(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記生成部は、前記パラメータの時系列における変化として、前記警告事象の時系列における変化を、前記警告事象の種類ごとに日単位で表示させるための表示情報を生成する、
ことを特徴とする請求項2に記載のサーバ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、バスの運行管理側(運行管理を行う法人等)は、複数の路線と、路線上を行き来する複数のバス、さらに、それらバスを運転する複数の運転手を抱えている。そして、管理側では、1人の管理者に複数のバスを分散させて管理させている。従って、管理者に負担を要しない管理手法の実現が望まれている。
【0006】
上述の特許文献1に記載の技術では、車両の運行状態(「出庫」、「実車」、「入庫」等)の区分や位置情報が、運行日報として記録される。しかしながら、車内で発生した警告事象や、運転履歴が記載される訳ではない。また、特許文献2に記載の技術では、運転手への報知がなされる旨は記載されているが、管理者側に当該報知の発生について周知させる技術については開示されていない。
【0007】
そこで、本発明は、車両の運行を管理する運行管理システムにおいて、管理側の運行管理に係る負荷を軽減するための、車両の運行管理システムに係るサーバ、端末装置、サーバの制御方法及びサーバの制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態による、車両の運行状況を管理する運行管理システムに係るサーバは、管理者と、当該管理者が管理すべき少なくとも1の車両とを関連付けて記憶する記憶部と、管理者に関連付けられた車両から、当該車両の運行に関する少なくとも1のパラメータを受信する受信部と、管理者に関連付けられた少なくとも1の車両に関する情報を、管理者に対応付けられた端末装置の表示部に表示させるための表示情報を生成する生成部と、生成部によって生成された表示情報を、端末装置へ送信する送信部とを備える。
【0009】
本発明の一実施形態によるサーバにおいて、生成部は、管理者に関連付けられた少なくとも1の車両に関する情報を、端末装置の表示部に一覧で表示させるための表示情報を生成してもよい。
【0010】
本発明の一実施形態によるサーバにおいて、生成部は、少なくとも1の車両に関する情報を、端末装置の表示部に一覧で表示させるための表示情報を生成してもよい。
【0011】
本発明の一実施形態によるサーバにおいて、生成部は、少なくとも1の車両の走行位置をマップ上に重畳させて表示させるための表示情報を生成してもよい。
【0012】
本発明の一実施形態によるサーバにおいて、生成部は、車両の運行中にパラメータが所定の条件を満たす場合、当該所定の条件を満たした時刻と当該パラメータとを関連付けた警告事象を表示させる表示情報を生成してもよい。
【0013】
本発明の一実施形態によるサーバにおいて、受信部は、警告事象が生じた際の車両内の警告事象映像を、車両からさらに受信し、生成部は、警告事象を表示させる情報として、警告事象映像を含む表示情報を生成してもよい。
【0014】
本発明の一実施形態によるサーバにおいて、生成部は、パラメータの時系列における変化を、日単位で表示させるための表示情報をさらに生成してもよい。
【0015】
本発明の一実施形態によるサーバにおいて、生成部は、管理者に関連付けられた車両の運行ルートを、マップに重畳させて表示させる表示情報を生成してもよい。
【0016】
本発明の一実施形態によるサーバにおいて、生成部は、マップが、端末装置において、管理者に対応付けられた端末装置の位置を略中心として表示される表示情報を生成してもよい。
【0017】
本発明の一実施形態による端末装置は、サーバから受信した表示情報に基づき、少なくとも1の車両に関する情報を表示する表示部を備えてもよい。
【0018】
本発明の一実施形態による、車両の運行状況を管理する運行管理システムに係るサーバの制御方法は、管理者と、当該管理者が管理すべき少なくとも1の車両とを関連付けて記憶する記憶ステップと、管理者に関連付けられた車両から、当該車両の運行に関する少なくとも1のパラメータを受信する受信ステップと、管理者に関連付けられた少なくとも1の車両に関する情報を、管理者に対応付けられた端末装置の表示部に表示させるための表示情報を生成する生成ステップと、生成ステップにて生成された表示情報を、端末装置へ送信する送信ステップとを含む。
【0019】
