特許第6705751号(P6705751)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6705751ファイバを自動的に挿入するシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6705751
(24)【登録日】2020年5月18日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】ファイバを自動的に挿入するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/38 20060101AFI20200525BHJP
   G02B 6/40 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   G02B6/38
   G02B6/40
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-549562(P2016-549562)
(86)(22)【出願日】2015年11月9日
(65)【公表番号】特表2017-534071(P2017-534071A)
(43)【公表日】2017年11月16日
(86)【国際出願番号】IB2015058634
(87)【国際公開番号】WO2016075607
(87)【国際公開日】20160519
【審査請求日】2018年8月6日
(31)【優先権主張番号】201410627777.0
(32)【優先日】2014年11月10日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】399132320
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100189360
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 昭典
(72)【発明者】
【氏名】シェ,フェンチュン
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,ダンダン
(72)【発明者】
【氏名】フー,リュイハイ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ハーン
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,ユイ
(72)【発明者】
【氏名】ルゥ,ロベルトフランシスコ・イー
【審査官】 野口 晃一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−333466(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0042733(US,A1)
【文献】 中国実用新案第203658624(CN,U)
【文献】 特開平04−056807(JP,A)
【文献】 特開平04−350806(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0294350(US,A1)
【文献】 特開平05−001967(JP,A)
【文献】 特開2001−066466(JP,A)
【文献】 特開平10−082627(JP,A)
【文献】 特開平02−033107(JP,A)
【文献】 特開2014−029445(JP,A)
【文献】 特開2014−145979(JP,A)
【文献】 特開平1−121804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
6/255
6/36−6/40
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチファイバケーブルの少なくとも1列のファイバをマルチ穴フェルールの少なくとも1列の穴に自動的に挿入するシステムであって、前記システムが、
前記少なくとも1列のファイバの端面プロファイルの中心と前記マルチ穴フェルールの端面プロファイルの中心とを識別するように構成された観察デバイスと、
前記マルチファイバケーブルを保持するように構成されたケーブル保持部と、
前記マルチ穴フェルールを保持するように構成されたフェルール保持部と、
互いに垂直な第1の方向、第2の方向、および第3の方向に移動できるように構成された移動機構と、
を備え、
前記ケーブル保持部が、前記移動機構に装着され、
前記移動機構が、前記観察デバイスの案内の下で前記ケーブル保持部を移動させて、前記少なくとも1列のファイバの前記端面プロファイルの前記中心を前記マルチ穴フェルールの前記端面プロファイルの前記中心に位置合わせし、前記少なくとも1列のファイバを前記マルチ穴フェルールの前記少なくとも1列の穴に挿入し、
前記観察デバイスが、
第1の画像化装置であり、前記少なくとも1列のファイバおよび前記マルチ穴フェルールの第1の画像を前記第3の方向で捕捉するために、前記第1の画像化装置の光軸が前記第3の方向と平行になるように位置決めされる、第1の画像化装置と、
第2の画像化装置であり、前記少なくとも1列のファイバおよび前記マルチ穴フェルールの第2の画像を前記第1の方向で捕捉するために、前記第2の画像化装置の光軸が前記第1の方向と平行になるように位置決めされる、第2の画像化装置と、
