(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
パネルの貫通孔に挿通されるワイヤハーネスに固定され、前記貫通孔に嵌め込まれてパネルに装着されることで、前記パネルに前記ワイヤハーネスを支持するグロメットであって、
前記貫通孔に固定されるパネル固定部を備えた大径筒部と、
前記大径筒部の軸方向両側に1つずつ配置され、前記貫通孔に通されるワイヤハーネスの外周に密着嵌合する2つの小径筒部と、
前記大径筒部と各小径筒部との間に環状の遮音空間を画成する2つの連結遮蔽壁と、を有し、
前記2つの小径筒部のうち少なくとも一方の小径筒部に、該小径筒部を介した外部から前記遮音空間内への水の浸入を防止する止水部が設けられ、
前記遮音空間の内部に、外周端が、前記大径筒部の内周またはそれに近い位置の前記連結遮蔽壁の内周に連結され、内周端が、前記ワイヤハーネスの外周に密着することで、前記遮音空間を軸方向に分割する遮音壁が設けられ、
前記遮音壁は、環状の波形壁として形成されていることを特徴とするグロメット。
前記止水部が、前記小径筒部の内周と前記ワイヤハーネスの電線間の隙間及び電線と前記小径筒部の内周との隙間を封止する止水剤により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のグロメット。
前記2つの小径筒部のうち少なくとも一方の小径筒部は、前記連結遮蔽壁との間に下方へ延在する筒状部を有し、前記止水部が、前記筒状部により構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のグロメット。
前記小径筒部には、内周側が開放されたスリットを有する複数のスリット部が周方向に間隔をあけて設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のグロメット。
パネルの貫通孔に挿通されるワイヤハーネスに固定され、前記貫通孔に嵌め込まれてパネルに装着されることで、前記パネルに前記ワイヤハーネスを支持するグロメットであって、
前記貫通孔に固定されるパネル固定部を備えた大径筒部と、
前記大径筒部から軸方向両側に延在し、前記大径筒部から離れるに従い徐々に小径となって、小径となった内周端が、前記ワイヤハーネスの外周に近接または密着して配置され、前記ワイヤハーネスの周囲に遮音空間を画成する2つの連結遮蔽壁と、
少なくとも軸方向一方側の端部が前記連結遮蔽壁の内周端の内側に挿通され、前記ワイヤハーネスの外周に密着嵌合される内筒部と、
前記遮音空間の内部に設けられ、外周端が、前記大径筒部の内周またはそれに近い位置の前記連結遮蔽壁の内周に連結され、内周端が、前記内筒部に連結されることで、前記遮音空間を軸方向に区画する遮音壁と、を有し、
前記内筒部に、該内筒部が密着嵌合する前記ワイヤハーネスの電線間の隙間及び電線と前記内筒部の内周との隙間を止水剤で封止した止水部が設けられ、
前記遮音壁は、環状の波形壁として形成されていることを特徴とするグロメット。
前記内筒部が、前記2つの連結遮蔽壁の両内周端の間の片側半分の長さに連続して延在しており、前記内筒部の一方側の端部が、一方側の前記連結遮蔽壁の内周端の内側に挿通され、前記内筒部の他方側の端部の開口端が、前記遮音空間内に開放していることを特徴とする請求項7に記載のグロメット。
前記内筒部が、前記2つの連結遮蔽壁の両内周端の間の全長にわたり連続して延在しており、前記内筒部の両端部が、各連結遮蔽壁の内周端の内側に挿通されていることを特徴とする請求項7に記載のグロメット。
前記止水部が、前記大径筒部のパネル固定部よりも、軸方向において前記パネルの両側のうちの騒音発生側に近い位置に配置されていることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載のグロメット。
パネルの貫通孔に挿通されるワイヤハーネスに固定され、前記貫通孔に嵌め込まれてパネルに装着されることで、前記パネルに前記ワイヤハーネスを支持するグロメットであって、
前記貫通孔に固定されるパネル固定部を備えた大径筒部と、
前記大径筒部から軸方向両側に延在し、前記大径筒部から離れるに従い徐々に小径となって、小径となった内周端が、前記ワイヤハーネスの外周に近接または密着して配置され、前記ワイヤハーネスの周囲に遮音空間を区画する2つの連結遮蔽壁と、
少なくとも軸方向一方側の端部が前記連結遮蔽壁の内周端の内側に挿通され、前記ワイヤハーネスの外周に密着嵌合される内筒部と、
前記遮音空間の内部に設けられ、外周端が、前記大径筒部の内周またはそれに近い位置の前記連結遮蔽壁の内周に連結され、内周端が、前記内筒部に連結されることで、前記遮音空間を軸方向に分割する遮音壁と、を有し、
前記連結遮蔽壁の内周端の内側に挿通された前記内筒部の端部に、下方に延在し外部からの水の浸入を防止する延長筒部が設けられ、
