特許第6705556号(P6705556)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6705556
(24)【登録日】2020年5月18日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】保管システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20200525BHJP
   H01L 21/673 20060101ALI20200525BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
   H01L21/68 T
   B65G1/04 551D
   B65G1/04 547A
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-519139(P2019-519139)
(86)(22)【出願日】2018年4月17日
(86)【国際出願番号】JP2018015894
(87)【国際公開番号】WO2018211898
(87)【国際公開日】20181122
【審査請求日】2019年9月11日
(31)【優先権主張番号】特願2017-100262(P2017-100262)
(32)【優先日】2017年5月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 靖久
【審査官】 杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/174181(WO,A1)
【文献】 特開2009−137740(JP,A)
【文献】 特開2008−056450(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0278622(US,A1)
【文献】 特開2008−247561(JP,A)
【文献】 特開2008−162778(JP,A)
【文献】 特開平10−109887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B65G 1/04
H01L 21/673
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在する複数の第1レール及び前記第1方向に直交する第2方向に延在する複数の第2レールを有し、複数の前記第1レール及び複数の前記第2レールが同一の平面上に格子状に配置されることにより、互いに隣り合う1対の前記第1レールと互いに隣り合う1対の前記第2レールとによって囲まれた領域を縦横に複数形成する走行レールと、
前記走行レールを前記第1方向及び前記第2方向のそれぞれの方向に走行する走行部、並びに、物品の保持及び昇降を行う移載部を有する台車と、
前記走行レールの下側に設けられ、前記物品が載置される保管部と、を備え、
前記走行レールは、前記第1レールと前記第2レールとの交差部分を構成する複数の交差レール部材を有し、
前記台車は、前記保管部に対し、前記物品の受け渡しを行い、
前記保管部は、互いに隣接する複数のラックユニットを有し、
複数の前記ラックユニットのそれぞれは、前記物品が載置される載置部材を含むと共に前記載置部材が前記領域の直下に位置するように設けられ、且つ、前記走行レールに対して着脱可能であり、
複数の前記交差レール部材のそれぞれに設けられた複数のブラケットを更に備え、
前記ブラケットは、前記交差レール部材の四隅にそれぞれ設けられる4個の前記ラックユニットを着脱可能であり、
複数の前記ラックユニットのそれぞれは、当該ラックユニットの四隅にそれぞれ位置する4個の前記ブラケットを介して、前記走行レールに対して着脱可能である、保管システム。
【請求項2】
複数の前記ラックユニットのそれぞれは、前記走行レールから着脱可能に吊り下げられ且つ前記載置部材を支持する支持部材を含む、請求項1に記載の保管システム。
【請求項3】
複数の前記ラックユニットのうちの少なくとも1つは、前記載置部材において前記物品が載置される複数の載置部が1列に並ぶように形成されており、複数の前記載置部が1列に並ぶ方向が前記第1方向又は前記第2方向に平行となるように設けられる、請求項2に記載の保管システム。
【請求項4】
複数の前記領域のそれぞれは、前記物品が上下方向に通過し得る大きさを有する開口領域を形成しており、
前記台車は、
前記物品を前記走行レールよりも上側で保持して走行し、
前記載置部材に対し、前記開口領域を介して前記物品の受け渡しを行う、請求項1〜3のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項5】
複数の前記支持部材のそれぞれは、前記第1レールと前記第2レールとの交差部分から吊り下げられ、
前記台車は、前記物品を前記走行レールよりも下側で保持した状態で、当該物品を複数の前記支持部材の間を通過させて走行する、請求項2又は3に記載の保管システム。
【請求項6】
前記載置部材は、互いに間隔を空けて設けられた1対の梁状部材である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の保管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、保管システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体製造工場の搬送装置に適用される保管システムとして、同一の水平面上に格子状に配置された複数のレールを有する走行レールと、走行レールを走行し且つ物品の保持及び昇降を行う台車と、走行レールの下側に配置され、物品が載置される保管部と、を備えるシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような保管システムでは、台車は、レール間に設けられた開口領域を介して、保管部に対し物品の受け渡しを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第15/174181号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような保管システムでは、走行レールの下側において、ロードポートの直上を除く領域一面に保管部が設けられている。このような構成では、保管部の設置の自由度が低い。