前記第1の画像における前記少なくとも1列のファイバの中心線と前記マルチ穴フェルールの中心線とを識別し、前記第2の画像における前記少なくとも1列のファイバの中心線と前記マルチ穴フェルールの中心線とを識別するように構成された画像認識装置と、を備え、
前記移動機構が、前記第1の画像における前記少なくとも1列のファイバの前記中心線を前記マルチ穴フェルールの前記中心線に位置合わせするために、前記第1の方向に前記ケーブル保持部を移動させるように構成され、
前記移動機構が、前記第2の画像における前記少なくとも1列のファイバの前記中心線を前記マルチ穴フェルールの前記中心線に位置合わせするために、前記第3の方向に前記ケーブル保持部を移動させるように構成され、
前記移動機構が、前記少なくとも1列のファイバを前記マルチ穴フェルールの前記少なくとも1列の穴に挿入するために、前記第2の方向に前記ケーブル保持部を移動させるように構成される、
システム。
【請求項2】
前記第3の方向が垂直方向であり、前記第1の方向および前記第2の方向が、前記第3の方向に垂直な水平面を画定する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ケーブル保持部は、前記マルチファイバケーブルの上面および底面が前記第1の方向および前記第2の方向によって画定される面と平行になるように、前記マルチファイバケーブルを位置決めするように構成され、
前記フェルール保持部は、前記マルチ穴フェルールの上面および底面が前記第1の方向および前記第2の方向によって画定される前記面と平行になるように、前記マルチ穴フェルールを位置決めするように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記フェルール保持部および前記観察デバイスが固定されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記フェルール保持部が、前記システムの作業台に装着された固定ブロックを含み、
前記マルチ穴フェルールに適合するフェルール位置決めスロットが、その中に前記マルチ穴フェルールを受け取るために、前記固定ブロックに形成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ケーブル保持部が、固定シートと、可動加圧プレートとを含み、
ケーブル位置決めスロットが、その中に前記マルチファイバケーブルを受け取るために、前記固定シートに形成され、
前記可動加圧プレートが、前記マルチファイバケーブルを所定の位置に保持するために、前記マルチファイバケーブルを圧するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記マルチ穴フェルールが、ケーブル受取りチャンバを有し、プラットフォームが、前記ケーブル受取りチャンバの底面に形成され、前記ケーブル受取りチャンバの前記底面から突き出され、前記少なくとも1列のファイバを前記少なくとも1列の穴に案内するための複数の案内凹部が、前記プラットフォームの上面に形成され、前記プラットフォームを外に露出させる開口(205)が、前記ケーブル受取りチャンバの上壁に形成され、
前記第1の画像化装置が、前記第1の画像化装置によって同時に捕捉された前記少なくとも1列のファイバの前記端面および前記プラットフォームの前記端面の画像に基づいて前記プラットフォームの端面に対する前記少なくとも1列のファイバの端面の位置を得るために、前記ケーブル保持部および前記フェルール保持部の上方に配置される、
請求項に記載のシステム。
【請求項8】
マルチファイバケーブルの少なくとも1列のファイバをマルチ穴フェルールの少なくとも1列の穴に自動的に挿入する方法であって、
S110:請求項1に記載の前記システムを用意するステップと、
S120:それぞれ、前記マルチファイバケーブルおよび前記マルチ穴フェルールを前記ケーブル保持部および前記フェルール保持部に保持するステップと、
S130:前記観察デバイスによって前記少なくとも1列のファイバの前記端面プロファイルの前記中心と前記マルチ穴フェルールの端面プロファイルの中心とを識別するステップと、
S140:前記少なくとも1列のファイバの前記端面プロファイルの前記中心が前記マルチ穴フェルールの前記端面プロファイルの前記中心に位置合わせされるように、前記移動機構によって前記観察デバイスの前記案内の下で前記ケーブル保持部を移動させるステップと、
S150:前記少なくとも1列のファイバが前記マルチ穴フェルールの前記少なくとも1列の穴に挿入されるように、前記移動機構によって前記第2の方向に前記ケーブル保持部を移動させるステップと、を含み、
前記ステップS130が、
前記少なくとも1列のファイバおよび前記マルチ穴フェルールの第1の画像を前記第3の方向において第1の画像化装置によって捕捉するステップと、
前記少なくとも1列のファイバおよび前記マルチ穴フェルールの第2の画像を前記第1の方向において第2の画像化装置によって捕捉するステップと、
画像認識装置によって、前記第1の画像における前記少なくとも1列のファイバの中心線と前記マルチ穴フェルールの中心線とを識別し、前記第2の画像における前記少なくとも1列のファイバの中心線と前記マルチ穴フェルールの中心線とを識別するステップと、を含み、
前記ステップS140が、
前記第1の画像における前記少なくとも1列のファイバの前記中心線と前記マルチ穴フェルールの前記中心線とが互いに位置合わせされるように、前記第1の方向に前記移動機構によって前記観察デバイスの前記案内の下で前記ケーブル保持部を移動させるステップと、
