(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プログラム記憶デバイスは、前記鍵ストアアプリケーションウォレットの少なくとも1つの秘密鍵を制御する仲介電子決済プラットフォームサーバ上に存在する、請求項7に記載のプログラム記憶デバイス。
前記第1の償還条件が満たされる場合、償還のための前記第1の暗号化実施電子的機構を自動的に実行し、前記第1のデジタル資産権利の所有権に対する制御の前記デジタル表現を前記複数のユーザから前記第1のユーザに返送する
ように前記プロセッサによって実行可能なプログラム命令をさらに含む、請求項9に記載のプログラム記憶デバイス。
特定の定義された交換条件が満たされた場合にのみ、前記第1のユーザおよび少なくとも1つの他のユーザの前記許可された取引に暗号署名するように前記プロセッサによって実行可能なプログラム命令をさらに含み、
前記定義された交換条件は、前記第1のユーザの取引限度額と契約取引の一致とが含まれる、請求項11に記載のプログラム記憶デバイス。
前記プログラム記憶デバイスは仲介電子決済プラットフォームサーバ上に存在し、償還のための前記第1の暗号化実施電子的機構は前記プラットフォームサーバによって検閲または防止することができない取引を含む、請求項11に記載のプログラム記憶デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の概念は、例示的な実施形態が示されている添付の図面を参照しながら、より十分に説明されよう。しかしながら、本発明の概念は、多数の異なる形で実施されてよく、本明細書に記載されている実施形態に制限されると解釈されるべきではない。同様の参照番号は、本開示全体を通じて同様の要素を指し得る。
【0015】
本発明の概念は、デジタル資産決済プラットフォームを提供する。例示的な一実施形態であるデジタル資産電子決済プラットフォームは、そのうちのいくつかがその上に記憶された分散型ブロックチェーンおよび/または参照データのコピーを有するノードと、ノードに結合されたインタフェースサーバと、インタフェースサーバに結合されたクライアントマシンと、クライアントマシンに結合されたデータサーバと、このデータサーバに結合された持続ユニットと、データサーバに結合されたキャッシュユニットと、データサーバに結合された協調ユニットとを含む。
【0016】
限定するものではないが、本発明の概念の例示的な一実施形態は、「ウォレット」を利用することについて説明するものであり、「ウォレット」とは、秘密鍵および対応する公開鍵のストアを制御し、含み得る鍵ストアアプリケーションである。これらの鍵は、分散型台帳上での取引、権利、または契約の裁可、ここでは署名を有効にする。秘密鍵を制御することは、対応する公開鍵によって保持される資産、権利、または契約の制御を表す。
【0017】
本発明の概念の例示的な一実施形態によるデジタル資産電子決済プラットフォームは、そのうちのいくつかがその上に記憶された分散型ブロックチェーンのフルコピーを維持するノードと、ノードに結合されたインタフェースサーバと、インタフェースサーバに結合されたクライアントマシンと、このクライアントマシンに結合されたデータサーバと、このデータサーバに結合された持続ユニットと、データサーバに結合されたキャッシュユニットと、データサーバに結合された協調ユニットとを含む。署名サーバなどのいくつかのノードは、たとえば、任意選択で、分散型ブロックチェーンの部分コピーのみを記憶してよい。
【0018】
図1に示されるように、一般的なデジタル資産に対する所有権のチェーンは、参照番号100によって全体的に示されている。第1の取引110では、所有者0は、秘密鍵に基づいて、所有者0のデジタル署名116を、次の所有者1の公開鍵112と組み合わせた以前の取引の出力の組み合わせ(たとえば、限定するものではないが連結)の暗号学的ハッシュ114に適用することによって、デジタル資産の所有権を次の所有者1に移転する。第2の取引120では、所有者1は、所有者1の秘密鍵118に基づいて、所有者1のデジタル署名126を、次の所有者2の公開鍵122と組み合わせた以前の取引110の出力の組み合わせの暗号学的ハッシュ124に適用することによって、同じデジタル資産の所有権を次の所有者2に移転する。第3の取引130では、所有者2は、所有者2の秘密鍵128に基づいて、所有者2のデジタル署名136を、次の所有者3の公開鍵132と組み合わせた以前の取引120の出力の組み合わせの暗号学的ハッシュ134に適用することによって、同じデジタル資産の所有権を次の所有者3に移転する。
【0019】
公開鍵または署名の使用は、本明細書における説明を簡単にするための非限定的な例示的な一実施形態にすぎず、この秘密形態は、対応するエンティティがデジタル資産に対する所有権または処分権を有することを示すために使用されてよく、この権利は、対応する公開鍵を用いて署名することによって行使されてよいことが理解されるものとする。本発明の概念は、これに限定されるものではなく、あるいは、たとえば、次の24時間にわたってなどの固定された持続時間にわたって、エンティティAが、デジタル資産に対して署名する所有権または処分権を持ち、その後、エンティティBおよびエンティティCの両方が署名しなければならないことを指定するなどの、より幅広いまたはより柔軟な様式で、権利を定義するためのより一般的な表記法を使用してよい。
【0020】
暗号学的ハッシュは、任意に大量のデータの固定長の「指紋」である。同じ暗号学的ハッシュは常に同じデータから生じるが、1ビットでもデータを修正すると、暗号学的ハッシュが大きく変化する。取引の出力と次の所有者の公開鍵の組み合わせ(たとえば、連結)の暗号学的ハッシュは、所有権のチェーンの端に付加される。受信者は、暗号学的ハッシュおよびデジタル署名を確認して、所有権のチェーンを確認してよい。
【0021】
これを、信頼できる第三者機関なしで達成するために、取引は公にブロードキャストされ、システムは、参加者が注文の単一履歴に同意するために用いられる。受信者は、各取引の時点で、複数のデジタル資産ノードのすべての適切に機能しているノードが、それが受信され、妥当であると確認されたことに同意するという証拠を望む。
【0022】
図2を参照すると、そのような証拠を提供するための1つの例示的な解決策は、タイムスタンプサーバを利用することである。タイムスタンプサーバは、タイムスタンプされる1つまたは複数の項目を含む、本明細書では
図1の取引110である項目110を含むブロック210と組み合わされた以前のハッシュの組み合わせ(たとえば、限定するものではないが、連結)の暗号学的ハッシュ215を受け取り、暗号学的ハッシュを広く公開するプロセス200を実装する。そのようなタイムスタンプは、時間ブロック210に存在した取引項目110の記録を含む、ブロック210内のデータが、暗号学的ハッシュ215になるために形成されたことを示す。所有者1が
図1の取引120を許可すると、この取引項目120は、以前のハッシュ215の出力と組み合わせて暗号学的にハッシュされる、その後のブロック220内に含まれ得る。したがって、各タイムスタンプは、ブロックチェーンを形成するために以前のタイムスタンプをそのハッシュ内に含み、各タイムスタンプは、それの前のタイムスタンプを補強する。
【0023】
デジタル資産電子決済プラットフォームは、タイムスタンプされたブロックの順序が、適切に機能する異なるノード上で維持される分散型台帳のすべてのコピー帳において同じであるように、タイムスタンプされる項目の各ブロックをハッシュし、タイムスタンプされたハッシュを古い順に分散型台帳に付加することによってタイムスタンプされたハッシュを公開するように構成されたタイムスタンプサーバを含んでよい。好ましい一実施形態では、項目は取引である。ブロックタイムスタンピングは、単独で使用されてもよいし、項目または取引タイムスタンピングに関連して使用されてもよい。一代替実施形態では、ブロックタイムスタンピングの代わりに、取引タイムスタンピングが使用されてよい。取引タイムスタンピングが単独でまたはブロックタイムスタンピングに関連して使用されるとき、ブロック内での取引の順序は時系列であってよいが、そうである必要はない。
【0024】
本開示の例示的な実施形態では、そのようなブロックチェーンは、共通ネットワークプロトコルを実行する通信ノードのネットワークによって維持される。支払人Aがデジタル資産Yを受信者Bに移転する形式の取引は、ネットワークにブロードキャストされる。ネットワークノードは、これらの取引を検証し、その取引をそのノードの台帳のコピーに追加し、次いで、これらの台帳追加を他のノードにブロードキャストすることができる。
【0025】
所有権および特定のデジタル資産のチェーンを独立して確認するために、ネットワークノードは、ブロックチェーンのコピーを記憶する。プルーフオブワーク、プルーフオブステーク、実用的ビザンチンフォールトトレラント(PBFT)などを含むさまざまな手法が異なる分散型ブロックチェーンネットワーク内で用いられてよいが、ビットコインの手法などのプルーフオブワーク手法は、一般的には、ビットコインネットワーク内で、約10分ごとに1回などの時間間隔につき1回、新しいブロックを生成することを可能にする。各新しいブロックは、受け入れられた取引のグループを組み込み、ブロックチェーンに追加され、そのブロックチェーンは、実質的にすべてのノードに直ちに公開される。これによって、そのような分散型ブロックチェーンシステムが、特定のデジタル資産がいつ移転または使用されたかを決定することが可能になる。特定のデジタル資産またはその一部分がいつ使用されたかを決定することは、中央機関のない環境における二重使用または二重消費を防止するために必要である。