前記遮音壁は、環状の波形壁として形成されていることを特徴とするグロメット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、グロメットは車室内と車室外を仕切るパネルに装着されることが多いが、車室外は被水環境であることが多い。グロメットは、パネルの貫通孔を塞ぐことで、被水環境である車室外から車室内への水の浸入を防ぐことができる。しかしながら、その点に関しては必ずしも十分であるとは言えなかった。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い遮音性を実現しながら、ワイヤハーネスの電線間を伝っての水分の浸入を防止(止水)することのできるグロメットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係るグロメットは、下記(1)〜(11)を特徴としている。
(1) パネルの貫通孔に挿通されるワイヤハーネスに固定され、前記貫通孔に嵌め込まれてパネルに装着されることで、前記パネルに前記ワイヤハーネスを支持するグロメットであって、
前記貫通孔に固定されるパネル固定部を備えた大径筒部と、
前記大径筒部の軸方向両側に1つずつ配置され、前記貫通孔に通されるワイヤハーネスの外周に密着嵌合する2つの小径筒部と、
前記大径筒部と各小径筒部との間に環状の遮音空間を画成する2つの連結遮蔽壁と、を有し、
前記2つの小径筒部のうち少なくとも一方の小径筒部に、該小径筒部を介した外部から前記遮音空間内への水の浸入を防止する止水部が設けら
れ、
前記遮音空間の内部に、外周端が、前記大径筒部の内周またはそれに近い位置の前記連結遮蔽壁の内周に連結され、内周端が、前記ワイヤハーネスの外周に密着することで、前記遮音空間を軸方向に分割する遮音壁が設けられ、
前記遮音壁は、環状の波形壁として形成されていること。
(2) 上記(1)の構成のグロメットにおいて、
前記止水部が、前記小径筒部の内周と前記ワイヤハーネスの電線間の隙間及び電線と前記小径筒部の内周との隙間を封止する止水剤により構成されていること。
(3) 上記(1)または(2)の構成のグロメットにおいて、
前記2つの小径筒部のうち少なくとも一方の小径筒部は、前記連結遮蔽壁との間に下方へ延在する筒状部を有し、前記止水部が、前記筒状部により構成されていること。
(4) 上記(3)の構成のグロメットにおいて、
前記筒状部は、周方向にわたる複数の山部と谷部とが軸方向に交互に形成された蛇腹形状に形成されていること。
(5) 上記(1)ないし(4)のいずれかの構成のグロメットにおいて、
前記小径筒部には、内周側が開放されたスリットを有する複数のスリット部が周方向に間隔をあけて設けられていること。
(6)
パネルの貫通孔に挿通されるワイヤハーネスに固定され、前記貫通孔に嵌め込まれてパネルに装着されることで、前記パネルに前記ワイヤハーネスを支持するグロメットであって、
前記貫通孔に固定されるパネル固定部を備えた大径筒部と、
前記大径筒部の軸方向両側に1つずつ配置され、前記貫通孔に通されるワイヤハーネスの外周に密着嵌合する2つの小径筒部と、
前記大径筒部と各小径筒部との間に環状の遮音空間を画成する2つの連結遮蔽壁と、を有し、
前記2つの小径筒部のうち少なくとも一方の小径筒部に、該小径筒部を介した外部から前記遮音空間内への水の浸入を防止する止水部が設けられ、
前記小径筒部には、内周側が開放されたスリットを有する複数のスリット部が周方向に間隔をあけて設けられていること。
(7) パネルの貫通孔に挿通されるワイヤハーネスに固定され、前記貫通孔に嵌め込まれてパネルに装着されることで、前記パネルに前記ワイヤハーネスを支持するグロメットであって、
前記貫通孔に固定されるパネル固定部を備えた大径筒部と、
前記大径筒部から軸方向両側に延在し、前記大径筒部から離れるに従い徐々に小径となって、小径となった内周端が、前記ワイヤハーネスの外周に近接または密着して配置され、前記ワイヤハーネスの周囲に遮音空間を画成する2つの連結遮蔽壁と、
少なくとも軸方向一方側の端部が前記連結遮蔽壁の内周端の内側に挿通され、前記ワイヤハーネスの外周に密着嵌合される内筒部と、
前記遮音空間の内部に設けられ、外周端が、前記大径筒部の内周またはそれに近い位置の前記連結遮蔽壁の内周に連結され、内周端が、前記内筒部に連結されることで、前記遮音空間を軸方向に区画する遮音壁と、を有し、
前記内筒部に、該内筒部が密着嵌合する前記ワイヤハーネスの電線間の隙間及び電線と前記内筒部の内周との隙間を止水剤で封止した止水部が設けら
れ、
前記遮音壁は、環状の波形壁として形成されていること。
(8) 上記(7)の構成のグロメットにおいて、
前記内筒部が、前記2つの連結遮蔽壁の両内周端の間の片側半分の長さに連続して延在しており、前記内筒部の一方側の端部が、一方側の前記連結遮蔽壁の内周端の内側に挿通され、前記内筒部の他方側の端部の開口端が、前記遮音空間内に開放していること。
(9) 上記(7)の構成のグロメットにおいて、
前記内筒部が、前記2つの連結遮蔽壁の両内周端の間の全長にわたり連続して延在しており、前記内筒部の両端部が、各連結遮蔽壁の内周端の内側に挿通されていること。
(10) 上記(7)ないし(9)の構成のグロメットにおいて、
前記止水部が、前記大径筒部のパネル固定部よりも、軸方向において前記パネルの両側のうちの騒音発生側に近い位置に配置されていること。
(11) パネルの貫通孔に挿通されるワイヤハーネスに固定され、前記貫通孔に嵌め込まれてパネルに装着されることで、前記パネルに前記ワイヤハーネスを支持するグロメットであって、
前記貫通孔に固定されるパネル固定部を備えた大径筒部と、
