特許第6705592号(P6705592)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6705592
(24)【登録日】2020年5月18日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20200525BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20200525BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20200525BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   H01L21/92 604M
   H01L21/88 T
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-121955(P2016-121955)
(22)【出願日】2016年6月20日
(65)【公開番号】特開2017-228583(P2017-228583A)
(43)【公開日】2017年12月28日
【審査請求日】2019年3月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154325
【氏名又は名称】住友電工デバイス・イノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】松田 慶太
【審査官】 小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−502294(JP,A)
【文献】 特開2013−074174(JP,A)
【文献】 特開2014−044985(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0061823(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 21/3205
H01L 21/768
H01L 23/522
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁膜に設けられた開口部の内側から前記絶縁膜の上面まで、パラジウムを含む第1金属層を形成する工程と、
前記第1金属層の上面のうち周縁部から前記絶縁膜の上面のうち前記第1金属層の外側の領域までを覆い、銅を含むカバー膜を形成する工程と、
前記カバー膜を形成する工程の後、前記第1金属層をシードメタルとして、前記カバー膜を構成する材料とは異なり、かつニッケルを含む金属の無電解メッキ処理を行うことで、前記第1金属層の上面に位置し、かつ前記カバー膜の外側には延設しない第2金属層を形成する工程と、を具備する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記カバー膜および前記第2金属層を覆う被覆金属層を設ける工程と、前記被覆金属層に半田を形成する工程と、を有する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記カバー膜の一部は、前記絶縁膜の上面のうち前記第1金属層の外側の領域に接触し、前記第2金属層は、前記開口部の内部を充填して設けられる、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記カバー膜は、前記絶縁膜の平面方向に10μm以上、50μm以下の幅と前記絶縁膜の厚み方向に1μm以上、4μm以下の厚さを有する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置を基板などにフリップチップ実装するため、ボールグリッドアレイ(Ball Grid Array:BGA)のパッケージが用いられることがある。こうした半導体装置のパッドの上には半田バンプが形成される。例えば特許文献1には補強層を含む複数の金属膜で形成された電極の上に半田バンプを有する半導体装置が記載されている。
【0003】
半田の配線層への拡散を抑制するため、配線層の上に金属層(アンダーバンプメタル、Under Bump Metal:UBM)を設け、その上に半田バンプを設けることがある。また、水分などから半導体層を保護するため、半導体層の上に例えばポリイミドなどで形成された絶縁膜を設ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−120803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
UBMとして機能する金属層と絶縁膜との密着性が低いため、金属層が剥がれやすくなり、また欠けが発生することもある。例えば熱応力などにより金属層と絶縁膜との間に隙間が生じ、金属層と絶縁膜との界面から水分および半田が侵入することがある。侵入した水分により電極が腐食してしまう。半田がパッドの内部に染み込むことで、パッドがショートする。また金属層が欠け、パッドを用いた電気的な接続の信頼性が低下することもある。このように、金属層と絶縁膜との低い密着性に起因して、半導体装置の信頼性が低下する。
