(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る情報処理装置及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。以下に示す実施形態では、本発明をプリンタ装置に適用した例について説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0009】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るプリンタ装置の構成の一例を示すブロック図である。プリンタ装置10は、制御部11を備える。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やSoC(System-on-a-Chip)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のコンピュータ構成を有する。また、制御部11は、図示しないRTC(Real Time Clock)等の計時装置を有する。
【0010】
また、制御部11には、バス等を介して記憶部12が接続される。記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部12は、制御部11により実行される動作プログラム及び当該動作プログラムの実行に用いられるデータを記憶する。
【0011】
また、制御部11には、バス等を介して印字部13及び電源部14が接続される。印字部13は、サーマルプリンタやドットプリンタ等のプリンタエンジンである。電源部14は、バッテリ15に蓄えられた電力をプリンタ装置10の各部に供給する。なお、プリンタ装置10の電源は、バッテリ15に限らず商用電源であってもよい。
【0012】
また、制御部11には、バス等を介して表示部16、操作入力部17、報知部19及び通信インタフェース(I/F)20が接続される。表示部16は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。
【0013】
操作入力部17は、ユーザからの操作入力を受け付けるための各種操作子を有する。操作入力部17は、例えば、プリンタ装置10の電源のオン又はオフを指示するための電源ボタン18を有する。なお、本実施形態では、電源ボタン18を介した電源オフの操作に伴い、制御部11が後述する電源オフ処理を実行する。そのため、電源ボタン18は、電気的な接続を直接切断して電源をオフとするタイプではなく、電源オフの指示を制御部11に通知して当該制御部11に電源をオフさせるタイプを用いることが好ましい。本実施形態では、電源ボタン18の長押しにより電源オフの指示を制御部11に通知するタイプの電源ボタン18を用いるものとする。
【0014】
報知部19は、音声を出力することが可能な音声出力装置である。報知部19は、制御部11の制御の下、ビープ音等の音声を出力することでユーザへの報知を行う。なお、報知部19は、音声出力装置に限らないものとする。例えば、報知部19は、インジケータランプ等の発光装置であってもよい。
【0015】
通信インタフェース20は、ホストコンピュータ30と通信を行うためのインタフェースである。本実施形態では、通信インタフェース20は、Bluetooth(登録商標)によって、ホストコンピュータ30に設けられた通信インタフェースと通信を行う。
【0016】
ホストコンピュータ30は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ(PC)、ハンディターミナル等の情報機器である。ホストコンピュータ30は、図示しないCPU、ROM、RAM等のコンピュータ構成の制御部を備え、当該制御部がHDD等の記憶装置に記憶された所定のOS(Operating System)と協働することで、各種の演算処理を実行する。
【0017】
また、ホストコンピュータ30は、Bluetooth(登録商標)通信による近距離無線通信を行うことが可能な通信インタフェースを備え、当該無線通信においてマスタとして動作する。より詳細には、ホストコンピュータ30は、スレーブとして動作するプリンタ装置10を検索し、当該プリンタ装置10に通信を要求するためのアクセスを行う。そして、ホストコンピュータ30は、アクセス先のプリンタ装置10とペアリングを行うことで通信を確立する。ホストコンピュータ30は、プリンタ装置10との間で通信が確立すると、プリンタ装置10と各種情報の送受信を行う。例えば、ホストコンピュータ30は、ユーザの操作入力に応じて、印字対象の印字データ(画像データ等)をプリンタ装置10に送信する。
