぞれにおける動作は、ハイレベルのスタート信号が、移動することにより、検出タイミング信号COMSELに同期して、第1選択信号、第2選択信号、第3選択信号、第4選択信号が、順次移動することを除いて、磁界タッチ検出期間TP(n+1)と同じであるため、説明は省略する。
【0194】
なお、
図9に示した接続状態は、
図13および
図14において、一点鎖線F9で囲んだタイミングのときに相当する。
【0195】
この実施の形態1においては、第1スキャナ回路SCALおよび第4スキャナ回路SCBRのそれぞれのシフトレジスタは、
図13および
図14に示した時刻t1において、ハイレベルのスタート信号を取り込んだ後は、シフトクロック信号CK−AL、CK−BRの変化に同期して、駆動電極の非選択を示すロウレベルを取り込む。同様に、第2スキャナ回路SCBLおよび第3スキャナ回路SCARのそれぞれのシフトレジスタは、
図13および
図14に示した時刻t5において、ハイレベルのスタート信号を取り込んだ後は、シフトクロック信号CK−BL、CK−ARの変化に同期して、駆動電極の非選択を示すロウレベルを取り込む。
【0196】
これにより、ハイレベルのスタート信号を保持しているシフト段を除いたシフト段は、磁界タッチ検出期間のとき、ロウレベルの第1選択信号、第2選択信号、第3選択信号、および第4選択信号を出力することになる。例えば、
図13および
図14に示した磁界タッチ検出期間TP(n+1)で述べると、シフト段FAL(n)〜FAL(n+1)、FAL(n+3)〜FAL(n+5)、FBL(n+1)〜FBL(n+5)、FAR(n+1)〜FAR(n+5)およびFBR(n)〜FBR(n+1)、FBR(n+3)〜FBR(n+5)は、非選択のロウレベルを保持している。そのため、これらのシフト段から出力される第1選択信号、第2選択信号、第3選択信号、および第4選択信号はロウレベルとなる。
【0197】
この時、対応する第1選択信号、第2選択信号、第3選択信号、第4選択信号のいずれもがロウレベルとなる駆動電極TL(n+1)、TL(n+3)〜TL(n+5)については、
図12で説明した動作に従って、第1単位選択信号SELH_L、第2単位選択信号SELG_L、第3単位選択信号SELH_R、第4単位選択信号SELG_Rの出力はいずれもハイレベルとなり、第1端部n1と第2端部n2とは、信号配線TPHおよびTPLから分離される。
【0198】
その結果、磁界タッチ検出期間のとき、非選択の駆動電極は、信号配線TPL、TPHに接続されず、フローティング状態となる。これにより、選択された駆動電極の電圧を変化させるとき、非選択の駆動電極との間の寄生容量の充放電を低減することが可能となり、選択された駆動電極の電圧を変化させる速度を向上することが可能となる。
【0199】
また、この実施の形態1において、制御装置3は、磁界タッチ検出期間のとき、
図4に示したゲートドライバ4が、全ての走査線をフローティング状態とするように、ゲートドライバ4を制御する。さらに、磁界タッチ検出期間のとき、制御装置3は、全ての信号線SL(0)〜SL(p)をフローティング状態にする。これにより、選択された駆動電極の電圧を変化させるとき、走査線および信号線と選択された駆動電極との間の寄生容量の充放電を低減することが可能となり、選択された駆動電極の電圧を変化させる速度を向上することが可能となる。
【0200】
磁界タッチ検出期間において、磁界発生期間TPGに続く磁界検出期間TPDでは、ペンPenからの磁界の検出が行われるが、磁界検出期間TPDにおける動作は、
図2(B)で説明した動作と同じである。すなわち、第2基板CGBに形成された検出電極RL(0)〜RL(p)によって、DY(n−2)〜DY(n+1)のような磁界検出コイルを構成し、ペンPenからの磁界を検出する。
図2(B)で説明した動作と同じであるため、磁界検出期間TPDの動作は省略する。
【0201】
<電界タッチ検出の動作>
実施の形態1に係わる表示装置1は、磁界タッチ検出と電界タッチ検出の両方が可能である。次に、電界タッチ検出を行う場合の動作を説明する。
図15は、電界タッチ検出の構成を示すブロック図である。
図15に示すブロック図は、第1スイッチS01、第2スイッチS00の接続が変わるだけで、
図9に示したブロック図と同じであるため、説明は省略する。
図16および
図17は、電界タッチ検出の動作を説明する波形図である。
【0202】
表示装置1の構成は、
図15に示すように、電界タッチ検出の場合も同じであり、制御装置3によって形成される信号の波形が、磁界タッチ検出のときとは異なる。電界タッチ検出の動作を、波形図を用いて説明するが、図面が複雑になるのを避けるために、ここでも、波形図は、
図16および
図17に分けてある。
図17を、
図16の下側に配置することにより、波形図が完成する。
図16および
図17は、
図13および
図14と類似しているため、ここでは相違点を主に説明する。
【0203】
磁界タッチ検出では、既に説明したように、磁界発生期間と磁界検出期間を識別するために、検出タイミング信号COMSELが用いられていた。これに対して、電界タッチ検出においては、
