(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
各種物品を選別する工程において、選別対象となる物品の大きさや重さ、形状、色彩、その他外観的要素、あるいは、その物品の良否や評価、種類等といった種々の条件に応じて、それらの物品を選別する装置が用いられる。
【0003】
特に、農産物を扱う設備や施設では、ある程度重量のある果実や野菜等を扱う際に、コンベヤ上において、流れ方向に沿って整列して流れている物品のうち、指定した条件に合致する物品のみを下方に落下させて選別する、落下式の選別装置が用いられる。この種の落下式の選別装置として、例えば、特許文献1、2のものがある。
【0004】
特許文献1、2の選別装置は、コンベヤの流れ方向に沿って、物品の内容を各種センサやカメラ等によって識別する識別部と、その識別部の下流側に配置され、指定した条件に該当する物品のみをコンベヤ外に排出する選別部とが備えられている。
【0005】
例えば、
図8に示すように、コンベア2は、上下方向に回動自在の支持片11を、コンベヤ2の流れ方向に沿って多数並列して備えている。チェーン等からなる無端状部材3に台座4が支持され、支持片11は、その台座4に設けられた支持軸11bの軸周りに回動自在である。また、支持片11は、支持軸11bの外周に嵌められたねじりコイルバネbによって、その先端11eが下方へ向かう方向へ付勢されている。支持軸11bの軸方向は、通常は、コンベヤ2の流れ方向に平行な方向である。
【0006】
コンベヤ2は、その支持片11を、支持片11の上に物品を載置できる載置可能状態(横向き状態)にロックするロック機構Bを備えている。
【0007】
ロック機構Bは、支持片11に設けられたロックピン11aと、そのロックピン11aを係止して支持片11の下方への回動を規制するロック片12とを備えている。ロック片12は、軸12bの軸周りに回動自在で、その軸12bの外周に嵌められたねじりコイルバネaによって、ロックピン11aへの係止方向へ付勢されている。
【0008】
支持片11は、ロック機構Bとともに無端状部材3の長手方向への動きに合わせて同じ方向へ移動するので、載置可能状態にロックされた支持片11上に載置されている物品Aも、その流れ方向に沿って移動していく。
【0009】
また、選別部には、ロック機構Bによる支持片11のロックを解除する解除機構Cが配置されている。解除機構Cは、ロック片12を押圧するレバー6cと、そのレバー6cを動作させる進退自在のロッド6dを備えたソレノイド装置6b等を備えている。
【0010】
ソレノイド装置6bへの通電により、ロッド6dが伸長してレバー6cを押圧すると、レバー6cの先端がロック片12の後端を下方へ押圧して、ロック片12の先端が上方へ回動する。この回動により、ロック片12によるロックピン11aの係止が解除される。これにより、支持片11の先端11eは下方へ回動し、支持片11は物品Aを落下させる載置不能状態(傾斜状態)となる。支持片11の上に載置されていた物品Aは下方に落下し、次工程Dへ排出される。この解除機構Cの動作は、識別部からの信号により、その選別部に該当する条件の物品Aが載置されている支持片11に対してのみ行われる。
【0011】
また、支持片11は、コンベヤ2に設けられている全ての選別部を通過した後、リターン側へ向きを変える反転部、又は、その反転部までの間に設けられた復帰機構(図示せず)において、ねじりコイルバネbによる付勢力に抗して、その先端が上方へ持ち上げられて、載置可能状態に復帰する。このとき、ロック機構Bによる支持片11のロックも自動的に復帰する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記の選別装置では、支持片11は、通常は、ロック片12によって下方への回動が規制され、載置可能状態に保持されている。すなわち、ロック片12によるロックピン11aの係止を解除しない限り、支持片11の先端11eは下方へは揺動しない。
【0014】
しかし、この載置可能状態で、支持片11は上方への揺動は特には規制されておらず、コンベヤ2の振動や反転部での遠心力によって、支持片11の先端11eが上方へ浮き上がることがある。支持片11の浮き上がりは、コンベヤ2の安定した動作を阻害するので好ましくない。
【0015】
