(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記切替制御部は、前記シートの搬送方向の長さが所定サイズ以下の場合、前記可変搬送部による前記シートの循環搬送速度を前記第2速度に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、
図1の紙面手前が正面であり、各図に示す「Fr」は「前」を示し、「Rr」は「後」を示し、「L」は「左」を示し、「R」は「右」を示し、「U」は「上」を示し、「D」は「下」を示している。また、以下の説明では、「搬送方向」または「循環搬送方向」との用語は、シートSの搬送方向を指し、「上流」および「下流」並びにこれらに類する用語は、搬送方向の「上流」および「下流」並びにこれらに類する概念を指す。
【0016】
<画像形成装置の全体構成>
図1および
図2を参照して、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成について説明する。
図1は画像形成装置1の内部構造を模式的に示す断面図である。
図2は画像形成装置1の上側の内部構造を模式的に示す断面図である。
【0017】
図1に示すように、画像形成装置1は、プリント装置1Aと、スキャン装置1Bと、を備えている。プリント装置1Aは、各インクジェットヘッド22Aからインク滴を吐出しシートSに画像を形成するインクジェット式のプリンターである。スキャン装置1Bは、プリント装置1Aの上面に配置され、原稿の画像情報を光学的に読み取る装置である。なお、スキャン装置1Bは公知の構造であるため、その詳細な説明は省略する。
【0018】
プリント装置1Aは、略直方体状の外観を構成する装置本体2を備えている。装置本体2の内部下側には、複数(例えば4つ)の給紙カセット3A〜3Dが着脱可能に設けられている。装置本体2の上下方向中央部には手差しトレイ4が設けられ、装置本体2の上部には左側排紙トレイ5と右側排紙トレイ6とが設けられている。手差しトレイ4は、装置本体2の右側面から右斜め上方に延設されている。左側排紙トレイ5は、装置本体2の左側面から左斜め上方に向けて延設されている。右側排紙トレイ6は、装置本体2の右側面(右上角部)から右斜め上方に延設されている。
【0019】
4つの給紙カセット3A〜3Dは、それぞれ、異なるサイズのシートS(の束)を収容している。なお、給紙カセット3A,3Bは、給紙カセット3C,3Dよりも多くのシートSを収容可能に形成されている。手差しトレイ4の上面には、シートS(の束)が載置される。なお、シートSは、紙製に限らず、樹脂製のフィルム等であってもよい。
【0020】
<シートの搬送経路>
図1および
図2に示すように、装置本体2の内部には、シートSを搬送する経路として、給紙搬送路10と、手差し搬送路11と、主搬送路12と、第1排紙搬送路13と、第2排紙搬送路14とが構成されている。給紙搬送路10は、4つの給紙カセット3A〜3Dとレジストローラー対30(後述する)の上流側との間に形成されている。手差し搬送路11は、手差しトレイ4から左側に延び、給紙搬送路10の下流端部に合流している。主搬送路12は、画像形成部22(後述する)の周りを囲むように環状に形成されている。第1排紙搬送路13は、主搬送路12の左側湾曲部から左側排紙トレイ5に向けて延びている。第2排紙搬送路14は、主搬送路12の右上部から右側排紙トレイ6に向けて延びている。
【0021】
主搬送路12は、第1搬送路15と、第2搬送路16と、を含んでいる。第1搬送路15は、レジストローラー対30から第1排紙搬送路13までの間に形成されている。第2搬送路16は、循環経路17と、スイッチバック経路17Aと、再搬送経路17Bと、を含んでいる。循環経路17は、第1搬送路15の下流端から上方に折り返されるように湾曲した後、第2排紙搬送路14までの間に形成されている。また、循環経路17の下流側は、上方に向けて折れ曲がっている。スイッチバック経路17Aは、第2搬送路16の下流端から下方に折り返されるように湾曲した後、左方向に延びている。再搬送経路17Bは、スイッチバック経路17Aから分岐して下方に折り返されるように湾曲し、第1搬送路15(レジストローラー対30)の上流側までの間に形成されている。以上のように、第2搬送路16は、第1搬送路15の下流端と上流端とを連通させている。なお、スイッチバック経路17Aと再搬送経路17Bとが、請求項でいう「スイッチバック部」に相当する。
【0022】
<プリント装置の構成>
図1に示すように、プリント装置1Aは、複数(例えば4つ)のカセット給紙部20と、手差し給紙部21と、画像形成部22と、第1搬送部23と、第2搬送部24と、制御装置25と、を装置本体2の内部に備えている。
【0023】