【0026】
本発明の概念は、反対取引ならびにデジタル資産と従来の資産との間のリンクをサポートするデジタル資産決済プラットフォームを提供する。特に、高度に規制された金融機関および機関投資家は、必要とされる透明性、リスク管理、および規制の規準を遵守しながらデジタル資産市場に慎重に参加し得るプラットフォーム内の機構が提供される。
【0027】
本発明の概念の原理によれば、たとえば、信頼のアプリケーション層を有するデジタル資産仲介決済プラットフォームなどのデジタル資産決済プラットフォームは、限定するものではないが、代替可能資産、資産、債務、預金残高(credit)、および/または許可の正当な権利への参照を含むように定義可能なデジタル資産に対する決済サービスを提供するように構成されてよい。そのような決済プラットフォームは、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームとして電子的に動作し得る。
【0028】
デジタル資産仲介電子決済プラットフォームは、暗号通貨などのデジタル資産と従来通貨、証券などの他の確立された資産クラスとの間のリンクを提供してよい。そのようなデジタル資産仲介電子決済プラットフォームは、取引償還をサポートする。
【0029】
説明の目的で、本発明の概念は、ビットコインとして知られている例示的な分散型ピアツーピア取引ネットワークに適用されるように示されている。しかしながら、本発明の概念の原理が任意の分散型ピアツーピア取引ネットワークに対して実装されてよいことが理解されるものとする。
【0030】
ある程度まで、世界中のすべての取引は、信頼に基づいて行われる。たとえば、顧客がコーヒーショップに入ると、店主と顧客は、取引の自分の側を果たすことを互いに信頼する。店主はコーヒーを渡し、顧客は支払いを渡す。より複雑な例では、国際企業がユーロの収入を米国ドルに変換すると、仲介者は、セキュリティのレベル追加を提供するために取引を仲介する。
【0031】
従来、信頼を拡大する唯一の手段は、アクティビティを信頼された、ひいては非常に巨大であることが多い、第三者に集中させることであった。信頼された第三者は、正の外部性と負の外部性とを有する。一方、信頼された第三者は、おびただしい制御および可視性の標準を有するが、他方では、集中した単一障害点も表す。サイバー犯罪の現代世界では、このリスクが高くなっている。信頼された第三者間で誰が信頼を拡大するのかに関する疑問も生じる。これは、政府またはこれらの関係を専門とするはるかに大規模な信頼された第三者にかかっている。世界中で最大の取引に関して、信頼できる第三者機関および政府の相互作用の層は、取引を実施および決済するために存在する。これは非効率的であり、確保するのがますます困難になる可能性もある。
【0032】
分散型ピアツーピア取引ネットワークは、信頼された第三者の必要性をなくすように設計される。分散型ネットワークのプロトコルは、相手が取引を直接に実行することを可能にするように設計される。しかしながら、仲介者が、顧客に代わって取引を実行することについて同意しなければ、分散型ピアツーピア取引ネットワーク内の取引は、制御を欠く可能性がある。そのような欠如によって、ひいてはユーザが、相手のリスク、取り消せない誤ったトレード、および参加者がリスク限度を超えることにさらされる可能性がある。
【0033】
仲介がない場合、任意のサイズのピアツーピア取引が、ネットワークの任意のメンバから他の任意のメンバに流れることができる。これは、たとえば、10億ドルの値を有する取引が、0.000000001ドルに対する取引と同じ、分散型ネットワーク内で行う要件およびセキュリティを有することを意味する。分散型ネットワークの基礎をなすプロトコルは、最大取引に対してロバストおよびセキュアであることが必要であるが、ネットワーク内で最小の取引ですら拡大するまたは速めるシステムを提供することも有益である。
【0034】
本発明の概念は、分散型ピアツーピア取引ネットワークの上に信頼の層を導入することによって、拡大、速度、およびセキュリティをもたらす。本発明の概念によって、信頼された第三者が、信頼性およびデジタル効率を有する取引を確認、裁可、および承認することが可能になる。
【0035】
分散型台帳は、完全にアクセス可能なファイルシステムまたはデータベースとみなすことができ、この文脈における「完全に」は、データベースへのアクセスが、ネットワーク内の参加者にとって全体として利用可能であってよいことを意味する。データベース内の情報へのアクセスは、セキュリティ要件およびプライバシー要件により制限され、データ構造自体で実施されてよい。ファイルシステムは、記憶されたデータを任意の単一ユーザが一方的に変更できないことが極めて重要である。これを達成するために、多数の分散型ピアツーピア取引ネットワークは、取引が真に仲介のない環境において行われることを仮定する。しかしながら、これは、システム内の信頼された仲介の利益を無視する。
【0036】
例示的な一実施形態である本発明の概念のプラットフォームは信頼の層を追加し、信頼の層では、ユーザは、デジタル資産メンバエンティティに知られており、メンバシップのルールに従って動作しなければならない。手順的に、プラットフォームは、ユーザの資産を一方的に制御することはできない。プラットフォームは、意図されたように、およびサービスを提供するデジタル資産メンバによって示されたルールに従って、ユーザが任意の「取引」すなわち台帳入力を実行していることを保証し得る。たとえば、そうする際、プラットフォームは、少なくとも1つのデジタル資産を含む反対取引を含むデジタル資産取引を確認し、迅速に、効率的に、および安全に決済することを可能にするツールを、金融機関に提供する。
【0037】
分散型台帳を使用することによって、公的であれ、半公的であれ、私的であれ、本発明の概念の実施形態は、「取引」をリアルタイムで示し、任意の規制者または適切な支配団体に取引を示す可能性を提供する取引システムを有するという利益の追加をもたらす。
【0038】
本発明の概念の原理によれば、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームは、デジタル資産に関する仲介サービスをサポートする。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームは、デジタル資産と他の確立された資産クラスとの間の統合された手法を提示する。たとえば、デジタル資産電子決済プラットフォームは、デジタル資産とこれまでデジタル資産市場に参加することを避けてきた高度に規制された金融機関および機関投資家との間の失われたリンクを提供する。
【0039】
「デジタル資産」という用語は、本明細書では、確立された資産クラス、債務、契約、または明示的な許可のデジタル実施形態を含むために使用される。たとえば、法的拘束力を持つ、株式に関する文書は紙の証明書であり、本発明の概念に従って、その株券のデジタル形式を含むデジタルトークンが作成可能である。加えて、本発明の概念のデジタル資産仲介電子決済プラットフォームの例示的な実施形態は、従来の資産決済プラットフォームおよび台帳の代用として使用可能である。そのような従来の資産決済プラットフォームおよび台帳の例としては、限定するものではないが、たとえば、電子証券、電子契約などの電子資産がある。
【0040】
任意の従来の証券は、分散型台帳上でデジタル化され、電子証券としてデジタル資産仲介電子決済プラットフォームに含めるのに適格とすることが可能である。それによって、そのような暗号化されたデジタル化された証券は、強化され、検証され、1つまたは複数の適格な既知のユーザから他のユーザにリアルタイムで電子的に移転されることが可能である。そのような従来の証券の例としては、限定するものではないが、未公開株および公開株、私的債権および公的債権、商業手形、デリバティブ証券(先渡、先物、オプション、またはスワップ)、債務、許可、契約、または他の任意の金融資産がある。
【0041】
任意の契約は、分散型台帳上でデジタル化され、電子契約としてデジタル資産仲介電子決済プラットフォームに含めるのに適格とすることが可能である。それによって、そのような暗号化されたデジタル化された契約は、検証され、1つまたは複数の適格な既知のユーザから他のユーザにリアルタイムで電子的に移転されることが可能である。そのような契約の例としては、限定するものではないが、デリバティブ契約(先渡、先物、オプション、またはスワップ)、購入契約もしくは販売契約、ローン、買い戻し(販売および再購入)契約、逆買い戻し(購入および再販売)契約、遺言書、保険証書、保証書、サービス契約、契約上の義務、または他の任意の契約の約定がある。
【0042】
デジタル化され、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームに含めるのに適格とすることができ、それによって、電子的に検証し1つまたは複数の適格な既知のユーザから他のユーザにリアルタイムで移転可能な追加デジタル資産の例としては、限定するものではないが、外国為替(デジタルまたは従来の)、採掘権、空中権、排水権、鉱業権、正当な権利(車、家など)、抵当、ポイント還元、または航空会社のマイルなどがある。
