(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態におけるゲームシステム100のコンセプトは、同じ時間に同じ場所にいる友だち同士で即興的にゲームグループを構成し、同じゲームをいっしょに楽しむことである。このゲームグループの参加者としては、お互いに肉声で会話が可能な程度に近くにいる友だち(顔見知り)を想定している。このような即席のゲームグループをつくるための手続きを簡素化する方法を中心として説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、ゲームシステム100のハードウェア構成図である。
ゲームシステム100においては、ゲームサーバ102と複数のゲーム端末104a、104b、104c・・・104n(以下、まとめていうときや特に区別しないときには「ゲーム端末104」と総称する)がインターネット106を介して接続される。本実施形態におけるゲーム端末104は、スマートフォンを想定している。ゲーム端末104は、携帯型のゲーム専用機であってもよいし、ラップトップPCなどの汎用コンピュータであってもよい。ゲーム端末104とインターネット106は無線接続されるが、有線接続されてもよい。ゲームのプレイヤにはプレイヤIDとよばれる一意のIDがあらかじめ付与されている。
【0014】
ゲームサーバ102は、プレイヤ管理部108とゲーム提供部110を含む。ゲーム提供部110は、各ゲーム端末104にゲームを提供する既知のプラットフォームである。プレイヤ管理部108は、プレイヤの管理をすることにより、ゲームグループの構築を仲介するユニットである。ゲーム提供部110は、プレイヤ管理部108のゲームグループ構築機能を利用しながら、各ゲーム端末104にゲームを提供する。
ゲーム提供部110およびプレイヤ管理部108は別々のサーバ(ハードウェア)として構成されてもよいが、本実施形態においては、単一のゲームサーバ102がゲーム提供部110およびプレイヤ管理部108の双方の機能を担うとして説明する。
【0015】
図2は、第1実施形態においてエリアとゲームグループの関係を示す模式図である。
ゲーム端末104は、GPS(Global Positioning System)により自端末の位置を検出し、定期的にゲームサーバ102に位置情報(経度と緯度)を伝える。ゲームサーバ102はあらかじめ複数のエリア112(地域)を設定する。たとえば、「六本木一丁目駅から半径2キロ」のエリア112を「六本木A」として管理する。
【0016】
エリア112ごとに有限数のエリアルームGを設定可能である。エリアルームGの詳細は後述する。本実施形態においては、1つのエリア112に同時に設定可能なエリアルームGは3個であるという前提で説明する。
【0017】
図2は、エリア112a〜112dの4つのエリア112を示している。このうち、エリア112aには2つのエリアルームG1、G2が存在している。エリア112aのエリアルームG1には2人のプレイヤが所属し、この2人がゲームグループを形成している。一方、エリア112aのエリアルームG2には1人しかプレイヤが所属しておらずゲームグループは未形成である。また、いずれのエリアルームGにも所属していないプレイヤが3人いる。ここで、エリアルームG2に一人だけ所属するプレイヤP1が新たに近距離対象者を招きたいという状況を想定すると、以下の様な募集方法が考えられる。
【0018】
方法1(近距離検索)
まず、ゲームグループを作りたいプレイヤP1はゲームサーバ102にゲームグループの構築を申請する。ゲームサーバ102はプレイヤP1の所属するエリア112aにエリアルームG2を形成するとともに、エリア112aに所属するプレイヤを探し出し、これらのプレイヤにエリアルームG2において参加者を募集中であることを伝える。他のプレイヤP2がエリアルームG2への参加を申請することで、プレイヤP1とプレイヤP2のゲームグループが形成される。
【0019】
このような方法の場合、ゲームグループに入ってきたプレイヤP2がプレイヤP1の友だち(近距離対象者)である保証はない。エリア112のサイズを小さくすれば、近距離部外者がエリアルームG2に入り込むリスクをある程度は抑制できるかもしれないが、現在のGPSの精度ではそれほど小さな単位のエリア112を作ることはできない。
プレイヤP1のゲーム端末104に近隣プレイヤをリスト表示し、プレイヤP1がその中から友だち(近距離対象者)を選んでもよいが、近隣にたくさんのプレイヤが存在する場合にはリストから友だち(近距離対象者)を抽出する作業は煩雑になりかねない。また、エリア112aにたまたま存在しているプレイヤたちにとっても、プレイヤP1のゲーム端末104にその存在が通知されてしまうことはプライバシー上好ましいことではない。
【0020】
方法2(パスワード)
プレイヤがパスワードを設定し、近距離対象者にパスワードを入力させることで近距離部外者が入り込めないゲームグループを作る方法も考えられる。ゲームグループを作りたいプレイヤP1は、ゲームサーバ102にゲームグループの構築を申請する。このとき、ゲームサーバ102にパスワードも設定する。ゲームサーバ102はプレイヤP1の所属するエリア112aにエリアルームG2を形成するとともに、エリア112aに所属するプレイヤを探し出し、これらのプレイヤにエリアルームG2において参加者を募集中であることを伝える。また、プレイヤP1は口頭で近くにいる友だち(近距離対象者)のプレイヤP2にパスワードを伝える。プレイヤP2はパスワードをゲームサーバ102に伝えてエリアルームG2への参加を申請することで、プレイヤP1とその友だちのプレイヤP2のゲームグループが形成される。
【0021】
このような方法の場合、パスワードという一種の合言葉を共有しているプレイヤ同士でしかエリアルームG1に所属できないため、友だち(近距離対象者)に限定したゲームグループを作ることができる。その一方、プレイヤP1はパスワードを設定したり、それを近くにいる友だち(近距離対象者)にそれを伝えるなどコーディネータとして振る舞う負担が生じる。また、プレイヤP2もゲーム端末104からパスワードを入力する手間がかかる。