4つのカセット給紙部20は、それぞれ、給紙カセット3A〜3Dから延びる給紙搬送路10の上流端部に設けられている。各カセット給紙部20は、給紙カセット3A〜3D内のシートSを1枚ずつ分離して給紙搬送路10に送り出す。手差し給紙部21は、手差し搬送路11の上流端部に設けられている。手差し給紙部21は、手差しトレイ4上のシートSを1枚ずつ分離して手差し搬送路11に送り出す。
【0024】
画像形成部22は、シートSに画像を形成する装置である。画像形成部22は、例えば、キャリッジ(図示せず)に搭載された4つのインクジェットヘッド22Aを含んでいる。4つのインクジェットヘッド22Aは、第1搬送路15に沿って左右方向に並設されている。4つのインクジェットヘッド22Aは、それぞれ、インクタンク22Bに接続されている。4つのインクタンク22Bは、それぞれ、異なる色(イエロー、マゼンタ、ブラック、シアン)のインクを収容し、装置本体2の内部左側に配置されている。各インクジェットヘッド22Aの下面には、第1搬送路15を搬送されるシートSに向けてインク滴を吐出するための多数のノズル(図示せず)が形成されている。
【0025】
第1搬送部23は、レジストローラー対30と、印字搬送ベルト31と、乾燥搬送ベルト32と、第1デカーラー33と、を含んでいる。第1搬送部23は、第1搬送路15に配置され、画像形成部22で画像形成するシートSを第1速度で搬送する。
【0026】
図2に示すように、レジストローラー対30は、第1搬送路15の上流端部(画像形成部22よりも上流側)に設けられている。レジストローラー対30は、主搬送路12においてシートSの位置合せの基準とされている。レジストローラー対30は、従動ローラー30Aと、その上側に接触する駆動ローラー30Bと、を含んでいる。駆動ローラー30Bは、ギア列等を介して接続された駆動モーター30Cによって回転駆動される。レジストローラー対30は、搬送されるシートSを一時的に塞き止めて斜行補正を行った後に、シートSを挟持しつつ回転することでシートSを下流側に送り出す。
【0027】
印字搬送ベルト31は、第1搬送路15においてレジストローラー対30よりも下流側で、各インクジェットヘッド22Aの下面に対向して配置されている。乾燥搬送ベルト32は、第1搬送路15において印字搬送ベルト31よりも下流側に配置されている。印字搬送ベルト31および乾燥搬送ベルト32は、それぞれ、複数のローラー31A,32Aに掛け回されている。各搬送ベルト31,32は、ローラー31A,32Aにギア列等を介して接続した駆動モーター31B,32Bを駆動することで回転する(
図1の矢印参照)。図示は省略するが、各搬送ベルト31,32には、吸引装置に連通する多数の吸気孔が開口している。吸引装置を駆動すると、各搬送ベルト31,32の上面に配置されたシートSに吸気孔を介して吸引力が作用する。
【0028】
第1デカーラー33は、第1搬送路15の下流端部(乾燥搬送ベルト32よりも下流側)に設けられている。第1デカーラー33は、一対のローラーに掛け回される従動ベルト33Aに圧接する矯正ローラー33Bを含んでいる。矯正ローラー33Bは、ギア列等を介して接続された駆動モーター33Cによって回転駆動される。第1デカーラー33は、画像形成されたシートSを従動ベルト33Aと矯正ローラー33Bとの間に通すことで、そのシートSのカールを除去する。
【0029】
図1に示すように、第2搬送部24は、可変搬送部34と、第1増速搬送部35と、第2増速搬送部36と、第2デカーラー37と、反転ローラー対38と、再搬送ローラー対39と、を含んでいる。第2搬送部24は、第2搬送路16に配置され、一方の面に画像形成されたシートSを表裏反転させて画像形成部22に向けて循環搬送する。第2搬送部24は、画像形成されたシートSを主に第2速度で循環搬送する。この第2速度は、第1速度以上に設定されている。
【0030】
可変搬送部34および第1増速搬送部35は、循環経路17において左右方向(搬送方向)に並設されている。可変搬送部34は、循環経路17の湾曲した部分よりも下流側(右側)に設けられている。第1増速搬送部35は、可変搬送部34よりも下流側に設けられている。なお、詳細は後述するが、可変搬送部34および第1増速搬送部35は、それぞれ、シートSを下流側に送る複数のローラー対を含んでいる。
【0031】
図2に示すように、第2増速搬送部36は、循環経路17の下流側とスイッチバック経路17Aの上流側とに設けられる2つの第2増速ローラー対36Aを含んでいる。2つの第2増速ローラー対36Aは、それぞれ、従動ローラー36Bと駆動ローラー36Cとを含んでいる。2つの駆動ローラー36Cは、ギア列等を介して接続された1つの駆動モーター36Dによって回転駆動される。
【0032】
第2デカーラー37は、循環経路17の下流端部に設けられている。第2デカーラー37は、第1デカーラー33と略同一であって、従動ベルト37Aと、駆動モーター37Cによって回転駆動される矯正ローラー37Bと、を含んでいる。
【0033】