前記第2の画像における前記少なくとも1列のファイバの前記中心線と前記マルチ穴フェルールの前記中心線とが互いに位置合わせされるように、前記第3の方向に前記移動機構によって前記観察デバイスの前記案内の下で前記ケーブル保持部を移動させるステップと、を含む、
方法。
【請求項9】
前記ステップS150が、
S151:前記少なくとも1列のファイバの端面が、前記マルチ穴フェルールのプラットフォームの端面に接近するまで、前記第2の方向に第1の速度で前記移動機構によって前記観察デバイスの案内の下で前記ケーブル保持部を移動させるステップと、
S152:前記少なくとも1列のファイバの前記端面プロファイルの下縁が前記プラットフォームの前記端面の上縁よりも高くなるように、前記第3の方向に所定の距離だけ上方に前記移動機構によって前記観察デバイスの案内の下で前記ケーブル保持部を垂直に移動させるステップと、
S153:前記マルチファイバケーブルの外側保護層の端面が前記プラットフォームの前記端面に達するまで、前記第2の方向に第2の速度で前記移動機構によって前記観察デバイスの案内の下で前記ケーブル保持部を移動させるステップと、を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の速度が前記第2の速度よりも大きい、
請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記所定の距離が、前記ファイバの直径の最大許容差の半分よりも大きい、
請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2015年11月10日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第201410627777.0号の利益を主張し、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の実施形態は、マルチファイバケーブルの少なくとも1列のファイバをマルチ穴フェルールの少なくとも1列の穴に自動的に挿入するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
先行技術では、単一ファイバケーブルの単一ファイバを単一穴フェルールの単一穴に自動的に挿入するシステムが開発されている。しかしながら、今までのところ、マルチファイバケーブルの少なくとも1列のファイバをマルチ穴フェルールの少なくとも1列の穴に自動的に挿入するように構成されたシステムは開発されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、マルチ穴フェルールは単一穴フェルールよりも複雑であり、多くの新しい問題が、マルチファイバケーブルのファイバをマルチ穴フェルールの穴に挿入する間に生じることがある。そのために、マルチファイバケーブルの少なくとも1列のファイバをマルチ穴フェルールの少なくとも1列の穴に挿入することは、単一ファイバケーブルの単一ファイバを単一穴フェルールの単一穴に挿入することよりも困難である。
【0005】
現在、マルチファイバケーブルの少なくとも1列のファイバは、手動で、マルチ穴フェルールの少なくとも1列の穴に挿入されており、それは、非常に低い生産効率をもたらし、ファイバを挿入する品質を制御することが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の欠点の少なくとも1つの態様を克服するかまたは緩和するためになされた。
【0007】
本発明の目的によれば、マルチファイバケーブルの少なくとも1列のファイバをマルチ穴フェルールの少なくとも1列の穴に高い効率および品質で自動的に挿入するシステムおよび方法が提供される。
【0008】
本発明の一態様によれば、マルチファイバケーブルの少なくとも1列のファイバをマルチ穴フェルールの少なくとも1列の穴に自動的に挿入するシステムが提供される。このシステムは、少なくとも1列のファイバの端面プロファイルの中心とマルチ穴フェルールの端面プロファイルの中心とを識別するように構成された観察デバイスと、マルチファイバケーブルを保持するように構成されたケーブル保持部と、マルチ穴フェルールを保持するように構成されたフェルール保持部と、互いに垂直な第1の方向、第2の方向、および第3の方向に移動できるように構成された移動機構とを備え、ケーブル保持部は、移動機構に装着され、移動機構は、観察デバイスの案内の下でケーブル保持部を移動させて、少なくとも1列のファイバの端面プロファイルの中心をマルチ穴フェルールの端面プロファイルの中心に位置合わせし、少なくとも1列のファイバをマルチ穴フェルールの少なくとも1列の穴に挿入するようにする。
【0009】
本発明の例示的な実施形態によれば、第3の方向は垂直方向であり、第1の方向および第2の方向は、第3の方向に垂直な水平面を画定する。
【0010】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、ケーブル保持部は、マルチファイバケーブルの上面および底面が第1の方向および第2の方向によって画定される面と平行になるように、マルチファイバケーブルを位置決めするように構成され、フェルール保持部は、マルチ穴フェルールの上面および底面が第1の方向および第2の方向によって画定される面と平行になるように、マルチ穴フェルールを位置決めするように構成される。