【0006】
本願発明は、上記課題に鑑み、金属層の密着性を高めることが可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態は、第1金属層を形成する工程と、前記第1金属層の外周の領域にCu、Ti、Al、MgおよびCrの何れかよりなるカバー膜を形成する工程と、前記カバー膜を形成する工程の後、前記第1金属層をシードメタルとして、前記カバー膜を構成する材料とは異なり、かつNi、PdまたはAlから選択された金属の無電解メッキ処理を行うことで、前記第1金属層の上面に位置し、かつ前記カバー膜の外側には延設しない第2金属層を形成する工程と、を具備する半導体装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
上記発明によれば、金属層の密着性を高めることが可能な半導体装置の製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は実施例1に係る半導体装置を例示する平面図である。
図2A図2Aはパッドを拡大した平面図である。
図2B図2B図1の線A−Aに沿った断面図である。
図3A図3Aは半導体装置の製造方法を例示する断面図である。
図3B図3Bは半導体装置の製造方法を例示する断面図である。
図3C図3Cは半導体装置の製造方法を例示する断面図である。
図3D図3Dは半導体装置の製造方法を例示する断面図である。
図3E図3Eは半導体装置の製造方法を例示する断面図である。
図4A図4Aは比較例に係る半導体装置を例示する断面図である。
図4B図4Bは比較例に係る半導体装置を例示する断面図である。
図5図5は実施例1の変形例に係る半導体装置を例示する断面図である。
図6図6は実施例2に係る半導体装置を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一形態は、(1)第1金属層を形成する工程と、前記第1金属層の外周の領域にCu、Ti、Al、MgおよびCrの何れかよりなるカバー膜を形成する工程と、前記カバー膜を形成する工程の後、前記第1金属層をシードメタルとして、前記カバー膜を構成する材料とは異なり、かつNi、PdまたはAlから選択された金属の無電解メッキ処理を行うことで、前記第1金属層の上面に位置し、かつ前記カバー膜の外側には延設しない第2金属層を形成する工程と、を具備する半導体装置の製造方法である。これにより第2金属層の密着性が向上する。
(2)前記カバー膜および前記第2金属層を覆う被覆金属層を設ける工程と、前記被覆金属層に半田を形成する工程と、を有することが好ましい。被覆金属層により、半田の第2金属層への拡散を抑制することができる。
(3)前記第1金属層は、絶縁膜に設けられた開口部の内側および上面に設けられ、前記第2金属層は、前記開口部の内部を充填して設けられることが好ましい。これにより第2金属層の密着性が向上する。
(4)前記カバー膜は、前記半導体層の平面方向に10μm以上、50μm以下の幅と前記半導体層の厚み方向に1μm以上、4μm以下の厚さを有することが好ましい。これにより第2金属層の密着性が向上する。
【0011】
本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
(半導体装置)
図1は実施例1に係る半導体装置100を例示する平面図である。図1に示すように、半導体装置100は基板10の表面に設けられた複数のパッド20を有するBGAタイプの半導体装置である。複数のパッド20は基板10の一面においてグリッド状に配列されている。
【0013】
図2Aはパッドを拡大した平面図であり、半田ボール21を透視している。図1および図2Aに示すように、パッド20の平面形状は例えば円形である。カバー膜30は金属層26および28を囲んでおり、半田ボール21はカバー膜30の外側を覆うように設けられている。図2B図1の線A−Aに沿った断面図である。図2Bに示すように、例えば基板10の上に半導体層11が形成されている。基板10は例えば炭化シリコン(SiC)またはサファイアなど絶縁体で形成された絶縁基板である。半導体層11は例えば窒化ガリウム(GaN)のチャネル層、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)の電子供給層などを含む。このように半導体装置100は例えば電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)を備える。パッド20はFETと電気的に接続されており、高周波信号の入力および出力などに用いられる。
【0014】
半導体層11の上面に接触する金属層22が設けられている。半導体層11および金属層22を覆うように絶縁膜12が設けられ、絶縁膜12は金属層22の上面が露出する開口部を有する。金属層22の上面に接触して金属層24が設けられている。金属層22は例えばチタン(Ti)などの金属により形成されており、例えばソース電極およびドレイン電極などのオーミック電極、またはゲート電極として機能する。金属層24は配線層であり、例えば金(Au)またはアルミニウム(Al)などの金属により形成されている。金属層22および24を合わせた厚さは例えば1〜5μmである。