【0005】
そこで、本発明の一態様は、保管部の設置の自由度を向上させることができる保管システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の保管システムは、第1方向に延在する複数の第1レール及び第1方向に直交する第2方向に延在する複数の第2レールを有し、複数の第1レール及び複数の第2レールが同一の平面上に格子状に配置されることにより、互いに隣り合う1対の第1レールと互いに隣り合う1対の第2レールとによって囲まれた領域を縦横に複数形成する走行レールと、走行レールを第1方向及び第2方向のそれぞれの方向に走行する走行部、並びに、物品の保持及び昇降を行う移載部を有する台車と、走行レールの下側に設けられ、物品が載置される保管部と、を備え、台車は、保管部に対し、物品の受け渡しを行い、保管部は、互いに隣接する複数のラックユニットを有し、複数のラックユニットのそれぞれは、物品が載置される載置部材を含むと共に載置部材が領域の直下に位置するように設けられ、且つ、走行レールに対して着脱可能である。
【0007】
この保管システムでは、保管部の全体が単一のラックにより構成されている場合と比較して、保管部の設置、撤去、位置変更等の自由度を向上させることができる。
【0008】
本発明の一態様の保管システムでは、複数のラックユニットのそれぞれは、載置部材を支持する支持部材を含み、支持部材は、走行レールから着脱可能に吊り下げられていてもよい。これによれば、走行レールに対して支持部材を着脱させることで、載置部材を含むラックユニットを走行レールに対して着脱させることができる。
【0009】
本発明の一態様の保管システムでは、複数のラックユニットのうちの少なくとも1つは、載置部材において物品が載置される複数の載置部が1列に並ぶように形成されており、且つ、複数の載置部が1列に並ぶ方向が第1方向又は第2方向に平行となるように設けられていてもよい。これによれば、全てのラックユニットのそれぞれが、マトリックス状に配置された(すなわち、第1方向及び第2方向の両方向に複数列ずつ並ぶように配置された)複数の開口領域に対応するように構成されている場合と比較して、保管部の設置、撤去、位置変更等の自由度を向上させることができる。例えば、開口領域の1列分だけ保管部を取り去りたい場合に特に有効である。
【0010】
本発明の一態様の保管システムでは、複数の領域のそれぞれは、物品が上下方向に通過し得る大きさを有する開口領域を形成しており、台車は、物品を走行レールよりも上側で保持した状態で走行し、載置部材に対し、開口領域を介して物品の受け渡しを行ってもよい。これによれば、台車が開口領域を介して物品を鉛直方向に昇降させるだけで、保管部に対し物品の受け渡しを行うことができる。
【0011】
本発明の一態様の保管システムでは、複数の支持部材のそれぞれは、第1レールと第2レールとの交差部分から吊り下げられ、台車は、物品を走行レールよりも下側で保持した状態で、当該物品を複数の支持部材の間を通過させて走行してもよい。これによれば、台車が走行レールよりも下方の移載先に対し物品の受け渡しを行う際に、走行レールが物品の受け渡しの動作の妨げとなりにくいため、移載先のレイアウトの自由度を向上させることができる。また、このような構成においては、台車の走行の妨げとなりにくい位置に設けられた支持部材により、載置部材を開口領域の直下に支持することができる。
【0012】
本発明の一態様の保管システムでは、載置部材は、互いに間隔を空けて設けられた1対の梁状部材であってもよい。これによれば、1対の梁状部材に物品が載置されるため、例えば平板状の部材に物品が載置される場合と比較して、ラックユニットによって気流が妨げられることを抑制することができる。特に、この保管システムがクリーンルーム内において用いられる場合、クリーンルーム内を清浄状態に保つための上下方向の気流が妨げられることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、保管部の設置の自由度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、第1実施形態の保管システムの平面図である。
図2図2は、図1の保管システムの一部拡大図である。
図3図3は、図1の保管システムが備えるラックユニットの正面図である。
図4図4は、図3のラックユニットの底面図である。
図5図5は、図3のラックユニットの側面図である。
図6図6は、第2実施形態の保管システムが備えるラックユニットの正面図である。
図7図7は、図6のラックユニットの底面図である。
図8図8は、第2実施形態の保管システムが備える他のラックユニットの正面図である。
図9図9は、図8のラックユニットの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
[保管システムの構成]
【0016】
