特許第6704818号(P6704818)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6704818
(24)【登録日】2020年5月15日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】テープ切断装置、部品実装機
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20200525BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20200525BHJP
   B65B 15/04 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   H05K13/02 B
   H05K13/04 A
   B65B15/04 Z
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-164653(P2016-164653)
(22)【出願日】2016年8月25日
(65)【公開番号】特開2018-32763(P2018-32763A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2019年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】荒井 智康
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2009−0020301(KR,A)
【文献】 特開2015−012180(JP,A)
【文献】 特開2004−327898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
B65B 15/04
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品を収容するテープをモーターの駆動力により送ることで、前記テープ内の部品を部品供給位置に供給しつつ前記部品供給位置で部品が取り出された前記テープを排出するテープフィーダーから排出された前記テープを切断するテープ切断部と、
前記テープフィーダーから排出された前記テープを前記テープ切断部に案内する排出経路を形成するガイド部材と、
前記排出経路の途中に設けられて前記テープに接触する回転部材を有し、前記回転部材を回転させることで前記回転部材の周部に接触する前記テープを前記テープ切断部へ向けて送るテープ送り部と
を備え、
前記回転部材は、所定の配列方向に並ぶ複数の前記テープフィーダーそれぞれから排出される前記テープに接触可能な幅を前記配列方向に有し、前記配列方向に平行な回転軸を中心に回転可能であり、
前記テープ送り部は、複数の前記テープフィーダーのうち、一部のテープフィーダーの前記モーターの駆動力によって駆動される前記テープに前記回転部材を従動させて前記回転部材を回転させることで、当該一部のテープフィーダーとは異なるテープフィーダーから排出された前記テープを前記テープ切断部へ向けて送るテープ切断装置。
【請求項2】
複数の部品を収容するテープを送ることで、前記テープ内の部品を部品供給位置に供給しつつ前記部品供給位置で部品が取り出された前記テープを排出するテープフィーダーから排出された前記テープを切断するテープ切断部と、
前記テープフィーダーから排出された前記テープを前記テープ切断部に案内する排出経路を形成するガイド部材と、
前記排出経路の途中に設けられて弾性を有する2個の第1の接触部材を有し、前記2個の第1の接触部材が前記テープフィーダーから排出された前記テープの互いに異なる側に接触可能であるテープ送り部と
を備え、
前記テープ送り部は、前記テープ切断部に向かうに連れて相互に近づくように前記2個の第1の接触部材を互いに傾けつつ前記2個の第1の接触部材を離間させる離間動作と、前記2個の第1の接触部材の間の前記テープを介して前記2個の第1の接触部材を互いに押圧する押圧動作とを、前記2個の第1の接触部材の少なくとも一方を駆動することで実行する駆動部をさらに有し、
前記2個の第1の接触部材の間に前記テープがある状態で前記離間動作から前記押圧動作へ前記駆動部の動作を移行させることで、前記各第1の接触部材で前記テープを挟んだ後に前記各第1の接触部材の弾性変形に伴って前記各第1の接触部材が前記テープに接触する部分を前記テープ切断部側へ移動させて、前記テープを前記テープ切断部へ向けて送るテープ切断装置。
【請求項3】
複数の部品を収容するテープを送ることで、前記テープ内の部品を部品供給位置に供給しつつ前記部品供給位置で部品が取り出された前記テープを排出するテープフィーダーの下方に配置され、前記テープフィーダーから排出された前記テープを切断するテープ切断部と、
前記テープフィーダーから排出された前記テープを前記テープ切断部に案内する排出経路を形成するガイド部材と、
前記排出経路の途中において前記テープ切断部の上方で前記テープに接触する第2の接触部材と、
前記第2の接触部材を振動させる振動発生部と
を備えるテープ切断装置。
【請求項4】
部品を基板に実装する実装ヘッドと、
