(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る羽根駆動装置3を備えた撮像装置1の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、撮像装置1は、制御部2、羽根駆動装置3を備える。
制御部2は、駆動回路21を備える。
【0021】
羽根駆動装置3は、開口部31、アクチュエータ32、シャッター羽根33、および絞り羽根34を備える。
アクチュエータ32は、第1アクチュエータ321、第2アクチュエータ322を備える。
シャッター羽根33は、第1羽根331、第2羽根332を備える。
【0022】
撮像装置1は、例えば銀塩フィルムカメラである。
制御部2は、羽根駆動装置3が備えるシャッター羽根33、絞り羽根34の動作を、駆動回路21によってアクチュエータ32を駆動して制御する。
羽根駆動装置3は、レンズシャッターである。
【0023】
次に、羽根駆動装置3の構成例と動作例を、
図2〜
図8を用いて説明する。
まず、絞り羽根34が備える小絞り孔341によって光量を減光する例を
図2〜
図5を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る羽根駆動装置3の構成例を示す平面図である。
図2に示すように、羽根駆動装置3は、開口部31、第1アクチュエータ321、第2アクチュエータ322、第1羽根331、第2羽根332、絞り羽根34、駆動ピン333、および駆動ピン342を備えている。
また、開口部31は、基板4の中央部に設けられた円状の孔である。さらに、第1アクチュエータ321、第2アクチュエータ322、第1羽根331、第2羽根332、および絞り羽根34それぞれは、基板4に取り付けられている。
【0024】
図3は、本実施形態に係るシャッター羽根33の動作例を示す平面図である。なお、
図3では、第2アクチュエータ322、絞り羽根34、および駆動ピン342等を省略して示している。
図3(A)は、シャッター羽根33が全閉の状態を示す平面図である。
図3(B)は、シャッター羽根33が全開の状態を示す平面図である。
【0025】
第1アクチュエータ321は、第1羽根331および第2羽根332を開閉動作させるための駆動源であり、
図3において図中の基板4の表面側に配置されている。また、第1羽根331および第2羽根332は、
図3において図中の基板4の裏面側に配置されている。第1アクチュエータ321から第1羽根331および第2羽根332へと伝達された駆動力によって第1羽根331および第2羽根332は、開口部31を開閉する。
【0026】
第1アクチュエータ321は、U字状に形成されてその両端部に磁極部を有するステータ35、周方向に異なる2極に着磁されたロータ36、通電により互いに異なる磁極をステータ35の磁極部に生じさせるコイル37などを備えている。コイル37への通電によって、ステータ35の磁極部とロータ36との間で磁気的吸引力又は反発力が生じて、ロータ36は所定の範囲を回動する。
【0027】
第1羽根331は、駆動ピン333が長手方向に移動可能に挿入される長孔であるカム孔334を備える。第2羽根332は、駆動ピン333が長手方向に移動可能に挿入される長孔であるカム孔335を備える。
【0028】
第1羽根331および第2羽根332は、それぞれ基板4に形成された支持軸336および支持軸337により軸支されている。第1アクチュエータ321のロータ36の基板側の面には駆動ピン333が一体に形成されている。駆動ピン333は第1羽根331のカム孔334および第2羽根332のカム孔335に係合している。第1アクチュエータ321のロータ36の回転に伴い、駆動ピン333がカム孔334およびカム孔335を長手方向に移動することによって、第1羽根331および第2羽根332は、それぞれ支持軸336および支持軸337を中心に回動し開口部31を開閉する。すなわち、第1羽根331および第2羽根332が、
図3(A)に示す開口部31を閉じた(以下、全閉という)状態と、
図3(B)に示す開口部31を開いた(以下、全開という)状態になるように第1アクチュエータ321のコイル37への通電を制御することによりシャッター動作が行われる。
なお、駆動ピン333はロータ36と別部材で構成されてもよい。
