特許第6704840号(P6704840)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6704840
(24)【登録日】2020年5月15日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20200525BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   H05K13/04 B
   H05K13/08 Q
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-228249(P2016-228249)
(22)【出願日】2016年11月24日
(65)【公開番号】特開2018-85460(P2018-85460A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2019年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 恒太
(72)【発明者】
【氏名】有宗 伸泰
【審査官】 大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−214195(JP,A)
【文献】 特開2015−220419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 − 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に部品を実装する複数の実装ヘッドを含むヘッドユニットと、
撮像素子がライン状に配置され、前記実装ヘッドに吸着された前記部品を撮像するラインセンサと、
制御部とを備え、
前記ヘッドユニットは、種類の異なる複数の前記ヘッドユニットを含む、または、種類の異なる前記ヘッドユニットに交換可能に構成されており、
前記ラインセンサは、前記部品を撮像する撮像素子のライン方向を、第1方向と、前記第1方向に略直交する第2方向とに変更可能に構成されており、
前記制御部は、前記ラインセンサのライン方向を取得するとともに、前記ラインセンサのライン方向が前記ヘッドユニットの種類または生産形態に応じたライン方向ではない場合に、前記ヘッドユニットの前記ラインセンサに対する移動を制御して前記実装ヘッドに吸着された前記部品を前記ラインセンサにより撮像する制御を行うように構成されており、
前記制御部は、前記ヘッドユニットを前記第1方向または前記第2方向に沿って移動させながら前記ラインセンサにより撮像し、撮像結果の前記ヘッドユニットの認識の有無に基づいて、前記ラインセンサのライン方向を取得するように構成されている、部品実装装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ヘッドユニットが前記第1方向に沿って直線状に配置された複数の前記実装ヘッドを含む場合において、前記ラインセンサのライン方向が前記第1方向である場合、前記ヘッドユニットを前記ラインセンサに対して、前記第1方向と略直交する前記第2方向に移動させながら前記ラインセンサにより撮像する制御を行うように構成されている、請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記ヘッドユニットが円周状に配置された複数の前記実装ヘッドを含む場合において、前記ラインセンサのライン方向が前記第2方向である場合、前記ヘッドユニットを前記ラインセンサに対して、前記第1方向に移動させながら前記ラインセンサにより撮像する制御を行うように構成されている、請求項2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ラインセンサにより前記ヘッドユニットの全ての前記実装ヘッドを1回の撮像により認識できない場合、複数回に分割して前記ラインセンサにより撮像する制御を行うように構成されている、請求項2または3に記載の部品実装装置。
【請求項5】
前記ヘッドユニットに設けられ、前記基板を撮像可能な基板認識カメラをさらに備え、
前記制御部は、前記基板認識カメラの撮像結果に基づいて、前記ラインセンサのライン方向を取得するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ラインセンサのライン方向が前記ヘッドユニットの種類または生産形態に応じたライン方向ではない場合に、前記ヘッドユニットの種類または生産形態に前記ラインセンサのライン方向が対応していないことを通知する制御を行うとともに、作業者により実装動作の継続が指示された場合、前記ヘッドユニットの前記ラインセンサに対する移動を制御して前記実装ヘッドに吸着された前記部品を前記ラインセンサにより撮像する制御を行うように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【請求項7】
