【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明が提供する中電圧または高電圧用スイッチは、
高真空の筐体と、
前記筐体内に搭載されて開位置と閉位置の間を相対往復変位可能とされている第一接点および第二接点と、
を備えている。前記開位置において前記第一接点と前記第二接点は離間し、前記閉位置において前記第一接点と前記第二接点は電気的に接触する。
【0013】
当該スイッチは、導体をさらに備えている。当該導体は、少なくとも前記第一接点と前記第二接点が前記閉位置にあり、かつ前記中電圧または高電圧が印加されたときに当該導体から部分放電が生じる圧力閾値が存在するように、前記筐体内に配置されている。
【0014】
筐体内に導体を配置するこのような構成によれば、放電を検出するのみで筐体の内圧が圧力閾値を超えたことを判断可能にできる。従来の手法とは異なり、検出に際してスイッチを開位置にすることを要しない。よって、閉位置から開位置への移行中にスイッチが爆発するリスクが回避される。
【0015】
加えて、真空テストを実施するために筐体内に配置された導体を使用するに際して、当該導体への電圧の印加を必要としない。部分放電は、筐体の外側から検出されうる。したがって、従来のスイッチと異なり、当該スイッチは、有線接続を介する情報の出力や同経路を通じた電圧の印加を必要としない。結果として、当該スイッチは、筐体内をテストに供される真空に保つことを許容しつつも、従来のスイッチのような製造上の複雑さを伴わない。
【0016】
本明細書を通じて、「高真空」という語は、圧力が10
−3Paから10
−5Paの範囲にあることを意味する。
【0017】
本明細書を通じて、「中電圧」という語は、交流(AC)電圧が1kVから50kVの範囲にあることを意味する。「高電圧」という語は、交流(AC)電圧が50kVを超える範囲にあることを意味する。
【0018】
本明細書を通じて、「導体によって生じた部分放電」という表現は、その構成が導体とスイッチの一部の間に部分放電を可能にするように導体が配置されることを意味する。当該スイッチの一部は、高電圧に曝されるのに適した箇所、または接地される箇所である。
【0019】
部分放電は、スイッチにおける二箇所の間に現れる電気アークに対応する。当該二箇所の間には顕著な電位差が存在する。当該アークは、当該スイッチの二箇所の間で負荷が移動することに対応する。当該放電は、周波数が100MHzから少なくとも3GHzの範囲(すなわち極超短波帯)にある電磁的現象である。部分放電であることを示す電磁波は、極超短波アンテナによって検出されうる。
【0020】
本明細書を通じて、「浮動電位」という語は、導体やシールドのように導線性材料からなるスイッチの一部がいずれの基準電位にも物理的に接続されていないことを示す。当該基準電位が固定(接地など)であるか可変(交流電圧など)であるかは問わない。すなわち、浮動電位は、前記スイッチの一部が供される静電的条件に応じて変化しうる。
【0021】
前記導体は、少なくとも前記第一接点と前記第二接点が前記閉位置にあり、かつ前記中電圧または高電圧が印加されたときに当該中電圧または高電圧に曝されるスイッチ素子から所定の距離だけ離れて前記筐体内に配置されうる。
【0022】
真空よりも大きな誘電率を呈する誘電材料が前記スイッチ素子と前記導体の間に設けられうる。
【0023】
そのような材料は、容量(すなわち導体とスイッチ素子間の最大電位差)の良好な制御を可能にする。導体とスイッチ素子間の最大電位差を制御することにより、部分放電が生じる筐体内の閾値圧を正確に監視できる。
【0024】
前記スイッチ素子は、前記第一接点と前記第二接点から選ばれた接点でありうる。
【0025】
前記スイッチは、導電材料からなり、浮動電位を有するように前記筐体内に配置されており、前記スイッチ素子であるシールドを備えうる。
【0026】
前記導体は、前記スイッチ素子に向かって先細りとなる少なくとも一つの先細り部を有しうる。
【0027】
そのような先細り部は、部分放電が生じる閾値圧の良好な制御を確保しつつ、電気放電が生じる導体の一部を定めることを可能にする。
【0028】
本発明は、中電圧または高電圧用の真空絶縁スイッチアセンブリも提供する。当該アセンブリは、本発明に係るスイッチと、前記筐体内で発生する部分放電を検出可能にする極超短波アンテナとを備えている。
【0029】
当該アセンブリは、本発明に係るスイッチの利点の大半をそのまま有効にする。当該スイッチは、極超短波アンテナによって検出される部分放電を可能にするように構成されているからである。
【0030】