【0029】
図4は、本実施形態に係る小絞り孔341を備える絞り羽根34の動作例を示す平面図である。なお、
図4では、第1アクチュエータ321、第1羽根331、第2羽根332、駆動ピン333等を省略して示している。
図4(A)は、絞り羽根34が開口部31から退避している状態を示す平面図である。
図4(B)は、絞り羽根34が開口部31を覆っている状態を示す平面図である。
【0030】
第2アクチュエータ322は、絞り羽根34を開口部31に対して進退させるための駆動源であり、
図4において図中の基板4の表面側に配置されている。また、絞り羽根34は、
図4において図中の基板4の裏面側に配置されている。第2アクチュエータ322から絞り羽根34へと伝達された駆動力によって絞り羽根34は、開口部31に対して進退する。
【0031】
第2アクチュエータ322も第1アクチュエータ321と同様に、ステータ38、ロータ39、コイル40などを備えている。コイル40への通電によって、ステータ38の磁極部とロータ39との間で磁気的吸引力又は反発力が生じて、ロータ39は所定の範囲を回動する。
【0032】
絞り羽根34は、駆動ピン342が長手方向に移動可能に挿入される長孔であるカム孔343を備え、基板4に形成された支持軸344により軸支されている。第2アクチュエータ322のロータ39の基板側の面には駆動ピン342が一体に形成されている。駆動ピン342は絞り羽根34のカム孔343に係合している。第2アクチュエータ322のロータ39の回転に伴い、駆動ピン342がカム孔343を長手方向に移動することによって、絞り羽根34は、支持軸344を中心に回動し開口部31から進退する。すなわち、絞り羽根34が、
図4(A)に示す開口部31から退避している状態と、
図4(B)に示す開口部31を覆っている状態になるように第2アクチュエータ322のコイル40への通電を制御することにより開口部31に入る光量を制御する。
なお、駆動ピン342はロータ39と別部材で構成されてもよい。
【0033】
図4(B)に示すように、絞り羽根34が開口部31を覆っている状態では、開口部31に入る光量が小絞り孔341によって減光され、すなわち絞りが絞られた状態になる。例えば、
図4(A)における開放のF値が2.8であり、小絞り孔341によって絞られたF値が8である。なお、F値とは、不図示のレンズの焦点距離を有効口径で割った値であり、レンズの明るさを示す指標である。
なお、小絞り孔341の直径は、開口部31の直径より小さい。すなわち、絞り羽根34が開口部31を覆っている状態のとき、小絞り孔341は、開口部31の面積を変更する。
【0034】
図5(A)(B)は、本実施形態に係るシャッター羽根33と小絞り孔341を備える絞り羽根34の動作例を示す平面図である。
図5(A)は、
図3(A)と
図4(A)とを重ねて示した図であり、光量を減光しない場合の動作例を示している。ここで、シャッター羽根33は全閉状態で、絞り羽根34は開口部31から退避した状態であり、露出動作時の初期位置を示している。
図5(B)は、
図3(B)と
図4(B)とを重ねて示した図であり、光量を減光する場合の動作例を示している。ここで、シャッター羽根33は全開状態で、絞り羽根34は開口部31を覆っている状態である。
【0035】
光量を減光しない場合の露出動作は、
図5(A)に示すように、絞り羽根34が開口部31から退避している状態となるように第2アクチュエータ322のコイル40への通電を行う。なお、第1羽根331および第2羽根332は、全閉状態となっている。次に、第1羽根331および第2羽根332が開口部31を全開するように第1アクチュエータ321のコイル37への通電を行う。コイル37への通電から所定時間後、第1羽根331および第2羽根332が開口部31を全閉するように第1アクチュエータ321のコイル37に通電を行うことにより露出動作が行われる。
【0036】
光量を減光する場合の露出動作は、
図5(B)に示すように、絞り羽根34が開口部31を覆う状態となるように第2アクチュエータ322のコイル40への通電を行う。ここで、第1羽根331および第2羽根332、全閉状態となっている。次に、第1羽根331および第2羽根332が開口部31を全開するように第1アクチュエータ321のコイル37への通電を行う。コイル37への通電から所定時間後、第1羽根331および第2羽根332が開口部31を全閉するように第1アクチュエータ321のコイル37に通電を行うことにより露出動作が行われる。
