(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記構成単位(A)に対する、前記構成単位(AIa)及び前記構成単位(AIb)の合計の割合が5〜30重量%の範囲内である請求項1又は2に記載の毛髪化粧料用基剤。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
【0026】
本実施形態の毛髪化粧料用基剤は、エチレン性不飽和単量体(a)に由来する構成単位(A)を含むノニオン性共重合体である。
【0027】
構成単位(A)は、下記式(Ia)で示される構成単位(AIa)及び下記式(Ib)で示される構成単位(AIb)のいずれか一方又は両方と、下記式(II)で示される構成単位(AII)と、下記式(III)で示される構成単位(AIII)とを含む。
【0032】
式(Ia)中、R
1はH又はCH
3、R
2はH又は炭素数1〜18のアルキル基、A
1はO又はNHである。x、y、zは各々独立して0〜100の整数である。x+y≧1、y+z≧1、且つz+x≧1である。(EO)はオキシエチレン基、(PO)はオキシプロピレン基、(BO)はオキシブチレン基を示す。−(EO)
x−(PO)
y−(BO)
z−は、x個の(EO)、y個の(PO)、及びz個の(BO)がブロック共重合して構成される分子鎖を示す。
【0033】
式(Ib)中、R
1はH又はCH
3、R
2はH又は炭素数1〜18のアルキル基、A
1はO又はNHである。x、y、zは各々独立して0〜100の整数である。x+y≧1、y+z≧1、且つz+x≧1である。(EO)はオキシエチレン基、(PO)はオキシプロピレン基、(BO)はオキシブチレン基を示す。[−(EO)
x−(PO)
y−(BO)
z−]は、x個の(EO)、y個の(PO)、及びz個の(BO)がランダム共重合して構成される分子鎖を示す。
【0034】
式(II)中、R
3はH又はCH
3、R
4はH又は炭素数1〜18のアルキル基、A
2はO又はNHである。nは1〜4の整数であり、mは1〜100の整数である。
【0035】
式(III)中、R
5はH又はCH
3、R
6は炭素数18以上の直鎖アルキル基、A
3はO又はNHである。
【0036】
本実施形態の毛髪化粧料用基剤は、整髪性に優れると共に、シャンプー等の洗浄剤によって毛髪から容易に除去され、固形油分の代わりとして乳化型の製剤に配合することができ、さらにエアゾール製剤にも配合することができる。特に、毛髪化粧料用基剤を毛髪化粧料に配合する場合には、毛髪化粧料によって毛髪を容易にコーティングすることができる。特に、毛髪化粧料用基剤を整髪剤に配合する場合には、髪型を整えやすく、整えた髪型を保持しやすく、髪型が崩れても再び整えやすく、シャンプー等の洗浄剤によって毛髪から除去されやすい整髪料が得られる。その理由は、次の通りである。
【0037】
構成単位(AIa)及び構成単位(AIb)は、上記式(Ia)、式(Ib)の通り、オキシエチレン基(EO)、オキシプロピレン基(PO)、及びオキシブチレン基(BO)で構成される分子鎖を備える。このため毛髪化粧料用基剤の皮膜に柔軟性を付与するとともに水及び親水性有機溶媒への溶解性や分散性をも付与することができる。
【0038】
構成単位(AII)は、上記式(II)の通り、(C
nH
2nO)
mを備えるため、この分子鎖とシャンプー等の洗浄剤に含まれる界面活性剤との相互作用により、毛髪化粧料用基剤が水へと容易に分散しやすい。このため、毛髪化粧料用基剤の皮膜を、シャンプー等の洗浄剤で容易に洗浄することができる。特に、上記式(II)中のnが1〜4の整数であり、mが1〜100の整数であるため、分子鎖と界面活性剤との相互作用が生じやすい。
【0039】
つまり、毛髪化粧料用基剤が、構成単位(AIa)、構成単位(AIb)及び構成単位(AII)を備えることによって、毛髪化粧料用基剤の皮膜に柔軟性を付与することができる。このため、毛髪化粧料用基剤を配合した整髪料を塗布した毛髪の柔軟さを確保することができると共に、毛髪化粧料用基剤の皮膜に適度な粘着性を付与することができ、整髪後の再整髪性を向上させることができる。また、シャンプー等の洗浄剤との相互作用により、毛髪化粧料が水へ分散しやすくなることで、毛髪化粧料の皮膜を容易に毛髪から除去することができる。
【0040】
構成単位(AIII)は、上記式(III)中のR
6が炭素数18以上の直鎖のアルキル基であるため、毛髪化粧料用基剤の疎水性を向上させることができる。このため、毛髪化粧料の水への溶解性を非常に低くすることができる。これにより、毛髪化粧料用基剤が配合された整髪料で整えた髪型が、空気中の水分等によって崩れにくくすることができ、髪型の保持力を向上させることができる。すなわち、構成単位(AIII)によって上記の効果が得られるため、毛髪化粧料用基剤を配合した整髪料に、優れた整髪性、保持力を付与することができる。
【0041】