【0022】
図3は、ゲーム端末104のアイコン選択画面114を示す。
本実施形態においては、パスワードではなく、ワンタッチのアイコン116によって近隣対象者を選別する。ゲーム端末104にはアイコン選択画面114が表示される。アイコン選択画面114には、3つのアイコン116a〜116cが表示される。詳細は後述するが、3つのアイコン116は3つのエリアルームGに対応している。友だち同士で、あらかじめどのアイコン116を選ぶかを決めておく。たとえば、左のアイコン116aを選ぶことを合意しておく。
【0023】
プレイヤP1は、あらかじめ合意しておいたアイコン116aを選択したとする。アイコン116aには後述する「ルームID」が対応付けられている。ゲームサーバ102は、プレイヤP1が所属するエリア112とルームIDの組み合わせとして、エリアルームGを設定する。ゲームサーバ102は、エリアルームGにプレイヤP1を対応付ける。次に、プレイヤP1の友だちであり、プレイヤP1の近くにいるプレイヤP2も自らのゲーム端末104のアイコン選択画面114において同じアイコン116aを選択する。ゲームサーバ102はプレイヤP2の選択したアイコン116aの情報(ルームID)とプレイヤP2が所属するエリア112の組み合わせがエリアルームGと一致するため、エリアルームGにプレイヤP2も対応付ける。このようにして、エリアルームGという仮想部屋を仲介として、プレイヤP1とプレイヤP2がゲームグループを形成する。3人目以降のプレイヤも同様である。
【0024】
本実施形態においては、エリアルームGはエリア112とルームIDの組み合わせとして特定され、ルームIDはアイコン116の選択により特定される。このため、近くにいる友だち同士でどのアイコン116を選ぶかを合意しておけば、あとは、全員で同じアイコン116を選択することで同じエリアルームGに「入室」し、簡単にゲームグループを作ることができる。パスワードのような文字入力は必要なく、アイコン116をタッチするだけで所望のゲームグループへの参加が可能であるため、気軽に即興のゲームグループを作りやすい。しかも、エリアルームGは短時間だけ存在可能な生成と消滅を繰り返す仮想部屋であるため、エリアルームGに近距離部外者が闖入するのを効果的に防止できる。これについては後に詳述する。
【0025】
図4(a)から
図4(c)は、第1実施形態において、ゲームグループを形成して、エリアルームGを解放するまでの流れを説明するための模式図である。
エリア112のエリアルームG1では、3人のプレイヤがゲームグループを形成している(
図4(a))。本実施形態においては、エリアルームGに3人以上のプレイヤが対応付けられたとき、マッチング成立となる。マッチング成立は2人以上、あるいは、4人以上の任意の数の参加者によるゲームグループ成立であってもよい。エリアルームG1は、あるエリア112におけるあるルームIDにより特定される概念的な存在である。本実施形態においては、アイコン116が3つなのでルームIDも3つであり(
図3参照)、それゆえに1つのエリア112には最大3つのエリアルームGしか同時成立しない。エリアルームG1のルームIDは「R1」であるとする。
【0026】
エリアルームG1においてマッチングが成立すると、エリアルームG1は解放され、ゲームサーバ102は成立したゲームグループに共通のゲーム設定情報を提供する(
図4(b))。エリアルームG1が解放されると、ルームID=R1は空き番号となる。すなわち、エリアルームG1は「空室状態」となる。このため、すでに成立したゲームグループとは関係なく、新たにエリアルームG1を対象としてゲームグループの募集が可能となる(
図4(c))。
【0027】
有限個のルームIDにより同時開設可能なエリアルームGの数は制約されるものの、マッチング成立後は解放されたエリアルームGを対象としてゲームグループの募集が可能となる。また、エリアルームGには制限時間が設定される。本実施形態における制限時間は30秒であるとして説明する。エリアルームGの開設後、制限時間が経過してもマッチングが成立しなければ、ゲームサーバ102はエリアルームGを強制的に解放する。たとえば、2人しか集まっていないエリアルームG2においてマッチング不成立のまま制限時間が経過すると、エリアルームG2は解放される。以上の処理方法により、有限個のエリアルームGが長期間にわたって占有されないようにしている。
【0028】
したがって、近隣に位置するプレイヤは、アイコン116に合意したあと短時間でエリアルームGに「入室」し、マッチングが成立すればすぐにエリアルームGは解放される。近隣部外者がゲームグループに入り込むためには30秒という短い制限時間内にエリアルームGのルームIDに対応したアイコン116をタッチしなければならない。アイコン116の数を増やしたり、制限時間をより短くすれば、近隣部外者をより確実に排除しやすくなる。
【0029】
図5は、ゲーム端末104の機能ブロック図である。
ゲーム端末104およびゲームサーバ102の各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)および各種コプロセッサなどの演算器、メモリやストレージといった記憶装置、それらを連結する有線または無線の通信線を含むハードウェアと、記憶装置に格納され、演算器に処理命令を供給するソフトウェアによって実現される。コンピュータプログラムは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、それらの上位層に位置する各種アプリケーションプログラム、また、これらのプログラムに共通機能を提供するライブラリによって構成されてもよい。以下に説明する各ブロックは、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
ゲームサーバ102は、ウェブサーバを含む構成であってもよいし、ゲーム端末104は、携帯型の通信端末と、これにインストールされたウェブブラウザを含む構成であってもよい。
【0030】
