(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記散乱又は放出電磁放射を前記観察領域から収集して導く前記ステップが、前記散乱又は放出電磁放射を前記観察領域から前記複数の検出器素子に集束させる光学系を用いて提供される、請求項1に記載の方法。
前記光学系、並びに/又は検出器素子の物理的寸法及び位置の少なくとも一方は、前記複数の検出器素子の一部のみが、前記粒子検出事象に対応する前記散乱又は放出電磁放射を受けるようになっている、請求項3に記載の方法。
前記光学系、並びに/又は検出器素子の物理的寸法及び位置の少なくとも一方は、前記複数の検出器素子のすべてが、前記レーザノイズ事象に対応する前記散乱又は放出電磁放射を受けるようになっている、請求項3に記載の方法。
前記複数の検出器素子が、前記光学系と光連通して配置された検出器アレイを含み、前記アレイの各素子が、前記観察領域の異なる部分から散乱又は放出電磁放射を受けるようになっている、請求項3に記載の方法。
前記レーザノイズ事象が、前記レーザの放射出力の変化に対応していることにより、前記観察領域から実質的に均一な空間強度分布を有する前記散乱又は放出電磁放射を発生させる、請求項1に記載の方法。
前記粒子検出事象が、電磁放射ビームを通過する粒子に対応していることにより、前記観察領域から不均一な空間強度分布を有する前記散乱又は放出電磁放射を発生させる、請求項1に記載の方法。
前記粒子を計数するステップをさらに含み、少なくとも2つの異なる検出器素子からの出力信号を比較して、前記粒子検出事象に対応する出力信号を前記レーザノイズ事象に対応する出力値と区別する前記ステップによって、誤計数の発生を低減することができる、請求項1に記載の方法。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本発明は、ノイズ源からの粒子光散乱により生成された信号を効果的に区別可能な光学粒子計数器及び方法に関する。例えば、本発明の実施形態では、レーザ強度の変動に対応する信号を粒子光散乱に対応する信号から識別する及びレーザ強度の変動に対応する信号を粒子光散乱に対応する信号と区別する多重センサ検出器構成を使用して、サブミクロン粒子を検出及び特性化する。例えば、一実施形態において、本発明の方法及びシステムでは、検出器アレイの異なる検出器素子からの信号を比較して、レーザ強度の不安定性により生成されたノイズ等のノイズ事象を識別及び特性化することにより、小さな粒子の検出及び特性化を可能とする。このように、本発明のシステム及び方法は、非常に高感度な粒子検出を可能としつつ、ノイズ又は干渉による誤判定を低減する効果的な手段を提供する。
【0008】
[0008]いくつかの実施形態において、本発明のシステム及び方法は、複数の検出器を含む検出器構成を用いることにより観察領域の異なる部分を独立して見ることで実施されるように、散乱及び/又は放出光の空間分布特性に基づいて、検出器信号の効果的な特性化を実現する。いくつかの実施形態において、本発明のシステム及び方法は、レーザノイズ事象の開始時、最中、及び/又は事後の時間的特性に基づいて、検出器信号の効果的な特性化を実現する。提供するシステム及び方法は、高多用途性であり、超純水及びプロセス薬品等の広範な流体における物理的寸法が小さな粒子(例えば、任意選択として1ミクロン未満、任意選択として0.5ミクロン未満)等の幅広い粒子の検出及び特性化に用いられるようになっていてもよい。
【0009】
[0009]一態様において、本発明は、流体流中の粒子を検出する方法であって、(i)粒子を有する流体流を供給するステップと、(ii)流体流をレーザからの電磁放射ビームに晒すことにより、散乱又は放出電磁放射を発生させるステップと、(iii)散乱又は放出電磁放射を観察領域から収集し、複数の検出器素子へと導くステップであり、各検出器素子が、散乱又は放出電磁放射を観察領域の異なる部分から受けるように配置されている、ステップと、(iv)複数の検出器素子に導かれた電磁放射を検出するステップであり、検出器素子がそれぞれ、独立した出力信号を生成する、ステップと、(v)少なくとも2つの異なる検出器素子からの出力信号を比較して、粒子検出事象に対応する出力信号をレーザノイズ事象に対応する出力信号と区別するステップと、(vi)検出事象に対応する出力信号を解析することにより、流体流中の粒子を検出するステップと、を含む、方法を提供する。一実施形態においては、例えば、検出器素子のうちの少なくとも2つ、任意選択として、少なくとも2つの隣り合わない検出器素子の出力信号の大きさの増加が、レーザノイズ事象を示す。一実施形態においては、単一の検出器素子又は隣り合う検出器素子のうちの一部の出力信号の大きさの増加が、粒子検出事象を示す。本明細書において、アレイの隣り合う検出器素子は、例えば横方向又は縦方向に隣り合う検出器素子等、アレイ(例えば、1D又は2Dアレイ)中の隣り合う検出器素子である。ただし、本明細書において、隣り合う検出器素子は、例えばアクティブ検出器エリアを含まない空間又は光学測定に用いられていないアクティブ検出器エリアを含む空間等、光学検出器素子として機能しない検出器上の空間によって互いに離隔していていもよい。いくつかの実施形態において、隣り合う検出器素子は、アレイ上の隣り合う画素である。
【0010】
[0010]一実施形態において、例えば、散乱又は放出電磁放射を観察領域から収集して導くステップは、流体流を収容するフローセル内等の観察領域から複数の検出器素子に散乱又は放出電磁放射を集束させる光学系を用いて提供される。一実施形態において、検出器素子の物理的寸法及び位置の少なくとも一方は、複数の検出器素子の一部のみが粒子検出事象に対応する散乱又は放出電磁放射を受けるようにされている。一実施形態において、検出器素子の物理的寸法及び位置の少なくとも一方は、複数の検出器素子のすべてがレーザノイズ事象に対応する散乱又は放出電磁放射を受けるようにされている。
【0011】
[0011]一実施形態において、例えば、複数の検出器は、光学系と光連通して配置された検出器アレイを含み、当該アレイの各素子が、観察領域の異なる部分から散乱又は放出電磁放射を受けるようにされている。実施形態において、例えば、検出器アレイは、2〜100個の検出器素子を含む1次元アレイであり、任意選択として、いくつかの実施形態では、2〜20個の検出器素子を含む。実施形態において、1次元アレイの検出器素子はそれぞれ、100μm〜1000μm、任意選択として410μm〜440μmの範囲から選択される横寸法を特徴とするアクティブエリアを独立して有する。実施形態において、例えば、1次元アレイの隣り合う検出器素子は、50μm〜150μm、任意選択として、いくつかの用途では60μm〜90μmの範囲から選択される距離だけ互いに離れている。実施形態において、レーザは、固体レーザ又はダイオードレーザである。実施形態において、例えば、検出器アレイは、2〜1000個の検出器素子を含む2次元アレイであり、任意選択として、いくつかの実施形態では、2〜400個の検出器素子を含む。
【0012】