通常、整髪料の整髪性及び保持力を高めるために、毛髪化粧料用基剤の疎水性を高めると、毛髪化粧料をシャンプー等の洗浄剤で除去することが困難となる。また、整髪料を毛髪から除去し易くするために、毛髪化粧料料用基剤の親水性を高めると、毛髪化粧料の整髪性、及び保持力が低下してしまう。すなわち、毛髪化粧料の整髪性、及び保持力と、洗浄性とを両立させることは非常に困難であった。
【0042】
これに対して、本実施形態の毛髪化粧料用基剤は、構成単位(A)が、構成単位(AIa)及び構成単位(AIb)のいずれか一方又は両方と、構成単位(AII)とを含むことにより、毛髪化粧料に優れた再整髪性及び洗浄性を付与することができる。更に、構成単位(A)が構成単位(AIII)を含むことにより、毛髪化粧料に優れた整髪性、及び保持力を付与することができる。
【0043】
そして、構成単位(A)が構成単位(AIa)、構成単位(AIb)、構成単位(AII)、及び構成単位(AIII)をバランスよく含むことにより、毛髪化粧料用基剤を含む整髪料の整髪性、再整髪性、及び保持力を向上させることができると共に、洗浄性を向上させることができる。
【0044】
本実施形態の毛髪化粧料用基剤は、疎水性が高く、乳化時の油相に均一に溶解あるいは分散可能であるため、固形油分の代わりに、乳化型の製剤に配合することができる。この乳化型の製剤は、毛髪化粧料用基剤と、液状の油分と、界面活性剤と、水と、親水性溶媒と、その他の添加剤とを、乳化させることにより製造され得る。
【0045】
また、有機溶媒を含む溶液中に毛髪化粧料用基剤を溶解あるいは分散させ、噴出剤と共に耐圧容器に加圧封入することでヘアスプレーを調製することができる。すなわち、本実施形態の毛髪化粧料用基剤は、乳化型の製剤、エアゾール製剤のいずれにも配合することができる。
【0046】
毛髪化粧料用基剤の成分について、更に詳しく説明する。
【0047】
構成単位(A)に対する、構成単位(AIII)の割合は、15〜40重量%の範囲内であることが好ましい。構成単位(A)に対する構成単位(AIII)の割合が15重量%以上であることにより、毛髪化粧料用基剤の疎水性を特に高めることができ、毛髪化粧料に特に優れた整髪性、及び保持力と付与することができる。構成単位(A)に対する構成単位(AIII)の割合が40重量%以下であることにより、構成単位(AIII)の疎水性が高くなりすぎることを抑制することができ、毛髪化粧料の洗浄性を十分に確保することができる。構成単位(A)に対する構成単位(AIII)の割合は、25〜40重量%の範囲内であることがより好ましい。
【0048】
構成単位(A)に対する、構成単位(AIa)及び構成単位(AIb)の合計量の割合は、5〜30重量%の範囲内であることが好ましい。構成単位(A)に対する構成単位(AIa)及び構成単位(AIb)の合計の割合が5重量%以上であることにより、毛髪化粧料用基剤の皮膜に柔軟性や適度な粘着性を付与するとともに水及び親水性有機溶媒への溶解性や分散性をも付与することができるため、再整髪性および洗髪性を向上することができる。構成単位(A)に対する構成単位(AIa)及び構成単位(AIb)の合計量の割合が30重量%以下であることにより、毛髪化粧料用基剤の皮膜に過度な粘着性が付与されることを抑制するとともに、吸湿性を抑制して、保持力を向上させることができる。
【0049】
構成単位(A)に対する、構成単位(AIa)及び構成単位(AIb)の合計量の割合は、10〜30重量%の範囲内であればより好ましい。
【0050】
構成単位(A)に対する、構成単位(AII)の割合は、2〜10重量%の範囲内であることが好ましい。構成単位(A)に対する構成単位(AII)の割合が2重量%以上であることにより、毛髪化粧料用基剤の皮膜に適度に親水性が付与され、洗髪性を向上することができる。構成単位(A)に対する構成単位(AII)の割合が10重量%以下であることにより、毛髪化粧料用基剤の皮膜に過度な親水性が付与されることを抑制すると共に、吸湿を抑制して、保持力を向上させることができる。構成単位(A)に対する構成単位(AII)の割合は5〜10重量%の範囲内であればより好ましい。
【0051】
本実施形態では構成単位(A)に対する、構成単位(AIa)及び構成単位(AIb)の合計量の割合が5〜30重量%であり、且つ構成単位(AII)の割合が2〜10重量%の範囲内であることが特に好ましい。この場合、毛髪化粧料用基剤を含む毛髪化粧料を、シャンプー等の洗浄剤によって特に容易に洗い流すことができる。
【0052】
本実施形態では、構成単位(AII)が下記式(IV)で示される構成単位(AIV)を含むことが好ましい。
【0054】
式(IV)中、R
3はH又はCH
3、R
4はH又は炭素数1〜18のアルキル基であり、A
2はO又はNHであり、mは1〜100の整数である。
【0055】
構成単位(AIV)は上記式(IV)中に(C
2H
4O)
mを備えるため、親水性を付与することができる。構成単位(AII)全体に対する構成単位(AIV)の割合は20重量%以上であることが好ましい。この場合、構成単位(A)に対する構成単位(AII)の割合が少ない場合であっても毛髪化粧料用基剤に十分な親水性を付与することができる。また、毛髪化粧料用基剤による過度な吸湿を抑制して、毛髪化粧料用基剤の耐湿性を損なうことなく、整髪性を向上させることができる。