ゲーム端末104は、∪/I(ユーザインタフェース)部118、通信部120、データ処理部122およびデータ格納部124を含む。∪/I部118は、プレイヤからの操作を受け付けるほか、画像表示や音声出力など、ユーザインタフェースに関する処理を担当する。通信部120は、インターネット106を介してゲームサーバ102や他のゲーム端末104との通信処理を担当する。データ格納部124は各種データを格納する。データ処理部122は、∪/I部118や通信部120により取得されたデータ、データ格納部124に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部122は、∪/I部118、通信部120およびデータ格納部124のインタフェースとしても機能する。
【0031】
∪/I部118は、タッチパネル等からの入力を受け付ける入力部132と画像を表示する表示部126を含む。表示部126は、アイコン表示部128と属性表示部130を含む。アイコン表示部128は、アイコン選択画面114においてアイコン116を表示する。属性表示部130は、同じエリア112にいる他のプレイヤの属性情報を表示する。属性情報とは、プレイヤのIDやハンドルネームなどプレイヤを識別可能なプロフィール情報を意味する。属性情報とその表示方法の詳細については後述する。
【0032】
通信部120は、位置送信部134、グループ要求送信部136、募集情報受信部138、属性受信部140および設定受信部142を含む。位置送信部134は、GPSにより自端末の位置を検出し、位置情報(経度および緯度)を定期的にゲームサーバ102に送信する。グループ要求送信部136は、ゲームサーバ102にグループ要求を送信する。グループ要求は、アイコン選択画面114においていずれかのアイコン116がタッチされたときに送信される情報であり、プレイヤIDとルームIDを含む。グループ要求は位置情報を含んでもよい。グループ要求が送信されると、プレイヤは所属するエリア112とルームIDにより識別されるエリアルームGに対応付けられる。募集情報受信部138は、ゲームサーバ102から募集情報を受信する。募集情報は各エリアルームGにおいて新たなプレイヤを募集中であるか否かを示す情報である。
【0033】
属性受信部140は、同一のエリアルームGに参加するプレイヤについての属性情報を受信する。設定受信部142はマッチング成立後、ゲームグループに共通のゲーム設定情報(種々のパラメータ)をゲームサーバ102から受信する。ここでいうゲーム設定情報とは、同一のゲームグループに所属するプレイヤに共通設定されるゲーム情報(いわゆるゲームのルールに関するパラメータ等)であればよい。たとえば、各プレイヤが得点を競うタイプのゲームの場合、ランキング情報をゲーム設定情報として提供してもよい。対戦ゲームであれば共通のバトルフィールドに関する情報、各プレイヤが使用する共通のキャラクタに関する情報、プレイヤによる討伐対象となる敵キャラクタに関する情報であってもよい。パズルゲームであれば、パズルピースの画像データや、パズルの難易度(パズルの初期設定位置やパズルピースの移動速度パラメータなど)に関する情報であってもよい。なお、ゲーム設定情報をどのようなパラメータとするかは、ゲームサーバ102のゲーム提供部110がランダムに、あるいは、所定の規則に基づいて決定してもよいし、参加するプレイヤのいずれかの操作に基づいて決定してもよいし、全員の選択操作の結果、多数決等で決定してもよい。
【0034】
データ処理部122は、ゲーム制御部144を含む。ゲーム制御部144は、ウェブブラウザ上で実行されるゲームの流れを制御する既知の機能ブロックである。ゲーム制御部144は、ゲームサーバ102と協働してゲームを制御する。
【0035】
データ格納部124は、ゲームデータ格納部146とプレイヤ情報格納部148を含む。ゲームデータ格納部146はゲームの設定情報やゲームプログラムを格納する。プレイヤ情報格納部148は、ゲームの得点や進捗地点、プレイヤID、ハンドルネームなどプレイヤに固有のプレイヤ情報を格納する。
【0036】
図6は、ゲームサーバ102の機能ブロック図である。
ゲームサーバ102は、上述したようにプレイヤ管理部108とゲーム提供部110を含む。ゲーム提供部110は、ゲームプログラムや各プレイヤについての設定やゲームの進捗状態を管理するゲームデータ格納部176を含む。ゲーム提供部110は、ゲームのプラットフォームとして既知の機能ブロックであってもよい。
【0037】
プレイヤ管理部108は、通信部150、データ処理部152およびデータ格納部154を含む。通信部150は、インターネット106を介してゲーム端末104との通信処理を担当する。データ格納部154は各種データを格納する。データ処理部152は、通信部150により取得されたデータ、データ格納部154に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部152は、通信部150およびデータ格納部154のインタフェースとしても機能する。
【0038】
通信部150は、位置受信部156、グループ要求受信部158、属性情報送信部160、アイコン送信部162および特典送信部164を含む。位置受信部156は、ゲーム端末104から位置情報を受信する。グループ要求受信部158は、ゲーム端末104からグループ要求を受信する。属性情報送信部160は、ゲーム端末104に各プレイヤの属性情報を送信する。アイコン送信部162は、ゲーム端末104にアイコン情報を送信する。アイコン情報はアイコン116の画像データであってもよいし、アイコン116を識別するためのアイコンIDであってもよい。特典送信部164は、ゲーム端末104に特典情報を送信する。特典情報とは、所定の条件が満たされた時にプレイヤに提供されるメリットであればよい。たとえば、特別なゲームステージを提供してもよいし、アイテムであってもよいし、ゲームの難易度を一時的または恒久的に低下させるゲームの設定情報であってもよい。
【0039】
データ処理部152は、位置管理部166、ルーム管理部168および特典判定部170を含む。位置管理部166は、各プレイヤがいずれのエリア112に所属するかを判定する。ルーム管理部168は、エリアルームGの生成と解放およびプレイヤの対応づけを行う。特典判定部170は、特典の付与の可否を判定する。
