【実施例1】
【0035】
以下、本発明の実施例(実施例1を含む。)に係るタッチ入力装置T1について
図1A〜
図1Bを参照しつつ説明する。
図1A及び
図1Bには、実施例1に係るタッチ入力装置T1が示されている。
【0036】
タッチ入力装置T1は画像表示装置Dの前側(光の
射出側)に配置可能である。また、タッチ入力装置T1はサングラス等の偏光板Gと画像表示装置Dとの間に配置することも可能である。ユーザーは、偏光板G及びタッチ入力装置T1を通じて画像表示装置Dの表示を視認可能であるし、偏光板Gを介さずタッチ入力装置T1を通じて画像表示装置Dの表示を視認可能である。タッチ入力装置T1のリタデーション値は、2000〜8000nmであると良いが、これに限定されることはない。なお、
図1Aに示されるZ−Z’方向は、タッチ入力装置T1の厚み方向に相当する。Z方向は、画像表示装置Dの光の射出方向に相当し、Z’方向は射出方向の反対方向に相当する。
図1A〜
図1Bに示されるY−Y’方向は、タッチ入力装置T1の長手方向に相当する。Y−Y’方向はZ−Z’方向に直交している。
図1Bに示されるX−X’方向は、タッチ入力装置T1の短手方向に相当する。X−X’方向は、Z−Z’方向及びY−Y’方向に直交している。
【0037】
画像表示装置Dは、例えば、液晶ディスプレイ (LCD)、プラズマディスプレイ (PDP)、有機ELディスプレイ (OLED)、又はDLPプロジェクタ (DLP)等である。画像表示装置Dは、バックライト光源として白色LEDを備えていても良いが、これに限定されることはない。
【0038】
タッチ入力装置T1は、複数の基材100と、少なくとも一つの粘着層200とを備えている。複数の基材100は、Z−Z’方向に積層されており且つ当該基材100を通じて画像表示装置Dの表示を視認可能となる程度の透明性を有している。基材100は、部分的に透明であっても良いし、全体的に透明であっても良い。
【0039】
少なくとも一つの粘着層200は、Z−Z’方向で隣り合う二つの基材100を貼り合わせることができるものであれば良い。例えば、粘着層200は、粘着剤又はOCA(
Optically Clear Adhesive;登録商標)フィルム等とすることが可能である。
【0040】
複数の基材100は、少なくとも第1基材100a及び第2基材100bを含んでいる。第1基材100a及び第2基材100bは、第1面と、その反対側の第2面とを各々有している。第1基材100aの第2面及び第2基材100bの第1面がZ−Z’方向において粘着層200で貼り合わされている。第1基材100a及び第2基材100bは電極基材層としての処理がされている。第1基材100a及び第2基材100bが後記する
光学フィルム積層体を構成している。
【0041】
第1基材100a及び第2基材100bは、押出成形機によって二軸延伸されたフィルムで構成されている。この二軸延伸フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム、ポリイミド(PI)
フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
フィルム又はポリアミドフィルム等とすることが可能である。第1基材100a及び第2基材100bの進相軸のなす角度は略平行(10°以下)となっている。なお、複数の基材100は、第1基材100a及び第2基材100b以外の基材を含んでいても良い。この基材は、上記二軸延伸されたフィルムで構成されていても良いし、二軸延伸フィルム以外の可撓性を有するフィルム(例えば、二軸延伸されていない上記フィルムや高リタデーションフィルム等の光学フィルム)で構成されていても良い。
【0042】
全ての基材100が上記二軸延伸フィルムで構成され且つ当該基材100の進相軸のなす角度は略平行(10°以下)とすることが可能である。この場合、1)全ての基材100の進相軸が画像表示装置Dの偏光軸に対する角度が略45°となるように配置されるようになっていても良いし、2)全ての基材100の進相軸が画像表示装置Dの偏光軸に対して略平行又は略直交するように配置されるようになっていても良い。1)の場合、画像表示装置Dから
射出される直線偏光が基材100で円偏光(楕円偏光を含む)に変換される。直線偏光は、偏光板
Gを通して見ると、両者の軸関係に応じて透過光量が変化するが、円偏光の場合は変化しないので、偏光板
Gを介した画像表示装置Dの表示の視認性が向上する。2)の場合、基材100が等方性部材として機能するため、画像表示装置Dから
射出される直線偏光は、基材100を通過しても直線偏光の状態が保たれる。一般的に、画像表示装置Dの偏光軸は、偏光板
Gの吸収軸に対して直交又は45°に位置しているので、画像表示装置Dから
射出され、基材100を通過した直線偏光の光は偏光板
Gにカットされない。この場合も、偏光板
Gを介した画像表示装置Dの表示の視認性が向上する。
【0043】
タッチ入力装置T1は、複数の第1電極110a及び複数の第2電極110bを更に備えている。第1電極110a及び第2電極110bは、静電容量型のタッチ入力装置T1の電極である。第1電極110aは、
図1Bに示されるように、Y−Y’方向に延びた透明導電膜又は導体であって、第1基材100aの第1面上にX−X’方向に間隔をあけて設けられている。第2電極110bは、X−X’方向に延びた透明導電膜又は導体であって、第2基材100bの第1面上にY−Y’方向に間隔をあけて設けられている。第2電極110bは第1電極110aに対して交差又は
図1Bに示すように直交している。なお、第1基材100aの第1面には、第1電極110aを覆うように電極保護層(レジスト層)が設けられていても良い。
【0044】
前記透明導電膜は、例えば、ITO(酸化インジウム+酸化錫)、CNT(カーボンナノチューブ)、IZO(酸化インジウム+酸化亜鉛)、AZO(AIドープ酸化亜鉛)又は導電性高分子(PEDOT又はPSS)等で構成可能である。前記導体は、例えば、感光性銀、銀ナノインク、銀ナノワイヤ、蒸着銅、圧延銅又は銅ナノインク等とすることが可能である。
【0045】
タッチ入力装置T1は、カバーパネル300を更に備えていても良い。カバーパネル300は、第1基材100aのZ方向側に配置されていている又は
図1Aに示されるように、第1基材100aのZ方向側に位置するように第1基材100aに粘着層200で固着されている。
【0046】
以下、タッチ入力装置T1を製造する第1製造方法について
図2〜
図5Bを参照しつつ説明する。この第1製造方法では
、押出成形機によって二軸延伸された原反フィルムFを使用する。この原反フィルムFは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム、ポリイミド(PI)
フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
フィルム又はポリアミドフィルム等であって、ロール状に巻かれている。原反フィルムFの長手方向が原反フィルムFのMD方向(Machine Direction)であり、原反フィルムFの短手方向が原反フィルムFのTD方向(Transverse Direction)である。
【0047】
原反フィルムFは、
図3Aに示されるように、少なくとも一つの有効エリアF1を有している。少なくとも一つの有効エリアF1は、原反フィルムFのTD方向の一部分のエリアであり且つ原反フィルムFのMD方向に延びている。少なくとも一つの有効エリアF1は、少なくとも一つの第1部F11及び第2部F12を有している。少なくとも一つの第1部F11及び第2部F12は、互いに同じ形であり且つ有効エリアF1のMD方向の異なる部分である。後記する第1部F11及び第2部F12を貼り合わせるときに、第1部F11及び第2部F12が互いに完全に重なるように、原反フィルムFの有効エリアF1における第1部F11及び第2部F12の向き及びTD方向の位置が一致している。