前記大径筒部から軸方向両側に延在し、前記大径筒部から離れるに従い徐々に小径となって、小径となった内周端が、前記ワイヤハーネスの外周に近接または密着して配置され、前記ワイヤハーネスの周囲に遮音空間を区画する2つの連結遮蔽壁と、
少なくとも軸方向一方側の端部が前記連結遮蔽壁の内周端の内側に挿通され、前記ワイヤハーネスの外周に密着嵌合される内筒部と、
前記遮音空間の内部に設けられ、外周端が、前記大径筒部の内周またはそれに近い位置の前記連結遮蔽壁の内周に連結され、内周端が、前記内筒部に連結されることで、前記遮音空間を軸方向に分割する遮音壁と、を有し、
前記連結遮蔽壁の内周端の内側に挿通された前記内筒部の端部に、下方に延在し外部からの水の浸入を防止する延長筒部が設けら
れ、
前記遮音壁は、環状の波形壁として形成されていること。
【0009】
上記(1)の構成のグロメットによれば、ワイヤハーネスの周囲に大きな容量の遮音空間(空気層)を確保することができるので、遮音性を高めることができる。また、小径筒部に止水部を設けたので、ワイヤハーネスの電線間の隙間を通って、パネルの一方側の環境から他方側の環境に水分が浸入するのを防止することができる。また、電線間の隙間を通っての音の侵入も阻止することができ、遮音性の向上にも寄与することができる。
更に、遮音空間の内部に遮音壁を設けたので、2つの連結遮蔽壁と遮音壁とを透過して、パネルの一方側の環境から他方側の環境に進行しようとする透過音を減らすことができ、遮音性を一層高めることができる。
上記(2)の構成のグロメットによれば、止水剤によって高い止水効果を得ることができる。
上記(3)の構成のグロメットによれば、止水剤を使用しなくても止水効果を得ることができる。
上記(4)の構成のグロメットによれば、蛇腹形状の筒状部を容易に屈曲させて下方に延在させることができる。
上記(5)の構成のグロメットによれば、成形済みのグロメットから内部金型を抜く際に、各スリット部のスリットが広がるので、内部金型を容易に抜くことができる。
上記(6)の構成のグロメットによれば、
成形済みのグロメットから内部金型を抜く際に、各スリット部のスリットが広がるので、内部金型を容易に抜くことができる。
上記(7)の構成のグロメットによれば、ワイヤハーネスの周囲に大きな容量の遮音空間(空気層)を確保することができるので、遮音性を高めることができる。また、遮音空間の内部に遮音壁を設けているので、2つの連結遮蔽壁と遮音壁とを透過して、パネルの一方側の環境から他方側の環境に進行しようとする透過音を減らすことができ、遮音性を一層高めることができる。また、内筒部と連結遮蔽壁の内周端とを密着することにより、少なくとも一部の遮音空間を閉じることができるので、遮音性の向上をさらに図ることができる。また、内筒部に止水部を設けたので、ワイヤハーネスの電線間の隙間を通って、パネルの一方側の環境から他方側の環境に水分が侵入するのを防止することができる。また、電線間の隙間を通っての音の侵入も阻止することができ、遮音性の向上にも寄与することができる。
上記(8)の構成のグロメットによれば、内筒部を軸方向の中間から片側だけに延ばしたので、ワイヤハーネスに組み付ける際のワイヤハーネスの挿通性を向上することができる。
上記(9)の構成のグロメットによれば、内筒部を軸方向の中間から両側に延ばしたので、ワイヤハーネスと内筒部の密着性を向上することができる。
上記(10)の構成のグロメットによれば、最適量の止水剤の使用により高い止水効果を得ることができる。
上記(11)の構成のグロメットによれば、止水剤を使用せずに止水効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高い遮音性を実現しながら、ワイヤハーネスの電線間を伝っての水分の浸入を有効に防止(止水)することができる。
【0011】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
図1は第1実施形態のグロメットの断面図である。
図1に示すように、このグロメット10は、ゴムやエラストマ等の弾性材料により一体に形成されており、パネルPの貫通孔Paに挿通されるワイヤハーネスWに固定され、貫通孔Paに嵌め込まれてパネルPに装着されることで、パネルPにワイヤハーネスWを支持するものである。
【0014】
このグロメット10は、パネルPの貫通孔Paに嵌合される大径筒部13と、大径筒部13から軸方向両側に延在した2つのテーパ筒状の連結遮蔽壁15、16と、連結遮蔽壁15、16の内周側に配置され、ワイヤハーネスWの外周に密着嵌合する内筒部21と、大径筒部13の内周にワイヤハーネスWと交差する方向に沿って設けられた遮音壁20と、を有している。
【0015】
大径筒部13は、外周に、パネルPの貫通孔Paの孔縁に固定されるパネル固定部としての環状の係合溝13aを備えている。2つのテーパ筒状の連結遮蔽壁15、16は、大径筒部13から離れるに従い徐々に小径となり、小径となった内周端にそれぞれ小径筒部11、12を有している。小径筒部11、12は、ワイヤハーネスWの外周に近接または密着して配置される部分である。そして、2つのテーパ筒状の連結遮蔽壁15、16によって、ワイヤハーネスWの周囲に遮音空間Sが形成されている。
【0016】