複数の部品を収容するテープを送ることで、前記テープ内の部品を部品供給位置に供給しつつ前記部品供給位置で前記実装ヘッドにより部品が取り出された前記テープを排出するテープフィーダーと、
請求項1ないしのいずれか一項に記載のテープ切断装置と
を備える部品実装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の部品を収容するテープを送ることで、テープ内の部品を部品供給位置に供給しつつ当該部品供給位置で部品が取り出されたテープを排出するテープフィーダーから排出されたテープを切断する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テープフィーダーに収容された部品を基板に実装する部品実装機では、テープフィーダーから排出された使用済みのテープをカッターで切断する機構が設けられている。ただし、テープをカッターへ的確に送ることが難しいために、テープの切断を適切に行うことができない場合があった。そこで、特許文献1では、テープの切断位置近傍に設けられた空気吹付部からテープへ向けて空気を吹き付けることで、テープをカッターへ送る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−12180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法では、吹き付けられた空気によって埃が舞い上がる場合があった。その結果、舞い上がった埃が部品や基板に付着して、これらが汚染されるおそれがあった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、埃を舞い上げることなく、テープフィーダーから排出されたテープをテープ切断部へ向けて送ることを可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係るテープ切断装置は、上記目的を達成するために、複数の部品を収容するテープを送ることで、テープ内の部品を部品供給位置に供給しつつ部品供給位置で部品が取り出されたテープを排出するテープフィーダーから排出されたテープを切断するテープ切断部と、テープフィーダーから排出されたテープをテープ切断部に案内する排出経路を形成するガイド部材と、排出経路の途中に設けられてテープに接触する接触部材を有するテープ送り部とを備え、テープ送り部は、接触部材がテープに接触する部分をテープ切断部へ向けて移動させることで、テープをテープ切断部へ向けて送る。
【0007】
このように構成された本発明の第1態様では、テープフィーダーから排出されたテープがテープ切断部に至る排出経路の途中に設けられてテープに接触する接触部材をテープ送り部が有する。そして、テープ送り部は、接触部材がテープに接触する部分をテープ切断部へ向けて移動させることで、テープをテープ切断部へ向けて送る。したがって、埃を舞い上げることなく、テープフィーダーから排出されたテープをテープ切断部へ向けて送ることが可能となっている。
【0008】
また、接触部材は、所定の配列方向に並ぶ複数のテープフィーダーそれぞれから排出されるテープに接触可能な幅を配列方向に有し、配列方向に平行な回転軸を中心に回転可能な回転部材であり、テープ送り部は、回転部材を回転させることで回転部材の周部に接触するテープをテープ切断部へ向けて送るように、テープ切断装置を構成しても良い。かかる構成では、テープに接触する回転部材を回転させることで、埃を舞い上げることなく、テープをテープ切断部へ送ることができる。
【0009】
さらに、テープ送り部は、テープフィーダーからの駆動力により駆動されるテープに回転部材を従動させることで回転部材を回転させるように、テープ切断装置を構成しても良い。かかる構成では、テープフィーダーの駆動力を有効利用して回転部材を回転させることで、テープをテープ切断部へ向けて送ることができる。
【0010】
あるいは、テープ送り部は、回転部材に接続された第1の駆動部を有し、第1の駆動部により回転部材を駆動することで、回転部材を回転させるように、テープ切断装置を構成しても良い。かかる構成では、第1の駆動部により回転部材を駆動することで、テープをテープ切断部へ向けて送ることができる。
【0011】
また、テープ送り部では、弾性を有する2個の第1の接触部材のそれぞれが接触部材として設けられ、テープフィーダーから排出されたテープの互いに異なる側に接触可能であり、テープ送り部は、テープ切断部に向かうに連れて相互に近づくように2個の第1の接触部材を互いに傾けつつ2個の第1の接触部材を離間させる離間動作と、2個の第1の接触部材の間のテープを介して2個の第1の接触部材を互いに押圧する押圧動作とを、2個の第1の接触部材の少なくとも一方を駆動することで実行する第2の駆動部をさらに有し、2個の第1の接触部材の間にテープがある状態で離間動作から押圧動作へ第2の駆動部の動作を移行させることで、各第1の接触部材でテープを挟んだ後に各第1の接触部材の弾性変形に伴って各第1の接触部材がテープに接触する部分をテープ切断部側へ移動させて、テープをテープ切断部へ向けて送るように、テープ切断装置を構成しても良い。かかる構成では、2個の第1の接触部材でテープを挟みつつ、テープ切断部へ向けてテープをより確実に送ることができる。