反転ローラー対38は、スイッチバック経路17Aの湾曲した部分よりも下流側に設けられている。反転ローラー対38は、従動ローラー38Aの下側に接触する駆動ローラー38Bを含んでいる。駆動ローラー38Bは、ギア列等を介して接続された駆動モーター38Cによって回転駆動される。再搬送ローラー対39は、再搬送経路17Bの湾曲した部分に設けられている。再搬送ローラー対39は、従動ローラー39Aの左側に接触する駆動ローラー39Bを含んでいる。駆動ローラー39Bは、ギア列等を介して接続された駆動モーター39Cによって回転駆動される。上記した2つの第2増速ローラー対36A、反転ローラー対38および再搬送ローラー対39は、シートSを挟持した状態で回転することでシートSを下流側に送り出す。
【0034】
制御装置25(
図1参照)は、画像形成装置1の各構成要素を制御する。制御装置25は、レジストローラー対30の駆動ローラー30Bの表面速度(線速)を第1速度にするように駆動モーター30Cを制御する。これと同様に、制御装置25は、各搬送ベルト31,32や第1デカーラー33の矯正ローラー33Bの表面速度を第1速度にするように各駆動モーター31B,32B,33Cを制御する。一方、制御装置25は、可変搬送部34のローラー対、第2増速搬送部36の駆動ローラー36C、第2デカーラー37の矯正ローラー37Bおよび各ローラー対38,39の各駆動ローラー38B,39Bの表面速度を、主に第2速度にするように駆動モーター36D,37C,38C,39C等を制御する。したがって、給紙搬送路10、手差し搬送路11、第1搬送路15および第1排紙搬送路13は、シートSを第1速度で搬送する区間になり、第2搬送路16および第2排紙搬送路14は、シートSを主に第2速度で搬送する区間になる。
【0035】
<画像形成装置の作用>
ここで、
図1を参照して、画像形成装置1の動作について説明する。画像形成装置1は、外部のコンピューターから送信された画像データに基づいて、制御装置25に制御され、以下のように画像形成処理を実行する。なお、説明を簡単にするため、1つの給紙カセット3Aから1枚のシートSを給紙することとする。
【0036】
カセット給紙部20は給紙カセット3A内のシートSを給紙搬送路10に送り出し、シートSは給紙搬送路10を搬送されてレジストローラー対30まで到達する。レジストローラー対30は、シートSの斜行補正を行った後、インクジェットヘッド22Aの吐出動作のタイミングに合せてシートSを第1搬送路15に送り出す。各インクジェットヘッド22Aは、印字搬送ベルト31に吸着搬送されるシートSにインクを吐出し、シートSの一方の面(表面)に画像を形成する。印字搬送ベルト31、乾燥搬送ベルト32および第1デカーラー33は、画像形成されたシートSを第1搬送路15の下流側に搬送する。そのシートSは、第1搬送路15から第1排紙搬送路13に送り出され、左側排紙トレイ5に排紙される。なお、シートS上に着弾したインクは、乾燥搬送ベルト32を通過する間に概ね乾燥する。
【0037】
なお、シートS(片面印刷)を反転して排紙する場合、各搬送部34,35、左側の第2増速ローラー対36Aおよび第2デカーラー37は、シートSを循環経路17の下流側に搬送する。そのシートSは、循環経路17から第2排紙搬送路14に送り出され、右側排紙トレイ6に排紙される。
【0038】
一方、両面印刷を行う場合、シートSは、循環経路17からスイッチバック経路17Aに進入する。右側の第2増速ローラー対36Aおよび反転ローラー対38は、シートSをスイッチバック経路17Aの下流側に搬送し、反転ローラー対38は、スイッチバック経路17Aの下流部分(直線部分)に進入したシートSを一時的に停止させる。そのシートSは、反転ローラー対38の逆回転によってスイッチバック経路17Aから再搬送経路17Bに送り出されて表裏反転される。再搬送ローラー対39は、再搬送経路17Bに送られたシートSを再び第1搬送路15に向けて送り出す。シートSはレジストローラー対30で斜行補正された後に印字搬送ベルト31上に送り出され、上記と同じ工程でシートSの他方の面(裏面)に画像が形成される。両面印刷されたシートSは、片面印刷の場合で説明したように、左側排紙トレイ5または右側排紙トレイ6に排紙される。
【0039】
ところで、画像形成装置1は、両面印刷時の生産性を向上させるために、第1搬送路15におけるシートSの搬送速度(第1速度)よりも、循環経路17等における循環搬送速度(第2速度)を向上させている。この際、シートSの円滑な搬送を担保するため、シートSの上流端(後端)が第1デカーラー33を抜けた後に第1速度から第2速度に移行(変速)することが好ましい。したがって、搬送速度の変速位置Pは、搬送方向に長い(大サイズの)シートSに合せて設定することが多かった。なお、第1デカーラー33の下流側には、シートSの後端を検知するためのセンサー(図示せず)が設けられている。搬送速度の変速位置Pが固定されている場合、搬送方向に短い(小サイズの)シートSの変速のタイミングが遅れるため、第2速度で搬送可能な距離(区間)が短くなり、両面印刷時の生産性を担保することができないことがあった。この場合、小サイズのシートSの循環搬送速度を非常に高速化することで両面印刷時の生産性を満足させることができるが、循環搬送速度の過剰な増加は、騒音の増大やシートSの斜行等の問題を招く虞があった。そこで、本実施形態に係る画像形成装置1では、シートSのサイズに応じて変速位置Pを変更する第2搬送部24を備えている。