【0040】
データ格納部154は、プレイヤ情報格納部172およびルーム情報格納部174を含む。プレイヤ情報格納部172は、プレイヤとエリア112を対応付けた情報を保有する。プレイヤ情報格納部172のデータ構造は
図7に関連して後に詳述する。ルーム情報格納部174は、エリアルームGの状態を示す情報を保有する。ルーム情報格納部174のデータ構造は
図8に関連して後に詳述する。
【0041】
図7は、ゲームサーバ102におけるプレイヤ情報格納部172のデータ構造図である。
各プレイヤはプレイヤIDにより一意に識別される。プレイヤIDはゲームごとにゲームサーバ102により付与される。ゲーム端末104の端末ID(MACアドレス等)をプレイヤIDの代わりに使用してもよい。
プレイヤID欄182はプレイヤIDを示す。ハンドルネーム欄184は、プレイヤIDに対応付けられるハンドルネームを示す。ハンドルネーム欄184は必須ではない。位置情報欄178は各プレイヤの位置情報(緯度と経度)を示す。エリア欄180はプレイヤが所属するエリア112を示す。詳細は後述するが、第2実施形態ではエリア欄180は不要である。位置管理部166は、位置情報欄178により示される位置情報にもとづいて、各プレイヤが所属するエリア112を特定する。
【0042】
たとえば、プレイヤID=001のプレイヤは、ハンドルネームは「まりめ」であり、北緯35.6度、東経139.7度に位置しており、このポジションは「六本木A」という名前のエリア112に含まれる。すなわち、プレイヤ(ID:001)が所属するエリア112は「六本木A」である。
【0043】
図8は、ゲームサーバ102におけるルーム情報格納部174のデータ構造図である。
アイコン選択画面114に表示されるアイコン116にはルームIDが対応付けられている。ルームIDとエリア112の組み合わせにより、概念的な部屋であるエリアルームGが表現される。ルームID欄186はルームIDを示し、エリア欄188はエリア112を示す。詳細は後述するが、第2実施形態ではエリア欄188は不要である。上述したように、1つのエリア112に同時に成立可能なエリアルームGは最大3つである。たとえば、エリア112「六本木A」には、ルームID=R1〜R3に対応して3つのエリアルームGが成立可能である。プレイヤID欄190は、エリアルームGに対応付けられているプレイヤIDを示す。募集状態欄192は、エリアルームGが募集状態であるか否かを示す。募集状態とは、プレイヤがいずれかのエリアルームGを対象としてグループ要求を送信したときに設定され、制限時間が経過するか、マッチングが成立するまでのゲームグループへの参加者を募集している状態を意味する。残余時間欄194は、制限時間が経過するまでの残余時間を示す。
【0044】
たとえば、エリア112「六本木A」にはルームID=R1〜R3に対応して3つのエリアルームGが形成可能である。このうち、エリア112「六本木A」、ルームID=R1の組み合わせとして表現されるエリアルームGには2人のプレイヤ(PID:001,003)が対応付けられている。これは、エリア112「六本木A」に所属する2人のプレイヤからルームID=R1を指定するグループ要求が受信されたためである。このエリアルームGは募集状態にあり、27秒間の残余時間がある。一方、エリア112「六本木B」のルームID=R1で表現されるエリアルームGにはグループ要求がなされておらず、参加者の募集はなされていない。すなわち、このエリアルームGは「空室状態」である。
【0045】
図9は、エリアルームGにおいてゲームグループが成立するまでの処理過程を示すシーケンス図である。
ここではゲームグループ(複数参加者)で楽しむゲームとしてパズルゲームを想定する。複数のプレイヤは各自で同一のパズルゲームをプレイし、お互いにその得点を競い合う。ゲーム端末104aを使用するプレイヤP1と、ゲーム端末104bを使用するプレイヤP2は、同じエリアに所属しているとする。2人は友だちであり、アイコン選択画面114においてどのアイコン116を選ぶか互いに合意しているものとする。
【0046】
ゲーム端末104aの位置送信部134は、定期的、たとえば、3分に1回の頻度にて位置情報を送信する(S10,S14)。位置情報(POS)とともにプレイヤID(PID)も送信される。同様に、ゲーム端末104bの位置送信部134も定期的に位置情報を送信する(S12)。ゲームサーバ102の位置受信部156は定期的に各ゲーム端末104から位置情報を受信する。位置管理部166は、位置情報が受信されるとき、プレイヤ情報格納部172を更新する。
【0047】
次に、ゲーム端末104aを使用するプレイヤP1がアイコン選択画面114においてアイコン116をタッチすると、ゲーム端末104aのグループ要求送信部136はグループ要求を送信する(S16)。グループ要求に際してはプレイヤID(PID)およびルームIDも送信される。グループ要求と同時に位置情報も併せて送信されてもよい。ゲームサーバ102のグループ要求受信部158はグループ要求を受信する。
【0048】
ルーム管理部168は、グループ要求が受信されるとルーム情報格納部174を更新する(S18)。たとえば、プレイヤP1がエリア112「六本木A」に所属しているとき、プレイヤP1がルームID=R1を指定するグループ要求を送信してきたときには、エリア112「六本木A」、ルームID=R1により特定されるエリアルームGについて、プレイヤP1のプレイヤIDが対応付けられ、このエリアルームGは「募集状態」となり、制限時間管理がなされる。ルーム管理部168は募集状態のエリアルームGの制限時間管理も行う。
【0049】