【0015】
絶縁膜12の上面には、金属層24を囲む絶縁膜14が設けられている。絶縁膜14の上には、絶縁膜16および18が設けられている。絶縁膜18は絶縁膜16の上面、金属層24の側面および上面の一部を覆う。絶縁膜18の上面には絶縁膜19が設けられており、絶縁膜18および19の開口部19aからは金属層24の上面が露出する。絶縁膜12、16および18は、それぞれ例えば厚さ0.1〜0.5μmの窒化シリコン(SiN)により形成されている。絶縁膜14および19はそれぞれ例えば厚さ10μm以下のポリイミドにより形成されている。
【0016】
開口部19aの内側から、絶縁膜19の上面にかけて、金属層26(第1金属層)が形成されている。金属層26は、開口部19aから露出する金属層24の上面、開口部19aの内壁および絶縁膜19の上面に接触している。金属層26は後述のメッキ処理においてシードメタルとして機能する。開口部19aの内側から外側にかけて、金属層26の表面に接触する金属層28(第2金属層)が設けられている。金属層28は開口部19aを充填し、金属層26の上面の周縁部には設けられていない。
【0017】
図2Bに示すように、金属層26の上面の周縁部から、金属層26の外周面および絶縁膜19の上面かけて接触するカバー膜30が設けられている。図2Bに示すように、金属層28はカバー膜30の開口部19a側の側面に接触しており、絶縁膜19には接触していない。絶縁膜19の上面から金属層28およびカバー膜30の上面にかけて、金属層28およびカバー膜30を覆う金属層32(被覆金属層)が設けられている。金属層32の上に、金属層32の表面を覆う半田ボール21が設けられている。
【0018】
金属層26は例えば厚さ10nmのパラジウム(Pd)などの金属により形成されている。金属層26には、Pd以外には、銅(Cu)、亜鉛(Zn)なども用いることもできる。金属層28は例えばニッケル(Ni)などの金属により形成され、厚さT1は例えば3μm以上、4μm以下(3〜4μm)である。カバー膜30は例えば銅(Cu)などの金属により形成され、厚さT2は例えば1μm〜4μmの範囲が好ましい。また、カバー膜30の幅は、例えば25μmなど、10μm〜50μmの範囲が好ましい。金属層32は例えば厚さ10nmのAuなどの金属により形成されたメッキ層である。半田ボール21は例えば錫および銀の合金(Sn−Ag)などの金属により形成されている。
【0019】
(半導体装置の製造方法)
次に半導体装置100の製造方法について説明する。図3Aから図3Eは半導体装置100の製造方法を例示する断面図である。
【0020】
基板10の上面に半導体層11をエピタキシャル成長する。例えばパッドの形成される領域など、半導体層11の一部を不活性化する。例えば蒸着・リフトオフにより半導体層11の上面に金属層22を形成する。半導体層11および金属層22の上に絶縁膜12、14および16を形成する。絶縁膜12および16は例えば化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法により設ける。絶縁膜14は例えば厚さ2μmのポリイミド膜を積層することで設ける。例えばメッキ法により金属層22の上面に接触する金属層24を形成する。絶縁膜16および金属層24の上に絶縁膜18および19を形成する。絶縁膜18は例えばCVD法により設ける。絶縁膜19は例えば厚さ2μmのポリイミド膜を積層することで形成される。エッチング処理により、絶縁膜19および18に開口部19aを形成する。開口部19aからは金属層24の上面が露出する。例えば蒸着・リフトオフ法により、金属層24の上面から絶縁膜19の上面にかけて、金属層26を形成する。
【0021】
図3Aに示すように、絶縁膜19および金属層26の上にフォトレジスト40を形成する。レジストパターニングにより、フォトレジスト40に開口部40aが形成される。開口部40aからは絶縁膜19の上面および金属層26の上面の周縁部が露出する。
【0022】
図3Bに示すように、例えば蒸着法により、Cuからなるカバー膜30を形成する。カバー膜30は開口部40a内の金属層26の上面の周縁部および外周面、ならびに絶縁膜19の上面に接触し、かつフォトレジスト40の上面に接触する。図3Cに示すようにフォトレジスト40上のカバー膜30と共に、フォトレジスト40を除去する。金属層26および絶縁膜19上のカバー膜30は残存する。
【0023】
図3Dに示すように、金属層26をシードメタルとし、自己触媒メッキの次亜リン酸塩を触媒とする無電解メッキ処理(例えば自己触媒型無電解メッキ処理)により、金属層28を形成する。無電解メッキを使用する理由は、電解メッキに比べて信頼性に優れているからである。金属層28は、開口部19a内の金属層26の表面から図中の上方向および横方向に成長する。カバー膜30は、金属層28の横方向の成長を抑制するマスクとして機能する。このため金属層28は、開口部19aを充填し、カバー膜30の開口部19a側の側面に接触するまで形成するが、カバー膜30を越えて横方向には成長しにくい。このため、金属層28は、カバー膜30の上面に乗り上げず、またカバー膜30の外側に形成されない。例えば金属層28がカバー膜30の側面に接触した時点で無電解メッキ処理を終了する。