【0040】
<第2搬送部の詳細な構成>
図2および
図3を参照して、シートSのサイズに応じて変速位置Pを変更する第2搬送部24について説明する。
図3は第2搬送部24の一部を示す斜視図である。なお、以下の説明では、正面から見て、時計回りの回転を「正転」と呼び、反時計回りの回転を「逆転」と呼ぶこととする。
【0041】
図2および
図3に示すように、第2搬送部24は、可変搬送部34と、第1増速搬送部35と、切替制御部57と、を含んでいる。可変搬送部34は、第1速度または第2速度でシートSを搬送するための機構である。第1増速搬送部35は、第2速度でシートSを搬送するための機構である。切替制御部57は、シートSの搬送方向の長さに応じて、可変搬送部34によるシートSの循環搬送速度を第1速度または第2速度に切り替えるための機構である。
【0042】
<可変搬送部の構成>
図2に示すように、可変搬送部34は、第1増速搬送部35よりも搬送方向上流側に配置されている。可変搬送部34は、定速ローラー対40(第1搬入搬送部)と、可変ローラー対43(第2搬入搬送部)と、搬入駆動部46と、を含んでいる。
【0043】
図3に示すように、定速ローラー対40は、定速従動ローラー41の上側に接触する定速搬入ローラー42を含んでいる。これと同様に、可変ローラー対43は、可変従動ローラー44の上側に接触する可変搬送ローラー45を含んでいる。各従動ローラー41,44は、従動回転軸41A,44Aに固定される複数(例えば4つ)の従動コロ41B,44Bを含んでいる。各従動回転軸41A,44Aの前後両端部は、装置本体2内の支持プレート2A,2Bに回転可能に支持されている。各搬送ローラー42,45は、駆動回転軸42A,45Aに固定される複数(例えば4つ)の駆動コロ42B,45Bを含んでいる。各駆動回転軸42A,45Aの前後両端部は、装置本体2内のフレーム(図示せず)に回転可能に支持されている。定速ローラー対40および可変ローラー対43は、それぞれ、シートSを挟持した状態で回転することでシートSを下流側に送り出す。
【0044】
搬入駆動部46は、シートSを第1増速搬送部35に向けて送る定速搬入ローラー42および可変搬送ローラー45を第1速度で回転させるための装置である。搬入駆動部46は、搬入駆動モーター47と、搬入駆動伝達部48と、を含んでいる。
【0045】
搬入駆動モーター47は、定速搬入ローラー42の後方に設けられた駆動支持プレート2Cに支持されている。搬入駆動モーター47の出力軸47Aは、駆動支持プレート2Cを貫通して前方に延びている。搬入駆動モーター47は、複数のギアを含む搬入駆動伝達部48を介して定速搬入ローラー42および可変搬送ローラー45に接続されている。
【0046】
搬入駆動伝達部48は、定速入力ギア列50と、後側入力ギア51と、前側出力ギア52と、左側中間ギア53と、前側入力ギア54と、右側中間ギア55と、を含んでいる。各ギア50〜55は、いわゆる平歯車である。定速入力ギア列50、左側中間ギア53および右側中間ギア55は、それぞれ、装置本体2内のフレーム(図示せず)に回転可能に支持されている。
【0047】
定速入力ギア列50を構成する1つのギアは、ピニオンギア(図示せず)を介して搬入駆動モーター47の出力軸47Aに噛み合っている。定速入力ギア列50は、搬入駆動モーター47の出力軸47Aの回転を後側入力ギア51に伝達する。後側入力ギア51は、定速搬入ローラー42の駆動回転軸42Aの後端部にジョイント51Aを介して取り付けられている。また、後側入力ギア51は、ワンウェイクラッチ51Bを介して駆動回転軸42Aに取り付けられている。前側出力ギア52は、駆動回転軸42Aの前端部に固定され、左側中間ギア53に噛み合っている。左側中間ギア53は、定速切替ワンウェイクラッチ53Aを介して回転軸53Bに取り付けられている。回転軸53Bには、プーリー53Cが固定されている。前側入力ギア54は、可変搬送ローラー45の駆動回転軸45Aの前端部に固定され、右側中間ギア55に噛み合っている。右側中間ギア55には、プーリー55Aが取り付けられている。プーリー53Cとプーリー55Aとの間には、タイミングベルト56が掛け回されている。
【0048】
<第1増速搬送部の構成>
図2に示すように、第1増速搬送部35は、上流側増速ローラー対60と、下流側増速ローラー対63と、増速駆動部66と、を含んでいる。
【0049】