図1及び図2に示されるように、保管システム1は、走行レール2と、複数の台車3と、保管部4と、を備えている。保管システム1は、半導体製造工場において、複数の装置ポート8をそれぞれ備える複数の半導体処理装置10の上方に敷設されている。保管システム1は、複数の半導体ウェハが収容されたFOUP(Front Opening Unified Pod)9を一時的に保管する。より具体的には、保管システム1では、走行レール2を走行する台車3によって、保管部4と装置ポート8との間でFOUP9が搬送され、保管部4によってFOUP9(装置ポート8に供給する前のFOUP9、装置ポート8から回収した後のFOUP9)が一時的に保管される。なお、保管システム1に対しては、例えばOHT(Overhead Hoist Transfer)によってFOUP9が搬入され又は搬出される。OHTは、保管システム1と半導体製造工場の天井との間に敷設された軌道に沿って走行する。
【0017】
各半導体処理装置10は、走行レール2の下側において、複数列(図1では第1方向D1に沿って2列)に並んで配置されている。各半導体処理装置10は、互いに隣り合う一対の列同士で装置ポート8が互いに対面する向きに配置されている。台車3によって半導体処理装置10の装置ポート8にFOUP9が供給されると、当該FOUP9に収容された半導体ウェハが半導体処理装置10に取り込まれる。そして、当該半導体ウェハは、半導体処理装置10において所定の処理を施された後に、再びFOUP9に収容される。これにより、FOUP9は、台車3によって回収及び搬送可能な状態となる。
【0018】
走行レール2は、複数の第1レール21と、複数の第2レール22と、を有している。各第1レール21は、第1方向D1に直線状に延在しており、互いに隣り合う第1レール21間には、所定間隔が設けられている。各第2レール22は、第1方向D1に直交する第2方向D2に直線状に延在しており、互いに隣り合う第2レール22間には、所定間隔が設けられている。複数の第1レール21及び複数の第2レール22は、同一の水平面上に格子状に配置されている。
【0019】
図1図2及び図3に示されるように、台車3は、走行部31と、移載部32と、突出部33と、を有している。走行部31は、互いに隣り合う1対の第1レール21に沿って第1方向D1に走行可能であると共に、互いに隣り合う1対の第2レール22に沿って第2方向D2に走行可能である。走行部31は、本体部37、4個の車輪36及び車輪支持アーム38を含んでいる。各車輪36は、本体部37から下方に突出するように設けられた車輪支持アーム38に回転可能に支持されており、走行レール2の踏面24a上を転動する。
【0020】
移載部32は、FOUP9のフランジ部9aを保持する保持部32aと、保持部32aを吊り下げるベルト32bと、ベルト32bの巻き上げ、巻き下ろしを行うことによって保持部32aを昇降させる昇降駆動部32cと、昇降駆動部32cを鉛直方向(第1方向D1及び第2方向D2のそれぞれに垂直な方向)回りに回転させるθ回転機構32dと、を含んでいる。なお、図3には、移載部32によって保管部4に対しFOUP9が受け渡される途中の状態が示されている。
【0021】
突出部33は、走行部31から第1方向D1及び第2方向D2のそれぞれの方向に移載部32を突出させる。一例として、突出部33は旋回機構33aを含んで構成される。旋回機構33aの基端部が走行部31に回転可能に取り付けられており、移載部32が旋回機構33aの先端部に取り付けられている。
【0022】
走行レール2には、複数の矩形状(すなわち、升目状)の領域が設けられている。各矩形状の領域は、互いに隣り合う1対の第1レール21と互いに隣り合う1対の第2レール22とによって囲まれた領域であり、縦横に複数形成されている。ここで、「縦横に」とは、第1方向D1及び第2方向D2のそれぞれに、ということを意味し、「矩形状の領域が、縦横に複数形成されている」とは、矩形状の領域が、第1方向D1及び第2方向D2のそれぞれに複数並ぶマトリックス状に形成されていることを意味する。各矩形状の領域は、FOUP9が上下方向に通過可能な大きさを有する開口領域を形成している。
【0023】
台車3は、移載部32の保持部32aによってFOUP9を走行レール2よりも上側で保持した状態で、走行部31によって走行する。また、台車3は、移載部32によって、保管部4に対し所定の開口領域を介してFOUP9の受け渡しを行う。
【0024】
複数の開口領域のうち、第1開口領域(開口領域)2aは、装置ポート8の直上に位置する領域である。複数の開口領域のうち、第2開口領域(開口領域)2bは、台車3が第1開口領域2a上に移載部32を位置させた状態で、第1開口領域2aを介して装置ポート8に対しFOUP9の受け渡しを行う際の、走行部31の停止位置の直下に位置する領域である。複数の開口領域のうち、第3開口領域(開口領域)2cは、第1開口領域2a及び第2開口領域2b以外の領域である。
【0025】
複数の装置ポート8の上側且つ走行レール2の下側の領域は、非保管領域5と保管領域6とに分類される。非保管領域5は、各第1開口領域2a及び当該第1開口領域2aを取り囲むように当該第1開口領域2aに隣接して設けられた各領域によってそれぞれ構成される複数の区画と、第3開口領域2cのうち各区画の間に位置する(介在する)領域と、の直下の領域である。ここで、「各区画の間に位置する領域」とは、複数の区画のうちの2つの区画によって構成される組み合わせの全てのうち、少なくとも1つの組み合わせを構成する2つの区画の間に位置する領域を、全て足し合わせた領域を意味する。換言すると、非保管領域5は、各区画の外縁のうち他の区画と対面しない側の外縁のそれぞれを繋いだ線に対して、各区画が位置する側の領域である。保管領域6は、非保管領域5を除く領域であり、その直上には複数の第3開口領域2cが設けられている。換言すると、保管領域6は、各区画の外縁のうち他の区画と対面しない側の外縁のそれぞれを繋いだ線に対して、各区画が位置しない側の領域である。
【0026】
保管部4は、第3開口領域2cのうち、第1開口領域2aを取り囲むように当該第1開口領域2aに隣接して設けられた全ての領域の直下に設けられていない。なお、保管部4は、非保管領域5には設けられていなくてもよく、この場合、装置ポート8の周辺の走行レール2において、台車3による交通渋滞の発生を抑制することが可能となる。