【0012】
この発明の第2態様に係るテープ切断装置は、上記目的を達成するために、複数の部品を収容するテープを送ることで、テープ内の部品を部品供給位置に供給しつつ部品供給位置で部品が取り出されたテープを排出するテープフィーダーの下方に配置され、テープフィーダーから排出されたテープを切断するテープ切断部と、テープフィーダーから排出されたテープをテープ切断部に案内する排出経路を形成するガイド部材と、排出経路の途中においてテープ切断部の上方でテープに接触する第2の接触部材と、第2の接触部材を振動させる振動発生部とを備える。
【0013】
このように構成された本発明の第2態様では、テープフィーダーから排出されたテープがテープ切断部に至る排出経路の途中においてテープ切断部の上方でテープに接触する第2の接触部材と、第2の接触部材を振動させる振動発生部とが具備されている。したがって、振動発生部が第2の接触部材を振動させると、第2の接触部材に接触するテープにも振動が伝わり、これをきっかけにテープが重力で落下してテープ切断部へと向かう。こうして、埃を舞い上げることなく、テープフィーダーから排出されたテープをテープ切断部へ向けて送ることが可能となっている。
【0014】
この発明に係る部品実装機は、上記課題を解決するために、部品を基板に実装する実装ヘッドと、複数の部品を収容するテープを送ることで、テープ内の部品を部品供給位置に供給しつつ部品供給位置で実装ヘッドにより部品が取り出された前記テープを排出するテープフィーダーと、上記のいずれかのテープ切断装置とを備える。
【0015】
このように構成された部品実装機は、上記のいずれかのテープ切断装置を備えるため、テープフィーダーから排出されたテープをテープ切断部へ向けて送ることが可能となっている。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、埃を舞い上げることなく、テープフィーダーから排出されたテープをテープ切断部へ向けて送ることが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る部品実装機を模式的に示す部分平面図。
図2】テープフィーダーの構成および動作の一例を模式的に示す側面図。
図3】テープ切断装置の第1例の構成を模式的に示す側面図。
図4】テープ切断装置の第1例の構成を模式的に示す正面図。
図5】キャリアテープの終端がテープフィーダーから排出された状態を模式的に示す側面図。
図6】テープ切断装置の第2例の構成を模式的に示す正面図。
図7】テープ切断装置の第3例の構成を模式的に示す側面図。
図8図7のテープ切断装置の第3例の動作を模式的に説明する図。
図9】テープ切断装置の第4例の構成を模式的に示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は本発明に係る部品実装機を模式的に示す部分平面図である。同図では、鉛直方向に平行なZ方向、それぞれ水平方向に平行なX方向およびY方向からなるXYZ直交座標を示す。この部品実装機1は、基台11の上に設けられた一対のコンベア12、12を備える。そして、部品実装機1は、コンベア12によりX方向(基板搬送方向)の上流側から作業位置(図1の基板Bの位置)に搬入した基板Bに対して部品Pを実装し、部品実装を完了した基板Bをコンベア12により作業位置からX方向の下流側へ搬出する。
【0019】
部品実装機1では、Y方向に延びる一対のY軸レール21、21と、Y方向に延びるY軸ボールネジ22と、Y軸ボールネジ22を回転駆動するY軸モーターMyとが設けられ、ヘッド支持部材23が一対のY軸レール21、21にY方向に移動可能に支持された状態でY軸ボールネジ22のナットに固定されている。ヘッド支持部材23には、X方向に延びるX軸ボールネジ24と、X軸ボールネジ24を回転駆動するX軸モーターMxとが取り付けられており、ヘッドユニット3がヘッド支持部材23にX方向に移動可能に支持された状態でX軸ボールネジ24のナットに固定されている。したがって、Y軸モーターMyによりY軸ボールネジ22を回転させてヘッドユニット3をY方向に移動させ、あるいはX軸モーターMxによりX軸ボールネジ24を回転させてヘッドユニット3をX方向に移動させることができる。
【0020】
一対のコンベア12、12のY方向の両側それぞれでは2つの部品供給部25がX方向に並んでおり、各部品供給部25に対してはフィーダー取付台車4が着脱可能に取り付けられている。このフィーダー取付台車4には、X方向(配列方向)に並ぶ複数のテープフィーダー5と、X方向に並ぶ複数のリールホルダー6とが着脱可能に装着されており、1個のテープフィーダー5と1個のリールホルダー6とが互いに対応付けられてY方向に並ぶ。
【0021】