【0056】
構成単位(A)は、構成単位(AIa)、構成単位(AIb)、構成単位(AII)、及び構成単位(AIII)のみを含んでいてもよいが、これらの構成単位以外の構成単位を含んでいてもよい。構成単位(A)に含まれる構成単位(AIa)、構成単位(AIb)、構成単位(AII)、及び構成単位(AIII)以外の構成単位のことを以下、構成単位(B)ともいう。
【0057】
構成単位(A)に対する、構成単位(AIa)、構成単位(AIb)、構成単位(AII)、及び構成単位(AIII)の合計の割合は、30〜100重量%の範囲内であることが好ましい。すなわち、構成単位(A)は、構成単位(AIa)、構成単位(AIb)、構成単位(AII)、及び構成単位(AIII)のみを含んでいてもよく、構成単位(AIa)、構成単位(AIb)、構成単位(AII)、及び構成単位(AIII)と、構成単位(B)とを含んでいてもよい。構成単位(A)に対する、構成単位(AIa)、構成単位(AIb)、構成単位(AII)、及び構成単位(AIII)の合計の割合が30重量%以上であることにより、毛髪化粧料の整髪性、再整髪性、保持力、及び洗浄性を十分に確保することができる。構成単位(A)に対する、構成単位(AIa)、構成単位(AIb)、構成単位(AII)、及び構成単位(AIII)の合計の割合は、40〜80重量%の範囲内であることがより好ましい。
【0058】
構成単位(A)が構成単位(B)を含む場合には、毛髪化粧料から形成される皮膜の硬さ、柔軟性、耐湿性、親水性、毛髪への密着性を調節することができる。
【0059】
構成単位(B)は、ノニオン性不飽和単量体に由来する構成単位からなる。ノニオン性不飽和単量体は、例えば、アクリロニトリル;酢酸ビニル;スチレン;ビニルピロリドン;アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸のエステル類;(メタ)アクリル酸グリセリル等からなる群から選択される少なくとも一種を含むことができる。尚、本明細書においては、アクリロイル及び/又はメタクリロイルを(メタ)アクリロイルと表す。また、アクリレート及び/又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表す。また、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表す。
【0060】
本実施形態の毛髪化粧料用基剤は、構成単位(A)を含む共重合体である。この共重合体の重量平均分子量は、特に制限されるものではなく、本発明の効果が阻害されない程度であれば、適宜の範囲に設定することができる。共重合体の重量平均分子量は、例えば、10000〜500000、好ましくは20000〜200000の範囲内である。
【0061】
構成単位(A)を含む共重合体は、例えば、エチレン性不飽和単量体(a)を重合させることにより製造される。
【0062】
このエチレン性不飽和単量体(a)は、下記式(1a)で示される単量体(a1a)及び下記式(1b)で示される単量体(a1b)のいずれか一方又は両方と、下記式(2)で示される単量体(a2)と、下記式(3)で示される単量体(a3)とを含む。
【0063】
エチレン性不飽和単量体(a)が単量体(a1a)を含むと、構成単位(A)を含む共重合体中に、構成単位(AIa)が形成される。エチレン性不飽和単量体(a)が単量体(a1b)を含むと、構成単位(A)を含む共重合体中に、構成単位(AIb)が形成される。エチレン性不飽和単量体(a)が単量体(a2)を含むと、構成単位(A)を含む共重合体中に、構成単位(AII)が形成される。エチレン性不飽和単量体(a)が単量体(a3)を含むと、構成単位(A)を含む共重合体中に、構成単位(AIII)が形成される。
【0068】
式(1a)中、R
1はH又はCH
3、R
2はH又は炭素数1〜18のアルキル基、A
1はO又はNHである。x、y、zは各々独立して0〜100の整数である。x+y≧1、y+z≧1、且つz+x≧1である。(EO)はオキシエチレン基、(PO)はオキシプロピレン基、(BO)はオキシブチレン基を示す。−(EO)
x−(PO)
y−(BO)
z−は、x個の(EO)、y個の(PO)、及びz個の(BO)がブロック共重合して構成される分子鎖を示す。
【0069】
式(1b)中、R
1はH又はCH
3、R
2はH又は炭素数1〜18のアルキル基、A
1はO又はNHである。x、y、zは各々独立して0〜100の整数である。x+y≧1、y+z≧1、且つz+x≧1である。(EO)はオキシエチレン基、(PO)はオキシプロピレン基、(BO)はオキシブチレン基を示す。[−(EO)
x−(PO)
y−(BO)
z−]は、x個の(EO)、y個の(PO)、及びz個の(BO)がランダム共重合して構成される分子鎖を示す。
【0070】
式(2)中、R
3はH又はCH
3、R
4はH又は炭素数1〜18のアルキル基、A
2はO又はNHである。nは1〜4の整数であり、mは1〜100の整数である。