図3Aでは、第1部F11及び第2部F12は長方形であり、各有効エリアF1において、全ての第1部F11及び第2部F12の向き及びTD方向の位置が一致している。
【0048】
第1製造方法は、以下のA)〜C)の何れかの態様とすることが可能である。何れの態様でも、原反フィルムFをロール・ツー・ロール(Roll to Roll) 方式等で連続的にMD方向に移動させながら行っても良いし、原反フィルムFのMD方向の端部を原反フィルムFのロールからMD方向に引き出した状態で行っても良い。なお、
図3A〜
図5Bでは、有効エリアF1、第1部F11、第2部F12、第1部F11の進相軸、第2部F12の進相軸及び原反フィルムFの進相軸が破線で示されている。
図3B〜
図5Bでは、第1電極群及び第2電極群が図示省略されている。
【0049】
A)原反フィルムFを用意する(S1)。原反フィルムFは一つの有効エリアF1を有している。一つの有効エリアF1が第1部F11及び第2部F12を少なくとも一つずつ有している。有効エリアF1が複数の第1部F11及び複数の第2部F12を有する場合、第1部F11がMD方向に一列で並んでおり且つ第2部F12がMD方向に一列で並んでいる。一つの有効エリアF1において、複数の第1部F11のMD方向の間隔と、複数の第2部F12のMD方向の間隔は同じである。
【0050】
有効エリアF1の少なくとも一つの第1部F11の第1面上に第1電極群を形成する(S2)。具体的には、以下の1)〜3)の何れかの方法で、第1電極群を作成可能である。1)原反フィルムFの第1面上全体又は第1部F11の第1面上に上記透明導電膜又は上記導体を形成する。なお、前記透明導電膜又は前記導体は、S1において用意される原反フィルムFの第1面に予め形成されていても良い。前記透明導電膜又は前記導体上にレジストを塗布する。当該レジストに対してマスクを用いて露光、現像を行い、レジストにパターニングを行う。このパターニングによってレジストから露出した前記透明導電膜又は前記導体をエッチングし、少なくとも一つの第1部F11の第1面上に第1電極群を形成する。その後、レジストは除去される。2)原反フィルムFの第1部F11の第1面上にレジストを塗布する。当該レジストに対してマスクを用いて露光、現像を行い、レジストにパターニングを行う。その後、上記導体を蒸着等行い、少なくとも一つの第1部F11の第1面上に第1電極群を形成する。その後、レジストは除去される。3)原反フィルムFの第1面上に周知の印刷法(例えば、スクリーン印刷法やインクジェット印刷法)を用いて第1電極群を印刷する。この場合、第1電極群は上記導体となる。その後、図示しない第1裁断機を使用して原反フィルムFを裁断し、少なくとも一つの第1部F11を含む第1個片P1を作成する(S3(
図3B参照))。
【0051】
第1電極群を形成する方法と同様の方法で、第2部F12の第1面上に第2電極群を形成する(S4)。その後、第1裁断機を使用して原反フィルムFを裁断し、少なくとも一つの第2部F12を含む第2個片P2を作成する(S5)。なお、S2及びS4の後に、S3及びS5を行っても良い。
【0052】
第1個片P1及び第2個片P2の作成後、第1個片P1の少なくとも一つの第1部F11及び第2個片P2の少なくとも一つの第2部F12の向きを裁断前の向きと略同じ状態(換言すると、第1個片P1及び第2個片P2の向きを裁断前の向きと略同じ状態)で、第1個片P1の少なくとも一つの第1部F11の第1面の裏側の第2面と第2個片P2の少なくとも一つの第2部F12の第1面とを粘着層200で貼り合わせる(S6(
図4参照))。このS6では、第1個片P1及び第2個片P2の各々に目印を複数形成しておき、第1個片P1の複数の目印と第2個片P2の複数の目印を各々一致させることで、第1個片P1の少なくとも一つの第1部F11と第2個片P2の少なくとも一つの第2部F12との位置合わせを行っても良い。又は、第1個片P1の外形と第2個片P2の外形を一致させることで、第1個片P1の少なくとも一つの第1部F11と第2個片P2の少なくとも一つの第2部F12との位置合わせを行っても良い。この場合、第1個片P1のTD方向の寸法と第2個片P2のTD方向の寸法を一致させると共に、第1個片P1のMD方向の寸法と第2個片P2のMD方向の寸法を一致させると良い。
【0053】
第1個片P1が複数の第1部F11を有し、第2個片P2が複数の第2部F12を有する場合、S6で第1部F11と第2部F12を各々貼り合わせた後、第1個片P1及び第2個片P2を図示しない第2裁断機を使用して裁断し、貼り合わせた第1部F11及び第2部F12を一つずつ有する光学フィルム積層体を複数作成する(S7)。一方、第1個片P1が一つの第1部F11を有し、第2個片P2が一つの第2部F12を有する場合、第1部F11及び第2部F12の貼り合わせによって、第1部F11及び第2部F12を有する一つの光学フィルム積層体が得られる。この場合S7は省略される。
【0054】
B)原反フィルムFを用意する(S1)。原反フィルムFは複数の有効エリアF1を有している(
図3A参照)。複数の有効エリアF1は、互いに原反フィルムFのTD方向の異なる部分のエリアである。各有効エリアF1が第1部F11及び第2部F12を一つずつ有している。複数の有効エリアF1のうち、隣り合う有効エリアF1の第1部F11のMD方向の位置関係と、隣り合う有効エリアF1の第2部F12のMD方向の位置関係とが一致している。
【0055】
その後、上記A)の第1電極群の形成工程と同様に、複数の有効エリアF1の第1部F11の第1面上に第1電極群を各々形成する(S2)。その後、第1裁断機を使用して原反フィルムFを裁断し、複数の有効エリアF1の第1部F11を含む第1個片P1を作成する(S3)。このようにして得られた第1個片P1は複数の第1部F11を有する。
【0056】
また、上記A)の第2電極群の形成工程と同様に、複数の有効エリアF1の第2部F12の第1面上に第2電極群を各々形成する(S4)。その後、第1裁断機を使用して原反フィルムFを裁断し、複数の有効エリアF1の第2部F12を含む第2個片P2を作成する(S5)。このようにして得られた第2個片P2は複数の第2部F12を有する。なお、S2及びS4の後に、S3及びS5を行っても良い。
【0057】
第1個片P1及び第2個片P2の作成後、第1個片P1の複数の有効エリアF1の第1部F11及び第2個片P2の複数の有効エリアF1の第2部F12の向きを裁断前の向きと略同じ状態(換言すると、第1個片P1及び第2個片P2の向きを裁断前の向きと略同じ状態)で、複数の有効エリアF1の第1部F11の第2面と複数の有効エリアF1の第2部F12の第1面とを各々粘着層200で貼り合わせる(S6)。貼り合わされる第1部F11及び第2部F12の各々は、複数の有効エリアF1のうち同じ有効エリアF1内に位置している。例えば、複数の有効エリアF1が二つの有効エリアF1を含む場合、二つの有効エリアF1のうちの一つの有効エリアF1の第1部F11及び第2部F12を粘着層200で貼り合わせると同時に、別の一つの有効エリアF1の第1部F11及び第2部F12を粘着層200で貼り合わせる。このS6でも、上記A)のS6のとおり、第1個片P1の複数の目印と第2個片P2の複数の目印とを各々一致させることで第1部F11及び第2部F12を各々位置合わせしても良いし、第1個片P1の外形と第2個片P2の外形を一致させることで第1部F11及び第2部F12を各々位置合わせしても良い。
【0058】
その後、第2裁断機を使用して第1個片P1及び第2個片P2を裁断し、貼り合わされた第1部F11及び第2部F12を一つずつ有する光学フィルム積層体を複数作成する(S7)。
【0059】
C)原反フィルムFを用意する(S1)。原反フィルムFは、
図3Aに示されるように、複数の有効エリアF1を有している。各有効エリアF1は、複数の第1部F11及び複数の第2部F12を有している。各有効エリアF1において、複数の第1部F11がMD方向に一列で並んでおり且つ第2部F12がMD方向に一列で並んでいる。各有効エリアF1において、複数の第1部F11のMD方向の間隔と、複数の第2部F12のMD方向の間隔は同じである。