各リールホルダー6が保持するリール7には、集積回路、トランジスター、コンデンサ等の小片状の部品P(チップ電子部品)を所定間隔おきに収容したキャリアテープTPが巻き付けられている。このキャリアテープTPは従来周知のエンボステープであり、等ピッチで一列に配列された複数のポケットのそれぞれに収容された部品Pをカバーで覆った構成を有する。また、キャリアテープTPの一辺側には、その縁に沿って一定間隔で配列された複数の係合孔が貫通している。後述するように、各テープフィーダー5に対しては2本のキャリアテープTPを取付可能であり、これに対応して、各リールホルダー6はY方向に並ぶ2個のリール7を保持する。そして、各テープフィーダー5は、Y方向に隣り合うリールホルダー6内のリール7から引き出したキャリアテープTPをヘッドユニット3側に間欠的に送り出すことで、キャリアテープTP内の部品Pを所定の部品供給位置50に供給する。なお、各リールホルダー6に保持される2個のリール7のうち、テープフィーダー5から遠いリール7よりもテープフィーダー5に近いテープフィーダー5は若干下側に位置する。
【0022】
ヘッドユニット3は、X方向に並ぶ複数(4本)の実装ヘッド31を有する。各実装ヘッド31はZ方向(鉛直方向)に延びた長尺形状を有し、その下端に係脱可能に取り付けられたノズルによって部品Pを吸着・保持することができる。つまり、実装ヘッド31はテープフィーダー4の上方へ移動して、テープフィーダー4により供給された部品Pを吸着する。続いて、実装ヘッド31は作業位置の基板Bの上方に移動して部品Pの吸着を解除することで、基板Bに部品Pを実装する。こうして、実装ヘッド31は、テープフィーダー5により部品供給位置50に供給された部品PをキャリアテープTPから取り出して基板Bに実装する部品実装を実行する。
【0023】
図2はテープフィーダーの構成および動作の一例を模式的に示す側面図である。同図および以下の図面では、テープフィーダー5がキャリアテープTPを送り出すフィード方向Df(Y方向に平行)を適宜示すとともに、フィード方向Dfの矢印側をフィード方向Dfの「前」と、フィード方向Dfの矢印の反対側をフィード方向Dfの「後ろ」と取り扱う。また、テープフィーダー5に取付可能な2本のキャリアテープTPを区別するために、同図および以下の図では、キャリアテープに対して異なる符号TP1、TP2を適宜用いる。
【0024】
テープフィーダー5は、機械的構成であるフィーダー本体51と、フィーダー本体51を駆動するモーターMf、Mbとを備える。フィーダー本体51は、X方向に薄くてフィード方向Dfに長尺な偏平形状のケース52を有する。ケース52のフィード方向Dfの後端では、Z方向に延設されたテープ挿入口53a(破線で示す)が開口し、ケース52のフィード方向Dfの前方の上面に上述の部品供給位置50が設けられている。そして、フィーダー本体51内ではテープ挿入口53aから部品供給位置50へ至るテープ搬送路53bが設けられている。このフィーダー本体51は、テープ挿入口53aからテープ搬送路53bに挿入されたキャリアテープTPを、モーターMf、Mbの駆動力を受けてフィード方向Dfに送り出すことで、部品供給位置50に部品Pを供給する。
【0025】
具体的には、フィーダー本体51は、テープ搬送路53bの上方でテープ挿入口53aに隣接して配置されたスプロケット54と、モーターMbの駆動力をスプロケット54に伝達するギヤ55とをケース52内に有し、スプロケット54はモーターMbが発生する駆動力を受けて回転する。さらに、フィーダー本体51は、ケース52に対して着脱可能に取り付けられたテープ支持部材56を有する。このテープ支持部材56はスプロケット54に下方から対向し、スプロケット54との間にキャリアテープTPを挟むことで、キャリアテープTPをスプロケット54に係合させる。これによって、スプロケット54はキャリアテープTPに係合しつつ回転することで、キャリアテープTPをフィード方向Dfに送り出すことができる。また、フィーダー本体51は、その前端部分に配置されて下方からテープ搬送路53bに隣接するスプロケット57と、モーターMfの駆動力をスプロケット57に伝達するギヤ58とをケース52内に有し、スプロケット57はモーターMfが発生する駆動力を受けて回転する。したがって、スプロケット57は、キャリアテープTPに係合しつつ間欠的に回転することで、キャリアテープTPをフィード方向Dfに間欠的に搬送することができる。
【0026】
ステップS11は、実装ヘッド31が部品実装を実行中の状態に対応する。つまり、フィーダー本体51には、テープ搬送路53bに沿ってキャリアテープTP1が挿入されており、スプロケット57はキャリアテープTP1をフィード方向Dfへ間欠搬送することで、部品供給位置50へ部品Pを供給する。そして、実装ヘッド31は、部品供給位置50に供給された部品Pを基板Bに実装する。また、ステップS11では、キャリアテープTP1の次に部品実装に使用されるキャリアテープTP2の先端が、スプロケット54とテープ支持部材56との間に取り付けられている。こうして、次に使用するキャリアテープTP2がフィーダー本体51の後端部分で待機する。
【0027】
ステップS12に示すように、キャリアテープTP1内の部品Pが使い切られて、テープフィーダー5がキャリアテープTP1を排出すると、ステップS13に示すローディングが実行される。具体的には、スプロケット54が回転を開始してキャリアテープTP2を部品供給位置50へ向けてフィード方向Dfに送り出し、キャリアテープTP2の先端をスプロケット57に係合させる。続いて、ステップS14において、作業者がテープ支持部材56をケース52から取り外す作業を実行すると、キャリアテープTP2がスプロケット54から外れてテープ搬送路53bに落下する。これによって、スプロケット57はキャリアテープTP2をフィード方向Dfへ間欠搬送して、キャリアテープTP2内の部品Pを部品供給位置50に供給することができる。