続いて、ゲーム端末104bを使用するプレイヤP2も同じアイコン116をタッチしてグループ要求を送信している(S20)。ゲームサーバ102のルーム管理部168は、ルーム情報格納部174を更新する(S22)。上記例の場合、エリア112「六本木A」、ルームID=R1により特定されるエリアルームGについて、プレイヤP2のプレイヤIDが対応付けられる。こうして、このエリアルームGにおいて、プレイヤP1とプレイヤP2はゲームグループを形成する。ゲームサーバ102の属性情報送信部160は、プレイヤP2の属性情報をゲーム端末104aに送信する(S24)。属性情報はプレイヤに固有のアイコン、プレイヤID、ハンドルネームであってもよい。同様に、属性情報送信部160は、プレイヤP1の属性情報をゲーム端末104bに送信する(S26)。このように、同一のエリアルームGにおいてゲームグループを形成するプレイヤはお互いの属性情報をゲーム端末104にて確認できる。
【0050】
図10は、募集待受画面196の画面図である。
グループ要求を送信したあと、ゲーム端末104には募集待受画面196が表示される。残余時間表示領域198は、グループ要求を行ったエリアルームGの残余時間を示す。プレイヤ属性表示領域200は、そのエリアルームGにおいて現在対応づけられている、いいかえれば、同じゲームグループに所属するプレイヤの属性情報を示す。
図10は2人(自分を含めて3人)のプレイヤが同一のゲームグループに対応付けられたときの募集待受画面196を示している。
【0051】
本実施形態においては、募集待受画面196には同じゲームグループに参加しているプレイヤの属性情報しか表示されない。近隣にいるすべてのプレイヤの属性情報が表示されるわけではないため、「いつどこにいたか」というプライバシーを守りやすい。
ゲームサーバ102は、ルーム情報格納部174のプレイヤID欄190を参照し、同じエリアルームGに対応付けられていないプレイヤの属性情報については報知しない。たとえば、
図8の場合、プレイヤID=008のプレイヤにはプレイヤID=エリア112,214のプレイヤの属性情報は送信されるが、それ以外のプレイヤの属性情報は送信されない。属性情報の送信制限を行ってもよいが、ゲーム端末104が属性情報の表示制限を行ってもよい。たとえば、ゲーム端末104の属性表示部130は、他のプレイヤの属性情報とともにそのプレイヤが指定するルームIDも受信し、自らが要求しているルームIDと不一致の場合にはそのプレイヤの属性情報を表示しない、としても同様の効果を得られる。また、表示制限は、非表示に限るものではなく、表示情報の一部欠落やぼかしにより実現されてもよい。
【0052】
図9に戻る。
マッチングが成立すると(S28)、ルーム管理部168はエリアルームGを解放する(S30)。ゲームサーバ102のゲーム提供部110は、ゲームグループに共通のゲーム設定情報をゲーム端末104に送信する(S32,S34)。ゲーム設定情報は、たとえば、パズルゲームのランキング画面202である(
図11参照)。同一のゲームグループに所属するプレイヤたちに専用のランキング画面202がゲームサーバ102において用意され、各プレイヤの得点はランキング画面202に表示される。
【0053】
上述したように、プレイヤは、アイコン選択画面114においてアイコン116をタッチするだけでグループ要求を送信できる。本実施形態においては、グループ要求を送信するためにアイコン116をタッチする以外の追加作業は不要である。近隣に集まった友だち同士で、同じアイコン116を制限時間以内に次々とタッチするだけで、即興でゲームグループを作ることができる。所定人数のプレイヤが集まったり、制限時間が経過したり、あるいは、ゲームグループの参加者が明示的に募集中止を指示したとき、エリアルームGは解放される。マッチングが成立すれば、ゲームサーバ102はゲームグループに所属するプレイヤたちに共通のゲーム設定情報を送信する。ゲーム設定情報は、ゲームグループの参加者に限定したランキング画面202でもよいし、リアルタイム型の対戦ゲームならばゲーム提供部110は参加者だけが対決できるフィールドをゲーム設定情報として提供してもよい。どのようなゲーム設定情報を提供するかはゲームの性質に応じて既知技術の応用により決定されればよい。
【0054】
ゲーム端末104には、アイコン選択画面114が表示されるが(
図3参照)、アイコン116は、場所に応じてその表示態様が変化してもよい。すなわち、一つのルームIDに対して2以上のアイコン116が対応してもよい。たとえば、プレイヤが店舗「Aマート」に入店したときには、
図3のアイコン選択画面114の代わりに、
図12に示すアイコン選択画面114のように通常とは異なる態様のアイコン116(特殊アイコン)が表示されてもよい。Aマートに来店したとき、あるいは、Aマートの近くまで来たときに、Aマートにちなんだ態様の特殊なアイコン116に表示を切り替えれば、Aマートは広告効果を期待できる。また、広告の謝礼として、Aマートからゲームサーバ102の運営者が支払われるというビジネスモデルも考えられる。
図3のアイコン選択画面114に示すアイコン116aと、
図12のアイコン選択画面114に示すアイコン116aは、画像データは異なるが対応付けられているルームIDは同じである。
【0055】
図13は、場所によってアイコン116を変化させる処理過程を示すシーケンス図である。
アイコン116の画像データは、ゲーム端末104が記憶してもよいし、ゲームサーバ102からゲーム端末104に提供されてもよい。
図13では、ゲームサーバ102から特殊アイコンの画像データが送信されるものとして説明する。
【0056】
ゲームサーバ102は、あらかじめ、上述の「Aマート」付近のような特別エリア112を定義しておく。上述したように、ゲーム端末104は、定期的に位置情報をゲームサーバ102に送信する(S40)。位置管理部166は、ゲームサーバ102が特別エリア112に存在するか否かを判定する(S42)。通常のエリア112であれば(S42のN)、特殊なアイコン116は送信されず、
図3に示した通常のアイコン選択画面114がゲーム端末104に表示される。
【0057】
一方、特別なエリア112にゲーム端末104が所属している場合には(S42のY)、アイコン送信部162はそのエリア112に対応したアイコン116(特殊アイコン)の画像データをゲーム端末104に送信する(S44)。ゲーム端末104のアイコン表示部128は、アイコン選択画面114のアイコン116を差し替える(