【0060】
その後、上記A)の第1電極群の形成工程と同様に、複数の有効エリアF1の複数の第1部F11の第1面上に第1電極群を各々形成する(S2)。その後、
図3Bに示されるように、第1裁断機を使用して原反フィルムFを裁断し、複数の有効エリアF1の複数の第1部F11を含む第1個片P1を作成する(S3)。このようにして得られ
た第1個片P1は複数の有効エリアF1に各々対応する複数列を有し、各列において複数の第1部F11がMD方向に並んでいる。
【0061】
また、上記A)の第2電極群の形成工程と同様に、複数の有効エリアF1の複数の第2部F12の第1面上に第2電極群を各々形成する(S4)。その後、第1裁断機を使用して原反フィルムFを裁断し、複数の有効エリアF1の複数の第2部F12を含む第2個片P2を作成する(S5)。このようにして得られた第2個片P2は複数の有効エリアF1に対応する複数列を有し、各列において複数の第2部F12がMD方向に並んでいる。なお、S2及びS4の後に、S3及びS5を行っても良い。
【0062】
その後、
図4に示されるように、第1個片P1の複数列の複数の第1部F11及び第2個片P2の複数列の複数の第2部F12の向きを裁断前の向きと略同じ状態(換言すると、第1個片P1及び第2個片P2の向きを裁断前の向きと略同じ状態)で、複数の第1部F11の第2面と複数の第2部F12の第1面を各々粘着層200で貼り合わせる(S6)。貼り合わされる第1部F11及び第2部F12の各々は、複数列(複数の有効エリアF1)のうち対応する列(同じ有効エリアF1)内に位置している。なお、
図4では、複数の有効エリアF1が二つの有効エリアF1を含み、そのうちの一つの有効エリアF1(
図4の上列)では、第1部F11が第1部F111、F112、F113を含み且つ第2部F12が第2部F121、F122、F123を含んでおり、別の一つの有効エリアF1(
図4の下列)では、第1部F11が第1部F114、F115、F116を含み且つ第2部F12が第2部F124、F125、F126を含んでいる。S6において、上列の第1部F111、F112、F113と上列の第2部F121、F122、F123とを各々粘着層200で貼り合わせると同時に、下列の第1部F114、F115、F116と下列の第2部F124、F125、F126とを各々粘着層200で貼り合わせる。このS6でも、上記A)のS6のとおり、第1個片P1の複数の目印と第2個片P2の目印を各々一致させることで第1部F11及び第2部F12を各々位置合わせしても良いし、第1個片P1の外形と第2個片P2の外形を一致させることで第1部F11及び第2部F12を各々位置合わせしても良い。
【0063】
その後、
図5A及び
図5Bに示されるように、第2裁断機を使用して第1個片P1及び第2個片P2を裁断して、貼り合わされた第1部F11及び第2部F12を一つずつ有する光学フィルム積層体を複数作成する(S7)。なお、
図5Aでは、貼り合わされた第1部F111及び第2部F121を有する光学フィルム積層体が示されているが、貼り合わされた第1部F111及び第2部F121が説明の便宜上、互いに離間して示されている。
図5Bでは、貼り合わされた第1部F114及び第2部F124を有する光学フィルム積層体が示されているが、貼り合わされた第1部F114及び第2部F124が説明の便宜上、互いに離間して示されている。
【0064】
以上のとおりに得られた少なくとも一つの光学フィルム積層体では、第1部F11及び第2部F12は第1基材100a及び第2基材100bとなる。第1基材100aの進相軸のなす角度と第2基材100bの進相軸のなす角度は、略平行(10°以下)となる。第1基材100aの第1面上の第1電極群は、複数の第1電極110aとなり、第2基材100bの第1面上の第2電極群は、複数の第2電極110bとなる。このような少なくとも一つの光学フィルム積層体がタッチ入力装置T1となる。タッチ入力装置T1がカバーパネル300を備えている場合、少なくとも一つの光学フィルム積層体を得た後(上記A)〜C)の何れかのS7後)、当該光学フィルム積層体の第1基材100aの第1面にカバーパネル300を粘着層200で貼り合わせると良い。
【0065】
なお、複数の有効エリアF1が第1有効エリアF1と第2有効エリアF1とを含む場合、第1有効エリアF1から得られる第1部F11及び第2部F12の進相軸のなす角度と、第2有効エリアF1から得られる第1部F11及び第2部F12の進相軸のなす角度とが略平行となるように、第1有効エリアF1の第1部F11及び第2部F12が、第2有効エリアF1の第1部F11及び第2部F12に対して各々傾斜していても良い。
図6では、図示上側の第1有効エリアF1から得られる第1部F111、F112、F113及び第2部F121、F122、F123の進相軸のなす角度と、図示下側の第2有効エリアF1から得られる第1部F114、F115、F116及び第2部F124、F125、F126の進相軸のなす角度とが略平行となるように、第1有効エリアF1の第1部F111、F112、F113及び第2部F121、F122、F123が、第2有効エリアF1の第1部F114、F115、F116及び第2部F124、F125、F126に対して斜めに傾斜している。この場合も、上記した何れかの態様の第1製造方法によって光学フィルム積層体を製造することが可能である。第1有効エリアF1から
図7Aに示される光学フィルム積層体が得られ、第2有効エリアF1から
図7Bに示される光学フィルム積層体が得られる。前者の光学フィルム積層体の第1部F111及び第2部F121の進相軸のなす角度と、後者の光学フィルム積層体の第1部F114及び第2部F124の進相軸のなす角度とが略平行となる。
【0066】
以下、タッチ入力装置T1を製造する第2製造方法について
図8を参照しつつ説明する。この第2製造方法は、S5が省略されており(第2個片P2を作成しない。)且つS6〜S7の代りにS5’〜S6’を備える点で第1製造方法と相違している。この相違点以外は、第2製造方法は第1製造方法と同じであるので、以下、その相違点についてのみA)〜C)の態様に分けて詳しく説明し、第1製造方法と重複する説明は省略する。第2製造方法のA)〜C)の態様は、第1製造方法のA)〜C)の態様に対応している。なお、第2製造方法では、S4はS3の前又は後に行うことが可能である。
【0067】
A)上記S3及びS4の後、第1個片P1の少なくとも一つの第1部F11の向きを裁断前の向きと略同じ状態(換言すると、第1個片P1の向きを裁断前の向きと略同じ状態)で、第1個片P1の少なくとも一つの第1部F11の第2面と原反フィルムFの少なくとも一つの第2部F12の第1面とを粘着層200で貼り合わせる(S5’)。このS5’では、第1個片P1及び原反フィルムFの各々に目印を複数形成しておき、第1個片P1の複数の目印と原反フィルムFの複数の目印を各々一致させることで、第1個片P1の少なくとも一つの第1部F11と原反フィルムFの少なくとも一つの第2部F12との位置合わせを行うことが可能である。
【0068】
第1個片P1が一つの第1部F11を有し、原反フィルムFが一つの第2部F12を有する場合、第1個片P1及び原反フィルムFを図示しない第2裁断機を使用して裁断し、貼り合わせた第1部F11及び第2部F12を有する光学フィルム積層体を一つ作成する(S6’)。一方、第1個片P1が複数の第1部F11を有し、原反フィルムFが複数の第2部F12を有する場合、第1個片P1及び原反フィルムFを図示しない第2裁断機を使用して裁断し、貼り合わせた第1部F11及び第2部F12を一つずつ有する光学フィルム積層体を複数作成する(S6’)。
【0069】