【0028】
ちなみに、作業者はステップS14の後、キャリアテープTP2を保持するリール7をリールホルダー6内の後方部から前方部に移動させるとともに、新たなキャリアテープTPをリールホルダー6内の後方部に装着する。続いて、作業者は、新たなキャリアテープTPの先端をスプロケット54に係合させつつテープ支持部材56をケース52に取り付けることで、新たなキャリアテープTPをスプロケット54とテープ支持部材56との間に取り付けて待機させることができる。
【0029】
このようなテープフィーダー5を用いた部品実装機1では、実行中の部品実装で使用されるキャリアテープTPはテープ搬送路53bに沿ってフィーダー本体51に挿入される一方、次の部品実装で使用されるキャリアテープTPは、テープ搬送路53bの上方で待機する。そして、キャリアテープTPが使い切られる度にステップS12〜S14を行うことで、待機していたキャリアテープTPをテープ搬送路53bに沿ってフィーダー本体51に挿入して、次の部品実装に使用することができる。
【0030】
ところで、このテープフィーダー5は、部品供給位置50で部品Pが取り出された後のキャリアテープTPを、ケース52の前端で開口するテープ排出口53c(破線で示す)から排出する。そして、部品実装機1は、テープフィーダー5から排出されたキャリアテープTPを適当な長さに切断するテープ切断装置8をさらに備える。続いては、このテープ切断装置8について詳述する。
【0031】
図3はテープ切断装置の第1例の構成を模式的に示す側面図である。図4はテープ切断装置の第1例の構成を模式的に示す正面図である。なお、図3および図4では、テープフィーダー5等、テープ切断装置8以外の機構も併記されている。このテープ切断装置8は、テープフィーダー5の下方、より具体的にはテープフィーダー5のテープ排出口53cの下方に設けられたテープ切断部81と、テープフィーダー5のテープ排出口53cからテープ切断部81へキャリアテープTPを案内するガイドケース83とを備える。
【0032】
このガイドケース83は、フィード方向Dfの前側の側壁831、832と、この側壁831、832と対向するフィード方向Dfの後側の側壁833、834とを有する。ガイドケース83の上部を構成する側壁831、833は、鉛直方向Zに平行に延設され、ガイドケース83の下部(側壁831、833の下)を構成する側壁832、834は、鉛直方向Zの下方へ向かうに連れてフィード方向Dfの後側に傾斜して、スロープを形成している。そして、側壁831、832と側壁833、834とで挟まれた空間(すなわち、ガイドケース83の内部)が、テープ排出口53cから排出されたキャリアテープTPがテープ切断部81へと至る排出経路R83となっている。
【0033】
テープ切断部81は、固定刃811と、可動刃812と、可動刃812をフィード方向Dfに駆動する駆動部M812とを有する。固定刃811と可動刃812とは、排出経路R83に沿って排出されたキャリアテープTPを切断する切断箇所Cに対して設けられており、排出経路R83に沿って送られてきたキャリアテープTPは、排出経路R83の下端の切断箇所Cで固定刃811および可動刃812により切断される。具体的には、可動刃812は、固定刃811に下方から隣接する隣接位置Laと、隣接位置Laよりも固定刃811から離れた離間位置Lbとの間で移動可能である。そして、駆動部M812が可動刃812を離間位置Lbから隣接位置Laへ移動させると、切断箇所CにおいてキャリアテープTPが固定刃811と可動刃812によって切断され、テープ切断装置8の下方に配置されたテープ回収ボックス9に回収される。なお、駆動部M812としては、ソレノイドあるいはシリンダーといった各種のアクチュエーターを用いることができる。
【0034】
さらに、テープ切断装置8は、テープ排出口53cからテープ切断部81の切断箇所Cに至る排出経路R83の途中に、テープ送り部84を備える。このテープ送り部84は、テープ切断部81の切断箇所Cの上方で側壁832と側壁834との間に配置された回転ブラシ85を有する。この回転ブラシ85は、複数のテープフィーダー5の配列方向Xに平行な回転軸Aを中心に回転可能にガイドケース83に支持されており、回転軸Aを中心に放射状に突出する複数の針状突起851を有する。そして、テープ排出口53cから排出された後に回転ブラシ85とガイドケース83の内壁との間に案内されたキャリアテープTPに、回転ブラシ85の針状突起851の先端が接触して引っ掛かる。なお、各針状突起851は可撓性を有しており、キャリアテープTPの接触に伴って撓むことができる。また、図4に示すように、回転ブラシ85は、複数のテープフィーダー5それぞれから排出されたキャリアテープTPに接触可能な幅Wをテープフィーダー5の配列方向Xに有する。
【0035】
