(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記磁性顔料粒子又は前記磁化可能顔料粒子を流体結合剤中に含むコーティング組成物を、前記基材上に付着させるように配置された印刷ユニットをさらに備える、請求項1に記載の印刷デバイス。
前記硬化ユニットが、前記基材が前記配向手段に接触している間、又は前記基材が前記配向手段上に配置されている間に、前記基材上の前記コーティング組成物を硬化するように配置される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の印刷デバイス。
前記磁性顔料粒子又は前記磁化可能顔料粒子の少なくとも一部が、光学的に可変の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子によって構成され、請求項9又は10に記載の方法。
前記磁性顔料粒子又は前記磁化可能顔料粒子の少なくとも一部が、磁性薄膜干渉顔料粒子、磁性コレステリック液晶顔料粒子、磁性材料を含む干渉コーティング付き顔料粒子、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
前記基材が、紙又はその他の繊維状材料、紙含有材料、ガラス、金属、セラミック、プラスチック及びポリマー、金属化プラスチック又は金属化ポリマー、複合材料、及びこれらの混合物又は組合せからなる群から選択される、請求項9〜14のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(定義)
以下の定義は、本明細書において論じられ、特許請求の範囲に記載されている用語の意味を解釈するのに使用される。
【0018】
以下の定義は、本明細書において論じられ、特許請求の範囲に記載されている用語の意味を解釈するのに使用される。
【0019】
本明細書で使用される不定冠詞「a」は、1つ及び複数を示し、その指示名詞を必ずしも単数形に限定するものではない。
【0020】
本明細書で使用される「約」という用語は、問題となっている量、値又は限定が、指定された特定の値であってもよく又はその近傍の何らかのその他の値であってもよいことを意味する。一般に、ある値を示す「約」という用語は、その値の±5%以内の範囲を示すものとする。一例として、「約100」という文言は、100±5の範囲、即ち95〜105の範囲を示す。一般に、「約」という用語が使用されるとき、本発明による類似の結果又は効果を、示される値の±5%の範囲内で得ることができると予測することができる。しかし、「約」という用語で補足された特定の量、値又は限度は、本明細書では、まさにその量、値又は限度そのものも同様に、即ち「約」という補足がないものも同様に、開示することが意図される。
【0021】
本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、上記群の要素の全て又は1つのみが存在していてもよいことを意味する。例えば、「A及び/又はB」は、「Aのみ、又はBのみ、又はAとBの両方」を意味する。「Aのみ」の場合、この用語は、Bが存在しない可能性も包含し、即ち「Aのみであり、Bではない」。
【0022】
「少なくとも部分的に」という用語は、その後に続く特性が、ある程度まで又は完全に満たされることを示す。この用語は、後に続く特性が少なくとも50%以上満たされることを示すのが好ましい。
【0023】
「実質的に」及び「本質的に」という用語は、その後に続く特徴、特性又はパラメータが、完全に(全体的に)実現され若しくは満たされ、又は意図される結果に悪影響を及ぼさないかなりの程度まで実現され若しくは満たされるのを示すのに使用される。したがって、「実質的に」又は「本質的に」という用語は、少なくとも80%を意味することが好ましい。
【0024】
本明細書で使用される「含む」という用語は、非排他的であり制限のないことが意図される。したがって、例えば化合物Aを含むコーティング組成物は、A以外の化合物を含んでいてもよい。しかし「含む」という用語は、その特定の実施形態として、「〜から本質的になる」及び「〜からなる」という、より制限的な意味も包含し、したがって例えば「化合物Aを含むコーティング組成物」は、化合物Aから(本質的に)なるものであってもよい。
【0025】
「コーティング組成物」という用語は、光学効果層を固体基材上に形成することが可能であり、印刷法によって、排他的にではなく優先的に付着させることができる、任意の組成物を指す。コーティング組成物は少なくとも、本明細書に記載の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子と、結合剤とを含む。
【0026】
本明細書で使用される「光学効果層(OEL)」という用語は、磁気的に配向させた磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子と、結合剤とを含む層であって、磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の配向が、磁気的に誘導された画像が形成されるように結合剤中で固定されている層を示す。
【0027】
本明細書で使用される「光学効果コーティング付き基材(OEC:optical effect coated substrate)」という用語は、基材上にOELを設けることによって得られた産物を示すのに使用される。OECは、基材及びOELからなるものであってもよいが、その他の材料及び/又はOEL以外の層を含んでいてもよい。
【0028】
「セキュリティ要素」又は「セキュリティ機能」という用語は、認証目的で使用することができる画像又は図形要素を示すのに使用される。セキュリティ要素又はセキュリティ機能は、顕在セキュリティ要素及び/又は潜在セキュリティ要素であることができる。
【0029】
本明細書で使用される「部分的に同時に」という用語は、2つのステップが部分的に、同時に行われることを示し、即ちステップのそれぞれを行う時間が部分的に重なることを示す。
【0030】
図1及び2に示されるように、本発明は、光学効果層を製造するための印刷デバイスに関し、上記印刷デバイスは、硬化ユニット3に加え、流体結合剤中に分散させた磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を配向させるのに好適な配向手段2を有する配向デバイスを備え、上記配向手段が、磁場発生ベルト2、又は磁場発生要素を含む非磁性ベルト2のいずれかであり、上記ベルトが少なくとも2つのローラ6によって駆動される。
図1及び2に示されるように、本明細書に記載の印刷デバイスは、流体結合剤中に磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング組成物5を、基材4上に付着させるのに好適な、印刷ユニット1をさらに備えていてもよい。
【0031】
本明細書に記載のコーティング組成物は、本明細書に記載の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子と、本明細書に記載の流体結合剤とを含む。本明細書に記載のコーティング組成物は、スクリーン印刷、輪転グラビア印刷、フレキソ印刷、及び凹版印刷からなる群から選択される印刷方法によって、本明細書に記載の基材上に付着されることが好ましい。したがって本明細書に記載の印刷デバイスは、流体結合剤中に磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング組成物5を基材上に付着させるように配置された印刷ユニット1をさらに備えていてもよい。印刷ユニットは、スクリーン印刷ユニット、輪転グラビア印刷ユニット、フレキソ印刷ユニット、及び凹版印刷ユニットからなる群から選択されることが好ましい。
【0032】
そのように得られた、本明細書に記載のコーティング組成物を有する基材を、本明細書に記載の配向手段を有する配向デバイスの使用を通して磁場に供し、したがって磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子は、配向デバイスによって発生した磁場の磁力線に沿って並べられる。
【0033】
その後、磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の磁性配向と部分的に同時に又は同時に、磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の配向を固定し又は凍結する。
【0034】
本明細書に記載の印刷デバイスは、磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を配向させるための配向デバイスを備え、上記配向デバイスは、磁場発生ベルト2、又は磁場発生要素を含む非磁性ベルト2のいずれかである配向手段2を有し、上記ベルト2が、少なくとも2つのローラ6によって駆動される。言い換えれば、ベルトは少なくとも2つのローラの周りで曲げられる。本明細書に記載の磁場発生ベルト及び本明細書に記載の非磁性ベルトでは、比(ベルトを駆動させる2つの最も外側にあるローラの中心間の距離)/(最大半径を有するローラの半径)が、1よりも大きく、1.5よりも大きいことが好ましく、2.0以上であることがさらにより好ましい。
【0035】