種類の異なる前記ヘッドユニットは、複数の前記実装ヘッドの配置が互いに異なっている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品実装装置に関し、特に、部品を撮像するラインセンサを備える部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品を撮像するラインセンサを備える部品実装装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、基板に部品を実装する複数の実装ヘッドを含むヘッドユニットと、撮像素子がライン状に配置され、実装ヘッドに吸着された部品を撮像するラインセンサと、制御装置とを備える部品実装装置が開示されている。この特許文献1の部品実装装置では、ヘッドユニットは、複数の実装ヘッドの配置が異なる複数の種類のヘッドユニットを選択して使用可能に構成されている。また、特許文献1の部品実装装置では、ラインセンサは、ライン方向を変更可能に構成されている。また、特許文献1の部品実装装置は、ラインセンサのライン方向がヘッドユニットの種類に応じたライン方向でない場合に、対応関係が正しくないことを報知する報知装置をさらに備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−220419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の部品実装装置では、ラインセンサのライン方向がヘッドユニットの種類に応じたライン方向でない場合に、対応関係が正しくないことを報知することができるものの、ラインセンサのライン方向を変更しない限り、部品実装動作が停止されてしまうため、部品実装の稼働率が低下する。また、ラインセンサと実装位置との位置に応じて、干渉防止または稼働率の向上のため、生産形態に応じたライン方向が決定される。この場合、ラインセンサのライン方向が生産形態に応じたライン方向でない場合にも、部品実装動作が停止されて部品実装の稼働率が低下する。このため、ライン方向を変更可能な部品実装装置において、ラインセンサのライン方向がヘッドユニットの種類または生産形態に応じたライン方向でない場合にも、部品実装の稼働率の低下を抑制することが望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ライン方向を変更可能な部品実装装置において、ラインセンサのライン方向がヘッドユニットの種類または生産形態に応じたライン方向でない場合にも、部品実装の稼働率の低下を抑制することが可能な部品実装装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一の局面による部品実装装置は、基板に部品を実装する複数の実装ヘッドを含むヘッドユニットと、撮像素子がライン状に配置され、実装ヘッドに吸着された部品を撮像するラインセンサと、制御部とを備え、ヘッドユニットは、種類の異なる複数のヘッドユニットを含む、または、種類の異なるヘッドユニットに交換可能に構成されており、ラインセンサは、部品を撮像する撮像素子のライン方向を、第1方向と、第1方向に略直交する第2方向とに変更可能に構成されており、制御部は、ラインセンサのライン方向を取得するとともに、ラインセンサのライン方向がヘッドユニットの種類または生産形態に応じたライン方向ではない場合に、ヘッドユニットのラインセンサに対する移動を制御して実装ヘッドに吸着された部品をラインセンサにより撮像する制御を行うように構成されており、制御部は、ヘッドユニットを第1方向または第2方向に沿って移動させながらラインセンサにより撮像し、撮像結果のヘッドユニットの認識の有無に基づいて、ラインセンサのライン方向を取得するように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面による部品実装装置では、上記のように、ラインセンサのライン方向を取得するとともに、ラインセンサのライン方向がヘッドユニットの種類または生産形態に応じたライン方向ではない場合に、ヘッドユニットのラインセンサに対する移動を制御して実装ヘッドに吸着された部品をラインセンサにより撮像する制御を行う制御部を設ける。これにより、ラインセンサのライン方向がヘッドユニットの種類または生産形態に応じたライン方向ではない場合でも、ラインセンサにより実装ヘッドに吸着された部品を撮像することができるので、部品実装動作を停止させる必要がない。その結果、ライン方向を変更可能な部品実装装置において、ラインセンサのライン方向がヘッドユニットの種類または生産形態に応じたライン方向でない場合にも、部品実装の稼働率の低下を抑制することができる。また、ラインセンサのライン方向がヘッドユニットの種類または生産形態に応じたライン方向でない場合でも、部品実装動作を停止させる必要がないので、作業者が都合の良い時にラインセンサのライン方向を変更すればよい。これにより、作業者の作業の自由度を向上させることができる。
【0009】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、制御部は、ヘッドユニットが第1方向に沿って直線状に配置された複数の実装ヘッドを含む場合において、ラインセンサのライン方向が第1方向である場合、ヘッドユニットをラインセンサに対して、第1方向と略直交する第2方向に移動させながらラインセンサにより撮像する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、複数の実装ヘッドが第1方向に沿って配置されている場合において、ラインセンサのライン方向が第1方向である場合、ヘッドユニットを第2方向に移動させながら撮像することにより、実装ヘッドに吸着された部品を精度よく認識することができる。これにより、ラインセンサのライン方向がヘッドユニットの種類に応じたライン方向ではない場合でも、実装ヘッドに吸着された部品を精度よく認識することができる。その結果、ラインセンサのライン方向がヘッドユニットの種類に応じたライン方向ではない場合でも、部品実装動作を停止させることなく容易に部品実装動作を継続させることができる。
【0010】