B)上記S3及びS4の後、第1個片P1の複数の有効エリアF1の第1部F11の向きを裁断前の向きと略同じ状態(換言すると、第1個片P1の向きを裁断前の向きと略同じ状態)で、第1個片P1の複数の有効エリアF1の第1部F11の第2面と原反フィルムFの複数の有効エリアF1の第2部F12の第1面とを各々粘着層200で貼り合わせる(S5’)。貼り合わされる第1部F11及び第2部F12の各々は、複数の有効エリアF1のうち同じ有効エリアF1内に位置している。例えば、複数の有効エリアF1が二つの有効エリアF1を含む場合、そのうちの一つの有効エリアF1の第1部F11及び第2部F12を粘着層200で貼り合わせると同時に、別の一つの有効エリアF1の第1部F11及び第2部F12を粘着層200で貼り合わせる。このS5’でも、上記A)のS
5’のとおり第1個片P1の複数の目印と原反フィルムFの複数の目印を各々一致させて第1部F11及び第2部F12を各々位置合わせしても良い。
【0070】
その後、図示しない第2裁断機を使用して第1個片P1及び原反フィルムFを裁断し、貼り合わされた第1部F11及び第2部F12を一つずつ有する光学フィルム積層体を複数作成する(S6’)。
【0071】
C)上記S3及びS4の後、第1個片P1の複数列の複数の第1部F11の向きを裁断前の向きと略同じ状態(換言すると、第1個片P1の向きを裁断前の向きと略同じ状態)で、第1個片P1の複数の第1部F11の第2面と原反フィルムFの複数の第2部F12の第1面を各々粘着層200で貼り合わせる(S5’)。貼り合わされる第1部F11及び第2部F12の各々は、複数列(複数の有効エリアF1)のうち対応する列(同じ有効エリアF1)内に位置している。例えば、複数の有効エリアF1が二つの有効エリアF1を含む場合、そのうちの一つの有効エリアF1の複数の第1部F11及び複数の第2部F12を粘着層200で各々貼り合わせると同時に、別の一つの有効エリアF1の複数の第1部F11及び複数の第2部F12を粘着層200で各々貼り合わせる。このS5’でも、上記A)のS
5’のとおり第1個片P1の複数の目印と原反フィルムFの複数の目印を各々一致させて第1部F11及び第2部F12を各々位置合わせしても良い。
【0072】
その後、第2裁断機を使用して第1個片P1及び原反フィルムFを裁断して、貼り合わされた第1部F11及び第2部F12を一つずつ有する光学フィルム積層体を複数作成する(S6’)。
【0073】
以上のとおりに得られた少なくとも一つの光学フィルム積層体でも、第1部F11及び第2部F12は第1基材100a及び第2基材100bとなる。第1基材100aの進相軸のなす角度と第2基材100bの進相軸のなす角度は、略平行(10°以下)となる。第1基材100aの第1面上の第1電極群は、複数の第1電極110aとなり、第2基材100bの第1面上の第2電極群は、複数の第2電極110bとなる。このような少なくとも一つの光学フィルム積層体がタッチ入力装置T1となる。タッチ入力装置T1がカバーパネル300を備えている場合、少なくとも一つの光学フィルム積層体を得た後(上記A)〜C)の何れかのS6’後)、当該光学フィルム積層体の第1基材100aの第1面にカバーパネル300を粘着層200で貼り合わせると良い。
【0074】
なお、第2製造方法において用いられる原反フィルムFの複数の有効エリアF1が第1有効エリアF1と第2有効エリアF1を含む場合、第1製造方法と同様に、第1有効エリアF1から得られる第1部F11及び第2部F12の進相軸のなす角度と、第2有効エリアF1から得られる第1部F11及び第2部F12の進相軸のなす角度とが略平行となるように、第1有効エリアF1の第1部F11及び第2部F12が、第2有効エリアF1の第1部F11及び第2部F12に対して各々傾斜していても良い(
図6参照)。
【0075】
以上のようなタッチ入力装置T1、第1製造方法及び第2製造方法は、以下の技術的特徴及び効果を奏する。第1は、貼り合わされた二つの基材100の進相軸のなす角度のバラツキを低減できる。本発明者は、二軸延伸された原反フィルムFにおいて、原反フィルムFの短手方向の一部分のエリアである有効エリアF1の第1部F11及び第2部F12は、当該有効エリアF1の長手方向のどの部分であっても(例えば、原反フィルムFの長手方向の一端から1mの部分であっても100mmの部分であっても)、当該第1部F11及び第2部F12の進相軸をなす角度のバラツキが殆どない(概ね3°以下となる)知見を得た。このため、同じ有効エリアF1の第1部F11及び第2部F12を貼り合わせて光学フィルム積層体の二つの基材100とすることで、二つの基材100の進相軸をなす角度のバラツキを低減することができる。但し、本発明において、少なくとも一つの有効エリアF1の第1部F11及び第2部F12の進相軸をなす角度のバラツキは10°以下であれば良い。
【0076】
第2に、タッチ入力装置T1を量産化することができる。その理由は以下の通りである。上記したように、同じ有効エリアF1の長手方向の異なる部分である第1部F11及び第2部F12を貼り合わせるだけであるので、第1部F11及び第2部F12の進相軸をなす角度を測定等する必要がない。原反フィルムFが複数の有効エリアF1を有し、各有効エリアF1が少なくとも一つの第1部F11及び第2部F12を有する場合、又は原反フィルムFの一つの有効エリアF1が複数の第1部F11及び複数の第2部F12を有する場合、一度に複数の第1部F11及び複数の第2部F12を各々貼り合わせ、第1部F11及び第2部F12を一つずつ有する光学フィルム積層体を複数得ることができるので、光学フィルム積層体を用いてタッチ入力装置T1を更に量産化することができる。
【0077】
第3に、複数の有効エリアF1が第1有効エリアF1と第2有効エリアF1を含む場合、第1有効エリアF1から得られた光学フィルム積層体の第1部F111及び第2部F121の進相軸のなす角度と、第2有効エリアF1から得られた光学フィルム積層体の第1部F114及び第2部F124の進相軸のなす角度とを略平行にできる。その理由は以下の通りである。第1有効エリアF1から得られる光学フィルム積層体の第1部F11及び第2部F12の進相軸のなす角度と、第2有効エリアF1から得られる光学フィルム積層体の第1部F11及び第2部F12の進相軸のなす角度とが略平行となるように、第1有効エリアF1の第1部F11及び第2部F12が、第2有効エリアF1の第1部F11及び第2部F12に対して各々傾斜している。
【0078】
第4に、上記第2製造方法の場合、第2個片P2を作成する必要がないので、工程数を低減することができる。
【実施例2】
【0079】
以下、本発明の別の実施例(実施例2を含む。)に係るタッチ入力装置T2について
図9を参照しつつ説明する。
図9には、実施例2に係るタッチ入力装置T2が示されている。タッチ入力装置T2は、下記相違点以外、タッチ入力装置T1と同様の構成となっている。相違点1)複数の基材100が第3基材100cを更に含んでいる。相違点2)粘着層200が複数である。相違点3)第2電極110bが第2基材100bの第1面上ではなく、第3基材100cの第1面上に形成されている。以下、これらの相違点についてのみ詳しく説明し、タッチ入力装置T1と重複する説明は省略する。
図9においても、Z−Z’方向及びY−Y’方向が示されている。X−X’方向については、
図1Bを借りて参照する。
【0080】
第3基材100cは、第1基材100a及び第2基材100bと同様に、上記二軸延伸フィルムで構成されている。第3基材100cは、第1面と、その反対側の第2面とを有している。第1基材100a、第2基材100b及び第3基材100cが、この順でZ−Z’方向に積層されている。換言すると、第1基材100aの第2面と第2基材100bの第1面とが粘着層200(第1粘着層)で貼り合わされ、且つ第3基材100cの第1面と第2基材100bの第2面とが別の粘着層200(第2粘着層)で貼り合わされている。第1基材100a、第2基材100b及び第3基材100cの進相軸のなす角度は略平行(10°以下)となっている。
【0081】
第2電極110bは、X−X’方向に延びた上記透明導電膜又は上記導体であって、第3基材100cの第1面上にY−Y’方向に間隔をあけて設けられている。第2電極110bは第1電極110aに対して交差又は直交している。