可動ベルト2の外面は、表面接触が得られるよう実質的に均一であり、したがって、磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング組成物5を有する基材4の位置決めが可能である。ベルト2は、コーティング組成物5がベルト2に直接接触せず且つ磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子が配向するように所定の構成の磁場を生じることが可能であることを前提として、基材4に面していてもよく(
図1参照)又はコーティング組成物5に面していてもよい(
図2参照)。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、本明細書に記載の磁性ベルトは、連続ベルト、即ち柔軟な単一片のベルトである。本明細書に記載の磁性連続ベルトは、磁性の柔軟な材料で、即ちエラストマー又は熱可塑性ポリマー中で結合された強磁性材料の粒子で作製された材料で、作製されることが好ましい。好適な強磁性材料は、エネルギー積の最大値(BH)
maxが少なくとも20kJ/m
3であり、少なくとも50kJ/m
3であることが好ましく、少なくとも100kJ/m
3であることがより好ましく、少なくとも200kJ/m
3であることがさらに好ましい材料である。これらの材料は、アルニコ(Alnico)、例えばアルニコ5(R1−1−1)、アルニコ5DG(R1−1−2)、アルニコ5−7(R1−1−3)、アルニコ6(R1−1−4)、アルニコ8(R1−1−5)、アルニコ8HC(R1−1−7)、及びアルニコ9(R1−1−6)など;フェライト、例えばストロンチウムヘキサフェライト(SrFe
12O
19)、バリウムヘキサフェライト(BaFe
12O
19)、MFe
2O
4の硬質フェライト(例えば、コバルトフェライト(CoFe
2O
4)又はマグネタイト(Fe
3O
4)など)であって、Mが2価の金属イオンであるもの、セラミック5(SI−1−6)、セラミック7(SI−1−2)、セラミック8(SI−1−5)など;RECo
5(RE=Sm又はPr)、RE
2TM
17(RE=Sm、TM=Fe、Cu、Co、Zr、Hf)、RE
2TM
14B(RE=Nd、Pr、Dy、TM=Fe、Co)を含む群から選択される希土類磁石材料;Fe、Cr、Coの異方性合金;PtCo、MnAlC、REコバルト5/16、REコバルト14の群から選択される材料、からなる群から選択される。ストロンチウムヘキサフェライト、バリウムヘキサフェライト、SmCo
5、及びNd
2Fe
14B(NdFeBと略す。)が好ましい。
【0037】
好適なエラストマー又は熱可塑性ポリマーとしては、天然ゴム、合成ゴム、例えばSBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(ニトリル−ブタジエンゴム)、ネオプレン(クロロプレンゴム)、ポリ塩化ビニル(PVC)、PTFE(テフロン(Teflon)(登録商標))、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(ナイロン(Nylon)(登録商標))、コポリエーテルエステル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0038】
本明細書に記載の磁性連続ベルトは、追加の支持ベルトと組み合わせてもよく、上記支持ベルトは、連続(即ち、柔軟な支持ベルト)又は不連続(即ち、複数の小片を含むアセンブリ)のいずれかである。一実施形態において、支持ベルトは連続である。この場合、本明細書に開示される磁性ベルトは、下方の柔軟な非磁性支持ベルトと、上述の磁性材料で作製された上方ベルトとを備える、2部連続ベルトである。本明細書で使用される「下方」という用語は、ローラに接触している2部ベルトの部分、即ち、ローラからの機械力を伝達し且つ長期使用における摩耗及び引裂きに対して耐性のある部分を指し、それに対して「上方」という用語は、上述の強磁性材料の粒子を含む2部ベルトの部分を指す。
【0039】
連続支持ベルトは、当業者に公知のように、強力な機械力を伝達し且つ長期使用に耐えることが意図される、任意の種類のベルトであってもよい。支持ベルトは、柔軟な材料内で、縦方向(即ち、ベルトの長さに沿って)及び/又は横方向に(即ち、ベルトの幅に沿って横に)配置されたスレッド又はヤーンで強化された、柔軟な材料を含むことが好ましい。スレッド又はヤーンは、摩耗及び引裂きに対する2部連続ベルトの耐性を増大させ、且つその縦方向の安定性を強化することが意図される(即ち、ローラからの機械力の安定した伝達が可能になる。)。柔軟な材料は、上述のようなエラストマー及び熱可塑性ポリマーからなる群から選択される1種以上のポリマーを含む。好適なエラストマーとしては、例えば、天然ゴム、ネオプレン、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、シリコーンゴム、及びEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンモノマー)が挙げられる。好適な熱可塑性ポリマーとしては、例えば、ポリウレタン、ポリアミド(ナイロン(登録商標))、ポリ塩化ビニル(PVC)、及びPTFE(テフロン(登録商標))が挙げられる。任意選択で、柔軟な材料は、充填剤、界面活性剤、顔料、可塑剤、UV吸収剤、及び安定化剤などの添加剤をさらに含んでいてよい。強化スレッド又はヤーンは、綿、鋼、ガラス繊維、ポリエステル(マイラー(Mylar)(登録商標))、ポリアミド(ナイロン(登録商標))、アラミド(ケブラー(Kevlar)(登録商標))、及びレーヨン(再生したセルロース繊維)のような、当業者に公知の任意のスレッド形成可能な又は押出し可能な材料から作製される。本明細書に記載の本発明の範囲内で、アラミド(ケブラー(登録商標))、ガラス繊維、及びポリアミド(ナイロン(登録商標))が好ましい。
【0040】
支持ベルトは、横方向の位置合わせを改善し、且つ突然の完全なベルトの不具合の危険性を打ち消すことが意図される、複数の台形又はV字形要素を有することが好ましい。
【0041】
2部連続ベルトの上部は、連続単一片ベルトに関する上述のものと同じ材料で作製される。ベルトの2つの部分は、糊付け、リベット締め、ネジ留め、及び縫付けなどの当業者に公知の任意の手段によって、一緒に連結される。或いは、2部連続ベルトの上部が1種以上のエラストマー又は熱可塑性ポリマーを含む場合、この部分は、流体の形で支持ベルト上に直接コーティングされていてよく(好適な温度は、1種以上の熱可塑性ポリマーの融解温度よりも高いが、強磁性材料のキュリー温度よりも低い。)、続けて、1種以上の熱可塑性ポリマーの融解温度よりも低く冷却されてもよい。
【0042】
本発明の他の実施形態によれば、本明細書に記載の磁性ベルトは、不連続ベルト又はチェーン状の磁性ベルトであり、即ち、例えばチェーン要素などの複数の小片を含むアセンブリである。本明細書に記載の不連続ベルトは、複数のチェーン要素を有することが好ましく、上記チェーン要素としては、ポリアミド、ポリエステル、コポリエーテルエステル、高密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、及び液晶ポリマーが挙げられるがこれらに限定されない1種以上のエンジニアリングポリマー又はプラスチックで作製され、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)及びポリアセタール樹脂(ポリオキシメチレン、POMとも呼ぶ。)などの1種以上の低摩擦材料と、そこに分散された1種以上の磁性材料で作製されることが好ましく、上記1種以上の磁性材料は、高保磁力永久材料であることが好ましく、MFe
12O
19のヘキサフェライト(例えば、ストロンチウムヘキサフェライト(SrO
*6Fe
2O
3)又はバリウムヘキサフェライト(BaO
*6Fe
2O
3))、MFe
2O
4の硬質フェライト(例えば、コバルトフェライト(CoFe
2O
4)又はマグネタイト(Fe
3O
4)など)(Mは、2価の金属イオン、サマリウム−コバルト合金、希土類−鉄−ホウ素合金(RE
2Fe
14B、例えば、Nd
2Fe
14B)であり、REは、3価の希土類イオン又は3価の希土類イオンの混合物である。)、及びこれらの混合物からなる群から選択されることがより好ましい。本明細書に記載の不連続ベルトは、上述のチェーン要素と非磁性チェーン要素との組合せであってもよい。
【0043】
一実施形態において、ベルトは、ローラ間にそれぞれ延びている第1及び第2の真っ直ぐなセクションを含むループに形成されており、印刷デバイスは、ベルトによって発生した磁場が光学効果層を製造するために磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を配向させながら、基材が第1及び第2の真っ直ぐなセクションのうち少なくとも1つの上に配置されるように、配置されている。一実施形態では、ループは、細長く、細長いループの長手方向の端部に対向するローラによって定められた、第1及び第2の180°変向点を含み、第1及び第2の真っ直ぐなセクションは、対向する変向点の間に延びており、第1及び第2の真っ直ぐなセクションのうち1つは基材に隣接して配置されている。
【0044】