【0071】
式(3)中、R
5はH又はCH
3、R
6は炭素数18以上の直鎖アルキル基、A
3はO又はNHである。
【0072】
構成単位(A)を含む共重合体が、構成単位(AIa)、構成単位(AIb)、構成単位(AII)、及び構成単位(AIII)以外の構成単位を含む場合、エチレン性不飽和単量体(a)は単量体(a1a)、単量体(a1b)、単量体(a2)、及び単量体(a3)以外の単量体を含んでいてもよい。単量体(a1a)、単量体(a1b)、単量体(a2)、及び単量体(a3)以外の単量体としては、上述のノニオン性不飽和単量体が挙げられる。
【0073】
エチレン性不飽和単量体(a)に対する、単量体(a3)の割合は、15〜40重量%の範囲内であることが好ましい。
【0074】
エチレン性不飽和単量体(a)に対する、単量体(a1a)及び単量体(a1b)の合計の割合は、5〜30重量%の範囲内であることが好ましい。
【0075】
エチレン性不飽和単量体(a)に対する、単量体(a2)の割合は、2〜10重量%の範囲内であることが好ましい。
【0076】
単量体(a1a)は、例えば、ポリエチレングリコール(x=5)ポリプロピレングリコール(y=2)モノメタクリレート、プロピレングリコールポリブチレングリコール(z=6)モノメタクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(x=8)ポリプロピレングリコール(y=6)モノメタクリレート、及びオクトキシポリエチレングリコール(x=8)ポリプロピレングリコール(y=6)モノアクリレート等からなる群から選択される少なくとも一種を含むことができる。これらの単量体の具体的な製品として、例えば、ブレンマー70PEP−350B(日油株式会社製)、ブレンマー10PPB−500B(日油株式会社製)、ブレンマー50POEP−800B(日油株式会社製)、ブレンマー50AOEP−800B(日油株式会社製)が挙げられる。
【0077】
単量体(a1b)は、例えば、ポリ(エチレングリコール(x=3.5)―プロピレングリコール(y=2.5))モノメタクリレート、ポリ(エチレングリコール(x=5)―テトラメチレングリコール(z=2))モノメタクリレート、ポリ(エチレングリコール(x=6)―テトラメチレングリコール(z=10))モノメタクリレート、ポリ(エチレングリコール(x=10)―テトラメチレングリコール(z=5))モノメタクリレート、ポリ(プロピレングリコール(y=4)―テトラメチレングリコール(z=8))モノメタクリレート、ポリ(プロピレングリコール(y=7)―テトラメチレングリコール(z=6))モノメタクリレート、及びポリ(プロピレングリコール(y=10)―テトラメチレングリコール(z=3))モノメタクリレート等からなる群から選択される少なくとも一種を含むことができる。これらの単量体の具体的な製品として、例えば、ブレンマー50PEP−300(日油株式会社製)、ブレンマー55PET−400(日油株式会社製)、ブレンマー30PET−800(日油株式会社製)、ブレンマー55PET−800(日油株式会社製)、ブレンマー30PPT−800(日油株式会社製)、ブレンマー50PPT−800(日油株式会社製)、ブレンマー70PPT−800(日油株式会社製)が挙げられる。
【0078】
単量体(a2)は、例えば、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル類;及びメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル類の水酸基末端がアルキルエーテル化されたもの等からなる群から選択される少なくとも一種を含むことができる。
【0079】
単量体(a3)は、例えば、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、及び(メタ)アクリル酸ベヘニル等からなる群から選択される少なくとも一種を含むことができる。
【0080】
構成単位(AII)が上述の構成単位(AIV)を含む場合、単量体(a2)が下記式(4)で示される単量体(a4)を含むことが好ましい。
【0082】
式(4)中、R
3はH又はCH
3、R
4はH又は炭素数1〜18のアルキル基、A
2はO又はNHであり、mは1〜100の整数である。
【0083】
単量体(a4)は、例えば、アクリル酸メトキシポリエチレングリコール(m=9)、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(m=9)、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(m=23)、及びメタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(m=90)、メタクリル酸ステアロキシポリエチレングリコール(m=30)等からなる群から選択される少なくとも一種を含むことができる。
【0084】