図3で説明したように、駆動電極で電界を発生し、そのときの電界の変化を検出電極によって検出することにより、タッチの検出が行われる。そのため、電界を発生する期間と電界を検出する期間を識別することは要求されない。
【0204】
この実施の形態1においては、磁界タッチ検出のときと同様に、表示期間と電界タッチ検出期間とが交互に生じるように、制御装置3が制御する。
図16および
図17において、DPは、表示期間を示し、TC(n)〜TC(n+5)は、駆動電極TL(n)〜TL(n+5)の領域において電界タッチ検出を行う電界タッチ検出期間を示している。また、TC(ss)は、電界タッチ検出を開始する開始期間を示している。
【0205】
図16に示すように、制御装置3は、磁界タッチ検出の時と異なり、電界タッチ検出の時、制御信号COMFLをロウレベルに維持する。
【0206】
制御装置3は、開始期間TC(ss)および電界タッチ検出期間のとき、検出タイミング信号COMSELをハイレベルにし、表示期間DPの時ロウレベルとする。
【0207】
制御装置3は、開始期間TC(ss)および電界タッチ検出期間TC(n)〜TC(n+5)の時、信号配線TPHに電圧Vdと接地電圧Vsの間を周期的に複数回変化する交流の駆動信号TPHを供給し、表示期間DPの時、接地電圧Vsを供給する。
【0208】
制御装置3は、開始期間TC(ss)および電界タッチ検出期間TC(n)〜TC(n+5)、表示期間DPに信号配線TPLに表示駆動電圧VCOMDCを供給する。
【0209】
電界タッチ検出においては、選択される駆動電極に駆動信号TPHを供給する第1スキャナ回路SCALと第3スキャナ回路SCARだけにハイレベルのスタート信号を供給し、第2スキャナ回
路SCBLと第
4スキャナ回路SCBRは動作しないので、スキャナ回路のタイミングをずらす必要はなく、離間量レジスタS−REGおよび束レジスタC−REGは使用しない。
【0210】
電界タッチ検出の場合、
図16および
図17に示すように、時刻t0において、制御装置3は、スタート信号ST−ALおよびST−ARを、ロウレベルから駆動電極の選択を示すハイレベルへ変化させる。また、制御装置3は、開始期間TC(ss)および電界タッチ検出期間ごとに、シフトクロック信号CK−ALおよびCK−ARを、ロウレベルからハイレベルに変化させる。すなわち、シフトクロック信号CK−AL、CK−ARを周期的に変化させる。一方、電界タッチ検出のとき、制御装置3は、
図16および
図17に示すように、スタート信号ST−BLおよびST−BRのそれぞれをロウレベルLに維持し、シフトクロック信号CK−BLおよびCK−BRをロウレベルLに維持する。すなわち、電界タッチ検出のとき、シフトクロック信号CK−BL、CK−BRを変化させない。
【0211】
時刻t1において、シフトクロック信号CK−AL、CK−ARが変化することにより、第1スキャナ回路SCALおよび第3スキャナ回路SCARのシフトレジスタが、駆動電極の選択を示すハイレベルのスタート信号ST−AL、ST−ARを取り込む。これに対して、シフトクロック信号CK−BL、CK−BRは変化しないため、第2スキャナ回路SCBLおよび第4スキャナ回路SCBRのシフトレジスタは、スタート信号ST−BL、ST−BRを取り込まず、以前の状態を出力する。特に制限されないが、第2スキャナ回路SCBLおよび第4スキャナ回路SCBRのシフトレジスタは、時刻t0よりも前の時刻において、リセットされ、第2スキャナ回路SCBLおよび第4スキャナ回路SCBRから出力されている第2選択信号および第4選択信号は、全てロウレベルとなっている。
【0212】
電界タッチ検出期間が繰り返されるたびに、シフトクロック信号CK−AL、CK−ARが変化し、電界タッチ検出期間TC(n)に到達すると、シフトクロック信号CK−AL、CK−ARの変化に同期して、
図10(A)および
図11(A)に示したシフト段FAL(n)、FAR(n)が、前段のシフト段から出力されている選択を示すハイレベルのスタート信号ST−AL、ST−ARを取り込み、保持する。その結果、シフト段FAL(n)、FAR(n)から出力されている第1選択信号AL(n)、
および第3選択信号AR(n)がロウレベルからハイレベルへ変化する。これにより、
図12に示した単位選択回路SEL(n)、SER(n)のそれぞれにおいて、第1転送スイッチTP1L、TP1Rがオン状態となる。
【0213】
このとき、検出タイミング信号COMSELはハイレベルHになっているため、
図16および
図17に示すように、第2単位選択信号SELG_L(n)、第4単位選択信号SELG_R(n)はハイレベルとなり、第1単位選択信号SELH_L(n)、第3単位選択信号SELH_R(n)はロウレベルとなる。これにより、単位選択回路SEL(n)、SER(n)に対応した単位駆動回路USL、USRにおいて、PトランジスタP5L、P5Rがオン状態となり、PトランジスタP6L、P6Rはオフ状態となる。その結果、シフト段FAL(n)、FAR(n)に対応した駆動電極TL(n)の第1端部n1は、PトランジスタP5Lを介して信号配線TPHに接続され、第2端部n2は、PトランジスタP5Rを介して信号配線TPHに接続されることになる。
【0214】
電界タッチ検出期間TC(n)において、駆動電極TL(n)は、その両端n1、n2に、周期的に変化する交流電圧が第3駆動電圧として供給されることになり、第3駆動電圧の変化に従った電界を発生する。