【0018】
また、本実施形態のホストコンピュータ30は、上記したマスタとして動作するとともに、他の装置からアクセスを受け付けるスレーブとしても動作する。これらマスタ及びスレーブの両動作は、例えば、スキャッタネットと呼ばれる技術等により実現することができる。ホストコンピュータ30は、スレーブとして動作することで、例えばプリンタ装置10からアクセスを受け付けると、当該プリンタ装置10とペアリングを行うことで通信を確立する。以下、マスタ及びスレーブの両動作を実現する機能をスキャッタネット機能という。
【0019】
上記構成のプリンタ装置10において、制御部11は、記憶部12に記憶された動作プログラムを実行することで、プリンタ装置10の動作を統括的に制御する。例えば、制御部11は、ホストコンピュータ30から受信した印字データを、RAMや記憶部12に一時記憶する。また、制御部11は、印字部13を制御することで、一時記憶した印字データを当該印字部13に印字させる。
【0020】
また、プリンタ装置10の制御部11は、
図1に示すように、表示制御部111、通信制御部112及び電源オフ制御部113等の機能部を備える。これらの機能部は、記憶部12に記憶されたプログラムの実行によりソフトウェア的に、或いは制御部11が備える専用プロセッサ等によりハードウェア的に実現される。
【0021】
表示制御部111は、表示部16を制御することで、印字状況等の各種情報を表示部16に表示させる。また、表示制御部111は、電源オフ制御部113と協働することで、電源オフ制御に係る各種情報を表示部16に表示させる。
【0022】
通信制御部112は、本実施形態の通信制御手段に対応する機能部である。通信制御部112は、通信インタフェース20と協働することで、ホストコンピュータ30との通信を制御する。より詳細には、通信制御部112は、ホストコンピュータ30からのアクセスに応じて当該ホストコンピュータ30とペアリングを行うことで、ホストコンピュータ30との無線通信を確立させる。また、通信制御部112は、通信が確立したホストコンピュータ30の接続先を示す接続先情報(例えば、BD_ADDR)を記憶部12に記憶する。そして、通信制御部112は、プリンタ装置10の電源がオンとされた場合、記憶部12に接続先情報が記憶されていることを条件に、当該アドレス情報の接続先にアクセスする。
【0023】
このように、プリンタ装置10は、記憶部12に記憶された接続先情報にアクセスすることで、電源がオフとされるまで接続していたホストコンピュータ30に再接続する。なお、記憶部12にアドレス情報が記憶されていない場合や、接続先情報が示す接続先と通信を確立できない場合、プリンタ装置10(通信制御部112)は、スレーブとして動作する。なお、プリンタ装置10からホストコンピュータ30へのアクセスは、上述したスキャッタネット機能により実現してもよい。
【0024】
ところで、マスタとして動作する装置(第1装置)では、スレーブとして動作する装置(第2装置)が電源オフ等により通信不可の状態になると、キープアライブ信号等を送信することで、その通信(セッション)を所定時間の間維持する。このような場合、スレーブとしても動作する第1装置では、電源のオンにより回復した第2装置からアクセスを受け付けても、前回の通信を維持している間は新たな通信を確立することができない。そのため、第2装置では、電源のオフとオンとが短時間の間に行われる再起動時等において、第1装置にアクセスしても、前回の通信がタイムアウトするまでの間は再接続できないという問題がある。
【0025】
そこで、本実施形態のプリンタ装置10では、上記の問題に対応するため、電源オフ制御部113を備えている。以下、電源オフ制御部113について説明する。
【0026】
電源オフ制御部113は、本実施形態の受付手段、送信手段及び制御手段に対応する機能部である。電源オフ制御部113は、電源ボタン18と協働することで、電源オフの指示を受け付ける。電源オフ制御部113は、電源オフの指示を受け付けると、通信制御部112と協働することで、通信が確立したホストコンピュータ30に切断要求を送信する。ここで、切断要求は、通信の切断(終了)を要求するコマンド等である。ホストコンピュータ30では、プリンタ装置10から切断要求を受信すると、ACK等の応答を行った後、当該プリンタ装置10との通信を切断する。