この場合、好ましくは、制御部は、ヘッドユニットが円周状に配置された複数の実装ヘッドを含む場合において、ラインセンサのライン方向が第2方向である場合、ヘッドユニットをラインセンサに対して、第1方向に移動させながらラインセンサにより撮像する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、複数の実装ヘッドが円周状に配置されている場合において、ラインセンサのライン方向が第2方向である場合に、ヘッドユニットを第1方向に移動させながら撮像することにより、実装ヘッドに吸着された部品を精度よく認識することができる。これにより、ラインセンサのライン方向がヘッドユニットの種類に応じたライン方向ではない場合でも、実装ヘッドに吸着された部品を精度よく認識することができる。その結果、ラインセンサのライン方向がヘッドユニットの種類に応じたライン方向ではない場合でも、部品実装動作を停止させることなく容易に部品実装動作を継続させることができる。
【0011】
上記制御部が第1方向と略直交する第2方向に移動させながらラインセンサにより撮像する制御を行う構成において、好ましくは、制御部は、ラインセンサによりヘッドユニットの全ての実装ヘッドを1回の撮像により認識できない場合、複数回に分割してラインセンサにより撮像する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、ラインセンサのライン方向がヘッドユニットの種類に応じたライン方向ではない場合でも、ラインセンサにより複数回に分割して撮像することにより、実装ヘッドに吸着された部品を精度よく認識することができる。
【0012】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、ヘッドユニットに設けられ、基板を撮像可能な基板認識カメラをさらに備え、制御部は、基板認識カメラの撮像結果に基づいて、ラインセンサのライン方向を取得するように構成されている。このように構成すれば、基板認識カメラを用いて、ラインセンサまたはラインセンサのライン方向を示すマークなどを撮像することにより、ラインセンサのライン方向を容易に取得することができる。また、ラインセンサのライン方向を取得するための専用のカメラを別個に設ける場合に比べて、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0013】
上記一の局面による部品実装装置では、制御部は、ヘッドユニットを第1方向または第2方向に沿って移動させながらラインセンサにより撮像し、撮像結果のヘッドユニットの認識の有無に基づいて、ラインセンサのライン方向を取得するように構成されている。これにより、ラインセンサの撮像結果により、ラインセンサのライン方向を取得することができるので、ラインセンサのライン方向を取得するための専用のカメラを別個に設ける場合に比べて、部品点数が増加するのを抑制することができる。また、ラインセンサのライン方向を取得するための撮像と、実装ヘッドに吸着された部品の撮像とで、被写体の位置が略同じ位置となるので、焦点距離を変更することなく撮像することができる。これにより、ラインセンサのライン方向を容易に取得することができる。
【0014】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、制御部は、ラインセンサのライン方向がヘッドユニットの種類または生産形態に応じたライン方向ではない場合に、ヘッドユニットの種類または生産形態にラインセンサのライン方向が対応していないことを通知する制御を行うとともに、作業者により実装動作の継続が指示された場合、ヘッドユニットのラインセンサに対する移動を制御して実装ヘッドに吸着された部品をラインセンサにより撮像する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、作業者の指示により、部品実装動作を継続させることができる。また、作業者がラインセンサのライン方向を変更する作業を行うことを望む場合は、ラインセンサのライン方向が変更された後、部品実装動作を再開させることができる。
【0015】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、種類の異なるヘッドユニットは、複数の実装ヘッドの配置が互いに異なっている。このように構成すれば、複数の実装ヘッドの配置が互いに異なる種類の異なるヘッドユニットを用いることにより、部品実装動作を効率よく行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、上記のように、ライン方向を変更可能な部品実装装置において、ラインセンサのライン方向がヘッドユニットの種類または生産形態に応じたライン方向でない場合にも、部品実装の稼働率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態による部品実装装置の概略を示した平面図である。
図2】本発明の一実施形態による部品実装装置の制御的な構成を示したブロック図である。
図3】本発明の一実施形態による部品実装装置のヘッドユニット(インラインヘッド)を示した平面図である。
図4】本発明の一実施形態による部品実装装置のヘッドユニット(ロータリヘッド)を示した平面図である。
図5】本発明の一実施形態による部品実装装置のラインセンサを説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態による部品実装装置のラインセンサの第1例による撮像を説明するための図である。
図7】本発明の一実施形態による部品実装装置のラインセンサの第2例による撮像を説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態による部品実装装置のラインセンサの第3例による撮像を説明するための図である。