支持片11の先端11eの浮き上がりを防止するためには、支持片11を付勢しているねじりコイルバネbの弾性力を高める手法が考えられる。ねじりコイルバネbの弾性力を高めることは、バネ部材の大型化や重量増に繋がるので好ましくない。
【0016】
そこで、この発明の課題は、支持片の先端の浮き上がりを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を解決するために、この発明は、無端状部材の長手方向に沿って取り付けられた複数の台座と、前記台座に支持されその先端が上下方向に回動自在である複数の支持片と、前記支持片をその支持片上に物品を載置できる載置可能状態から前記先端の下方への回動をロックするロック機構と、前記ロック機構による前記支持片のロックを解除する解除機構と、前記載置可能状態において前記支持片の先端が上方へ回動するのを阻止する浮き上がり防止手段とを備える物品の選別装置とした。
【0018】
ここで、前記ロック機構は、前記支持片に設けられたロックピンと、前記ロックピンを係止して前記支持片の先端の下方への回動を規制するロック片とを備え、前記浮き上がり防止手段は、前記ロック片に設けられ前記ロックピンに当接する回動阻止当接部を備える構成を採用することができる。
【0019】
このとき、前記支持片は支持軸まわりに回動自在であり、前記ロックピンは前記支持軸よりも後端側に位置し、前記回動阻止当接部は前記ロックピンの下面に当接する構成を採用することができる。
【0020】
また、前記ロック機構は、前記支持片に設けられたロックピンと、前記ロックピンを係止して前記支持片の先端の下方への回動を規制するロック片とを備え、前記浮き上がり防止手段は、前記ロック片に設けられ前記支持片に当接する回動阻止当接部を備える構成を採用することができる。
【0021】
このとき、前記支持片は支持軸まわりに回動自在であり、前記ロックピンは前記支持軸よりも後端側に位置し、前記回動阻止当接部は前記支持軸よりも後端側で前記支持片の下面に当接する構成を採用することができる。
【0022】
これらの各態様において、前記先端が下方へ回動する方向へ前記支持片を付勢する弾性部材の設置を省略したスプリングレス構造の前記支持片を備えた構成を採用することができる。
【0023】
また、これらの各態様において、前記先端が下方へ回動する方向へ前記支持片を付勢するおもりを備えた構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0024】
この発明は、浮き上がり防止手段を備えたことによって、支持片の先端の浮き上がりを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第一の実施形態の物品の選別装置1の構成を示す断面図である。以下、物品の選別装置1を、単に選別装置1と称する。ここで、取り扱う物品Aとしては、例えば、農産物として果実や野菜等が挙げられる。果実の例としてミカンやリンゴ等があり、また、野菜の例として、ジャガイモやサツマイモ等の根菜類がある。いずれも或る程度の重量があり、また、落下や転動させながらの移動が許容される種類のものが、物品Aとして取り扱いやすい。
【0027】
コンベヤ2は、その流れ方向に沿って、物品Aの内容を各種センサやカメラ等によって識別する識別部と、その識別部の下流側に配置され、指定した条件に該当する物品Aのみをコンベヤ2外に排出する選別部とが備えられている。選別部においては、対象となる物品Aの大きさや重さ、形状、色彩、その他外観的要素、あるいは、その物品Aの良否や評価、種類等といった種々の条件に応じて、それらの物品Aが選別される。
【0028】
コンベヤ2の構成、及び、選別部においてその選別の機能を発揮するために用いられる選別装置1の構成を説明する。
【0029】
コンベヤ2は、コンベヤフレーム5の上部ガイド5aと下部ガイド5bとの間に支持され、長手方向に沿って移動可能なチェーン(無端状部材)3と、そのチェーン3を長手方向へ移動するように駆動する駆動源(図示せず)とを備えている。
【0030】
また、コンベア2は、チェーン3に支持されて上下方向に回動自在の支持片11を、コンベヤ2の流れ方向に沿って多数並列して備えている。その支持構造は、
図2及び
図3に示すように、チェーン3の内リンクと外リンクを結んでいる軸3aが、チェーン3の外部に延長されており、その延長された軸3aに台座4が支持されている。台座4に形成された孔4dに軸3aが挿通されて、その軸3aの先端に抜け止め4cが嵌められて、台座4とチェーン3とが固定されている。
