特許第6705161号(P6705161)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6705161-タングプレート保持具 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6705161
(24)【登録日】2020年5月18日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】タングプレート保持具
(51)【国際特許分類】
   B60R 22/00 20060101AFI20200525BHJP
【FI】
   B60R22/00 201
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-244314(P2015-244314)
(22)【出願日】2015年12月15日
(65)【公開番号】特開2017-109554(P2017-109554A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2018年11月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】原田 忠明
(72)【発明者】
【氏名】竹尾 仁志
【審査官】 神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−049838(JP,A)
【文献】 実開昭54−178309(JP,U)
【文献】 特開平11−348726(JP,A)
【文献】 特開2007−308062(JP,A)
【文献】 特開2005−271675(JP,A)
【文献】 実開昭50−027522(JP,U)
【文献】 実開昭50−030420(JP,U)
【文献】 特開2006−044526(JP,A)
【文献】 特開2014−184791(JP,A)
【文献】 実開平05−001629(JP,U)
【文献】 実開平01−087949(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 22/00 − 22/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートベルトのタングプレートを保持するためのタングプレート保持具であって、
車室の内壁に取り付られるベース部と、
前記ベース部から前記車室側に向かって延在し、前記ベース部に対向する側に前記タングプレートが挿入可能なタングプレート挿入部を有する延在部と、
を備え、
前記タングプレート挿入部は、前記タングプレートが挿入される挿入空間を両側から囲むように前記ベース部側に延びる一対の保持部によって、前記タングプレートを前記ベース部側から弾性的に保持可能に構成され
前記一対の保持部は、先端に前記挿入空間の内側に向かって設けられた凸部をそれぞれ有し、
前記凸部は、前記タングプレートが前記タングプレート挿入部に挿入された際に、前記タングプレートが有する穴部に係合することを特徴とするタングプレート保持具。
【請求項2】
前記一対の保持部は、互いに隙間を介して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のタングプレート保持具。
【請求項3】
前記一対の保持部の少なくとも一方は、前記ベース部に対向する側に前記ベース部に向けて凸状に設けられたリブを有し、
前記リブは、前記タングプレートが前記タングプレート挿入部に挿入された際に、前記タングプレートに接続されたウェビングを前記ベース部との間に挟持することにより保持可能なウェビング保持部を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のタングプレート保持具。
【請求項4】
前記タングプレートの挿入方向の垂直断面において、前記延在部は、前記タングプレート挿入部の長手方向の一方側で前記ベース部に接続されており、他方側に前記ウェビング保持部に前記ウェビングを挿入するための開口部が形成されていることを特徴とする請求項に記載のタングプレート保持具。
【請求項5】
前記延在部は、前記他方側に前記ベース部に向けて凸状に設けられた逆鉤部を有することを特徴とする請求項に記載のタングプレート保持具。
【請求項6】
前記ベース部及び前記延在部は、弾性材料により一体形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のタングプレート保持具。
【請求項7】
前記ベース部は、前記延在部との境界領域のうち前記内壁側の表面上に凹状の切欠部を有することを特徴とする請求項に記載のタングプレート保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シートベルトのタングプレートを保持するタングプレート保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に用いられる安全装置の一つとしてシートベルトが広く普及している。シートベルトは、使用時に、ウェビング上に取り付けられたタングプレートをバックルに挿入することによりシート上に乗員等を拘束する。シートベルトが不使用時には、タングプレートがバックルから取り外されることにより開放されるが、その際に、フリーとなったタングプレートを保持するために、車室内に設けられるタングプレート保持具が知られている。