図9】本発明の一実施形態による部品実装装置のラインセンサの第4例による撮像を説明するための図である。
図10】本発明の一実施形態による部品実装装置の部品実装処理を説明するためのフローチャートである。
図11】本発明の一実施形態の変形例による部品実装装置のラインセンサを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
(部品実装装置の構成)
まず、図1図9を参照して、本発明の一実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。
【0020】
図1に示すように、部品実装装置100は、一対のコンベア2により基板PをX方向に搬送し、実装作業位置Mにおいて基板Pに部品31を実装する部品実装装置である。図1に示すように、部品実装装置100は、基台1と、一対のコンベア2と、部品供給部3と、ヘッドユニット4と、支持部5と、一対のレール部6と、ラインセンサ7と、制御部8(図2参照)とを備えている。
【0021】
一対のコンベア2は、基台1上に設置され、基板PをX方向に搬送するように構成されている。また、一対のコンベア2は、搬送中の基板Pを実装作業位置Mで停止させた状態で保持するように構成されている。また、一対のコンベア2は、基板Pの寸法に合わせてY方向の間隔を調整可能に構成されている。
【0022】
部品供給部3は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。また、部品供給部3には、複数のテープフィーダ3aが配置されている。
【0023】
テープフィーダ3aは、複数の部品31を所定の間隔を隔てて保持したテープが巻き付けられたリール(図示せず)を保持している。テープフィーダ3aは、リールを回転させて部品31を保持するテープを送出することにより、テープフィーダ3aの先端から部品31を供給するように構成されている。ここで、部品31は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品を含む。
【0024】
ヘッドユニット4は、部品31が装着される基板Pに対して作業を行うように構成されている。具体的には、ヘッドユニット4は、一対のコンベア2および部品供給部3の上方位置に配置されており、基板認識カメラ41と、ノズルが下端に取り付けられた複数の実装ヘッド42とを含んでいる。また、図2に示すように、ヘッドユニット4は、Z軸モータ43と、R軸モータ44とを含んでいる。
【0025】
ここで、本実施形態では、ヘッドユニット4は、複数の実装ヘッド42の配置が異なる複数の種類のヘッドユニット4を含む。また、ヘッドユニット4は、種類の異なるヘッドユニット4に交換可能に構成されている。種類の異なるヘッドユニット4は、複数の実装ヘッド42の配置が互いに異なっている。具体的には、ヘッドユニット4は、X方向に沿って直線状に配置された複数の実装ヘッド42を含むインラインのヘッドユニット4a(図3参照)と、円周状に配置された複数の実装ヘッド42を含むロータリのヘッドユニット4b(図4)とを含む。部品実装装置100は、ヘッドユニット4を交換することにより、複数の種類のヘッドユニット4を有して実装動作を行ってもよいし、いずれか一方の種類のヘッドユニット4を有して実装動作を行ってもよい。なお、X方向は、特許請求の範囲の「第1方向」の一例である。
【0026】
ヘッドユニット4aは、図3に示すように、複数の実装ヘッド42が直線状に配置されている。具体的には、複数の実装ヘッド42は、X方向に沿って一列に配置されている。また、複数の実装ヘッド42の間隔は、部品供給部3の複数のテープフィーダ3aの間隔と略等しくなるように構成されている。
【0027】
ヘッドユニット4bは、図4に示すように、複数の実装ヘッド42が円周状に配置されている。また、複数の実装ヘッド42は、上下方向に延びるロータリ軸線回りに回転されるように構成されている。また、複数の実装ヘッド42は、部品31を吸着または装着する吸装着位置に対して回転して移動されるように構成されている。
【0028】
基板認識カメラ41は、ヘッドユニット4に設けられている。基板認識カメラ41は、認識対象としての基板Pを撮像可能に構成されている。具体的には、基板認識カメラ41は、図1に示すように、基板Pの位置を認識するために、基板PのフィデューシャルマークFを撮像するように構成されている。そして、フィデューシャルマークFの位置を撮像して認識することにより、基板Pにおける部品31の装着位置を正確に取得することが可能である。また、基板認識カメラ41は、ヘッドユニット4とともに、XY方向に移動されるように構成されている。また、基板認識カメラ41の近傍には、照明(図示せず)が設けられている。照明は、基板認識カメラ41の撮像時に光(可視光や赤外光など)を基板Pに照射するように構成されている。これにより、基板認識カメラ41により基板Pを鮮明に撮像することが可能である。
【0029】
実装ヘッド42は、基板Pに部品31を実装するように構成されている。実装ヘッド42は、昇降可能(Z方向に移動可能)に構成されている。また、実装ヘッド42は、ノズルの先端部に発生された負圧によって、テープフィーダ3aから供給される部品31を吸着するように構成されている。また、実装ヘッド42は、ノズルの先端部に発生された正圧によって、基板Pにおける装着位置に部品31を装着(実装)する作業を行うように構成されている。
【0030】