[0012]一実施形態において、例えば、レーザノイズ事象は、レーザの放射出力(例えば、強度、パワー、光束等)の変化に対応していることにより、観察領域から実質的に均一な空間強度分布(例えば、互いに30%以内、任意選択として、互いに10%以内の強度分布)を有する散乱又は放出電磁放射を発生させる。一実施形態において、粒子検出事象は、電磁放射ビームを通過する粒子に対応していることにより、観察領域から不均一な空間強度分布を有する散乱又は放出電磁放射を発生させる。一実施形態において、例えば、少なくとも2つの異なる検出器素子からの出力信号を比較するステップは、散乱又は放出電磁放射の空間強度分布
の特徴を
明らかにして、粒子検出事象に対応する出力信号をレーザノイズ事象に対応する出力信号と区別することを含む。
【0013】
[0013]一実施形態において、例えば、この方法は、粒子検出事象を識別するステップをさらに含む。一実施形態において、粒子検出事象は、単一の検出器素子又は
複数の隣り合う検出器素子のうちの一部の出力信号が
個別に閾値以上である場合に識別される。一実施形態において、所与の検出器素子の閾値は、上記アレイの所与の検出器素子のノイズの標準偏差の1.3:1〜3.0:1、任意選択として、いくつかの用途では1.5:1〜2.0:1倍に等しい。
【0014】
[0014]一実施形態において、例えば、この方法は、レーザノイズ事象を識別するステップをさらに含む。一実施形態において、レーザノイズ事象は、2つ、3つ、4つ、又は5つ等、少なくとも2つ
の隣り合
わない検出器素子それぞれの出力信号が
個別に閾値以上である場合に識別される。一実施形態において、閾値は、各検出器素子について
個別に設定される。一実施形態において、例えば、所与の検出器素子の閾値は、アレイの所与の検出器素子のノイズの標準偏差の1.3:1〜3.0:1、任意選択として、いくつかの用途では1.5:1〜2.0:1倍に等しい。
【0015】
[0015]一実施形態において、例えば、この方法は、レーザノイズ事象が識別されると、すべての検出器素子の出力信号をモニタリングすることにより、
個別に1.5:1〜2.0:1倍以上の少なくとも2つの検出器素子の出力値の変化を識別するステップをさらに含む。一実施形態において、この方法は、(i)すべての検出器素子の出力信号を予め選択された期間(8ms〜40msの範囲から選択される期間等)にわたって
記憶するステップと、(ii)レーザノイズ事象が識別されない場合に
記憶された出力信号を解析するステップ又はレーザノイズ事象が識別された場合に
記憶された出力信号を破棄するステップと、をさらに含む。一実施形態において、例えば、この方法は、レーザノイズ事象が識別されると、
粒子検出事象を識別する前に、予め選択された期間(10ms〜50msの範囲から選択される期間等)だけ待
機するステップをさらに含む。
【0016】
[0016]一実施形態において、例えば、粒子は、20nm以上の断面寸法を特徴とする。実施形態において、流体は、液体又は気体である。実施形態において、例えば、流体は、超純水、硫酸(H
2SO
4)、フッ酸(HF)、塩酸(HCl)、水酸化アンモニウム(NH
4OH)、過酸化水素(H
2O
2)、又はイソプロピルアルコール(C
3H
7OH)である。一実施形態において、この方法は、粒子を計数するステップをさらに含み、少なくとも2つの異なる検出器素子からの出力信号を比較して、粒子検出事象に対応する出力信号をレーザノイズ事象に対応する出力値と区別するステップによって、誤計数の発生を低減することができ、例えば、粒子が、幅、半径等のサイズ基準に基づいて計数される。一実施形態において、例えば、この方法は、上記レーザの温度を制御してレーザノイズを抑えるステップをさらに含み、当該制御が、熱電冷却器(TEC)によって実行される。一実施形態において、例えば、この方法は、粒子のサイズを決定するステップをさらに含む。
【0017】
[0017]一態様において、本発明は、(i)電磁放射ビームを生成するレーザと、(ii)粒子を含む流体を流れ方向に沿って流し、電磁放射ビームに通すことにより、散乱又は放出電磁放射を発生させるフローチャンバと、(iii)散乱又は放出電磁放射を観察領域から収集し、複数の検出器素子へと導く収集光学系と、(iv)電磁放射を検出して独立した出力信号を生成する検出器素子であり、それぞれ、散乱又は放出電磁放射を観察領域の異なる部分から受けるように配置された、検出器素子と、(v)検出器素子に対して動作可能に接続され、少なくとも2つの異なる検出器素子からの出力信号を比較して、粒子検出事象に対応する出力信号をレーザノイズ事象に対応する出力信号と区別することと、検出事象に対応する出力信号を解析することと、を行う信号処理システム(例えば、プロセッサ及び/又はマイクロコントローラ等の複合プログラマブル論理デバイス)と、を備えた、光学粒子計数器を提供する。
【0018】
[0018]一態様において、本発明は、光学粒子分析器において、レーザノイズから粒子散乱を区別する方法であって、(i)粒子を有する流体流を光学粒子分析器に供給するステップと、(ii)流体流をレーザからの電磁放射ビームに晒すステップであり、流体流とビームとの相互作用が散乱又は放出電磁放射を発生させる、ステップと、(iii)散乱又は放出電磁放射を観察領域から収集し、複数の検出器素子へと導くステップであり、各検出器素子が、散乱又は放出電磁放射を観察領域の異なる部分から受けるように配置されている、ステップと、(iv)複数の検出器素子に導かれた電磁放射を検出するステップであり、検出器素子がそれぞれ、独立した出力信号を生成する、ステップと、(v)少なくとも2つの隣り合わない異なる検出器素子からの出力信号を比較して、粒子検出事象に対応する出力信号をレーザノイズ事象に対応する出力信号と区別するステップと、を含む、方法を提供する。
【0019】
[0019]任意特定の理論による制約を望むことなく、本明細書に開示の機器及び方法に関する基本原理の考え又は理解に関して、本明細書中に論じる場合がある。如何なる機構的な説明又は仮説の最終的な正しさにも関わらず、本発明の一実施形態は、なお動作可能且つ有用であり得ることが認められる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0027]一般的に、本明細書に使用の用語及び表現は、当該技術分野において承認されたそれぞれの意味を有しており、当業者が把握している標準的なテキスト、ジャーナル文献、及びコンテキストを参照すれば見つけられる。以下の定義は、本発明の背景におけるそれぞれの特定用途を明確化するためのものである。
【0022】
[0028]「流れ方向」は、流体が流れる際にその大部分が移動する方向に平行な軸を表す。真っ直ぐなフローセルを流れる流体の場合、流れ方向は、流体の大部分が採る経路に平行である。湾曲したフローセルを流れる流体の場合、流れ方向は、流体の大部分が採る経路の接線方向と考え得る。
【0023】
[0029]「ビーム伝搬軸」は、電磁放射ビームの進行方向に平行な軸を表す。
【0024】
[0030]「断面プロファイル」は、伝搬軸又は進行軸に対して直角に物体を通過する平面により形成されたプロファイルを表す。例えば、電磁放射ビームの断面プロファイルは、ビーム伝搬軸に垂直な平面により形成されたビームのプロファイルである。フローセルの断面プロファイルは、流れ方向に垂直な平面により形成されたフローセルのプロファイルである。
【0025】
[0031]「光連通」は、間で光が伝わり得るように配置された構成要素を表す。
【0026】