【0043】
例示的な一実施形態では、任意のデジタル資産(たとえば、限定するものではないが、ビットコインの量など)は、いくつかの台帳実装形態(たとえば、未使用取引出力すなわち「utxo」を使用する実装形態)ではトークンと呼ばれることがある、分散型台帳上での一意の識別子または権利と関連付けられてよい。本発明の概念は、例示的なutxo実装形態またはトークンに限定されず、限定するものではないが、たとえばEthereumなどの、代替の分散型台帳実装形態と互換性を持つ。所有権の証拠としての一意の権利またはトークンとデジタル資産データのハッシュの組み合わせは、本発明の概念を通して渡され、パブリックの分散型台帳ネットワーク、セミパブリックの分散型台帳ネットワーク、またはプライベートの分散型台帳ネットワーク上に記録可能である。本発明の概念のデジタル資産仲介電子決済プラットフォームは、従来通貨またはそのような通貨において命名された対応する確立された資産クラスに対するデジタル資産交換を処理する助けとなる。本発明の概念のデジタル資産仲介電子決済プラットフォームを通して、メンバまたは規制者またはこれらの両方は、デジタル資産市場内で行われる取引をリアルタイムで監視および反応する能力を有してよい。
【0044】
例示的な一実施形態である本発明の概念のデジタル資産仲介電子決済プラットフォームは、比較的に限られた監督を有する比較的規制されていない市場内に存在するビットコインなどの新たに作成されたデジタル資産と確立された規制されている金融機関とのギャップを満たす助けとなる。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームは、分散型台帳上でデジタル化された新しい確立された資産クラスを含むように拡張される。本発明の概念の電子決済システムによって、メンバは、ユーザをデジタル資産の管理人にすることを可能にしながら、そのユーザの行動を実施することが可能になる。決済システムによって、あらかじめ設定された制限を取引が厳守するならば、取引の記録、追跡、および決済が可能になる。あらかじめ設定された制限が満たされないので、決済システムが取引を万一決済しない場合、ユーザによってあらかじめ設定された将来の既知の時点で決済システムからの該当する権利の一方的な取り消しを許可するためにあらかじめ署名された許可が使用されてよい。この概念は、「償還取引」と呼ばれる。デジタル資産仲介電子決済システムは、権利を一方的に移動させることはできないし、ユーザがシステムを出ることを防止することもできない。これは、権利に対する制御の事前喪失(pre-forfeit)のためのいくつかの代替機構のうちの1つによって達成され、現在企図されている最も単純なものは、ユーザと決済システムの両方が、あらかじめ設定された将来の時点で妥当になり、それぞれのユーザの唯一の制御の下にあるアプリケーションまたはウォレットに権利を返す取引に、あらかじめ署名することである。
【0045】
本発明の概念のデジタル資産仲介電子決済プラットフォームは、金融機関およびその顧客に、デジタル資産市場におけるいくつかの利点を提供する助けとなる。特に、本発明の概念のデジタル資産仲介電子決済プラットフォームは、不正な取引を防止し、相手のリスクを回避し、権利および資金を確認し、口座監督を可能にする助けとなる。これは、メンバがデジタル資産を保持するまたは扱うことを必要とせず、そのような資産の正当な権利を決済システムに移転しなくても、可能にされる。
【0046】
例示的な一実施形態である本発明の概念のデジタル資産仲介電子決済プラットフォームは、慎重に選択された参加者のサブセットをオンボード(onboard)するプロセスを含む。メンバ(たとえば、金融機関)の信頼されるネットワークが確立される。本発明の概念のデジタル資産仲介電子決済プラットフォームを利用するとき、単一障害点のリスクは、参加者を完全に不明または匿名の相手方と取引する必要性にさらすことなく回避される。決済は、既知のユーザのみに利用可能であるように限定可能である。決済は、依然としてユーザの制御下にあるデジタル資産の保護とともに達成されるので、交換の管理人要件が回避され、したがって、ユーザが、それらの資産に対して正当な権利の許可されていない損失のリスクにさらすことなく、交換の価格発見機能を利用することを可能にする。規制されるメンバは従来の権利および資金の管理人であり、ユーザは自分自身のデジタル資産の管理人である。これによって、多数の管理人にまたがってシステムが分散され、追加されたセキュリティの層を提供する。
【0047】
本発明の概念のデジタル資産仲介電子決済プラットフォームの例示的な一実施形態は、デジタル資産に仲介プラットフォームを提供する。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームを利用することによって、複数の現在のアプリケーションがプラットフォームを使用することが可能になり、将来のまだ指定されていない未知の将来のデジタル資産の対応の基礎が提供される。このシステムは、従来の資産に対するデジタル資産または他のデジタル資産に対するデジタル資産のアトミック決済を可能にする。このコンテキストでは、「アトミック」は、移転の一方の足(leg)が他方なしで生じることはできないという意味で本質的にリンクされていることを意味する。システムを流れる任意の取引は、コンプライアンス、報告、評価、リスク管理、または他の目的のために監査可能である。デジタル資産、取引、債務、および同意は追跡可能である。リスク部門監視および制御ツールは、デジタル資産に適用可能である。バックオフィス監視ツールおよびビジネスロジックは、課すことが可能である。電子決済システムは、参加者と分散型台帳の間にビジネスロジックの層を追加する。このコンテキストでは、「ビジネスロジック」は、問題の資産および/または取引に関する意図されたビジネス基準を満たすために満足されなければならない条件を意味する。一例は、あらかじめ合意された制限のフレームワークを課すことであろう。ビジネスロジックのデジタル化は、著しい規模の経済性の可能性を提示する。
【0048】
一般的なマルチシグネチャまたはマルチパーティ裁可スキームは本質的に、スキーム内の個々の権限授与者のいずれにも制限を課さないが、本発明の概念のデジタル資産仲介電子決済プラットフォームの例示的な一実施形態は、たとえば秘密鍵署名による特定の個々の制限を有するアプリケーションまたはウォレット内での資産の共有を可能にする。この鍵ストアアプリケーションすなわち「ウォレット」アーキテクチャは、複数のユーザが、任意の単一の参加者の制限よりも大きくリソースを共有することを可能にし、これは、個別と集団内の両方で許可された従業員のアクティビティを管理しようとする機関にとって必要な要件である。本発明の概念のデジタル資産仲介電子決済プラットフォームは、この同じビジネスロジックを、2つの資産間の任意の反対取引の決済に強いることができ、この2つの資産のうちの少なくとも1つは、たとえばデジタル資産であり、単一の取引に多数の資産および当事者を含むように拡張可能である。
【0049】
本発明の概念のデジタル資産仲介電子決済プラットフォームの例示的な一実施形態は、互いに偽名で知られているマルチシグネチャ鍵ストアアプリケーション(「ウォレット」)のネットワークである。ユーザウォレットは、ネットワークに知られている公開鍵を含むが、秘密鍵は、ユーザの制御下でのみ存在する。本発明の概念は、ユーザが、いくつかの代替フレームワークのいずれか1つを使用して、そのような秘密鍵をセキュリティ保護することを企図している。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームマルチシグネチャウォレットは、ユーザに固有の1つまたは複数の秘密鍵と、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに固有の1つまたは複数の秘密鍵とを含む。ユーザは、決済システムに参加するために、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバが少なくとも1つの秘密鍵を制御するマルチシグネチャウォレットの制御にデジタル資産を移転する。システム内での取引は、閉鎖ネットワーク内でマルチシグネチャウォレットからマルチシグネチャウォレットへと行われ、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバからの承認署名の形で裁可を必要とする。デジタル資産は、ユーザがその許可のない移転を防止するのに十分な制御を有するマルチシグネチャウォレット内に保持されるので、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、デジタル資産の制御を一方的に移転することはできない。さらに、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、ユーザの意志に反してデジタル資産を抑えることもできず、抑えられるために使用することもできない。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、「償還」取引をあらかじめ許可し、これは、たとえば、指定された時間期間の経過後にマルチシグネチャウォレットからユーザウォレットへのデジタル資産の償還を許可する。したがって、指定された時間期間が経過した後、ユーザは、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームによって必要とされるさらなるアクションなしに、資産を一方的に制御してよい。