内筒部21は、軸方向一方側(エンジンルーム等の車室外環境側)の端部21aが連結遮蔽壁15の内周端の小径筒部11の内側に環状の隙間25を保って挿通されている。なお、後述するように、隙間25はタイバンドやテープ40等で閉じてもよい。この実施形態における内筒部21は、2つのテーパ筒状の連結遮蔽壁15、16の両内周端(小径筒部11、12)の間の軸方向長さの片側半分の長さに連続して延在している。そして、連結遮蔽壁15の内周端の小径筒部11の内側に挿通された方と逆側の端部21b(この端部がパネルPの位置に対応している)の開口端22が、遮音空間S内に開放している。
【0017】
また、遮音壁20は、遮音空間Sの内部に配置されており、外周端20aが、大径筒部13の内周に連結され、内周端20bが、内筒部21に連結されている。これにより、遮音空間Sが、軸方向の二つの遮音空間S1、S2に区画されている。この遮音壁20は、環状の波形壁として形成されている。波形壁とは、環状の壁板を同心円状の波形に成形したものであり、波形の中には蛇腹状も含まれる。なお、遮音壁20は、大径筒部の内周のパネルPに対応する位置に連結されているのが一番望ましいが、それに近い位置の連結遮蔽壁15、16の内周に連結されていてもよい。
【0018】
このグロメット10は、次のようにワイヤハーネスWに取り付ける。即ち、内筒部21の内部と片方の小径筒部12の内部にワイヤハーネスWを通し、片方の小径筒部12をワイヤハーネスWにタイバンドやテープ40等で巻き付け固定する。また、内筒部21の外側に位置するもう一方の小径筒部11を、内筒部21の上からワイヤハーネスWにタイバンドやテープ40で巻き付け固定する。こうすることで、ワイヤハーネスWにグロメット10を固定する。
【0019】
そして、グロメット10にワイヤハーネスWを組み付ける前でも後でもよいが、内筒部21が密着嵌合するワイヤハーネスWの電線Wa間の隙間及び電線Waと内筒部21の内周との隙間にシリコンなどの止水剤31を注入して固化させることで、内筒部21の内部に、電線Wa間の隙間が封止された止水部30を設ける。このように構成した状態で、グロメット10の大径筒部13をパネルPの貫通孔Paに嵌め込んで、係合溝13aを貫通孔Paの孔縁に係合させ、パネルPに装着する。これにより、ワイヤハーネスWを、グロメットによってパネルPに支持することができる。このように、パネルPの貫通孔Paにグロメット10を嵌め込むと、貫通孔Paがグロメット10で封鎖される。
【0020】
このグロメット10は、内部に遮音空間Sを有し、さらに遮音空間Sの内部に遮音壁20を有している。したがって、パネルPの図中左側のエンジンルームからグロメット10を通してパネルPの図中右側の車室内に伝わる騒音を、2つの連結遮蔽壁15、16と遮音壁20及び遮音空間S(S1、S2)によって低減することができる。
【0021】
この場合、ワイヤハーネスWの周囲に大きな容量の遮音空間(空気層)Sを確保することができるので、遮音性を高めることができる。特に遮音空間Sの内部に配置した遮音壁20は、その外周端20aと内周端20bとを大径筒部13の内周と内筒部21の外周にそれぞれ結合しているので、遮音空間Sを気密を保ちながら二分割することができる。したがって、分割された遮音空間S1、S2の間での透過音の漏れを確実に防止することができて、遮音壁20による防音効果をさらに高めることができる。
【0022】
また、遮音壁20が環状の波形壁として形成されているので、波形壁に当たった入射音が拡散されながら反射することなる。したがって、入射音と反射音の波の打ち消し合いが活発になって遮音性が高まる。また、遮音壁20は、透過音が必ず通過するグロメット10の中央のパネル嵌合位置に配置されているので、確実な防音性能を発揮できる。したがって、遮音壁20の肉厚を特別に大きくしなくても、遮音壁20による高い減音効果を得ることができる。
【0023】
なお、このグロメット10では、連結遮蔽壁15の内周端の小径筒部11を、内筒部21の外周にタイバンドやテープ40等で締め付けているが、小径筒部11を内筒部21の外周に非接触状態で近接配置することもできる。そうした場合は、遮音空間Sへの外部音の侵入を極力低減することができる。しかし、図示例のように内筒部21の内部にワイヤハーネスWを通した後、タイバンドやテープ40等で小径筒部11を内筒部と共に締め付ければ、小径筒部11と内筒部21との間の環状の隙間25を閉じることができるので、その隙間からの音の侵入を遮断することができ、より一層の防音性の向上が図れる。
【0024】
また、内筒部21の内部には止水部30を設けているので、ワイヤハーネスWの電線Wa間の隙間を通って、パネルPの一方側の環境(例えば、エンジンルーム)から他方側の環境(例えば、車室内)に水分が浸入するのを防止することができる。また、電線Wa間の隙間を通っての音の侵入も阻止することができ、遮音性の向上にも寄与することができる。この場合、内筒部21の軸方向のどの位置に止水部30を配置して止水効果を得ることができるが、図示例のように、大径筒部13のパネル固定部よりも、軸方向においてパネルPの両側のうち図中左側の騒音発生側(エンジンルーム側)に近い位置に配置することにより、最適量の止水剤31の使用により高い止水効果を得ることができる。
【0025】
また、本実施形態のグロメット10によれば、内筒部21を軸方向の中間から片側だけに延ばしているので、ワイヤハーネスWに組み付ける際のワイヤハーネスWの挿通性を向上することができる。