単量体(a2)に対する単量体(a4)の割合は、20〜100重量%の範囲内であることが好ましい。
【0085】
上記のエチレン性不飽和単量体(a)を重合することにより、構成単位(A)を含む共重合体が得られる。エチレン性不飽和単量体(a)を重合する方法として、例えば、親水性溶媒、又は水と親水性溶媒との混合溶媒を用いた溶液共重合法が挙げられる。
【0086】
溶液共重合法では、親水性溶媒又は混合溶媒中に、エチレン性不飽和単量体(a)を溶解すると共に、ラジカル重合開始剤を添加して反応溶液を調製し、この反応溶液を窒素気流下、溶媒の沸点又はそれに近い温度で攪拌する。これにより、エチレン性不飽和単量体(a)を重合することができる。
【0087】
この反応溶液中に、重合反応の開始当初からエチレン性不飽和単量体(a)に含まれる単量体の全種及び全量が溶解していてもよい。また、エチレン性不飽和単量体(a)に含まれる単量体の種類、量等に応じて重合反応を進行させながら、反応溶液中にエチレン性不飽和単量体(a)を分割して添加してもよい。或いは、重合反応を進行させながら、反応溶液中にエチレン性不飽和単量体(a)を連続滴下してもよい。親水性溶媒又は混合溶媒の使用量は、重合反応終了時の溶液中の樹脂固形分濃度が20〜80質量%の範囲となるように調整されることが好ましい。
【0088】
溶液共重合法において使用される溶媒は、上記のとおり親水性溶媒、又は水と親水性溶媒の混合溶媒である。この親水性溶媒は、水に対する溶解度が10g/水100g(25℃)以上である有機溶媒であることが好ましい。このような有機溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール及びグリセリン等の炭素数が1〜4の脂肪族1〜4価アルコール;アセトン;メチルセロソルブ;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル;ジオキサン;酢酸メチル;酢酸エチル;及びジメチルホルムアミドからなる群から選択される一種以上の材料を含む。毛髪化粧料が人体に使用され、人体の皮膚に付着する可能性があることから、親水性溶媒がエタノール、2−プロパノール、或いはエタノールと2−プロパノールとの組み合わせであることが好ましい。
【0089】
溶液共重合法で使用されるラジカル重合開始剤は、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化水素等の過酸化物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、4,4’−アゾビスー4−シアノ吉草酸、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)−ジヒドロクロリド等のアゾ系化合物からなる群から選択される一種以上の材料を含む。
【0090】
溶液共重合法では、分子量調節のため、反応溶液中に連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤は、例えばラウリルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チオグリセロール等のメルカプタン基を有する化合物;及び次亜リン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の無機塩からなる群から選択される一種以上の材料を含む。連鎖移動剤の添加量は、重合体の分子量が所望の範囲となるように適宜決定され、例えば、エチレン性不飽和単量体(a)の総量100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲であることが好ましい。
【0091】
重合時の温度、時間等の重合条件は、エチレン性不飽和単量体(a)やラジカル重合開始剤の種類等に応じ、高い反応率で重合反応が進行するように適宜設定される。重合反応は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下で行ってもよい。重合反応終了時の未反応モノマーの残存量は少量であるほど好ましい。
【0092】
エチレン性不飽和単量体(a)の重合方法は溶液共重合法に限られない。例えば、リビングラジカル重合法によりエチレン性不飽和単量体(a)を重合してもよい。この場合、重合体の重量平均分子量の調整が容易になると共に、連鎖移動剤を使用する場合よりも分子量分布の狭い重合体が生成する。
【0093】
以上のようにして、毛髪化粧料用基剤の溶媒溶液が得られる。この溶媒溶液中で、毛髪化粧料用基剤は溶解していてもよく、分散していてもよい。溶媒溶液は更に、構成単位(A)を含む共重合体以外のポリマーを含んでいてもよく、重合禁止剤、光安定剤、希釈溶剤等の添加剤を含んでいてもよい。
【0094】
本実施形態の毛髪化粧料は、上記の毛髪化粧料用基剤と、種々の添加剤とを含む。毛髪化粧料の具体例として、整髪料、ヘアトリートメント等が挙げられる。
【0095】