【0027】
保管部4は、互いに隣接する複数のラックユニット40が組み合わされることで構成されている。各ラックユニット40は、FOUP9が載置されるための載置部材51を有しており(詳しくは後述)、互いに隣り合う1対の第1レール21と互いに隣り合う1対の第2レール22とによって囲まれた領域(開口領域)の直下に載置部材51が位置するように設けられている。各ラックユニット40は、1本の第1レール21又は第2レール22に隣接してその両側に並んで設けられた複数の第3開口領域2cに対応して取り付けられている。各載置部材51には、FOUP9が載置される部分である載置部50が複数形成されている。複数のラックユニット40のうちの少なくとも1つは、載置部材51において複数の載置部50が1列に並ぶように形成され、複数の載置部50が1列に並ぶ方向が第1方向D1又は第2方向D2に平行となるように設けられている。つまり、各ラックユニット40は、第1方向D1又は第2方向D2のいずれかの方向に1列に並ぶ複数の第3開口領域2cに対応している。各ラックユニット40に対しては、対応する複数の第3開口領域2cのそれぞれを介してFOUP9の受け渡しが行われる。一例として、保管システム1では、各ラックユニット40は、第2方向D2に1列に並ぶ3個の第3開口領域2cに対応している。
【0028】
第1開口領域2aは、第1レール21及び第2レール22の少なくとも一方が部分的に間引かれることで形成されている。各第1開口領域2aは、複数の第2開口領域2b及び第3開口領域2cに対応する大きさを有している。一例として、保管システム1では、第1開口領域2aは、第1方向D1に1列に並ぶ複数の装置ポート8の直上の領域である。
[走行レール及びラックユニットの構成]
【0029】
図3図4及び図5に示されるように、第1レール21は、ウェブ部23が縦になるように配置されたH形鋼材によって形成されている。ウェブ部23の下端に設けられたフランジ部24の上面は、台車3の走行部31が有する4個の車輪36の踏面24aである。第2レール22は、第1レール21と同様の構成を有している。走行部31が第2開口領域2b又は第3開口領域2cの直上に位置する場合、4個の車輪36は、第2方向D2において互いに向かい合う1対の踏面24a(第1レール21の踏面24a)と第1方向D1において互いに向かい合う1対の踏面24a(第2レール22の踏面24a)とで形成される4個所の交差部分に位置する。走行部31は、4個の車輪36が4個所の交差部分に位置する際に一斉に方向転換を行うことで、第1方向D1と第2方向D2との間で方向転換を行う。
【0030】
ラックユニット40は、載置部材51と、複数の支持部材42と、複数の補強部材43と、を有している。上述したように、載置部材51は、FOUP9が載置されるための部材である。載置部材51は、例えば、互いに間隔を開けて設けられた1対の梁状部材41である。1対の梁状部材41は、第1方向D1又は第2方向D2のいずれかの方向に1列に並ぶ複数の第3開口領域2cの下側において、当該方向に延在している。1対の梁状部材41は、同一の水平面上に互いに平行に配置されている。つまり、1対の梁状部材41は、水平に並設されている。
【0031】
各支持部材42は、載置部材51を支持するための部材である。各支持部材42は、1対の梁状部材41のそれぞれの両端部から上側に延在している。各支持部材42の上端部は、第1レール21又は第2レール22に着脱可能に取り付けられている。換言すると、各支持部材42は、走行レール2から着脱可能に吊り下げられている。つまり、ラックユニット40は、第3開口領域2cの下側において走行レール2から吊り下げられており、走行レール2に対して着脱可能である。一例として、保管システム1では、1対の梁状部材41は、第2方向D2に1列に並ぶ3個の第3開口領域2cの下側において、第2方向D2に延在しており、各支持部材42の上端部は、第1レール21に着脱可能に取り付けられている。
【0032】
複数の補強部材43は、1対の梁状部材41のそれぞれにおける同じ側の端部に接続された1対の支持部材42同士を、それらの下端部同士において互いに連結している。これにより、各支持部材42の姿勢の変化が抑制される。
【0033】
第1レール21又は第2レール22に対するラックユニット40の取付構造について、より具体的に説明する。第1レール21及び第2レール22のそれぞれのフランジ部24の下面には、複数のブラケット25がボルト等で着脱可能に固定されている。複数のブラケット25は、第3開口領域2cに対応するピッチで配置されている。第1レール21に設けられた各ブラケット25には、第2方向D2に延在する1対の梁状部材41を有し且つ第2方向D2において互いに隣接する一対のラックユニット40のうち、一方側のラックユニット40における他方側の支持部材42の上端部、及び他方側のラックユニット40における一方側の支持部材42の上端部が、ボルトによって取り付け可能である。第2レール22に設けられた各ブラケット25には、第1方向D1に延在する1対の梁状部材41を有し且つ第1方向D1において互いに隣接する一対のラックユニット40のうち、一方側のラックユニット40における他方側の支持部材42の上端部、及び他方側のラックユニット40における一方側の支持部材42の上端部が、ボルトによって取り付け可能である。よって、上記構成により、第1レール21及び第2レール22のそれぞれのフランジ部24の下面に対してブラケット25を着脱することで、ラックユニット40を当該フランジ部24に対して着脱することができる。
[ラックユニットの載置面の位置関係]
【0034】