【0026】
なお、遮音空間S(S1、S2)に吸音材を充填することによって、透過音をさらに吸収することができ、一層高い防音効果を得ることができる。
【0027】
次に、上記グロメット10の製造方法について説明する。
このグロメット10は、溶融した材料を金型内のキャビティに注入し、材料の固化後に金型を離型させることにより、成形品として得られる。金型としては、グロメット10の外周面の形状を成形する外部金型と、内周面の形状を成形する内部金型と、を利用する。
【0028】
図2は、グロメット10と内部金型の関係を示している。
本実施形態のグロメット10を製造する場合は、グロメット10の内部形状を成形する内部金型を、遮音壁20を境にして軸方向に二分割する。一方の分割金型である内部金型TBには、本体部TB1に内筒部21の内部を形成するロッド状の金型部TB2を一体化してある。
【0029】
そして、グロメット10の成形後に、二分割した内部金型TA、TBのうち一方の内部金型TAを、成形済みのグロメット10に対して相対的に軸方向の一方側(矢印A方向)に型抜きする。また、二分割した内部金型TA、TBのうち他方の内部金型TBを、成形済みのグロメット10に対して相対的に軸方向の他方側(矢印B方向)に型抜きする。以上により、成形品としてのグロメット10を得ることができる。このように分割された内部金型TA、TBをグロメット10から相対的に反対方向に抜くことで、遮音壁20を含めて一体構造のグロメット10を容易に成形することが可能になる。
【0030】
なお、内部金型TA、TBの離型の際に、グロメット10と内部金型TA、TBの間にエアを吹き込んでグロメット10を膨張させると、より容易にグロメット10から内部金型TA、TBを引き抜くことができる。
【0031】
次に第2実施形態のグロメットについて説明する。
図3は第2実施形態のグロメットの断面図である。
図1に示した第1実施形態のグロメット10は、内筒部21を、グロメット10の軸方向の全長の半分の長さに形成していた。これに対し本第2実施形態のグロメット110は、内筒部21を、2つのテーパ筒状の連結遮蔽壁15、16の両内周端(小径筒部11、12)の間の全長にわたり連続して延在させている。そして、内筒部21の両端部21a、21bを、各連結遮蔽壁15、16の内周端の小径筒部11、12の内側に環状の隙間25を保って挿通させている。また、パネルPに嵌合させる際の組付け応力を緩和するために、挿入側の連結遮蔽壁16と小径筒部12との間に、S字状に湾曲した環状の湾曲部17を介在させている。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0032】
この第2実施形態のグロメット110によれば、第1実施形態のグロメット10と同様の効果を得ることができる。また、それ以外にこのグロメット110では、内筒部21を、軸方向の中間(パネル固定部の位置)から片側だけでなく両側に延ばしているので、ワイヤハーネスWと内筒部21の密着性を向上することができる。
【0033】
この第2実施形態のグロメット110を製造する場合は次のような内部金型を使用する。
図4は、グロメット110と内部金型の関係を示している。
【0034】
第2実施形態のグロメット110を製造する場合は、グロメット110の内部形状を成形する内部金型を3つ使用する。即ち、遮音空間Sを形成する内部金型を、遮音壁20を境にして軸方向に二分割し、軸方向一方側の第1内部金型TAと、軸方向他方側の第2内部金型TBを使用する。さらに内筒部21の内周を成形する第3内部金型TCを使用する。
【0035】
このような第1〜第3の3つの内部金型TA、TB、TCを使用してグロメット110を成形した後、型抜きする際には、二分割した内部金型TA、TBのうち第1内部金型TAを、成形済みのグロメット110に対して相対的に軸方向の一方側(矢印A方向)に型抜きする。また、二分割した内部金型TA、TBのうち第2内部金型TBを、成形済みのグロメット110に対して相対的に軸方向の他方側(矢印B方向)に型抜きする。また、第3内部金型TCを一方側(矢印C方向)または他方側に型抜きする。以上により、成形品としてのグロメット110を得ることができる。
【0036】
このようにグロメット110を製造した場合、成形済みの遮音壁20が邪魔になることなく、分割された内部金型TA、TBをグロメット110から相対的に抜くことができる。したがって、遮音壁20を含めて一体構造のグロメット110を容易に成形することができる。
この場合も、内部金型TA、TB、TCの離型の際に、グロメット110と内部金型TA、TB、TCの間にエアを吹き込んでグロメット110を膨張させると、より容易にグロメット110から内部金型TA、TB、TCを引き抜くことができる。
【0037】
次に第3実施形態のグロメットについて説明する。
図5は第3実施形態のグロメットの断面図、
図6は同グロメットの使用状態の断面図である。
図5に示すように、本第3実施形態のグロメット210は、
図1に示した第1実施形態のグロメット10の内筒部21の端部21aに延長筒部21cを設けたものである。即ち、連結遮蔽壁15の内周端(小径筒部11)の内側に挿通された内筒部21の端部21a(エンジンルーム等の被水環境に臨む側の端部)に、