【0027】
このように、電源オフ制御部113は、電源オフが指示されると、ホストコンピュータ30に切断要求を送信することで、プリンタ装置10とホストコンピュータ30との間の通信を終了させる。これにより、プリンタ装置10は、自装置の電源のオフ後に、ホストコンピュータ30において自装置との通信が不用意に維持されてしまうことを防止することができる。したがって、プリンタ装置10は、接続先情報に基づきホストコンピュータ30にアクセスすることで、前回の通信のタイムアウトを待機することなく、ホストコンピュータ30に再接続することができる。
【0028】
また、電源オフ制御部113は、切断要求の送信後、所定の待機時間(以下、電源オフ待機時間という)を待機した後、電源部14を制御することでプリンタ装置10の電源をオフとする。ここで、電源のオフとは、電源部14により供給される電力をオフとするだけでなく、プリンタ装置10のシステムを終了させた後、供給電力(電源)をオフとするシャットダウンを含む概念である。
【0029】
なお、電源オフ待機時間は特に問わず、任意の値を設定することが可能である。例えば、電源オフ待機時間は、1秒等の予め設定された固定値としてもよい。この場合、固定値は、ホストコンピュータ30において通信の切断に要する処理時間に応じた値とすることが好ましい。また、電源オフ待機時間は、ホストコンピュータ30に切断要求を送信してから、当該ホストコンピュータ30から応答(ACK等)を受信するまでの時間としてもよい。また、電源オフ待機時間は、ホストコンピュータ30に切断要求を送信してから、通信インタフェース20がホストコンピュータ30とのオフラインを検出するまでの時間としてもよい。なお、本実施形態では、電源オフ待機時間は、予め設定された固定値として説明する。
【0030】
このように、電源オフ制御部113は、切断要求を送信した後、電源オフ待機時間の間待機することで、ホストコンピュータ30側において通信の切断が確実に完了するのを待機する。これにより、プリンタ装置10は、電源のオフとオンとが短時間の間に行われる再起動等が行われた場合であっても、ホストコンピュータ30とスムーズに再接続することができる。
【0031】
また、電源オフ制御部113は、電源オフが指示されたことを条件に、報知部19を動作させることで、電源オフの指示を受け付けたことをユーザに報知する。具体的に、電源オフ制御部113は、電源オフが指示されてから所定時間(報知待機時間)の経過後に音声(ビープ音等)を出力することで報知を行う。なお、報知待機時間は、電源オフ待機時間より小さな値(報知待機時間<電源オフ待機時間)であるとする。例えば、電源オフ待機時間が1秒の場合、電源オフ制御部113は、電源オフ待機時間の計時を開始してから0.5秒(報知待機時間)後に音声を出力することで、電源オフの指示を受け付けたことを報知する。なお、報知待機時間はこれに限らないものとする。例えば、報知待機時間をゼロとすることで、報知待機時間の計時開始とともに報知を行ってもよい。また、報知待機時間を電源オフ待機時間の1/3や1/2とすることで、電源オフ待機時間の1/3や1/2が経過した時点で報知を行うようにしてもよい。
【0032】
このように、電源オフ制御部113は、電源オフ待機時間の間に、電源オフの指示を受け付けたことをビープ音等で報知する。これにより、プリンタ装置10は、電源オフの操作が正しく入力されたことをユーザに認識させることができる。また、プリンタ装置10は、電源オフ待機時間の待機に係るユーザの違和感を緩和することができる。
【0033】
なお、報知方法は音声に限らず、他の方法で報知を行ってもよい。例えば、電源オフ制御部113は、表示制御部111と協働することで、電源オフの指示を受け付けたことを画面表示(報知画面)により報知してもよい。ここで、
図2〜
図4は、報知画面の一例を示す図である。
【0034】
例えば、電源オフ制御部113は、
図2に示すように「電源をオフにします」等のメッセージを表示部16に表示させることで、電源オフの指示を受け付けたこと報知してもよい。また、電源オフ制御部113は、