【0011】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、フェルール保持部および観察デバイスは固定されている。
【0012】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、フェルール保持部は、システムの作業台に装着された固定ブロックを含み、マルチ穴フェルールに適合するフェルール位置決めスロットが、その中にマルチ穴フェルールを受け取るために、固定ブロックに形成される。
【0013】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、ケーブル保持部は、固定シートと、可動加圧プレートとを含み、ケーブル位置決めスロットが、その中にマルチファイバケーブルを受け取るために、固定シートに形成され、可動加圧プレートが、マルチファイバケーブルを所定の位置に保持するために、マルチファイバケーブルを圧するように構成される。
【0014】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、観察デバイスは、第1の画像化装置であり、少なくとも1列のファイバおよびマルチ穴フェルールの第1の画像を第3の方向で捕捉するために、第1の画像化装置の光軸が第3の方向と平行になるように位置決めされる、第1の画像化装置と、第2の画像化装置であり、少なくとも1列のファイバおよびマルチ穴フェルールの第2の画像を第1の方向で捕捉するために、第2の画像化装置の光軸が第1の方向と平行になるように位置決めされる、第2の画像化装置と、第1の画像における少なくとも1列のファイバの中心線とマルチ穴フェルールの中心線とを識別し、第2の画像における少なくとも1列のファイバの中心線とマルチ穴フェルールの中心線とを識別するように構成された画像認識装置とを備える。
【0015】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、移動機構が、第1の画像における少なくとも1列のファイバの中心線をマルチ穴フェルールの中心線に位置合わせするために、第1の方向にケーブル保持部を移動させるように構成され、移動機構が、第2の画像における少なくとも1列のファイバの中心線をマルチ穴フェルールの中心線に位置合わせするために、第3の方向にケーブル保持部を移動させるように構成され、移動機構が、少なくとも1列のファイバをマルチ穴フェルールの少なくとも1列の穴に挿入するために、第2の方向にケーブル保持部を移動させるように構成される。
【0016】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、マルチ穴フェルールは、ケーブル受取りチャンバを有し、プラットフォームが、ケーブル受取りチャンバの底面に形成され、ケーブル受取りチャンバの底面から突き出され、少なくとも1列のファイバを少なくとも1列の穴に案内するための複数の案内凹部が、プラットフォームの上面に形成され、プラットフォームを外に露出させる開口が、ケーブル受取りチャンバの上壁に形成され、第1の画像化装置が、第1の画像化装置によって同時に捕捉された少なくとも1列のファイバの端面およびプラットフォームの端面の画像に基づいてプラットフォームの端面に対する少なくとも1列のファイバの端面の位置を得るために、ケーブル保持部およびフェルール保持部の上方に配置される。
【0017】
本発明の別の態様によれば、マルチファイバケーブルの少なくとも1列のファイバをマルチ穴フェルールの少なくとも1列の穴に自動的に挿入する方法が提供され、この方法は、
S110:上述のシステムを用意するステップと、
S120:それぞれ、マルチファイバケーブルおよびマルチ穴フェルールをケーブル保持部およびフェルール保持部に保持するステップと、
S130:観察デバイスによって少なくとも1列のファイバの端面プロファイルの中心とマルチ穴フェルールの端面プロファイルの中心とを識別するステップと、
S140:少なくとも1列のファイバの端面プロファイルの中心がマルチ穴フェルールの端面プロファイルの中心に位置合わせされるように、観察デバイスの案内の下で移動機構によってケーブル保持部を移動させるステップと、
S150:少なくとも1列のファイバがマルチ穴フェルールの少なくとも1列の穴に挿入されるように、移動機構によってケーブル保持部を移動させるステップと
を含む。
【0018】
本発明の例示的な実施形態によれば、上述の方法において、ステップS130は、少なくとも1列のファイバおよびマルチ穴フェルールの第1の画像を第3の方向において第1の画像化装置によって捕捉するステップと、少なくとも1列のファイバおよびマルチ穴フェルールの第2の画像を第1の方向において第2の画像化装置によって捕捉するステップと、画像認識装置によって、第1の画像における少なくとも1列のファイバの中心線とマルチ穴フェルールの中心線とを識別し、第2の画像における少なくとも1列のファイバの中心線とマルチ穴フェルールの中心線とを識別するステップとを含む。
【0019】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、上述の方法において、ステップS140は、第1の画像における少なくとも1列のファイバの中心線とマルチ穴フェルールの中心線とが互いに位置合わせされるように、第1の方向に観察デバイスの案内の下で移動機構によってケーブル保持部を移動させるステップと、第2の画像における少なくとも1列のファイバの中心線とマルチ穴フェルールの中心線とが互いに位置合わせされるように、第3の方向に観察デバイスの案内の下で移動機構によってケーブル保持部を移動させるステップとを含む。