【0050】
本発明の概念の原理によるデジタル資産仲介電子決済プラットフォームを利用することによって、信頼される第三者は、法的管理人にならなくてもデジタル資産の行動制御を引き続き監視し行うことができる。これによって、ユーザは、自分の資産を正しく制御することができ、信頼された第三者は、引き続き法的行動を実施し、決済効率を提供することができる。本発明の概念の原理によるデジタル資産仲介電子決済プラットフォームは、より大規模なネットワーク内の既知のエンティティの閉ループを提供する。参加するために、ユーザは、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームおよびウォレットを使用し、手順に従ってループに出入りし、システムの行動ルールを厳守しなければならない。
【0051】
図3を参照すると、本発明の概念のデジタル資産仲介電子決済プラットフォーム310と対話する例示的な当事者の一般的な概略が提供されている。メンバ312のグループが見える。メンバ312は、たとえば、銀行秘密法(BSA)、連邦海外腐敗行為防止法(FCPA)、ならびに顧客確認(KYC)および顧客情報プログラム(CIP)のような重要なAML指令を含む、贈収賄規制とマネーロンダリング防止(AML)コンプライアンスなどの金融業界標準のデューディリジェンスを実行する位置にいる。
【0052】
メンバ312は、口座を開設および管理し、限度を分析および設定し、戦略的カウンセリングを提供する位置にいる。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームのメンバ312は、従来通貨移転に関連する実装を管理し、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームが、トレード決済中にデジタル資産の移転のファシリテータとして働く。デジタル資産仲介電子決済プラットフォーム310のメンバは、相手のリスクを回避し、価格発見を権利および資金の保護から切り離す。
【0053】
メンバ312は、デジタル資産仲介電子決済プラットフォーム310を利用して、メンバのクライアントをオンボードし、デジタル資産の直接的保護なしにリスクを制御しながら、これらのメンバのクライアントにクライアント間のデジタル資産トレードを決済させることができる。そうであることは正式には必要とされないが、メンバ312は金融機関であってよい。
【0054】
メンバの下には、メンバのクライアント314がいる。メンバのクライアント314は、取引を決済し、リスクを管理したいという望みを持つ。同じく、そうであることは正式には必要とされないが、一般的に、メンバクライアント314は、たとえば、そのメンバによって提供されるさまざまなサービスを習慣的に利用する多国籍企業などの、メンバ312のクライアントである。
【0055】
いくつかのトレーディングデスクユニット316が展開される。トレーディングデスクユニット316は、デジタル資産を決済するようにセットアップ可能である。トレーディングデスクユニット316の例としては、基金、企業リスク管理、部門リスク管理、通貨間リスク管理、所有権を持つ(proprietary)トレーディンググループなどがあり得る。各トレーディングデスクユニット316は、複数の許可されたトレーダ318を含むことができるが、必ずしもそうである必要はない。
【0056】
ユーザは、たとえば、フロントエント、ユーザ鍵ストアアプリケーションすなわち「ウォレット」、およびデジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバを含み得るいくつかのハードウェアおよびソフトウェア構成要素によってサポートされる。フロントエント、ユーザインタフェースレベルは、システム概要、ダッシュボード、リスクコンソール、およびログコンソールを含む、ユーザに面する画面を含み得る。ダッシュボード画面は、各ステージで何が起こっているかを視覚化する。さらに、対話型画面は、参加者をトレードに参加させ、生の結果および/または通知(たとえば、トレードの無効に関する)を見せる。
【0057】
図4を参照すると、本発明の概念の例示的な一実施形態では、デジタル資産仲介電子決済ウォレット410が提供されている。デジタル資産仲介電子決済ウォレット410は、マルチシグネチャユーザウォレット414と、マルチシグネチャ決済ウォレット416とを備える。マルチシグネチャユーザウォレット414では、ユーザのみが秘密鍵の制御を有する。秘密鍵は、マルチシグネチャユーザウォレット414を用いてローカルに記憶される。マルチシグネチャ決済ウォレット416は、当技術分野で知られている様式で、他のデジタルウォレット412と相互作用する。
【0058】
本発明の概念の例示的な一実施形態では、ユーザの方向において、本発明の概念が、マルチシグネチャユーザウォレット414とマルチシグネチャ決済ウォレット416との間の資産取引を検証し、有効にする。マルチシグネチャユーザウォレット416は、ユーザ秘密鍵と、デジタル資産仲介電子決済プラットフォーム秘密鍵とを備える。秘密鍵(1つを除く)は、マルチシグネチャユーザウォレット416を用いてローカルに記憶される。仲介秘密鍵は、決済上での最後で義務的な署名である。デジタル資産仲介電子決済プラットフォーム秘密鍵は、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバ上に存在し、ユーザメンバの制限および反対取引の照合に関して厳密に条件付けられる。
【0059】
本発明の概念の原理によるデジタル資産仲介電子決済プラットフォームを利用することによって、メンバは、プラットフォームが妥当な取引を決済する決済成功、「不良な」取引として知られる、誤ったまたは無効な取引、およびメンバが新しいメンバクライアントをデジタル資産仲介電子決済プラットフォームに追加してプラットフォームユーザになるメンバクライアントオンボーディング(onboarding)を含む、ライブのシナリオに参加することができる。取引は、たとえば、店頭市場(たとえば、電話による)または取引所のどちらかまたは両方などの、さまざまな手段によって開始可能である。シナリオが実行されている間、メンバは、メンバ、メンバクライアント、およびメンバのリスク管理機能に関してダッシュボードを、ならびに動作機能に関してデジタル資産仲介電子決済プラットフォームログ画面を調べることができる。店頭取引成功において、2人の参加者は、異なるコンピュータのところに座り、トレード入力ツールを使用して、トレードの詳細をデジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに独立して報告する。交換実行に成功した取引では、交換は、デジタル資産仲介電子決済システムに、検証および実行された、交換が開始された取引を通知する。
【0060】
以下では、例示的な決済要求プロセスについて要約する。最初に、トレーダTaがトレード入力ツールを開く。トレーダTaはトレード入力ツールを初期化し、ダッシュボードは、トレーダTaをアクティブと認識する。アプリケーションは、リスクコンソール内に設定されるように、トレーダTaのトレード入力ツールに、トレーダTaに関する現在の預金残高限度を知らせる。一方、トレーダTbもトレード入力ツールを開く。トレーダTbはトレード入力ツールを初期化し、ダッシュボードは、トレーダTbをアクティブと認識する。アプリケーションは、リスクコンソール内に設定されるように、トレーダTbに、トレーダTbに関する現在の預金残高限度を知らせる。
【0061】
トレーダTaは、資産、量、価格、および相手を指定するチケットを入力し、暗号学的署名を介して許可する。新しい取引番号が割り当てられ、決済のための資金がトレーダTaおよび/またはトレーダTaメンバから取っておかれ、ダッシュボードが、トレーダTaチケットを表示し、チケットを、まだ入力されていないと示す。カウントダウンタイマが始まり、トレーディング時間(たとえば、15分)をカウントダウンする。ダッシュボードは、トレーダの預金残高限度も表示する。一方、トレーダTbも、資産、量、価格、および相手を指定するチケットを入力し、許可/使用/消費する。トレーダTbは、トレードの反対側に対してチケットをサブミットする。トレーダTbのチケットは有効になり、たとえば、チケットが灰色になるなどの肯定的な映像が現れ、トレーダTaとトレーダTbのチケットがマージされ、受け入れられたトレードビンにチケットが動かされる。
【0062】
以下では、例示的な取引決済成功プロセスについて要約する。預金残高限度チッカーがフラッシュし、更新される。短時間(たとえば、0.5秒)が経過する。同時に、署名映像がフラッシュして有効になり、2/2または3/3または4/4(または、決済システム署名が必要とされる場合は任意の数の署名)使用/消費署名およびたとえば米国ドルなどの従来通貨を示し、円グラフがフラッシュして更新し、システムが、従来通貨をトレーダTaのメンバに送信するようにトレーダTbのメンバに指示することを示す。市場データフィードが、決済成功の価格および量の詳細を含むように更新される。決済成功の詳細は、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)を介してトレーダTaおよびトレーダTbのメンバにも同時に送信され、これらのメンバが、適切な規制文書をサブミットすることを可能にする。