Z軸モータ43は、実装ヘッド42を上下方向(Z方向)に移動させるように構成されている。Z軸モータ43は、複数の実装ヘッド42を、各々個別に独立して上下方向に移動させることが可能である。R軸モータ44は、実装ヘッド42を上下方向に延びる軸線を中心に回転させるように構成されている。これにより、実装ヘッド42に吸着された部品31の水平方向の向きを調整することが可能である。R軸モータ44は、複数の実装ヘッド42を連動して回転させるように構成されている。これにより、複数の実装ヘッド42毎にR軸モータ44を設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することが可能である。
【0031】
支持部5は、図1および図2に示すように、X軸モータ51を含んでいる。支持部5は、図1に示すように、X軸モータ51を駆動させることにより、支持部5に沿ってヘッドユニット4をX方向に移動させるように構成されている。支持部5は、両端部が一対のレール部6により支持されている。
【0032】
一対のレール部6は、基台1上に固定されている。X1側のレール部6は、Y軸モータ61を含んでいる。レール部6は、Y軸モータ61を駆動させることにより、支持部5を一対のレール部6に沿ってX方向と直交するY方向に移動させるように構成されている。ヘッドユニット4が支持部5に沿ってX方向に移動可能であるとともに、支持部5がレール部6に沿ってY方向に移動可能であることによって、ヘッドユニット4はXY方向に移動可能である。なお、Y方向は、特許請求の範囲の「第2方向」の一例である。
【0033】
ラインセンサ7は、基台1の上面上に固定されている。ラインセンサ7は、部品31を撮像可能に構成されている。具体的には、ラインセンサ7は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。ラインセンサ7は、部品31の装着に先立って部品31の吸着状態(吸着姿勢)を認識するために、実装ヘッド42(ノズル)に吸着された部品31を下側(Z2側)から撮像するように構成されている。これにより、実装ヘッド42のノズルに吸着された部品31の吸着状態を制御部8により取得することが可能である。また、ラインセンサ7の近傍には、照明(図示せず)が設けられている。照明は、ラインセンサ7の撮像時に光(可視光や赤外光など)をノズルに吸着された部品31に照射するように構成されている。これにより、ラインセンサ7によりノズルに吸着された部品31を鮮明に撮像することが可能である。
【0034】
ここで、本実施形態では、ラインセンサ7は、図5に示すように、複数の撮像素子71を有している。複数の撮像素子71は、ライン状に配置されている。ラインセンサ7は、撮像する被写体がラインセンサ7に対して相対移動されることにより、被写体を撮像するように構成されている。具体的には、ラインセンサ7は、複数の撮像素子71が配置されるライン方向に対して略垂直な方向に被写体が相対移動されることにより、被写体を撮像するように構成されている。
【0035】
また、ラインセンサ7は、部品31を撮像する撮像素子71のライン方向を変更可能に構成されている。具体的には、ラインセンサ7は、ライン方向を、X方向またはY方向に変更可能に構成されている。ラインセンサ7は、作業者が手動により回動させてライン方向を変更可能に構成されている。また、ラインセンサ7は、図5に示すように、ライン方向を認識するためのマーク72aおよび72bを有している。マーク72aおよび72bは、ラインセンサ7の上面(Z1方向側の面)に配置されている。マーク72aおよび72bは、互いに識別可能に構成されている。たとえば、マーク72aは、円形状を有し、マーク72bは、矩形形状を有している。マーク72aおよび72bは、基板認識カメラ41により撮像されるように構成されている。
【0036】
制御部8は、一対のコンベア2による基板Pの搬送動作、ヘッドユニット4による実装動作、基板認識カメラ41やラインセンサ7による撮像動作などの部品実装装置100の全体の動作を制御するように構成されている。また、制御部8は、実装動作を行うプログラムに基づいて、実装動作を制御するように構成されている。たとえば、制御部8は、X軸モータ51、Y軸モータ61を駆動させて、ヘッドユニット4を水平方向に移動させる制御を行うように構成されている。また、制御部8は、Z軸モータ43を駆動させて、実装ヘッド42の昇降移動を制御するように構成されている。また、制御部8は、R軸モータ44を駆動させて、実装ヘッド42を、上下方向(Z方向)の軸線回りに回転させるように構成されている。
【0037】
ここで、本実施形態では、制御部8は、ラインセンサ7のライン方向を取得するとともに、ラインセンサ7のライン方向がヘッドユニット4の種類または生産形態に応じたライン方向ではない場合に、ヘッドユニット4のラインセンサ7に対する移動を制御して実装ヘッド42に吸着された部品31をラインセンサ7により撮像する制御を行うように構成されている。ここで、ヘッドユニット4の種類に応じたラインセンサ7のライン方向は、インラインのヘッドユニット4aの場合、図6に示すように、複数の実装ヘッド42の配置される方向(X方向)に対して、垂直な方向(Y方向)である。また、ヘッドユニット4の種類に応じたラインセンサ7のライン方向は、ロータリのヘッドユニット4bの場合、図8に示すように、部品供給部3から基板Pに向かう方向(Y方向)に対して、垂直な方向(X方向)である。
【0038】