図6に示すように使用状態で、下方へ曲げられて長く延在することで外部からの水の浸入を防止する延長筒部21cが設けられている。
【0038】
このように下向きに垂れ下がった姿勢の延長筒部21cが内筒部21に延長して設けられていることにより、延長筒部21cの内部に電線Wa間隙間の毛細管現象などで水分が浸入しにくくなり、この部分が止水部60に相当することになる。この場合は止水剤31を使用しないので、止水剤31の注入工程を省略することができる。その他の構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一構成要素に同一符号を付して説明を省略する。
【0039】
なお、
図5に示した例は、内筒部21が、2つの連結遮蔽壁15、16の両内周端(小径筒部11、12)の間の全長の半分の長さに延在する場合の変形例として示したが、第2実施形態のように、内筒部21が、2つの連結遮蔽壁15、16の両内周端(小径筒部11、12)の間の全長に亘って延在していてもよい。
【0040】
次に第4実施形態のグロメットについて説明する。
図7は第4実施形態のグロメットの概略斜視図、
図8は同グロメットの使用状態の概略断面図である。
【0041】
図7及び
図8に示すように、本第4実施形態のグロメット310は、筒状部70を有している。この筒状部70は、一方の連結遮蔽壁15の内周端と小径筒部11との間に一体的に設けられている。筒状部70は、周方向にわたる複数の山部71と谷部72とが軸方向に交互に形成された蛇腹形状とされており、これにより、筒状部70は、容易に屈曲可能とされている。筒状部70は、その端部の小径筒部11が容易に下方へ向くように屈曲させることが可能な長さとされており、例えば、30mm〜200mmの長さとされている。
【0042】
内筒部21は、軸方向他方側(車室内)へ延在されており、その端部21aが連結遮蔽壁16の内周端の小径筒部12の内側に環状の隙間25を保って挿通されている。そして、連結遮蔽壁16の内周端の小径筒部12の内側に挿通された方と逆側の端部21b(この端部がパネルPの位置に対応している)の開口端22が、遮音空間S内に開放している。
【0043】
遮音壁20は、遮音空間Sの内部に配置されており、外周端20aが、大径筒部13に近い連結遮蔽壁16の内周に連結され、内周端20bが、内筒部21に連結されている。この遮音壁20は、平板状に形成されているが、環状の波形壁として形成されていてもよく、この場合も、波形の中には蛇腹状も含まれる。
【0044】
また、グロメット310は、連結遮蔽壁15側の小径筒部11に、4つのスリット部75を有しており、同様に、連結遮蔽壁16側の小径筒部12に、4つのスリット部76を有している。スリット部75、76は、小径筒部11、12の周方向に等間隔に形成されており、それぞれ径方向外方へ張り出している。それぞれのスリット部75、76には、スリットSLが形成されており、これらのスリットSLは、それぞれ内周側で開放されている。なお、このグロメット310は、連結遮蔽壁15の小径筒部11及び連結遮蔽壁16の小径筒部12をスリット部75、76ごとタイバンドやテープ40等で締め付けることで、ワイヤハーネスWに固定される。
【0045】
グロメット310では、筒状部70は、使用状態で、下方へ曲げられて長く延在する。これにより、筒状部70は、その端部(エンジンルーム等の被水環境に臨む側の端部)の小径筒部11が下向きに垂れ下がった姿勢となり、小径筒部11の内部に電線Wa間隙間の毛細管現象などで水分が浸入しにくくなり、この部分が止水部80に相当することになる。この場合は止水剤31を使用しないので、止水剤31の注入工程を省略することができる。なお、小径筒部11の内部に止水剤31を充填してもよく、その場合、さらに止水効果が高められる。その他の構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一構成要素に同一符号を付して説明を省略する。
【0046】
図9は、グロメット10と内部金型の関係を示している。
本実施形態のグロメット310を製造する場合は、グロメット310の内部形状を成形する内部金型を、遮音壁20を境にして軸方向に二分割する。一方の分割金型である内部金型TAには、本体部TA1に内筒部21の内部を形成するロッド状の金型部TA2を一体化してある。
【0047】
そして、グロメット310の成形後に、二分割した内部金型TA、TBのうち一方の内部金型TBを、成形済みのグロメット310に対して相対的に軸方向の一方側(矢印A方向)に型抜きする。また、二分割した内部金型TA、TBのうち他方の内部金型TAを、成形済みのグロメット310に対して相対的に軸方向の他方側(矢印B方向)に型抜きする。以上により、成形品としてのグロメット310を得ることができる。このように分割された内部金型TA、TBをグロメット310から相対的に反対方向に抜くことで、遮音壁20を含めて一体構造のグロメット310を容易に成形することが可能になる。
【0048】
また、成形済みのグロメット310から内部金型TA、TBを抜く際には、小径筒部11、12の各スリット部75、76のスリットSLが広がるので、内部金型TA、TBを容易に抜くことができる。
【0049】
なお、内部金型TA、TBの離型の際に、グロメット310と内部金型TA、TBの間にエアを吹き込んでグロメット310を膨張させると、より容易にグロメット310から内部金型TA、TBを引き抜くことができる。