【0063】
不良な取引シナリオは、たとえば、ヒューマンエラー、限度に達したこと、システムを騙そうとすること、潜在的なバグなどから生じ得る。エラーは、トレーダトレード入力ツール、リスクダッシュボード、およびメンバリスクダッシュボード上で報告される。以下では、「預金残高外」シナリオにより発生する例示的な不良な取引について要約する。トレーダTaは、たとえば、500ビットコイントレードに対する預金残高許可しか持っていないトレーダTbとの1000ビットコイントレードをサブミットしようとする。トレードが店頭で始まった場合、トレーダTaのトレード入力ツールは、たとえば、赤色になり、「サブミット」ボタンを灰色にすることによって、不良な取引を示す。トレード入力ツールのタイトルバーは、問題を伝え、たとえば、「トレーダTbは、このトレードを完了するのに十分な預金残高を持っていません」を表示する。トレードが取引所で試みられる場合、トレーダTbの限度は、取引所に知られており、取引所によって実施される。
【0064】
以下では、「許可されたクリップサイズ超過」シナリオによる例示的な不良なトレードについて要約する。トレーダTaは、たとえば、トレーダTbとの1000ビットコイントレードをサブミットしようとするが、トレーダTaは、たとえば、一度に100ビットコインを超えるトレードは許可されていない。トレーダTaのトレード入力ツールは、たとえば、赤色になり、「サブミット」ボタンを灰色にすることなどによって、不良な取引を示す。トレード入力ツールのタイトルバーは、たとえば、「トレーダTaは、クリップ限度サイズを超えました」を表示するなどのシナリオを伝える。トレードが取引所で試みられる場合、トレーダTbは、一度に100ビットコインを超える注文を実行することが防止される。
【0065】
以下では、「許可されていないトレーダ」シナリオによる例示的な不良な取引について要約する。許可されていないユーザが、トレーダTaのトレード入力ツールでトレードをサブミットしようとする。「サブミット」ボタンをアクティブにするには、ユーザがトレーダ固有のパスフレーズを提供することが必要とされる。入力されたパスフレーズは間違っている。トレード入力ツールは、たとえば、赤色になり、「サブミット」ボタンを灰色にすることなどによって、不良な取引を示す。プロセスが、たとえば3回などの所与の回数繰り返される場合、トレード入力ツールはもはや有効ではなく、ユーザのウォレットは障害が発生したとみなされる。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームからの安全な取り消しまたは状況の他の是正を確立する手段として、メンバクライアントおよびシステム外のメンバとの接触を始める。
【0066】
以下では、「トレード詳細が誤っている」または「限度の間違い」シナリオによる例示的な店頭の不良な取引について要約する。トレーダTaが、たとえば、トレーダTbとの1000ビットコインのトレードをサブミットする。トレーダTbは、たとえば、トレーダTaとの100ビットコインのトレードをサブミットする。照合エンジンは、両方のチケットが一致を見出すために、所与の間隔(たとえば、15分)待機する。トレーダのトレード入力ツールは、まだ確認されていないトレードの保留中キューを示す。キュー内のトレードが間隔の終了に近づいた場合、ライン項目が、期限切れ間近である一致していないトレードを示す「重要キュー」に入る。システムは、一致したまたは期限切れのトレードを含む、一致していないトレードのログを示す。取引所からの決済のためにシステムに報告されるトレードは、取引所によって既に照合されている。システムが識別するように設計可能である潜在的な不良な取引シナリオの多数のさらなる例がある。
【0067】
図5〜
図10は、ユーザが本発明の概念のデジタル資産仲介電子決済プラットフォームと対話することを可能にする例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す。これらの例は、現在の本発明の概念によって企図され、非限定的であることを意図されているいくつかの代替形態のうちの1つにすぎない。
【0068】
図5を参照すると、本発明の概念のデジタル資産仲介電子決済プラットフォームの例示的なグラフィカルユーザインタフェーススクリーンショットが示されている。一実施形態では、画面は、残高履歴セクション512、統計データセクション514、トレードセクション516、および詳細セクション518に分割される。
図6は、残高履歴セクション512のより詳細な図を示す。
図7は、統計データセクション514のより詳細な図を示す。
図8は、トレードセクション516のより詳細な図を示す。
図9および
図10は、詳細セクション518のより詳細な図を示す。
【0069】
図6を参照すると、残高履歴セクション512は、メンバの上位従来通貨残高折れ線グラフ612と、メンバの上位デジタル資産残高折れ線グラフ614とを含む。メンバのタブ616、機関のタブ618、トレーディングデスクタブ620、およびトレーディング口座タブ622が設けられる。メンバタブは、メンバの名前624と、従来通貨残高626と、従来通貨預金残高628と、購入トレード630と、売却トレード632とを含む。同様に、機関タブ618は、メンバのクライアントの名前と、従来通貨残高と、従来通貨預金残高と、購入トレードと、売却トレードとを含む。トレーディングデスクタブ620は、トレーディングデスク名と、従来通貨残高と、従来通貨預金残高と、購入トレードと、売却トレードとを含む。トレーディング口座タブ622は、トレーディング口座名と、従来通貨残高と、従来通貨預金残高と、購入トレードと、売却トレードとを含む。
【0070】
図7を参照すると、統計データセクション514は、メンバの上位従来通貨残高円グラフ712と、メンバの上位デジタル資産残高円グラフ714とを含む。上位従来通貨預金残高チャート716は、メンバの上位の従来通貨預金残高をリストする。上位デジタル資産残高チャート718は、メンバの上位デジタル資産残高をリストする。上位口座残高値チャート721は、メンバの上位口座残高値をリストする。上位購入高チャート723は、メンバの上位購入高をリストする。上位売却高チャート725は、メンバの上位売却高をリストする。上位想定高(notional volume)チャート727は、メンバの上位想定高をリストする。上位トレード高チャート729は、メンバの上位トレード高をリストする。
【0071】
図8を参照すると、詳細セクション518は、保留中トレードのトレードID、価格、デジタル資産量、従来通貨量、デジタル資産の売り手、デジタル資産の買い手、作成された時刻、およびトレード状態を列挙する保留中トレードチャート812をさらに含む。決済済みトレードチャート814は、決済済みトレードのトレードID、価格、デジタル資産量、従来通貨量、デジタル資産の売り手、デジタル資産の買い手、作成された時刻、およびトレード状態を列挙する。未決済トレードチャート816は、未決済トレードのトレードID、価格、デジタル資産量、従来通貨量、デジタル資産の売り手、デジタル資産の買い手、作成された時刻、およびトレード状態を列挙する。
【0072】
図9を参照すると、トレードセクション516は、デジタル資産取引のハッシュ、量、手数料、入力、および出力をリストするデジタル資産チャート912をさらに含む。
図10を参照すると、トレードセクション1012は、トレードID、状態、作成時刻、価格、デジタル資産量、従来通貨量、買い手、および売り手を識別する。デジタル資産署名の追加ボタン1014が設けられる。トレード追加セクションは、トレーディング口座残高(デジタル資産と確立された資産の両方)を識別する。入力フィールドとして、トレードセクション1012は、トレードのタイプ(デジタル資産の購入または売却)、デジタル資産量ドロップダウンメニュー、従来通貨単位でのデジタル資産価格、および相手とを含む。デジタル資産売却ボタン1016が設けられる。
【0073】
デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、オペレータおよびメンバに、各決済の状態ならびに口座ごとの預金残高および残高を提供しながら、認証されたユーザからトレードを受信し、トレードの検証、照合、および決済を実行する。
図11〜
図19は、本発明の概念のデジタル資産仲介電子決済プラットフォームを可能にするデジタル資産仲介電子決済プラットフォームプロセスおよび状態の詳細な例を示す。
図11〜
図19に示される例では、例示的なデジタル資産はビットコインである。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームプロセスは、取引依存関係グラフ、デジタル資産資金調達プロセス、償還リフレッシュプロセス、決済状態、決済成功プロセスの準備、従来通貨取引プロセスに対する一致に成功した反対デジタル資産、期限切れ決済プロセス、マルチシグネチャウォレットからユーザウォレットへの取り消し、およびユーザ署名償還プロセスの例を含む。
【0074】