【0215】
なお、第2スキャナ回路SCBLおよび第4スキャナ回路SCBRは、電界タッチ検出のとき、ロウレベルの第2選択信号および第4選択信号を継続的に出力しているため、単位選択回路SEL(n)、SER(n)における第2転送スイッチTP2L、TP2Rはオフ状態となっている。
【0216】
また、電界タッチ検出期間TC(n)のとき、第1スキャナ回路SCALおよび第3スキャナ回路SCARのシフトレジスタにおいて、シフト段FAL(n)、FAR(n)を除くシフト段は、全て、駆動電極の非選択を示すロウレベルを保持しているため、第1選択信号はロウレベルとなる。
図10および
図11に示した例では、シフト段FAL(n+1)〜FAL(n+5)およびFAR(n+1)〜FAR(n+5)は、ロウレベルの第1選択信号AL(n+1)〜AL(n+5)および第3選択信号AR(n+1)〜AR(n+5)を出力することになる。
【0217】
このとき、単位選択回路SEL(n+1)〜SEL(n+5)およびSER(n+1)〜SER(n+5)のそれぞれにおいて、NトランジスタN5L、N5Rがオン状態となるため、ロウレベルの電圧VGLOがインバータ回路IV4L、IV4Rに供給される。その結果、ハイレベルの第1単位選択信号SELH_L(n+1)〜SELH_L(n+5)および第3単位選択信号SELH_R(n+1)〜SELH_R(n+5)が出力される。
【0218】
また、この時、NトランジスタN3LとN4L、N3RとN4Rがオン状態となるが、磁界タッチ検出期間と異なり、電界タッチ検出期間において、制御信号COMFLはロウレベルであるため、インバータ回路IV3L,IV3Rが出力する信号はハイレベルとなり、ロウレベルの第2単位選択信号SELG_L(n+1)〜SELG_L(n+5)および第4単位選択信号SELG_R(n+1)〜SELG_R(n+5)が出力されるため、非選択の駆動電極TL(n+1)〜TL(n+5)の端部n1とn2とは信号配線TPLに接続される。すなわち、制御信号COMFLがハイレベルの磁界発生期間とロウレベルの電界タッチ検出期間では、非選択の駆動電極が信号配線TPLに接続されないか、接続されるかが相違することになる。
【0219】
非選択の駆動電極(TL(n+1)〜TL(n+5))は、両端部n1、n2に、信号配線TPLを介して所定の直流電圧である表示駆動電圧VCOMDCを供給することにより、非選択の駆動電極から検出電極RLへのノイズの混入を抑制することができる。
【0220】
電界タッチ検出期間TC(n)を例にして説明したが、駆動電極の選択を示すハイレベルが、第1スキャナ回路SCALと第3スキャナ回路SCARのシフト段を移動することにより、電界タッチ検出期間TC(n+1)〜TC(n+5)においても同様に、選択された駆動電極TL(n+1)〜TL(n+5)において電界が発生する。例えば、
図16および
図17において、電界タッチ検出期間TC(n+2)であるタイミング(一点鎖線F15で囲んだタイミング、
図15に示した接続状態に相当)では、シフト段FAL(n+2)、FAR(n+2)が、駆動電極TL(n+2)の選択を示すハイレベルを保持している。これにより、
図16および
図17に示すような、第2単位選択信号SELG_L(n)〜SELG_L(n+5)、第4単位選択信号SELG_R(n)〜SELG_R(n+5)および第1単位選択信号SELH_L(n)〜SELH_L(n+5)、第3単位選択信号SELH_R(n)〜SELH_R(n+5)が出力され、第1スイッチS01(P5L、P5R)、第2スイッチS00(P6L、P6R)は、
図15に示すような状態になる。この状態では、駆動電極TL(n+2)が選択され、その両端n1、n2に、信号配線TPHから周期的に電圧が変化する第3駆動電圧が供給され、この駆動電極TL(n+2)において、第3駆動電圧に従った電界が発生する。
【0221】
電界タッチ検出期間TC(n)〜TC(n+5)のそれぞれにおいて、第2基板に形成された検出電極RL(0)〜RL(p)を用いて、電界の変化が、
図3で説明したように検出される。検出電極を用いた電界の変化の検出は、
図3で説明したのと同様であるため、説明は省略する。
【0222】
以上で説明したように、電界タッチ検出期間においては、駆動電極の選択を示す第1スキャナ回路SCALと第3スキャナ回路SCARのみを駆動し、第2スキャナ回路SCBLと第4スキャナ回路SCBRは常に全ての駆動電極を非選択の状態とする。磁界検出期間と異なり、電界タッチ検出期間には制御信号COMFLがロウレベルとなるため、いずれのスキャナ回路にも選択されない駆動電極の端部は信号配線TPLに接続され、接地電圧のような所定電圧に固定される。このようにして、磁界タッチ検出と電界タッチ検出とを同一の装置構成で、時分割で行うことができる。
【0223】
また、表示期間DPにおいては制御信号COMFLおよび検出タイミング信号COMSELがロウレベルであり、またいずれのスキャナ回路も駆動電極を選択しないため、
図12で示した回路の動作に従って、全ての単位選択回路SE
Lにハイレベルの第1単位選択信号SELH_
Lとロウレベルの第2単位選択信号SELG_