図3図4及び図5に示されるように、ラックユニット40が有する1対の梁状部材41には、当該ラックユニット40が対応する複数の第3開口領域2cのそれぞれを介して、複数のFOUP9が載置される。梁状部材41等の載置部材51には、FOUP9が載置される部分である載置部50が形成されており、その載置部50の上面が載置面40aとされている。したがって、鉛直方向から見た場合に、載置面40aに載置されたFOUP9は、第3開口領域2c内に位置する。1対の梁状部材41の上面には、各FOUP9をラックユニット40に対して位置決めするための複数(ここでは、3個)の位置決めピン(位置決め部)44が設けられている。位置決めピン44は、キネマピンとも称され、FOUP9の底面に設けられた凹部に嵌まることで各FOUP9のラックユニット40に対する移動を規制する。
【0035】
ラックユニット40は、水平方向から見た場合に、載置面40aに載置されたFOUP9が第1レール21及び第2レール22と重なるように、構成されている。載置面40aと第1レール21との間の空間、及び載置面40aと第2レール22との間の空間は、それぞれ、FOUP9が通過し得ない大きさを有している。また、ラックユニット40は、載置面40aに載置されたFOUP9の上端がその直上を走行する台車3の走行部31が有する本体部37の下端よりも下側に位置するように、構成されている。更に、ラックユニット40は、載置面40aに載置されたFOUP9の上端が走行レール2の踏面24aよりも上側に位置するように、構成されている。
[保管システムにおける台車の動作例]
【0036】
図2に示されるように、走行レール2には、第1停止領域20a及び第2停止領域(隣接領域)20bが設定されている。第1停止領域20aは、走行レール2のうち、保管領域6の直上の複数の第3開口領域2cに対応する部分である。第2停止領域20bは、走行レール2のうち、非保管領域5において複数の第1開口領域2aのそれぞれに隣接する複数の第2開口領域2bに対応する部分である。このように、第1停止領域20aと第2停止領域20bとは、重なっていない。
【0037】
また、第1停止領域20aの下側には、保管部4が設けられているが、第2停止領域20bの下側には、保管部4が設けられていない。第2開口領域2bの下側(例えば、直下の領域)には、吊り下げられるように走行レール2に対して取り付けられた作業用の足場7が設けられている。
【0038】
一例として、保管システム1では、第1開口領域2aは、第1方向D1に延在しており、第2停止領域20bは、第2方向D2における第1開口領域2aの両側において第1方向D1に1列に並ぶ複数の第2開口領域2bに対応する部分である。そして、台車3は、走行部31から第1方向D1に移載部32を突出させた状態で、第1方向D1及び第2方向D2のそれぞれの方向に走行する。以下、この場合における台車3の動作例について説明する。
【0039】
所定のラックユニット40に対し、所定の第3開口領域2cを介してFOUP9の受け渡しを行う場合には、走行部31から第1方向D1に移載部32を突出させた状態で、移載部32が当該所定の第3開口領域2c上に位置するように、走行部31が第1停止領域20aに停止する。その状態で、台車3は、移載部32の保持部32aを昇降させることで、所定のラックユニット40に対し、所定の第3開口領域2cを介してFOUP9の受け渡しを行う。
【0040】
この場合において、走行部31が第2停止領域20bに停止した状態では、台車3は、ラックユニット40に対し第3開口領域2cを介してFOUP9の受け渡しを行わない。換言すると、台車3が第3開口領域2c上に移載部32を位置させた状態で、第3開口領域2cを介してラックユニット40に対しFOUP9の受け渡しを行う際の走行部31の停止位置は、第2開口領域2bの直上を除く位置に定められている。
【0041】
また、台車3は、所定のラックユニット40に対し、以下のようにして所定の第3開口領域2cを介してFOUP9の受け渡しを行ってもよい。すなわち、台車3は、保管領域6において互いに隣接する一対の第3開口領域2cのうち、一方の第3開口領域2cに対応する部分に走行部31を停止させ、他方の第3開口領域2c上に移載部32を位置させる。この状態で、台車3は、所定のラックユニット40に対し、他方の第3開口領域2cを介してFOUP9の受け渡しを行ってもよい。
【0042】
なお、台車3は、第1開口領域2a及び第2開口領域2bを介しては、ラックユニット40に対しFOUP9の受け渡しを行わない。
【0043】
所定の装置ポート8に対し、所定の第1開口領域2aを介してFOUP9の受け渡しを行う場合には、走行部31から第2方向D2に移載部32を突出させた状態で、当該装置ポート8の直上の当該第1開口領域2a上に移載部32が位置するように、第2停止領域20bに対応する部分に走行部31が停止する。その状態で、台車3は、移載部32の保持部32aを昇降させることで、当該第1開口領域2aを介して、当該装置ポート8に対しFOUP9の受け渡しを行う。なお、第1開口領域2aにおいて、複数の第1レール21及び複数の第2レール22によって構成された格子に対応する部分からずれた部分の直下に装置ポート8が位置している場合(すなわち、互いに隣接した2つの格子に対応する各部分に亘る部分の直下に装置ポート8が位置している場合)、第2開口領域2bにおいて、格子に対応する部分からずれた部分に走行部31が停止し(すなわち、互いに隣接した2つの格子に対応する各部分に亘る部分に走行部31が停止し)、その状態で、台車3は、当該装置ポート8に対しFOUP9の受け渡しを行ってもよい。
[作用及び効果]
【0044】
以上説明したように、保管システム1では、保管部4を構成する各ラックユニット40は、FOUP9が載置される載置部材51としての梁状部材41が第3開口領域2cの直下に位置するように設けられている。このため、複数のラックユニット40を適宜組み合わせて所望の形状の保管部4を構成することが可能となり、保管部4の全体が単一のラックにより構成されている場合と比較して、保管部4の設置の自由度を向上させることができる。
【0045】