以下では、デジタル資産がマルチシグネチャウォレットの制御に移転されるプロセスの例示的な一実施形態について説明する。マルチシグネチャウォレットに移転されるデジタル資産権は、適切なプロセスに従う場合、決済の目的で有効と認識されるにすぎない。任意のデジタル資産権が、他の任意の手段を介してマルチシグネチャウォレット内の公開鍵に移転される場合、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、デジタル資産をマルチシグネチャ制御からユーザ制御に戻すために取引を自動的に許可する。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバはまた、マルチシグネチャウォレット内の利用可能な残高の一部として間違って移転されたデジタル資産権を認識することを拒否する。
【0075】
図11を参照すると、移転プロセス中の取引依存関係の一例を示す依存関係図が示されている。最初に、売り手は、実証のために、売り手のみが秘密鍵の制御を有するウォレット(ユーザウォレット)内のいくつかのデジタル資産(たとえば、100)に対する未使用の取引出力すなわちutxoの制御によって表される権利を有する(1101)。ユーザウォレットは、入力utxo0および出力utxo1を用いてユーザウォレットからマルチシグネチャウォレットにデジタル資産権利(たとえば、100)を移転するために取引(tx1)を生成する(1102)。
【0076】
図12を参照すると、例示的なビットコイン資金調達プロセスを示すシーケンス図が示されている。同じく、売り手は、売り手のみが秘密鍵の制御を有するアプリケーション(ユーザウォレット)によって制御されるデジタル資産に対するutxoを有し(1201)、ユーザアプリケーションが、入力utxo0および出力utxo1を用いてユーザ制御からマルチシグネチャ制御にデジタル資産を移動させるために取引(tx1)を生成する(1202)。
【0077】
ユーザアプリケーションは、tx1(ユーザ制御からマルチシグネチャ制御にデジタル資産を移動させる取引)の詳細を取引id(txid(tx1))へとハッシュする(1203)。ユーザアプリケーションは、txid(tx1)を送信することによって、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに、マルチシグネチャ制御への移転が差し迫っていることを通知する(1204)。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、txid(tx1)を使用して、将来(たとえば、+24時間)有効になる償還取引(tx1.R)を生成および署名し、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバが、tx1.Rをユーザウォレットに送信する(1205)。ユーザウォレットは、tx1.Rが将来の時間枠(たとえば、24時間)以内に有効な取引になることを確認する(1206)。
【0078】
時限錠取引は、将来の所定の時間までネットワーク内で有効にならない取引である。そのような取引の詳細は、将来ネットワークにブロードキャストされるように、ユーザによってあらかじめ署名され、ローカルに保存可能であり、そのとき、そのような詳細がブロックに追加されることになる。ユーザウォレットは、このメッセージを妨害する機会をデジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに与えるのを回避するために、償還取引をブロックチェーンに直接的にブロードキャストし、電子決済システムがユーザデジタル資産の所有権を持たないことをさらに確立する。
【0079】
図11の例示的なプロセスを示す依存関係グラフでは、売り手ユーザアプリケーションは、あらかじめ承認された償還取引すなわち「償還」を保持する(1103)。
図12に戻ると、ユーザアプリケーションが、tx1をデジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに送信する(1207)。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、tx1が有効な取引であることをチェックし、次いで、これをブロックチェーンにブロードキャストする(1208)。ブロックチェーン内での適切な数の確認の後、売り手マルチシグネチャアプリケーションは、反対取引を決済するために使用可能な時間枠(たとえば、24時間)の残高に対する、utxo1の形をしたデジタル資産のアクティブな残高を含む(1209)。決済が時間枠(たとえば、24時間)以内に行われない場合、償還が使用またはリフレッシュされなければならない。
【0080】
図13を参照すると、例示的な償還リフレッシュプロセスを示すシーケンス図が示されている。償還取引tx1.Rが、有効な取引になる(1301)。売り手は、資金をリフレッシュするようにデジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに指示する(1302)。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、入力がutxo1で出力がutxo2であるtx2を作成し、tx2を許可し、tx2を売り手マルチシグネチャアプリケーションに送信する(1303)。売り手マルチシグネチャアプリケーションは、tx2を許可する(1304)。売り手マルチシグネチャアプリケーションは、tx2のハッシュを生成し、txid(tx2)を作成して、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに送信する(1305)。
【0081】
デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、txid(tx2)を使用して、将来の時間期間(たとえば、+24時間)以内に有効になる償還取引(tx2.R)を生成および署名し、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、tx2.Rを売り手マルチシグネチャアプリケーションに送信する(1306)。売り手マルチシグネチャアプリケーションは、tx2.Rが時間期間(たとえば、24時間)以内に有効な取引になることを確認する(1307)。売り手マルチシグネチャアプリケーションが、tx2をデジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに送信する(1308)。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、tx2が有効な取引であることをチェックし、これをブロックチェーンにブロードキャストする(1309)。ブロックチェーン内での適切な数の確認の後、売り手マルチシグネチャアプリケーションは、反対取引を決済するために使用可能な時間枠(たとえば、24時間)の残高に対する、utxo2の形をしたデジタル資産権利のアクティブな残高を制御する(1310)。
【0082】
売り手マルチシグネチャ制御の合計残高未満の任意のトレードの場合、残高の粒度が導入されなければならず、新しい償還が発行されなければならない。utxoを入力として使用するどんな取引もが、そのutxoを入力として使用するであろう他の任意の将来の台帳入力を無効にする。したがって、ユーザが権利を取り消し可能であることを保証するために、新しい償還が生成されなければならない。
【0083】
図14を参照すると、例示的な決済状態を示す状態チャートが示されている。権利は、売り手マルチシグネチャウォレット内で、2つのutxoユニットに分割される。一方のutxoユニットは、潜在的取引を決済するために使用される。他方のutxoユニットは、アプリケーションの制御下での残りの残高を表す。新規決済状態が入力される(1401)。電子決済プラットフォーム預金残高マネージャは、売り手の残高から取っておき、差し迫っている取引のための権利を予約する(1402)。資金を取っておくことが拒まれた場合(1403)、拒否された状態に入る(1405)。権利が取っておかれる場合、売り手の決済状態が示唆的(indicative)になる(1404)。
【0084】
図15を参照すると、決済成功プロセスのための未使用取引出力(「utxos」)の例示的な段階付けが示されている。本発明の概念は、例示的なutxo実装形態に限定されず、限定するものではないが、たとえばEthereumなどの、代替の分散型台帳実装形態と互換性を持つことが理解されるものとする。ここで、売り手は、トレード入力ツールを使用することを介して、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに示唆的なトレードを通知する(1501)。
図10に示されるように、購入/売却のためのトグル、デジタル資産量(
図10の例では、BTC量)、価格、および相手が表示される。売り手は、量、価格、および相手をデジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに報告する。
図14に示される例示的な権利状態では、売り手マルチシグネチャウォレットが決済に段階付けされる(1104)。
【0085】