図12参照)。このような処理方法により、場所に応じてアイコン116を変化させることができる。
【0058】
アイコンの画像データは、ゲーム端末104において管理されてもよい。たとえば、ゲーム端末104は通常時のアイコン116−1と、特殊なアイコン116−2を保持しておく。アイコン116−1とアイコン116−2には同一のルームIDが対応付けられている点は同じである。そして、ゲーム端末104が特別なエリア112にいるとき、ゲームサーバ102はアイコン116−1からアイコン116−2への切り替えを指示し、ゲーム端末104はこの指示に応じてアイコン116−1またはアイコン116−2のいずれかを表示させればよい。このような構成の場合には、ゲームサーバ102は特殊なアイコン116−2の画像データをゲーム端末104に送信する必要はない。
【0059】
Aマートは、「Aマート」という商号だけでなく、販促商品を図示するアイコン116を提供してもよい。また、特殊なアイコン116を提供するのはAマートのような店舗に限る必要はない。たとえば、富士山の頂上のみで提供されるアイコン116、金閣寺でのみ提供されるアイコン116など、観光スポットを対象として特殊なアイコン116を提供してもよい。このような場所に依存したアイコン116をSNS(Social Network Service)で共有してもよいし、様々なアイコン116をコレクションできてもよい。
【0060】
場所ではなく、時間に基づいてアイコン116を提供してもよい。たとえば、お正月やクリスマス、2月29日などの特定日に提供されるアイコン116があってもよいし、18:00から18:30までのような特定時間帯で提供されるアイコン116があってもよい。たとえば、ソーシャルゲームが比較的実行されない時間帯、ゲームサーバ102の負荷が軽い時間帯にこのような特殊なアイコン116を提供することで、ゲームサーバ102の負荷を平準化しやすくなる。あるいは、Aマートのような店舗に特定日、特定時間帯、たとえば、キャンペーン期間に来店したときだけ提供されるアイコン116があってもよい。
【0061】
更に、ユーザの行動に応じて特典を付与してもよい。特殊なアイコン116をタッチしたこと、キャンペーン期間など特定期間に特定のエリア112に来たこと、あるいは、特定店舗で特定商品を注文したことや、特定店舗において所定人数以上のゲームグループを成立させたこと、などを特典付与の契機としてもよい。また、ゲームサーバ10でゲームを実行後、ゲーム成績によりプレイヤ間の順位を判定し、順位に応じた特典を付与してもよい。ゲームサーバ102の特典判定部170は、特典付与条件の成否を判定する。たとえば、特殊なアイコン116がタッチされ、そこでゲームグループが成立することを特典付与条件とする場合、特典判定部170は特殊なアイコン116をタッチしたことによるグループ要求の受信およびマッチング成立時に特典付与条件成立と判定する。特典付与条件が成立すると、特典送信部164は該当するゲーム端末104に特典情報を送信する。
【0062】
特典情報は、プレイヤがゲームを有利に進めることができる上で有効な情報であればよい。たとえば、パズルゲームなら制限時間が延長されてもよいし、いわゆる「アイテム」であってもよい。また、特典情報は、特定店舗の割引券など金銭的価値に換価可能なものであってもよい。特典付与は、店舗の顧客管理システム等により判定されてもよい。ゲームサーバ102は、店舗の顧客管理システムから特典付与条件成立を通知されたとき、特典送信部164に特典情報の送信を指示してもよい。
【0063】
更に、特別なエリア112にゲーム端末104が所属している場合に、ゲームグループに所属するプレイヤたちにそのエリア112に対応した通常とは異なる特別なゲーム設定情報をゲームサーバ102が送信してもよい。特別なゲーム設定情報とはエリア112に対応した店舗の標章など、特別なアイコン116等をゲーム内で表示するための画像情報である。例えば、パズルゲームでのパズルピースを店舗の標章とするため画像情報を追加あるいは差し替えを実行してもよいし、店舗のマスコットキャラクタの画像をゲームキャラクタとするため画像情報を追加・差し替えしてもよい。さらに、これらの画像情報に関連するゲーム結果に応じて、プレイヤに対し特典を付与してもよい。例えば、いわゆる落ち物パズルゲームにおいて「商品A」に対応するパズルピースを100個消した場合には、「商品A」のクーポンを配布する。これにより、特別なエリア112におけるゲームプレイの興趣を通常時よりもいっそう深めることができるため、マッチングの手軽さと相まって特別なエリア112でのマッチングによるゲームプレイを促進できる。
【0064】
図14は、アイコン選択画面114の画面図の別例である。
ゲーム端末104のアイコン表示部128は、募集状態のエリアルームGに対応するアイコン116をそれ以外のエリアルームGに対応するアイコン116とは異なる態様にて表示させてもよい。具体的には、アイコン116の表示位置、大きさ、色を変更させてもよいし、明滅させてもよい。募集状態のエリアルームGに対応するアイコン116を目立たせることで、プレイヤはどのアイコン116を選択すればゲームグループに参加できるか認識しやすくなる。あるいは、募集状態のエリアルームGに対応するアイコン116を目立たせなくしてもよい。このような表示制御によれば、部外者がゲームグループに参加するのを防ぎやすくなる。
【0065】
[第2実施形態]
第1実施形態においては絶対的な地理的領域としての「エリア112」に基づいてエリアルームGを形成したが、第2実施形態においてはプレイヤの現在地に基づいて概念的なエリアルームを形成する。
【0066】
図15は、第2実施形態におけるエリアルームの形成方法を説明するための模式図である。
ここでは、プレイヤP1からP6の順にグループ要求するという前提で説明する。
最初に、プレイヤP1がルームID=R1を指定してグループ要求をゲームサーバ102に送信する。ゲームサーバ112の位置管理部166は、プレイヤP1の位置を中心として上下左右Nキロメートル、たとえば、2キロメートルの範囲にサーチ領域E1を設定する。位置管理部166は、プレイヤ情報格納部172をチェックし、サーチ領域E1にグループ要求を送信済みの他のプレイヤ(以下、「要求中プレイヤ」とよぶ)が存在するか否かを判定する。第2実施形態におけるプレイヤ情報格納部172の場合、エリア欄180は不要であり、ルーム情報格納部174もエリア欄188が不要である。