図3に示すように、電源オフの処理中であることを示すメッセージとともに、ローディング画像G1を表示部16に表示させることで、電源オフの指示を受け付けたこと報知してもよい。また、電源オフ制御部113は、
図4に示すように、電源オフ待機時間の計時状況を表すカウントダウンやプログレスバー等を表示部16に表示させることで、電源オフの指示を受け付けたことを報知してもよい。なお、報知画面を表示するタイミングは特に問わず、上記した音声による報知と同じタイミングとしてもよい。また、電源オフ待機時間の計時開始とともに表示してもよい。
【0035】
このように、電源オフ制御部113は、電源オフの指示を受け付けたことを画面表示により報知する。これにより、プリンタ装置10は、電源オフの操作が正しく入力されたことをユーザに認識させることができる。また、プリンタ装置10は、電源がオフとなるまでの時間を報知することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0036】
次に、
図5、6を参照して、上記したプリンタ装置10の動作の一例について説明する。
【0037】
図5は、プリンタ装置10が実行する電源オフ処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理の前提として、スレーブとして動作するプリンタ装置10と、マスタとして動作するホストコンピュータ30との間で通信が確立しているものとする。
【0038】
まず、電源オフ制御部113は、電源ボタン18の操作により電源オフが指示されるまで待機する(ステップS11;No)。電源ボタン18の長押しにより電源オフが指示されると(ステップS11;Yes)、電源オフ制御部113は、ステップS12に移行する。ステップS12において、電源オフ制御部113は、通信制御部112と協働することで、ホストコンピュータ30に切断要求を送信する(ステップS12)。また、電源オフ制御部113は、電源オフの指示に伴い、計時を開始する(ステップS13)。
【0039】
続いて、電源オフ制御部113は、計時時間が報知待機時間(例えば0.5秒)に達するまで待機する(ステップS14;No)。計時時間が報知待機時間に達すると(ステップS14;Yes)、電源オフ制御部113は、音声の出力や報知画面の出力により、電源オフの指示を受け付けたことを報知する(ステップS15)。
【0040】
続いて、電源オフ制御部113は、計時時間が電源オフ待機時間(例えば1秒)に達するまで待機する(ステップS16;No)。計時時間が電源オフ待機時間に達すると(ステップS16;Yes)、電源オフ制御部113は、プリンタ装置10の電源をオフとし(ステップS17)、本処理を終了する。
【0041】
図6は、プリンタ装置10が実行する再接続処理の一例を示すフローチャートである。プリンタ装置10の電源がオンとなると(ステップS21)、通信制御部112は、記憶部12に接続先情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS22)。
【0042】
ステップS22において、記憶部12に接続先情報が記憶されていない場合(ステップS22;No)、通信制御部112は、自装置をスレーブとして動作させ(ステップS23)、本処理を終了する。
【0043】
一方、ステップS22において、記憶部12に接続先情報が記憶されている場合(ステップS22;Yes)、通信制御部112は、この接続先情報が示す接続先(ホストコンピュータ30)にアクセスする(ステップS24)。次いで、通信制御部112は、接続先との間で通信が確立したか否かを判定する(ステップS25)。
【0044】
ステップS25において、接続先との通信が確立できない場合(ステップS25;No)、通信制御部112は、ステップS23に移行することで、自装置をスレーブとして動作させる。
【0045】
また、ステップS25において、接続先との通信が確立すると(ステップS25;Yes)、通信制御部112は、その通信状態を維持し、本処理を終了する。この場合、プリンタ装置10はマスタとして動作し、ホストコンピュータ30はスレーブとして動作する。なお、ステップS25で通信が確立した際に、通信制御部112は、接続先の接続先情報を記憶部12に上書き記憶してもよい。また、通信制御部112は、自装置がスレーブとして動作したときに接続先情報を記憶(上書き記憶)する構成としてもよい。