[0032]「光学軸」は、電磁放射が系を伝搬する方向を表す。
【0027】
[0033]「光源」は、電磁放射をサンプルに伝達可能な機器又は機器構成要素を表す。この用語は、可視光線等による可視光放射に限定されず、任意の電磁放射を含む広い意味で使用する。光源は、ダイオードレーザ、ダイオードレーザアレイ、ダイオードレーザ励起固体レーザ、LED、LEDアレイ、気相レーザ、固体レーザ等のレーザ又はレーザアレイとして具現化さることにより、数例を指定するものであってもよい。
【0028】
[0034]用語「電磁放射」及び「光」は、本明細書において同意語として使用しており、電磁場の波を表す。本発明の方法に有用な電磁放射としては、紫外光、可視光、赤外光、又はおよそ100ナノメートル〜およそ15ミクロンの波長を有するこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
[0035]表現「粒子を検出する」は、粒子の存在の検知、識別、及び/又は粒子の特性化を広く表す。いくつかの実施形態において、粒子の検出は、粒子の計数を表す。いくつかの実施形態において、粒子の検出は、直径、断面寸法、形状、サイズ、空力サイズ、又はこれらの任意の組み合わせ等、粒子の物理的特性の特性化及び/又は測定を表す。
【0030】
[0036]「粒子」は、汚染物質と考えられることが多い微小物体を表す。粒子としては、例えば2つの表面が機械的に接触して機械的に移動する場合の摩擦作用により作られる任意の物質が可能である。粒子は、塵埃、泥土、煙、灰、水、煤、金属、鉱物、若しくはこれらの任意の組み合わせ、又は他の物質若しくは汚染物質等の物質の集合体で構成可能である。また、「粒子」は、例えばバクテリア、菌類、古細菌、原生生物、他の単細胞微生物、及び具体的には1〜15μmオーダのサイズを有する微生物を含むウイルス、胞子、及び微生物等の生物学的粒子を表していてもよい。粒子は、光を吸収又は散乱する任意の微小物体を表していてもよく、このため、光学粒子計数器により検出可能である。本明細書において、「粒子」は、例えば水分子、プロセス薬品分子、酸素分子、ヘリウム原子、窒素分子等、担体流体の個々の原子又は分子を除外するものである。本発明のいくつかの実施形態では、サイズが10nm、20nm、30nm、50nm、100nm、500nm超、1μm以上、又は10μm以上の物質の集合体を含む粒子の検出、サイズ規定、及び/又は計数が可能である。具体的な粒子としては、20nm〜50nm、50nm〜50μmから選択されるサイズ、100nm〜10μmから選択されるサイズ、又は500nm〜5μmから選択されるサイズを有する粒子が挙げられる。
【0031】
[0037]用語「光学粒子計数器」及び「粒子計数器」は、本明細書において区別なく使用しており、流体中に懸濁した粒子を検出可能なシステム、流体中に懸濁した粒子のサイズを決定可能なシステム、流体中に懸濁した粒子を計数可能なシステム、流体中に懸濁した粒子を分類可能なシステム、又はこれらの任意の組み合わせを表す。通常の液体又はエアロゾル光学粒子計数器は、電磁放射ビームの生成源、例えばフローセルを流れる液体又は気体等の液体サンプルが流れている領域にビームを導く光学系等の複数の構成要素から成る。また、通常の光学粒子計数器は、2次元光学検出器等の光検出器、ビームを通過する粒子により散乱又は放出された電磁放射を検出する収集光学系、並びに電流−電圧変換器、信号フィルタリング、及び増幅電子機器等、光検出器により生成された電気信号の処理及び解析を行う他の電子機器から成る。また、光学粒子計数器は、流体サンプルを電磁ビームが存在する検出領域に導入する流れを生成するポンプから成っていてもよい。
【0032】
[0038]「流体連通」は、流体がある物体から別の物体へ移送又は通過可能となるようにした2つ以上の物体の配置を表す。例えば、いくつかの実施形態において、2つの物体間に流体流経路が直接設けられている場合、これら2つの物体は互いに流体連通している。いくつかの実施形態において、1つ若しくは複数の他の物体又は2つの物体間の流路を含むこと等により2つの物体間に流体流経路が間接的に設けられている場合、これら2つの物体は互いに流体連通している。例えば、一実施形態において、粒子衝突体の構成要素である1つ若しくは複数の吸気口、衝突面、流体出口、流れ制限体、1つ若しくは複数の圧力センサ、並びに/又は流れ生成装置は、互いに流体連通している。一実施形態において、流体中に存在する2つの物体は、第1の物体からの流体の流路等に沿った第2の物体への引き込み、第2の物体を通過する引き込み、及び/又は第2の物体を通る引き込みがない場合、必ずしも互いに流体連通していない。
【0033】
[0039]「流量」は、粒子衝突体の吸気口又は流体出口等の特定点を通過して流れる流体又は特定エリアを通って流れる流体の量を表す。一実施形態において、流量は、質量流量すなわち特定点を通過して流れる流体又は特定エリアを通って流れる流体の質量を表す。一実施形態において、流量は、体積流量すなわち特定点を通過して流れる流体又は特定エリアを通って流れる流体の体積を表す。
【0034】
[0040]本発明は、以下の実施例においてさらに詳しく説明するが、これらは一例として提示したものに過ぎず、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【0035】
実施例1−多素子検出器構成を用いたレーザノイズ事象の識別及び区別
[0041]本発明の実施形態において、流体(液体又はエアロゾル)中のサブミクロン粒子の検出に多素子光子検出器を用いる場合は、1つ又は複数の検出器素子を用いて、ナノサイズ粒子がサンプリング領域を通過する際に生成される非常に低い信号レベルと光源の光強度が短期間にわたってプラス変動する場合の光レベルの増大とを区別するのが好都合である。光散乱粒子計数器においては、粒子がサンプリング領域を通過すると、光散乱信号がサンプル流体の背景分子散乱を超えて高くなる。通常は最先端の粒子計数器のレーザである光源が瞬時に不安定な状態になると、その光出力は、出力強度が「急増する」可能性がある。これらの急増期間は通常、レーザノイズと称する。これらの瞬時的な急増は、粒子信号が器具の報告データにおいて「誤」計数になったものと解釈され得る。
【0036】
[0042]本発明の実施形態の多素子検出器粒子計数器の設計において、光学系は、すべての素子からサンプリング領域の別個の部分(例えば、フローセル内に集光されたレーザの長さに沿った別個の領域)が見えるように設計される。サンプルエリアのある領域を粒子が通過した場合、その散乱光は、当該エリアを観察する特定の素子又は一部の隣り合う素子によって観察されることになる。概して、いくつかの実施形態においては、多素子アレイ全体から、観察領域の対応する散乱レーザ光の実質的にすべての成分(例えば、≧80%)、任意選択としてすべての成分が見られる。極小粒子の場合は、実際の粒子が観察領域を通過すると、空間的な通過位置に応じて、一部の検出器素子、任意選択として1つの検出器素子だけが当該粒子を視認することになる(例えば、測定に十分な強度の粒子散乱光を受光する)。これに対して、レーザ光源が不安定な状態になって出力が急増すると、複数の検出器素子、任意選択としてすべての素子がこの光強度の増大を視認することになる。1つの素子をレーザ光変動のインジケータとして使用するか、又は2つ以上の素子をANDすることによって、実際の粒子の散乱信号をレーザの光と区別することができる。さらに、ビームスプリッタを用いてレーザのガウスビーム又は成形ビーム全体を観察するように設定された独立検出器からの出力信号を多素子アレイの素子のうちの1つ又は複数とANDすることにより、レーザノイズの急増と実際の粒子信号とを区別することができる。