ローラ6は、ベルト2が辿るループ又は経路を定め且つベルト2を緊張状態に維持する働きをする。図示される実施形態では、ベルトは、真っ直ぐなセクションに沿って、ベルト2の経路の対向する長手方向の端部に配置されたローラ6を巡って対向する180°変向点の間に延びている経路を辿る。基材に隣接するベルト2の真っ直ぐなセクションは、十分にコントラストが付けられた光学効果層が製造されるように磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を完全に配向させるため、ベルト2によって発生した磁場とコーティング組成物5との間で十分な接触時間が確実になるように、設計上都合の良い方法で好適に寸法決めすることができる。
【0045】
或いは、本明細書に記載の印刷デバイスの配向手段は、1つ以上の磁場発生要素を有する非磁性ベルトであり、上記磁場発生要素は、非磁性ベルト内に
収容されており、上記磁場発生要素は、基材を位置決めするのに可動ベルトの外面が実質的に均一になるのを確実にするために、非磁性ベルトの外面に対してリセス部が設けられている。非磁性ベルトは、非磁性連続ベルト(即ち、柔軟な単一片ベルト)であってもよく、非磁性不連続ベルト(複数の小片を含むベルト)であってもよい。本明細書に記載の非磁性連続ベルトは、追加の支持ベルトと組み合わせてもよく、上記支持ベルトは、連続(即ち、柔軟な支持ベルト)又は不連続(即ち、複数の小片を含むアセンブリ)のいずれかであってよい。非磁性ベルトが非磁性連続ベルトである場合、上記ベルトは、上述のようなエラストマー及び熱可塑性ポリマーからなる群から選択される1種以上の材料で作製されることが好ましい。非磁性連続ベルトは、支持ベルトに関する上述のようなスレッド又はヤーンでさらに強化されることが好ましい。非磁性連続ベルトは、複数の台形又はV字形要素を有することが好ましい。また、非磁性連続ベルトは、タイミングベルト(又は歯付き若しくは同期ベルト)であることも好ましく、それはローラの運動の非常に精密な伝達を可能にする。この場合、ローラは、コンピュータ又は任意のその他のモータ制御ユニットを介して制御されるステッピングモータで駆動され、少なくとも1つのローラの少なくとも1つの周縁は、モータ制御ユニットにより帰還ループで作用する検出器のアレイを備えている。或いは、ローラは、基材フィーダに接続された歯付きベルト又は歯車によって駆動されてもよい。非磁性ベルト内に
収容された磁場発生要素を有する全ての実施形態において、ローラ及びベルトは、磁場発生要素と、磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング組成物を保持する基材の部分との間に、完全な位置合わせを発生させるような手法で構成される。
【0046】
非磁性ベルトが、非磁性不連続ベルト又は複数の小片を含むチェーン状ベルトである場合、上記小片は、i)ポリアリールエーテルケトン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、コポリエーテルエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)コポリマー、フッ素化及び過フッ素化ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、及び液晶ポリマー、より好ましくはPOM(ポリオキシメチレン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ナイロン(登録商標)(ポリアミド)、及びPPSなどの低摩擦材料を含むがこれらに限定されない1種以上のエンジニアリングポリマー又はプラスチック、又はii)アルミニウム、ステンレス鋼、及びチタンからなる群から選択される1種以上の非磁性金属で作製されることが好ましい。
【0047】
磁場発生要素は、磁石からなる。光学効果層に関して選択されたデザインに応じて、磁石は、永久磁石、非永久磁石、又はこれらの組合せであってもよく、永久磁石が好ましい。永久磁石の典型的な例としては、アルニコ、例えばアルニコ5(R1−1−1)、アルニコ5DG(R1−1−2)、アルニコ5−7(R1−1−3)、アルニコ6(R1−1−4)、アルニコ8(R1−1−5)、アルニコ8HC(R1−1−7)、及びアルニコ9(R1−1−6)など;フェライト、例えばストロンチウムヘキサフェライト(SrFe
12O
19)、バリウムヘキサフェライト、セラミック5(SI−1−6)、セラミック7(SI−1−2)、セラミック8(SI−1−5)など;RECo
5(RE=Sm又はPr)、RE
2TM
17(RE=Sm、TM=Fe、Cu、Co、Zr、Hf)、RE
2TM
14B(RE=Nd、Pr、Dy、TM=Fe、Co)を含む群から選択される希土類磁石材料;Fe、Cr、Coの異方性合金;PtCo、MnAlC、REコバルト5/16、REコバルト14の群から選択される材料、からなる群から選択される、焼結された又はポリマー結合された磁性材料で作製された磁石が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
配向手段は、所望の光学効果層で動的な3次元の幻影的及び/又は運動学的画像を製造するように構成される。装飾及びセキュリティの適用例に向けた広く様々な光学効果は、例えば米国特許第6759097号明細書、欧州特許出願公開第2165774号明細書、及び欧州特許第1878773号明細書に開示された様々な方法によってもたらすことができる。フリップフロップ効果として公知の光学効果(当技術分野では、スイッチング効果とも呼ぶ。)をもたらすこともできる。フリップフロップ効果は、遷移によって離間させた第1の印刷部分と第2の印刷部分とを含み、顔料粒子は第1の部分で第1の平面に平行に配列しており、第2の部分の顔料粒子は第2の平面に平行に配列している。フリップフロップ効果をもたらすための方法は、例えば欧州特許第1819525号明細書及び欧州第1819525号明細書に開示されている。ローリングバー効果として公知の光学効果をもたらすこともできる。ローリングバー効果は、視野角に対して画像が傾斜しているときに動いている(「転動している」)ように見える1つ以上の対比バンドを示し、上記光学効果は磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の特定の配向に基づき、上記顔料粒子は、凸状曲面(当技術分野では負に湾曲した配向とも呼ぶ。)又は凹状曲面(当技術分野では、正に湾曲した配向とも呼ぶ。)のいずれかに従って、湾曲状態に並べられている。ローリングバー効果をもたらすための方法は、例えば、欧州特許出願公開第2263806号明細書、欧州特許第1674282号明細書、欧州特許出願公開第2263807号明細書、国際公開第2004/007095号、及び国際公開第2012/104098号に開示されている。ベネチアンブラインド効果として公知の光学効果をもたらすこともできる。ベネチアンブラインド効果は、観察する特定の方向に沿って、下に在る基材表面に可視性を与えることにより、その基材表面の上又は内部に存在する標示又はその他のフィーチャが観察者に明らかになるように、またその一方で、観察の別の方向に沿って可視性が妨げられるように、配向している顔料粒子を含む。ベネチアンブラインド効果をもたらすための方法は、例えば米国特許第8025952号明細書及び欧州特許第1819525号明細書に開示されている。移動リング効果として公知の光学効果をもたらすこともできる。移動リング効果は、上記光学効果層の傾斜角に応じて任意のx−y方向に移動するように見える、漏斗、コーン、ボウル、円、長円、及び半球などの物体の、光学的に幻影な画像からなる。移動リング効果をもたらすための方法は、例えば欧州特許出願公開第1710756号明細書、米国特許第8343615号明細書、欧州特許出願公開第2306222号明細書、欧州特許出願公開第225677号明細書、国際公開第2011/092502号、及び米国特許出願公開第2013/084411号明細書に開示されている。
【0049】
粒子の配向を固定するために、磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の配向と部分的に同時に、同時に、又は続けて、コーティング組成物を硬化させる(即ち、固体又は固体様状態にする。)。「部分的に同時に」とは、両方のステップが、部分的に同時に行われることを意味し、即ち、ステップのそれぞれを行う時間が部分的に重なることを意味する。その結果、本明細書に記載の印刷デバイスは、基材が配向手段に接触した状態で又はその他の方法で配向手段上に配置されている間に基材上のコーティング組成物を硬化するように配置された硬化ユニット3を備えていてもよく(部分的に同時に又は同時に行われる磁性配向及び硬化)、又は基材が配向手段にもはや接触しない状態で、基材上のコーティング組成物を硬化するように配置された硬化ユニットを備えていてもよい(磁性配向の後に硬化する。)。
【0050】