【0020】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、上述の方法において、ステップS150は、S151:少なくとも1列のファイバの端面が、マルチ穴フェルールのプラットフォームの端面に接近するまで、第2の方向に第1の速度で観察デバイスの案内の下で移動機構によってケーブル保持部を移動させるステップと、S152:少なくとも1列のファイバの端面プロファイルの下縁がプラットフォームの端面の上縁よりも高くなるように、第3の方向に所定の距離だけ上方に観察デバイスの案内の下で移動機構によってケーブル保持部を垂直に移動させるステップと、S153:マルチファイバケーブルの外側保護層の端面がプラットフォームの端面に達するまで、第2の方向に第2の速度で観察デバイスの案内の下で移動機構によってケーブル保持部を移動させるステップとを含む。
【0021】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1の速度は2の速度よりも大きい。
【0022】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、所定の距離は、ファイバの直径の最大許容差の半分よりも大きい。
【0023】
本発明の上述の様々な例示的な実施形態において、観察デバイスの案内の下で、移動機構は、少なくとも1列のファイバの端面プロファイルの中心をマルチ穴フェルールの端面プロファイルの中心に自動的に位置合わせし、少なくとも1列のファイバをマルチ穴フェルールの少なくとも1列の穴に自動的に挿入する。それによって、少なくとも1列のファイバはマルチ穴フェルールに迅速に正確に挿入され、それにより、ファイバ挿入効率および品質が改善される。
【0024】
本発明の上述および他の特徴は、添付図面を参照しながら本発明の例示的な実施形態を詳細に説明することによってより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】典型的なリボンマルチファイバケーブルの例示的な図である。
図2a】後ろ側から見た典型的なマルチ穴フェルールの例示的な斜視図である。
図2b】前側から見た典型的なマルチ穴フェルールの例示的な斜視図である。
図3】本発明の例示的な実施形態によるファイバを自動的に挿入するシステムの例示的な図である。
図4図3に示したシステムの拡大局所図である。
図5a】第1の画像化装置によって捕捉されたマルチファイバケーブルおよびマルチ穴フェルールの第1の画像を示す図である。
図5b】第2の画像化装置によって捕捉されたマルチファイバケーブルおよびマルチ穴フェルールの第2の画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の例示的な実施形態を、添付図面を参照しながら以下で詳細に説明する。同様の参照番号は同様の要素を指す。しかしながら、本開示は、様々な形態で具現化することができ、本明細書に記載した実施形態に限定されると解釈されるべきでなく、むしろ、本開示を徹底的で完全なものにし、当業者に本開示の概念を十分に伝えるためにこれらの実施形態を提供する。
【0027】
以下の詳細な説明において、説明のために、開示する実施形態を徹底して理解できるように多数の特定の細部を記載する。しかしながら、これらの特定の細部なしに、1つまたは複数の実施形態を実践できることは明らかであろう。他の例では、図面を簡単にするために、よく知られている構造およびデバイスは概略的に示している。
【0028】
本発明の一般的概念によれば、マルチファイバケーブルの少なくとも1列のファイバをマルチ穴フェルールの少なくとも1列の穴に自動的に挿入するシステムが提供される。システムは、少なくとも1列のファイバの端面プロファイルの中心とマルチ穴フェルールの端面プロファイルの中心とを識別するように構成された観察デバイスと、マルチファイバケーブルを保持するように構成されたケーブル保持部と、マルチ穴フェルールを保持するように構成されたフェルール保持部と、互いに垂直な第1の方向、第2の方向、および第3の方向に移動できるように構成された移動機構とを備える。ケーブル保持部は、移動機構に装着される。移動機構は、観察デバイスの案内の下でケーブル保持部を移動させて、少なくとも1列のファイバの端面プロファイルの中心をマルチ穴フェルールの端面プロファイルの中心に位置合わせし、それぞれ、少なくとも1列のファイバをマルチ穴フェルールの少なくとも1列の穴に挿入する。
【0029】
図1は、典型的なリボンマルチファイバケーブル100の例示的な図である。図1に示すように、マルチファイバケーブル100は、主として、複数のファイバ110と、ファイバ110を中に封入する外側保護層120とを含む。
【0030】
図示の実施形態では、図1に示すように、複数のファイバ110は、1列に配列される。マルチファイバケーブル100をマルチ穴フェルール200(図2を参照)に挿入する前に、外側保護層120のある区間を剥ぎ取って、ファイバ110の列を所定の長さだけ露出させる必要がある。
【0031】
