【文献】
阿部 匡伸,ライフログ活用技術の動向と研究所の取り組み,NTT技術ジャーナル,日本,社団法人電気通信協会,2010年 7月 1日,第22巻 第7号,pp.8-11
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記利用者データ取得手段は、前記ライフログデータを取得するライフログデータ取得手段を含み、前記ライフログデータ取得手段は、前記利用者に対する問診の回答を取得する問診手段、体調データを測定する測定機器、前記利用者に装着され生活データを記録するウェアラブル機器を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の判定サーバ。
前記利用者データ取得手段は、ネット閲覧履歴データ取得手段を含み、取得した閲覧履歴データを解析し、前記利用者の食品に関する嗜好を抽出する嗜好抽出手段を備えることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の判定サーバ。
前記利用者データ取得手段は、家計簿データ取得手段を含み、取得した家計簿データから食品の支出及び健康食品の支出を抽出する食品関連支出抽出手段を備えることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の判定サーバ。
【背景技術】
【0002】
近年、健康食品やサプリメントの利用が拡大している。非特許文献1によれば、健康食品やサプリメントの利用目的としては、健康の維持、栄養成分の補給、疲労回復、ダイエット、病気の予防だけでなく、5%は病気の治療目的に利用されることもある。また、健康食品やサプリメントを利用する際の情報源は、製品の広告、家族や友人・知人等の身近な人から得た情報、テレビ・新聞等の情報が大きくなっており、製品の購入経路は、店頭が多いものの、最近ではインターネット等を介したものや通信販売のルートも増加している。
【0003】
このように、世の中には多様な健康食品やサプリメントが溢れているが、個人が一人一人、自分に適した健康食品やサプリメントの情報を得ることは容易ではない。そのため、サプリメントの情報を提供するシステムが知られている。
【0004】
例えば特許文献1には、自覚症状(問診結果)と、自覚症状として現れていない客観データ(成分分析結果)とに基づいた被検者の栄養状況に関する情報や、サプリメントに関する情報等を提供するシステムが開示されている。より詳細には、このシステムは、問診と爪分析等によって得られる情報に基づいて、各個人の栄養状態や摂取すべき栄養素を分析し、その分析結果に基づいて各個人にふさわしいサプリメントに関する情報等を提供する。
【0005】
また、特許文献2には、対象者の遺伝子検査や血液生化学的検査を含む多岐にわたる検査の結果を利用して、対象者ごとに、最適な種類のサプリメントを、最適な有効量で提供できるサプリメント提供システムが開示されている。このシステムでは、対象者に対して行った遺伝子検査等の検査結果を格納する個人データベースと、遺伝子に係る潜在的疾病リスク情報を格納する遺伝子データベース等を含むマスターデータベースと、を備え、対象者の遺伝子検査等の検査結果を、マスターデータベースにおける対応する情報と照合し、不足栄養成分とその有効量を決定してサプリメント処方箋を作成するサプリメント処方箋作成手段を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、個人に本当に適した健康食品やサプリメントに関する情報は、有効成分の効能等のようなプラスの要素だけでなく、添加物やアレルギー成分のような注意すべき要素、価格、購入単位、買い易さ等の心理的に負担(経済的負担を含む)となるような要素を、利用者の食生活の嗜好、生活環境、ライフスタイルといった、利用者側の要素を加味して、総合的に判断される必要がある。そして、自分の健康管理に適した健康食品やサプリメントをアドバイスしてくれるようなシステムが望まれる。
【0009】
本発明では、上記のような課題に鑑み、健康食品やサプリメントの利用に関して、プラス要素、注意要素、心理的な負担要素を総合的に判定し、利用者の生活環境に応じて、より適切な健康食品やサプリメントの情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、以下のような解決手段を提供する。