【0037】
次に、光量をND(Neutral Density)フィルタで減光する構成例を、
図6〜
図8を用いて説明する。
図6は、本実施形態に係るNDフィルタで減光する羽根駆動装置3Aの構成例を示す平面図である。
図2に示した羽根駆動装置3との差異は、絞り羽根34Aが、小絞り孔341の代わりにNDフィルタ345を備えている点である。
NDフィルタ345は、開口部31を透過する光量を減量する。
なお、シャッター羽根33の動作は、
図3と同様である。
【0038】
図7は、本実施形態に係る絞り羽根34Aの動作例を示す平面図である。なお、
図7では、第1アクチュエータ321、第1羽根331、第2羽根332、駆動ピン333等を省略して示している。
【0039】
図7(A)は、絞り羽根34Aが開口部から退避している状態を示す平面図である。この状態では、NDフィルタ345は開口部31から退避しており、開口部31の口径分、光が透過する開放状態である。
【0040】
図7(B)は、絞り羽根34Aが開口部を覆っている状態を示す平面図である。この状態では、NDフィルタ345は開口部31を覆っており、開口部31に入る光量がNDフィルタ345によって減光された状態である。
【0041】
図8は、本実施形態に係るシャッター羽根33とNDフィルタ345を備える絞り羽根34Aの動作例を示す平面図である。
図8(A)は、
図3(A)と
図7(A)とを重ねて示した図であり、光量を減光しない場合の動作例を示している。
図8(A)のように、シャッター羽根33は全閉状態で、絞り羽根34AのNDフィルタ345は開口部31から退避した状態であり、撮影前の初期位置を示している。
図8(B)は、
図3(B)と
図7(B)とを重ねて示した図であり、光量を減光する場合の動作例を示している。ここで、シャッター羽根33は全開状態であり、絞り羽根34AのNDフィルタ345は開口部31を覆っている状態である。
【0042】
光量を減光しない場合の露出動作は、
図8(A)に示すように、絞り羽根34AのNDフィルタ345が開口部31から退避している状態となるように第2アクチュエータ322のコイル40への通電を行う。なお、第1羽根331および第2羽根332は全閉状態となっている。次に、第1羽根331および第2羽根332が開口部31を全開するように第1アクチュエータ321のコイル37への通電を行う。コイル37への通電から所定時間後、第1羽根331および第2羽根332が開口部31を全閉するように第1アクチュエータ321のコイル37に通電を行うことにより露出動作が行われる。
【0043】
光量を減光する場合の露出動作は、
図8(B)に示すように、絞り羽根34AのNDフィルタ345が開口部31を覆う状態となるように第2アクチュエータ322のコイル40への通電を行う。ここで、第1羽根331および第2羽根332は全閉状態となっている。次に、第1羽根331および第2羽根332が開口部31を全開するように第1アクチュエータ321のコイル37への通電を行う。コイル37への通電から所定時間後、第1羽根331および第2羽根332が開口部31を全閉するように第1アクチュエータ321のコイル37に通電を行うことにより露出動作が行われる。
【0044】
次に、シャッター羽根33、絞り羽根34の制御例を説明する。
まず、露出動作時に絞り羽根34が作動しない場合のシャッター羽根33、絞り羽根34の制御例を説明する。
図9は、本実施形態に係る露出動作時に絞り羽根34が作動しない場合のシャッター羽根33、絞り羽根34の制御例を示すシーケンス図である。
図9において、横軸は時刻である。また、符号g61が示す領域は、シャッター羽根33の駆動信号を示し、符号g62が示す領域は、シャッター羽根33の作動位置を示している。符号g63が示す領域は、絞り羽根34の駆動信号を示し、符号g64が示す領域は、絞り羽根34の作動位置を示している。符号g65が示す領域は、透過光量のイメージである。
また、
図9に示すように、シャッタレリーズスイッチが押された時刻t0のとき、シャッター羽根33は全閉であり、絞り羽根34は開口部31から退避した状態である。