本発明は図示の実施形態に限定されず、マルチファイバケーブルのファイバは2列以上に配列されてもよいことに留意されたい。対応して、マルチ穴フェルールは2列以上の穴を有することができる。
【0032】
図2aは、後ろ側から見た典型的なマルチ穴フェルール200の例示的な斜視図である。図2bは、前側から見た典型的なマルチ穴フェルール200の例示的な斜視図である。
【0033】
図2aおよび図2bに示すように、一実施形態では、ケーブル受取りチャンバ201は、マルチ穴フェルール200の後部部分に形成される。プラットフォーム202が、ケーブル受取りチャンバ201の底面に形成され、ケーブル受取りチャンバ201の底面から突き出される。マルチファイバケーブル100のファイバ110の列をマルチ穴フェルール200の穴210の列に案内するための案内凹部204の列が、プラットフォーム202の上面に形成される。プラットフォーム202を外に露出させる開口205が、ケーブル受取りチャンバ201の上壁に形成される。
【0034】
図3は、本発明の例示的な実施形態によるファイバを自動的に挿入するシステムの例示的な図である。図4は、図3に示したシステムの拡大局所図である。
【0035】
本発明の例示的な実施形態において、図3および図4に示すように、マルチファイバケーブル100の1列のファイバ110をマルチ穴フェルール200の1列の穴210に自動的に挿入するように構成されたシステムが開示される。
【0036】
図3および図4を参照すると、システムは、主として、少なくとも1列のファイバ110の端面プロファイルの中心とマルチ穴フェルール200の端面プロファイルの中心とを識別するように構成された観察デバイス30、40と、マルチファイバケーブル100を保持するように構成されたケーブル保持部10と、マルチ穴フェルール200を保持するように構成されたフェルール保持部20と、互いに垂直な第1の方向X、第2の方向Y、および第3の方向Zに移動できるように構成された移動機構1とを備える。
【0037】
図3および図4に示すように、ケーブル保持部10は、移動機構1に装着される。移動機構1は、観察デバイス30、40の案内の下でケーブル保持部10を移動させて、ファイバ110の列の端面プロファイルの中心をマルチ穴フェルール200の端面プロファイルの中心に位置合わせし、ファイバ110の列の端面プロファイルの中心をマルチ穴フェルール200の端面プロファイルの中心に位置合わせした後、ファイバ110の列をマルチ穴フェルール200の穴210の列に挿入する。
【0038】
例示的な実施形態において、図3および図4に示すように、第1の方向Xは左右方向として定義され、第2の方向Yは前後方向として定義され、第3の方向Zは垂直方向として定義される。第1の方向Xおよび第2の方向Yは、第3の方向Zに垂直な水平面を画定する。
【0039】
例示的な実施形態において、図3および図4に示すように、それぞれ、マルチファイバケーブル100の1列のファイバ110をマルチ穴フェルール200の1列の穴210に簡単に挿入するために、ケーブル保持部10は、マルチファイバケーブル100の上面および底面が第1の方向Xおよび第2の方向Yによって画定される水平面と平行である、すなわち、マルチファイバケーブル100のファイバ110の列が第1の方向Xおよび第2の方向Yによって画定される水平面と平行であるようにマルチファイバケーブル100を位置決めするように構成される。さらに、フェルール保持部20は、マルチ穴フェルール200の上面および底面が第1の方向Xおよび第2の方向Yによって画定される水平面と平行である、すなわち、マルチ穴フェルール200の穴210の列が第1の方向Xおよび第2の方向Yによって画定される水平面と平行であるようにマルチ穴フェルール200を位置決めするように構成される。
【0040】
例示的な実施形態において、図3および図4に示すように、フェルール保持部20は、システムの固定作業台2に固定される。フェルール保持部20は、システムの作業台2に装着された固定ブロック21を含む。マルチ穴フェルール200に適合するフェルール位置決めスロット22が、固定ブロック21に形成される。マルチ穴フェルール200をフェルール位置決めスロット22に嵌め込むことができる。
【0041】
例示的な実施形態において、図3および図4に示すように、ケーブル保持部10は、固定シート11と、可動加圧プレート12とを含む。固定シート11は、移動機構1の端部部分に装着することができる。ケーブル位置決めスロット11aが、固定シート11に形成される。マルチファイバケーブル100は、ケーブル位置決めスロット11aに嵌め込むことができる。可動加圧プレート12は、マルチファイバケーブル100を所定の位置に保持するために、マルチファイバケーブル100を圧するように構成される。可動加圧プレート12は、マルチファイバケーブル100を圧するかまたは解放するために、固定シート11を基準にして移動可能である。ケーブル保持部は、図3および図4に示したケーブル保持部10に限定されず、ケーブル保持部は任意の他の好適なクランプとすることができることに留意されたい。
【0042】
図5aは、第1の画像化装置30によって捕捉されたマルチファイバケーブル100およびマルチ穴フェルール200の第1の画像を示す。図5bは、第2の画像化装置40によって捕捉されたマルチファイバケーブル100およびマルチ穴フェルール200の第2の画像を示す。
【0043】
例示的な実施形態において、図3図4図5a、および図5bに示すように、観察デバイス30、40は、主として、第1の画像化装置30と、第2の画像化装置40と、画像認識装置とを含む。