毛髪化粧料は、例えば、毛髪化粧料基剤の溶媒溶液に、紫外線防止剤、酸化防止剤、毛髪栄養剤等の添加剤を必要に応じて配合することで調製することができる。毛髪化粧料は、例えば、毛髪化粧料用基剤の溶媒溶液から溶媒を留去して得られる固形状の共重合体に、種々の添加剤を配合することによっても調製することができる。
【0096】
毛髪化粧料に含まれる毛髪化粧料用基剤の割合は、毛髪化粧料の形態、毛髪化粧料の構成成分等に応じて適宜設定されるが、溶媒を含めた毛髪化粧料の全成分の総量に対して、1〜30重量%の範囲内であることが好ましく、3〜20重量%の範囲内であることがより好ましい。
【0097】
特に、整髪料が毛髪化粧料用基剤を含む場合に、本実施形態の毛髪化粧料用基剤による効果が発揮されやすい。整髪料は、毛髪化粧料用基剤以外に、種々の添加剤を含む。整髪料は、例えば、乳化型の製剤、エアゾール製剤である。特に整髪料が、乳化型の製剤としてヘアワックス、又はエアゾール製剤としてヘアスプレーであることが好ましい。
【0098】
整髪料に含まれる毛髪化粧料用基剤の割合は、整髪料の形態、整髪料の構成成分等に応じて適宜設定されるが、溶媒を含めた整髪料の全成分の総量に対して、1〜40重量%の範囲内であることが好ましく、5〜30重量%の範囲内であることがより好ましい。
【0099】
以下、整髪料が乳化型の製剤である場合、及び整髪料がエアゾール製剤である場合について、説明する。
【0100】
整髪料が乳化型の製剤である場合、この乳化型の製剤は、例えば、以下のようにして製造される。毛髪化粧料用基剤の溶媒溶液、炭化水素、エステル油、シリコン油等の液状油分、高級アルコール、界面活性剤を適宜加熱および攪拌・混合して、油相成分を調製する。水、及び多価アルコール、並びに増粘剤等のその他添加剤を適宜加熱および撹拌・混合して、水相成分を調製する。この水相成分に、油相成分を徐々に添加して乳化させることにより、乳化型の製剤が製造される。乳化型の製剤に配合される添加剤は、通常、化粧品原料として許容されているものであれば、特に限定されない。乳化型の製剤で整髪する際には、例えば、乳化型の製剤を毛髪に直接塗布することにより整髪する。
【0101】
整髪料が乳化型の製剤である場合、この製剤は、髪型を整えやすく、整えた髪型を保持しやすく、髪型が崩れても再び整えやすく、更にシャンプー等の洗浄剤によって毛髪から除去しやすい。
【0102】
整髪料がエアゾール製剤である場合、このエアゾール製剤は、例えば、以下のようにして製造される。まず、毛髪化粧料用基剤を、炭素数1〜4の脂肪族アルコール、95体積%のエタノール等の含水アルコール等の親水性溶媒に溶解あるいは分散させることで、エアゾール原液を製造する。このエアゾール原液には、例えば、多価アルコール、シリコン油、エステル油等の添加剤が含まれていてもよい。エアゾール原液に配合される添加剤は、通常、化粧品原料として許容されているものであれば、特に限定されない。このエアゾール原液と噴出剤とを、スプレー缶等の耐圧容器に加圧封入することにより、エアゾール製剤が製造される。この噴出剤は、例えば、プロパン、ブタン、イソブタンを主成分とする液化石油ガス(LPG);トリクロロモノフルオロメタン(フロン11)、ジクロロジフルオロメタン(フロン12)、ジクロロテトラフルオロエタン(フロン114)、メチレンクロライド、ハイドロフルオロカーボン(HFC152a等)等を成分とするハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル;及び炭酸ガスからなる群から選択される少なくとも一種を含むことができる。この耐圧容器内には、エアゾール製剤と噴出剤とが2:8〜8:2の重量比で封入されることが好ましい。エアゾール製剤で整髪する際には、耐圧容器の噴出口から噴出したエアゾール原液を毛髪に吹き付けて整髪する。
【0103】
整髪料がエアゾール製剤である場合、この製剤は、髪型を整えやすく、整えた髪型を保持しやすく、髪型が崩れても再び整えやすく、更にシャンプー等の洗浄剤によって毛髪から除去しやすい。
【0104】
更に、毛髪化粧料用基材を含む毛髪化粧料は、アニオン性樹脂、カチオン性樹脂、両性樹脂、及びノニオン性樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の樹脂を含むことができる。これらの樹脂として、例えば「薬事日報社編、「医薬部外品原料規格2006」、株式会社薬事日報社、平成18年6月16日」に適合するものが挙げられる。これらの樹脂は固形状のものが販売され、或いはこれらの樹脂から調製された溶液や中和溶液が販売されている。毛髪化粧料に、これらの固形状の樹脂、溶液、中和溶液等を配合してもよい。固形状の樹脂から樹脂溶液や中和溶液等を調製し、この樹脂溶液や中和溶液等を毛髪化粧料中に配合してもよい。また、樹脂溶液から中和溶液を調製し、この中和溶液を毛髪化粧料に配合してもよい。
【0105】