【0045】
時刻t1〜時刻t4の期間において、制御部2は、シャッター羽根33を開けるように、H(ハイ)レベルの駆動信号を第1アクチュエータ321に出力する。Hレベルの駆動信号は、電流値がI1[mA](開動作電力値)である。
【0046】
時刻t1のとき、シャッター羽根33の位置は、
図3(A)に示すように全閉側停止位置である。ここで、第1羽根331および第2羽根332は開口部31を透過する光を遮る位置にある。
【0047】
時刻t2のとき、シャッター羽根33の位置は、全閉位置であり、露出開始時刻である。
時刻t3のとき、シャッター羽根33の位置は、全開位置である。これにより、符号g65が示す領域が示すように、時刻t2〜時刻t3の期間、シャッター羽根33の作動により、開口部31を透過する光量が増加していく。時刻t2’のとき、シャッター羽根33の位置は、全閉位置と全開位置との中央位置にある。
【0048】
時刻t4のとき、制御部2は第1アクチュエータ321への駆動信号を停止する。シャッター羽根33の位置は、
図3(B)に示すように全開側停止位置である。ここで、第1羽根331および第2羽根332は開口部31を透過する光を遮らない位置にある。
時刻t1〜時刻t4の期間は、シャッター開き工程の期間である。また、時刻t1〜時刻t5の期間は、シャッター開放作動の期間である。
【0049】
時刻t5〜時刻t9の期間において、制御部2は、シャッター羽根33を閉じるように、L(ロー)レベルの駆動信号を第1アクチュエータ321に出力する。Lレベルの駆動信号は、電流値がI1[mA]より絶対値が大きい−I2[mA](閉動作電力値)である。
【0050】
時刻t5のとき、制御部2は、後述する露出期間が所望の期間となるようにLレベルの駆動信号を第1アクチュエータ321に出力し、全開側停止位置にあるシャッター羽根33を全閉位置に向けて駆動する。
時刻t6のとき、シャッター羽根33の位置は、全開位置である。
【0051】
時刻t7のとき、シャッター羽根33の位置は、全閉位置であり、露出終了時刻である。これにより、符号g65が示す領域が示すように、時刻t6〜時刻t7の期間、シャッター羽根33の作動により、開口部31を透過する光量が減少していく。時刻t6’のとき、シャッター羽根33の位置は、全開位置と全閉位置との中央位置にある。ここで、時刻t2’〜 時刻t6’の期間を露出期間と称する。露出期間は露出時間の一例である。
時刻t8のとき、シャッター羽根33の位置は、全閉側停止位置である。
時刻t9のとき、制御部2は第1アクチュエータ321への駆動信号を停止する。
時刻t5〜時刻t9の期間は、シャッター閉じ工程の期間である。
時刻t0〜時刻t9の期間は、絞り羽根34が作動しない場合の撮影期間である。
【0052】
次に、露出動作時に絞り羽根34が作動する場合のシャッター羽根33、絞り羽根34の制御例を説明する。
図10は、本実施形態に係る露出動作時に絞り羽根34が作動する場合のシャッター羽根33、絞り羽根34の制御例を示すシーケンス図である。
図10において、横軸は時刻である。また、符号g71が示す領域は、シャッター羽根33の駆動信号を示し、符号g72が示す領域は、シャッター羽根33の作動位置を示している。符号g73が示す領域は、絞り羽根34の駆動信号を示し、符号g74が示す領域は、絞り羽根34の作動位置を示している。符号g75が示す領域は、透過光量のイメージである。
また、
図10に示すように、シャッタレリーズスイッチが押された時刻t0のとき、シャッター羽根33は全閉であり、絞り羽根34は、開口部31から退避した状態である。
【0053】
時刻t0のとき、絞り羽根34の位置は、
図4(A)に示すように全開停止位置である。ここで、絞り羽根34は開口部31を透過する光を遮らない位置にある。
【0054】
時刻t11〜時刻t14の期間において、制御部2は、絞り羽根34が開口部31を閉じる(覆う)ように、Hレベルの駆動信号を第2アクチュエータ322に出力する。Hレベルの駆動信号は、電流値がI11[mA]である。
これにより、符号g74が示す領域が示すように、時刻t12〜時刻t13の期間、絞り羽根34は、全開側停止位置から中間絞停止位置に移動する。なお、中間絞停止位置とは、