本発明の一実施形態による、車両の運行状況を管理する運行管理システムに係るサーバの制御プログラムは、サーバに、管理者と、当該管理者が管理すべき少なくとも1の車両とを関連付けて記憶する記憶機能と、管理者に関連付けられた車両から、当該車両の運行に関する少なくとも1のパラメータを受信する受信機能と、管理者に関連付けられた少なくとも1の車両に関する情報を、管理者に対応付けられた端末装置の表示部に表示させるための表示情報を生成する生成機能と、生成機能によって生成された表示情報を、端末装置へ送信する送信機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、車両の運行を管理する運行管理システムにおいて、管理側の運行管理に係る負荷を軽減するための、車両の運行管理システムに係るサーバ、端末装置、サーバの制御方法及びサーバの制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態による運行管理システム構成の概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による車両のブロック図の一例である。
【
図3】本発明の一実施形態による、管理装置(サーバ)のブロック図の一例である。
【
図4】本発明の一実施形態による、管理装置の表示部(表示操作端末)に表示される管理画面の概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、管理装置の表示部に表示される管理画面の一例である。
【
図6】本発明の一実施形態による、管理装置の表示部に表示される管理画面の一例である。
【
図7】本発明の一実施形態による、管理装置の表示部に表示される管理画面の一例である。
【
図8】本発明の一実施形態による、管理装置の表示部に表示される管理画面の一例である。
【
図9】本発明の一実施形態による、管理装置の表示部に表示される管理画面の概略図である。
【
図10】本発明の一実施形態による、管理装置の表示部に表示される管理画面の一例である。
【
図11】本発明の一実施形態による、日報画面の概略図である。
【
図12】本発明の一実施形態による、日報画面の一例である。
【
図13】本発明の一実施形態による、管理装置の表示部に表示される管理画面の一例である。
【
図14】本発明の一実施形態による、管理装置の表示部に表示される管理画面の一例である。
【
図15】本発明の一実施形態による、運行管理システムに係るサーバの制御方法のフローチャートの一例である。
【
図16】本発明の一実施形態による、運行管理システムに係るサーバの制御方法のシーケンス図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、諸図面を参照しながら、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による運行管理システム構成の概略図である。図に示すように、運行管理システム600は、車両200A〜200Cと、管理装置(サーバ)300と、表示操作端末(端末装置)340とを少なくとも含む。管理装置300は、運行管理側の管理装置であって、ネットワーク500を介して複数の車両200A〜200Cと情報の送受信を行う。ネットワーク500は、例えば、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)や広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ISDNs(integrated service digital networks)、無線LANs、LTE(long term evolution)、LTE−Advanced、第4世代(4G)、第5世代(5G)、CDMA(code division multiple access)等である。表示操作端末340は、管理装置300の表示部及び入力受付部として機能する。表示操作端末340は、各管理者400に対応付けられて、管理者400からの入力操作を受け付けたり、管理者400に対して各種情報を提示する。なお、図では、表示操作端末340をデスクトップパソコンとキーボードにて示してあるが、タブレットや、スマートフォン等の端末装置であってもよい。また、管理装置300を2台のサーバにて示してあるが、これ以上存在してもこれ以下でもよく、また、クラウドサーバで実現されてもよい。
【0023】
車両200A〜200Cは、以下の説明ではバスを一例として説明する。図に示すように、車両200としては、運転手100によって運転されるバスであってもよいし、運転手を必要としない自動運転の車両200Cであってもよい。さらに、図では、車両としてバスを3台のみ示してあるが、複数の車両が存在してもよいことは言うまでもない。特に区別する必要がない場合、車両200A〜200C、運転手100A,100Bを、単に車両200、運転手100と表記する。なお、自動運転の車両について特筆することがある場合は、適宜説明する。