【0003】
この種のタングプレート保持具として、例えば特許文献1には、シートベルトの不使用時に、タングプレートを先端から挿入することにより保持可能な挿入穴を有する一体形成型のタングプレート保持具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−49838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のタングプレート保持具では、タングプレートが挿入される挿入穴のサイズが、保持対象のタングプレートのサイズに対応するように設定されているため、ある特定のサイズのタングプレートしか使用することができない。一般的に、異なる仕様車両において部品の共用化を進めることによってコストダウンが求められているが、タングプレート保持具についても同様の観点から、異なる仕様設計のタングプレートを保持可能なタングプレートが望まれている。
【0006】
本発明の少なくとも1実施形態は上述の問題点に鑑みなされたものであり、異なる仕様設計のタングプレートを保持可能なタングプレート保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の少なくとも1実施形態に係るタングプレート保持具は上記課題を解決するために、シートベルトのタングプレートを保持するためのタングプレート保持具であって、車室の内壁に取り付けられるベース部と、前記ベース部から前記車室側に向かって延在し、前記ベース部に対向する側に前記タングプレートが挿入可能なタングプレート挿入部を有する延在部と、を備え、前記タングプレート挿入部は、前記タングプレートが挿入される挿入空間を両側から囲むように前記ベース部側に延びる一対の保持部によって、前記タングプレートを前記ベース部側から弾性的に保持可能に構成されている。
【0008】
上記(1)の構成によれば、タングプレート挿入部に挿入されたタングプレートは、一対の保持部によって両側から安定的に保持される。ここで一対の保持部はタングプレートを弾性的に保持するため、保持部の弾性変形によって挿入空間が可変となり、異なる仕様のタングプレートに広く対応することができる。
【0009】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記一対の保持部は、互いに隙間を介して設けられている。
【0010】
上記(2)の構成によれば、一対の保持部間に隙間を設けることで、各保持部がタングプレートを保持するために弾性変形した際に、その可動領域を十分に確保できる。これにより、一対の保持部はタングプレートを保持する際に周辺構成との干渉を避けながら柔軟な弾性変形が可能となり、異なる仕様のタングプレートに広く対応できる。
【0011】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、前記一対の保持部は、先端に前記挿入空間の内側に向かって設けられた凸部をそれぞれ有し、前記凸部は、前記タングプレートが前記タングプレート挿入部に挿入された際に、前記タングプレートが有する穴部に係合する。
【0012】
上記(3)の構成によれば、タングプレート挿入部にタングプレートが挿入された際に、タングプレートに設けられた穴部に保持部の凸部が係合することで、タングプレート挿入部内にタングプレートを安定的に保持できる。
【0013】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)から(3)のいずれか1構成において、前記一対の保持部の少なくとも一方は、前記ベース部に対向する側に前記ベース部に向けて凸状に設けられたリブを有し、前記リブは、前記タングプレート挿入部に前記タングプレートが挿入された際に、前記タングプレートに接続されたウェビングを前記ベース部との間に挟持することにより保持可能なウェビング保持部を形成する。
【0014】
上記(4)の構成によれば、タングプレート挿入部を構成する保持部に設けられたリブでウェビング保持部が構成される。これにより、タングプレート保持構造の一部を利用して効率的なレイアウトでウェビング保持部を構成できる。その結果、低コストで高機能なタングプレート保持具を実現できる。
【0015】
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、前記タングプレートの挿入方向の垂直断面において、前記延在部は、前記タングプレート挿入部の長手方向の一方側で前記ベース部に接続されており、他方側に前記ウェビング保持部に前記ウェビングを挿入するための開口部が形成されている。
【0016】
上記(5)の構成によれば、上記構造を効率的なレイアウトで構成できる。
【0017】
(6)前記延在部は、前記他方側に前記ベース部に向けて凸状に設けられた逆鉤部を有する。
【0018】
上記(6)の構成によれば、ウェビング保持部にウェビングが保持された際に、逆鉤部によって側方からウェビングを規制することで、意図しない抜け出しを防止できる。
【0019】
(7)前記ベース部及び前記延在部は、弾性材料により一体形成されている。
【0020】
上記(7)の構成によれば、弾性材料で一体形成することで、低コスト化を図りつつ、上記構成を好適に実現できる。
【0021】
(8)前記ベース部は、前記延在部との境界領域のうち前記内壁側の表面上に凹状の切欠部を有する。
【0022】