【0046】
以上のように、本実施形態のプリンタ装置10は、電源オフが指示されると、切断要求の送信によりホストコンピュータ30との通信を終了させる。また、プリンタ装置10は、切断要求の送信後、電源オフ待機時間の待機した後、電源をオフとする。これにより、プリンタ装置10は、電源が再びオンとされた際に、前回の通信のタイムアウトを待つことなく、ホストコンピュータ30と通信を確立することができるため、スムーズに再接続を行うことができる。
【0047】
なお、
図5の電源オフ処理では、電源ボタン18を介した電源オフの操作に応じて、切断要求の送信等を行う例を説明したが、これに限らないものとする。例えば、電源オフ制御部113は、バッテリ15の電池残量の低下等により電源のオフを自動で行うような場合、上記したステップS12〜S17の処理を実行してもよい。
【0048】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、ホストコンピュータ30が、スキャッタネット機能を具備する構成とした。しかしながら、ホストコンピュータ30の種別によっては、スキャッタネット機能を具備しない、マスタ動作専用のホストコンピュータ30も存在する。ここで、ホストコンピュータ30の種別は、ホストコンピュータ30が搭載するOSの種別やバージョン、通信インタフェースの種別やバージョン等を意味する。
【0049】
ホストコンピュータ30がマスタ動作専用の場合、プリンタ装置10からアクセスしても通信を確立することはできず、ホストコンピュータ30からプリンタ装置10に接続し直すことになる。そのため、ホストコンピュータ30がマスタ動作専用の場合には、プリンタ装置10での切断要求の送信や電源オフ待機時間の待機は不要となる。
【0050】
そこで、第2の実施形態では、ホストコンピュータ30の種別に応じて、電源オフ処理の処理内容を切り替えることが可能な形態について説明する。なお、第1の実施形態で説明したプリンタ装置10と同様に構成要素については、同一の符号を付与し説明を省略する。
【0051】
図7は、第2の実施形態に係るプリンタ装置の構成の一例を示すブロック図である。プリンタ装置10aは、
図1で説明したプリンタ装置10と同様のハードウェア構成を備える。また、プリンタ装置10aの制御部11aは、
図7に示すように、表示制御部111、通信制御部112、種別判別部114、電源オフ制御部115等の機能部を備える。これらの機能部は、記憶部12に記憶されたプログラムの実行によりソフトウェア的に、或いは制御部11aが備える専用プロセッサ等によりハードウェア的に実現される。
【0052】
種別判別部114は、通信制御部112と協働することで、通信が確立したホストコンピュータ30の種別を判別する。ここで、ホストコンピュータ30の種別の判別方法は特に問わないものとする。例えば、種別判別部114は、ホストコンピュータ30から送信される情報に含まれた種別を示す情報に基づいて、ホストコンピュータ30の種別を判別してもよい。また、種別判別部114は、ホストコンピュータ30に対し種別を示す情報を要求し、当該要求に応じて提供される情報に基づいて、ホストコンピュータ30の種別を判別してもよい。また、種別判別部114は、ホストコンピュータ30とのペアリング方法や通信プロトコル等に基づいて、ホストコンピュータ30の種別を判別してもよい。
【0053】
電源オフ制御部115は、種別判別部114の判別結果に基づいて、接続先のホストコンピュータ30がスキャッタネット機能に対応した装置か否かを判定する。より詳細には、電源オフ制御部115は、ホストコンピュータ30の各種別と、スキャッタネット機能の有無とを対応付けた設定テーブルに基づき、判別された種別がスキャッタネット機能に対応しているか否かを判定する。
【0054】
ホストコンピュータ30がスキャッタネット機能に対応している場合、電源オフ制御部115は、電源オフが指示されたことを条件に、第1の実施形態と同様の処理を実行する。具体的には、電源オフ制御部115は、ホストコンピュータ30に切断要求の送信後、電源オフ待機時間を待機した後、プリンタ装置10aの電源をオフとする。また、ホストコンピュータ30がスキャッタネット機能に未対応の場合、電源オフ制御部115は、電源オフが指示されたことを条件に、プリンタ装置10aの電源を直ちにオフとする。このように、電源オフ制御部115は、ホストコンピュータ30の種別に応じて、切断要求の送信有無を判定する。