【0024】
図2は、本発明の一実施形態による車両200のブロック図である。
図2に示すように、車両200は、車両制御装置270を搭載し、撮影部210、スピーカ220、ディスプレイ230、決済部240、降車ボタン250、センサ260を少なくとも備える。撮影部210は、例えばカメラであって、車両内の出入口ドア、左右前後、決済部240付近、車両内外等に複数設けられ、車両200内外を撮影する。撮影部210によって撮影されたデータは、動画であってもよいし、静止画像であってもよい。スピーカ220は、車両200内に、停車場や運賃等の案内、異常時の警告音声等を出力する。また、スピーカ220は、車両内外の音声を録音するのに用いられてもよい。ディスプレイ230は、上記停車場や運賃等の案内、異常時の警告メッセージ等を表示する。決済部240は、車両200の利用料(運賃)の支払いに用いられ、例えば電子マネー、クレジットカードの読取装置、入金額を判定可能な入金装置である。降車ボタン250は、車両200の乗客が次の停車場で降車を希望する旨を示すためのボタンである。センサ260は、車両200内に複数設けられ、車両200の運行に関するパラメータの少なくとも1つを取得する各種センサであって、例えば、加速度センサ、速度センサ、位置センサ(GPS装置等)、温度センサ、傾きセンサ、空気圧センサ等を含む。ここで、「車両の運行に関するパラメータ」とは、車両の運行状況を把握可能なパラメータであって、例えば、車両の速度、加速度、車両内温度、出入口ドアの開閉状態、走行距離、乗客人数、売上、エンジン回転数、冷却水温度、ハンドルの操作量、燃料の残量、電気自動車である場合に燃料電池の充電率等を含む。さらに、車両の運行に関するパラメータとして、例えば撮影部210による画像によって取得可能な、車両内の乗客に関する情報が含まれてもよく、車椅子や松葉づえ、ベビーカーといった乗降に補助が必要な乗客の有無が含まれてもよい。
【0025】
車両制御装置270は、車両内の上述した各装置を制御して、各種情報を取得する。また、車両制御装置270は、取得した各種情報を運行管理システム600へ、すなわち、管理装置300へ送信する。なお、これら各種情報は、所定時間毎に送信されてよく、例えば、1秒に1回の割合で送信されてもよい。車両制御装置270は、制御部271、通信I/F(インタフェース)276、外部装置I/F277及び記憶部278を備える。制御部271は、車両制御装置270の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部271は、取得部272、送受信部273及び外部装置制御部274を備える。取得部272は、車両の運行に関するパラメータを、上述した車両200に設けられた外部装置から取得する。送受信部273は、ネットワーク500を介した、車両200と管理装置300との間の、データの送受信を制御する。例えば、送受信部273は、撮影部210によって撮影された動画、画像データを、管理装置300へ送信する。外部装置制御部274は、上述した車両200内の各種外部装置を制御する。
【0026】
ここで、車両200が自動運転車両200Cである場合、車両制御装置270は、車両200Cの走行を制御する制御装置としても機能する。
【0027】
記憶部278は、典型的には、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなど各種の記録媒体により実現され、車両制御装置270が動作するうえで必要とする各種プログラム及びデータを記憶(格納)する機能を有する。また、記憶部278は、撮影部210によって撮影された動画像を記憶する。また、記憶部278は、後述する車両200の運行に関するパラメータを、管理装置300へ送信する前に記憶する。
【0028】
次に、管理装置300について説明する。管理装置300は、制御部310、通信制御I/F320、入出力制御I/F321及び記憶部330を備える。また、管理装置300は、管理装置300の入力受付部KEY、表示部DISとして機能する、表示操作端末340と、入出力制御I/F321を介して有線又は無線にて接続される。なお、表示操作端末340には、図示しないスピーカを備えてもよい。通信制御I/F320は、図示しないアンテナ等のインタフェースである。すなわち、通信制御I/F部320は、車両200とネットワーク500を介してデータを通信させる機能を有する。
【0029】