硬化は、基材に接着する実質的に固体の材料が形成されるように、コーティング組成物の粘度の増大からなるステップからなる。硬化は、溶媒などの揮発性成分の蒸発、及び/又は水の蒸発に基づく物理的プロセス(即ち、物理的又は熱的乾燥)を含んでいてもよい。この場合、高温空気、赤外線、又は高温空気と赤外線との組合せを使用してもよい。或いは硬化は、コーティング組成物に含まれる結合剤及び任意選択の開始剤化合物及び/又は任意選択の架橋化合物の、キュア、重合又は架橋などの化学反応を含んでいてもよい。そのような化学反応は、物理的硬化プロセスに関して上記にて概説されたような熱又はIR照射によって開始されてもよいが、紫外−可視光放射線キュア(以後、UV−Visキュアと呼ぶ。)及び電子ビーム放射線キュア(Eビームキュア)を含むがこれらに限定されない放射線メカニズム;オキシ重合(典型的には、酸素と、コバルト含有触媒、バナジウム含有触媒、ジルコニウム含有触媒、ビスマス含有触媒、及びマンガン含有触媒からなる群から選択されることが好ましい1種以上の触媒との接合動作によって誘導される、酸化的細網化);架橋反応、又はこれらの任意の組合せによる化学反応の開始を含むことが好ましい。そのようなキュアは、(i)コーティング組成物を基材に付着させた後、及び(ii)磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の配向に続けて又はそのような配向と同時に、コーティング組成物に外部刺激を適用することによって、一般に誘導される。したがってコーティング組成物は、放射線キュア可能な組成物、熱的乾燥組成物、酸化的乾燥組成物、及びこれらの組合せからなる群から選択される、インク又はコーティング組成物であることが好ましい。放射線キュア、特にUV−Visキュアは、非常に速いキュアプロセスをもたらすことが有利であり、したがって、キュア放射線に曝露した後のコーティング組成物の粘度の瞬間的な増大に起因して、本明細書に記載のOELを含む任意の物品の調製時間が徹底的に短縮され、したがって、顔料粒子のあらゆるさらなる運動が完全に防止され、その結果、磁性配向ステップ後の情報のいかなる損失も防止される。
【0051】
硬化ユニットは、1つ以上の放射線源及び/又は1つ以上の加熱器(例えば、高温空気加熱器、赤外線加熱器、又は高温空気及び赤外線の組合せを含む加熱器など)を有することが好ましい。硬化ユニットは、磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング組成物を完全にキュアするのに、或いは、基材が磁場から除去される最中及び/又は後に磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子がそれらの配向を完全に又は部分的に失わないような程度の粘度までコーティング組成物を部分的にキュアするのに使用されてもよい。コーティング組成物の部分的なキュアのみの場合、キュアは、コーティング組成物の追加の熱処理及び/又は光化学処理を行うことによって、基材が磁場から除去された後に終了する。
【0052】
本明細書に記載の1つ以上の放射線源は、UVランプであることが好ましい。1つ以上のUVランプは、発光ダイオード(LED)UVランプ、アーク放電ランプ(中圧水銀アーク(MPMA)又は金属−蒸気アークランプなど)、水銀灯、及びこれらの組合せからなる群から選択されることが好ましい。1つ以上の水銀灯は、UVスペクトル波長に該当する放射線をコーティング付き基材に方向付けるように且つIRスペクトル波長に該当する放射線をコーティング付き基材から離して方向付けるように構成された、少なくとも1つの2色性反射器を備えていてもよい。或いは、1つ以上の水銀灯は、照射エネルギーをコーティング付き基材に方向付ける導波路を備えたUVランプとして実装されてもよい。点源、線源、及びアレイ(「ランプカーテン」)は、硬化ユニットの好適な放射線源である。その例は、カーボンアーク灯、キセノンアーク灯、中圧、超高圧、高圧、及び低圧水銀灯であって、おそらくは金属ハロゲン化物がドープされているもの(金属ハロゲン灯)、マイクロ波励起金属蒸気灯、エキシマ灯、高次化学線蛍光管、蛍光灯、アルゴン白熱灯、電子閃光、写真用投光灯、及びレーザである。
【0053】
本発明の一実施形態によれば、本明細書に記載の印刷デバイスは、配向手段にもはや接触しない状態で、基材上のコーティング組成物を硬化するように配置された硬化ユニット3を備える(磁性配向の後に硬化)。
【0054】
本発明の他の実施形態によれば、本明細書に記載の印刷デバイスは、基材が配向手段に接触している間、又は基材が配向手段上に配置されている間に基材上のコーティング組成物を硬化するように配置された硬化ユニット3を備え(部分的に同時又は同時の磁場配向及び硬化)、この配向手段がオーブン様構造内に配置されている。そのような一実施形態は、例えば溶媒ベースの低粘度コーティング組成物及び水ベースの低粘度組成物など、長い硬化時間を必要とする組成物をベースにしたOELを製造するのに使用されることが有利と考えられるが、それは硬化が実現するまで顔料粒子の磁性配向が確実に保存されるように、磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング組成物の、硬化ユニットによる長い曝露時間が可能になるからである。そのような一実施形態は、例えば凹版コーティング組成物、ポリマー熱可塑性ベースの組成物、又は熱硬化性ベースの組成物など、高粘度コーティング組成物をベースにしたOELを製造するのに使用されることが有利と考えられるが、それは磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の配向中に、上記コーティング組成物の粘度の一時的な低減が可能になるからである。
【0055】
当業者に周知のように、本明細書に記載のコーティング組成物に含まれる結合剤の選択は、印刷プロセスだけではなく硬化メカニズムにも依存する。
【0056】
一実施形態によれば、本明細書に記載のコーティング組成物は、放射線キュア可能なコーティング組成物である。放射線キュア可能なコーティング組成物は、UV−可視光放射線(以後、UV−Visキュア可能と呼ぶ。)によって又はEビーム放射線(以後、EBと呼ぶ。)によって硬化されてもよい組成物を含む。放射線キュア可能な組成物は、当技術分野で公知であり、シリーズ「Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings,Inks & Paints」、第IV巻、Formulation、C.Lowe、G.Webster、S.Kessel、及びI.McDonald、1996年、John Wiley & Sons、SITA Technology Limitedとの共著などの標準的な教本に見出すことができる。本発明の1つの特に好ましい実施形態によれば、本明細書に記載のコーティング組成物は、UV−Visキュア可能なコーティング組成物である。UV−Visキュアは、非常に速いキュアプロセスが可能であることが有利であり、したがって本明細書に記載のOEL、本明細書に記載のOEC、及び上記OELを含む物品及び文書の調製時間が徹底的に短縮される。UV−Visキュア可能なコーティング組成物は、ラジカルによりキュア可能な化合物、カチオンによりキュア可能な化合物、及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の化合物を含むことが好ましい。
【0057】
一実施形態によれば、本明細書に記載のコーティング組成物は、溶媒ベースのコーティング組成物である。溶媒ベースのコーティング組成物は、溶媒などの揮発性成分の蒸発及び/又は水の蒸発によって硬化されてもよい組成物を含む。本明細書では、高温空気、赤外線、又は高温空気と赤外線との組合せを使用してもよい。
【0058】
或いは、ポリマー熱可塑性結合剤材料又は熱硬化性物質を用いてもよい。熱硬化性物質とは異なって、熱可塑性樹脂は、性質がいかなる重要な変化も受けることなく、加熱し冷却することによって繰り返し融解し凝固させることができる。熱可塑性樹脂又はポリマーの典型的な例としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリオレフィン、スチレンポリマー、ポリカーボネート、ポリアリーレート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンをベースにした樹脂(例えば、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド)、ポリスルホン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
本明細書に記載のコーティング組成物は、磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を含み、非球状磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を含むことが好ましい。
【0060】
本明細書に記載の非球状磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子は、それらの非球状の形状に起因して、硬化した結合剤材料を少なくとも部分的に透過する入射電磁放射線に対して非等方的反射能を有するように定義される。本明細書で使用される「非等方的反射能」という用語は、ある(視野)方向(第2の角度)に粒子によって反射される、第1の角度からの入射放射線の割合が、粒子の配向の関数であることを示し、即ち第1の角度に対する粒子の配向の変化が、視野方向への反射の異なる大きさをもたらすことができることを示す。非球状磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子は、扁長若しくは扁円の長円形状、小板形状、若しくは針形状の粒子、又はこれらの2種以上の混合物であることが好ましく、小板形状粒子であることがより好ましい。
【0061】