アニオン性樹脂の具体例として、プラスサイズL−9540B(互応化学工業株式会社製)等のアクリル樹脂アルカノールアミン液(成分コード500001);カーボポール940(B.F.Goodrich製)等のカルボキシビニルポリマー(成分コード101243);ウルトラホールド8(BASF社製)等のアクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体(成分コード522001);レジン28−1310(NSC社製)等の酢酸ビニル・クロトン酸共重合体液(成分コード522037);ガントレッツES−225(ISP社製)等のビニルメチルエーテル・マレイン酸エチル共重合体液(成分コード504304);ガントレッツES−425(ISP社製)等のビニルメチルエーテル・マレイン酸ブチル共重合体液(成分コード504305);ポリアクリル酸(成分コード108622)が挙げれらる。添加剤は、これらのうち一種のみを含んでいてもよく、複数種を含んでいてもよい。
【0106】
カチオン性樹脂の具体例として、マーコート550(カルゴン社製)等のアクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体液(成分コード532001);ガフカット755(ISP社製)等のビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩液(成分コード520526);ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム液(成分コード506024)が挙げられる。添加剤は、これらのうち一種のみを含んでいてもよく、複数種を含んでいてもよい。
【0107】
ノニオン性樹脂の具体例として、ルビスコールK(BASF社製)等のポリビニルピロリドン(成分コード008805);酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体(成分コード523102);ポリアクリルアミド(成分コード520988)が挙げられる。添加剤は、これらのうち一種のみを含んでいてもよく、複数種を含んでいてもよい。
【0108】
両性樹脂の具体例として、プラスサイズL−401(互応化学工業株式会社製)等のポリメタクリロイルエチルジメチルベタイン液(成分コード521111);プラスサイズL−450(互応化学工業株式会社製)等のメタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体液(成分コード523245);ユカフォーマーAM−75(三菱化学株式会社製)等のN−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体液(成分コード521112)が挙げられる。添加剤は、これらのうち一種のみを含んでいてもよく、複数種を含んでいてもよい。
【実施例】
【0109】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0110】
〔実施例1〜8、比較例1〜4〕
反応容器として、還流冷却器、温度計、窒素置換用管、滴下漏斗及び撹拌機が取り付けられた容量1リットルの四つ口フラスコを用い、この反応容器中にエタノール100部を仕込み、窒素気流下、昇温した。この反応容器中のエタノールが還流状態(約80℃)になったところで、このエタノール中に重合開始剤を添加した。
【0111】
次に、下記の表1に示す組成を備えたエチレン性不飽和単量体を反応容器内に加えて、8時間重合を行なった。得られた共重合体の重量平均分子量を表1に示す。その後、冷却し、反応容器内の溶液に、この溶液の固形分が50質量%となるようにエタノールを加えて希釈した。これにより、毛髪化粧料用基剤の共重合体溶液を得た。
【0112】
【表1】
【0113】
ここで、表1中のエチレン性不飽和単量体の名称は以下の通りである。
・50POEP−800B:オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート(x=8、y=6、z=0)(日油株式会社製)
・10PPB−500B:プロピレングリコールポリブチレングリコールメタクリレート(x=0、y=1、z=6)(日油株式会社製)
・50PPT−800:ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)メタクリレート(x=0、y=7、z=6)(日油株式会社製)
・HEA:アクリル酸ヒドロキシエチル
・AM−90G:アクリル酸メトキシポリエチレングリコール(m=9、n=2)(新中村化学工業社製)
・M−90G:メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(m=9、n=2)(新中村化学工業社製)
・M−230G:メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(m=23、n=2)(新中村化学工業社製)
・PME−4000:メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(m=90、n=2)(日油株式会社製)
・PSE−1300:メタクリル酸ステアロキシポリエチレングリコール(m=30、n=2)(日油株式会社製)