(1)本発明の第1の態様では、利用者に対する健康食品の適合性を判定する判定サーバであって、前記健康食品の有効成分、含有量、アレルギー成分、価格、入手容易性を含む健康食品データを取得する健康食品データ取得手段と、前記利用者の日常生活の記録であるライフログデータ及び前記利用者の医療機関における検診データを含む利用者データを取得する利用者データ取得手段と、前記取得した利用者データに基づいて、前記健康食品に含まれる有効成分ごとの重み付けをする重み付け手段と、前記取得した利用者データと前記有効成分ごとの重み付けに基づいて、前記健康食品のプラス要素のスコアを算出し、前記取得した利用者データに基づいて注意要素のスコア、及び心理的な負担要素のスコアを算出するスコア算出手段と、前記算出されたスコアに基づいて前記適合性を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
(2)また、上記の(1)の構成において、前記判定手段は、サプリメントとサプリメント以外の健康食品との組み合せを前記価格とともに提示するようにしてもよい。
【0012】
(3)また、上記の(1)又は(2)の構成において、前記利用者データ取得手段は、前記ライフログデータを取得するライフログデータ取得手段を含み、前記ライフログデータ取得手段は、前記利用者に対する問診の回答を取得する問診手段、体調データを測定する測定機器、前記利用者に装着され生活データを記録するウェアラブル機器を含むようにしてもよい。
【0013】
(4)また、上記の(1)〜(3)の構成において、前記利用者データ取得手段は、ネット閲覧履歴データ取得手段を含み、取得した閲覧履歴データを解析し、前記利用者の食品に関する嗜好を抽出する嗜好抽出手段を備えるようにしてもよい。
【0014】
(5)また、上記の(1)〜(4)の構成において、前記利用者データ取得手段は、家計簿データ取得手段を含み、取得した家計簿データから食品の支出及び健康食品の支出を抽出する食品関連支出抽出手段を備えるようにしてもよい。
【0015】
(6)また、本発明の第2の態様では、利用者に対する健康食品の適合性を判定する方法であって、前記健康食品の有効成分、含有量、アレルギー成分、価格、入手容易性を含む健康食品データを取得するステップと、前記利用者の日常生活の記録であるライフログデータ及び前記利用者の医療機関における検診データを含む利用者データを取得するステップと、前記取得した利用者データに基づいて、前記健康食品に含まれる有効成分ごとの重み付けをするステップと、前記取得した利用者データと前記有効成分ごとの重み付けに基づいて、前記健康食品のプラス要素のスコアを算出するステップと、前記取得した利用者データに基づいて注意要素のスコア、及び心理的な負担要素のスコアを算出するステップと、前記算出されたスコアに基づいて前記適合性を判定するステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
(7)また、本発明の第3の態様では、利用者に対する健康食品の適合性を判定するためのプログラムであって、前記健康食品の有効成分、含有量、アレルギー成分、価格、入手容易性を含む健康食品データを取得するステップと、前記利用者の日常生活の記録であるライフログデータ及び前記利用者の医療機関における検診データを含む利用者データを取得するステップと、前記取得した利用者データに基づいて、前記健康食品に含まれる有効成分ごとの重み付けをするステップと、前記取得した利用者データと前記有効成分ごとの重み付けに基づいて、前記健康食品のプラス要素のスコアを算出するステップと、前記取得した利用者データに基づいて注意要素のスコア、及び心理的な負担要素のスコアを算出するステップと、前記算出されたスコアに基づいて前記適合性を判定するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、健康食品やサプリメントの利用に関して、プラス要素、注意要素、心理的な負担要素を総合的に判定し、利用者の生活環境に応じて、より適切な健康食品やサプリメントの情報を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0020】
また、以降では、「健康食品」(又は「ヘルシーフード」)とは、健康の保持増進に資する食品全般を言い、「サプリメント」とは、一般的には特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品を言うが、飲料やスナック菓子のような形態も含むもとする。サプリメントは、健康食品の一つであると考えられるので、以下、特にことわらない限り、健康食品と言うときはサプリメントを含むものとする。
【0021】
(基本イメージ)