Lが出力され、全ての単位選択回路SE
Rにハイレベルの第3単位選択信号SELH_
Rとロウレベルの第4単位選択信号SELG_
Rが出力され、全ての駆動電極が信号配線TPLに接続され、表示駆動信号VCOMDCが供給される。
【0224】
この時、駆動電極T
Lは表示装置の共通電極として機能する。
【0225】
このような表示装置1は、磁界タッチ検出と電界タッチ検出とで駆動電極、駆動回路、信号配線、検出電極、これらが配置される基板などを共有しているので、表示装置1が薄型化、軽量化できる。
【0226】
また、磁界タッチ検出においては、1本の駆動電極では充分な強度の磁界を発生できないので、一対の駆動電極を同時に選択し、互いに逆向きの電流を流すように駆動することで磁界強度を向上させることができる。
【0227】
なお、
図13〜
図17では第1駆動電極および第2駆動電極がそれぞれ1個の駆動電極のみを含む場合について説明したが、第1駆動電極および第2駆動電極がそれぞれ複数の駆動電極を含む場合は、それぞれのシフトクロック信号を最初に変化させるとき、束ね量mの回数分変化する間、対応するスタート信号をハイレベルにするようにすればよい。これにより、m個分のハイレベルの
スタート信号が隣接するシフト段に取り込まれる。
【0228】
<ゲートドライバ、第1スキャナ回路対および第1選択駆動回路の配置>
図18は、実施の形態1に係わるゲートドライバ4、第1スキャナ回路対SCLおよび第1選択駆動回路SDLの配置を説明するための平面図である。
図5に示したように、表示領域2の辺2−Lとモジュール500の辺500−Lとの間の額縁領域には、ゲートドライバ4、第1スキャナ回路対SCLおよび第1選択駆動回路SDLが配置されている。第1スキャナ回路対SCLは、第1スキャナ回路SCALと第2スキャナ回路SCBLを有している。第1選択駆動回路SDLは、選択回路SELLと駆動回路DRVLを有している。
【0229】
図18は、
図5に示した表示領域2の辺2−Lとモジュール500の辺500−Lとの間の額縁領域について、駆動電極TL(0)〜TL(p)のうち、駆動電極TL(0)に対応する部分を代表して示している。駆動電極TL(0)の領域は、
図18に示す通り、走査線GL(0)〜GL(m−1)のm段に相当する領域に対応する。駆動電極TL(0)以外の他の駆動電極TL(1)〜TL(p)に対応する部分についても同様に、駆動電極TL(0)と同様の構成が繰り返されるように配置されている。
【0230】
表示領域2において、複数の走査線GLと複数の信号線SLとが交差する領域には画素Pixを構成する副画素SPixが配置されている。表示領域2の辺2−Lとモジュール500の辺500−Lとの間の額縁領域には、表示領域2の辺2−L側からモジュール500の辺500−Lに向けて、信号配線TPL、第1スイッチS01、第2スイッチS00および信号配線TPHが順に配置されている。モジュール500の辺500−Lに最も近い領域に、ゲートドライバ4、第1スキャナ回路SCAL、第2スキャナ回路SCBLおよび選択回路SELLが配置されている。ゲートドライバ4は、複数の単位ゲートドライバUGDを備えている。第1スキャナ回路SCALおよび第2スキャナ回路SCBLもそれぞれ、複数の単位スキャナ回路USCA、USCBを備えている。選択回路SELLも、複数の単位選択回路SELを備えている。
【0231】
ゲートドライバ4、第1スキャナ回路SCAL、第2スキャナ回路SCBLおよび選択回路SELLは、モジュール500の辺500−Lに沿って配置されている。第1スキャナ回路SCALと第2スキャナ回路SCBLとを見た場合に、第1スキャナ回路SCALの単位スキャナ回路USCAと第2スキャナ回路SCBLの単位スキャナ回路USCBとがモジュール500の辺500−Lに沿って交互に配置されている。第1スキャナ回路SCALの単位スキャナ回路USCAと第2スキャナ回路SCBLの単位スキャナ回路USCBとの間には、選択回路SELLの単位選択回路SELが配置されている。また、第1スキャナ回路SCALおよび第2スキャナ回路SCBLとゲートドライバ4とを見た場合に、第1スキャナ回路SCALの単位スキャナ回路USCAおよび第2スキャナ回路SCBLの単位スキャナ回路USCBとゲートドライバ4の単位ゲートドライバUGDとがモジュール500の辺500−Lに沿って交互に配置されている。
【0232】
この実施の形態1においては、表示領域2の辺2−Lとモジュール500の辺500−Lとの間の額縁領域に、第1スキャナ回路SCALの単位スキャナ回路USCA、第2スキャナ回路SCBLの単位スキャナ回路USCB、およびゲートドライバ4の単位ゲートドライバUGDを一列になるように互いに交互に配置することで、この額縁領域を大きくする必要がない。
【0233】
この実施の形態では、1個の駆動電極は数〜数十個の画素にまたがって配置され、各スキャナ回路の単位スキャナ回路の数は、画素Pixの配列数と比べると非常に少ないので、単位スキャナ回路および単位選
択回路SELを単位ゲートドライバUGD同士の空き領域に配置することができる。
【0234】
また、一対の駆動電極の端部のそれぞれに対応する4種類のスキャナ回路を用いて磁界タッチ駆動を行うため、単位選