図15では、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバがtx2を作成および許可し、tx2では、入力はutxo1、出力はutxo2.1およびutxo2.2である(1502)。utxo2.1の宛先とutxo2.2の宛先の両方は、売り手マルチシグネチャアプリケーション内で売り手によって所有されるアドレスに対してである。売り手マルチシグネチャアプリケーションは、tx2を許可する(1503)。売り手マルチシグネチャアプリケーションは、tx2のハッシュを生成し、したがって、txid(tx2)を作成して、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに送信する(1504)。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、txid(tx2)を使用して、将来の時間枠(たとえば、+24時間)以内に有効になる2つの償還取引(総称してtx2.R)を生成および署名し、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、tx2.Rを売り手マルチシグネチャウォレットに送信する(1505)。売り手マルチシグネチャアプリケーションは、tx2.Rが時間枠(たとえば、24時間)以内に有効な取引にあることを確認する(1506)。売り手マルチシグネチャアプリケーションが、tx2をデジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに送信する(1507)。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、tx2が有効な取引であることをチェックし、これをブロックチェーンにブロードキャストする(1508)。
【0086】
売り手マルチシグネチャアプリケーションは次に、utxo2.1とutx2.2との間のデジタル資産権利残高(たとえば、100)を制御する(1509)。
図11で見られる例示的な権利状態では、マルチシグネチャウォレット内のutxoの状態(1105)がわかる。状態(1107)は、権利が取っておかれた後に決済が行われなかった場合のutxo2.1およびutxo2.2に対する売り手の有効な償還を指す。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバが、入力utxo2.1、出力utxo3、宛先として買い手を有するtx3を作成する。
【0087】
図15では、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバが、tx3を売り手マルチシグネチャアプリケーションに送信する(1510)。売り手マルチシグネチャアプリケーションが、tx3を許可し、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに送信する(1511)。
【0088】
図14に見られる例示的な決済状態では、売り手許可を含むメッセージが受信されなかった場合、キャンセル/期限切れが発生し(1407)、状態はキャンセルされたになる(1412)。tx3の売り手マルチシグネチャアプリケーション署名を含むメッセージは、決済するように売り手をコミットする(1406)。この時点で、決済システムは、売り手側がトレードの反対側を報告するのを待っている。決済状態は、確定(firm)に変化する(1408)。状態(1409)は、状態(1408)でわかるが買い手の観点からである、買い手がデジタル資産仲介電子決済プラットフォームトレード入力ツールにトレードを報告するプロセスである。決済システムは、時間期間(たとえば、15分)にわたって、この決済状態のままであることができる。決済状態後、確定状態は、「一致した」(1410)または「期限切れ」(1411)になる。期限切れ(1411)の場合、状態は、キャンセルされた(1412)になる。一致した場合、状態は、一致した(1413)になる。同様に、決済の購入側が最初に発生することができ、次いで、照合エンジンが、売り手が、上記で説明されたようなプロセスを経験するのを待っている。
【0089】
買い手は、取引を決済するのに適格であるために、十分な購入力を持ち、買い手のメンバのルールに従って振る舞っていなければならない。十分な購入力は、買い手のメンバによって命令され、メンバによって発行された何らかの預金残高能力を表すことがある。しかしながら、メンバも、買い手メンバから売り手メンバに従来通貨を移動させるために、その決済システム決済口座において十分な従来通貨を持たなければならない。同様に、売り手は、売り手のメンバのルールに従って振る舞っていなければならず、そのメンバクライアントは、決済するのに利用可能な十分なデジタル資産を持っていなければならない。
【0090】
図16を参照すると、シーケンス図は、照合に成功した反対デジタル資産/従来通貨取引プロセスの一例を示す。買い手は、買い手のメンバとの従来通貨預金残高を持っている(1601)。買い手は、トレード入力ツールを使用して、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに示唆的な決済を通知する。
図7でわかるように、購入/売却のためのトグル、デジタル資産量(
図7の例では、BTC量)、価格、および相手が表示される。
【0091】
図14に示される例示的な決済状態では、デジタル資産預金残高マネージャが、買い手の預金残高から資金を取っておき、差し迫っている取引を予約する(1402)。買い手の、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームへのトレードの報告は、決済するように買い手をコミットする(1406)。買い手の決済状態は確定になる(1408)。デジタル資産仲介電子決済プラットフォーム照合エンジンは、売り手の確定注文と買い手の確定入札が照合中の反対取引であることを確認する(1410)。売り手の確定状態と買い手の確定状態は、一致した状態へとマージされる(1413)。
【0092】
図16に戻ると、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、入力utxo2.1、宛先として買い手マルチシグネチャアプリケーション、出力uxto3を有するtx3を許可する(1602)。これも
図15で見られる(1512)。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、tx3のハッシュを作成し、したがって、txid(tx3)を作成して、買い手マルチシグネチャアプリケーションに送信する(1603)。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバがtx3をブロックチェーンにブロードキャストする同じ瞬間に、購入メンバの口座から売却メンバの口座に従来通貨を移転するためにメッセージをメンバに送信する(1604)。権利および資金の移動はメンバの制御を受け、メンバは、権利および資金が移動することを要求されていることが通知される。
図14に示される例示的な決済状態では、一致された状態が決済されて(1414)、決済された状態になる(1416)。「拒否された」状態(1405)は、決済が不良な取引と認識され、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームによって拒否され、試行された決済が、トレード入力ツールを介したシステムへの報告の試行を超えて進まないことを示す。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームは、取引が両方の署名を持つ場合にデジタル資産が移動するのを防止することはできないが、手動プロセス状態(1417)では、メンバは、取引が何らかの理由で未解決になった場合、取引の両側から従来通貨を凍結することができる。
【0093】
図11に示される例示的な資金状態では、買い手のマルチシグネチャ権利は、決済に段階付けされる(1106)。
図16に戻ると、買い手マルチシグネチャアプリケーションは現在、時間枠(たとえば、24時間)にわたって単一デジタル資産のアクティブな決済システム決済残高を含むtx3.Rを有するutxo3を含む(1605)。売り手マルチシグネチャアプリケーションは現在、時間枠(たとえば、24時間)にわたってデジタル資産のアクティブな決済システム決済残高(たとえば、99)を含むtx2.Rを有するutxo2.2を含む(1606)。
【0094】
確定決済状態は、特定の期間(たとえば、15分)の間のみアクティブである。決済状態が経過した後、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームが、プラットフォームが取引を決済できることを喪失したことを示すために、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームは、期限切れの決済のために取っておかれた権利を使用してデジタル資産を売り手マルチシグネチャアプリケーションに直接的に送信するために、取引を作成する。異なる取引内でのutxoによって表される権利の使用は、別の取引において権利を将来再使用しようと試行することを無効にする。指定された期間が経過したのち、決済状態は、
図14における「期限切れ」(1411)に変更される。
【0095】
図17を参照すると、例示的な期限切れ決済プロセスを示すシーケンス図が示されている。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、入力utxo2.1、宛先として売り手マルチシグネチャアプリケーション、出力utxo4を有するtx4を作成し、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、許可して、売り手マルチシグネチャアプリケーションに送信する(1701)。売り手マルチシグネチャアプリケーションは、tx4を許可する(1702)。売り手マルチシグネチャアプリケーションは、tx4のハッシュを作成し、したがって、txid(tx4)を作成して、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに送信する(1703)。