記憶部330は、典型的には、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記録媒体により実現され、管理装置300が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部330は、管理者400と、管理者400が管理すべき少なくとも1の車両200とを関連付けて記憶する。なお、管理者400と車両200との関連付けは、日毎に更新されてもよいし、週毎、月毎に更新されてもよく、運行管理に応じて更新されてもよい。また、記憶部330は、車両200から受信した車両の運行に関するパラメータを記憶する。さらに、記憶部330は、車両200の運行中にパラメータが所定の条件を満たす場合、所定の条件を満たした時刻と、パラメータとを関連付けて、警告事象として記憶する。また、記憶部330は、車両200内の動画像データを格納する機能も有する。
【0030】
ここで、警告事象とは、車両200の運行において管理者400が把握すべき事象であって、例えば、乗客が転倒する可能性がある運転や、車両の不具合等に関する事象である。例えば、警告事象とは、車両の「急発進・急加速」、「急停止・急減速」、「急旋回」、「速度オーバー」等を含む。車両の運行に関するパラメータの所定の条件は、上記の警告事象を検出可能な条件である。例えば、「急発進」を検出可能な所定の条件は、車両の運行に関するパラメータである「加速度」が「単位時間当たりに○以上変化する」と設定することができる。また、「急旋回」を検出可能な所定の条件は、車両の運行に関するパラメータである「ハンドルの操作量」及び「速度」において、「速度○km/h以上でのハンドルの変化量が○以上」と設定することができる。また、車両の不具合等に関する事象として、「通信モジュールのエラー」、「車両カメラの破損」、「燃料減少」等が警告事象に含まれる。これらを検出可能な所定の条件は、例えば車両200の撮影部210からの映像データが入力されない、燃料センサによって、燃料が所定の閾値以下であることが検出された等とすることができる。その他、警告事象として、車両200の外、すなわち道路上での落下物の検出や、乗客の体調不良、渋滞情報、車両の運行に影響を与え得る工事に関する情報が含まれてもよい。
【0031】
制御部310は、管理装置300の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部310は、情報処理部311、生成部312、受信部313、送信部314及び判定部315を含む。情報処理部311は、各種情報の処理を行う。例えば、情報処理部311は、受信部313及び送信部314が通信制御I/F320を介して車両200から受信した情報を、生成部312に伝達する。生成部312は、情報処理部311から伝達された表示用のデータを画素情報に変換し、表示部DISのフレームバッファに書き込む機能を有する。例えば、生成部312は、管理者に関連付けられた少なくとも1の車両に関する情報を、管理者400に対応付けられた表示操作端末(端末装置)340の表示部DISに表示させるための表示情報を生成する。また、生成部312は、上述した警告事象を表示させるための表示情報を生成する。
【0032】
受信部313は、管理者に関連付けられた車両200から、上述した車両の運行に関する少なくとも1のパラメータを受信する。なお、受信部313は、警告事象が生じた際の車両200内の警告事象映像を、車両200から受信する。また、受信部313は、管理者に対応する表示操作端末340から、運行管理システムへのログイン要求を受信する。
【0033】
送信部314は、入力受付部KEYから入力された情報にしたがって、通信制御I/F320から車両200に情報を送信するように制御する機能を有する。なお、生成部312をサーバ300内に示してあるが、表示操作端末340に生成部312を設け、表示情報の生成にかかる負荷を分散させてもよい。また、送信部314は、受信部313によってログイン要求が受信された場合、表示情報として、管理者に関連付けられた車両を一覧表示させる情報を表示操作端末340へ送信する。
【0034】
入力受付部KEYは、管理者400からの入力操作を受け付けて、当該入力に係る情報を、制御部310に伝達する。表示操作端末340において、入力受付部KEYは、キーボードやタッチパネルなどにより実現され、管理者400のキーの押下操作、指やスタイラスなどの指示具による接触とその接触位置を検出し、接触位置の座標を情報処理部311に伝達する。表示部DISは、動画像やテキストデータを表示する機能を有するモニタであり、典型的には液晶ディスプレイで実現される。表示部DISは、生成部312によって生成された表示情報に基づき、各種表示画面を表示する。
【0035】
ここで、
図4〜14を用いて、管理装置300の表示画面(管理画面)について説明する。