プレイヤP1がグループ要求した段階では、要求中プレイヤはサーチ領域E1に存在しない。このため、プレイヤP1は、ルームID=R1にてエリアルームを新たに開設する。
【0067】
次に、プレイヤP2がルームID=R1を指定してグループ要求を行う。位置管理部166はプレイヤP2を中心としてサーチ領域E2を設定する。プレイヤP2がグループ要求した段階では、サーチ領域E2には要求中プレイヤは存在しないので、プレイヤP2もルームID=R1にて別途エリアルームを開設する。このように同一のルームIDであっても、この段階では、2つのエリアルームが開設されることになる。
【0068】
続いて、プレイヤP3がルームID=R1を指定してグループ要求を行う。位置管理部166はプレイヤP3を中心としてサーチ領域E3を設定する。サーチ領域E3にはプレイヤP1が存在する。プレイヤP1は要求中プレイヤであり、プレイヤP3と同じルームID=R1を指定している。このときには、ルーム管理部168は、ルームID=R1にプレイヤP1,P3を対応づける。いいかえれば、プレイヤP1が開設しているエリアルームにプレイヤP3を「入室」させる。こうして、ルームIDと位置情報により識別される1つのエリアルームに二人のプレイヤが対応づけられる。
【0069】
更に、プレイヤP4がルームID=R2を指定してグループ要求を行う。位置管理部166はプレイヤP4を中心としてサーチ領域E4を設定する。サーチ領域E4にはプレイヤP2が存在する。プレイヤP2は要求中プレイヤであるが、プレイヤP4が指定するルームID=R2を指定していないため、プレイヤP3はルームID=R2にて別途エリアルームを開設する。
ここまでの状況を整理すると、ルームID=R1の1つ目のエリアルームにプレイヤP1,P3が対応づけられ、ルームID=R1の2つ目のエリアルームにプレイヤP2が対応づけられ、ルームID=R2の3つ目のエリアルームにプレイヤP4が対応づけられている。
【0070】
次に、プレイヤP5がルームID=R1を指定してグループ要求を行う。位置管理部166はプレイヤP5を中心としてサーチ領域E5を設定する。サーチ領域E5にはプレイヤP1,P2が存在する。プレイヤP1,P2はどちらも要求中プレイヤであり、プレイヤP5と同じくどちらもルームID=R1を指定している。この場合には、ルーム管理部168はプレイヤP1,P2のうち、プレイヤP5により近いプレイヤP1のエリアルームにプレイヤP5を対応づける。両者からの距離が等しい場合には、プレイヤP1,P2が所属するエリアルームのうち古くから開設されている方のエリアルームにプレイヤP5を対応づける。
なお、複数の要求中プレイヤが検出されたときには、古いエリアルームに優先的に対応づけ、古さが同じときには距離に基づいて対応づけ先を決めてもよい。
【0071】
続いて、プレイヤP6がルームID=R1を指定してグループ要求を行う。位置管理部166はプレイヤP6を中心としてサーチ領域E6を設定する。サーチ領域E6にはプレイヤP3が存在する。プレイヤP3は要求中プレイヤであり、プレイヤP6と同じルームID=R1を指定している。更に、プレイヤP3は上述のようにプレイヤP1とすでに対応づけられている。この場合、ルーム管理部168は、ルームID=R1にプレイヤP1,P3,P6を対応づける。サーチ領域E6にプレイヤP1が存在しなくても、プレイヤP1に対応づけられているプレイヤP3が存在しているため、プレイヤP6はプレイヤP3だけでなくプレイヤP1とも対応づけられることができる。いいかえれば、プレイヤP6はプレイヤP3を手がかりとしてプレイヤP1とも対応づけられる。
【0072】
図16は、第2実施形態において、グループ要求を受信したときのゲームサーバ102の処理過程を示すフローチャートである。
ここでは、あるゲーム端末104aが、ルームID=Rxを指定してグループ要求を送信してきた状況を前提としている。
【0073】
位置管理部166は、ゲーム端末104aの位置情報を参照し、サーチ領域を設定し、このサーチ領域内に他のゲーム端末104が存在するか否かを判定する(S40)。存在するとき(S40のY)、ルーム管理部168は、他のゲーム端末104がエリアルームに所属しているか、いいかえれば、グループ要求を送信している要求中プレイヤであるか否かを判定する(S42)。要求中プレイヤであれば(S42のY)、ルーム管理部168はその要求中プレイヤがゲーム端末104aと同一のルームID=Rxにてグループ要求しているか否かを判定する(S44)。ルームIDも同一であれば(S44のY)、その要求中プレイヤに対応するエリアルームにゲーム端末104aも追加で対応づけられる(S46)。
【0074】
一方、サーチ範囲に他のゲーム端末104が存在しないとき(S40のN)、存在してもそのゲーム端末104がグループ要求を送信していないとき(S42のN)、グループ要求を送信していてもルームIDが一致しないときには(S44のN)、新たなエリアルームが開設される(S48)。
【0075】
エリアルームの開設時に制限時間が設定され、マッチングが成立したり、制限時間が経過すればエリアルームに対応するルームIDが解放される点は第1実施形態と同様である。
【0076】
以上、実施形態にもとづいてゲームシステム100を説明した。
本実施形態によれば、近くにいる友だち同士でアイコン116の選択について合意しておけば、アイコン116をワンタッチするだけで即興的にゲームグループを形成できる。マッチングが成立すれば、あるいは、制限時間が経過すればエリアルームGは解放されるため、少ないアイコン116(少ないルームID)であっても循環的に活用できる。また、同じエリアルームGに対応付けられた参加者でしか属性情報が提供されないため、無関係なプレイヤの属性情報がばらまかれることによるプライバシーの問題も解消しやすくなる。
【0077】