【0031】
この実施形態では、2本の軸3aに対して1つの台座4が固定されているが、1つの台座4を支持する軸3aの本数は自由に設定できる。例えば、1本の軸3aに対して1つの台座4を固定するようにしてもよいし、3本あるいはそれ以上の本数の軸3aに対して1つの台座4を固定するようにしてもよい。
【0032】
台座4には、上方へ突出する対の突出部4aが設けられている。この対の突出部4aにはそれぞれ支持軸固定孔4bが形成されている。この支持軸固定孔4bに、支持片11を回動自在に支持するための支持軸11bが挿通される。
【0033】
支持軸11bの軸方向は、通常は、コンベヤ2の流れ方向に平行な方向である。このため、支持片11は、その先端11eがコンベヤ2の流れ方向に直交する方向に向けて突出するように配置され、支持軸11bを回動中心として、その突出側の先端11eが上下方向に回動自在である。なお、支持片11の突出方向は、コンベヤ2の流れ方向に直交する方向に限定されず、コンベヤ2の流れ方向に対して90度以外の角度で交差している態様も考えられる。
【0034】
支持片11は、
図2に示すように、長手状の部材で構成され、コンベヤ2の流れ方向に沿ってその両端に壁部を備え、流れ方向両端の壁部にそれぞれ支持軸固定孔11dが形成されている。流れ方向両端の壁部間は空間となっており、この空間内に台座4の対の突出部4aが進入する。そして、支持軸固定孔4bと支持軸固定孔11dとが位置合わせされて、支持軸固定孔4bと支持軸固定孔11dに1本の支持軸11bが挿通されている。これにより、支持片11は、台座4に対して支持軸11bの軸周りに回動自在である。
【0035】
また、支持片11は、支持軸11bに平行な方向に配置されたロックピン11aを備えている。ロックピン11aは、
図2に示すように、流れ方向両端の壁部にそれぞれ設けられたロックピン固定孔11cに挿通されて、その支持片11に固定されている。このロックピン11aが、支持片11を、支持片11の上に物品を載置できる水平に近い状態、すなわち、載置可能状態(横向き状態)にロックするロック機構Bの一部を構成している。
【0036】
ロック機構Bは、支持片11に設けられたロックピン11aと、そのロックピン11aを係止して支持片11の先端11eの下方への回動を規制するロック片12とを備えている。ロック片12は、
図2に示すように、コンベヤ2の流れ方向に沿って両端に壁部を備え、その流れ方向両端の壁部にそれぞれ軸固定孔12cが形成されている。流れ方向両端の壁部間は空間となっており、この空間内に台座4が進入する。また、台座4には軸固定孔4eが形成されている。そして、軸固定孔12cと軸固定孔4eとが位置合わせされて、軸固定孔12cと軸固定孔4eに1本の軸12bが挿通されている。これにより、ロック片12は、台座4に対して軸12bの軸周りに揺動自在である。
【0037】
ロック片12は、上方に突出するフック状の係止部12aを備えている。この係止部12aは下向き面を備え、この下向き面でロックピン11aの上面側を係止して、載置可能状態にある支持片11の先端11eが下方へ回動するのを規制する。この実施形態では、ロックピン11aが支持軸11bの後端11f側にあるので、ロック片12の係止部12aは、その下向き面がロックピン11aの上面側を係止して、支持片11が載置不能状態(傾斜状態)側へ回動するのを規制する態様となっている。仮に、ロックピン11aが支持軸11bの先端11e側にある場合には、ロック片12の係止部12aは、その上向き面がロックピン11aの下面側を係止して、支持片11が載置不能状態(傾斜状態)側へ回動するのを規制する態様となる。
【0038】
また、ロック片12は、軸12bの外周に嵌められたねじりコイルバネa(
図1参照)によって、ロックピン11aへの係止方向へ付勢されている。
【0039】
これらの支持片11、ロック片12、ロック機構B等によって、チェーン3及び台座4とともにコンベヤ2の流れ方向に沿って移動する搬送選別ユニット10を構成している。
【0040】
また、選別部には、ロック機構Bによる支持片11のロックを解除する解除機構Cが配置されている。解除機構Cは、フレーム5の長手方向に沿って伸びる固定溝5c内に、ボルト及びナット等の固定手段6aによって、動かないように固定されている。
【0041】