本明細書に記載の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子、特に非球状磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の好適な例としては、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ガドリニウム(Gd)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択される磁性金属;鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、若しくはこれらの2種以上の混合物の磁性合金;クロム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル、若しくはこれらの2種以上の混合物の磁性酸化物;又はこれらの2種以上の混合物を含む、顔料粒子が挙げられるが、これらに限定されない。金属、合金、及び酸化物に言及するときの「磁性」という用語は、強磁性又はフェリ磁性金属、合金、及び酸化物を対象とする。クロム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル、又はこれらの2種以上の混合物の磁性酸化物は、純粋な又は混合された酸化物であってもよい。磁性酸化物の例としては、赤鉄鉱(Fe
2O
3)、磁鉄鉱(Fe
3O
4)、二酸化クロム(CrO
2)、磁性フェライト(MFe
2O
4)、磁性スピネル(MR
2O
4)、磁性ヘキサフェライト(MFe
12O
19)、磁性オルソフェライト(RFeO
3)、磁性ガーネットM
3R
2(AO
4)
3などの酸化鉄であって、Mが2価の金属を表し、Rが3価の金属を表し、Aが4価の金属を表すものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
本明細書に記載の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子、特に非球状磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の例としては、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ガドリニウム(Gd)、又はニッケル(Ni)などの磁性金属;及び鉄、コバルト、又はニッケルの磁性合金の、1種以上から作製された磁性層Mを含む顔料粒子であって、1つ以上の追加の層を含む多層化構造であってもよい上記磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子が挙げられるが、これらに限定されない。1つ以上の追加の層は、好ましくはフッ化マグネシウム(MgF
2)などの金属フッ化物、酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO
2)、酸化チタン(TiO
2)、及び酸化アルミニウム(Al
2O
3)からなる群から選択される1種以上から独立して作製される、より好ましくは二酸化ケイ素(SiO
2)である層Aであり;或いは、金属及び金属合金からなる群から選択される1種以上から独立して作製される、好ましくは反射性金属及び反射性金属合金からなる群から選択される1種以上から独立して作製される、より好ましくはアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択される1種以上から独立して作製される、より一層好ましくはアルミニウム(Al)である、層Bであり;或いは、上述のような1つ以上の層Aと、上述のような1つ以上の層Bとの組合せである。上述の多層化構造である磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の典型的な例としては、A/M多層構造、A/M/A多層構造、A/M/B多層構造、A/B/M/A多層構造、A/B/M/B多層構造、A/B/M/B/A/多層構造、B/M多層構造、B/M/B多層構造、B/A/M/A多層構造、B/A/M/B多層構造、B/A/M/B/A/多層構造であって、層A、磁性層M、及び層Bが上述のものから選択される構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
本明細書に記載のコーティング組成物は、光学的に可変の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子、特に非球状の光学的に可変の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子、及び/又は非球状の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子、特に非球状の、光学的に可変の性質を持たない粒子を含んでいてもよい。本明細書に記載の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部は、光学的に可変の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子、特に非球状の光学的に可変の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子によって構成されることが好ましい。本明細書に記載の光学的に可変の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を含むインク、コーティング組成物、コーティング又は層を保持する物品又はセキュリティ文書を、それらの可能性ある偽造物から、助けを借りない人間の感覚を使用して容易に検出、認識、及び/又は区別することを可能にする、光学的に可変の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子のカラーシフト特性によって提供される顕在セキュリティに加え、光学的に可変の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の光学特性を、OELの認識のために機械可読性ツールとして使用してもよい。したがって、光学的に可変の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の光学特性を、顔料粒子の光学(例えば、スペクトル)特性が分析される認証プロセスで、潜在又は半潜在セキュリティ機能として同時に使用してもよい。
【0064】
OELを製造するための、コーティング組成物における非球状の光学的に可変の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の使用は、そのような材料(即ち、非球状の光学的に可変の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子)がセキュリティ文書印刷産業のために保存され且つ公には市販されていないので、セキュリティ文書の適用例におけるセキュリティ機能としてのOELの有意性を高めている。
【0065】
上述のように、磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部は、光学的に可変の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子、特に非球状の光学的に可変の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子によって構成されることが好ましい。これらの粒子は、磁性薄膜干渉顔料粒子、磁性コレステリック液晶顔料粒子、磁性材料を含む干渉コーティング付き顔料粒子、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から選択できることがより好ましい。本明細書に記載の、磁性薄膜干渉顔料粒子、磁性コレステリック液晶顔料粒子、及び磁性材料を含む干渉コーティング付き顔料粒子は、扁長又は扁円の長円形状、小板形状、又は針形状の粒子、又はこれらの2種以上の混合物であることが好ましく、小板形状粒子であることがより好ましい。
【0066】
磁性薄膜干渉顔料粒子は、当業者に公知であり、例えば米国特許第4838648号明細書:国際公開第2002/073250号;欧州特許第0686675号明細書;国際公開第2003/000801号;米国特許第6838166号明細書;国際公開第2007/131833号;欧州特許出願公開第2402401号明細書、及びそれらの中に引用された文献に開示されている。磁性薄膜干渉顔料粒子は、5層ファブリーペロー(Fabry−Perot)多層構造を有する顔料粒子、及び/又は6層ファブリーペロー多層構造を有する顔料粒子、及び/又は7層ファブリーペロー多層構造を有する顔料粒子を含むことが好ましい。
【0067】
好ましい5層ファブリーペロー多層構造は、吸収材/誘電体/反射材/誘電体/吸収材の多層構造からなり、反射材及び/又は吸収材も磁性層であり、反射材及び/又は吸収材は、ニッケル、鉄、及び/又はコバルトを含む磁性層、及び/又は、ニッケル、鉄、及び/又はコバルトを含む磁性合金、及び/又は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/又はコバルト(Co)を含む磁性酸化物であることが好ましい。
【0068】