上記(8)の構成によれば、タングプレート保持具にタングプレートが保持された際に応力が集中しやすい境界領域に切欠部を有することで、局所的に弾性向上を図り、当該箇所に作用する応力の影響を効果的に低減できる。また切欠部によって弾性が向上した結果、ベース部に対する延在部の可動範囲を拡大できるので、より幅広い設計のタングプレートに対応することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の少なくとも1実施形態によれば、異なる仕様設計のタングプレートを保持可能なタングプレート保持具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の少なくとも1実施形態に係るタングプレート保持具をタングプレートとともに示す斜視図である。
図2図1のタングプレート保持具がタングプレートを保持する様子を模式的に示す斜視図である。
図3図2のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。尚、以下の説明では、車室に向かう方向を厚さ方向とし、タングプレートをタングプレート保持具に挿入する方向を長さ方向として説明する。
【0026】
図1は本発明の少なくとも1実施形態に係るタングプレート保持具15をシートベルトのタングプレート100とともに示す斜視図である。図2は、図1のタングプレート保持具15がタングプレート100を保持する様子を模式的に示す斜視図である。図3は、図2のA−A断面図である。
【0027】
タングプレート保持具15は、車室内に安全装置の一つとして設けられたシートベルトが有するタングプレート100を保持するための装置である。本実施形態では、タングプレート100の一例として、3点式シートベルトに用いられるタングプレート100が示されている。タングプレート100は、樹脂製の基部101と、該基部101の先端から延出する金属製のプレート部102と、を有する。プレート部102は中央部分に略矩形状に開口された穴部103を有する。シートベルトの使用時には、タングプレート100のプレート部102がシートに着座した乗員の腰部近傍に設けられたバックルに挿入されることで、タングプレート100が取り付けられているウェビング105が乗員の上半身と腰部に掛け渡され、シート上に乗員が拘束される。一方でシートベルトの不使用時には、バックルから取り外されたタングプレート100は、車室内の所定位置に設けられたタングプレート保持具15に保持される。
【0028】
タングプレート保持具15は、車室の内壁に取り付けられるベース部1と、ベース部1から車室側に延在しベース部1に対向する側にタングプレート100が挿入可能なタングプレート挿入部3を有する延在部2と、を備える。タングプレート保持具15は例えば樹脂やゴムのような弾性材料により形成されている。本実施形態では特に、ベース部1及び延在部2が一体形成されることにより低コスト化が図られているが、これらは互いに別部材として構成されていてもよい。
【0029】
ベース部1は、タングプレート保持具15が車室の内壁に取り付けられた際に、該内壁に沿って延在する板形状を有する。ベース部1の内壁側の面上には、互いに異なる位置に2つの係止脚5、5が設けられており、車両の内壁に備わる固定手段(不図示)に係合されることで、タングプレート保持具15が車内の所定位置に固定可能に構成されている。
【0030】
延在部2は、ベース部の一端1aから車室側に向けて延びるように形成されている(説明を分かりやすくするために、ここでは便宜上、延在部2のうち、ベース部の一端1aから車室側に向かって略垂直方向に延在される部分を垂直延在部2aと称し、該垂直延在部2aから連続してベース部1に略平行に延在する部分を平行延在部2bと、称することとする)。このように、タングプレート保持具15はベース部の一端1aにおいて延在部2を片持ち支持する構造を有しており、後述するように、垂直延在部2aの幅方向反対側には、タングプレート100が取り付けえたウェビング105が出入可能な開口部7が形成されている。
【0031】
延在部2のうちベース部1に対向する側には、タングプレート100のプレート部102が挿入可能なタングプレート挿入部3が設けられている。タングプレート挿入部3は、タングプレート100が挿入される挿入空間8を両側から囲むように設けられた一対の保持部9、9を有する。一対の保持部9、9は、平行延在部2bの挿入空間8側の表面上からベース部1側に延びるように形成されており、挿入空間8に挿入されたプレート部102を両側から支持することで安定的に保持できるようになっている。
【0032】
ここで一対の保持部9、9は弾性的にプレート部102を保持するように形成されている。そのため、一対の保持部9、9の弾性変形によって挿入空間8が柔軟に可変となっているため、異なる仕様のタングプレート100に対応することができる。また、仮に外部からの振動や衝撃等を受けた場合であっても、一対の保持部9、9の弾性で吸収できるため、安定的に保持することができる。
尚、一対の保持部9、9は、プレート部102を保持する際に、プレート部102に対して少なからず押圧力を与えるように形成されることで、より安定的なプレート保持を行うようにしてもよい。
【0033】