択回路SELの回路構造については簡素化でき回路面積が小さくてすむので単位ゲートドライバUGD間に配置するのが容易である。
【0235】
ゲートドライバ4は表示領域2の辺2−Rにも沿って配置され、同様に第3スキャナ回路の単位スキャナ回路USCA、第4スキャナ回路の単位スキャナ回路USCB、単位選
択回路SERが、単位ゲートドライバUGD同士の間に互いに交互に配置されていてもよい。
【0236】
(実施の形態2)
実施の形態2に係わる表示装置1について説明する。この実施の形態2では、先に説明した実施の形態1との相違点を主に説明する。
【0237】
図19は、実施の形態2に係わる第1スキャナ回路対SCL、第2スキャナ回路対SCR、第1選択駆動回路SDLおよび第2選択駆動回路SDRの構成を示すブロック図である。
図19は、先に説明した
図9と類似しているので、ここでは相違点を主に説明する。
【0238】
図9で示した実施の形態1との相違点は、第2スキャナ回路対SCRから出力される第3選択信号AR(n)〜AR(n+5)と、第4選択信号BR(n)〜BR(n+5)の第2選択駆動回路SDRへのの接続先が、反対になっていることである。
【0239】
図20は、実施の形態2に係わる第2選択駆動回路SDRの構成を示す回路図である。
図20には、第2選択駆動回路SDRを構成する複数の単位選択回路のうち、単位選択回路SER(n)とこの単位選択回路SER(n)に対応する単位駆動回路USRの構成だけが示されているがSER(n+1)〜SER(n+5)についても同様の構成である。実施の形態2に係わる第1選択駆動回路SDLを構成する単位選択回路SEL(n)〜SEL(n+5)および単位駆動回路USLの構成は、
図12(A)に示した実施の形態1と同じであるので説明を省略する。
【0240】
図12(B)で示した実施の形態1と異なり、実施の形態2では、NトランジスタN1RのゲートとNトランジスタN6Rのゲートとインバータ回路IV1Rとに第4選択信号BR(n)〜BR(n+5)が接続される。そのため、インバータ回路IV1Rと接続されたNトランジスタN5RとN3Rは第4選択信号BR(n)〜BR(n+5)の位相反転である第4反転選択信号XBR(n)〜XBR(n+5)によりスイッチ制御される。
【0241】
また、
図12(B)で示した実施の形態1と異なり、インバータ回路IV2RとNトランジスタN2Rのゲートに第3選択信号AR(n)〜AR(n+5)が接続される。従って、インバータ回路IV2Rに接続されたNトランジスタN4Rは第3反転選択信号XAR(n)〜XAR(n+5)によりスイッチ制御される。
【0242】
すなわち、単位選択回路SER(n)内における、第3選択信号AR(n)〜AR(n+5)と第4選択信号BR(n)〜BR(n+5)の接続先が実施の形態1と実施の形態2では逆になっている。すなわち、
図12(B)の説明において第3選択信号AR(n)〜AR(n+5)がハイレベルの時の動作と第4選択信号BR(n)〜BR(n+5)がハイレベルの時の動作が入れ替わることとなる。
【0243】
それ以外は実施の形態1と実施の形態2は同じである。
【0244】
このため、実施の形態1と異なり、実施の形態2の単位選択回路SER(n)においては、第4選択信号BR(n)〜BR(n+5)が駆動電極の選択を示すハイレベルの時、単位駆動回路USLに出力される第3単位選択信号SELH_R(n)はロウレベルとなり、第4単位選択信号SELG_R(n)がハイレベルとなるため、駆動電極TL(n)の第2端部n2が信号配線TPHを接続される。この時、検出タイミング信号COMSELが磁界発生期間を示すハイレベルであるとする。
【0245】
また、第3選択信号AR(n)〜AR(n+5)が駆動電極の選択を示すハイレベルの時、第4選択信号BR(n)〜BR(n+5)はロウレベルとなるため、第3単位選択信号SELH_R(n)はロウレベルの接地
電圧VGLOの位相反転であるハイレベルとなり、第4単位選択信号SELG_R(n)はハイレベルの検出タイミング信号COMSELの位相反転であるロウレベルが出力され、駆動電極TL(n)の第2端部n2が信号配線TPLに接続される。
【0246】
また、第4選択信号BR(n)〜BR(n+5)も第3選択信号AR(n)〜AR(n+5)もロウレベルの時、すなわち駆動電極が非選択の時、駆動電極TL(n)の第2端部n2は信号配線TPHおよびTPLから切り離される。
【0247】
各回路動作の詳細については
図12(B)と同様であるため省略する。
【0248】
すなわち、駆動電極TL(n)を第3スキャナ回路SCARが選択した時と、第4スキャナ回路SCBRが選択した時とで、第2端部n2に信号配線TPHとTPLのどちらが接続されるかが、実施の形態1と逆になっている。
【0249】
すなわち、実施の形態1では第1駆動電極を第1スキャナ回路SCALと第4スキャナ回路SCBRが同時に選択したが、実施の形態2では第1駆動電極を第1スキャナ回路SCALと第3スキャナ回路SC
ARが同時に選択するように制御する。
【0250】
<磁界タッチ検出の全体動作>
次に、実施の形態2に係わる表示装置1における磁界タッチ検出の全体動作を、波形図を用いて説明する。
図21および
図22は、磁界タッチ検出の動作を説明する波形図である。ここでも、図面が複雑になるのを避けるために、波形図は、