場所や時間、行動に応じて、アイコン116の画像を変化させてもよいし、特典情報を付与してもよい。プレイヤの行動を促すことで、購買や観光などのリアルな経済活動とゲーム端末104におけるソーシャルゲームの普及について相乗効果を期待できる。たとえば、京都、奈良、大阪にある複数の観光地や店舗が提携することによりモデル旅行コースを設定し、各ポイントで特殊なアイコン116を提供したり、特典情報を付与するといったビジネスモデルも考えられる。あるいは、大人数、たとえば、20人以上でゲームグループが形成されたときに特殊なアイコン116や特典情報を付与すれば、いっしょにゲームを楽しめるたくさんの友だちを作りたいという動機付けを提供できる。更に、個人で競い合うゲームグループに限らず、チームとしてゲームグループに参加可能な構成であってもよい。
【0078】
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【0079】
複数のゲーム端末104と1つのゲームサーバ102によりゲームシステム100が構成されるとして説明したが、ゲーム端末104の機能の一部はゲームサーバ102により実現されてもよいし、ゲームサーバ102の機能の一部がゲーム端末104により割り当てられてもよい。また、ゲーム端末104やゲームサーバ102以外の第3の装置が、機能の一部を担ってもよい。
図5,
図6において説明したゲーム端末104の各機能とゲームサーバ102の各機能の集合体は大局的には1つの「情報処理装置」として把握することも可能である。1つまたは複数のハードウェアに対して、本発明を実現するために必要な複数の機能をどのように配分するかは、各ハードウェアの処理能力やゲームシステム100に求められる仕様等に鑑みて決定されればよい。
【0080】
本実施形態においては、所定人数、たとえば、3人のプレイヤが同一のエリアルームGに対応付けられたときにマッチングが成立するとして説明したが、マッチング成立に必要な参加者人数はプレイヤが任意に設定できてもよい。また、募集中であっても、複数のプレイヤが参加しているときには、プレイヤは強制的に募集を打ち切ってもよい。このように、恣意的にマッチング条件の成否を制御してもよい。
【0081】
本実施形態においてはアイコン116とルームIDを対応付けたが、ルームIDにアイコン以外のものが対応付けられてもよい。たとえば、ゲーム端末104の画面を複数の領域、たとえば、9つの領域に分割し、各領域にルームIDを対応付け、どの領域がタッチされたかに応じてルームIDを選択してもよい。マルや三角、アルファベットなどの簡単なマークや文字(テキスト)をタッチパネルで手書き認識し、その手書き認識したマークや文字とルームIDを対応付けてもよい。また、ゲーム端末104を上下左右に振ったり、傾けたりといった動作をジャイロセンサで検出し、このような特定動作の検出信号にルームIDを対応付けてもよい。画面をタップする時間間隔や回数をルームIDに対応付けてもよい。また、特定のポーズや、校章などのマークをカメラで撮影して画像認識したものとルームIDを対応付けてもよい。また、音声によって合言葉を音声認識し、その合言葉にルームIDを対応付けてもよい。
【0082】
1つのアイコン116に1つのルームIDを対応付けるのではなく、複数のアイコン116に1つのルームIDを対応付けてもよい。たとえば、アイコン116aをタップしたあと、アイコン116bをタップしたとき、所定のルームIDを対象としたグループ要求が送信されるとしてもよい。
【0083】
エリアルームGに近距離部外者が入り込んでしまったときには、強制的にマッチング不成立としてエリアルームGを解放できてもよい。
【0084】
第1実施形態においては、同一エリアに所属し、かつ、友だちである近距離対象者だけでゲームグループを形成することを前提として説明した。また、第2実施形態においては、グループ要求を行ったゲーム端末104のサーチ範囲に所属し、かつ、友だちである近距離対象者だけでゲームグループを形成することを前提として説明した。変形例として、同一エリアやサーチ範囲、すなわち、距離にこだわらず、単に、同一のルームIDを指定した友だち同士でゲームグループを形成可能としてもよい。
【0085】
なお、以上の記載から、以下のような発明を把握することも可能である。
A1.プレイヤIDを付与されたプレイヤにより操作される複数のゲーム端末と通信ネットワークを介して接続され、
ゲーム端末から、プレイヤIDおよび位置情報を受信する位置受信部と、
前記位置情報に基づいて、プレイヤIDを複数のエリアのいずれかに対応づける位置管理部と、
ゲーム端末から、複数のルームIDの中から選択されるルームIDとプレイヤIDを含むグループ要求を受信するグループ要求受信部と、
エリアおよびルームIDの組み合わせとして表現されるエリアルームのうち、前記グループ要求を送信したゲーム端末が所属するエリアと前記グループ要求の対象となるルームIDの組み合わせとして表現されるエリアルームがすでに募集状態にあるときには前記エリアルームに前記グループ要求したゲーム端末のプレイヤIDを対応づけ、募集状態にないときには前記エリアルームに前記グループ要求したプレイヤIDを対応づけるとともに前記エリアルームを募集状態に設定するルーム管理部と、を備え、
前記ルーム管理部は、前記エリアルームにおいて複数のゲーム端末のマッチングが成立したとき、前記エリアルームに対応づけられているゲーム端末に共通のゲーム設定情報を提供することを特徴とするゲームサーバ。
【0086】
A2.ゲームサーバと通信ネットワークを介して接続され、
プレイヤIDおよび位置情報を送信する位置送信部と、
複数のルームIDに対応して複数のアイコンを画面表示させるアイコン表示部と、
前記複数のアイコンのいずれかが選択されたとき、前記選択されたアイコンに対応するルームIDを含むグループ要求を送信するグループ要求送信部と、
位置情報により特定されるエリアおよびルームIDの組み合わせとして表現されるエリアルームのうち、自端末が所属するエリアと前記グループ要求の対象となるルームIDの組み合わせとして表現されるエリアルームに固有のゲーム設定情報を受信する設定受信部と、を備えることを特徴とするゲーム端末。