一対の保持部9、9は、互いに隙間13を介して設けられている。隙間13は、一対の保持部9、9が弾性変形する際に、互いに干渉しない程度の大きさを有する。そのため、一対の保持部9、9が弾性変形する際に、周辺構成と干渉することなく、その可動範囲を十分確保することができる。このように弾性変形可能な一対の保持部9、9の可動範囲を広く確保することができるので、様々な仕様のタングプレート100にも対応できる。本実施形態では特に、隙間13を中心に一対の保持部9、9を対称に形成することにより、一対の保持部9、9の可動範囲が効率的に広く確保されるように構成されている。
【0034】
一対の保持部9、9には、平行延在部2b側の表面上の先端から挿入空間8の内側に向かって凸部10、10がそれぞれ設けられている。凸部10、10は、プレート部102がタングプレート挿入部3に挿入された際に、プレート部102に設けられた穴部103の係合するように形成されている。本実施形態では特に、凸部10、10は穴部103の内側に入り込むように形成されており、挿入されたプレート部102が安定的に保持されるように構成されている。
【0035】
尚、凸部10、10の大きさは、図2に示されるように、プレート部102に設けられた穴部103のサイズに対応するように設定されていてもよい。これにより、穴部103に入り込んだ凸部10、10によってプレート部102が固定的に保持されるため、外部から振動や衝撃等を受けた場合であっても、タングプレート100を安定的に保持することができる。
【0036】
尚、凸部10、10の形状は、タングプレート挿入部3にプレート部102を挿入する際に妨げとならないように、表面がなめらかに形成されていてもよい。また凸部10、10は、プレート部102がタングプレート挿入部3に挿入された際に、穴部103の内側に入りこまずに、プレート部102の表面を押圧するように接することで、タングプレート挿入部3内にプレート部102を保持してもよい。
【0037】
一対の保持部9、9のうち少なくとも一方には、一対の保持部9、9のベース部1に対向する側の表面上からベース部1に向けて凸状のリブ12が設けられている。リブ12はベース部1との間にウェビング105を保持するためのウェビング保持部11を形成しており、タングプレート挿入部3にプレート部102が挿入された際に開口部7から挿入されたウェビング105を挟持して保持する。このように保持部9に設けられたリブ12を用いてウェビング保持部11を構成することで、効率的なレイアウトでウェビング保持部11を設けることができる。その結果、製造コストを抑えつつ、高機能なタングプレート保持具15を提供できる。
尚、リブ12もまた他の構成要素と同様に弾性材料から形成されているため、ウェビング保持部11はウェビング105を適度な押圧力で弾性的に保持するように構成されている。
【0038】
本実施形態では図3に示されるように、開口部7に近い側の保持部9にリブ12が設けられている。この場合、開口部7に遠い側の保持部9にリブ12が設けられる場合と比較して、ウェビング保持部11に保持されるウェビング105の抜け出し側(すなわち開口部7に近い側)を保持することができるので、振動などによりタングプレート保持具15からウェビング105が抜け出ることをより効果的に防止できる。
【0039】
またベース部1は、延在部2との境界領域14(ベース部1の一端1aから延在部2にかけての領域)のうち内壁側の表面上に凹状の切欠部4を有する。前述したように、タングプレート保持具15はベース部1に延在部2を片持ち支持して構成されるため、延在部2の付け根近傍である境界領域14には比較的応力が集中しやすい。そこで、このように切欠部4を設けることで、局所的に弾性向上を図ることができ、当該箇所に作用する応力の影響を効果的に低減できる。また切欠部4による弾性向上の結果、ベース部1に対する延在部2の可動範囲を拡大できるので、より幅広い設計のタングプレートに対応することができる。
【0040】
尚、ベース部1は、他端1b側において延在部2に対向する面が内壁側に向かって傾斜することにより厚みが減少するように形成されている。これにより、外部から開口部7にウェビング105を挿入する際にスムーズな出し入れが可能になっている。
【0041】
また延在部の先端2cには、延在部の先端2cからベース部1側に向けて延在する凸状の逆鉤部6が設けられている。これにより、ウェビング105がウェビング保持部11に保持されている際に、ウェビング105をタングプレート保持具15内に規制することで意図しない抜け出しを防止できる。
【0042】
以上説明したように本実施形態によれば、タングプレート挿入部3に挿入されたタングプレート100は、一対の保持部9、9によって両側から安定的に保持される。ここで一対の保持部9、9はタングプレートを弾性的に保持するため、一対の保持部9、9の弾性変形によって挿入空間8が可変となり、異なる仕様のタングプレートに広く対応することができる。このようにして、異なる仕様設計のタングプレートを保持可能なタングプレート保持具15を実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の少なくとも1実施形態は、タングプレートを保持するタングプレート保持具に利用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 ベース部
2 延在部
3 タングプレート挿入部
4 切欠部
5 係止脚
6 逆鉤部
7 開口部
8 挿入空間
9 保持部
10 凸部
11 ウェビング保持部
12 リブ
13 隙間
14 境界領域
15 タングプレート保持具
100 タングプレート
101 基部
102 プレート部
103 穴部
105 ウェビング
図1
図2
図3