【0055】
次に、
図8を参照して、上記したプリンタ装置10aの動作の一例について説明する。
図8は、プリンタ装置10aが実行する電源オフ処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理の前提として、スレーブとして動作するプリンタ装置10aと、マスタとして動作するホストコンピュータ30との間で通信が確立しているものとする。また、種別判別部114により、ホストコンピュータ30の種別の判別が行われているとする。
【0056】
まず、電源オフ制御部115は、電源ボタン18の操作により電源オフが指示されるまで待機する(ステップS31;No)。ここで、電源ボタン18の長押しにより電源オフが指示されたことを検出すると(ステップS31;Yes)、電源オフ制御部115は、ステップS32に移行する。ステップS32において、電源オフ制御部115は、種別判別部114の判別結果に基づき、ホストコンピュータ30がスキャッタネット機能に対応しているか否かを判定する(ステップS32)。
【0057】
ホストコンピュータ30がスキャッタネット機能に未対応の場合(ステップS32;No)、電源オフ制御部115は、ステップS38に移行し、電源をオフとする(ステップS38)。また、ホストコンピュータ30がスキャッタネット機能に対応している場合(ステップS32;Yes)、電源オフ制御部115は、切断要求をホストコンピュータ30に送信する(ステップS33)。
【0058】
続いて、電源オフ制御部115は、ステップS34〜S38の処理を実行し、本処理を終了する。なお、ステップS34〜S38の処理は、
図5で説明したステップS13〜S17の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0059】
以上のように、本実施形態のプリンタ装置10aは、電源オフが指示されると、ホストコンピュータ30の種別がスキャッタネット機能に対応しているか否かを判定する。プリンタ装置10aは、ホストコンピュータ30がスキャッタネット機能に対応している場合、第1の実施形態と同様の手順で電源をオフとする。また、プリンタ装置10aは、ホストコンピュータ30がスキャッタネット機能に未対応の場合、切断要求の送信や電源オフ待機時間の待機を行わず、電源をオフとする。これにより、プリンタ装置10aは、ホストコンピュータ30の種別に適した方法で電源をオフとすることができる。
【0060】
なお、
図7の電源オフ処理では、電源オフの指示に応じて、ホストコンピュータ30がスキャッタネット機能に対応するか否かを判定したが、当該判定を行うタイミングはこれに限らないものとする。例えば、電源オフ制御部115は、電源オフの指示を受け付ける前に、スキャッタネット機能に対応するか否かを判定してもよい。また、電源オフ制御部115は、種別判別部114によるホストコンピュータ30の種別の判別時に、スキャッタネット機能に対応するか否かを判定してもよい。
【0061】
また、本実施形態では、スレーブからの通信要求に応じて通信を確立することが可能な技術(機能)の一例としてスキャッタネットを挙げたが、これに限らず、他の技術を用いてもよい。なお、スキャッタネット以外の他の技術(機能)を用いた場合であっても、ホストコンピュータ30が当該機能に対応するか否を判定することで、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0063】
例えば、上記の実施形態では、本発明をプリンタ装置10(10a)に適用した例を説明したが、適用先の装置はこれに限らず、例えばホストコンピュータ30に適用してもよい。具体的には、マスタ及びスレーブの動作(機能)を同時或いは異時に実現可能な情報処理装置であれば、その種別は特に問わないものとする。
【0064】
また、上記の実施形態では、通信制御部112は、記憶部12に記憶された接続先情報に基づいて自動でアクセスする構成としたが、これに限らず、ユーザからの操作に応じてアクセスする構成としてもよい。例えば、通信制御部112は、スレーブとして動作している外部装置を検索し、検索した外部装置の中から選択された外部装置にアクセスを行ってもよい。