【0037】
[0043]固体レーザ及びダイオードレーザのいずれも、温度変化によってキャビティ長が変化した場合に、不安定なノイズの急増が発生し得る。また、注入電流及び光学フィードバックの変化によって、レーザは、出力が不安定に急増する可能性もあれば、モードホップする可能性もある。単一の素子インジケータ若しくは多素子AND又は多素子検出器の素子のうちの1つ又は複数と併せてANDされた独立検出器を用いることにより、非常に高感度すなわち極小粒子の検出粒子計数器の誤計数率を最低レベルまで抑えることができる。レーザノイズの検出にこの多素子検出方式を使わなければ、場合により、レーザのノイズ信号が微小粒子信号と同じ強さになって、互いに区別できなくなる。
【0038】
[0044]
図3は、本システム及び方法において有用なフローセル及び光学形状の一例を示した模式図である。
図3に示すように、レーザビームを通す一対の窓を有するフローセルが提供される。そして、流体中の粒子がレーザビームを通過して相互作用するように、フローセルを通る流体流が供給される。フローセル内の観察領域からの散乱及び/又は放出光は、光学系により収集され、1次元アレイ検出器(任意選択として、2Dアレイ検出器)のアクティブエリアに像が形成される。
図3に示すように、1次元アレイ検出器は、観察領域の異なる部分から散乱及び/又は放出放射を受けるようにそれぞれ配置された複数の独立検出器素子(1〜N個の検出器)を備える。この光学形状は、アレイの一部の検出器素子、任意選択として単一の検出器素子のみを規定して、流体中の粒子から十分な強度の散乱光を受光することにより、粒子の識別及び/又は特性化を行う。これに対して、担体流体の分子散乱のほか、フローセル中の他の散乱処理に対応する観察領域からの散乱光を受光するように、1次元アレイ中の複数の検出器素子、任意選択としてすべての検出素子が配置されている。したがって、この光学形状により、複数の検出器素子、任意選択としてすべての検出素子は、例えば温度変化に起因するキャビティ寸法の変化がもたらすモードホッピングによるレーザの出力強度の変動等のレーザノイズ事象の結果としての散乱光を受光して検出する。
【0039】
[0045]
図1は、多重センサ検出器構成を用いた本システム及び方法の実施に有用な電子回路図の一例を示した模式図である。
図1に示すように、光検出器1〜Nは、流体サンプリング領域を通って誘導されたレーザの集光ビームの長さを全体として観察するアレイ検出器を構成している。光検出器1〜Nはそれぞれ、観察するレーザビームの長さに沿ったそれ自体の部分を観察する。粒子がない場合、光検出器1〜Nはそれぞれ、流体の分子散乱とレーザの光強度変動との組み合わせである同じ低レベルの光散乱を観測することになる。粒子がサンプル領域を通って搬送されると、互いに離隔して、各粒子により生成された散乱光は、粒子が通過したエリアを観察する個々の光検出器によって収集される。極小粒子から生成され、光検出器により収集された散乱光子は、次に、
図1において「粒子及びノイズ検出及び増幅検出器1〜N」と名付けられた適当な帯域幅調節を伴う増幅が必要になる。個々の光検出器からの出力信号は、複合論理ブロック及びそのソフトウェア駆動粒子計数エンジンへと通過する。また、増幅された光検出器出力信号のうちの2つ以上の組み合わせによってAND機能を構成するが、その出力信号は、複合論理ブロックへと通過する。そして、「2つ以上の検出器からのノイズ又は粒子信号のコヒーレント検出」と名付けられたAND機能の使用により、すべての光検出器に共通且つ全体で視認されるレーザの光強度が増大するタイミングを検出する。「コヒーレンスインジケータ」と名付けられたAND機能の出力は、両光検出器により同時に視認されるレーザ光の強度が正シフトする場合にのみ存在することになる。一般的に、光検出器アレイ、関連する増幅及びパワー駆動電子機器、及び複合論理は、単一のプリント配線板上で組み合わされて、電子回路ノイズを最小限に抑える。
【0040】
[0046]光散乱による粒子の検出には、実時間事象の取り扱いを大いに伴う。事象を捕捉する時間窓は一般的に、粒子がレーザビームのアクティブ領域を通って進行することから、ミリ秒領域である。
【0041】
[0047]光散乱は、その実時間性により、従来、散乱光がプログラム可能な閾値と交差したタイミングを検出するアナログ電子機器を用いて取り扱われてきた。システムに高速プログラマブル論理を導入することによって、付加的な処理ステップが生じる。複数の検出器の相関等、これまでに採用された付加的な処理及び散乱から捕捉されたエネルギーに基づく粒子サイズのより良好な決定の例を提供する。これらのシステム及び方法では、粒子検出に高速複合デジタル論理を用いるとともに、検出器アレイからのその他情報と併せて、生の検出信号を定量化する。
【0042】
[0048]場合によっては、システムがノイズの影響を受けていたかが判定されるまで、実時間粒子検出の処理を不可能にすることが優先される。ノイズの判定は、最初の検出が発生後、数ミリ秒経ってからの場合が多い。これにより、パイプライン方式を採用して、これらの実時間事象を将来の処理用に維持していた。当然のことながら、これらの事象は、より可能性ある事象が数ミリ秒ごとに届き得ることから、永久には遅延不可能である。提供のシステム及び方法では、最終決定を遅らせて、ノイズがシステムに存在するかを判定する評価が発生している間に、短時間にわたって粒子を計数する。
【0043】
[0049]
図2は、本システム及び方法において有用なレーザノイズ事象を識別及び差別化する解析方法の一例を示したフローチャートである。特に、複合プログラマブル論理ブロックにおいてコヒーレンスインジケータ及び粒子計数事象を取り扱うフローチャートを示している。レーザノイズ事象によるレーザ光強度の増大が時間的に進むため、このプロセスは、実際の噴火前に活動が高まる火山噴火と同様にいくつかの方法で観察可能であり、噴火後に活動が徐々に弱まることは、8ms〜40ms等、レーザノイズ事象前の選択期間にわたる粒子計数の「パイプライン」及びこの時間窓でノイズ事象が発生した場合の計数の拒絶という選択肢と、10ms〜50ms等のプログラム時間だけレーザノイズ事象の後に、粒子計数の引き受けを留保する必要性とが存在することを意味する。