ここで、生産形態は、部品実装装置100の状態に応じた生産の形態を含む。たとえば、ロータリのヘッドユニット4bを用いる場合において、基板Pの実装位置が、部品供給部3に対してY方向にある場合は、部品供給部3から基板Pの実装位置に対して短い距離で移動する(Y方向に移動する)ために、ラインセンサ7のライン方向は、X方向であることが生産形態に応じている。一方、ロータリのヘッドユニット4bを用いる場合において、基板Pの実装位置が、部品供給部3に対してX方向にある場合は、部品供給部3から基板Pの実装位置に対して短い距離で移動する(X方向に移動する)ために、ラインセンサ7のライン方向は、Y方向であることが生産形態に応じている。また、ロータリのヘッドユニット4bを用いる場合において、ヘッドユニット4bが他のヘッドユニット4と干渉するためY方向に移動できない場合は、移動可能な範囲(X方向の移動)で部品31を撮像するために、ラインセンサ7のライン方向は、Y方向であることが生産形態に応じている。
【0039】
また、制御部8は、図7に示すように、ヘッドユニット4(4a)がX方向に沿って直線状に配置された複数の実装ヘッド42を含む場合において、ラインセンサ7のライン方向がX方向である場合、ヘッドユニット4aをラインセンサ7に対して、X方向と略直交するY方向に移動させながらラインセンサ7により撮像する制御を行うように構成されている。また、制御部8は、ラインセンサ7によりヘッドユニット4aの全ての実装ヘッド42(部品31)を1回の撮像により認識できない場合、複数回に分割してラインセンサ7により撮像する制御を行うように構成されている。具体的には、ラインセンサ7に対してヘッドユニット4aを、Y方向に移動させながら撮像を行い、撮像した実装ヘッド42の分だけX方向に移動させた後、再びY方向に移動させながら撮像を行うことが繰り返される。
【0040】
つまり、図6に示すように、ラインセンサ7のライン方向(Y方向)と、ヘッドユニット4aの複数の実装ヘッド42の配列方向(X方向)とが略直交する場合は、ヘッドユニット4をX方向に移動させながらラインセンサ7により撮像することにより、1回の撮像により、全ての実装ヘッド42に吸着された部品31を認識することが可能である。一方、図7に示すように、ラインセンサ7のライン方向(X方向)と、ヘッドユニット4aの複数の実装ヘッド42の配列方向(X方向)とが略平行な場合は、実装ヘッド42の配置方向の長さに比べてラインセンサ7の長さが小さいため、ヘッドユニット4をY方向に移動させながらラインセンサ7により1回の撮像により全ての実装ヘッド42に吸着された部品31を認識することができない。
【0041】
また、制御部8は、ヘッドユニット4(4b)が円周状に配置された複数の実装ヘッド42を含む場合において、ラインセンサ7のライン方向がY方向である場合、ヘッドユニット4bをラインセンサ7に対して、X方向に移動させながらラインセンサ7により撮像する制御を行うように構成されている。つまり、複数の実装ヘッド42が円周状に配置されたロータリのヘッドユニット4bは、1回の撮像により、全ての実装ヘッド42に吸着された部品31を認識することが可能である。つまり、ラインセンサ7のライン方向がX方向である場合、図8に示すように、ラインセンサ7に対してヘッドユニット4bをY方向に移動させて撮像が行われる。また、ラインセンサ7のライン方向がY方向である場合、図9に示すように、ラインセンサ7に対してヘッドユニット4bをX方向に移動させて撮像が行われる。実装ヘッド42が部品31を吸着してから、基板Pの装着位置に移動する場合、Y方向に移動しながら撮像する方が、距離のロスが少なく、移動時間を抑制することが可能である。
【0042】
また、制御部8は、基板認識カメラ41の撮像結果に基づいて、ラインセンサ7のライン方向を取得するように構成されている。具体的には、制御部8は、基板認識カメラ41により、ラインセンサ7のマーク72aおよび72bを認識する。そして、制御部8は、認識したマーク72aおよび72bの配置に基づいて、ラインセンサ7のライン方向を取得する。たとえば、図5に示すように、制御部8は、マーク72aおよび72bがX方向に配列されている場合は、ラインセンサ7のライン方向がY方向であると判断する。また、制御部8は、マーク72aおよび72bがY方向に配列されている場合は、ラインセンサ7のライン方向がX方向であると判断する。
【0043】
また、制御部8は、ヘッドユニット4を所定の方向に移動させながらラインセンサ7により撮像し、撮像結果に基づいて、ラインセンサ7のライン方向を取得するように構成されている。具体的には、制御部8は、ヘッドユニット4をX方向(Y方向)に移動させながらラインセンサ7により撮像を行う。そして、制御部8は、撮像結果から、ヘッドユニット4が撮像されていることを認識した場合、ラインセンサ7のライン方向がY方向(X方向)であると判断する。また、制御部8は、撮像結果から、ヘッドユニット4が撮像されていないと認識した場合、ラインセンサ7のライン方向がX方向(Y方向)であると判断する。つまり、ラインセンサ7のライン方向と平行にヘッドユニット4を移動させながら撮像した場合、ヘッドユニット4を認識することができない。
【0044】
また、制御部8は、ラインセンサ7のライン方向がヘッドユニット4の種類または生産形態に応じたライン方向ではない場合に、ヘッドユニット4の種類にラインセンサ7のライン方向が対応していないことを通知する制御を行うように構成されている。たとえば、制御部8は、ラインセンサ7のライン方向がヘッドユニット4の種類に対応していないことを、表示部に表示して通知する。また、制御部8は、音や光により警告を通知してもよい。また、制御部8は、作業者により実装動作の継続が指示された場合、ヘッドユニット4のラインセンサ7に対する移動を制御して実装ヘッド42に吸着された部品31をラインセンサ7により撮像する制御を行うように構成されている。
【0045】
(部品実装処理)
次に、図10を参照して、制御部8による部品実装処理について説明する。
【0046】