図3に示すように、上流側増速ローラー対60は、下流側増速ローラー対63よりも上流側に配置されている。上流側増速ローラー対60は、増速従動ローラー61の上側に接触する増速搬送ローラー62を含んでいる。これと同様に、下流側増速ローラー対63は、増速従動ローラー64の上側に接触する増速搬送ローラー65を含んでいる。各従動ローラー61,64は、従動回転軸61A,64Aに固定される複数(例えば4つ)の従動コロ61B,64Bを含んでいる。各従動回転軸61A,64Aの前後両端部は、装置本体2内の支持プレート2D,2Eに回転可能に支持されている。各搬送ローラー62,65は、駆動回転軸62A,65Aに固定される複数(例えば4つ)の駆動コロ62B,65Bを含んでいる。各駆動回転軸62A,65Aの前後両端部は、装置本体2内のフレーム(図示せず)に回転可能に支持されている。定速ローラー対40および可変ローラー対43は、それぞれ、シートSを挟持した状態で回転することでシートSを下流側に送り出す。
【0050】
増速駆動部66は、シートSを下流側に送る増速搬送ローラー62,65を第2速度で回転させるための装置である。増速駆動部66は、増速駆動モーター67と、増速駆動伝達部68と、を含んでいる。
【0051】
増速駆動モーター67は、増速搬送ローラー62の後方に設けられた駆動支持プレート2Fに支持されている。増速駆動モーター67の出力軸(図示せず)は、駆動支持プレート2Fを貫通して前方に延びている。増速駆動モーター67は、複数のギアを含む増速駆動伝達部68を介して各増速搬送ローラー62,65に接続されている。
【0052】
増速駆動伝達部68は、増速入力ギア列70と、第1入力ギア71と、第2入力ギア72と、第1出力ギア73と、第2出力ギア74と、伝達ギア75と、右側中間ギア76と、後側出力ギア77と、左側中間ギア78と、を含んでいる。各ギア70〜78は、いわゆる平歯車である。増速入力ギア列70、第1入力ギア71、第2入力ギア72、伝達ギア75、右側中間ギア76および左側中間ギア78は、それぞれ、装置本体2内のフレームに回転可能に支持されている。
【0053】
増速入力ギア列70を構成する1つのギアは、ピニオンギア(図示せず)を介して増速駆動モーター67の出力軸に噛み合っている。増速入力ギア列70は、増速駆動モーター67の出力軸の回転を第1入力ギア71と第2入力ギア72とに伝達する。第1出力ギア73は、増速搬送ローラー62の駆動回転軸62Aの後端部に取り付けられ、第1入力ギア71に噛み合っている。第2出力ギア74は、第1出力ギア73の後側で駆動回転軸62Aに取り付けられ、第2入力ギア72に噛み合っている。第1出力ギア73および第2出力ギア74は、ジョイント73Aを介して駆動回転軸62Aの後端部に取り付けられている。第1出力ギア73および第2出力ギア74は、それぞれ、ワンウェイクラッチ73B,74Aを介して駆動回転軸62Aに取り付けられている。伝達ギア75は、第2入力ギア72と右側中間ギア76とに噛み合っている。右側中間ギア76には、プーリー76Aが取り付けられている。後側出力ギア77は、可変搬送ローラー45の駆動回転軸45Aの後端部にジョイント77Aを介して取り付けられている。後側出力ギア77は、第1増速切替ワンウェイクラッチ77Bを介して駆動回転軸45Aに取り付けられている。左側中間ギア78は、第2増速切替ワンウェイクラッチ78Aを介して回転軸78Bに取り付けられ、後側出力ギア77に噛み合っている。回転軸78Bには、プーリー78Cが固定されている。プーリー76Aとプーリー78Cとの間には、タイミングベルト79が掛け回されている。
【0054】
また、増速搬送ローラー62の駆動回転軸62Aの前端部には、プーリー80が固定され、増速搬送ローラー65の駆動回転軸65Aの前端部には、プーリー81が固定されている。プーリー80とプーリー81との間には、タイミングベルト82が掛け回されている。
【0055】
<切替制御部の構成>
切替制御部57は、制御装置25(
図1参照)と、定速切替ワンウェイクラッチ53A(定速切替クラッチ機構)と、第1増速切替ワンウェイクラッチ77B(増速切替クラッチ機構)と、第2増速切替ワンウェイクラッチ78A(増速切替クラッチ機構)と、を含んでいる(
図3等参照)。制御装置25は、画像形成装置1を構成する装置であるが、本実施形態では切替制御部57を構成する装置でもある。また、各ワンウェイクラッチ53A,77B,78Aは、搬入駆動伝達部48や増速駆動伝達部68を構成するギア53,78に設けられた部品であるが、本実施形態では切替制御部57を構成する部品でもある。
【0056】
制御装置25は、搬入駆動モーター47および増速駆動モーター67に電気的に接続され、各駆動モーター47,67を制御する。制御装置25は、増速駆動モーター67(の出力軸)の回転方向を制御する。定速切替ワンウェイクラッチ53Aは、左側中間ギア53に内蔵され、プーリー53Cとの連結を制御して、前側出力ギア52の逆転をプーリー53Cに伝達し、前側入力ギア54の逆転を前側出力ギア52に伝達させない(伝達を遮断する)。第1増速切替ワンウェイクラッチ77Bは、増速駆動モーター67の正転が伝達された後側出力ギア77の逆転を駆動回転軸45Aに伝達し、搬入駆動モーター47の正転が伝達された後側出力ギア77の逆転を左側中間ギア78に伝達させない。第2増速切替ワンウェイクラッチ78Aは、左側中間ギア78に内蔵され、回転軸78Bの正転を左側中間ギア78に伝達し、回転軸78Bの逆転を左側中間ギア78に伝達させない。