【0044】
図3および図5aに示すように、第1の画像化装置30は、ファイバ110の列およびマルチ穴フェルール200の第1の画像(図5aを参照)を第3の方向Zで捕捉するために、第1の画像化装置30の光軸が第3の方向Zと平行になるように位置決めされる。第1の画像化装置30は、例えば、カメラとすることができる。第1の画像化装置30は、固定支持フレーム3に固定されており、移動機構1と一緒に移動しない。
【0045】
図3および図5bに示すように、第2の画像化装置40は、ファイバ110の列およびマルチ穴フェルール200の第2の画像(図5bを参照)を第1の方向Xで捕捉するために、第2の画像化装置40の光軸が第1の方向Xと平行になるように位置決めされる。第2の画像化装置40は、例えば、カメラとすることができる。第2の画像化装置40は、固定支持フレーム4に固定されており、移動機構1と一緒に移動しない。
【0046】
図5aおよび図5bに示すように、画像認識装置は、第1の画像におけるファイバ110の列の中心線L101とマルチ穴フェルール200の中心線L201とを識別し、第2の画像におけるファイバ110の列の中心線L102とマルチ穴フェルール200の中心線L202とを識別するように構成される。
【0047】
図5aに示すように、第1の画像において、ファイバ110の列の端面プロファイルの中心ラインL101とマルチ穴フェルール200の端面プロファイルの中心ラインL201とが得られる。例えば、図5aに示すように、ファイバ110の列の端面プロファイルの中心ラインL101がマルチ穴フェルール200の端面プロファイルの中心ラインL201に位置合わせされていない場合、移動機構1は、ファイバ110の列の端面プロファイルの中心ラインL101がマルチ穴フェルール200の端面プロファイルの中心ラインL201に位置合わせされるまで第1の方向Xにケーブル保持部10を移動させることができる。
【0048】
図5bに示すように、第2の画像において、ファイバ110の列の端面プロファイルの中心ラインL102とマルチ穴フェルール200の端面プロファイルの中心ラインL202とが得られる。例えば、図5bに示すように、ファイバ110の列の端面プロファイルの中心ラインL102がマルチ穴フェルール200の端面プロファイルの中心ラインL202に位置合わせされていない場合、移動機構1は、ファイバ110の列の端面プロファイルの中心ラインL102がマルチ穴フェルール200の端面プロファイルの中心ラインL202に位置合わせされるまで第3の方向Zにケーブル保持部10を移動させることができる。
【0049】
第1の画像におけるファイバ110の列の中心線L101とマルチ穴フェルール200の中心線L201とが互いに位置合わせされた後、および第2の画像におけるファイバ110の列の中心線L102とマルチ穴フェルール200の中心線L202とが互いに位置合わせされた後、ファイバ110の列の端面プロファイルの中心は、完全に、マルチ穴フェルール200の端面プロファイルの中心に位置合わせされている。次に、移動機構1は、第2の方向Yにケーブル保持部10を移動させて、ファイバ110の列をマルチ穴フェルール200の穴210の列に挿入することができる。
【0050】
以下、図1図5を参照しながら上述のシステムによってマルチファイバケーブル100のファイバ110の列をマルチ穴フェルール200の穴210の列に挿入する方法を詳細に説明する。この方法は、主として、
S110:上述の実施形態で述べたようなシステムを用意するステップと、
S120:それぞれ、マルチファイバケーブル100およびマルチ穴フェルール200をケーブル保持部10およびフェルール保持部20に保持するステップと、
S130:観察デバイス30、40によってファイバ110の列の端面プロファイルの中心とマルチ穴フェルール200の端面プロファイルの中心とを識別するステップと、
S140:ファイバ110の列の端面プロファイルの中心がマルチ穴フェルール200の端面プロファイルの中心に位置合わせされるように、観察デバイス30、40の案内の下で移動機構1によってケーブル保持部10を移動させるステップと、
S150:ファイバ110の列がマルチ穴フェルール200の穴210の列に挿入されるように、移動機構1によってケーブル保持部10を移動させるステップと
を含む。
【0051】
本発明の例示的な実施形態において、ステップS130は、主として、
S131:ファイバ110の列およびマルチ穴フェルール200の第1の画像を第3の方向Zにおいて第1の画像化装置30によって捕捉するステップと、
S132:ファイバ110の列およびマルチ穴フェルール200の第2の画像を第1の方向Xにおいて第2の画像化装置40によって捕捉するステップと、
S133:画像認識装置によって、第1の画像におけるファイバ110の列の中心線L101とマルチ穴フェルール200の中心線L201とを識別し、第2の画像におけるファイバ110の列の中心線L102とマルチ穴フェルール200の中心線L202とを識別するステップと
を含む。
【0052】
本発明の例示的な実施形態において、ステップS140は、主として、
S141:第1の画像におけるファイバ110の列の中心線L101とマルチ穴フェルール200の中心線L201とが互いに位置合わせされるように、第1の方向Xに移動機構1によって観察デバイス30、40の案内の下でケーブル保持部10を移動させるステップと、