図2においては、3つの機能が同時に動作している。1)レーザノイズが存在する場合は、コヒーレンスインジケータで示すように、パイプライン粒子計数器における如何なる同時的粒子事象又は粒子計数も拒絶されることになる。「パイプライン粒子計数器」は、時間遅延を8ms〜40msにプログラム可能な「遅延」計数器である。また、「ノイズ後時間インジケータ計数器」は、入力コヒーレンスインジケータによって再設定されることになる。2)コヒーレンスインジケータが存在しない場合は、8ms〜40msの「ノイズ前インジケータ時間窓」に対して、すべての粒子計数事象をパイプライン処理する。「ノイズ前インジケータ時間窓」が終了となった後には、パイプライン処理された粒子計数を有効としてマークする。「ノイズ前インジケータ時間窓」が終了となる前にコヒーレンスインジケータが存在することになった場合は、パイプライン処理されたすべての粒子計数を拒絶する。3)すべてのコヒーレンスインジケータは、「ノイズ後時間インジケータ計数器」を再設定することになる。この計数器は、コヒーレンスインジケータが終了となるまで再設定状態を維持することになる。コヒーレンスインジケータが除去された場合、「ノイズ後時間インジケータ計数器」は、10ms〜50msのプログラム時間だけ逆に計数することになる。この逆計数期間においては、すべての入力粒子事象が拒絶されることになる。
【0044】
実施例2−実験的性能評価
[0050]利用可能な最先端のダイオード励起固体(DPSS)レーザにおけるレーザ光ノイズ変動は、流体サンプル中でより小さな粒子を検出しようとし続けた場合、光散乱に基づく粒子計数器におけるSNR(信号対雑音比)のより大きな部分を占めるようになる。上述の通り、レーザの温度が変化すると、レーザのキャビティ長が変化するため、モードホッピングが起こり、レーザの光強度において不安定なノイズが急増する。以下の試験では、レーザの温度を意図的に変化させることによって、レーザノイズを近似した。器具及びそのレーザ周りの温度を変化させるため、TEC(熱電冷却器)を用いた温度制御キャビネットを使用した。冷凍を利用した温度制御チャンバとは異なり、TECでは、レーザノイズ検出の有効性の解釈を阻害する可能性があるライン伝導電気ノイズが生成されないため、TECを利用するキャビネットの具体的な使用が重要であった。
【0045】
[0051]ANDハードウェアによるレーザ光学ノイズの検出又は非検出時の後続のデータ処理と併せて、光学ANDを用いたレーザノイズ検出及び緩和の有効性を評価しようとして、以下の一連の試験を実行した。第1の試験においては、レーザ中でノイズが近似される間、ノイズ検出及び緩和回路をオフにしたため、温度によるノイズがデータに生じた。第2の試験においては、レーザ中でノイズが近似される間、ノイズ検出及び緩和回路をオンにしたため、レーザノイズ急増時の計数の「突発」がなくなった。さらに、第2の試験においては、ノイズ検出及び緩和回路をオンした後、オフして、再度オンすることにより、当該回路の有効性を実証した。
【0046】
[0052]第1の試験:ノイズ検出が無効で温度が変化する粒子計数器
試験準備:
[0053]
図4に示すノイズ検出及び緩和回路の電気的実現によって、非常に高感度の液体粒子計数器を構成した。器具の粒子検出閾値は、検出器が観察する水の体積から、分子散乱をわずかに上回った散乱光を検出するように意図的に設定した。また、器具には、回路を有効化又は無効化するための遊びを設定した。
【0047】
[0054]この試験のため、
図4に示す粒子検出回路を器具に組み付けるとともに、レーザノイズ検出及び緩和に使用した。実際には、器具が多素子検出器を使用しており、素子自体のみがサンプル領域のそれぞれ一意の部分を「観察」するとともに、これらの光学的に分割された領域を移動する実際の粒子を検出する。
【0048】
[0055]簡略化のため、
図4に示す回路は、3つの「利得」列A、B、及びnのみを示しているが、ここで使用する器具を具備した実際の高性能粒子計数器の場合、検出器における個々の素子の数は通常、10個を超えており、例えば、最大24個(以上)の別個の素子が可能である。利得列は、各素子からの光子生成電流を増幅する。所要感度のため、APD(アバランシェフォトダイオード)素子を使用して、それぞれの内部光電流利得を利用した。
図4の回路においては、各APD素子の電気的出力がEL_A、EL_B、及びEL_nと名付けられている。各素子からの信号は、利得列を左から右へと移動すると再び強くなる。粒子が存在するとともに検出された場合は、ChA_Element、CHB_Element、及びCHn_Elementと名付けられた出力回路を通して、各利得列がこの存在を示す。この点での出力は、アナログ電流入力信号からデジタル電圧出力へと遷移している。
【0049】
[0056]これらの器具に関して、アナログ利得がそれぞれのデジタル信号に変わる点の直前の点で、アナログAND回路を構成してA及びB利得列に取り付けた。
図4の回路においては、このAND回路の要点が描写され、「アナログAND回路」と名付けられている。AND回路には、別個のアイソレーション抵抗を介して出力が結ばれた2つの入力増幅器が存在する。2つの増幅器は、各利得列をモニタリングして、それぞれの信号を個々に増幅することになる。粒子計数器においては、粒子が集束レーザ光を通過する際の粒子による光散乱及びその後の散乱光の各光検出器素子への収集の結果として、信号が生成される。これらの信号は、FWHM(半値全幅)値が粒子のサイズ及びレーザビーム通過時間に比例する「パルス」信号である。
【0050】
[0057]粒子計数器が適正且つレーザノイズの増大なく動作している場合は、別個の利得列によって、互いに非同時に粒子が個別に検出されることになる。これらの高性能粒子計数器の使用により、通常は粒子濃度が非常に低い極清浄な水道システムをモニタリングする。このため、複数の素子による同時検出の確率は、極めて低い。
【0051】
[0058]
図4に示す回路において、AND回路の上側の入力増幅器が利得列Aからのパルスを検知した場合、その出力回路は、「インジケータ_閾値」電圧を超えるレベルまで駆動して、ノイズ指標を送出しようとする。ただし、利得列Bを通ってくる信号がないため、下側の入力増幅器は、その出力をLowに保持する。この増幅器出力におけるHigh及びLow駆動状態によって、インジケータ_閾値電圧レベル未満に達した最も高い電圧レベルが保持され、ノイズインジケータが留保される。指標がなかったため、上記回路の「ChA_Element」にトリガを掛ける実際の粒子が計数及び報告されることになる。実際の粒子信号がAではなくBを通ってきた場合にも、同じ一連の事象が発生する。ここでも、ノイズ指標が再び留保され、「ChB_Element」に見られる粒子トリガが計数及び報告される。
【0052】
[0059]レーザノイズが急増した場合は、ノイズが「跳び回る」ため、ビーム強度が瞬時に増大することになる。個々の素子がレーザビーム経路に沿って並んで離隔していることから、複数の検出器素子、任意選択としてすべての検出器素子がビーム強度の瞬時的な増大を同時に検知する。この瞬時的な挙動によって、一度にすべての素子に入る光のパルスが生成される。このレーザノイズ事象においては、AND回路の両入力増幅器がそれぞれの出力をHighに駆動し、実際の単一粒子事象における以前のHigh、Low電圧の競合が解消されるとともに両増幅器出力がインジケータ_閾値電圧レベルを超えて、ノイズ指標が生成される。この指標は、CPLD(複合プログラマブル論理デバイス)を判別して、A、B、又はn利得列出力のいずれか1つで見られるすべての粒子指標を無視するトリガである。
【0053】
[0060]本研究で使用した試験器具の場合、AND回路を結んだのは2つの素子利得列のみであるが、他の設計においては、3つ以上の入力も使用可能である。ユーザは、インジケータ_閾値電圧レベルをスケーリングして、この回路ノードを駆動する任意数の増幅器出力を構成することが必要となる。