【0082】
以下、タッチ入力装置T2の少なくとも一つの光学フィルム積層体を製造する第3製造方法について
図10〜
図12を参照しつつ説明する。第3製造方法では、押出成形機によって二軸延伸された原反フィルムF’を使用する。原反フィルムF’は、
図11に示されるように、少なくとも一つの有効エリアF1が、少なくとも一つの第1部F11、第2部F12及び第3部F13を有している点で、原反フィルムFと相違している以外、原反フィルムFと同様の構成である。少なくとも一つの第1部F11、第2部F12及び第3部F13は、互いに同じ形であり且つ有効エリアF1のMD方向(長手方向)の異なる部分である。後記する第1部F11及び第2部F12を貼り合わせるときに、第1部F11及び第2部F12が互いに完全に重なるように、原反フィルムF’の有効エリアF1における第1部F11’及び第2部F12’の向き及びTD方向(短手方向)の位置が一致しており、且つ第2部F12及び第3部F13を貼り合わせるときに、第2部F12及び第3部F13が互いに完全に重なるように、原反フィルムF’の有効エリアF1における第2部F12及び第3部F13の向き及びTD方向の位置が一致している。
図11では、第1部F11、第2部F12及び第3部F13は長方形であり、各有効エリアF1において、全ての第1部F11、第2部F12及び第3部F13の向き及びTD方向の位置が一致している。
【0083】
第3製造方法は、以下のA)〜C)の何れかの態様とすることが可能である。何れの態様でも、原反フィルムF’をロール・ツー・ロール(Roll To Roll) 方式等で連続的にMD方向に移動させながら行っても良いし、原反フィルムF’のMD方向の端部を原反フィルムF’のロールからMD方向に引き出した状態で行っても良い。なお、
図11及び
図12では、有効エリアF1、第1部F11、第2部F12、第3部F13、第1部F11の進相軸、第2部F12の進相軸、第3部F13の進相軸及び原反フィルムF’の進相軸が破線で示されている。
図11及び
図12では、第1電極群及び第2電極群が図示省略されている。
【0084】
A)原反フィルムF’を用意する(S10)。原反フィルムF’は一つの有効エリアF1を有している。一つの有効エリアF1が、第1部F11、第2部F12及び第3部F13を少なくとも一つずつ有している。有効エリアF1が複数の第1部F11、複数の第2部F12及び複数の第3部F13を有する場合、第1部F11がMD方向に一列で並んでおり、第2部F12がMD方向に一列で並んでおり且つ第3部F13がMD方向に一列で並んでいる。一つの有効エリアF1において、複数の第1部F11のMD方向の間隔と、複数の第2部F12のMD方向の間隔と、複数の第3部F13のMD方向の間隔とは同じである。
【0085】
上記第1製造方法のA)のS2と同様に、有効エリアF1の少なくとも一つの第1部F11の第1面上に第1電極群を形成する(S11)。その後、図示しない第1裁断機を使用して原反フィルムF’を裁断し、少なくとも一つの第1部F11を含む第1個片P1を作成する(S12(
図11参照))。
【0086】
その後、第1裁断機を使用して原反フィルムF’を裁断し、少なくとも一つの第2部F12を含む第2個片P2を作成する(S13)。なお、S10において、用意される原反フィルムF’の第1面に、前記透明導電膜又は前記導体が予め形成されている場合、S13の前に、第2部F12の第1面上の前記透明導電膜又は前記導体をエッチング等で除去すると良い。
【0087】
その後、第1電極群を形成する方法と同様の方法で、第3部F13の第1面上に第2電極群を形成する(S14)。その後、第1裁断機を使用して原反フィルムF’を裁断し、少なくとも一つの第3部F13を含む第3個片P3を作成する(S15)。なお、S11及びS14の後に、S12、S13及びS15を行っても良い。
【0088】
第1個片P1及び第2個片P2の作成後、第1製造方法のA)のS6のとおりに、第1個片P1の少なくとも一つの第1部F11の第1面の裏側の第2面と第2個片P2の少なくとも一つの第2部F12の第1面とを粘着層200で貼り合わせる(S16(
図4を借りて参照))。
【0089】
S16後、第1個片P1の少なくとも一つの第1部F11、第2個片P2の少なくとも一つの第2部F12及び第3個片P3の少なくとも一つの第3部F13の向きを裁断前の向きと略同じ状態(換言すると、第1個片P1、第2個片P2及び第3個片P3の向きを裁断前の向きと略同じ状態)で、第2個片P2の少なくとも一つの第2部F12の第1面の裏側の第2面と第3個片P3の少なくとも一つの第3部F13の第1面とを粘着層200で貼り合わせる(S17(
図12参照))。このS17でも、第1製造方法のA)のS6と同様に、第2個片P2の複数の目印と第3個片P3の複数の目印とを各々一致させることで少なくとも一つの第2部F12及び少なくとも一つの第3部F13を位置合わせしても良いし、第1個片P1、第2個片P2及び第3個片P3の外形を一致させることで少なくとも一つの第2部F12及び少なくとも一つの第3部F13を位置合わせしても良い。
【0090】
第1個片P1が複数の第1部F11を有し、第2個片P2が複数の第2部F12を有し、且つ第3個片P3が複数の第3部F13を有する場合、S17で第2部F12と第3部F13を各々貼り合わせた後、第1個片P1、第2個片P2及び第3個片P3を図示しない第2裁断機を使用して裁断し、貼り合わせた第1部F11、第2部F12及び第3部F13を一つずつ有する光学フィルム積層体を複数作成する(S18)。一方、第1個片P1が一つの第1部F11を有し、第2個片P2が一つの第2部F12を有し且つ第3個片P3が一つの第3部F13を有する場合、第2部F12及び第3部F13の貼り合わせによって、第1部F11、第2部F12及び第3部F13を有する一つの光学フィルム積層体が得られる。この場合S18は省略される。
【0091】
B)原反フィルムF’を用意する(S10)。原反フィルムF’は複数の有効エリアF1を有している(
図10参照)。複数の有効エリアF1は、互いに原反フィルムF’のTD方向の異なる部分のエリアである。各有効エリアF1が、第1部F11、第2部F12及び第3部F13を一つずつ有している。複数の有効エリアF1のうち、隣り合う有効エリアF1の第1部F11のMD方向の位置関係と、隣り合う有効エリアF1の第2部F12のMD方向の位置関係とが一致している。
【0092】
その後、上記A)の第1電極群の形成工程と同様に、複数の有効エリアF1の第1部F11の第1面上に第1電極群を各々形成する(S11)。その後、第1裁断機を使用して原反フィルムF’を裁断し、複数の有効エリアF1の第1部F11を含む第1個片P1を作成する(S12)。このようにして得られた第1個片P1は複数の第1部F11を有する。
【0093】
その後、第1裁断機を使用して原反フィルムF’を裁断し、複数の有効エリアF1の第2部F12を含む第2個片P2を作成する(S13)。このようにして得られた第2個片P2は複数の第2部F12を有する。なお、S10において、用意される原反フィルムF’の第1面に、前記透明導電膜又は前記導体が予め形成されている場合、S13の前に、第2部F12の第1面上の前記透明導電膜又は前記導体をエッチング等で除去すると良い。
【0094】
その後、上記A)の第2電極群の形成工程と同様に、複数の有効エリアF1の第3部F13の第1面上に第2電極群を各々形成する(S14)。その後、第1裁断機を使用して原反フィルムF’を裁断し、複数の有効エリアF1の第3部F13を含む第3個片P3を作成する(S15)。このようにして得られた第3個片P3は複数の第3部F13を有する。なお、S11及びS14の後に、S12、S13及びS15を行っても良い。
【0095】
その後、第1製造方法のB)のS6のとおり、複数の有効エリアF1の第1部F11の第2面と複数の有効エリアF1の第2部F12の第1面とを各々粘着層200で貼り合わせる(S16)。貼り合わされる第1部F11及び第2部F12の各々は、複数の有効エリアF1のうち同じ有効エリアF1内に位置している。