・AP−400:アクリル酸ポリプロピレングリコール(m=6、n=3)(日油株式会社製)
・SA:アクリル酸ステアリル
・VA:アクリル酸ベヘニル
・SMA:メタクリル酸ステアリル
・VMA:メタクリル酸ベヘニル
・BA:アクリル酸ブチル
・LA:アクリル酸ラウリル
・MMA:メタクリル酸メチル
・BMA:メタクリル酸ブチル
・DMAA:N、N−ジメチルアクリルアミド
・DAAM:ジアセトンアクリルアミド
・NMMA:N−メトキシメチルアクリルアミド
【0114】
<耐水性>
上記の実施例1〜8、及び比較例1〜4の共重合体溶液1gを、5×5cmの舟形ペットフィルム上に流し込み、100℃の熱風乾燥機内で乾燥した後、デシケータ内で常温に戻るまで放置することにより、乾燥皮膜を作製した。この乾燥皮膜上に精製水0.2mlを乗せて皮膜の性状を観察し、その結果を次の基準で評価した。その結果を上記の表1に示す。
A:乾燥皮膜に変化が生じなかった。
B:乾燥皮膜が膨潤した。
C:乾燥皮膜が溶解した。
【0115】
また、上記の実施例1〜8、及び比較例1〜4の共重合体溶液と、下記の表2に示す材料とを表2に示す割合で混合及び乳化して、乳化型の製剤(ヘアワックス)を作製した。
【0116】
【表2】
【0117】
また、上記の実施例1〜8、及び比較例1〜4の共重合体溶液とエタノールとを混合することにより、エアゾール原液を作製した。このエアゾール原液と、噴出剤であるLPGとを耐圧容器内に加圧封入して、エアゾール製剤(ヘアスプレー)を作製した。ヘアスプレーに含まれる共重合体溶液、エタノール、及びLPGの配合割合は、下記の表3の通りである。
【0118】
【表3】
【0119】
実施例1〜8及び比較例1〜4の共重合体溶液を含むヘアワックス及びヘアスプレーについて、粘着性、整髪性、再整髪性、及び洗髪性を、以下の方法及び基準で評価した。その結果を上記の表1に示す。
【0120】
<粘着性>
実施例1〜8及び比較例1〜4の共重合体溶液を含むヘアワックス及びヘアスプレーを、10人の被験者が頭髪に塗布して整髪を行い、整髪後の粘着性について、次の基準で評価した。
A:整髪後に不快なべたつきを感じない被験者の数が8人以上。
B:整髪後に不快なべたつきを感じない被験者の数が4人以上7人以下。
C:整髪後に不快なべたつきを感じない被験者の数が3人以下。
【0121】
<整髪性>
実施例1〜8及び比較例1〜4の共重合体溶液を含むヘアワックス及びヘアスプレーを、10人の被験者が頭髪に塗布して整髪を行い、整髪性について、次の基準で評価した。
A:整髪時に好みの髪型に整えやすいと感じた被験者の数が8人以上。
B:整髪時に好みの髪型に整えやすいと感じた被験者の数が4人以上7人以下。
C:整髪時に好みの髪型に整えやすいと感じた被験者の数が3人以下。
【0122】
<再整髪性>
実施例1〜8及び比較例1〜4の共重合体溶液を含むヘアワックス及びヘアスプレーを、10人の被験者が頭髪に塗布して整髪を行った後に髪型を一旦崩し、再整髪する際の整髪性について、次の基準で評価した。
A:再整髪時に、髪型を整えやすいと感じた被験者の数が8人以上。
B:再整髪時に、髪型を整えやすいと感じた被験者の数が4人以上7人以下。
C:再整髪時に、髪型を整えやすいと感じた被験者の数が3人以下。
【0123】
<洗髪性>
実施例1〜8及び比較例1〜4の共重合体溶液を含むヘアワックス及びヘアスプレーを、10人の被験者が頭髪に塗布して整髪を行った後、市販のシャンプー(商品名パンテーン シルキースムースケアシャンプー、P&G製)で洗浄した場合の洗髪性について、次の基準で評価した。
A:シャンプーで洗髪した後、毛髪に製剤及びスプレー剤が残っていないと感じた被験者の数が8人以上。
B:シャンプーで洗髪した後、毛髪に製剤及びスプレー剤が残っていないと感じた被験者の数が4人以上7人以下。
C:シャンプーで洗髪した後、毛髪に製剤及びスプレー剤が残っていないと感じた被験者の数が3人以下。
【0124】
表1に示すように、エチレン性不飽和単量体(a)中に、単量体(a1a)及び/又は(a1b)と、単量体(a2)と、単量体(a3)とが含まれている実施例1〜8の共重合体溶液は、エチレン性不飽和単量体(a)中に単量体(a3)が含まれていない比較例3よりも、乾燥皮膜の耐水性が優れると共に、ヘアワックス及びヘアスプレーの粘着性及び整髪性が優れている。
【0125】
更に、実施例1〜8の共重合体溶液を含むヘアワックス及びヘアスプレーは、エチレン性不応和単量体(a)中に単量体(a2)が含まれていない比較例1よりも、洗髪性が優れている。
【0126】
更に、実施例1〜8の共重合体溶液を含むヘアワックス及びヘアスプレーは、エチレン性不飽和単量体(a)中に単量体(a1a)及び単量体(a1b)が含まれていない比較例2よりも、整髪性及び再整髪性が優れている。
【0127】
更に、実施例1〜8の共重合体溶液を含むヘアワックス及びヘアスプレーは、エチレン性不飽和単量体(a)中に単量体(a1a)、単量体(a1b)、及び単量体(a2)が含まれていない比較例4よりも、再整髪性及び洗髪性に優れている。