図4(B)に示すように、絞り羽根34が開口部31を覆った状態であり、好ましくは、絞り羽根34の小絞り孔341の中心点と開口部31の中心点とが一致する位置である。
時刻t14のとき、制御部2は第2アクチュエータ322への駆動信号を停止する。絞り羽根34の位置は、中間絞停止位置である。
時刻t11〜時刻t14の期間は、絞り込み行程の期間である。
【0055】
時刻t15〜時刻t18の期間において、制御部2は、シャッター羽根33を開けるように、Hレベルの駆動信号を第1アクチュエータ321に出力する。Hレベルの駆動信号は、電流値がI1[mA](開動作電力値)である。
【0056】
時刻t15のとき、シャッター羽根33の位置は、全閉側停止位置である。
時刻t16のとき、シャッター羽根33の位置は、全閉位置であり、露出開始時刻である。時刻t16’のとき、シャッター羽根33の位置は、中間絞全開位置である。
時刻t17のとき、シャッター羽根33の位置は、全開位置である。これにより、符号g75が示す領域が示すように、時刻t16〜時刻t17の期間、シャッター羽根33の作動により、開口部31を透過する光量が増加していく。ただし、
図9の動作とは異なり、開口部31を透過する光を絞り羽根34が減量しているため、透過光量は中間絞りに応じた光量である。時刻t16’’のとき、シャッター羽根33の位置は、全閉位置と中間絞全開位置との中央位置にある。
時刻t18のとき、制御部2は第1アクチュエータ321への駆動信号を停止する。シャッター羽根33の位置は、全開側停止位置である。
時刻t15〜時刻t18の期間は、シャッター開き工程の期間である。また、時刻t15〜時刻t19の期間は、シャッター開放作動の期間である。
【0057】
時刻t19〜時刻t23の期間において、制御部2は、シャッター羽根33を閉じるように、Lレベルの駆動信号を第1アクチュエータ321に出力する。Lレベルの駆動信号は、電流値がI1[mA]より絶対値が大きい−I2[mA](閉動作電力値)である。
時刻t19のとき、制御部2は、後述する露出期間が所望の期間となるようにLレベルの駆動信号を第1アクチュエータ321に出力し、全開側停止位置であるシャッター羽根33を全閉位置に向けて駆動する。
時刻t20のとき、シャッター羽根33の位置は、全開位置である。時刻t20’のとき、シャッター羽根33の位置は、中間絞全開位置である。
時刻t21のとき、シャッター羽根33の位置は、全閉位置であり、露出終了時刻である。これにより、符号g75が示す領域が示すように、時刻t20〜時刻t21の期間、シャッター羽根33の作動により、開口部31を透過する光量が減少していく。時刻t20’’のとき、シャッター羽根33の位置は、中間絞全開位置と全閉位置との中央位置にある。ここで、時刻t16’’〜 時刻t20’’の期間は露出期間である。
時刻t22のとき、シャッター羽根33の位置は、全閉側停止位置である。
時刻t23のとき、制御部2は第1アクチュエータ321への駆動信号を停止する。
時刻t19〜時刻t23の期間は、シャッター閉じ工程の期間である。
【0058】
時刻t24〜時刻t27の期間において、制御部2は、絞り羽根34が開口部31を開く(退避)ように、Lレベルの駆動信号を第2アクチュエータ322に出力する。Lレベルの駆動信号は、電流値が−I11[mA]である。
これにより、符号g74が示す領域が示すように、時刻t25〜時刻t26の期間、絞り羽根34は、中間絞停止位置から全開側停止位置に移動する。
時刻t27のとき、制御部2は第2アクチュエータ322への駆動信号を停止する。絞り羽根34の位置は、全開側停止位置である。
時刻t24〜時刻t27の期間は、絞り開き行程の期間である。
時刻t0〜時刻t27の期間は、絞り羽根34が作動する場合の撮影期間である。
【0059】
次に、露出動作時にNDフィルタ345を備える絞り羽根34Aが作動する場合のシャッター羽根33、絞り羽根34Aの制御例について説明する。なお述した内容と重複する箇所は省略し、
図9、
図10を用いて説明する。
【0060】
図10を参照すると、シャッタレリーズスイッチが押された時刻t0のとき、絞り羽根34Aの位置は、
図8(A)に示すように全開側停止位置である。ここで、絞り羽根34Aは、開口部31を透過する光を遮らない位置にある。