図10のステップS1において、ラインセンサ7の取付角度が確認される。つまり、ラインセンサ7のライン方向がX方向であるかY方向であるかが確認される。ステップS2において、ラインセンサ7のライン方向がヘッドユニット4の種類に対応しているか否かが判断される。ライン方向がヘッドユニット4の種類に対応していれば、ステップS5に進み、ライン方向がヘッドユニット4の種類に対応していなければ、ステップS3に進む。
【0047】
ステップS3において、ラインセンサ7のライン方向がヘッドユニット4の種類に対応していないことが通知される。ステップS4において、基板Pの生産(部品実装処理)が継続されるか否かが判断される。具体的には、受け付けた作業者の操作(指示)が、基板Pの生産の継続のための操作か、または、基板Pの生産の中断のための操作であるのかが判断される。生産を継続する場合、ステップS5に進み、生産を中断する場合、部品実装処理が終了される。
【0048】
ステップS5において、基板Pの生産(部品実装動作)が開始される。ステップS6において、部品認識動作が開始される。ステップS7において、ラインセンサ7のライン方向がヘッドユニット4の種類に対応しているか否かが判断される。ライン方向がヘッドユニット4の種類に対応していれば、ステップS9に進み、ライン方向がヘッドユニット4の種類に対応していなければ、ステップS8に進む。
【0049】
ステップS8において、一度の撮像により全ての実装ヘッド42に吸着された部品31を認識可能か否かが判断される。一度の撮像により認識可能であれば、ステップS9に進み、一度の撮像により認識可能でなければ、ステップS10に進む。ステップS9において、ラインセンサ7の取付角度(ライン方向)に応じて実装ヘッド42に吸着された部品31が認識される。具体的には、ラインセンサ7のライン方向がX方向である場合、ラインセンサ7に対してヘッドユニット4がY方向に移動されながら撮像されて、部品31が認識される。一方、ラインセンサ7のライン方向がY方向である場合、ラインセンサ7に対してヘッドユニット4がX方向に移動されながら撮像されて、部品31が認識される。その後、ステップS11に進む。
【0050】
ステップS10において、実装ヘッド42に吸着された部品31が分割して撮像されて認識される。つまり、ラインセンサ7に対して、ヘッドユニット4をライン方向に直交する方向に往復移動させながら撮像されて、部品31が認識される。ステップS11において、部品実装動作が終了したか否かが判断される。部品実装動作が終了されれば部品実装処理が終了され、部品実装動作が終了されていなければ、ステップS6に戻る。
【0051】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0052】
本実施形態では、上記のように、ラインセンサ7のライン方向を取得するとともに、ラインセンサ7のライン方向がヘッドユニット4の種類または生産形態に応じたライン方向ではない場合に、ヘッドユニット4のラインセンサ7に対する移動を制御して実装ヘッド42に吸着された部品31をラインセンサ7により撮像する制御を行う制御部8を設ける。これにより、ラインセンサ7のライン方向がヘッドユニット4の種類または生産形態に応じたライン方向ではない場合でも、ラインセンサ7により実装ヘッド42に吸着された部品31を撮像することができるので、部品実装動作を停止させる必要がない。その結果、ライン方向を変更可能な部品実装装置100において、ラインセンサ7のライン方向がヘッドユニット4の種類または生産形態に応じたライン方向でない場合にも、部品実装の稼働率の低下を抑制することができる。また、ラインセンサ7のライン方向がヘッドユニット4の種類または生産形態に応じたライン方向でない場合でも、部品実装動作を停止させる必要がないので、作業者が都合の良い時にラインセンサ7のライン方向を変更すればよい。これにより、作業者の作業の自由度を向上させることができる。
【0053】
また、本実施形態では、制御部8を、ヘッドユニット4がX方向に沿って直線状に配置された複数の実装ヘッド42を含む場合において、ラインセンサ7のライン方向がX方向である場合、ヘッドユニット4をラインセンサ7に対して、Y方向に移動させながらラインセンサ7により撮像する制御を行うとともに、ヘッドユニット4が円周状に配置された複数の実装ヘッド42を含む場合において、ラインセンサ7のライン方向がY方向である場合、ヘッドユニット4をラインセンサ7に対して、X方向に移動させながらラインセンサ7により撮像する制御を行うように構成する。これにより、複数の実装ヘッド42がX方向に沿って配置されている場合において、ラインセンサ7のライン方向がX方向である場合、ヘッドユニット4をY方向に移動させながら撮像することにより、実装ヘッド42に吸着された部品31を精度よく認識することができる。また、複数の実装ヘッド42が円周状に配置されている場合において、ラインセンサ7のライン方向がY方向である場合に、ヘッドユニット4をX方向に移動させながら撮像することにより、実装ヘッド42に吸着された部品31を精度よく認識することができる。これらにより、ラインセンサ7のライン方向がヘッドユニット4の種類に応じたライン方向ではない場合でも、実装ヘッド42に吸着された部品31を精度よく認識することができる。その結果、ラインセンサ7のライン方向がヘッドユニット4の種類に応じたライン方向ではない場合でも、部品実装動作を停止させることなく容易に部品実装動作を継続させることができる。
【0054】
また、本実施形態では、制御部8を、ラインセンサ7によりヘッドユニット4の全ての実装ヘッド42を1回の撮像により認識できない場合、複数回に分割してラインセンサ7により撮像する制御を行うように構成する。これにより、ラインセンサ7のライン方向がヘッドユニット4の種類に応じたライン方向ではない場合でも、ラインセンサ7により複数回に分割して撮像することにより、実装ヘッド42に吸着された部品31を精度よく認識することができる。