本発明に係る中電圧または高電圧用スイッチのテスト方法も提供される。当該方法は、前記スイッチを中電圧または高電圧に接続するステップと、前記筐体内の圧力が前記圧力閾値を上回ることを示す部分放電を検出するステップとを含んでいる。
【0031】
当該方法は、本発明に係るスイッチのテストを可能にする。
【0032】
当該方法は、前記筐体内で発生する部分放電を検出可能にする極超短波アンテナを予め設けておくステップを備えうる。この場合、前記部分放電を検出するステップは、前記極超短波アンテナによって実現される。
【0033】
本発明に係る別解決手段は、中電圧または高電圧用スイッチに関連する。当該スイッチは、
高真空の筐体と、
前記筐体内に搭載されて開位置と閉位置の間を相対往復変位可能とされている第一接点および第二接点と、
を備えており、
前記開位置において前記第一接点と前記第二接点は離間し、前記閉位置において前記第一接点と前記第二接点は電気的に接触する。
【0034】
当該スイッチは、少なくとも二つの電極を備えている。当該電極は、間隙を区画するように前記筐体内に配置されている。第一の電極は、前記第一接点と前記第二接点の一方と電気的に接続されている。第二の電極は、前記筐体を貫通している導体と電気的に接続されている。第一の電極と第二の電極の間には電位差が印加されている。
【0035】
当該電位差は、特定の電源から供給されうるか、考慮対象である接点上の中電圧または高電圧の存在による容量結合を通じて自然に取得されうる。
【0036】
前記第一の電極と前記第二の電極の間の電位差は、動作中において連続的に印加されうる。
【0037】
真空瓶内の真空損失を検出するために二つの電極を使用することにより、回路遮断器の通常動作を妨げることなく当該検出を行なうことが可能になる。
【0038】
真空瓶内の真空損失の検出は、前記第一の電極と前記第二の電極の間の電位差に基づく。当該電位差は、電気回路が開かれたときに前記真空瓶の前記第一接点と前記第二接点の間に存在しうる電位差よりも小さい。この場合、前記第一の電極と前記第二の電極の間に生じうる過渡現象は、前記第一接点と前記第二接点における前記電気回路を開く能力や、前記スイッチの外部絶縁に何の影響も及ぼさない。
【0039】
よって、このスイッチによれば、動作中であっても真空損失が検出されうる。したがって、真空損失を検出するために電気回路を開く必要がない。
【0040】
前記導体は、前記筐体を気密封止状態で貫通しうる。
【0041】
本発明に係るこの別解決手段の変形例として、前記第一接点と前記第二接点の一方は、前記第一の電極を形成しうる。この場合、前記第二の電極は、当該一方の接点との間に前記間隙を区画するように前記筐体内に配置される。
【0042】
本発明に係る別解決手段は、上記の別解決手段に基づいてスイッチ内の真空損失を検出する装置も提供する。当該装置は、
上記本発明の別解決手段に係るスイッチと、
前記第一接点と前記第二接点の間に存在する電位差よりも小さな電位差を前記第一の電極と前記第二の電極の間に形成する手段と、
前記第一の電極と前記第二の電極の間に流れる電流を測定する手段と、
を備えている。
【0043】
本明細書を通じて、「第一接点と第二接点の間に存在する電位差よりも小さな電位差」という表現は、スイッチが開位置にあるときに第一の電極と第二の電極の間に存在する電位差が、第一接点と第二接点の間に存在する電位差の10分の1未満であることを意味する。
【0044】
前記第一の電極と前記第二の電極の間に前記電位差を形成する手段は、外部電源を備えていることが好ましい。
【0045】
あるいは、前記第一の電極と前記第二の電極の一方は、前記第一接点と前記第二接点の一方に設けられており、前記第一の電極と前記第二の電極の間に前記電位差を形成する手段は、前記第一の電極および前記第二の電極の一方と、前記第一接点および前記第二接点の一方との間の容量結合であることが好ましい。
【0046】
上記の装置は、前記筐体内の真空損失の自動的検出を管理するために監視モジュールをさらに備えていることが好ましい。
【0047】
この場合、真空の質が連続的に監視され、真空が不十分になる前の介入が可能となる。
【0048】
本発明は、さらにスイッチの製造方法を提供する。当該方法は、
圧力閾値を設定するステップと、
導体を用意するステップと、
筐体の少なくとも一部によって前記スイッチの筐体を形成するステップと、
第一接点と第二接点が閉位置にある状態で前記スイッチに中電圧または高電圧が印加され、前記筐体内の圧力が前記圧力閾値に達すると、前記導体から部分放電が生じるように、前記筐体内に前記導体を配置するステップと、
を含んでいる。
【0049】
本発明は、下記の添付図面を参照しつつ非限定的な例示を通じてなされる実施形態の説明を読むことにより、より良く理解されうる。