時刻t11〜時刻t14の期間において、制御部2は、絞り羽根34Aが開口部31を閉じる(覆う)ように、Hレベルの駆動信号を第2アクチュエータ322に出力する。Hレベルの駆動信号は、電流値がI11[mA]である。ここで、
図10とは異なり、NDフィルタ345は、開口部31から退避している全開側停止位置から開口部31を覆う位置に移動することにより、中間絞り口径が存在しない絞り込み行程(減光)を行う。
【0061】
その後、
図9に示すように、時刻t1〜時刻t4の期間において、制御部2は、シャッター羽根33を開けるように、Hレベルの駆動信号を第1アクチュエータ321に出力してシャッター開き工程を行う。そして、シャッター開き工程を行った後、時刻t5〜時刻t9の期間において、制御部2は、シャッター羽根33を閉じるように、Lレベルの駆動信号を第1アクチュエータ321に出力してシャッター閉じ工程を行う。
【0062】
次に、
図10を再び参照し、時刻t24〜時刻t27の期間において、制御部2は、絞り羽根34Aが開口部31から退避するように、Lレベルの駆動信号を第2アクチュエータ322に出力し、NDフィルタ345を、開口部31を覆う位置から全開側停止位置に移動させる絞り開き行程を行う。
上記の時刻t0〜時刻t27の期間は、NDフィルタ345を備える絞り羽根34Aが作動する場合の撮影期間である。
【0063】
なお、本実施形態では、絞り羽根34が1つの例を説明したが、これに限られない。絞り羽根34は、2つ以上であってもよい。この場合、羽根駆動装置3は、絞り羽根34毎に第2アクチュエータを備える。そして、絞り羽根34が複数の場合は、第1の絞り羽根34
1が第1の面積の小絞り孔341
1と、第2の絞り羽根34
2が第1の面積より小さい小絞り孔341
2と、第Nの絞り羽根34
Nが第N−1の面積より小さい小絞り孔341
Nと、を備えるようにしてもよい。または、絞り羽根34が複数の場合は、第1の絞り羽根34
1が第1の透過量のNDフィルタ345
1と、第2の絞り羽根34
2が第1の透過量より小さいNDフィルタ345
2と、第Nの絞り羽根34
Nが第N−1の透過量より小さいNDフィルタ345
Nと、を備えるようにしてもよい。
【0064】
ここで、シャッター羽根と絞り羽根を兼用する従来技術における動作例を、
図11〜
図13を用いて説明する。
まずは、
図11は、シャッター羽根と絞り羽根を兼用する従来技術における動作例を示すシーケンス図である。
図11において、横軸は時刻である。波形g901は、シャッター羽根と絞り羽根を兼用する羽根が全開時の動作を示す。波形g902は、シャッター羽根と絞り羽根を兼用する羽根が中間絞り時の動作を示す。
【0065】
時刻t0のとき、羽根の位置は、全閉側停止位置である。
全開動作時は、時刻t901〜時刻t903の期間(シャッター開き行程)において、羽根が露出開口の全領域を開けるように、駆動信号がアクチュエータに出力される。この場合、波形g901のように、羽根は、全閉側停止位置から全開側停止位置に移動し、時刻t903以降も全開側停止位置を中心に振動(バウンド)しながら全開側停止位置に収束していく。
【0066】
中間絞り動作時は、時刻t901〜時刻t902の期間(シャッター開き行程)において、羽根が露出開口の中央の一部領域を開けるように、レベルの駆動信号がアクチュエータに出力される。この場合、波形g902のように、羽根は、全閉側停止位置から中間絞り位置に移動し、時刻t902以降も中間絞り位置を中心に振動(バウンド)しながら中間絞り位置に収束していく。
【0067】
次に、従来技術におけるシャッターを閉じる動作例を説明する。
図12は、シャッター羽根と絞り羽根を兼用する従来技術におけるシャッターを閉じる動作例を示すシーケンス図である。
図12において、横軸は時刻である。
なお、
図12に示す例は、
図11において、波形g901のように、全開時の動作であり、振動(バウンド)が収束していないときに、羽根を閉じる動作を開始した場合の例である。このような動作は、露出時間が所定の時間より短い露出、シャッタースピードが例えば1/125(秒)以上の高速な露出の後に続けて撮影する場合等に起きる可能性がある。
【0068】