【0096】
S16後、第1個片P1の複数の有効エリアF1の第1部F11、第2個片P2の複数の有効エリアF1の第2部F12及び第3個片P3の複数の有効エリアF1の第3部F13の向きを裁断前の向きと略同じ状態(換言すると、第1個片P1、第2個片P2及び第3個片P3の向きを裁断前の向きと略同じ状態)で、複数の有効エリアF1の第2部F12の第2面と複数の有効エリアF1の第3部F13の第1面とを各々粘着層200で貼り合わせる(S17)。貼り合わされる第2部F12及び第3部F13の各々は、複数の有効エリアF1のうち同じ有効エリアF1内に位置している。例えば、複数の有効エリアF1が二つの有効エリアF1を含む場合、二つの有効エリアF1のうちの一つの有効エリアF1の第2部F12及び第3部F13を粘着層200で貼り合わせると同時に、別の一つの有効エリアF1の第2部F12及び第3部F13を粘着層200で貼り合わせる。このS17でも、第3製造方法のA)のS17と同様に、第2個片P2の複数の目印と第3個片P3の複数の目印とを各々一致させることで第2部F12及び第3部F13を各々位置合わせしても良いし、第1個片P1、第2個片P2及び第3個片P3の外形を一致させることで第2部F12及び第3部F13を各々位置合わせしても良い。
【0097】
その後、第2裁断機を使用して第1個片P1、第2個片P2及び第3個片P3を裁断し、貼り合わせた第1部F11、第2部F12及び第3部F13を一つずつ有する光学フィルム積層体を複数作成する(S18)。
【0098】
C)原反フィルムF’を用意する(S10)。原反フィルムF’は、
図11に示されるように、複数の有効エリアF1を有している。各有効エリアF1は、複数の第1部F11、複数の第2部F12及び複数の第3部F13を有している。各有効エリアF1において、複数の第1部F11がMD方向に一列で並んでおり、第2部F12がMD方向に一列で並んでおり且つ第3部F13がMD方向に一列で並んでいる。各有効エリアF1において、複数の第1部F11のMD方向の間隔と、複数の第2部F12のMD方向の間隔と、複数の第3部F13のMD方向の間隔とは同じである。
【0099】
その後、上記A)の第1電極群の形成工程と同様に、複数の有効エリアF1の複数の第1部F11の第1面上に第1電極群を各々形成する(S11)。その後、
図11に示されるように、第1裁断機を使用して原反フィルムF’を裁断し、複数の有効エリアF1の複数の第1部F11を含む第1個片P1を作成する(S12)。このようにして得られたた第1個片P1は複数の有効エリアF1に各々対応する複数列を有し、各列において複数の第1部F11がMD方向に並んでいる。
【0100】
その後、第1裁断機を使用して原反フィルムF’を裁断し、複数の有効エリアF1の複数の第2部F12を含む第2個片P2を作成する(S13)。このようにして得られた第2個片P2は複数の有効エリアF1に対応する複数列を有し、各列において複数の第2部F12がMD方向に並んでいる。なお、S10において、用意される原反フィルムF’の第1面に、前記透明導電膜又は前記導体が予め形成されている場合、S13の前に、第2部F12の第1面上の前記透明導電膜又は前記導体をエッチング等で除去すると良い。
【0101】
また、上記A)の第2電極群の形成工程と同様に、複数の有効エリアF1の複数の第3部F13の第1面上に第2電極群を各々形成する(S14)。その後、第1裁断機を使用して原反フィルムF’を裁断し、複数の有効エリアF1の複数の第3部F13を含む第3個片P3を作成する(S15)。このようにして得られた第3個片P3は複数の有効エリアF1に対応する複数列を有し、各列において複数の第3部F13がMD方向に並んでいる。なお、S11及びS14の後に、S12、S13及びS15を行っても良い。
【0102】
その後、第1製造方法のC)のS6のとおり、複数の第1部F11の第2面と複数の第2部F12の第1面を各々粘着層200で貼り合わせる(S16)。貼り合わされる第1部F11及び第2部F12の各々は、複数列(複数の有効エリアF1)のうち対応する列(同じ有効エリアF1)内に位置している。
【0103】
その後、第1個片P1の複数列の複数の第1部F11、第2個片P2の複数列の複数の第2部F12及び第3個片P3の複数列の複数の第3部F13の向きを裁断前の向きと略同じ状態(換言すると、第1個片P1、第2個片P2及び第3個片P3の向きを裁断前の向きと略同じ状態)で、複数の第2部F12の第2面と複数の第3部F13の第1面を各々粘着層200で貼り合わせる(S17)。貼り合わされる第2部F12及び第3部F13の各々は、複数列(複数の有効エリアF1)のうち対応する列(同じ有効エリアF1)内に位置している。なお、
図11では、複数の有効エリアF1が二つの有効エリアF1を含み、そのうちの一つの有効エリアF1(
図11の上列)では、第2部F12が第2部F121、F122、F123を含み且つ第3部F13が第3部F131、F132、F133を含んでおり、別の一つの有効エリアF1(
図11の下列)では、第2部F12が第2部F124、F125、F126を含み且つ第3部F13が第3部F134、F135、F136を含んでいる。S17において、上列の第2部F121、F122、F123と上列の第3部F131、F132、F133とを各々粘着層200で貼り合わせると同時に、下列の第2部F124、F125、F126と下列の第3部F134、F135、F136とを各々粘着層200で貼り合わせる。このS17でも、上記B)のS17のとおり、第2個片P2の複数の目印と第3個片P3の目印を各々一致させることで第2部F12及び第3部F13を各々位置合わせしても良いし、第1個片P1、第2個片P2及び第3個片P3の外形を一致させることで第2部F12及び第3部F13を位置合わせしても良い。
【0104】
その後、第2裁断機を使用して第1個片P1、第2個片P2及び第3個片P3を裁断して、貼り合わせた第1部F11、第2部F12及び第3部F13を一つずつ有する光学フィルム積層体を複数作成する(S18)。
【0105】
以上のとおりに得られた少なくとも一つの光学フィルム積層体では、第1部F11、第2部F12及び第3部F13は第1基材100a、第2基材100b及び第3基材100cとなる。第1基材100aの進相軸のなす角度と、第2基材100bの進相軸のなす角度と、第3基材100cの進相軸のなす角度とは、略平行(10°以下)となる。第1基材100aの第1面上の第1電極群は、複数の第1電極110aとなり、第3基材100cの第1面上の第2電極群は、複数の第2電極110bとなる。この少なくとも一つの光学フィルム積層体がタッチ入力装置T2となる。タッチ入力装置T2がカバーパネル300を備えている場合、少なくとも一つの光学フィルム積層体を得た後(上記A)〜C)の何れかのS18後)、当該光学フィルム積層体の第1基材100aの第1面にカバーパネル300を粘着層200で貼り合わせると良い。
【0106】
なお、第3製造方法において、S15を省略することが可能である。この場合、S17及びS18を以下の通りにすると良い。S17において、第1個片P1の
少なくとも一つの第1部F11及び第2個片P2の
少なくとも一つの第2部F12の向きを裁断前の向きと略同じ状態(換言すると、第1個片P1、第2個片P2及び原反フィルムF’の向きを裁断前の向きと略同じ状態)で、少なくとも一つの第2部F12の第2面と少なくとも一つの第3部F13の第1面を粘着層200で貼り合わせる。S18において、第2裁断機を使用して第1個片P1、第2個片P2及び原反フィルムF’を裁断して、貼り合わせた第1部F11、第2部F12及び第3部F13を一つずつ有する光学フィルム積層体を
作成する。
【0107】