【0054】
[0061]
図4に示す回路は、粒子信号の検出及び増幅のほか、素子利得列を通ってくる同時事象(ノイズ事象)の増幅及び検出に関与するアナログ回路のみを網羅している。回路の右側に示すすべての出力は、デジタル論理、特に上述のCPLDに導入される。CPLDは、計数を記録し、その計数を報告用論理に受け渡す。実施例1で上述した通り、CPLDは、受け取ったすべてのデータのパイプライン処理も実行する。これは、レーザノイズ事象を見越したものである。「ノイズ前インジケータ時間窓」が終了となった場合は、粒子が受け入れられる。ただし、ノイズインジケータが示す2つ以上の検出器素子からの一致する信号が検出された場合は無視される。このパイプライン処理によって、実際のノイズ急増事象の直前のレーザ活動の高まりを検出可能である。
【0055】
[0062]また、CPLDは、ノイズ事象に続く粒子信号の無視に関わるタイミングを取り扱う。これは、粒子事象を再度受け入れる前にノイズ急増事象を通常のノイズレベルに戻すことができるプログラム可能な時間窓である。
【0056】
[0063]一般的に、本研究で使用した器具の場合、APD検出器及び
図4に示す回路の素子利得列の使用を前提としたノイズ検出感度によって、0.15%のRMSノイズレベルを検出可能である。
【0057】
[0064]液体粒子計数器は、平均濃度汚染レベルが20nm超の粒子に関して2個/mLとなるようにフィルタリングされたUPW(超純水)源に吊り下げた。水源は、通常のD
−3水質分布を有しており、粒子サイズが2倍になると、1mL当たりの個数は8倍少なくなる。例えば、20nmで2個/mLの場合、40nmでは2/8すなわち0.25個/mLとなる。この水源の清浄レベルは、実際の粒子計数レベルに誤計数を加算するレーザノイズが存在する場合の記録計数に対して、レーザ停止期間に器具により記録されたサンプル間の粒子計数の予想される微小な変動を比較可能とするために必要である。
【0058】
[0065]
図5は、約657サンプルの器具による事象(光散乱或いは増大した光強度)の計数及びキャビネット温度の連続波形を示した図である。このプロットでは、レーザの温度が変化している時の発生数の増加の関連性が明らかである。レーザの温度変化の大きさを詳しく調べると、0.5℃の変化だけでレーザの光強度が急増することが分かる。検出器が高応答性の非常に高速であることから、これら正の強度インパルスであれば、器具の検出回路及び報告データにおいて誤計数を生成するのに十分である。この温度変化に対する感度のため、光散乱に基づく粒子計数器においては、誤計数なく極小粒子を検出することが難しい。
【0059】
[0066]粒子計数器がレーザ光散乱に基づく設計であることは、
図5の下側の波形として示されるノイズの発生が粒子計数として報告されることを意味する。これらの遷移計数が誤計数であり、サンプリングされている水の実際の粒子レベルは、垂直方向の報告(ノイズ)波形間の低レベル活動である。図中、垂直方向の誤計数は、レーザ光が数ミリ秒から数百ミリ秒へと急増し続ける場合、サンプル当たり500個を超える可能性がある。実際の粒子計数レベルは、サンプル当たり50個未満であり、平均してサンプル当たり約2個である。
【0060】
[0067]第2の試験:ノイズ検出が有効で温度が変化する粒子計数器
[0068]ここでは、第1の試験と同じ粒子計数器を使用した。器具の差異として、この試験では、ノイズ検出回路を有効にした。
【0061】
[0069]第1の試験では、粒子計数器の検出レベルが十分な感度に調節された場合、温度変化がわずかであっても、レーザの正方向の光インパルスの変化すなわちノイズ急増を観察及び検出可能であることが分かった。
【0062】
[0070]この第2の試験では、ノイズ検出及び緩和回路の有効性を評価するため、第1の試験よりもはるかに大きな範囲で温度を変化させた。プロット中の計数データ及び温度データに加えて、2つのAND検出器が正のレーザ強度インパルスを同時に観測したことを示すノイズインジケータを複数サンプルに関して追加かつ、トレースした。
【0063】
[0071]上述の通り、複数の検出器素子はそれぞれ、その他の素子とは別個に、総観察体積の「対応」部分を観察します。粒子が任意の単一素子の観察部分を通過した場合にのみ、当該素子によって実際の粒子が観測される。2つ以上の素子のANDによって、すべての素子から同時に見えるレーザノイズを実際の粒子と区別することができる。ノイズとして遮られるように、ある素子と別の素子又は別の複数素子によって、インジケータを設定する正の光散乱インパルスを検出する必要がある。光散乱インパルスを検出した素子が1つだけの場合は、AND機能が役立たず、実際の粒子としてインパルスが記録される。高感度の粒子計数器が用いられる非常に清浄な水道システムにおいては、2つの実際の粒子が2つの別個の素子の観察エリアを通過する可能性が無視できるほどに小さい。
【0064】
[0072]
図6は、器具による事象(光散乱或いは増大した光強度)の計数及びキャビネット温度の連続波形を示した図である。全体温度は、およそ25.2℃〜38℃の範囲又はプロットの各端部で7.8℃であり、プロットの中心部全体は温度が定常状態である。「計数」波形は、各サンプルの更新に伴う計数データである。試験器具においては、AND回路を有効にするとともに、インジケータ活動をプロットに追加して、「インジケータ」波形として示している。プロットの左右端においては、温度が±0.25℃以内で安定しているプロットの中心部と比較して、温度変化によるインジケータ活動がより頻繁に発生している。このインジケータ活動の増大は、熱的に変化して出力ビームのノイズが急増しているレーザの内部キャビティの観測結果である。急増ノイズは、1つ又は複数の素子によって同時に視認されるため、AND機能が通過するとともに、指標がフラグ立てされる。器具のファームウェアにおいて、指標が存在する場合は、粒子データが記録されないため、誤計数が除去される。プロットの中心部においてさえ、インジケータがアクティブになる離散的なサンプルが存在する。AND回路及びインジケータの場合でなければ、
図5に見られるスパイク粒子データとしてレーザノイズ期間が記録されることになる。
【0065】
[0073]光学AND回路の精度及び利益を解釈する方法として、報告された粒子計数データの検査を利用可能である。一定の濃度で定常状態に達した(基準汚染レベルまで清浄化された)システムからの報告データに関して通常予想されることは、データセットの標準偏差がデータの平均の二乗根に極近くなる点である。
図6のプロットを左側、中央、及び右側の3つの別個のセグメントとして見た場合に、各セグメントに関して計算した標準偏差と併せて計算した粒子計数の平均を以下に示す。
【表1】
【0066】
[0074]上記から、左側セグメントのデータ平均が0.164286であることから、
【数1】
となる。上記から計算した標準偏差は0.474298であり、理論と非常に近い。
【0067】
[0075]また、上記から、中央セグメントのデータ平均が0.100906であることから、
【数2】
となる。上記から計算した標準偏差は0.374251であり、この場合も理論と非常に近い。
【0068】
[0076]上記の右側セグメントの場合、左側セグメントのデータ平均が0.115942であることから、