保管システム1では、各ラックユニットは、載置部材51を支持する支持部材42を含み、支持部材42は、走行レール2から着脱可能に吊り下げられている。このため、載置部材51を適切な高さに容易に配置することができる。
【0046】
保管システム1では、複数のラックユニット40のうちの少なくとも1つは、載置部材51においてFOUP9が載置される複数の載置部50が1列に並ぶように形成されており、且つ、複数の載置部50が1列に並ぶ方向が第1方向D1又は第2方向D2に平行となるように設けられている。このため、全てのラックユニット40のそれぞれが、マトリックス状に配置された(すなわち、第1方向D1及び第2方向D2の両方向に複数列ずつ並ぶように配置された)複数の第3開口領域2cに対応するように構成されている場合と比較して、保管部4の設置の自由度が低下することを抑制することができる。例えば、第3開口領域2cの1列分だけラックユニット40を取り去りたい場合に特に有効である。
【0047】
保管システム1では、互いに隣り合う1対の第1レール21と互いに隣り合う1対の第2レール22とによって囲まれた各領域は、FOUP9が上下方向に通過し得る大きさを有する開口領域を形成しており、台車3は、FOUP9を走行レール2よりも上側で保持した状態で走行し、載置部材51に対し、第3開口領域2cを介してFOUP9の受け渡しを行う。このため、台車3が走行レール2の上側を走行するものである場合にも、保管部4の設置の自由度を向上させるという作用及び効果を好適に奏することができる。
【0048】
後述する第2実施形態に示されるように、台車3AがFOUP9を走行レール2Aよりも下側で保持した状態で走行する保管システム1Aでは、走行レール2AにスリットS1,S2を形成する必要がある(図6及び図7参照)。一方、第1実施形態に示されるように、台車3がFOUP9を走行レール2よりも上側で保持した状態で走行する保管システム1では、走行レール2にスリットを設ける必要がなく、台車3の走行時に各車輪36がスリットに落ち込むことがない。このため、第2実施形態の保管システム1Aと比較して、台車3の走行時における振動を抑制することができる。
【0049】
保管システム1では、載置部材51は、互いに間隔を空けて設けられた1対の梁状部材41である。このため、1対の梁状部材41にFOUP9が載置されるため、例えば平板状の部材にFOUP9が載置される場合と比較して、ラックユニット40によって気流が妨げられることを抑制することができる。特に、この保管システム1がクリーンルーム内において用いられる場合、クリーンルーム内を清浄状態に保つための上下方向の気流が妨げられることを抑制することができる。
[第2実施形態]
[保管システムの構成]
【0050】
図6及び図7に示されるように、保管システム1Aは、走行レール2A、台車3A及びラックユニット40Aの構成において、上述した保管システム1と主に相違している。走行レール2Aは、複数の第1レール部材61と、複数の第2レール部材62と、複数の交差レール部材63と、を有している。各第1レール部材61は、第1方向D1に直線状に延在している。各第1レール部材61は、第1方向D1に沿って所定間隔で複数配置された列を複数形成している。これらの第1レール部材61の各列は、第2方向D2に並んでいる。各第2レール部材62は、第2方向D2に直線状に延在している。各第2レール部材62は、第2方向D2に沿って所定間隔で複数配置された列を複数形成している。これらの第2レール部材62の各列は、第1方向D1に並んでいる。第1レール部材61の列における互いに隣り合う第1レール部材61同士の間の隙間と、第2レール部材62の列における互いに隣り合う第2レール部材62同士の間の隙間とは、共通している。
【0051】
各交差レール部材63は、第1レール部材61の列における互いに隣り合う第1レール部材61同士の間の隙間(すなわち、第2レール部材62の列における互いに隣り合う第2レール部材62同士の間の隙間)に配置されている。第1方向D1において、各交差レール部材63とその両側の各第1レール部材61の端部との間には、スリット(空隙)S1が形成されている。第2方向D2において、各交差レール部材63とその両側の各第2レール部材62の端部との間には、スリット(空隙)S2が形成されている。スリットS1,S2は、台車3Aの各車輪36の直径に対して十分に小さい幅を有するように形成されている。第1レール部材61、第2レール部材62及び交差レール部材63のそれぞれは、例えば天井から吊り下げられている。
【0052】
第1方向D1に沿って配置された複数の第1レール部材61及び複数の交差レール部材63は、第1レール21Aを構成している。第2方向D2に沿って配置された複数の第2レール部材62及び複数の交差レール部材63は、第2レール22Aを構成している。つまり、交差レール部材63は、第1レール21Aと第2レール22Aとを兼ねており、第1レール21Aと第2レール22Aとの交差部分を構成している。走行レール2Aは、互いに隣り合う1対の第1レール21Aと互いに隣り合う1対の第2レール22Aとによって囲まれた領域を縦横に複数形成している。
【0053】
台車3Aは、走行部31A及び移載部32を有している。走行部31Aは、本体部37A、4個の車輪36A及び車輪支持アーム38Aを含んでいる。各車輪36Aは、本体部37Aから上方に突出するように設けられた車輪支持アーム38Aに回転可能に支持されており、走行レール2Aの踏面24a上を転動する。つまり、本体部37A及び移載部32は、走行レール2A上に位置する各車輪36Aから、車輪支持アーム38Aを介して、走行レール2Aよりも下側に吊り下げられている。なお、移載部32については、第1実施形態の台車3が有する移載部32と同様に構成されているため、ここでは説明を省略する。
【0054】