これに対し、支持片11は、搬送選別ユニット10を構成する他の部材、すなわち、ロック片12やロック機構Bとともにチェーン3の長手方向への動きに合わせて同じ方向へ移動するので、載置可能状態にロックされた支持片11上に載置されている物品Aも、その流れ方向に沿って移動していく。
【0042】
解除機構Cは、ロック片12の後端を押圧するレバー6cと、そのレバー6cを動作させる進退自在のロッド6dと、通電によりロッド6dを進退させるソレノイド部6bを備えたソレノイド装置6等を備えている。
【0043】
ソレノイド部6bへの通電により、ロッド6dが伸長してレバー6cを押圧すると、レバー6cの先端がロック片12の後端を下方へ押圧して、ロック片12の先端が上方へ回動する。この回動により、係止部12aの下向き面はロックピン11aの上面から離脱して、ロック片12によるロックピン11aの係止が解除される。これにより、支持片11の先端11eは下方へ回動し、支持片11は物品Aを落下させる載置不能状態(傾斜状態)となる。支持片11の上に載置されていた物品Aは下方に落下し、次工程Dへ排出される。
【0044】
この解除機構Cによるロック解除の動作は、識別部からの信号により、その選別部に該当する条件の物品Aが載置されている支持片11に対してのみ行われる。物品Aは、必ずしも1つの支持片11上に載置されているとは限らず、多くの場合は、隣り合う複数の支持変11上に跨って載置されているので、解除機構Cは、その該当する物品Aが載置されている全ての支持片11に対して、ロックの解除を行う。これらの解除機構Cも選別装置1の一部を構成している。
【0045】
また、支持片11は、コンベヤ2に設けられている全ての選別部を通過した後、リターン側へ向きを変える反転部、又は、その反転部までの間に設けられたガイド部材等の復帰機構(図示せず)に当たって、その先端11eが上方へ持ち上げられて、載置可能状態に復帰する。このとき、ロック機構Bによる支持片11のロックも自動的に復帰して、次なる搬送に供される。
【0046】
ここで、搬送選別ユニット10は、載置可能状態において支持片11の先端11eが上方へ回動するのを阻止する浮き上がり防止手段20を備えている。浮き上がり防止手段20を備えることにより、コンベヤ2の振動や、コンベヤ2の反転部における遠心力等によって、支持片11の先端11eが浮き上がることを防止できる。特に、物品Aが落下して次工程Dへ搬出された後、支持片11が載置可能状態に復帰した状態で浮き上がりを防止することが、装置の安定性、安全性のために有効である
【0047】
第一の実施形態の浮き上がり防止手段20は、
図1〜
図4に示すように、ロック片12に設けられ、ロックピン11aに当接する回動阻止当接部21aを備える構成である。
【0048】
回動阻止当接部21aは、
図4(a)に示す載置可能状態、(b)に実線で示す載置不能状態のように、ロック片12に設けた突片21の上向き面で構成され、この上向き面でロックピン11aの下面側を係止して、載置可能状態にある支持片11の先端11eが、それ以上、上方へ回動するのを規制する。
【0049】
この実施形態では、ロックピン11aが支持軸11bの後端11f側にあるので、回動阻止当接部21aを構成する上向き面は、その上向き面がロックピン11aの下面側を係止して、支持片11の先端11eが上方へ回動するのを規制する態様となっている。仮に、ロックピン11aが支持軸11bの先端11e側にある場合には、回動阻止当接部21aは下向き面となって、その下向き面がロックピン11aの上面側を係止して、支持片11の先端11eが上方へ回動するのを規制する態様となる。
【0050】
また、第二の実施形態の浮き上がり防止手段20は、
図5(a)に示すように、ロック片12に設けられ、支持片11に当接する回動阻止当接部22aを備えたものである。
【0051】
回動阻止当接部22aは、ロック片12に設けられた上向き凸部22の上面で構成され、その上向き凸部22の上面が、支持軸11bよりも後端11f側で、支持片11の下面22bに当接することで、支持片11の先端11eが上方へ回動するのを規制する。上向き凸部22の上面は、円弧状に形成されているので、支持片11の下面22bとの摺動がスムーズである。
【0052】
また、第三の実施形態の浮き上がり防止手段20は、同じく、
図5(b)に示すように、ロック片12に設けられ、支持片11に当接する回動阻止当接部23bを備えたものである。
【0053】