上述のとおり、テープフィーダー5はスプロケット57を駆動するモーターMfを有しており、テープ排出口53cから排出されたキャリアテープTPは、モーターMfがスプロケット57を間欠的に回転させる度にテープ切断部81へ向けて進む。そして、回転ブラシ85は、モーターMfの駆動力を受けて進むキャリアテープTPに従動することで回転し、回転ブラシ85の周部のキャリアテープTPに接触する接触部分85Aがテープ切断部81の切断箇所Cへ向けて移動する。
【0036】
このような回転ブラシ85を設けた構成は、キャリアテープTPをテープ切断部81の切断箇所Cに送るのに有利となる。特に、その終端(フィード方向Dfの最上流端)がテープフィーダー5のスプロケット57から外れてテープ排出口53cから排出されたキャリアテープTPをテープ切断部81の切断箇所Cに送るにあたっては、当該構成は特に有利である。
【0037】
図5はキャリアテープの終端がテープフィーダーから排出された状態を模式的に示す側面図である。同図では、収容していた部品Pが使い切られたキャリアテープTPがテープフィーダー5のテープ排出口53cから排出され、当該テープフィーダー5の終端TPeもテープフィーダー5のスプロケット57から外れてテープ排出口53cから排出されている。このようにテープ排出口53cから排出されたキャリアテープTPがスプロケット57から外れた状態では、このキャリアテープTPはモーターMfからの駆動力を受けてテープ切断部81へ進むことがもはやできない。そのため、このキャリアテープTPがガイドケース83内で詰まってしまうおそれがある。特にスロープを構成する側壁832近傍では、このようなキャリアテープTPの詰まりが発生するおそれが高い。
【0038】
ただし、このキャリアテープTPの前端部分はテープ送り部84の回転ブラシ85に接触している。しかも、回転ブラシ85は、このキャリアテープTP以外の他のキャリアテープTPにも接触しており、他のキャリアテープTPはそれぞれを排出するテープフィーダー5のモーターMfからの駆動力を受けてテープ切断部81へ進み、回転ブラシ85を回転させる。そのため、テープフィーダー5のスプロケット57から外れた図5のキャリアテープTPは、回転する回転ブラシ85によってテープ切断部81へと送られ、テープ切断部81で切断される。
【0039】
以上に説明したようにテープ切断装置8の第1例では、テープフィーダー5から排出されたキャリアテープTPがテープ切断部81に至る排出経路R83の途中に設けられてキャリアテープTPに接触する回転ブラシ85をテープ送り部84が有する。そして、テープ送り部84は、回転ブラシ85がキャリアテープTPに接触する接触部分85Aをテープ切断部81へ向けて移動させることで、キャリアテープTPをテープ切断部81へ向けて送る。したがって、埃を舞い上げることなく、テープフィーダー5から排出されたキャリアテープTPをテープ切断部81へ向けて送ることが可能となっている。
【0040】
また、特許文献1のように空気の吹き付けによりキャリアテープTPを送る構成では、細長く平たい形状のキャリアテープTPに空気が的確に当たらなかったり、吹きつけられた空気がテープ切断部81に正確に向かわなかったりするために、キャリアテープTPをテープ切断部81に送ることが難しかった。これに対して、この例では、キャリアテープTPに直接接触する回転ブラシ85の接触部分85Aをテープ切断部81へ移動(回転)させることでキャリアテープTPをテープ切断部81へ送る。したがって、キャリアテープTPをより確実にテープ切断部81に送ることが可能となる。
【0041】
また、回転ブラシ85は、所定の配列方向Xに並ぶ複数のテープフィーダー5ーそれぞれから排出されるキャリアテープTPに接触可能な幅Wを配列方向Xに有し、配列方向Xに平行な回転軸Aを中心に回転可能である。そして、テープ送り部84は、回転ブラシ85を回転させることで回転ブラシ85の周部に接触するキャリアテープTPをテープ切断部81へ向けて送る。かかる構成では、キャリアテープTPに接触する回転ブラシ85を回転させることで、埃を舞い上げることなく、キャリアテープTPをテープ切断部81へ送ることができる。
【0042】
さらに、テープ送り部84は、テープフィーダー5からの駆動力(モーターMfの出力)により駆動されるキャリアテープTPに回転ブラシ85を従動させることで回転ブラシ85を回転させる。かかる構成では、テープフィーダー5の駆動力を有効利用して回転ブラシ85を回転させることで、キャリアテープTPをテープ切断部81へ向けて送ることができる。
【0043】
図6はテープ切断装置の第2例の構成を模式的に示す正面図である。なお、図6では、テープフィーダー5等、テープ切断装置8以外の機構も併記されている。以下では、第1例と異なる点を中心に説明を行い、第1例と共通する点は相当符号を付して適宜説明を省略する。ただし、第1例と共通する構成を具備することで同様の効果が奏されることは言うまでもない。
【0044】
テープ切断装置8の第2例が第1例と異なるのは、テープ送り部84が回転ブラシ85を駆動するモーターM85を有する点である。つまり、テープ切断装置8の第2例は、モーターM85により回転ブラシ85を駆動することで、回転ブラシ85を回転させて、回転ブラシ85のキャリアテープTPと接触する接触部分85Aをテープ切断部81の切断箇所Cへ向けて移動させる。これによって、キャリアテープTPは、テープ切断部81の切断箇所Cへ送られる。