【0096】
デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、txid(tx4)を使用して、将来(たとえば、+24時間)に有効になる償還取引(tx4.R)を生成および署名し、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、tx4.Rを売り手マルチシグネチャアプリケーションに送信する(1704)。売り手マルチシグネチャアプリケーションは、tx4.Rが指定された時間期間(たとえば、24時間)以内に有効な取引にあることを確認する(1705)。売り手マルチシグネチャアプリケーションが、tx4をデジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに送信する(1706)。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、tx4が有効な取引であることをチェックし、これをブロックチェーンにブロードキャストする(1707)。決済状態は現在、
図14の「キャンセルされた」(1412)である。売り手マルチシグネチャアプリケーションは次に、有効な償還tx2.Rおよびtx4.Rとともに、utxo4とutx2.2との間のデジタル資産権利残高(たとえば、100)を制御する(1708)。
【0097】
いつでも、ユーザは、決済システムからデジタル資産権利を移転することができる。ユーザは、即時取り消しを要求することもできるし、ユーザは、アクティブな償還を一方的に署名することもできる。取り消しおよび償還は、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに既に知られており、これによって許可されたアプリケーションにより制御されたアドレスにのみ移転することができる。このことによって、ネットワークを出るデジタル資産権利の受信者が、権利の正当な所有者になることを確実にする。
【0098】
図18を参照すると、マルチシグネチャアプリケーションからユーザアプリケーションプロセスへの取り消しの一例を示すシーケンス図が示されている。ユーザマルチシグネチャアプリケーションは、utxo1の形をしたデジタル資産権利の残高(たとえば、100)に対するアクティブな制御を有し、償還tx1.Rは、時間期間(たとえば、24時間)以内にアクティブになる(1801)。マルチシグネチャアプリケーションは、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに、トレード入力ツールを介して取り消しを通知する(1802)。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、入力utxo1、宛先のユーザアプリケーションを有するtx2を作成して、マルチシグネチャアプリケーションに送信する(1803)。マルチシグネチャアプリケーション(1803)が、tx2を許可し、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバに送信する(1804)。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、tx2が有効な取引であることをチェックし、tx2を許可する(1805)。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバが、tx2をブロックチェーンにブロードキャストする(1806)。ユーザアプリケーションは現在、デジタル資産権利の残高(たとえば、100)に対する制御を持っている(1807)。
【0099】
図19を参照すると、シーケンス図は、例示的なユーザによる一方的な償還プロセスを示す。ユーザマルチシグネチャアプリケーションは、utxo1の形をしたデジタル資産権利のアクティブな残高(たとえば、100)に対する制御を有し、償還tx1.Rは、指定された時間期間(たとえば、24時間)以内にアクティブになる(1901)。指定された期間(たとえば、24時間)は、新しい将来の有効な償還日を作成せず、取引を決済することもなく、経過する(1902)。マルチシグネチャアプリケーションは、tx1.Rを許可し、これをブロックチェーンにブロードキャストする(1903、1103)。
図11で見られる例示的な資金状態では、売り手の一方的な取り消し状態(1103)は、償還を始める1つの手段であり、または、デジタル資産仲介電子決済プラットフォームは、時限錠がかけられた取引を許可することによってデジタル資産仲介電子決済プラットフォームから権利を送信することを既にコミットしており、売り手は随意に取り消すことを「一方的に」決定することができるという結果になる。ユーザアプリケーションは現在、デジタル資産権利の残高(たとえば、100)に対する制御を持っている(1904)。
【0100】
図20を参照すると、本発明の概念を実装するために使用可能な例示的な一実施形態であるシステムが、参照番号2000によって全体的に示されている。この例は、現在の本発明の概念によって企図されているいくつかの代替形態のうちの1つにすぎず、非限定的であることが意図されている。ウェブブラウザベースのユーザインタフェースを有するユーザアクセスコンピュータ2010が示されている。ユーザアクセスコンピュータは、ウェブサーバクラスタ2020およびデータAPIクラスタ2030とインタフェースする。ユーザアクセスコンピュータは、あるいは、ユーザの役割に応じて、ユーザのインフラストラクチャ内でローカルに常駐するデジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバ2040またはサードパーティによってホストされるデジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバ2040と、デジタル資産ノード2044の関連クラスタ2042にアクセスしてよい。ウェブサーバクラスタは、トランスポート層セキュリティ(TLS)上でハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)を介して、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)およびJavaScript(登録商標)ベースのユーザインタフェースをサービスする。データAPIクラスタは、協調サービスクラスタ2050、キャッシュサービスクラスタ2060、持続サービスクラスタ2070、ならびにデジタル資産インタフェースサーバ2080、およびデジタル資産ノード2084の関連クラスタ2082とインタフェースする。持続サーバ2070の持続サービスクラスタは、鍵の値を記憶し、長期記憶のために、その値をディスク上に保持する。持続サービスクラスタ内に記憶された値は変えることができず、キャッシングサービスクラスタによって値をキャッシュすることを可能にする。協調サーバ2050の協調サービスクラスタは、変えることのできるデータ、すなわち、持続サービス内でのルート鍵への名前のマッピングを含む。デジタル資産インタフェースクラスタ2042および2082、ならびにデジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバ2040および2080は、デジタル資産ピアツーピアネットワークと相互作用し、変えることのできない秘密鍵を保持する。デジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバは、任意選択で、限定するものではないが、ショートメッセージサービス(SMS)、電子メール、または専用ハードウェアデバイスなどの第2の要因認証手段を介して、ユーザに接続してよい。
【0101】
ユーザアクセスコンピュータと、ウェブサーバクラスタ、データAPIクラスタインフラストラクチャ、およびデジタル資産仲介電子決済プラットフォームサーバとの間のインタフェースは、限定するものではないが、ワイドエリアネットワーク接続、ローカルエリアネットワーク接続、適切なネットワークスイッチおよびルータ、電力、予備電力、記憶領域ネットワークハードウェア、サーバクラスのコンピューティングハードウェア、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、ならびにオペレーティングシステムを含むべきである。
【0102】
たとえば、データAPIクラスタは、たとえば、複数のおよび/またはマルチコアプロセッサと、RAMと、スループットの高いネットワークコントローラと、ホットプラグSSDおよびSATAドライブと、冗長な電源とを使用するサーバのクラスタ上で実行可能である。
【0103】
本発明の概念について、例示的な実施形態に関する例として説明してきたが、他の代替形態、修正形態、および変形形態が当業者には明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本明細書に記載される例示的な実施形態に対するすべてのそのような代替形態、修正形態、および変形形態ならびに本開示の範囲および趣旨に含まれるその等価物を含むことが意図される。