【0057】
<第2搬送部の作用>
次に、
図3および
図4を参照して、第2搬送部24がシートSのサイズに応じて変速位置Pを変更する作用について説明する。
図4は第2搬送部24の一部の作用を説明する斜視図である。
図3および
図4では、各ローラーや各ギア等の回転方向を矢印で示している。
【0058】
制御装置25は、例えば、外部のコンピューターから送信されたデータからシートSのサイズ情報を認識する。制御装置25は、シートSのサイズに応じて変速位置Pを変更する制御を実行する。
【0059】
例えば、制御装置25は、A4R(搬送方向長さ210mm(所定サイズ))よりも大きなシートSを認識した場合、搬入駆動モーター47(の出力軸47A)を正転させる制御を実行し、且つ増速駆動モーター67(の出力軸)を逆転させる制御を実行する。
【0060】
図3に示すように、搬入駆動モーター47の駆動力(回転力)は、定速入力ギア列50および後側入力ギア51を介して定速搬入ローラー42に伝達される。すると、定速搬入ローラー42は第1速度で逆転し、定速従動ローラー41は定速搬入ローラー42に従動して正転する。
【0061】
定速搬入ローラー42の回転力は、前側出力ギア52を介して左側中間ギア53に伝達される。定速切替ワンウェイクラッチ53Aは、左側中間ギア53の正転を回転軸53Bに伝達し、プーリー53Cを正転させる。プーリー53Cの回転力は、タイミングベルト56を介してプーリー55A(右側中間ギア55)および前側入力ギア54に伝達される。すると、可変搬送ローラー45は第1速度で逆転し、可変従動ローラー44は可変搬送ローラー45に従動して正転する。
【0062】
一方、増速駆動モーター67の駆動力(回転力)は、増速入力ギア列70を介して各ギア71,72に伝達される。すると、第1入力ギア71は正転して第1出力ギア73を逆転させ、ワンウェイクラッチ73Bは第1出力ギア73の逆転を増速搬送ローラー62に伝達する。このため、増速搬送ローラー62は第2速度で逆転し、増速従動ローラー61は増速搬送ローラー62に従動して正転する。これに対し、第2入力ギア72は、逆転して第2出力ギア74を正転させる。ワンウェイクラッチ74Aは、第2出力ギア74を空転させ、第2出力ギア74の正転を増速搬送ローラー62に伝達させない。
【0063】
増速搬送ローラー62(プーリー80)の回転力は、タイミングベルト82を介して増速搬送ローラー65(プーリー81)に伝達される。すると、増速搬送ローラー65は第2速度で逆転し、増速従動ローラー64は増速搬送ローラー65に従動して正転する。
【0064】
また、第2入力ギア72は伝達ギア75を正転させ、伝達ギア75は右側中間ギア76(プーリー76A)を逆転させる。プーリー76Aの回転力は、タイミングベルト79を介してプーリー78Cに伝達される。第2増速切替ワンウェイクラッチ78Aは、プーリー78Cの回転軸78Bを空転させ、回転軸78Bの逆転を左側中間ギア78に伝達させない(
図3の破線矢印参照)。また、第1増速切替ワンウェイクラッチ77Bは、後側出力ギア77を空転させ、駆動回転軸45Aの逆転を左側中間ギア78に伝達させない。したがって、可変搬送ローラー45(後側出力ギア77)には、増速駆動モーター67の駆動力は伝わらず、可変搬送ローラー45は、第1速度で逆転する。
【0065】
以上説明したように、制御装置25が増速駆動モーター67(の出力軸)を逆転(一方に回転)させた場合、定速ローラー対40は、第1搬送路15から搬送されてきたシートSを第1速度で搬送し、可変ローラー対43は、定速ローラー対40から搬送されてきたシートSを第1速度でシートSを搬送する。また、上流側増速ローラー対60および下流側増速ローラー対63は、可変ローラー対43から搬送されてきたシートSを第2速度で搬送する。つまり、循環経路17において、上流側増速ローラー対60を設けた位置が変速位置Pに設定される。シートSは、その後側が定速ローラー対40や可変ローラー対43に挟持された状態で、その先端部が上流側増速ローラー対60に挟持されると第2速度で搬送される。このため、シートSが定速ローラー対40や可変ローラー対43を回転させることになる。このとき、後側入力ギア51のワンウェイクラッチ51Bと後側出力ギア77の第1増速切替ワンウェイクラッチ77Bとは、第2速度で送られるシートSに追従するように定速搬入ローラー42と可変搬送ローラー45とが回転することを許容する。すなわち、第1増速切替ワンウェイクラッチ77B等の作用によって搬入駆動モーター47からの駆動力が遮断され、定速搬入ローラー42および可変搬送ローラー45がシートSとの接触によって従動回転する。これにより、シートSの搬送を阻害することなく、円滑なシートS搬送を担保することができる。