波形g911は、振動波形の極小値のときに、羽根を閉じる駆動信号が出力された場合の羽根の動作例である。この場合、羽根は、全開側停止位置−αの位置から閉じる動作を開始するため、時刻t911〜時刻t912の期間が羽根の閉じる時間となる。すなわち、露出終了時間が、時刻t912である。
【0069】
波形g912は、振動波形の極大値のときに、羽根を閉じる駆動信号が出力された場合の羽根の動作例である。この場合、羽根は、全開側停止位置+αの位置から閉じる動作を開始するため、時刻t911〜時刻t913の期間が羽根の閉じる時間となる。すなわち、露出終了時間が、時刻t913である。
このように、従来技術では、振動が発生している場合に閉じる動作を開始すると、露出終了時間にバラツキが発生する、すなわち、露出性能にバラツキが発生する場合があった。
【0070】
図13は、従来技術において羽根を開く動作で発生するバウンドが収束するまでの時間例を示す図である。
図13において、横軸は時刻である。
波形g921は、全閉位置から全開位置までの時間(時刻t922〜時刻t924)が波形g922と比較して短い例である。この場合、羽根の駆動電流は、波形g922と比較して大きい。このように、波形g922と比べて大きな電流値で短い時間で羽根を開いた場合、波形g921の時刻t924以降のように、振動(バウンド)の波形の振幅が大きく、収束するまでに要する時間も長い。
【0071】
波形g922は、全閉位置から全開位置までの時間(時刻t923〜時刻t925)が波形g921と比較して長い例である。この場合、羽根の駆動電流は、波形g921と比較して小さい。このように、波形g921と比べて小さな電流値で長い時間で羽根を開いた場合、波形g922の時刻t925以降のように、波形g921と比較して、振動(バウンド)の波形の振幅が小さく、収束するまでに要する時間も短い。すなわち、羽根の開放時の振動を減少させ、収束までの時間を減少させるには、羽根の開放時の駆動電流を小さくした方がよいことを、
図13は示唆している。
【0072】
ここで、露出時間が所定の時間より短い場合には、羽根の開放時のバウンドが収束しないうちに羽根の閉動作が開始されてしまう場合がある。このような場合には、上述したように、露出終了時間にバラツキが発生する場合がある。このため、本実施形態では、露出時間が所定の時間より短い露出において、
図9および
図10に示したように、シャッター羽根33を開放するときの電流値を、シャッター羽根33を閉じる時の電流値より小さくしてシャッター羽根33の開放時の振動を減少させ、収束までの時間を減少させた。本実施形態によれば、従来技術と比較して、シャッター羽根33の開放時に発生するバウンドを低減することができるため、シャッター羽根33の開放時のバウンドが収束してからシャッター羽根33の閉動作を開始することができる。これにより、露出性能のバラツキを低減することができる。所定の時間とは、例えば1/125(秒)である。
【0073】
なお、シャッター羽根の開放時の電流値は、所定の時間を基準に変更されるようにしてもよい。具体的には、露出時間が短くなるほどシャッター羽根の振動を収束させるまでの時間は短い必要がある。よって露出時間が短くなるに従ってシャッター羽根の振動が収束する、または十分に低減される程度までシャッター羽根の開放時の電流を小さくするようにしてもよい。
【0074】
図14(A)は、本実施形態に係る露出時間が所定の時間より短い露出の場合のシャッター羽根の駆動信号の例を示すシーケンス図である。
図14(B)は、本実施形態に係る露出時間が所定の時間より長い露出の場合のシャッター羽根の駆動信号の例を示すシーケンス図である。
図14(A)、(B)において、横軸は時刻である。なお、
図14(B)において、シャッター開放時間の時刻t101〜時刻t105は、
図14(A)におけるシャッター開放時間の時刻t1〜時刻t5より長い。
図14(A)における符号g61が示す領域の駆動信号は、
図9から符号g61が示す領域の駆動信号の図を抜き出したものである。
図14(B)における符号g81が示す領域の駆動信号は、露出時間が所定の時間より長い露出の場合のシャッター羽根を開放する駆動電流値I1’が、露出時間が所定の時間より短い露出の場合のシャッター羽根を開放する駆動電流値I1より大きく、シャッター羽根を閉じる駆動電流値I2以下である例である。