図21および
図22に分けてある。
図22を、
図21の下側に配置することによって、表示装置1の動作を示す波形図が完成する。
図21および
図22は、
図13および
図14に類似しているので、ここでは主に相違点を説明する。
【0251】
実施の形態1と同様に、この実施の形態2においても、制御装置3は、離間量レジスタS−REGに格納された離間量および束レジスタC−REGに格納された束ね数の情報に基づいて、スタート信号ST−AR、ST−BR、ST−AL、ST−BLおよびシフトクロック信号CK−AL、CK−BL、CK−AR、CK−BRを形成する。実施の形態1では、開始期間TP(ss)の前に、離間量
および束ね量に基づいた回数、シフトクロック信号CK−AL、CK−BRを変化させ、シフトクロック信号CK−AL、CK−BRを最初に変化させるとき、駆動電極の選択を示すハイレベルのスタート信号ST−AL、ST−BRを、第1スキャナ回路SCALおよび第4スキャナ回路SCBRに供給していた。これに対して、実施の形態2において、制御装置3は、第1スキャナ回路SCALおよび第3スキャナ回路SCARに供給されるシフトクロック信号CK−AL、CK−ARを、開始期間TP(ss)の前に、離間量および束ね数に基づいた回数、変化させ、シフトクロック信号CK−AL、CK−ARを最初に変化させるとき、駆動電極の選択を示すハイレベルのスタート信号ST−AL、ST−ARを、第1スキャナ回路SCALおよび第3スキャナ回路SCARに供給する。
【0252】
すなわち、制御装置3は、
図21および
図22において、開始期間TP(ss)が始まる時刻t5よりも前の時刻t1のときに、シフトクロック信号CK−AL、CK−ARを変化させる。この実施の形態2においても、離間量
および束ね量に基づいた回数は、実施の形態1と同様に2回であるため、時刻t5よりも前の時刻t1と時刻t3において、制御装置3は、シフトクロック信号CK−AL、CK−ARを変化させる。また、制御装置3は、時刻t0から時刻t2において、スタート信号ST−AL、ST−ARを、駆動電極の選択を示すハイレベルにする。その後、時刻t4において、制御装置3は、スタート信号ST−BL、ST−BRを、駆動電極の選択を示すハイレベルにする。以降、制御装置3は、磁界タッチ検出期間(例えばTP(n)〜TP(n+5))ごとに、シフトクロック信号CK−AL、CK−BL、CK−ARおよびCK―BRを変化させる。このとき、シフトクロック信号CK−AL、CK−BL、CK−ARおよびCK―BRが、互いに同じ周期となるように、制御装置3は、これらのシフトクロック信号を変化させる。
【0253】
これにより、第1スキャナ回路SCALおよび第3スキャナ回路SCARは、第2スキャナ回路SCBLおよび第4スキャナ回路SCBRが出力する第2選択信号および第4選択信号によって指定される駆動電極よりも2個分、駆動電極TL(p)側に近い駆動電極を指定する第1選択信号および第3選択信号を出力するようになる。
【0254】
シフトクロック信号CK−AL、CK−BL、CK−AR、CK−BRが変化して、例えば、磁界タッチ検出期間TP(n−1)に到達すると、第1スキャナ回路SCALおよび第3スキャナ回路SCARのそれぞれにおいて、シフト段FAL(n)、FAR(n)(
図10、
図11参照)が、前段のシフト段からハイレベルのスタート信号ST−AL、ST−ARを取り込み、保持する。これにより、第1選択信号AL(n)、
および第3選択信号AR(n)がハイレベルとなる。第1選択信号AL(n)がハイレベルとなることにより、
図12(A)に示した単位選択回路SEL(n)において、第1転送スイッチTP1Lがオン状態となり、単位選択回路SEL(n)は、
図21に示すように、第1単位選択信号SELH_L(n)、第2単位選択信号SELG_L(n)を出力する。これに対して、第
3選択信号AR(n)がハイレベルとなることにより、
図20に示した単位選択回路SER(n)において、第2転送スイッチTP2Rがオン状態となる。その結果、
図22に示すように、単位選択回路SER(n)は、第3単位選択信号SELH_R(n)、第4単位選択信号SELG_R(n)を出力することになる。
【0255】
これにより、駆動電極TL(n)の第1端部n1には、単位駆動回路USL内のPトランジスタP5Lを介して、第2駆動電圧Vsと第1駆動電圧Vdとの間で周期的に変化する駆動信号TPHが供給され、駆動電極TL(n)の第2端部n2には、単位駆動回路USR内のPトランジスタP6Rを介して、第2駆動電圧Vsが供給されるようになる。その結果、駆動電極TL(n)は、駆動状態になり、駆動信号TPHの変動に応じて磁界を発生する。
【0256】
次に、シフトクロック信号CK−AL、CK−BL、CK−ARおよびCK−BRが変化して、例えば磁界タッチ検出期間TP(n+1)に到達すると、第1スキャナ回路SCAL、第2スキャナ回路SCBL、第3スキャナ回路SCARおよび第4スキャナ回路SCBRのシフトレジスタにおいて、ハイレベルのスタート信号が移動して、シフト段FAL(n+2)、FAR(n+2)、FBL(n)およびFBR(n)に到達する。これにより、第1スキャナ回路SCALおよび第3スキャナ回路SCARは、駆動電極TL(n+2)を選択するように、第1選択信号AL(n+2)および第3選択信号AR(n+2)をハイレベルにし、第2スキャナ回路SCBLおよび第4スキャナ回路SCBRは、駆動電極TL(n)を選択するように、第2選択信号BL(n)および第4選択信号BR(n)をハイレベルにする。