図1は、本発明の実施形態に係るヘルスチューニング支援システム(以下、本システムと呼ぶ)の基本構成の概念を示す図である。本システムは、健康食品やサプリメントの適合性を判定し、利用者の健康管理やその調整(ヘルスチューニング)を支援するものである。前述したように、自分に適したサプリメントに関する情報は、有効成分の効能等のようなプラス要素だけでなく、添加物、安全性、アレルギー成分のような注意要素、また心理的に負担となるような負担要素(価格、購入単位、買い易さ等)といった、より広範囲な要素を加味して総合的に判断される必要がある。効能があっても、価格が高かったり、アレルギー成分が含まれていたり、購入単位が決められていたり、販売拠点へのアクセスが悪かったり、納期が長かったり、状況に合わせて商品を変更することや量を調整することに難があったりすれば、利用者が安心して継続的に使用することができないからである。また、利用者の嗜好や生活環境も考慮する必要がある。本システムは、健康食品(以下、サプリメントを含むものとする)の成分や有効性のデータだけでなく、様々な利用者側のデータ(以下、利用者データと呼ぶ)を加味して、健康食品を総合的に判定し、利用者に提示するものである。
【0022】
本システムは、健康食品のデータとして、効能性に関する事項である品種・産地、成分含有量、有効性等のプラス要素となるデータ(「メリットデータ」と呼ぶ)、安全性に関する事項である添加物、アレルギー成分等の注意要素となるデータ(「アラートデータ」と呼ぶ)、及び、心理的な負担に関する事項である、価格、購入単位、アベイラビリティ(買い易さ)に関するデータ(「バーデンデータ」と呼ぶ)を収集し、それぞれのデータベース(記憶手段)に格納しておく。
【0023】
また、本システムは、利用者データとして、ライフスタイル、生活習慣・行動パターン、その他日常生活から継続的に得られる生活データ(以下、「ライフログデータ」と呼ぶ)、ネット閲覧履歴を取得し、記録する。また、医療機関から得られる検診データ、疾病歴データ、遺伝子データ等を取得することも可能とする。また、利用者のPC等にインストールされた家計簿プログラムと連携して、利用者の家計簿データの食生活に関するデータを取得することも可能とする。これらのデータは、利用者自身が問診票に答えるかたちで入力してもよいし、各種体調データの測定機器、医療機関のシステムから取得してもよい。
【0024】
本システムでは、これらの健康食品データから得られるメリットデータ、アラートデータ、バーデンデータに対応するメリットスコア、アラートスコア、バーデンスコアと、そのスコアの合計を、利用者側から得られる利用者データを重み付けして算出し、算出された健康食品スコア(又は「ヘルシーフードスコア」とも呼ぶ)を判定して、利用者に対して健康食品の適合性を提示する。
【0025】
(機能構成)
図2は、本発明の実施形態に係るヘルシーフードスコア判定サーバの機能構成を示す図である。この図においては、
図1のイメージ図をサーバの機能ブロックとして詳細に示したもので、機能ブロック間の矢印は、データの流れ方向、又は処理の流れ方向を表している。
【0026】
本システムは、ヘルシーフードスコア判定サーバ100(以下、単に「判定サーバ」と呼ぶ)によって主な処理がなされる。判定サーバは、データの入力手段として、健康食品データ取得手段101及び利用者データ取得手段110を備える。
【0027】
また、判定サーバは、健康食品のデータベースとして、メリットデータ記憶手段102、アラートデータ記憶手段103、バーデンデータ記憶手段104を備える。また、利用者データのデータベースとして、閲覧履歴データ記憶手段115、ライフログデータ記憶手段116、検診データ記憶手段117、家計簿データ記憶手段118を備える。また、判定サーバは、上記のデータの処理手段として、嗜好抽出手段121、利用者データ分類手段123、食品関連支出抽出手段122、重み付け手段131、スコア算出手段132、判定手段133、判定結果記憶手段134、及びアドバイス生成手段135を備える。以下、各手段について順に説明する。
【0028】
健康食品データ取得手段101は、健康食品の品種・産地、有効成分の含有量、添加物・アレルギー成分、価格・販売形態等のデータを、製品の広告、メーカ、販売店、ネットの情報等から取得する。そして、取得したデータのうち、プラス要素となるデータ(有効成分の含有量等)は、メリットデータ記憶手段102に格納する。また、注意要素となるデータ(添加物、アレルギー成分等)は、アラートデータ記憶手段103に格納する。また、経済的な負担となる要素のデータ(価格、販売形態における購入単位、買い易さ等)は、バーデンデータ記憶手段104に格納する。特に自然食品の価格や入手容易性は季節や地域によって異なるので、季節や地域ごとに取得する。また、健康食品が自然食材である場合は、品種・産地のデータもメリットデータ記憶手段102に格納する。ただし、場合によっては、品種・産地のデータは、アラートデータ記憶手段103に格納されることもある。
【0029】
利用者データ取得手段110は、ネット閲覧履歴データ取得手段111、ライフログデータ取得手段112、検診データ取得手段113、家計簿データ取得手段114を含む。