【数3】
となる。上記から計算した標準偏差は0.335717であり、この場合も理論と非常に近い。
【0069】
[0077]AND回路がレーザノイズを示す期間(
図6のプロットの左右のセグメント)ではデータセットの分散が理論と非常に近く、活動が低い場合(中央セグメント)ではほぼ同じであることから、ノイズ検出及び緩和回路が意図する通りに機能しており、レーザノイズ期間がない場合に実際の粒子を報告し、それ以外の場合に粒子計数として報告されるレーザノイズ強度の急増のみを除去することが観測される。実際のところ、レーザが停止しており、器具が実際の粒子のみを報告している場合と比べて、ADN回路が誤計数を除去している場合は、データセットの分散が大きくならない。
【0070】
[0078]
図6のプロットの最も右側を拡大して
図7に示す。図中、温度は下方に振れており、インジケータは、およそデータポイント21からデータポイント45でノイズ緩和がオフになるまで立ち上がっている(低レベル「インジケータ」波形)。ノイズ緩和がオフになるとインジケータは無視され、複数の検出器素子で同時に視認する場合であっても、すべての粒子計数が受け入れられて報告される。図示の通り、温度変化によるレーザノイズ急増の結果として、約200個の誤計数が存在する。データポイント51では、ノイズ緩和が再びオンとなり、インジケータの立ち上げが記録されるとともに誤計数が除去されている。この最後のオン及びオフ試験は、システムが依然として機能しており、誤計数を捕捉していることを確認する簡単な方法であった。
【0071】
[0079]ノイズ緩和方式は、レーザノイズが急増して計数を無視する必要がある場合を意図的に示しており、結果として存在しない場合には、レーザが停止しており、すべての計数を受け入れるべきである旨を示している。
【0072】
[0080]これらのデータ結果は、ノイズ検出及び緩和方式によって、レーザノイズ急増時の計数の「突発」が必然的になくなることを示している。
【0073】
実施例3−レーザノイズ検出及び緩和用のアレイ検出器の実施形態
[0081]本方法及びシステムにおいては、様々なアレイ検出器形状及び関連する信号処理方法が有用である。
【0074】
検出器間隔
[0082]本設計の実施形態の方法及びシステムにおいては、別個の素子それぞれが観測する空間的に分離された観察領域を通過する実際の個々の粒子を検出するのに複数の検出器素子が用いられる。
【0075】
[0083]粒子サイズが極小の場合(例えば、断面寸法が約20nmの場合)、これら粒子から収集される部分散乱光及びこれらの散乱事象それぞれの光子エネルギー量は、背景分子散乱を超える十分な光子発生電流を生成して、光子エネルギーの一部が素子間の分離領域に落ち込むことなく撮像スポットの大部分が単一の素子内となる場合又は画像が2つの隣り合う素子の縁部と部分的に重なる場合に、粒子事象として記録されるのに十分である。一方、約70nmより大きな粒子の場合、散乱事象におけるエネルギー量は、撮像スポットが隣り合う素子の境界と交差する場合であっても、粒子事象として記録されるのに十分である。このように大きな実際の粒子サイズの場合は、通常の素子信号後処理によって、冗長な粒子計数が除去され得る。ただし、実施形態においては、大きな粒子によるこの散乱スポット画像の交差結合のため、これらの素子がレーザノイズ検出及び緩和に用いられる場合は、最小素子分離の制限となる可能性がある。
【0076】
[0084]ノイズ検出及び緩和を採用したいくつかの20nm粒子計数器において、例えば、計数チャネルサイズは、20nm〜100nmのサイズを網羅している。100nm粒子をサイズ規定して計数するように設計された例示的な器具により、レーザノイズ検出に用いられるアレイ検出器の選択素子は、空間的に十分な分離によって、実際の100nm粒子からの散乱粒子スポット画像の両選択素子との交差結合の可能性を排除し得る。例えば、実用上の懸念事項として、選択素子は、適正又は十分に分離しなければ、100nm画像を同時に視認してしまうため、オペレーティングファームウェアに対してレーザノイズを誤って示す可能性がある。ノイズ検出及び緩和が機能する際、これらの各誤指標によって、報告データ中のより大きな粒子サイズの計数が排除されてしまう場合がある。
【0077】
[0085]実施形態においては、アレイ検出器のすべての素子が光源を同時に観察している限り、ノイズ検出素子の分離距離を選定しても、レーザノイズ検出及び緩和に有意な影響は及ばない。
【0078】
[0086]ただし、特定の実施形態においては、サンプル観察セルの形状及び市販のアレイ検出器を一部の原因として、素子分離に物理的限界が存在する場合もある。非常に多くの大型粒子がサンプリング領域を流れる非常に特殊な状況において、散乱は、背景分子散乱を超える通常の単一散乱事象から事実上のバルク散乱へと変化する可能性がある。これらの特殊な事象において、ノイズ検出及び緩和に用いられる素子を含むすべての素子は、十分な散乱を受けて、レーザノイズ事象を記録することができる。このような場合、ノイズ検出及び緩和では本質的に、器具に対して何らかの最大粒子濃度を設定し得るが、これは通常、クリーンルーム及び/又は無菌処理用途等の多くの関心用途の場合に通常の濃度を十分に上回ることになる。
【0079】
検出器素子閾値
[0087]本実施例の説明において、閾値又は検出レベル及び信号に関する記述は、例示的な粒子計数器及びレーザノイズ検出回路における電圧レベルとして表される。
【0080】
[0088]一実施形態において、粒子事象の検出は、サンプルの分子散乱を含むとともにこれが支配的となる粒子計数器システムノイズを1.5:1〜2.0:1だけ上回るように設定された閾値によって判定される。いくつかの実施形態において、レーザノイズ検出は、閾値を用いて設定される。SNR(信号対雑音比)が1.5:1〜2.0:1のオーダである極小サイズの高感度粒子計数器においてノイズ検出が利用される場合、このノイズ閾値レベルは、粒子サイズ閾値レベルと非常に近くして、十分なレーザノイズ感度が得られるようにしてもよい。いくつかの実施形態において、レーザノイズ閾値及び粒子閾値の検出の電気点は、信号経路ごとに異なっており、信号及び群遅延のほか、位相シフトも異なる。レーザノイズ検出閾値の元の設定は、粒子検出に対するノイズ検出の遅延が信号データの8ms〜40msのパイプライン処理内となるレベルに設定されていてもよい。ノイズの高まりに先立って累積計数を保持することによりノイズが増大し始め、実際にノイズ検出閾値を超えた場合であっても、パイプライン処理によって、ノイズの捕捉が可能となる。いくつかの実施形態において、レーザノイズ検出が発生した場合に8ms〜40msのパイプライン内に計数が存在する場合、これらの計数は、無視されるようになっていてもよい。
【0081】
[0089]いくつかの実施形態においては、ノイズの検出を改善するとともに検出が8ms〜40msのパイプライン窓内となるように、