【0257】
第1選択信号AL(n+2)および第3選択信号AR(n+2)がハイレベルとなることにより、
図21および
図22に示すように、第2単位選択信号SELG_L(n+2)、第4単位選択信号SELG_R(n+2)および第1単位選択信号SELH_L(n+2)、第3単位選択信号SELH_R(n+2)が変化する。その結果、駆動電極TL(n+2)の第1端部n1に信号配線TPHから第1駆動電圧Vdと第2駆動電圧Vsの間で変化する駆動信号TPHが供給され、第2端部n2に信号配線TPLから第2駆動電圧として電圧Vsが供給される。
【0258】
また、第2選択信号BL(n)、第4選択信号BR(n)がハイレベルとなることにより、
図12(A)に示した第2転送スイッチTP2Lがオン状態となり、
図20に示した第1転送スイッチTP1Rがオン状態となる。これにより、
図21および
図22に示すように、第2単位選択信号SELG_L(n)、第4単位選択信号SELG_R(n)および第1単位選択信号SELH_L(n)、第3単位選択信号SELH_R(n)が変化する。その結果、駆動電極TL(n)の第1端部n1に信号配線TPLから第2駆動電圧Vsが供給され、第2端部n2に信号配線TPHから第1駆動電圧Vdと第2駆動電圧Vsの間で変化する駆動信号TPHが供給される。
【0259】
駆動電極TL(n)によって発生した磁界と、駆動電極TL(n+2)によって発生した磁界は、駆動電極TL(n+1)の領域において、重畳される。
【0260】
以降、磁界タッチ検出期間TP(n+2)〜TP(n+5)のそれぞれにおいて、同様に磁界が発生する。なお、
図19に示した接続状態は、
図21および
図22において、一点鎖線F19で囲んだタイミングのときに相当する。
【0261】
また、磁界タッチ検出期間においては、実施の形態1と同様に、制御信号COMFLがハイレベルとなるため、非選択の駆動電極はフローティング状態となる。これにより、実施の形態1と同様に、選択された駆動電極の電圧を変化させる際に、充放電する寄生容量を低減することが可能となっている。さらに、実施の形態1と同様に、磁界タッチ検出期間においては、走査線および信号線がフローティング状態となるように、制御装置3によって制御されている。これによっても、選択された駆動電極の電圧を変化させる際に、充放電する寄生容量を低減することが可能となっている。
【0262】
<電界タッチ検出の動作>
実施の形態1と同様に、実施の形態2においても、電界タッチ検出が可能である。
図23は、電界タッチ検出の構成を示すブロック図である。
図23は、
図19と同様に、第2選択駆動回路SDRを構成する単位選択回路SER(n)〜SER(n+5)に供給される第3選択信号AR(n)〜AR(n+5)と、第4選択信号BR(n)〜BR(n+5)とが入れ替わっている。
【0263】
図24および
図25は、電界タッチ検出の動作を説明する波形図である。波形図を用いて、電界タッチ検出のときの動作を説明する。図面が複雑になるのを避けるために、ここでも、波形図は、
図24および
図25に分けてある。
図25を、
図24の下側に配置することにより、波形図が完成する。
図24および
図25は、
図16および
図17に類似しているため、相違点を主に説明する。
【0264】
この実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、制御装置3は、電界タッチ検出のとき、離間量および束ね数を用いずに、シフトクロック信号とスタート信号を生成する。しかしながら、実施の形態1と異なり、制御装置3は、
図24および
図25に示すように、時刻t0において、スタート信号ST−ARの代わりにスタート信号ST−BRを、ロウレベルから選択を示すハイレベルへ変化させる。また、制御装置3は、開始期間TC(ss)および電界タッチ検出期間ごとに、シフトクロック信号CK−ALおよびCK−BRを、ロウレベルからハイレベルに変化させる。すなわち、シフトクロック信号CK−AL、CK−BRを周期的に変化させる。また、制御装置3は、
図24および
図25に示すように、スタート信号ST−BLおよびST−ARのそれぞれをロウレベルLに維持し、シフトクロック信号CK−BLおよびCK−ARをロウレベルLに維持する。すなわち、電界タッチ検出のとき、シフトクロック信号CK−BL、CK−ARは変化しない。
【0265】
シフトクロック信号CK−AL、CK−BRが変化し、駆動電極の選択を示すハイレベルのスタート信号ST−AL、ST−BRが、シフト段FAL(n)、FBR(n)(
図10、
図11参照)に保持されると、電界タッチ検出期間TC(n)となる。シフト段FAL(n)、FBR(n)が、ハイレベルのスタート信号ST−AL、ST−BLを格納することにより、第1選択信号AL(n)および第
4選択信号BR(n)がハイレベルとなる。これにより、
図12(A)に示した第1転送スイッチTP1Lと、