【0055】
また、本実施形態では、制御部8を、基板認識カメラ41の撮像結果に基づいて、ラインセンサ7のライン方向を取得するように構成する。これにより、基板認識カメラ41を用いて、ラインセンサ7またはラインセンサ7のライン方向を示すマーク72aおよび72bなどを撮像することにより、ラインセンサ7のライン方向を容易に取得することができる。また、ラインセンサ7のライン方向を取得するための専用のカメラを別個に設ける場合に比べて、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0056】
また、本実施形態では、制御部8を、ヘッドユニット4を所定の方向に移動させながらラインセンサ7により撮像し、撮像結果に基づいて、ラインセンサ7のライン方向を取得するように構成する。これにより、ラインセンサ7の撮像結果により、ラインセンサ7のライン方向を取得することができるので、ラインセンサ7のライン方向を取得するための専用のカメラを別個に設ける場合に比べて、部品点数が増加するのを抑制することができる。また、ラインセンサ7のライン方向を取得するための撮像と、実装ヘッド42に吸着された部品31の撮像とで、被写体の位置が略同じ位置となるので、焦点距離を変更することなく撮像することができる。これにより、ラインセンサ7のライン方向を容易に取得することができる。
【0057】
また、本実施形態では、制御部8を、ラインセンサ7のライン方向がヘッドユニット4の種類または生産形態に応じたライン方向ではない場合に、ヘッドユニット4の種類にラインセンサ7のライン方向が対応していないことを通知する制御を行うとともに、作業者により実装動作の継続が指示された場合、ヘッドユニット4のラインセンサ7に対する移動を制御して実装ヘッド42に吸着された部品31をラインセンサ7により撮像する制御を行うように構成する。これにより、作業者の指示により、部品実装動作を継続させることができる。また、作業者がラインセンサ7のライン方向を変更する作業を行うことを望む場合は、ラインセンサ7のライン方向が変更された後、部品実装動作を再開させることができる。
【0058】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0059】
たとえば、上記実施形態では、ラインセンサを回動させることにより、ライン方向が変更される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図11に示す変形例のように、ラインセンサ7aが、複数の撮像素子71aと、複数の撮像素子71bとを有していてもよい。複数の撮像素子71aは、Y方向に並んで配置されており、複数の撮像素子71bは、X方向に並んで配置されていてもよい。つまり、ラインセンサ7aは、複数の撮像素子71aおよび71bによる撮像を切り替えることにより、部品31を撮像する撮像素子71のライン方向を変更可能に構成されていてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、インラインのヘッドユニットに一列に複数の実装ヘッドが配置されている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、インラインのヘッドユニットに複数列に複数の実装ヘッドが配置されていてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、ラインセンサに形状の異なるマークを付した構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ラインセンサに異なる記号、色を付して、ラインセンサのライン方向を取得するようにしてもよい。また、マークを1つ設けてもよいし、3つ以上設けてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、ラインセンサによる撮像、または、基板認識カメラによる撮像に基づいて、ラインセンサのライン方向を取得する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ラインセンサのライン方向を認識するためのセンサを設けてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、ラインセンサが2つ設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ラインセンサを1つ設けてもよいし、ラインセンサを3つ以上設けてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、ヘッドユニットが1つ設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ヘッドユニットを複数設けてもよい。また、1つのヘッドユニットに複数のロータリを設けてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御部の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0066】
4、4a、4b ヘッドユニット
7 ラインセンサ
8 制御部
31 部品
41 基板認識カメラ
42 実装ヘッド
71 撮像素子
100 部品実装装置
P 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11