各ラックユニット40Aは、載置部材51Aと、2対の支持部材42Aと、各対の支持部材42Aの下端部同士を接続する2個の接続部材43Aと、を有している。図6及び図7に示されるラックユニット40Aは、互いに隣り合う1対の第1レール21Aと互いに隣り合う1対の第2レール22Aとによって囲まれた領域の1つに対応するように構成されている。
【0055】
載置部材51Aは、その上面にFOUP9が載置された状態において、当該FOUP9と干渉せずに当該FOUP9の上方を台車3Aが走行可能な高さに設けられている。載置部材51Aは、2個の接続部材43Aの間に掛け渡された1対の梁状部材41Aである。梁状部材41Aの載置部50Aの上面には、複数(ここでは、3個)の位置決めピン44Aが設けられている。
【0056】
各支持部材42Aは、交差レール部材63から着脱可能に吊り下げられている。支持部材42Aは、1個の交差レール部材63に対して例えば4個ずつ設けられ、これらの各支持部材42Aは、当該交差レール部材63の四方に設けられる各ラックユニット40Aの載置部材51Aをそれぞれ支持する。一例として、交差レール部材63の下側には、ブラケット65が設けられている。ブラケット65には、各支持部材42Aの上端部に対応する位置に貫通孔が形成されている。各支持部材42Aの上端部には、軸心方向にねじ孔が形成されている。ブラケット65における各貫通孔に挿通されたボルト66が各支持部材42Aにおけるねじ孔に締着されることで、各ラックユニット40Aが交差レール部材63に対して固定される。各ボルト66が貫通孔から取り外されることで、各ラックユニット40Aが交差レール部材63から取り外される。なお、ラックユニット40Aを走行レール2Aに対して着脱可能とする構成は上記に限定されない。例えば、ブラケット65に被係止部が、各支持部材42Aの上端部に係止部がそれぞれ設けられており、各支持部材42Aがブラケット65に対して係止されるといった簡単な構成により、ラックユニット40Aが走行レール2Aに取り付けられるものであってもよい。或いは、交差レール部材63に被係止部が設けられ、各支持部材42Aが交差レール部材63に対して直接係止されるものであってもよい。また、同一の交差レール部材63に設けられた複数の支持部材42Aは、複数のラックユニット40Aに共用されてもよい。
【0057】
なお、図8及び図9に示されるように、ラックユニット40Aは、互いに隣り合う1対の第1レール21Aと互いに隣り合う1対の第2レール22Aとによって囲まれた領域が複数個並んだ領域に対応するように構成されていてもよい。例えば、ラックユニット40Aは、第1方向D1又は第2方向D2のいずれかの方向に1列に並ぶ複数の上記領域に対応するように構成されていてもよい。一例として、図8及び図9に示されるラックユニット40Aは、第2方向D2に1列に並ぶ2個の上記領域に対応するように構成されている。
[台車の動作]
【0058】
以上のように構成された保管システム1Aにおいては、図6に示されるように、台車3Aは、移載部32によって、FOUP9を走行レール2Aよりも下側で保持した状態で、走行部31Aによって、当該FOUP9を複数の支持部材42Aの間を通過させて走行する。このとき、スリットS1,S2は台車3Aの各車輪36Aの直径に対して十分に小さい幅を有するように形成されているため、台車3Aが第1方向D1に走行する場合において各車輪36AはスリットS1上を通過することが可能であり、台車3Aが第2方向D2に走行する場合において各車輪36AはスリットS2上を通過することが可能である。
【0059】
また、各車輪36Aが交差レール部材63を第1方向D1に通過する場合には、当該車輪36Aを支持する車輪支持アーム38AはスリットS2を通り、一方、各車輪36Aが交差レール部材63を第2方向D2に通過する場合には、当該車輪36Aを支持する車輪支持アーム38AはスリットS1を通る。したがって、台車3Aは、走行レール2Aと干渉することなく走行レール2Aを走行することができる。
【0060】
また、各支持部材42Aは交差レール部材63から吊り下げられており、且つ、台車3Aは交差レール部材63の直下を走行しないことから、各支持部材42Aと台車3Aとは干渉しない。したがって、台車3Aは、ラックユニット40Aと干渉することなく走行レール2Aを走行することができる。
【0061】
なお、台車3Aは、移載部32が走行レール2Aよりも下側に位置しているため、互いに隣り合う1対の第1レール21Aと互いに隣り合う1対の第2レール22Aとによって囲まれた領域を通過させずに、ラックユニット40Aに対しFOUP9の受け渡しを行う。
[作用及び効果]
【0062】
以上説明したように、保管システム1Aでは、各支持部材42Aは、第1レール21Aと第2レール22Aとの交差部分である交差レール部材63から吊り下げられている。そして、台車3Aは、FOUP9を走行レール2Aよりも下側で保持した状態で、当該FOUP9を複数の支持部材42Aの間を通過させて走行する。このため、台車3Aが走行レール2Aの下側を走行するものである場合にも、保管部4の設置の自由度を向上させるという作用及び効果を好適に奏することができる。
【0063】
上述した第1実施形態に示されるように、台車3がFOUP9を走行レール2よりも上側で保持した状態で走行する保管システム1では、半導体製造工場の天井と走行レール2との間に、台車3に保持されたFOUP9が移動することができる程度の上下方向の空間を確保する必要がある(図3参照)。一方、第2実施形態に示されるように、台車3AがFOUP9を走行レール2Aよりも下側で保持した状態で走行する保管システム1Aでは、このような空間を確保する必要がなく、第1実施形態の保管システム1と比較して、走行レール2Aを半導体製造工場の天井に近い位置に設置することができる。すなわち、第1実施形態の走行レール2よりも高い位置に走行レール2Aを設置することができる。これにより、走行レール2Aにおいてラックユニット40Aが設けられていない位置については、比較的背の高い半導体処理装置10(例えば、第1実施形態の走行レール2の設置される高さよりも背の高い半導体処理装置10)を走行レール2Aの下方に設置することができる。