【0030】
ネット閲覧履歴データ取得手段111は、利用者のインターネットの閲覧履歴を利用者の端末から取得する。
【0031】
ライフログデータ取得手段112は、利用者の生活に関するデータを取得する。ライフログデータの入力は、システムが用意した問診手段に利用者がYes/Noで回答するかたちで行ってもよいし、直接テキストで入力してもよい。また、血圧計、体温計、運動量計等の体温データを測定するための測定機器や、利用者の体に装着されたウェアラブル機器等を、インターネット経由で利用者の端末(PC、スマートフォン、タブレット端末等)に無線接続し、ライフログデータを利用者端末経由で自動的又は半自動的に取得してもよい。
【0032】
検診データ取得手段113は、検診データを取得する。検診データは、利用者が医療機関からのデータを元に入力してもよいが、医療機関のシステムと利用者端末とをネットワークで接続し、利用者端末に必要な検診データを取り込むようにしてもよい。
【0033】
家計簿データ取得手段114は、利用者の端末等にインストールされた家計簿プログラムから利用者の家計簿のデータを取得する。
【0034】
上記の各取得手段が取得したデータは、それぞれ閲覧履歴データ記憶手段115、ライフログデータ記憶手段116、検診データ記憶手段117、家計簿データ記憶手段118の各データベースに収集される。
【0035】
図3に利用者データとして本システムで利用可能なデータの一覧を示す。利用者データには、属性データ、閲覧履歴データ、ライフログデータ、検診データ、家計簿データが含まれる。ただし、属性データは、ライフログデータに含めてもよい。
【0036】
閲覧履歴データは、利用者が日常的に閲覧しているサイトの履歴であり、閲覧日時、サイト名、検索キーワード等が格納されているものとする。このような閲覧履歴データから利用者の嗜好を抽出して、健康食品のアドバイスに利用することができる。例えば、サプリメントを検索している人であればサプリメントでの摂取を勧め、食材や野菜の宅配サービスを利用している人であれば、野菜等での摂取を勧め、山歩きの好きな人であれば登山家が使用しているものを勧める等して、健康食品を勧める際の補助データとして活用する。
【0037】
属性データは、年齢、性別、居住地域、住所、職業、家族構成等の利用者個人の静的な属性に関するデータである。ライフログデータは、利用者の日常生活に関する動的なデータであり、起床・就寝時刻、睡眠時間、労働時間、仕事種類(内勤、外勤、机上作業、立ち仕事)、1か月の外食の回数、1日のテレビ視聴時間、PCやスマホの利用時間、平均酒量、喫煙量等が含めることが望ましい。また、血圧計、歩行計、活量計等の各種測定器からデータが取得可能であれば、その測定器で計測された歩数、運動消費カロリー、体温、指先体温、血圧、脈拍等を受信してデータに含めることが望ましい。また、食生活に関するデータ、例えば、朝食はパンか米か、毎日の飲み物等のデータを含めることが望ましい。
【0038】
検診データは、身長、体重、体脂肪率、血圧、脈拍、血液検査結果、脳年齢、血管年齢、肌年齢、アレルギーのある成分等が含まれる。検診データには、疾病歴データや遺伝子データを含めてもよい。また、ライフログデータ又は検診データには、アレルギーのある食品又は成分、妊娠中か否かの情報を含めることが望ましい。
【0039】
家計簿データは、利用者の毎月の支出、特に食費、デザート・菓子類、酒・タバコ、健康食品・サプリメント、医療・薬等の出費データを家計簿から抽出して格納したものである。ただし、利用者が単身でなく、家族で生活していて家計が共通である場合は、利用者によって、利用者単独の支出に換算してもらう必要がある。
【0040】
図2の説明に戻って各手段の説明を続ける。嗜好抽出手段121は、閲覧履歴データ記憶手段115のデータを分析し、利用者の嗜好を抽出する。食品関連支出抽出手段122は、家計簿データ記憶手段118のデータを分析し、特に食品関連の支出額の全支出に対する割合を算出する。また、家計簿データに、健康食品・サプリメントの項目があれば、その支出額を抽出し、食費、医療・薬費に占める割合を算出するようにしてもよい。
【0041】
利用者データ分類手段123は、ライフログデータ記憶手段116及び検診データ記憶手段117から、健康食品が関係する症状パターンを抽出し、分類する。例えば、ライフログデータが、利用者が質問に対して回答したものである場合、「1日中PC業務をしている」、「肩がこわばる」、「外食が多い」等の回答を一つの「症状パターン」として分類する。ここで症状パターンとは、複数の関連する症状を一つのパターンとして分類したもの、あるいは、同種の症状(例えば、「肩が痛い」、「肩がこわばる」、「肩がこる」等)を1つにまとめたものを言う。後者は利用者が質問に対してではなく、ライフログデータをテキストで入力したよう場合の分類に有効である。また、利用者データ分類手段123は、嗜好抽出手段121及び食品関連支出抽出手段122の抽出結果もパターンに分類する。分類された各パターンは、重み付け手段131に受け渡される。