S142:第2の画像におけるファイバ110の列の中心線L102とマルチ穴フェルール200の中心線L202とが互いに位置合わせされるように、第3の方向Zに移動機構1によって観察デバイス30、40の案内の下でケーブル保持部10を移動させるステップと、
を含む。
【0053】
本発明の例示的な実施形態において、ステップS150は、主として、
S151:少なくとも1列のファイバ110の端面が、マルチ穴フェルール200のプラットフォーム202の端面203に接近するまで、第2の方向Yに第1の速度で移動機構1によって観察デバイス30、40の案内の下でケーブル保持部10を移動させるステップと、
S152:ファイバ110の列の端面プロファイルの下縁がプラットフォーム202の端面203の上縁よりも高くなるように、第3の方向Zに所定の距離だけ上方に移動機構1によって観察デバイス30、40の案内の下でケーブル保持部10を垂直に移動させるステップと、
S153:マルチファイバケーブル100の外側保護層120の端面がプラットフォーム202の端面203に達するまで、第2の方向Yに第2の速度で移動機構1によって観察デバイス30、40の案内の下でケーブル保持部10を移動させるステップと、
を含む。
【0054】
図3および図4に示すように、例示的な実施形態において、第1の画像化装置30は、ケーブル保持部10およびフェルール保持部20の上方に配置され、プラットフォーム202は、ケーブル受取りチャンバ201の上壁に形成された開口205を通して外に露出される。このようにして、画像化装置30は、ファイバ110の列の端面およびプラットフォーム202の端面203の画像を同時に捕捉することができ、その画像に基づいて、プラットフォーム202の端面203に対するファイバ110の列の端面の位置を得ることができる。
【0055】
ファイバ110の直径が製造誤差に起因して基準直径よりも大きい場合、ファイバ110を挿入する間に、ファイバ110の列の端面プロファイルの下縁がプラットフォーム202の端面203の上縁よりも低くなることがある。それによって、ファイバ110の列の端面プロファイルの下縁がプラットフォーム202の端面203の上縁と接触しぶつかることがあり、それがファイバ110を壊すことがあるという危険があり得る。そのような危険を避けるために、上述のステップS152において、ファイバ110の列の端面が、マルチ穴フェルール200のプラットフォーム202の端面203の近くの位置に達した後、第3の方向Zに所定の距離だけ上方に移動機構1によってケーブル保持部10を垂直に移動させて、ファイバ110の列の端面プロファイルの下縁がプラットフォーム202の端面203の上縁に接触しぶつからないようにする必要がある。
所定の距離は、ファイバ110の直径の最大許容差に基づいて決定することができ、例えば、所定の距離は、ファイバ110の直径の最大許容差の半分よりも大きくすることができる。加えて、所定の距離は、ファイバ110の列の端面プロファイルの上縁が穴210の列の上縁に接触しぶつからないように大きすぎないようにする。すなわち、所定の距離は、許容製造誤差範囲のファイバ110の最小直径と最大直径との間の差値の半分未満とすべきである、すなわち、所定の距離は、ファイバ110の直径の最大許容差未満とすべきである。
【0056】
本発明の例示的な実施形態において、ファイバ挿入効率を改善するために、ステップS151における移動機構1の第1の速度は、ステップS153における移動機構1の第2の速度よりも大きくすべきである。ステップS151において、ファイバ110は、マルチ穴フェルール200のケーブル受取りチャンバ201に入るだけであり、いかなる抵抗にもさらされないことになる。それによって、ファイバ110はケーブル受取りチャンバ201ではより高速で移動して、ファイバ挿入効率を上げることができる。ステップS153において、ファイバ110は穴210に入り、相対的により高い抵抗にさらされることになる。そのために、ファイバ110は、高すぎる挿入速度に起因してファイバ110が壊れるのを防止するために、穴210ではより低速で移動されるべきである。
【0057】
上述の実施形態は限定ではなく例示であることが意図されていることを当業者は理解すべきである。例えば、当業者は上述の実施形態に多くの修正を行うことができ、異なる実施形態で説明された様々な特徴は、構成または原理において矛盾することなく互いに自由に組み合わせることができる。
【0058】
いくつかの例示的な実施形態が図示され説明されたが、本開示の原理および趣旨から逸脱することなくこれらの実施形態に様々な変更または修正を行うことができ、本開示の範囲は特許請求の範囲およびその均等物において定義されることを当業者は理解するであろう。
【0059】
本明細書で使用するとき、単数形で挙げられ、単語「1つの(a)」または「1つの(an)」に続く要素は、排除が明確に述べられない限り、複数の前記要素またはステップを排除しないとして理解されるべきである。さらに、本発明の「1つの実施形態」への言及は、挙げられた特徴を同様に組み込んでいる追加の実施形態の存在を排除すると解釈されるものではない。その上、そうではないと明確に述べられない限り、特定の性質を有する1つの要素または複数の要素を「備える」または「有する」実施形態は、その性質を有していない追加のそのような要素を含むことができる。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5a
図5b