なお、複数の有効エリアF1が第1有効エリアF1と第2有効エリアF1とを含む場合、第1有効エリアF1から得られる第1部F11、第2部F12及び第3部F13の進相軸のなす角度と、第2有効エリアF1から得られる第1部F11、第2部F12及び第3部F13の進相軸のなす角度とが略平行となるように、第1有効エリアF1の第1部F11、第2部F12及び第3部F13が、第2有効エリアF1の第1部F11、第2部F12及び第3部F13に対して各々傾斜していても良い(
図6を借りて参照)。この場合も、上記した何れかの態様の第3製造方法によって光学フィルム積層体を製造することが可能である。第1有効エリアF1から光学フィルム積層体が得られ、第2有効エリアF1から光学フィルム積層体が得られる。前者の光学フィルム積層体の第1部F11、第2部F12及び第3部F13の進相軸のなす角度と、後者の光学フィルム積層体の第1部F11、第2部F12及び第3部F13の進相軸のなす角度とが略平行となる。
【0108】
以下、タッチ入力装置T2を製造する第4製造方法について
図13を参照しつつ説明する。この第4製造方法は、第3製造方法のS13〜S18に代えて、S13’〜S17’を備える点で第3製造方法と相違している。この相違点以外は、第4製造方法は第3製造方法と同じであるので、以下、その相違点についてのみA)〜C)の態様に分けて詳しく説明し、第3製造方法と重複する説明は省略する。第4製造方法のA)〜C)の態様は、第3製造方法のA)〜C)の態様に対応している。
【0109】
A)上記S12の後、第2製造方法のA)のS5’のとおりに、第1個片P1の少なくとも一つの第1部F11の第2面と原反フィルムF’の少なくとも一つの第2部F12の第1面とを粘着層200で貼り合わせる(S13’)。なお、S10において、用意される原反フィルムF’の第1面に、前記透明導電膜又は前記導体が予め形成されている場合、S13’の前に、第2部F12の第1面上の前記透明導電膜又は前記導体をエッチング等で除去すると良い。
【0110】
その後、原反フィルムF’を、第1裁断機を使用して裁断し、少なくとも一つの第2部F12を有する第2個片P2を作成する(S14’)。
【0111】
その後、第3製造方法のA)のS14と同様に、原反フィルムF’の少なくとも一つの第3部F13の第1面上に第2電極群を各々形成する(S15’)。このS15’はS12の前に行うことが可能である。
【0112】
その後、第1個片P1の少なくとも一つの第1部F11及び第2個片P2の少なくとも一つの第2部F12の向きを裁断前の向きと略同じ状態(換言すると、第1個片P1及び第2個片P2の向きを裁断前の向きと略同じ状態)で、第2個片P2の少なくとも一つの第2部F12の第2面と原反フィルムF’の少なくとも一つの第3部F13の第1面とを粘着層200で貼り合わせる(S16’)。このS16’では、第2個片P2及び原反フィルムF’の各々に目印を複数形成しておき、第2個片P2の複数の目印と原反フィルムF’の複数の目印を各々一致させることで、第2個片P2の少なくとも一つの第2部F12と原反フィルムF’の少なくとも一つの第3部F13との位置合わせを行うことが可能である。
【0113】
第1個片P1が一つの第1部F11を有し、第2個片P2が一つの第2部F12を有し、且つ原反フィルムF’が一つの第3部F13を有する場合、第1個片P1、第2個片P2及び原反フィルムF’を図示しない第2裁断機を使用して裁断し、貼り合わせた第1部F11、第2部F12及び第3部F13を有する光学フィルム積層体を一つ作成する(S17’)。一方、第1個片P1が複数の第1部F11を有し、第2個片P2が複数の第2部F12を有し、且つ原反フィルムF’が複数の第3部F13を有する場合、第1個片P1、第2個片P2及び原反フィルムF’を図示しない第2裁断機を使用して裁断し、貼り合わせた第1部F11、第2部F12及び第3部F13を一つずつ有する光学フィルム積層体を複数作成する(S17’)。
【0114】
B)上記S12の後、第2製造方法のB)のS5’のとおりに、第1個片P1の複数の有効エリアF1の第1部F11の第2面と原反フィルムF’の複数の有効エリアF1の第2部F12の第1面とを各々粘着層200で貼り合わせる(S13’)。貼り合わされる第1部F11及び第2部F12の各々は、複数の有効エリアF1のうち同じ有効エリアF1内に位置している。なお、S10において、用意される原反フィルムF’の第1面に、前記透明導電膜又は前記導体が予め形成されている場合、S13’の前に、第2部F12の第1面上の前記透明導電膜又は前記導体をエッチング等で除去すると良い。
【0115】
その後、原反フィルムF’を、第1裁断機を使用して裁断し、複数の有効エリアF1の第2部F12を有する第2個片P2を作成する(S14’)。このようにして得られた第2個片P2は複数の第2部F12を有する。
【0116】
その後、第3製造方法のB)のS14と同様に、原反フィルムF’の複数の有効エリアF1の第3部F13の第1面上に第2電極群を各々形成する(S15’)。このS15’はS12の前に行うことが可能である。
【0117】
その後、第1個片P1の複数の有効エリアF1の第1部F11及び第2個片P2の複数の有効エリアF1の第2部F12の向きを裁断前の向きと略同じ状態(換言すると、第1個片P1及び第2個片P2の向きを裁断前の向きと略同じ状態)で、第2個片P2の複数の有効エリアF1の第2部F12の第2面と原反フィルムF’の複数の有効エリアF1の第3部F13の第1面とを各々粘着層200で貼り合わせる(S16’)。貼り合わされる第2部F12及び第3部F13の各々は、複数の有効エリアF1のうち同じ有効エリアF1内に位置している。例えば、複数の有効エリアF1が二つの有効エリアF1を含む場合、そのうちの一つの有効エリアF1の第2部F12及び第3部F13を粘着層200で貼り合わせると同時に、別の一つの有効エリアF1の第2部F12及び第3部F13を粘着層200で貼り合わせる。このS16’でも、第4製造方法のA)のS16’と同様に、第2個片P2の複数の目印と原反フィルムF’の複数の目印を各々一致させて第2部F12及び第3部F13を各々位置合わせしても良い。
【0118】
その後、図示しない第2裁断機を使用して第1個片P1、第2個片P2及び原反フィルムF’を裁断し、貼り合わされた第1部F11、第2部F12及び第3部F13を一つずつ有する光学フィルム積層体を複数作成する(S17’)。
【0119】
C)上記S12の後、第2製造方法のC)のS5’のとおりに、第1個片P1の複数の第1部F11の第2面と原反フィルムF’の複数の第2部F12の第1面を各々粘着層200で貼り合わせる(S13’)。貼り合わされる第1部F11及び第2部F12の各々は、複数列(複数の有効エリアF1)のうち対応する列(同じ有効エリアF1)内に位置している。なお、S10において、用意される原反フィルムF’の第1面に、前記透明導電膜又は前記導体が予め形成されている場合、S13’の前に、第2部F12の第1面上の前記透明導電膜又は前記導体をエッチング等で除去すると良い。
【0120】
その後、原反フィルムF’を、第1裁断機を使用して裁断し、複数の有効エリアF1の複数の第2部F12を有する第2個片P2を作成する(S14’)。このようにして得られた第2個片P2は複数の有効エリアF1に対応する複数列を有し、各列において複数の第2部F12がMD方向に並んでいる。
【0121】
その後、第3製造方法のC)のS14と同様に、原反フィルムF’の複数の有効エリアF1の複数の第3部F13の第1面上に第2電極群を各々形成する(S15’)。このS15’はS12の前に行うことが可能である。
【0122】
その後、第1個片P1の複数列の複数の第1部F11及び第2個片P2の複数の有効エリアF1の複数の第2部F12の向きを裁断前の向きと略同じ状態(換言すると、第1個片P1及び第2個片P2の向きを裁断前の向きと略同じ状態)で、第2個片P2の複数の第2部F12の第2面と原反フィルムF’の複数の第3部F13の第1面を各々粘着層200で貼り合わせる(S16’)。貼り合わされる第2部F12及び第3部F13の各々は、複数列(複数の有効エリアF1)のうち対応する列(同じ有効エリアF1)内に位置している。例えば、複数の有効エリアF1が二つの有効エリアF1を含む場合、そのうちの一つの有効エリアF1の複数の第2部F12及び複数の第3部F13を粘着層200で各々貼り合わせると同時に、別の一つの有効エリアF1の複数の第2部F12及び複数の第3部F13を粘着層200で各々貼り合わせる。このS16’でも、第4製造方法のA)のS16’と同様に、第2個片P2の複数の目印と原反フィルムF’の複数の目印を各々一致させて第2部F12及び第3部F13を各々位置合わせしても良い。