【0042】
重み付け手段131は、健康食品データのメリットデータを、利用者データ分類手段123によって分類されたパターンによって重み付けし、健康食品データと利用者データのマッチング(関連付け)を行う。
【0043】
スコア算出手段132は、重み付け手段131によって関連付けられたデータに基づいて、プラス要素、注意要素、負担要素のスコアを算出する。すなわち、健康食品ごとのメリットデータ、アラートデータ、バーデンデータを、分類された利用者データに基づいて、その利用者個人のメリットスコア、アラートスコア、バーデンスコアを算出する。
【0044】
判定手段133は、各健康食品に対して算出されたメリットスコア、アラートスコア、バーデンスコアを合計したヘルシーフードスコアを比較し、どの健康食品が利用者に最も適合性があるかを判定する。このとき、メリットスコアを価格順に示したコストパフォーマンスを提示するようにしてもよい。たとえコストパフォーマンスがよくても、アレルギー性等のアラートスコアが高ければ推奨しない。なお、バーデンスコアは季節や地域によって変動するので、ヘルシーフードスコアも判定した時期によって変動する。なお、重み付け手段131は、利用者ごとに、プラス要素、注意要素及び心理的な負担要素の各スコアごとの重み付けをし、判定手段133は、上記各スコアごとの重み付けを用いて適合性を判定するとうにしてもよい。
【0045】
判定結果は、判定結果記憶手段134に記憶される。また、判定結果は、出力手段(図示せず)によって、外部に直接出力される。このときの出力方法は、サーバの表示装置に出力、利用者端末の画面に表示、他のシステムに送信、ポータブル記憶媒体に格納、プリンタに印字等の方法がある。判定結果は、健康食品の開発者等に提供され、商品開発に活用されるようにしてもよい。
【0046】
アドバイス生成手段135は、判定手段133の判定結果に基づいて、利用者に対する健康食品に関するアドバイスを生成する。具体的には、ライフログデータあるいは検診データなどの利用者データが改善したものと仮定し、改善した利用者データに基づいて健康食品に含まれる有効成分ごとの重み付けをし、利用者データと有効成分ごとの重み付けに基づいて、健康食品のプラス要素のスコアを算出し、算出されたスコアに基づいて適合性を判定する。このような処理を繰り返すことで、ライフログデータあるいは検診データなどの利用者データをどのように改善すべきかというアドバイスの文言を生成して利用者に提示するようにしてもよい。
【0047】
(処理フロー)
図4は、ヘルシーフードスコア判定処理の処理フローを示す図である。この図においては、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序は入れ替えてもよい。
【0048】
判定サーバは、まずステップS01において、ライフログデータ、検診データを取得する。次にステップS02で、取得したライフログデータ、検診データから症状パターンを抽出し、分類する。そして、ステップS03で、症状パターンにマッチングする健康食品のメリットスコアを算出する。
【0049】
続いて判定サーバは、ステップS04において、アラートデータ及び検診データ等に基づいて、利用者がアラート条件に当てはまるか否かを判定する。特に利用者が妊婦である場合やアレルギー症状を持つ場合はアラート条件に当てはまる。アラート条件に当てはまらない場合は、ステップS06に移るが、特に当てはまる場合は、ステップS05でアラートスコアを算出する。
【0050】
続いて判定サーバは、ステップS06において、バーデンデータ、家計簿データ及び居住地域を参照し、バーデン条件に当てはまるものがあるか否かを判定する。前述したように同じ商品でも時期や地域によって価格が変動する場合もあり、家計の支出も毎月変動する場合もあるので、当月のその商品の価格が家計簿データから抽出される健康食品の支出に対して所定割合を超える場合はバーデン条件に当てはまるものとする。バーデン条件に当てはまらない場合は、ステップS08に移るが、当てはまる場合は、ステップS07で、家計簿データ、価格、購入単位、入手容易性に基づいてバーデンスコアを算出する。
【0051】
続いて、判定サーバは、ステップS08において、メリットスコア、アラートスコア、バーデンスコアの合計(総合評価)であるヘルシーフードスコアを算出する。そして、ステップS09で、他にマッチングする健康食品があるか否かを判定し、マッチングするものがあれば、ステップS03に戻り、同じ処理を繰り返す。マッチングしたものを全て処理すると、ステップS10で、ヘルシーフードスコアを比較・判定し、処理を終了する。