【0024】
無電解メッキとは、外部電源を使用せずにメッキを施す方法であり、イオン化傾向を用いる置換型メッキ、還元剤を用いる自己触媒型無電解メッキ(還元型メッキ)、そして、これらを組み合わせた置換還元型メッキ等がある。ここでは、自己触媒型無電解メッキの方法を用いたが、他の無電解メッキを用いてもよい。いっぽう、電解メッキとは、外部電源を使用して電極間に電流を流すことで陰極から電子を与え、メッキを施す方法である。また、金属層28の横方向の成長を抑制するマスク材料としては、金属以外にもフォトレジストや絶縁膜(窒化シリコン膜)などを用いることもできる。なお、フォトレジストをマスクに用いた場合、金属層26の上に有機残渣物などが発生し、金属層28との密着性が低下してしまう。窒化シリコン膜の場合には、絶縁膜19上に形成されるため、両者の界面から水分が侵入し、信頼性が低下するなどの課題が発生する。これらの理由から、後述のように、カバー膜の材料としては、金属が最適であり、かつ横方向の成長を抑制できる材料が用いられる。
【0025】
図3Eに示すように、例えば無電解メッキ処理、電解メッキ処理、蒸着・リフトオフ法またはスパッタリング法などの何れかの手法により、金属層28およびカバー膜30の表面を覆う金属層32を形成する。金属層32の表面に半田ペーストを設け、リフロー処理を行うことで、図2Bに示す半田ボール21を形成する。以上の工程により、半導体装置100を形成する。
【0026】
ここで比較例について説明する。図4Aは比較例1に係る半導体装置のパッド20Rを例示する断面図であり、図4Bは経路A1を追加した断面図である。図4Aおよび図4Bにおいては半田ボール21を省略している。
【0027】
図4Aに示すように、パッド20Rにはカバー膜30は設けられていない。このため、金属層26をシードメタルとする無電解メッキ処理において、金属層28は上方向および横方向に成長し、横方向においては、金属層26を越えて絶縁膜19の上に到達する。この結果、金属層28は金属層26および絶縁膜19の上面に接触している。金属層28は、半田の金属層24への拡散を抑制するUBMとして機能する。
【0028】
しかし、金属層28と絶縁膜19との密着性が低いため、例えば半田リフロー処理の際の熱応力、ハンドリングの際の衝撃などにより、図4Bに示すように金属層28と絶縁膜19との間に隙間が生じることがある。金属層28の剥離により金属層26と絶縁膜19との間にも隙間が生じる。このため、金属層26および28と絶縁膜19との界面に、水分および半田などの経路A1(図4Bの矢印)が形成される。経路A1から水分が浸入することで、電極の腐食、およびイオンマイグレーションなどが発生する。また半田がパッド20Rの内部に染み込むことでパッド20Rがショートする。これにより半導体装置の信頼性が低下する。また応力などにより金属層28が欠けてしまい、パッド20の接続の信頼性が低下することもある。
【0029】
一方、実施例1によれば、カバー膜30が金属層26の上面の周縁部および外周面、ならびに絶縁膜19の上面に接触して設けられている。金属層26をシードメタルとする無電解メッキ処理において、カバー膜30は金属層28の横方向への成長を抑制するマスクとして機能する。このため、金属層28は横方向において、カバー膜30の開口部19a側の側面に接触するまで成長するが、カバー膜30を越えて成長しにくい。この結果、金属層28は金属層26の上面およびカバー膜30の側面に接触するように設けられる。これにより、金属層28の密着性が向上し、剥がれにくくなる。このため金属層28により金属層24への半田の拡散を効果的に抑制することができる。カバー膜30は金属層28に加わる応力を緩和する緩衝材として機能する。このため金属層28の剥離および欠けが抑制される。この結果、パッド20を用いた電気的な接続の信頼性が向上する。
【0030】
金属層28と絶縁膜19との密着性が低いため、例えば金属層28がカバー膜30をまたいで絶縁膜19と接触すると、金属層28の剥離および欠けなどが発生する。剥離および欠けを抑制するために、金属層28は絶縁膜19に接触しないことが好ましい。すなわち無電解メッキ処理は、金属層28がカバー膜30の側面に接触し、かつカバー膜30の外側に延設しない程度に行うことが好ましい。
【0031】
また、カバー膜30と絶縁膜19との密着性は、金属層28と絶縁膜19との密着性より高い。このためカバー膜30と絶縁膜19との間に隙間が生じにくく、これらの界面からの水分および半田の侵入が抑制される。したがって水分による電極の腐食、イオンマイグレーション、半田の染み込みによるショートなどが抑制され、半導体装置100の信頼性が向上する。
【0032】
カバー膜30は金属層26の外周面から上面の周縁部にかけて接触することが好ましい。カバー膜30が金属層26の周縁部に乗り上げるため、金属層26の剥離が抑制され、水分および半田の侵入が効果的に抑制される。また図2Aに示すように、カバー膜30は金属層26および28を完全に囲むことが好ましい。金属層28の密着性が向上し、水分および半田の侵入が効果的に抑制される。
【0033】