【0045】
このように構成されたテープ切断装置8の第2例によっても、埃を舞い上げることなく、テープフィーダー5から排出されたキャリアテープTPをテープ切断部81へ向けて送ることが可能となっている。また、キャリアテープTPに直接接触する回転ブラシ85の接触部分85Aをテープ切断部81へ移動(回転)させることでキャリアテープTPをテープ切断部81へ送るため、キャリアテープTPをより確実にテープ切断部81に送ることが可能となる。
【0046】
図7はテープ切断装置の第3例の構成を模式的に示す側面図である。また、図8図7のテープ切断装置の第3例の動作を模式的に説明する図である。なお、図7では、テープフィーダー5等、テープ切断装置8以外の機構も併記されている。以下では、第1例および第2例と異なる点を中心に説明を行い、第1例および第2例と共通する点は相当符号を付して適宜説明を省略する。ただし、第1例および第2例と共通する構成を具備することで同様の効果が奏されることは言うまでもない。
【0047】
テープ切断装置8の第3例では、テープ送り部84の具体的機構が上記の第1例および第2例と異なる。つまり、テープ送り部84は、排出経路R83に沿って送られるキャリアテープTPの両側に配置された弾性部材86A、86Bをガイドケース83内に有する。これら弾性部材86A、86Bは、テープ切断部81の切断箇所Cの上方で側壁832と側壁834との間に配置されている。また、テープ送り部84は、弾性部材86A、86Bそれぞれに設けられた支持部材861、861を有する。弾性部材86A、86Bそれぞれの後端Eは対応する支持部材861、861に接続され、弾性部材86A、86Bそれぞれの先端Tは対応する支持部材861、861から下方へ突出する。弾性部材86A、86Bはそれぞれ平板形状を有し、後端Eから先端Tに向かうに連れて、換言すればテープ切断部81の切断箇所Cに向かうに連れて互いに近づくように互いに傾けて保持されている。これら弾性部材86A、86Bとしては例えば板バネを用いることができる。
【0048】
そして、テープ送り部84はさらに駆動部M86を有し、弾性部材86A、86Bのうち、一方の弾性部材86Aの支持部材861が駆動部M86に取り付けられ、他方の弾性部材86Bの支持部材861がガイドケース83に固定されている。この駆動部M86は弾性部材86Aを弾性部材86Bに対して接離する方向へ駆動することができる。具体的には、駆動部M86は、弾性部材86Aを弾性部材86Bから離すことで、弾性部材86A、86Bを互いに離間させる離間動作を実行する一方、弾性部材86Aを弾性部材86Bに近づけることで、弾性部材86A、86BをキャリアテープTPを介して互いに押圧する押圧動作を実行する。こうして、弾性部材86A、86Bが互いに離間する離間状態と、弾性部材86A、86Bとが互いに押圧される押圧状態とが、駆動部M86によって実現される。なお、駆動部M86としては、ソレノイドあるいはシリンダーといった各種のアクチュエーターを用いることができる。
【0049】
かかるテープ送り部84は、図8に示す一連の動作を駆動部M86に実行させることで、キャリアテープTPをテープ切断部81の切断箇所Cへ向けて送ることができる。図8の「離間動作」の欄では、互いに離間する弾性部材86A、86Bの間に、排出経路R83に沿って排出されてきたキャリアテープTPが存在する。そして、離間動作から押圧動作への移行が開始して、弾性部材86Aが弾性部材86Bへ向けて移動し始めると、弾性部材86Aの先端Tと弾性部材86Bの先端TとがキャリアテープTPに接触する(図8の「移行動作」の欄)。さらに、弾性部材86Aが弾性部材86Bへ向けて移動すると、弾性部材86A、86Bは相互間に働く力により弾性変形し、キャリアテープTPに接触する弾性部材86A、86Bの先端部分R(先端Tを含んで幅を有する部分)がキャリアテープTPを挟みつつテープ切断部81の切断箇所Cへ向けて距離Δだけ進んで、キャリアテープTPをテープ切断部81の切断箇所Cへ向けて送る。
【0050】
このように構成されたテープ切断装置8の第3例によっても、埃を舞い上げることなく、テープフィーダー5から排出されたキャリアテープTPをテープ切断部81へ向けて送ることが可能となっている。また、テープ送り部84が弾性部材86A、86Bそれぞれの先端TでキャリアテープTPを挟みつつ、テープ切断部81の切断箇所Cへ向けてキャリアテープTPを送るため、キャリアテープTPをより確実にテープ切断部81に送ることが可能となる。
【0051】
図9はテープ切断装置の第4例の構成を模式的に示す側面図である。なお、同図では、テープ切断装置8が備えるテープ送り部84近傍が拡大して示されている。以下では、第1例〜第3例と異なる点を中心に説明を行い、第1例〜第3例と共通する点は相当符号を付して適宜説明を省略する。ただし、第1例〜第3例と共通する構成を具備することで同様の効果が奏されることは言うまでもない。
【0052】