好ましい6層ファブリーペロー多層構造は、吸収材/誘電体/反射材/磁性体/誘電体/吸収材の多層構造からなる。
【0069】
好ましい7層ファブリーペロー多層構造は、米国特許第4838648号明細書に開示されるように、吸収材/誘電体/反射材/磁性体/反射材/誘電体/吸収材の多層構造からなる。
【0070】
好ましくは、本明細書に記載の反射材層は、金属及び金属合金からなる群から選択される1種以上から独立して作製され、好ましくは反射性金属及び反射性金属合金からなる群から選択される1種以上から独立して作製され、より好ましくはアルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及びこれらの合金からなる群から選択される1種以上から独立して作製され、より一層好ましくはアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及びこれらの合金からなる群から選択される1種以上から独立して作製され、より一層好ましくはアルミニウム(Al)であることが好ましい。好ましくは、誘電体層は、フッ化マグネシウム(MgF
2)、フッ化アルミニウム(AlF
3)、フッ化セリウム(CeF
3)、フッ化ランタン(LaF
3)、フッ化アルミニウムナトリウム(例えば、Na
3AlF
6)、フッ化ネオジム(NdF
3)、フッ化サマリウム(SmF
3)、フッ化バリウム(BaF
2)、フッ化カルシウム(CaF
2)、フッ化リチウム(LiF)などの金属フッ化物と、酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO
2)、酸化チタン(TiO
2)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)などの金属酸化物とからなる群から選択される1種以上から独立して作製され、より好ましくはフッ化マグネシウム(MgF
2)及びに酸化ケイ素(SiO
2)からなる群から選択される1種以上から独立して作製され、より一層好ましくはフッ化マグネシウム(MgF
2)であることが好ましい。好ましくは、吸収材層は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、スズ(Sn)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、これらの金属酸化物、これらの金属硫化物、これらの金属炭化物、及びこれらの金属合金からなる群から選択される1種以上から独立して作製され、より好ましくはクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、これらの金属酸化物、及びこれらの金属合金からなる群から選択される1種以上から独立して作製され、より一層好ましくはクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及びこれらの金属合金からなる群から選択される1種以上から独立して作製される。磁性層は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/又はコバルト(Co);及び/又は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/又はコバルト(Co)を含む磁性合金;及び/又は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/又はコバルト(Co)を含む磁性酸化物を含むことが好ましい。7層ファブリーペロー構造を含む磁性薄膜干渉顔料粒子が好ましい場合、磁性薄膜干渉顔料粒子は、Cr/MgF
2/Al/Ni/Al/MgF
2/Cr多層構造からなる7層ファブリーペロー吸収材/誘電体/反射材/磁性体/反射材/誘電体/吸収材多層構造を含むことが特に好ましい。
【0071】
本明細書に記載の磁性薄膜干渉顔料粒子は、人間の健康及び環境に安全と考えられ、且つ例えば5層ファブリーペロー多層構造、6層ファブリーペロー多層構造、及び7層ファブリーペロー多層構造をベースにする、多層顔料粒子であってもよく、上記顔料粒子は、約40重量%〜約90重量%の鉄、約10重量%〜約50重量%のクロム、及び約0重量%〜約30重量%のアルミニウムを含んで実質的にニッケルを含まない組成物を有する磁性合金を含む、1つ以上の磁性層を含んでいる。人間の健康及び環境に安全と考えられる多層顔料粒子の典型的な例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる欧州特許出願公開第2402401号明細書に見出すことができる。
【0072】
本明細書に記載の磁性薄膜干渉顔料粒子は、ウェブ上への種々の必要とされる層の、従来の堆積技法によって、典型的には製造される。例えば物理気相成長(PVD)、化学気相成長(CVD)、又は電解析出による、所望の数の層の堆積後、剥離層を好適な溶媒に溶解することによって又は材料をウェブから剥がすことによって、層の積層体をウェブから取り外す。次いでそのように得られた材料を破壊して薄片にし、これらの薄片を、研削、ミリング(例えば、ジェットミリングプロセスなど)、又は必要とされるサイズの顔料粒子が得られるような任意の好適な方法によって、さらに加工しなければならない。得られた産物は、破断された縁部、不規則な形状、及び種々のアスペクト比を持つ平らな薄片からなる。好適な磁性薄膜干渉顔料粒子の調製に関するさらなる情報は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる欧州特許出願公開第1710756号明細書及び欧州特許出願公開第1666546号明細書に見出すことができる。
【0073】
光学的に可変の特性を示す、好適な磁性コレステリック液晶顔料粒子としては、磁性単層化コレステリック液晶顔料粒子及び磁性多層化コレステリック液晶顔料粒子が挙げられるが、これらに限定されない。そのような顔料粒子は、例えば国際公開第2006/063926号、米国特許第6582781号明細書、及び米国特許第6531221号明細書に開示されている。国際公開第2006/063926号は、磁化可能性などの追加の特定の特性と共に高輝度及びカラーシフト特性を有する、単層及びこの単層から得られた顔料粒子を開示している。開示された単層、及び、上記単層を粉砕することによって得られた顔料粒子は、3次元架橋コレステリック液晶混合物及び磁性ナノ粒子を含む。米国特許第6582781号明細書及び米国特許第6410130号明細書は、配列A
1/B/A
2を含む小板形状のコレステリック多層顔料粒子を開示しており、A
1及びA
2は、同じであっても異なっていてもよく、それぞれが少なくとも1つのコレステリック層を含み、Bは、層A
1及びA
2を透過した光の全て又は一部を吸収し且つ磁気特性を与える中間層である。米国特許第6531221号明細書は、配列A/B及び任意選択でCを含む小板形状のコレステリック多層顔料粒子を開示しており、A及びCは、磁気特性を与える顔料粒子を含む吸収層であり、Bはコレステリック層である。
【0074】
1種以上の磁性材料を含む好適な干渉コーティング付き顔料には、1つ以上の層でコーティングされたコアから成る群から選択される基材からなる構造が含まれるがこれらに限定されず、これらのコア又は1つ以上の層の少なくとも1つは、磁気特性を有する。例えば、好適な干渉コーティング付き顔料は、上述のような磁性材料で作製されたコアであって、1種以上の金属酸化物で作製された1つ以上の層でコーティングされたコアを有し、或いは、合成又は天然の雲母、層状化ケイ酸塩(例えば、タルク、カオリン、及び絹雲母)、ガラス(例えば、ホウケイ酸塩)、二酸化ケイ素(SiO
2)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化チタン(TiO
2)、黒鉛、及びこれらの2種以上の混合物で作製されたコアからなる構造を有する。さらに、着色層などの1つ以上の追加の層が存在していてもよい。
【0075】
本明細書に記載の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子は、これらの粒子の、コーティング組成物に生じ得る任意の劣化からの保護、及び/又は、これらの粒子の、上記コーティング組成物への組込みの促進がなされるように、表面処理されていてもよく;典型的には腐食防止剤の材料及び/又は湿潤剤を使用してもよい。
【0076】
本明細書に記載のコーティング組成物は、結合剤材料に分散された、本明細書に記載の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を含むことが好ましい。磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子は、約1重量%〜約40重量%の量で存在することが好ましく、約4重量%〜約30重量%がより好ましく、この重量パーセントは、結合剤材料、磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子、及びコーティング組成物のその他の任意選択の成分を含むコーティング組成物の、全重量に対するものである。
【0077】