【0075】
図14(B)に示すように、絞り羽根がない羽根駆動装置においても、シャッター羽根を開放する駆動電流値を、シャッター羽根を閉じる駆動電流値より小さくすることにより、シャッター羽根の開放時に発生するバウンドを低減することができ、これにより、露出性能のバラツキを低減することができる。
なお、上述した露出時間が所定の時間の1/125秒は、一例であり、これに限られず、羽根駆動装置3のシャッター羽根33の材質や重量、取り付け構造、アクチュエータ32の駆動力、駆動信号に応じたものであればよい。
【0076】
露出時間が所定の時間以上の露出、露出時間が例えば1/125(秒)以下の場合は、シャッター羽根が閉動作を開始するまでにバウンドが収束する。本実施形態では、露出時間が所定の時間より短い露出の場合、シャッター羽根を開放する駆動電流値を、露出時間が所定の時間以上の露出の場合より小さくするようにしてもよい。これにより、シャッター羽根の開放時に発生するバウンドを低減することができ、これにより、露出性能のバラツキを低減することができる。
【0077】
絞りを兼ねたシャッター羽根を用いる従来技術において、周辺光量が明るい高輝度側では、絞り制御と露出時間制御の両方を行う中間絞り動作を行う必要があり、それを抑制するために複雑な機構や、センサ等が必要となっていた。これに対し、本実施形態ではシャッター羽根33が中間絞り動作を行わず、必要に応じて、開口部31より小さい小絞り孔341を有する絞り羽根34又はNDフィルタ345を有する絞り羽根34Aにより開口部31に入る光量を制御するため、簡単な構成および制御で露出性能のバラツキを低減することができる。
【0078】
本実施形態によれば、シャッター羽根33を開く時に電流を下げて、バウンドやハンチングを抑制し、位置を早期に安定させることができる。これにより、本実施形態によれば、駆動電流を変化させることで、シャッター羽根33の挙動を安定させることができるので、露出性能のバラツキが抑制できる。また、シャッター羽根33と絞り羽根34とを別々に備えるようにしたので、従来技術と比較して構成の簡素化が可能である。
【0079】
さらに本実施形態によれば、絞り制御と露出時間制御を別の羽根で行うことで、高輝度側でも全開開口することから露出性能が安定し、性能バラツキを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、絞り制御と露出時間制御を別の羽根で行うため、制御の簡易化が可能である。
【0080】
また、本実施形態によれば、絞り羽根34が小絞り孔341を備えているので、小絞り孔341によって開口部31を透過する光量を調整することができる。また、本実施形態によれば、絞り羽根34がNDフィルタ345を備えているので、NDフィルタ345によって開口部31を透過する光量を調整することができる。
【0081】
本実施形態では、シャッター羽根および絞り羽根が電流で規定される電力値で駆動される例を説明したが、これに限らず、構成や用途に応じて電圧で規定される電力値で駆動されてもよい。
【0082】
本実施形態では、撮像装置1が銀塩フィルムカメラである場合を説明したが、デジタルカメラにも適用することが可能である。
【0083】
本実施形態では、開口部31が基板4に設けられた場合を説明したが、開口部31は他の部品に設けられてもよい。例えば、基板4に対して位置決めされた薄板に開口部を設けてもよい。
【0084】
本実施形態では、シャッター羽根33の作動位置の中央を通過する期間を露出時間として説明したがこれに限定されない。例えば、シャッター羽根33の動作開始から動作終了までの期間を露出時間としてもよい。
【0085】
なお、本発明における制御部2の機能の全てまたは一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより制御部2が行う処理の全てまたは一部を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0086】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0087】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。