回動阻止当接部23bは、ロック片12に設けられたフラットな上向き面で構成され、その上向き面が、支持軸11bよりも後端11f側で、支持片11に設けられた下向き凸部23の下面23aに当接することで、支持片11の先端11eが上方へ回動するのを規制する。下向き凸部22の下面23aは、円弧状に形成されているので、ロック片12の上向き面との摺動がスムーズである。
【0054】
第四の実施形態の浮き上がり防止手段20は、同じく、
図5(c)に示すように、ロック片12に設けられ、支持片11に当接する回動阻止当接部24aを備えたものである。
【0055】
回動阻止当接部24aは、ロック片12に設けられた上向き凸部24の上面で構成され、その上向き凸部23の上面が、支持軸11bよりも後端11f側で、支持片11のフラットな下向き面24bに当接することで、支持片11の先端11eが上方へ回動するのを規制する。上向き凸部24の上面は、円弧状に形成されているので、支持片11の下向き面24bとの摺動がスムーズである。
【0056】
第五の実施形態の浮き上がり防止手段20は、
図6(a)(b)に示すように、ロック片12に設けられ、支持片11に当接する回動阻止当接部25aを備えたものである。
【0057】
回動阻止当接部25aは、ロック片12の側面に設けられた突条25の上面で構成され、その突条25の上面が、支持軸11bよりも後端11f側で、支持片11の下向き面25bに当接することで、支持片11の先端11eが上方へ回動するのを規制する。
【0058】
回動阻止当接部25aは、ロック片12の両側側面に設けられているが、この回動阻止当接部25aを、ロック片12の一方の側面のみとしてもよい。
【0059】
図6(a)(b)の例では、回動阻止当接部25aと、前述の第一の実施形態における浮き上がり防止手段20(回動阻止当接部21a)と併用しているが、このような併用を行わず、回動阻止当接部25aのみでも浮き上がり防止の効果を発揮し得る。また、この第五の実施形態の回動阻止当接部25aを、前述の第二の実施形態、第三の実施形態、第四の実施形態における浮き上がり防止手段20(回動阻止当接部22a、23b、24a)と併用してもよい。
【0060】
従来の選別蔵置では、支持片11を載置可能状態から載置不能状態側へ付勢するねじりコイルバネb(
図8参照)を設けていた。このねじりコイルバネbは、解除機構Cによるロックの解除があった後、すみやかに物品が落下するように支持片11を付勢するものであったが、同時に、その付勢方向は、支持片11の先端11eの浮き上がりを防止する方向に合致していた。この発明では、浮き上がり防止手段20を備えたことにより支持片11の浮き上がりは生じないので、このねじりコイルバネbの設置を省略しても何ら差し支えない。また、ねじりコイルバネbを省略しても、ある程度の重量を有する物品Aであれば、その自重により、ロックの解除後速やかに落下することも確認できた。したがって、この発明を採用すれば、支持片11の先端11eが下方へ回動する方向へ付勢する、すなわち、支持片11を載置可能状態から載置不能状態側へ付勢する弾性部材(前記ねじりコイルバネb)の設置を省略したスプリングレス構造の選別装置1を採用することが可能である。
【0061】
仮に、重量の小さい物品Aを扱う場合(例えば、海産物の海苔等)、あるいは、特に必要とする場合には、支持片11の先端11eが下方へ回動する方向へ付勢する弾性部材を設置してもよいが、仮に、重量の小さい物品Aを扱う場合であっても、
図7(a)(b)に示すように、支持片11に、その先端11eが下方へ回動する方向へ支持片11を付勢するおもり30を備えれば、弾性部材の設置を省略することができる。
【0062】
図7(a)は、第六の実施形態を示し、支持片11の先端11e付近にのみ、おもり30を設置したものである。
図7(b)は、第七の実施形態を示し、支持片11の支持軸11bよりも先端11e側に、広い範囲でおもり30を設置したものである。おもり30の重量や形状、その取り付け範囲は、コンベヤ2の仕様や取り扱う物品Aに応じて自由に設定できる。また、おもり30の支持片11への固定方法、固定構造は、例えば、接着固定、溶着固定、支持片11が樹脂やゴム製である場合にはインサート成型等、種々の手法を採用できる。
【0063】
上記の実施形態では無端状部材3としてチェーン3を採用したが、無端状部材3としてベルト等の他の部材を採用したコンベヤ2においても、この発明の構成を適用できる。