本発明は、本明細書に記載の基材上に本明細書に記載の光学効果層を製造するための方法であって、a)好ましくは本明細書に記載の印刷ユニットにより、第1の状態にある本明細書に記載のコーティング組成物を、本明細書に記載の基材上に付着させるステップと;b)第1の状態にあるコーティング組成物を、本明細書に記載の配向手段の磁場に曝露し、それによって磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を配向させるステップと;c)本明細書に記載の硬化ユニットにより、コーティング組成物を第2の状態に硬化して、磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子がそれらの採用された位置及び配向に固定されるようにするステップとを備える方法をさらに提供する。
【0078】
付着させるステップa)は、スクリーン印刷、輪転グラビア印刷、フレキソ印刷、及び凹版印刷からなる群から選択される印刷プロセスによって実施されることが好ましい。
【0079】
スクリーン印刷(当技術分野では、シルクスクリーン印刷とも呼ばれる。)はステンシルプロセスであり、絹、又は例えばポリアミド若しくはポリエステルなどの合成繊維で作製されたモノ若しくはマルチフィラメント、又は金属糸であって、例えば木材若しくは金属(例えば、アルミニウム又はステンレス鋼)で作製された枠上で緊張状態に延伸された、シルクの微細な布地メッシュによって支持されたステンシルを通して、インクが表面に転写される。或いは、スクリーン印刷メッシュは、化学的にエッチングされ、レーザーエッチングされ、又は直流電気により形成された多孔質金属箔であってもよく、例えばステンレス鋼箔であってもよい。メッシュの細孔は、非画像領域で塞がれ、画像領域では開放されたままであり、画像キャリアがスクリーンと呼ばれる。スクリーン印刷は、平台式であっても回転式であってもよい。スクリーン印刷は、例えばThe Printing ink manual、R.H.Leach及びR.J.Pierce、Springer Edition、第5版、58〜62頁、及びPrinting Technology、J.M.Adams及びP.A.Dolin、Delmar Thomson Learning、第5版、293〜328頁に、さらに記載されている。
【0080】
輪転グラビア(当技術分野では、グラビアとも呼ばれる。)は、画像要素がシリンダの表面に刻まれる印刷プロセスである。非画像領域は、一定の当初のレベルにある。印刷前に、印刷版全体(非印刷及び印刷要素)にインクを付け、インクで満たす。インクを、印刷前にワイパ又はブレードにより非画像から除去し、したがってインクはセル内にのみ残される。画像を、通常2〜4バールの範囲の圧力、及び基材とインクとの間の接着力によって、セルから基材に転写する。輪転グラビアという用語は、例えば異なるタイプのインクに依拠する凹版印刷プロセス(当技術分野では、彫刻鋼製ダイ又は銅版印刷プロセスとも呼ばれる。)を包含しない。さらなる詳細は、「Handbook of print media」、Helmut Kipphan, Springer Edition、48頁と、The Printing ink manual、R.H.Leach及びR.J.Pierce、Springer Edition、第5版、42〜51頁とに提示されている。
【0081】
フレキソ印刷は、ドクターブレード、好ましくはチャンバ付きドクターブレード、アニロックスローラ、及び版胴を備えたユニットを使用することが好ましい。アニロックスローラは、その体積及び/又は密度がインク付着速度を決定する小さいセルを、有することが有利である。ドクターブレードは、アニロックスローラに当てた状態で配置され、同時に過剰なインクを擦り落とす。アニロックスローラは、インクを版胴に転写し、この版胴が最終的にインクを基材に転写する。特定のデザインは、デザイン付きフォトポリマー版を使用して実現されてもよい。版胴は、ポリマー又はエラストマー材料から作製することができる。ポリマーは、版状のフォトポリマーとして、時にはスリーブ上のシームレスコーティングとして、主に使用される。フォトポリマー版は、紫外(UV)光によって硬化される感光性ポリマーから作製される。フォトポリマー版は、必要とされるサイズに切断され、UV露光ユニット内に配置される。版の片面はUV光に完全に露光されて、版の基部を硬化し又はキュアする。次いで版を裏返し、ジョブの陰画を、キュアされていない面に載置し、版をさらにUV光で露光する。これにより、画像領域の版を硬化する。次いで版を加工して、未硬化のフォトポリマーを非画像領域から除去し、これらの非画像領域で版面を低下させる。加工後、版を乾燥し、UV光の後露光線量を与えて版全体をキュアする。フレキソ印刷用の版胴の作製は、Printing Technology、J.M.Adams及びP.A.Dolin、Delmar Thomson Learning、第5版、359〜360頁と、The Printing ink manual、R.H.Leach及びR.J.Pierce、Springer Edition、第5版、33〜42頁とに記載されている。
【0082】
凹版印刷は、当技術分野では、彫刻銅版印刷及び彫刻鋼製ダイ印刷と呼ばれる。凹版印刷プロセス中、印刷されることになるパターン又は画像が彫刻された版を保持する彫刻鋼製シリンダに、インク付けシリンダ(複数可)(又はシャブロンシリンダ)のインクを供給し、各インク付けシリンダは、セキュリティ機能が形成されるように少なくとも1つの対応する色でインク付けされている。インク付けの後、凹版印刷版の表面の過剰なインクを全て、回転拭取りシリンダによって又は紙による拭取り若しくはティシュによる拭取り(「キャラコ」)によって、拭き取る。印刷シリンダの彫刻内に残されたインクを、圧力下で、印刷がなされる基材上に転写し、その間に、拭取りシリンダは拭取り溶液によって清浄化される。拭取りステップに続き、インク付された凹版を基材と接触させ、インクを圧力下で、凹版印刷版の彫刻から、印刷がなされることになる基材上に転写し、基材上に厚い印刷パターンを形成する。凹版印刷プロセスの際立った特徴の1つは、凹版印刷版の、相応に浅い又はそれぞれ深いリセス部を使用することによって、基材に転写されたインクの膜厚を数マイクロメートルから数十マイクロメートルに変化させることができることである。凹版インク層の厚さから得られた凹版レリーフは、基材のエンボス加工によって強調され、上記エンボス加工は、インク転写中の圧力によって製造されるものである。凹版印刷から得られた触覚性は、紙幣に、それらの典型的及び認識可能な触感を与える。液体インクを必要とするスクリーン印刷、輪転グラビア印刷、及びフレキソ印刷に比べ、凹版印刷は、油じみたペースト状(高粘度)のインクであって、その粘度が40℃及び1000s
−1で5〜40Pa・sのインクを利用する。凹版印刷は、例えばThe Printing ink manual、R.H.Leach及びR.J.Pierce、Springer Edition、第5版、第74頁、及びOptical Document Security、R.L.van Renesse、2005年、第3版、第115〜117頁にさらに記載されている。
【0083】
本明細書に記載のコーティング組成物に含まれる磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子は、これらの粒子を所望の配向パターンに従い配向させるために、本明細書に記載の配向手段を有する配向デバイスの使用によって配向させる。それによって、永久磁石顔料粒子は、その磁気軸が、顔料粒子の場所で外部磁場の磁力線の方向と位置合わせされるように配向する。固有の永久磁場がない磁化可能顔料粒子は、その最も長い寸法の方向が、顔料粒子の場所で磁場の磁力線と位置合わせされるように、外部磁場によって配向する。上記内容は、顔料粒子が、磁性顔料粒子又は磁化可能特性を有する層を含む層構造を有するべきである事象に、同様に当て嵌まる。この場合、磁性層の最長軸又は磁化可能な層の最長軸は、磁場の方向に位置合わせされる。
【0084】
本明細書に記載の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング組成物は、まだ硬化された状態にはないが、即ちこの組成物は、その中の磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を移動させ回転させることができるように、依然として十分に湿潤又は軟質状態にあるが(即ち、コーティング組成物は第1の状態にあるが)、コーティング組成物は、磁場に供されて粒子の配向を実現する。磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を磁気的に配向させるステップは、付着されたコーティング組成物を、「湿潤」状態のままで(即ち、依然として液体でありそれほど粘性が高くない、即ち、第1の状態で)、本明細書に記載の配向デバイスにより発生させた、決定された磁場に曝露し、それによって磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子を磁場の磁力線に沿って配向させて、配向パターンが形成されるようにするステップを備える。
【0085】