【0123】
その後、第2裁断機を使用して第1個片P1、第2個片P2及び原反フィルムF’を裁断して、貼り合わされた第1部F11、第2部F12及び第3部F13を一つずつ有する光学フィルム積層体を複数作成する(S17’)。
【0124】
以上のとおりに得られた少なくとも一つの光学フィルム積層体でも、第1部F11、第2部F12及び第3部F13は第1基材100a、第2基材100b及び第3基材100cとなる。第1基材100aの進相軸のなす角度と、第2基材100bの進相軸のなす角度と、第3基材100cの進相軸のなす角度は、略平行(10°以下)となる。第1基材100aの第1面上の第1電極群は、複数の第1電極110aとなり、第3基材100cの第1面上の第2電極群は、複数の第2電極110bとなる。このような少なくとも一つの光学フィルム積層体がタッチ入力装置T2となる。タッチ入力装置T2がカバーパネル300を備えている場合、少なくとも一つの光学フィルム積層体を得た後(上記A)〜C)の何れかのS17’後)、当該光学フィルム積層体の第1基材100aの第1面にカバーパネル300を粘着層200で貼り合わせると良い。
【0125】
なお、第4製造方法において用いられる原反フィルムF’の複数の有効エリアF1が第1有効エリアF1と第2有効エリアF1を含む場合、第3製造方法と同様に、第1有効エリアF1から得られる第1部F11、第2部F12及び第3部F13の進相軸のなす角度と、第2有効エリアF1から得られる第1部F11、第2部F12及び第3部F13の進相軸のなす角度とが略平行となるように、第1有効エリアF1の第1部F11、第2部F12及び第3部F13が、第2有効エリアF1の第1部F11、第2部F12及び第3部F13に対して各々傾斜していても良い(
図6を借りて参照)。
【0126】
以上のようなタッチ入力装置T2、第3製造方法及び第4製造方法は、以下の技術的特徴及び効果を奏する。第1は、貼り合わされた二つの基材100の進相軸のなす角度のバラツキを低減できる。本発明者は、二軸延伸された原反フィルムF’において、原反フィルムF’の短手方向の一部分のエリアである有効エリアF1の第1部F11、第2部F12及び第3部F13は、当該有効エリアF1の長手方向のどの部分であっても(例えば、原反フィルムF’の長手方向の一端から1mの部分であっても100mmの部分であっても)、当該第1部F11、第2部F12及び第3部F13の進相軸をなす角度のバラツキが殆どない(概ね3°以下となる)知見を得た。このため、同じ有効エリアF1の第1部F11、第2部F12及び第3部F13を貼り合わせて光学フィルム積層体の三つの基材100とすることで、三つの基材100の進相軸をなす角度のバラツキを低減することができる。但し、本発明において、少なくとも一つの有効エリアF1の第1部F11、第2部F12及び第3部F13の進相軸をなす角度のバラツキは10°以下であれば良い。
【0127】
第2に、タッチ入力装置T2を量産化することができる。その理由は以下の通りである。上記したように、同じ有効エリアF1の長手方向の異なる部分である第1部F11、第2部F12及び第3部F13を貼り合わせるだけであるので、第1部F11、第2部F12及び第3部F13の進相軸をなす角度を測定等する必要がない。原反フィルムF’が複数の有効エリアF1を有し、各有効エリアF1が少なくとも一つの第1部F11、第2部F12及び第3部F13を有する場合、又は原反フィルムF’の一つの有効エリアF1が複数の第1部F11、複数の第2部F12及び複数の第3部F13を有する場合、一度に複数の第1部F11及び複数の第2部F12を各々貼り合わせ、第1部F11及び第2部F12を一つずつ有する光学フィルム積層体を複数得ることができるので、光学フィルム積層体を用いてタッチ入力装置T2を更に量産化することができる。
【0128】
第3に、複数の有効エリアF1が第1有効エリアF1と第2有効エリアF1を含む場合、第1有効エリアF1から得られた光学フィルム積層体の第1部F11、第2部F12及び第3部F13の進相軸のなす角度と、第2有効エリアF1から得られた光学フィルム積層体の第1部F11、第2部F12及び第3部F13の進相軸のなす角度とを略平行にできる。その理由は以下の通りである。第1有効エリアF1から得られる光学フィルム積層体の第1部F11、第2部F12及び第3部F13の進相軸のなす角度と、第2有効エリアF1から得られる光学フィルム積層体の第1部F11、第2部F12及び第3部F13の進相軸のなす角度とが略平行となるように、第1有効エリアF1の第1部F11、第2部F12及び第3部F13が、第2有効エリアF1の第1部F11、第2部F12及び第3部F13に対して各々傾斜している。
【0129】
第4に、上記第4製造方法の場合、第3個片P3を作成する必要がないので、工程数を低減することができる。
【0130】
なお、上記したタッチ入力装置の製造方法及びタッチ入力装置は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。
【0131】
タッチ入力装置T1の複数の第2電極110bは、第2基材100bの第1面上ではなく、第1基材100aの第1面の裏側の第2面上に設けることが可能である。この場合、本発明のタッチ入力装置の第1又は第2製造方法は、上記S3の前に、複数の第2電極となる第2電極群を第2部F12の第1面上ではなく、第1部F11の第1面の裏側の第2面上に形成すると良い。その形成方法は、上記S4の形成方法と同様とすれば良い。
【0132】
本発明の原反フィルムの第1部及び第2部の外形(すなわち、第1基材及び第2基材の外形)が互いに相違していても良い。本発明の原反フィルムの第1部、第2部及び第3部の外形(すなわち、第1基材、第2基材及び第3基材の外形)が互いに相違していても良い。
【0133】
本発明の上記した何れかの態様の製造方法は、第1電極群及び/又は第2電極群の形成工程を省略することができる。
第1電極群又は第2電極群の形成工程が省略される場合、上記した何れかの態様の製造方法では、第1部及び第2部が粘着層で貼り合わされ、且つ第1部及び第2部の何れか一方の電極群が形成された光学積層体、又は、第1部、第2部及び第3部が粘着層で貼り合わされ、且つ第1部及び第3部の何れか一方に電極群が形成された光学積層体が少なくとも一つ得られる。第1電極群及び第2電極群の形成工程が省略される場合、上記した何れかの態様の製造方法では、電極群が形成されていない第1部及び第2部が粘着層で貼り合わされた光学積層体、又は電極群が形成されていない第1部、第2部及び第3部が粘着層で貼り合わされた光学積層体が少なくとも一つ得られる。この電極群を有していない光学積層体と、少なくとも一つの電極群を有する光学積層体に貼り合わせてタッチ入力装置を得ることが可能である。なお、電極群が形成されていない基材は、電極基材層としての処理をする必要はない。以上のことから、本発明のタッチ入力装置は第1電極又は第2電極を省略することが可能である。
【0134】
上記実施例及び設計変形例におけるタッチ入力装置の製造方法の各工程を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。上記実施例及び設計変形例におけるタッチ入力装置の各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。上記した実施例の各態様及び設計変更例は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能である。