【0050】
また、本実施形態のグロメット310の正面図、背面図、左側面図、右側面図、平面図、底面図、斜視図、断面図を、
図10〜
図17にそれぞれ示す。
【0051】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0052】
例えば、上記実施形態では、内筒部21と遮音壁20が備わったグロメットについて説明したが、本発明は、内筒部21が省略されたグロメットにも適用できる。その場合のグロメットは、
図1の第1実施形態と同様に大径筒部や連結遮蔽壁を有しており、両連結遮蔽壁の内周端に小径筒部を有している。そして、2つの小径筒部のうち少なくとも一方の小径筒部に、小径筒部が密着嵌合するワイヤハーネスの電線間の隙間及び電線と小径筒部の内周との隙間を止水剤で封止した止水部を設ける。このように構成することで、遮音性と止水性を持たせることができる。
【0053】
また、遮音空間の内部に、外周端が、大径筒部の内周またはそれに近い位置の連結遮蔽壁の内周に連結され、内周端が、ワイヤハーネスの外周に密着することで、遮音空間を軸方向に分割する遮音壁を設けることにより、一層の遮音性の向上が図れる。
【0054】
また、グロメットの大径筒部におけるパネルとの嵌合部の形状を変形することにより、遮音性をより一層高めることができる。
図18は、パネルの貫通孔に嵌め込まれる嵌合部における変形例である。なお、以下の説明では、便宜上、連結遮蔽壁15がエンジンルーム側に位置し、連結遮蔽壁16が車室側に位置するものとして説明するが、連結遮蔽壁15が車室側となり連結遮蔽壁16がエンジンルーム側となってもよい。また、
図18において、グロメットの形状を示す実線は、以下に説明する2つのリップ部の形状が理解しやすいように、パネルに嵌合されていない状態におけるグロメットの形状を表している。
【0055】
グロメットの大径筒部13は、係合溝13aを形成するエンジン側側壁81および車室側側壁82を有している。そして、エンジン側側壁81には、車室側側壁82に向けて突出するエンジン側リップ部81aが形成されており、車室側側壁82には、エンジン側側壁81に向けて突出する車室側リップ部82aが形成されている。
グロメットがパネルPに嵌合されると、パネルPは、エンジン側リップ部81aおよび車室側リップ部82aにより、エンジンルーム側と車室側からそれぞれ押圧される。これにより、パネルPの振動が抑制され、パネルPを透過する透過音を低減することができる。
【0056】
また、
図19は、パネルの貫通孔に嵌め込まれる嵌合部におけるもう一つの変形例である。このグロメットにおいては、エンジン側リップ部81aの根元に肉抜き部83が形成されている。
これにより、肉抜き部83がない場合と比較して、エンジン側リップ部81aがエンジンルーム側に湾曲しやすくなり、グロメットをパネルPに嵌め込む際に、パネルPに対するエンジン側リップ部81aの反力が小さくなり、組付けに要する力を低減することができる。
【0057】
さらに、
図18、
図19のいずれの場合においても、パネルPに形成されている貫通孔の周縁には、遮音材により形成されたサイレンサ85が貼付けられていてもよい。この場合、エンジン側リップ部81aの外周縁が、サイレンサ85の内周縁よりも、グロメットの径方向、すなわち軸方向に垂直な方向における外側に位置することにより、遮音性を更に高めることができる。つまり、
図18、19に示すように、パネルPの貫通孔の周縁から放射方向において所定長の範囲には、サイレンサ85が貼付けられておらず、パネルPが剥き出しとなっている部分が存在する。この剥き出しの部分をエンジン側リップ部81aが覆うことにより、サイレンサ85とグロメットとの間から透過音が車室側に透過することを低減し、遮音性を高めることができる。
【0058】
ここで、上述した本発明に係るグロメットの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[11]に簡潔に纏めて列記する。
[1] パネル(P)の貫通孔(Pa)に挿通されるワイヤハーネス(W)に固定され、前記貫通孔(Pa)に嵌め込まれてパネル(P)に装着されることで、前記パネル(P)に前記ワイヤハーネス(W)を支持するグロメット(10、110)であって、
前記貫通孔(Pa)に固定されるパネル固定部(係合溝13a)を備えた大径筒部(13)と、
前記大径筒部(13)の軸方向両側に1つずつ配置され、前記貫通孔(Pa)に通されるワイヤハーネス(W)の外周に密着嵌合する2つの小径筒部(11、12)と、
前記大径筒部(13)と各小径筒部(11、12)との間に環状の遮音空間(S)を画成する2つの連結遮蔽壁(15、16)と、を有し、
前記2つの小径筒部(11、12)のうち少なくとも一方の小径筒部(11)に、該小径筒部(11)を介した外部から前記遮音空間(S)内への水の浸入を防止する止水部(30、80)が設けられていることを特徴とするグロメット(10、110、310)。
[2] 前記止水部(30)が、前記小径筒部(11)の内周と前記ワイヤハーネス(W)の電線間の隙間及び電線と前記小径筒部(11)の内周との隙間を封止する止水剤(31)により構成されていることを特徴とする[1]に記載のグロメット(10、110)。