【0052】
以上、本システムの機能構成について説明したが、上記の機能構成は、あくまで一例であり、一つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて一つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置に格納されたコンピュータ・プログラムを読み出し、CPUにより実行されたコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0053】
(具体例)
図5は、眼精疲労に関する健康食品のスコアリングの例を示す図である。図示するように、ライフログや検診データから抽出された利用者の回答等が、「一日中PC業務」、「血行が悪く肩がこわばる」、「外食が多く食事バランスが悪い」といったような「症状」であったとすると、健康食品の各成分に対して、その成分に関する重み付けを行った結果を成分重み付表200で示す。成分重み付表200は、各成分に対して有効性が高い順に、ここでは「◎」、「〇」、「△」で示されているが、実際には数値で計算される。この例では、「ルテイン」、「ケルセチン」、「ビタミンB1/B12」、「ビタミンE」がこの症状に特に有効であることを示している。
【0054】
成分重み付表200の重み付けられた成分と、サプリメントA,Bの成分含有量とを比較し、各成分のスコアを算出し、及び、その他のデータからアラートスコア、バーデンスコアを算出して、サプリメント全体としてのコストパフォーマンスを判定したものがヘルシーフードスコア表201である。例えば、ケルセチンは、重み「◎」であるが、サプリメントAには含有量が少なく、効果がルテインより劣ると考えられるので、サプリメントAのケルセチンのスコアは「〇(小)」となっている。一方、サプリメントBにはケルセチンは含まれていないのでメリットスコアは「×」である。表201では、メリットスコア、アラードスコア、バーデンスコア、及びサプリメントの総合評価(ヘルシーフードスコア)が示されている。この例では、サプリメントAがサプリメントBよりはるかに総合評価が高いことが示されている。なお、表201では、便宜的にメリットスコアを「〇(高)」、「〇(小)」、「×」等と表しているが、「〇(高)」は5点、「〇(小)」は2点、「×」は0点等の点数で表しても当然よい。また、バーデンスコアも、価格、購入単位、アベイラビリティを言葉で表しているが、点数化しても当然よい。アラートスコアは、この例ではブランクである。
【0055】
図6は、肥満に関する健康食品のスコアリングの例を示す図である。この例では、「運動をしない」、「外食が多く食事バランスが悪い」、「疲れやすい」といった「症状」を持つ利用者の成分重み付表210とヘルシーフードスコア表211が示されている。ヘルシーフードスコア表211では、サプリメントA,Bと、サプリメント以外の健康食品X,Yとが比較されている。この利用者は、上記の「症状」の他に、乳製品と玉ねぎにアレルギーがあるため、仮に効果/価格は、サプリメントA,健康食品Y,サプリメントB,健康食品Xの順であったとしても、玉ねぎ由来のケルセチンを含むサプリメントBと、乳成分由来のラクトフェリンを含む健康食品Yはアラートスコアのマイナスの値が高くなり、全体としてヘルシーフードスコアの総合評価が低いものは推奨されない(例えば、総合点がマイナスとなるようなもの)。
【0056】
図7は、健康食品の組み合せを示す画面の例を示す図である。この画面は、眼精疲労の症状を持つ利用者に対して、有効な健康食品の組み合せを示したものである。図の組み合せ1では、サプリメントAだけを使用した場合を示し、組み合せ2では、サプリメントBと高ルテインほうれん草を使用した場合を示し、組み合せ3では、サプリメントCと、高ルテインほうれん草と、玄米を使用した場合を示している。
【0057】
この例では、「組み合せ1」では毎月4000円の出費となるが、「組み合せ2」ではサプリメントBの2500円と高ルテインほうれん草の価格が出費となる。高ルテインほうれん草は、普通のほうれん草より300円程度高く、季節や地域によっても異なるが、その価格を500円程度とすると、「組み合せ2」の合計価格が3000円となり、「組み合せ1」より1000円程度安くなる。元々ほうれん草を食べている利用者であれば、普通のほうれん草を高ルテインほうれん草に替えるだけなので、更に負担は少なくなる。
【0058】