【0064】
また、上述した第1実施形態に示されるように、保管システム1では、台車3が走行レール2よりも下方の装置ポート8に対しFOUP9の受け渡しを行うためには、FOUP9を走行レール2に形成された第1開口領域2aを通過させる必要がある。このため、走行レール2における第1開口領域2aの位置を、その下方に配置される装置ポート8のレイアウトに合わせなければならないという制約がある。一方、第2実施形態の保管システム1Aでは、このような制約がないため、走行レール2Aの下方に配置される装置ポート8のレイアウトによらず、走行レール2Aを自由に設置することができる。換言すると、走行レール2Aの下方に配置される装置ポート8のレイアウトの自由度を向上させることができる。
[変形例]
【0065】
以上、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について説明したが、本発明は、上記第1実施形態及び第2実施形態に限定されない。例えば、第1実施形態において、各ラックユニット40は、少なくとも1つの第3開口領域2cに対応するように構成されていればよく、全てのラックユニット40のそれぞれが1つの第3開口領域2cに対応するように構成されていてもよい。つまり、各載置部材51には、FOUP9が載置される部分である載置部50が1つだけ形成されていてもよい。
【0066】
また、第1実施形態において、複数のラックユニット40のうちの少なくとも1つが複数の第3開口領域2cに対応するように構成されている場合には、いずれのラックユニット40も、第1方向D1又は第2方向D2に1列に並ぶ複数の第3開口領域2cに対応するように構成されていなくてもよい。つまり、1個の走行レール2に対して設けられた複数のラックユニット40のうちの少なくとも1つが複数の第3開口領域2cに対応するように構成されていれば、これら複数の第3開口領域2cに対応するように構成された全てのラックユニット40のそれぞれが、第1方向D1及び第2方向D2にm×n(m,nは2以上の整数)でマトリックス状に配列された複数の第1開口領域2aに対応するように構成されていてもよい。その場合、m=nであってもよいし、m<n又はm>nであってもよい。なお、1個の走行レール2とは、各台車3がその走行部31によって単独で走行可能な範囲を構成する走行レール2を意味する。
【0067】
また、第1実施形態及び第2実施形態において、複数の第1レール21,21A及び複数の第2レール22,22Aは、同一の水平面上に限らず、例えば、傾斜した同一の平面上に配置されていてもよい。また、保管システム1,1Aは、台車3,3Aを複数有していなくてもよく、1台だけ有していてもよい。
【0068】
また、第1実施形態において、台車3の突出部33は、走行部31から第1方向D1又は第2方向D2のいずれかの方向に移載部32を突出させるものであってもよい。つまり、突出部33は、走行部31から第1方向D1及び第2方向D2の少なくとも一方向に移載部32を突出させるものであればよい。例えば、突出部33は、移載部32を進退させるスライド機構を含み、このスライド機構により、走行部31から第1方向D1又は第2方向D2のいずれかの方向に移載部32を突出させてもよく、或いは、突出部33は、走行部31から水平方向に延びるアームを走行部31上の中心軸回りに回動させて、当該アームの先端側で保持した移載部32を旋回させるスイング機構を含み、このスイング機構により、走行部31から第1方向D1又は第2方向D2のいずれかの方向に移載部32を突出させてもよい。また、突出部33は、走行部31から第1方向D1又は第2方向D2のいずれかの方向に移載部32を常時突出させた状態のままであってもよい。
【0069】
また、第1実施形態において、第2停止領域20bの下側にラックユニット40,40Aが設けられていてもよく、その場合、台車3,3Aは、第2停止領域20bに対応する部分に走行部31,31Aが停止した状態においては、ラックユニット40,40Aに対しFOUP9の受け渡しを行わない。
【0070】
また、第1実施形態及び第2実施形態において、互いに隣接して設けられた複数(例えば、2個)のラックユニット40,40Aは、互いに隣接する側の支持部材42,42Aを共有していてもよい。つまり、例えば第2実施形態において、交差レール部材63から1本(単一)の支持部材42Aが吊り下げられ、その支持部材42Aが複数のラックユニット40Aにより共有されていてもよい。
【0071】
また、本発明の一態様の保管システムが保管する物品は、複数の半導体ウェハが収容されたFOUP9に限定されず、ガラスウェハ、レチクル等が収容されたその他の容器であってもよい。また、本発明の一態様の保管システムは、半導体製造工場に限定されず、その他の施設にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の一態様によれば、保管部の設置の自由度を向上させることができる保管システムを提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0073】
1,1A…保管システム、2,2A…走行レール、2a…第1開口領域(領域,開口領域)、2b…第2開口領域(領域,開口領域)、2c…第3開口領域(領域,開口領域)、3,3A…台車、4…保管部、9…FOUP(物品)、21,21A…第1レール、22,22A…第2レール、31,31A…走行部、32…移載部、40,40A…ラックユニット、41,41A…梁状部材、42,42A…支持部材、50,50A…載置部、51,51A…載置部材、D1…第1方向、D2…第2方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9