本明細書に記載のOELを製造するための方法は、コーティング組成物を第2の状態に硬化して(ステップc))、磁性顔料粒子又は磁化可能粒子が所望のパターンでそれらの採用された位置及び配向に固定されてOELを形成するようにし、それによって、コーティング組成物を第2の状態に変換するステップを備える。この固定によって、固体コーティング又は層が形成される。硬化するステップは、上述のプロセスによって行ってもよい。硬化するステップ(ステップc))は、ステップb)と同時に、又はステップb)に続けて行うことができる。しかし、ステップb)の終わりからステップc)の開始までの時間は、いかなる脱配向も情報の損失も回避するために、比較的短いことが好ましい。ステップb)の終わりからステップc)の開始までの時間は、1分未満であることが典型的であり、20秒未満が好ましく、5秒未満がさらに好ましい。本質的に、配向ステップb)の終わりから硬化ステップc)の開始まで時間的な空白がないこと、即ち、ステップc)はステップb)の直後に続くこと、又はステップb)が依然進行中である間に既に開始されていることが、特に好ましい。
【0086】
望みに応じて、ステップa)の前に、プライマー層を基材に付着させてもよい。これは本明細書に記載のOELの品質を高め又は接着を促進させることができる。そのようなプライマー層の例は、国際公開第2010/058026号に見出すことができる。
【0087】
本明細書に記載の基材は、セルロース、紙含有材料、ガラス、金属、セラミック、プラスチック、及びポリマーなどの紙又はその他の繊維状材料、金属化プラスチック又はポリマー、複合材料、及びこれらの混合物又は組合せからなる群から選択されることが好ましい。典型的な紙、紙状又はその他の繊維状材料は、アバカ、綿、リネン、木材パルプ、及びこれらのブレンドを含むがこれらに限定されない様々な繊維から作製される。当業者に周知のように、綿及び綿/リネンのブレンドが紙幣には好ましく、一方、木材パルプは非紙幣セキュリティ文書で一般に使用される。プラスチック及びポリマーの典型的な例としては、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(エチレン2,6−ナフトエート)(PEN)などのポリエステル、及びポリ塩化ビニル(PVC)が挙げられる。Tyvek(登録商標)という商標で販売されているようなスパンボンドオレフィン繊維を、基材として使用してもよい。金属化プラスチック又はポリマーの典型的な例としては、表面に金属が連続的に又は不連続に配置されている上述のプラスチック又はポリマー材料が挙げられる。金属の典型的な例としては、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、金(Au)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、これらの組合せ、又は上述の金属の2種以上の合金が挙げられるが、これらに限定されない。上述のプラスチック又はポリマー材料の金属化は、電解析出プロセス、高真空コーティングプロセスによって、又はスパッタリングプロセスによって行ってもよい。複合材料の典型的な例としては、紙、及び上記のような少なくとも1種のプラスチック又はポリマー材料の、多層構造又は積層体、並びに上記のような紙状又は繊維状材料に組み込まれたプラスチック及び/又はポリマー繊維が挙げられるが、これらに限定されない。当然ながら、基板は、サイズ剤、漂白剤、加工助剤、強化又は湿潤増強剤など、当業者に公知のさらなる添加剤を含むことができる。本明細書に記載の基材は、ウェブの形状(例えば、上述の材料の連続シート)であってもシートの形状であってもよい。
【0088】
本明細書に記載のOELは、OELが永続的に残されることになる基材(紙幣の適用例の場合など)に直接設けられてもよい。或いは、OELは、製造の目的で一時的に基材上に設けられてもよく、後でOELはその基材から除去される。これは例えば、特に結合剤材料が依然としてその流体状態にある間に、OELの製造を容易にする。その後、OELを製造する目的でコーティング組成物を硬化した後に、一時的な基材をOELから除去してもよい。或いは、本明細書に記載のOELは、個別の転写ステップで文書に又は物品に付着させることができる転写箔を製造するための一時的な基材上に設けられてもよい。この目的のため、基材には剥離コーティングが設けられ、その上に1つ以上のOELが、本明細書に記載されるように製造される。本明細書に記載のOELが、一時的な基材上に設けられることになる場合、コーティング組成物は、例えばプラスチック状又はシート状材料が硬化によって形成される場合など、硬化ステップ後に物理的に一体化した形をとらなければならない。それによって、OELそのものからなる(即ち、配向した磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子と、顔料粒子をそれらの配向に固定し且つプラスチックフィルムなどのフィルム状材料を形成するための、硬化した結合剤成分と、他の任意選択の成分とから本質的になる)フィルム状の透明及び/又は半透明材料を、得ることができる。
【0089】
本明細書には、本明細書に記載のOELであって、1つ以上の接着層をさらに含むOELを、本明細書に記載の基材上に製造するための方法についても記載される。上記1つ以上の接着層は、本明細書に記載のOELを含む基材全面に、付着されてもよい。1つ以上の接着層は、硬化ステップが終了した後に、OELを含む基材に付着されてもよいことが好ましい。そのような場合、1つ以上の接着層、OEL、及び基材を含む接着ラベルが形成される。そのようなラベルは、機械類及びさらなる努力を必要とする印刷又はその他のプロセスなしで、全ての種類の文書又はその他の物品若しくは品目に付着されてもよい。
【0090】
本発明の一実施形態によれば、本明細書に記載の基材は、本明細書に記載の基材上に複数のOELを含み、例えば基材は、2層、3層などのOELを含んでいてもよい。基材は、第1のOEL及び第2のOELを含んでいてもよく、それらは共に基材の同じ面上に存在し、又は1つが基材の一方の面上に存在し、他の1つが基材の他方の面上に存在する。基材の同じ面上に設けられる場合、第1及び第2のOELは隣接していてもよく、又は互いに隣接していなくてもよい。さらに又は代わりに、OELの1つが部分的に又は完全に、その他のOELに重なっていてもよい。第1のOELを製造するための磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子と、第2のOELを製造するための磁性顔料粒子又は磁化可能顔料粒子との磁性配向は、同時に又は逐次、結合剤材料の中間硬化又は部分硬化を伴って又は伴わずに行ってもよい。
【0091】
本明細書に記載のOELは、装飾目的で、並びにセキュリティ文書を保護し認証するために使用されてもよい。本発明は、本明細書に記載のOELを含む物品及び装飾物体も包含する。物品及び装飾物体は、本明細書に記載の複数の光学効果層を含んでいてもよい。物品及び装飾物体の典型的な例としては、高級品、化粧品包装、自動車部品、電子/電気製品、家具などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
本発明の重要な態様は、本明細書に記載のOELを含むセキュリティ文書に関する。セキュリティ文書は、本明細書に記載の複数のOELを含んでいてもよい。
【0093】
セキュリティ文書としては、有価文書及び有価商品が挙げられるが、これらに限定されない。有価文書の典型的な例としては、紙幣、証書、チケット、小切手、証票、収入印紙及び納税印紙、及び契約書などと、身分証明用文書、例えばパスポート、身分証明書、ビザ、運転免許証、銀行カード、クレジットカード、取引カード、アクセス文書又はカード、入場券、公共交通機関の乗車券、又は権利証書、及び同様のものが挙げられ、好ましくは紙幣、身分証明用文書、権利付与文書、運転免許証、及びクレジットカードが挙げられるが、これらに限定されない。「有価商品」という用語は、特に化粧品、栄養補給品、医薬品、アルコール、飲料若しくは食材、電気/電子製品、織物、又は宝飾類用の、即ち例えば真正な薬物のような包装の内容物を保証するために偽造及び/又は不法な複製から保護すべき物品用の、包装材料を指す。これらの包装材料の例としては、認証ブランドラベル、不正防止ラベル及びシールなどのラベルが挙げられるが、これらに限定されない。開示された基材、有価文書、及び有価商品は、本発明の範囲を制限することなく、例示的な目的でのみ示されることを指摘する。セキュリティ文書の偽造及び不法な複製に対するセキュリティレベル及び耐性をさらに増大させる目的で、基材は、印刷された、コーティングされた、又はレーザでマークされ若しくはレーザで穿孔された標示、透かし模様、セキュリティスレッド、繊維、プランシェット、ルミネセンス化合物、窓、箔、デカール、及びこれらの組合せを含んでいてもよい。セキュリティ文書の偽造及び不法な複製に対するセキュリティレベル及び耐性をさらに増大させる同じ目的で、基材は、1種以上のマーカー物質、又はタガント、及び/又は機械可読性物質(例えば、ルミネセンス物質、UV/可視/IR吸収物質、磁性物質、及びこれらの組合せ)を含んでいてもよい。
【0094】
或いは、OELは、例えばセキュリティスレッド、セキュリティストライプ、箔、デカール、窓、又はラベルなどの補助基材上に製造され、その結果、個別のステップでセキュリティ文書に転写されてもよい。
【0095】
当業者なら、本発明の精神から逸脱することなく、上述の特定の実施形態の様々な変形態様を考えることができる。そのような変形態様は、本発明に包含される。
【0096】
さらに、本明細書全体を通して言及される全ての文書は、本明細書に完全に記載されているかのごとく、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。