[3] 前記2つの小径筒部(11、12)のうち少なくとも一方の小径筒部(11)は、前記連結遮蔽壁(15)との間に下方へ延在する筒状部(70)を有し、前記止水部(80)が、前記筒状部により構成されていることを特徴とする[1]または[2]に記載のグロメット(310)。
[4] 前記筒状部(70)は、周方向にわたる複数の山部(71)と谷部(72)とが軸方向に交互に形成された蛇腹形状に形成されていることを特徴とする[3]に記載のグロメット(310)。
[5] 前記小径筒部(11、12)には、内周側が開放されたスリット(SL)を有する複数のスリット部(75、76)が周方向に間隔をあけて設けられていることを特徴とする[1]ないし[4]のいずれかに記載のグロメット(310)。
[6] 前記遮音空間(S)の内部に、外周端(20a)が、前記大径筒部(13)の内周またはそれに近い位置の前記連結遮蔽壁(15、16)の内周に連結され、内周端(20b)が、前記ワイヤハーネス(W)の外周に密着することで、前記遮音空間(S)を軸方向に分割する遮音壁(20)が設けられていることを特徴とする上記[1]ないし[5]のいずれかに記載のグロメット(10、110、310)。
[7] パネル(P)の貫通孔(Pa)に挿通されるワイヤハーネス(W)に固定され、前記貫通孔(Pa)に嵌め込まれてパネル(P)に装着されることで、前記パネル(P)に前記ワイヤハーネス(W)を支持するグロメット(10、110)であって、
前記貫通孔(Pa)に固定されるパネル固定部(係合溝13a)を備えた大径筒部(13)と、
前記大径筒部(13)から軸方向両側に延在し、前記大径筒部(13)から離れるに従い徐々に小径となって、小径となった内周端(小径筒部11、12)が、前記ワイヤハーネス(W)の外周に近接または密着して配置され、前記ワイヤハーネス(W)の周囲に遮音空間(S)を画成する2つの連結遮蔽壁(15、16)と、
少なくとも軸方向一方側の端部(21a、21b)が前記連結遮蔽壁(15、16)の内周端(小径筒部11、12)の内側に挿通され、前記ワイヤハーネス(W)の外周に密着嵌合される内筒部(21)と、
前記遮音空間(S)の内部に設けられ、外周端(20a)が、前記大径筒部(13)の内周またはそれに近い位置の前記連結遮蔽壁(15、16)の内周に連結され、内周端(20b)が、前記内筒部(21)に連結されることで、前記遮音空間(S)を軸方向に区画する遮音壁(20)と、を有し、
前記内筒部(21)に、該内筒部(21)が密着嵌合する前記ワイヤハーネス(W)の電線(Wa)間の隙間及び電線(Wa)と前記内筒部(21)の内周との隙間を止水剤(31)で封止した止水部(30)が設けられていることを特徴とするグロメット(10、110)。
[8] 前記内筒部(21)が、前記2つの連結遮蔽壁(15、16)の両内周端(小径筒部11、12)の間の片側半分の長さに連続して延在しており、前記内筒部(21)の一方側の端部(21a)が、一方側の前記連結遮蔽壁(15)の内周端(小径筒部11)の内側に挿通され、前記内筒部(21)の他方側の端部(21b)の開口端(22)が、前記遮音空間(S)内に開放していることを特徴とする上記[7]に記載のグロメット(10)。
[9] 前記内筒部(21)が、前記2つの連結遮蔽壁(15、16)の両内周端(小径筒部11、12)の間の全長にわたり連続して延在しており、前記内筒部(21)の両端部(21a、21b)が、各連結遮蔽壁(15、16)の内周端(小径筒部11、12)の内側に挿通されていることを特徴とする上記[7]に記載のグロメット(110)。
[10] 前記止水部(30)が、前記大径筒部(13)のパネル固定部(係合溝13a)よりも、軸方向において前記パネル(P)の両側のうちの騒音発生側に近い位置に配置されていることを特徴とする上記[7]ないし[9]のいずれかに記載のグロメット(10、110)。
[11] パネル(P)の貫通孔(Pa)に挿通されるワイヤハーネス(W)に固定され、前記貫通孔(Pa)に嵌め込まれてパネル(P)に装着されることで、前記パネル(P)に前記ワイヤハーネス(W)を支持するグロメット(210)であって、
前記貫通孔(Pa)に固定されるパネル固定部(係合溝13a)を備えた大径筒部(13)と、
前記大径筒部(13)から軸方向両側に延在し、前記大径筒部(13)から離れるに従い徐々に小径となって、小径となった内周端(小径筒部11、12)が、前記ワイヤハーネス(W)の外周に近接または密着して配置され、前記ワイヤハーネス(W)の周囲に遮音空間(S)を区画する2つの連結遮蔽壁(15、16)と、
少なくとも軸方向一方側の端部(21a、21b)が前記連結遮蔽壁(15、16)の内周端(小径筒部11、12)の内側に挿通され、前記ワイヤハーネス(W)の外周に密着嵌合される内筒部(21)と、
前記遮音空間(S)の内部に設けられ、外周端(20a)が、前記大径筒部(13)の内周またはそれに近い位置の前記連結遮蔽壁(15、16)の内周に連結され、内周端(13b)が、前記内筒部(21)に連結されることで、前記遮音空間(S)を軸方向に分割する遮音壁(20)と、を有し、
前記連結遮蔽壁(15)の内周端(小径筒部11)の内側に挿通された前記内筒部(21)の端部(21a)に、下方に延在し外部からの水の浸入を防止する延長筒部(20c)が設けられていることを特徴とするグロメット。