【0066】
次に、例えば、制御装置25は、A4R以下(所定サイズ以下)の小さなシートSを認識した場合、搬入駆動モーター47(の出力軸47A)と増速駆動モーター67(の出力軸)とを正転させる制御を実行する。この場合、上記した大きなシートSを認識した場合と同様に、定速搬入ローラー42は第1速度で逆転し、定速従動ローラー41は定速搬入ローラー42に従動して正転する。
【0067】
図4に示すように、増速駆動モーター67の駆動力は、増速入力ギア列70を介して各ギア71,72に伝達される。すると、第1入力ギア71は、逆転して第1出力ギア73を正転させる。ワンウェイクラッチ73Bは、第1出力ギア73を空転させ、第1出力ギア73の正転を増速搬送ローラー62に伝達させない。一方、第2入力ギア72は正転して第2出力ギア74を逆転させ、ワンウェイクラッチ74Aは第2出力ギア74の逆転を増速搬送ローラー62に伝達する。このため、増速搬送ローラー62は第2速度で逆転する。また、増速搬送ローラー62の回転力は、タイミングベルト82等を介して増速搬送ローラー65に伝達され、増速搬送ローラー65を第2速度で逆転させる。
【0068】
また、第2入力ギア72は伝達ギア75を逆転させ、伝達ギア75は右側中間ギア76(プーリー76A)を正転させる。プーリー76Aの回転力は、タイミングベルト79を介してプーリー78Cに伝達される。第2増速切替ワンウェイクラッチ78Aは、プーリー78C(回転軸78B)の正転を左側中間ギア78に伝達し、後側出力ギア77を逆転させる。また、第1増速切替ワンウェイクラッチ77Bは、後側出力ギア77の逆転を駆動回転軸45Aに伝達する。すると、可変搬送ローラー45は第2速度で逆転し、可変従動ローラー44は可変搬送ローラー45に従動して正転する。
【0069】
増速駆動モーター67の駆動力は、可変搬送ローラー45、前側入力ギア54、右側中間ギア55(プーリー55A)およびタイミングベルト56を介してプーリー53Cに伝達される。定速切替ワンウェイクラッチ53Aは、左側中間ギア53に対して相対的に回転軸53Bを空転させ(滑らせ)、プーリー53Cと左側中間ギア53との回転速度差を吸収する。これにより、定速搬入ローラー42には増速駆動モーター67の駆動力は伝わらず、定速搬入ローラー42は第1速度で逆転し、可変搬送ローラー45は第2速度で逆転する。シートSは、その後側が定速ローラー対40に挟持された状態で、その先端部が可変ローラー対43に挟持されると第2速度で搬送される。このため、シートSが定速ローラー対40を回転させることになる。このとき、後側入力ギア51のワンウェイクラッチ51B等は、第2速度で送られるシートSに追従するように定速搬入ローラー42が回転することを許容する。すなわち、ワンウェイクラッチ51B等の作用によって搬入駆動モーター47からの駆動力が遮断され、定速搬入ローラー42がシートSとの接触によって従動回転する。これにより、シートSの搬送を阻害することなく、円滑なシートS搬送を担保することができる。
【0070】
以上説明したように、制御装置25が増速駆動モーター67を正転(他方に回転)させた場合、定速ローラー対40は第1速度でシートSを搬送し、可変ローラー対43、上流側増速ローラー対60および下流側増速ローラー対63は、第2速度でシートSを搬送する。つまり、循環経路17において、可変ローラー対43を設けた位置が変速位置Pに設定される。
【0071】
以上説明した本実施形態に係る画像形成装置1によれば、切替制御部57(制御装置25、各ワンウェイクラッチ53A,78A)が可変搬送部34によるシートSの循環搬送速度をシートSのサイズに応じて切り替えることで、第1速度から第2速度に切り替わる変速位置Pを循環経路17上で変更することができる。すなわち、画像形成時の第1速度よりも増速させてシートSを循環搬送可能な距離(区間)を変更することができる。例えば、大サイズ(長い)のシートSの場合、可変搬送部34(可変ローラー対43)は第1速度でシートSを搬送し、小サイズ(短い)のシートSの場合、可変ローラー対43は第2速度でシートSを搬送する。これにより、小サイズのシートSを第2速度で搬送する距離(区間)が長く確保され、両面印刷時の生産性を高く維持することができ、且つシートSの循環搬送速度の過度な高速化を抑制することができる。
【0072】