図4のアナログAND回路のノイズ検出増幅器の帯域幅が増大されるようになっていてもよい。レーザノイズの性質は、無秩序状態であり、それ自体の周波数スペクトルも無秩序である。例えば、いくつかの実施形態において、アナログAND増幅器の帯域幅は、所与の用途に対して有用な性能を与えるように増大される。遅延が1/BWRによって近似されることから(BWRは、ラジアン/秒単位の帯域幅)、アナログAND増幅器により導入される遅延は、下流の粒子信号経路に導入される遅延と同じであってもよいし、さもなければそれより短くてもよい。いくつかの実施形態において、アナログAND増幅器は、粒子信号検出ノードにつながるその他の信号経路素子よりも高い帯域幅限界を有する。帯域幅の選択は、8ms〜40msの窓で増幅器のスルーレートを検出閾値と比較することにより判定されるようになっていてもよい。8ms〜40msの窓内で検出を行うため、アナログAND増幅器の限界帯域幅は、粒子信号経路の帯域幅に対して増大される。このように増大された帯域幅は、例えば20nm粒子計数器用のシステム及び方法において有用である。
【0082】
[援用及び変形例に関する記述]
[0090]例えば発行若しくは付与された特許若しくは同等物を含む特許文献、特許出願公開、及び非特許文献又は他の原資料等、本願全体に引用するすべての参考文献は、各参考文献が本願の開示内容と少なくとも部分的に矛盾しない範囲で、個別援用の如く、そのすべてを本明細書に援用する(例えば、部分的に矛盾する参考文献は、その部分的に矛盾する部分を除いて援用する)。
【0083】
[0091]本明細書に採用した用語及び表現は、説明の用語として使用しており、何ら制限を与えるものではない。また、このような用語及び表現の使用によって、図示及び記載した特徴又はその一部の如何なる均等物も除外することを意図しておらず、特許請求の範囲に係る本発明の範囲内で種々改良が可能であることが認識される。したがって、好適な実施形態、例示的な実施形態、及び任意選択としての特徴により本発明を具体的に開示したものの、当業者であれば、本明細書に開示の概念を改良及び変形可能であり、このような改良及び変形についても、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲内にあるものと考え得ることが了解されるものとする。本明細書に提供の具体的な実施形態は、本発明の有用な実施形態の例であり、当業者には、本明細書に記載のデバイス、デバイスコンポーネント、及び方法ステップの多くの変形例を用いて本発明を実行可能であることが明らかとなるであろう。当業者には当然のことながら、方法及び当該方法に有用なデバイスは、任意選択としての多くの構成及び処理要素並びにステップを含むことができる。
【0084】
[0092]本明細書において、置換基群を開示している場合は、当該群及びすべての下位群のすべての個別要素を別個に開示していることが了解される。本明細書において、マーカッシュ群等の分類を用いている場合は、当該群のすべての個別要素及び当該群に可能なすべての組み合わせ及び副組み合わせが本開示に個別に含まれることを意図している。
【0085】
[0093]本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上の別段の明確な指示がない限り、複数形も含むことに留意する必要がある。したがって、例えば、「a cell」と言及している場合は、複数のこのような細胞(cell)及び当業者が把握しているその均等物等を含む。同様に、本明細書においては、用語「a」(又は、「an」)、「1つ又は複数の(one or more)」、及び「少なくとも1つの(at least one)」を区別なく使用可能である。また、用語「備える(comprising)」、「具備する(including)」、及び「有する(having)」についても区別なく使用可能である。表現「請求項XX〜YYのいずれか一項に記載の(of any of claims XX−YY)」(XX及びYYは、請求項番号を表す)は、選択方式の多項従属請求項を提供することを意図しており、いくつかの実施形態においては、表現「as in any one of claims XX−YY」に置き換え可能である。
【0086】
[0094]例えば温度の範囲、時間の範囲、組成の範囲、又は濃度の範囲等、本明細書において範囲を与えている場合はいつでも、すべての中間範囲及び部分的範囲のほか、与えられた範囲に含まれるすべての個別値が本開示に含まれることを意図している。本明細書の記述に含まれるある範囲又は部分的範囲の任意の部分的範囲又は個別値は、特許請求の範囲から除外可能であることが了解されよう。
【0087】
[0095]本明細書に記載のすべての特許及び刊行物は、本発明が関係する当業者の熟練度を示す。本明細書に引用の参考文献は、そのすべてを本明細書に援用することによって、それぞれの公開日又は出願日の時点での最新技術を示しており、また、この情報は、必要に応じて本明細書に採用することにより、従来技術における具体的な実施形態を除外することができるものである。例えば、組成物を請求している場合、本明細書に引用の参考文献に実施可能な開示が提供された化合物を含めて、本出願人の発明に先立つ技術において既知且つ利用可能な化合物は、特許請求の範囲に係る組成物に含まれるものではないことが了解されるものとする。
【0088】
[0096]本明細書において、「備える(comprising)」は、「具備する(including)」、「含む(containing)」、又は「特徴とする(characterized by)」と同義であり、包含的すなわちオープンエンドであるため、付加的な列挙されていない要素又は方法ステップを除外しない。本明細書において、「から成る(consisting of)」は、特許請求の範囲の要素に指定されていない如何なる要素、ステップ、又は成分も除外する。本明細書において、「から本質的になる(consisting essentially of)」は、特許請求の範囲の基本的且つ新規な特性に対して実質的な影響を及ぼさない材料又はステップを除外しない。本明細書の如何なる場合も、用語「備える(comprising)」、「から本質的になる(consisting essentially of)」、及び「から成る(consisting of)」はそれぞれ、その他2つの用語のいずれかと置き換え可能である。本明細書において説明的に記載した本発明は、本明細書に具体的に開示されていない如何なる(1つ又は複数の)要素、限定がなくても、適切に実施可能である。
【0089】
[0097]当業者には当然のことながら、具体的に例示されていない出発物質、生物材料、試薬、合成方法、精製方法、分析方法、検査方法、及び生物学的方法は、必要以上の実験を行うことなく本発明の実施に採用可能である。このような任意の材料及び方法に関して当技術分野で既知のすべての機能的均等物は、本発明に含まれるものである。採用した用語及び表現は、説明の用語として使用しており、何ら制限を与えるものではない。また、このような用語及び表現の使用によって、図示及び記載した特徴又はその一部の如何なる均等物も除外することを意図しておらず、特許請求の範囲に係る本発明の範囲内で種々改良が可能であることが認識される。したがって、好適な実施形態及び任意選択としての特徴により本発明を具体的に開示したものの、当業者であれば、本明細書に開示の概念を改良及び変形可能であり、このような改良及び変形についても、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲内にあるものと考え得ることが了解されるものとする。