図20に示した第1転送スイッチTP1Rがオン状態となる。電界タッチ検出期間TC(n)においては、
図24および
図25に示すように、第2単位選択信号SELG_L(n)および第4単位選択信号SELG_R(n)は、ハイレベルとなり、第1単位選択信号SELH_L(n)および第3単位選択信号SELH_R(n)は、ロウレベルとなる。
【0266】
その結果、駆動電極TL(n)の第1端部n1は、単位駆動回路USL内のPトランジスタP5Lを介して、信号配線TPHに接続され、第2端部n2は、単位駆動回路USR内のPトランジスタP5Rを介して、信号配線TPHに接続されることになる。これにより、電界タッチ検出期間TC(n)においては、信号配線TPHに供給されている周期的に変化する駆動信号TPHが、駆動電極TL(n)の両端部から供給され、電界を発生することになる。
【0267】
電界タッチ検出期間TC(n)を例にして説明したが、他の電界タッチ検出期間においても同様である。なお、
図23に示した接続状態は、
図24および
図25において、一点鎖線F23で囲んだタイミングのときに相当する。
【0268】
また、この実施の形態2においても、電界タッチ検出期間においては、制御信号COMFLがロウレベルにされているため、非選択の駆動電極には、信号配線TPLから表示駆動電圧VCOMDCが供給されるため、ノイズの低減を図ることができる。
【0269】
また、表示期間においては、全ての駆動電極が非選択となり信号配線TPLから表示駆動電圧VCOMDCが供給される。
【0270】
磁界タッチ検出期間において、ペンPenからの磁界は、
図2で説明したように、第2基板に形成された検出電極RL(0)〜RL(p)によって検出され、電界タッチ検出期間において、電界の変化も、
図3で説明したように、検出電極RL(0)〜RL(p)によって検出される。
【0271】
この実施の形態では、単位選択回路SER(n)の構成だけを変化させたが、単位選択回路SER(n)の構成を変化させずに単位選択回路SEL(n)の構成だけを変化させるようにしてもよい。すなわち、例えば、第1駆動電極の第1端部n1を第1スキャナ回路SCALが選択しても、第2スキャナ回路SCBLが選択してもよく、第1駆動電極の第2端部n2も第3スキャナ回路SCARが選択しても第4スキャナ回路SCBRが選択してもよいが、4つのスキャナ回路は第1駆動電極と第2駆動電極を両端から同時に選択するように、磁界タッチ検出期間においては、制御される。この実施の形態においても、制御装置3は第1駆動電極の第1端部n1と第2駆動電極の第2端部n2に第1駆動電圧を供給し、第1駆動電極の第2端部n2と第2駆動電極の第1端部n1に第2駆動電圧を供給する。
【0272】
<電子装置>
図26は、実施の形態1および2において説明した表示装置1を備えた電子装置100の構成を示す斜視図である。電子装置100は、表示装置1を備えたタブレット型のコンピュータ101とペンPenとを備えている。ペンPenは、
図2に示したように、コイルおよび容量素子を含む指示器である。
図26において、2は、上記した表示領域を示し、102は、表示領域2を囲むように配置された額縁領域を示している。また、103は、コンピュータ101のボタンを示している。
【0273】
上記した表示期間DPにおいて、表示領域2に画像の表示が行われ、また、磁界タッチ検出期間TP(n)〜TP(n+5)等において、ペンPenが、表示領域2に近接しているか否か、および座標の検出が行われ、この検出の結果に応じて、コンピュータ101が処理を行う。
【0274】
ペンPenとタブレット型のコンピュータ101が電気的に直接接続されている必要はない。電子装置100がペンPenを含まなくてもよく、その場合はタブレット型コンピュータ101そのものが電子装置100に相当する。電子装置100に含まれる表示装置として、タブレット型のコンピュータの代わりにノート型もしくはデスクトップ型のパーソナルコンピュータを用いることができる。
【0275】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例及び修正例に想到し得るものであり、それら変形例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0276】
例えば、前述の各実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0277】
例えば、前述の実施の形態においては、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、行方向に延在し、列方向に平行に配置されている場合を説明したが、行方向および列方向は、見る視点により変化する。見る視点を変えて、駆動電極TL(0)〜TL(p)が、列方向に延在し、行方向に平行に配置されている場合も本発明の範囲に含まれるものである。また、本明細書で用いている「平行」とは、互いに一端から他端に亘るまで交わることなく延在することを意味する。そのため、一方の線(あるいは電極)の一部又は全部が他方の線(あるいは電極)に対して傾いた状態で設けられていたとしても、これらの線が一端から他端まで交わるものでなければ、本明細書においては、この状態も「平行」であるとする。