テープ切断装置8の第4例では、ガイドケース83の側壁832に開口83Aが設けられ、テープ送り部84はこのガイドケース83内に配置された振動部材87と、振動部材87と開口83Aとの間を充填して振動部材87をガイドケース83に接続する可撓部材871とを有する。なお、可撓部材871としては例えばゴムあるいはバネ等を用いることができる。こうして、テープ切断部81の切断箇所Cの上方に振動部材87が配置され、この振動部材87の内壁面(ガイドケース83の内部を向く面)は、側壁832とともにスロープを形成しつつ、排出経路R83の途中においてキャリアテープTPに接触する。
【0053】
さらに、テープ送り部84は、ガイドケース83の外側に配置されて、振動部材87に接続された振動発生部M87を有し、振動発生部M87によって振動部材87を振動させる。そして、振動部材87の振動をきっかけに、キャリアテープTPに接触していたキャリアテープTPがテープ切断部81の切断箇所Cへ向かって落下する。なお、振動発生部M87としては、例えば偏心モーター型の振動子を用いることができる。
【0054】
このように構成されたテープ切断装置8の第4例では、振動発生部M87が振動部材87を振動させると、振動部材87に接触するキャリアテープTPにも振動が伝わり、これをきっかけにキャリアテープTPが重力で落下してテープ切断部81のテープ切断部81へと向かう。こうして、埃を舞い上げることなく、テープフィーダー5から排出されたキャリアテープTPをテープ切断部81へ向けて送ることが可能となっている。
【0055】
このように上記実施形態では、部品実装機1が本発明の「部品実装機」の一例に相当し、実装ヘッド31が本発明の「実装ヘッド」の一例に相当し、テープフィーダー5が本発明の「テープフィーダー」の一例に相当し、キャリアテープTPが本発明の「テープ」の一例に相当し、部品Pが本発明の「部品」の一例に相当し、部品供給位置50が本発明の「部品供給位置」の一例に相当し、テープ切断装置8が本発明の「テープ切断装置」の一例に相当する。また、テープ切断部81が本発明の「テープ切断部」の一例に相当し、ガイドケース83が本発明の「ガイド部材」の一例に相当し、テープ送り部84が本発明の「テープ送り部」の一例に相当する。さらに、テープ切断装置8の第1例および第2例では、回転ブラシ85が本発明の「接触部材」および「回転部材」の一例に相当し、回転軸Aが本発明の「回転軸」の一例に相当し、配列方向Xが本発明の「配列方向」の一例に相当し、モーターM85が本発明の「第1の駆動部」の一例に相当する。また、テープ切断装置8の第3例では、弾性部材86A、86Bそれぞれが本発明の「接触部材」および「第1の接触部材」の一例に相当し、駆動部M86が本発明の「第2の駆動部」の一例に相当する。また、テープ切断装置8の第4例では、振動部材87が本発明の「第2の接触部材」の一例に相当し、振動発生部M87が本発明の「振動発生部」の一例に相当する。
【0056】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、テープ切断装置8の第1例および第2例では、本発明の「回転部材」として回転ブラシ85が用いられていた。しかしながら、例えば周面にスポンジを有するローラー等、その周面に接するキャリアテープTPを回転することで送ることができる部材であれば、本発明の「回転部材」として用いることができる。
【0057】
また、テープ切断装置8の第3例では、弾性部材86A、86Bのうち、弾性部材86Aを駆動部M86で駆動していた。しかしながら、弾性部材86A、86Bのうち、弾性部材86Bを駆動するように構成しても良いし、両方を駆動するように構成しても良い。
【0058】
また、テープ切断装置8の第4例の弾性部材86A、86Bの具体的構成は板バネに限られない。つまり、図8に示す動作を実現できるものであれば、弾性部材86A、86Bとして用いることができる。
【0059】
また、テープ切断部81の具体的構成は上記に限られず、要するにキャリアテープTPを切断できるものであれば良い。
【0060】
また、ガイドケース83の形状も上記の例に限られない。
【0061】
また、テープフィーダー5のタイプも上記のように、2本のキャリアテープTPを装着できるものに限られない。したがって、1本のキャリアテープTPのみが装着可能なテープフィーダー5が排出するキャリアテープTPを切断するために上記のテープ切断装置8を用いることができる。ちなみに、このタイプのテープフィーダー5を用いる場合には、作業者は、キャリアテープTPが使い切られる直前に当該キャリアテープTPに新たなキャリアテープTPを繋ぐスプライシングを適宜実行する。
【符号の説明】
【0062】
1…部品実装機、
31…実装ヘッド、
5…テープフィーダー、
50…部品供給位置、
8…テープ切断装置、
81…テープ切断部、
83…ガイドケース(ガイド部材)、
84…テープ送り部、
85…回転ブラシ(接触部材、回転部材)、
A…回転軸、
85A…接触部分(接触部材がテープに接触する部分)、
86A、86B…弾性部材(接触部材、第1の接触部材)、
R…先端部分(接触部材がテープに接触する部分)、
87…振動部材(第2の接触部材)、
M85…モーター(第1の駆動部)、
M86…駆動部(第2の駆動部)、
M87…振動発生部、
R83…排出経路、
TP…キャリアテープ(テープ)、
P…部品、
W…幅、
X…配列方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9