ポリイミドの絶縁膜19とNiの金属層28との密着性は低い。絶縁膜19との密着性が高いカバー膜30を設けることで、パッド20の剥離および欠けを抑制することができる。絶縁膜19はポリイミド以外の絶縁体で形成されてもよく、金属層28はNi以外にPd、Alなどの金属で形成されてもよい。カバー膜30はCuとしたが、金属層28と比較して絶縁膜19との密着性が高く、かつ無電解メッキ処理による金属層28の成長を阻害する材料であればよい。カバー膜30は例えばCu以外にTi、Al、マグネシウム(Mg)およびクロム(Cr)などの金属で形成されてもよい。
【0034】
絶縁膜19との密着性を確保するため、カバー膜30の厚さは例えば1μm以上、4μm以下とすることが好ましい。カバー膜30の外側の側面と絶縁膜19との間で段差が形成され、金属層32も段差に沿って形成される。半田ボール21は、この段差を覆うように形成される。このため、半田ボール21と金属層32との接触面積が大きくなり、半田ボール21が強固に接合される。カバー膜30の厚さは例えば0.5μm以上、3μm以下などでもよい。半導体層11の平面方向におけるカバー膜30の幅は例えば10μm以上、50μm以下である。これによりカバー膜30と絶縁膜19との密着性を高めることができる。幅は例えば15μm以上、20μm以上、40μm以下、60μm以下でもよい。
【0035】
無電解メッキ処理により緻密な金属層28が形成される。このため、金属層24への半田の拡散が抑制され、パッド20の電気抵抗の上昇を抑制することができる。半田の拡散を効果的に抑制するため、金属層28の厚さは例えば3μm以上、4μm以下などとしてもよいし、カバー膜30の2倍以上程度に大きくしてもよい。金属層26が開口部19aの内側から絶縁膜19の上面に接触し、金属層28が開口部19aを充填するため、金属層28の密着性が向上し、パッド20の強度が向上する。
【0036】
金属層32は設けなくてもよい。ただし、半田との濡れ性を向上させ半田ボール21を強固に接合するため、金属層32を設けることが好ましい。金属層32はAu以外でも、半田との濡れ性の高い金属で形成すればよい。
【0037】
図5は実施例1の変形例に係る半導体装置のパッド20Aを例示する断面図である。図5に示すように、金属層28はカバー膜30の開口部19a側の側面および上面に接触している。金属層28の上面の高さはカバー膜30の上面の高さより高いため、無電解メッキ処理の時間を長くすると、金属層28はカバー膜30の側面を越え、上面に接触するまで成長する。これにより図5の金属層28が形成される。変形例によれば、実施例1と同様に、パッド20と絶縁膜19との密着性が向上する。なお金属層28は、カバー膜30の外側に延設しないことが好ましい。金属層28が絶縁膜19の上面に接触しないようにするためである。
【実施例2】
【0038】
図6は実施例2に係る半導体装置のパッド50を例示する断面図である。実施例1と同様の構成については説明を省略する。図6に示すように、カバー膜30は、金属層26の上面には接触せず、外周面に接触している。金属層28は、金属層26の上面の周縁部およびカバー膜30の側面に接触する。実施例2によれば、実施例1と同様に、パッド20と絶縁膜19との密着性が向上する。このため水分および半田の侵入が抑制される。また金属層28の欠けが抑制される。
【0039】
実施例1および2はBGAの例であるが、パッドの配置はBGA以外でもよい。またパッドは電極(金属層22)、配線層(金属層24)およびUBM(金属層28)を含むとしたが、パッドの構成はこれに限定されない。例えば金属層26をシードメタルとして金属層28を成長することで形成するパッドであれば実施例1および2は適用可能である。金属層26の側面にカバー膜30を設けることで、無電解メッキ処理において金属層28の横方向の成長を抑制することができる。
【0040】
パッドはFETと電気的に接続されているとしたが、FET以外の半導体素子と電気的に接続されてもよい。実施例1および2ではパッドが半導体層11の上に設けられている。ただし、パッドの設けられる領域に半導体層11が形成されていなくてもよく、パッドがFETなどの半導体素子と接続されていればよい。
【0041】
基板10はSiC、シリコン(Si)、サファイア、GaNなどの絶縁体で形成される。基板10上の半導体層11は、例えば窒化物半導体または砒素系半導体などで形成された化合物半導体層である。窒化物半導体とは、窒素(N)を含む半導体であり、例えばGaN、AlGaN、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化インジウム(InN)、および窒化アルミニウムインジウムガリウム(AlInGaN)などがある。砒素系半導体とはガリウム砒素(GaAs)など砒素(As)を含む半導体である。
【0042】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0043】
10 基板
11 半導体層
12、14、16、18、19 絶縁膜
19a、40a 開口部
20、20A、20R、50 パッド
21 半田ボール
22、24、26、28、32 金属層
30 カバー膜
40 フォトレジスト
100 半導体装置
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図5
図6