「組み合せ3」では、サプリメントCの1500円と、高ルテインほうれん草(500円とする)と、玄米の価格が出費となる。玄米の価格は普通の白米よりも300円程度高いとすると、白米を玄米に変えれば、合計価格は1500円+500円+300円=2300円となり、「組み合せ1」より1700円程度、「組み合せ2」より700円程度安くなる。このようにコストパフォーマンスを含めた健康食品の組み合せを提示することで、安価なサプリメントで不足する成分がある場合は、何を追加で食したらよいかのアドバイスを提供することができる。
【0059】
図8は、健康食品の組み合せを示す画面の別の例を示す図である。この画面は、「肥満」の利用者に対して、有効な健康食品の組み合せを示したものである。この例では、図示するように、「組み合せ2」と「組み合せ3」は、何らかの理由で総合評価が低いためグレーアウトされている(推奨されない)とする。このとき、利用者は、「組み合せ2」の方が「組み合せ1」より安価なので、あえてこれを選択すると、本システムは、「外食の数を減らす、あるいは週1回運動するようにする等、ライフログデータが改善されると、組み合せ2を推奨します。」というようなアドバイスを生成して表示する。同様に、利用者が「組み合せ3」をあえて選択すると、本システムは、「体脂肪率が○○%改善する、あるいは血圧が○○下がる等、検診データが改善されると、組み合せ3を推奨します。」というようなアドバイスを生成して表示する。このように、現時点では推奨しない健康食品の組合せまで含むアドバイスを表示をすることで、利用者は、ライフログデータや検診データを改善することについて動機づけができる。
【0060】
(活用例)
本システムでは、1つの活用例として、利用者に対するフレキシブルな情報提供が可能となる。すなわち、本システムでは、蓄積した利用者データの各データベースから健康状態・症状に関する現状を把握し、また、経済状況・生活導線を把握できるので、同じ症状パターンであっても、それぞれの利用者に合った方法、つまり、負担が少なく、無理なく続けられる方法を提案することができる。
【0061】
また、本システムでは、別の活用例として、商品開発者に対する情報提供も可能となる。本システムで蓄積した利用者データの各データベースは、生活習慣のパターンによっても分類でき、それぞれの違いから必要な製品について情報を得て、食品の開発者によるヘルシーフードスコア判定にも情報を提供することができる。例えば、データベースにスマホ・PCによる生活記録(ブログ、チャット型AI等)が保存されていれば、食事内容や運動内容や気分の変化等のデータも取得することが可能となる。また、住環境・活動環境におけるデータトラッキングをウェアラブル、IoT(Internet of Things)センサ等に利用することにより、活動量、表情・心情の定量化、作業時間等のデータも取得することが可能となる。それらのデータベースから、1日に6時間以上寝る、1時間に1回休息する、色の濃い野菜を食べるといった良好な生活習慣をおくっているような人と、悪い生活習慣をおくっており、健康食品を推奨されたような人とを比較し、健康食品の不足分を判定して、開発モニターとして依頼し、その結果を開発者にアドバイスすることも可能となる。
【0062】
(実施形態の効果)
本システムによれば、サプリメントを含む健康食品の利用に関して、プラス要素、注意要素、経済的な負担要素を総合的に判定し、利用者のライフログ、プロフィール、居住地域、家計状況といった生活環境に応じて、より適切な健康食品やサプリメントの情報を提供することができる。
【0063】
また、サプリメントとサプリメント以外の健康食品との組み合せを、価格情報とともに提示し、安価なサプリメントで不足する栄養素がある場合は、何を追加で食したらよいかをアドバイスすることができる。また、ライフログの取得手段は、問診だけでなく、体調データの測定機器やウェアラブル機器からの様々なデータを利用することができる。
【0064】
また、インターネットの閲覧履歴データを解析し、利用者の食品に関する嗜好を抽出し、健康食品の推奨の際の補助データとすることもできる。また、家計簿データから家計の負担とならないような健康食品を推奨したり、食品の支出及び健康食品の支出を抽出し、家計における健康食品の支出の割合を調べたりすることもできる。
【0065】
また、上記の実施形態では、サプリメントを含む健康食品について説明したが、利用者データによって重み付けられる商品であれば他の商品にも応用が可能である。
【0066】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲に限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、ヘルスチューニング支援システム、特にヘルシーフードスコア判定サーバについて説明したが、本発明は、方法の発明又はサーバ上のコンピュータ・プログラムの発明としても捉えることもできる。