また、本実施形態に係る画像形成装置1では、切替制御部57は、搬入駆動部46(搬入駆動モーター47)の駆動力を可変搬送ローラー45に伝達し、且つ可変搬送ローラー45に対する増速駆動部66(増速駆動モーター67)の駆動力の伝達を遮断する状態と、増速駆動モーター67の駆動力を可変搬送ローラー45に伝達し、且つ可変搬送ローラー45に対する搬入駆動モーター47の駆動伝達を遮断する状態と、を切替可能に構成されていた。この構成によれば、切替制御部57が各駆動モーター47,67の駆動力を可変搬送ローラー45に伝達/遮断する制御を行うことで、可変搬送ローラー45の回転速度が変更され、第2速度でシートSを搬送可能な区間を変更することができる。これにより、シートSを第2速度で搬送する区間をシートSの大小に対応した長さで確保することができるため、シートSの循環搬送速度を適切な範囲で高速化することができ、両面印刷時の生産性を高くすることができる。
【0073】
また、本実施形態に係る画像形成装置1では、制御装置25が増速駆動モーター67を逆転制御した場合、定速切替ワンウェイクラッチ53Aは搬入駆動モーター47の駆動力を可変搬送ローラー45に伝達し、第1および第2増速切替ワンウェイクラッチ77B,78Aは可変搬送ローラー45に対する増速駆動モーター67の駆動伝達を遮断する構成とした。さらに、制御装置25が増速駆動モーター67を正転制御した場合、第1および第2増速切替ワンウェイクラッチ77B,78Aは増速駆動モーター67の駆動力を可変搬送ローラー45に伝達し、定速切替ワンウェイクラッチ53Aは可変搬送ローラー45に対する搬入駆動モーター47の駆動伝達を遮断する構成とした。この構成によれば、制御装置25が増速駆動モーター67の回転方向を変更することで、2つのワンウェイクラッチ53A,78Aが自動的に各駆動モーター47,67の駆動力を可変搬送ローラー45に伝達/遮断する制御を行う。これにより、可変搬送ローラー45の回転速度が変更され、第2速度でシートSを搬送可能な区間を変更することができる。
【0074】
また、本実施形態に係る画像形成装置1では、搬入駆動伝達部48が1つの搬入駆動モーター47の駆動力を2つのローラー対40,43に伝達する構成とした。これと同様に、増速駆動伝達部68が1つの増速駆動モーター67の駆動力を2つのローラー対60,63に伝達する構成とした。これにより、必要最小限のモーターの数で複数のローラー対40,43,60,63を回転させることができ、製造コストを削減することができる。
【0075】
<変形例>
なお、本実施形態に係る画像形成装置1では、定速搬入ローラー42と可変搬送ローラー45とを1つの搬入駆動モーター47で駆動していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図5に示すように、変形例に係る可変搬送部34は、定速搬入ローラー42を第1速度で回転させる搬入駆動モーター47と、可変搬送ローラー45を第1速度または第2速度で回転させる可変駆動モーター90と、を含んでいてもよい。この場合、各ワンウェイクラッチ53A,78Aは省略される。増速駆動モーター67は、可変搬送ローラー45に接続されず、各増速搬送ローラー62,65を第2速度で回転させる。可変駆動モーター90は、ギア列(図示せず)を介して可変搬送ローラー45に接続される。制御装置25は、搬入駆動モーター47,90および増速駆動モーター67を駆動制御する。制御装置25(切替制御部57)は、可変駆動モーター90を制御して可変搬送ローラー45の回転速度を切り替える。すなわち、制御装置25は、大きなシートSを認識した場合に可変搬送ローラー45を第1速度で回転させるように可変駆動モーター90を制御し、小さなシートSを認識した場合に可変搬送ローラー45を第2速度で回転させるように可変駆動モーター90を制御する。この構成によれば、可変駆動モーター90(出力軸)の回転数を制御するだけで、可変搬送ローラー45の回転速度(変速位置P)を簡単に変更することができる。
【0076】
なお、本実施形態に係る画像形成装置1では、切替制御部57が制御装置25と各ワンウェイクラッチ53A,78Aで構成されていたが、本発明はこれに限定されない。図示は省略するが、例えば、搬入駆動伝達部48や増速駆動伝達部68に変速機を組み込み、制御装置25が変速機を制御することで可変搬送ローラー45の回転速度を変更するようにしてもよい。
【0077】
なお、本実施形態(変形例を含む。以下同じ。)に係る画像形成装置1では、可変搬送部34は1つの定速ローラー対40を含んでいたが、これに限らず、定速ローラー対40を省略してもよいし、2つ以上の定速ローラー対40を含んでいてもよい。また、第1増速搬送部35は、1つの下流側増速ローラー対63を含んでいたが、これに限らず、下流側増速ローラー対63を省略してもよいし、2つ以上の下流側増速ローラー対63を含んでいてもよい。
【0078】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る画像形成装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態における構成要素は、適宜、既存の構成要素等との置き換えや組み合わせが可能であって、上記実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。