図4は、表示操作端末340に表示される管理画面10の概略図である。図に示すように、管理画面10は、車両情報表示領域101を少なくとも含む。車両情報表示領域101は、管理者が管理すべき車両を一覧表示させた領域である。車両情報表示領域101に表示される情報は、上述したように、車両が運行管理システム600に送信する車両情報(車両の運行に関するパラメータ)に基づく。車両情報としては、例えば、車両の識別情報、車両の位置情報(経度・緯度等)、次の停留所での降車の有無、車両に搭載された各機器の状態に関する情報、乗客数、行路情報等であってよい。なお、車両情報の表示形式は、リスト形式であっても、マップ形式であっても、両者を合わせた形式であってもよい。リスト形式の場合、行路名順に表示されてもよい。なお、マップ形式であれ、リスト形式であれ、車両情報は、所定のタイミングで更新されてもよい。例えば、更新されるタイミングは、車両情報が車両から送信されるタイミングに追随してもよい。例えば、マップ形式の場合、車両の移動に応じて、マップ上で車両が移動するように表示されてもよい。
【0036】
図5に、車両情報表示領域101の一例を示す。管理画面10は、車両情報表示領域101として、車両200の運行ルートが重畳表示されたマップ画面15と、車両200の一覧表示16とを少なくとも含む。生成部312は、管理者400に関連付けられた車両200の運行ルートを、マップに重畳させて表示させる表示情報を生成する。ここで、マップの情報は、オープンデータをネットワーク500を介して取得してもよいし、記憶部330に予め記憶させておいてもよい。管理画面10において、車両200の運行状況に応じて、各車両の表示位置が遷移する。これは、車両200の位置情報を管理装置300の受信部313が受信し、生成部312が、受信した位置情報の変化に基づいて各車両200の運行状況を表示させる表示情報を生成することで実現できる。なお、マップは、管理者に対応付けられた表示操作端末340の位置を略中心として表示されてもよい。例えば、管理者が通常勤務する営業所を中心としたマップを表示させたり、又は、表示操作端末340の位置情報に基づき、表示操作端末340の現在位置を中心としたマップを表示させてもよい。これにより、管理者が即座に表示されたマップの位置を把握することが可能となる。
【0037】
表示操作端末340において、一覧表示16から車両200の選択操作が検出されると、当該車両200の詳細な管理画面へと遷移する。
図6は、車両200の詳細な管理画面の概略図である。図に示すように、管理画面10は、運行ルート表示領域17と、車両パラメータ表示領域18と、車内・車外映像表示領域19と、各種ボタン表示領域21とを含む。なお、各表示領域の位置は概略であって、大きさや位置がこれに限られるわけではない。
図7は、車両200の詳細な管理画面10の一例である。生成部312は、車両200から送信される運行に関するパラメータや画像が用いて、
図7に示す管理画面10を表示させるための表示情報を生成する。
【0038】
上述のように、本発明によれば、管理者が管理すべき車両の情報が、管理者の端末装置に一覧で表示される。従って、管理者の負荷を軽減させることが可能となる。
【0039】
また、本発明の一実施形態によれば、車両で生じた警告事象が、管理画面に表示される。この例を、
図8を用いて説明する。
図8に示すように、管理画面10は、警告事象表示領域11と、警告事象詳細表示領域12とを少なくとも含む。警告事象表示領域11は、警告事象を一覧表示する領域であって、その表示形式は、リスト形式、マップ形式等であってよい。また、警告事象詳細表示領域12は、警告事象表示領域11において、管理者400によって選択された警告事象についての詳細を表示する領域であって、警告事象の発生車両、映像、画像、発生日時、発生ルート(運行ルート)、当該車両の管理者等についての情報を含む。すなわち、管理装置300の生成部312は、警告事象を表示させる情報として、警告事象映像を含む表示情報を生成する。なお、警告事象は、サーバ300の記憶部330に記憶されずに、車両200から送信された情報に基づき、表示操作端末340に表示されてもよい。また、
図8では、2つの表示領域を明確に区別して示してあるが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、
図9に、
図8の管理画面の一例を示す。
図9の例では、警告事象表示領域11としてアラートリストが表示されている。アラートリストには、少なくとも、アラート内容(警告事象の内容)、発生日時が含まれる。重要度は、アラート内容に応じて付加される情報であって、早急に対応すべき内容であれば「高」となる。なお、アラートリストは、表示操作端末340に対応付けられた管理者400が管理すべき車両に関するものである方が好ましい。
【0040】
表示操作端末340において、管理者400によって警告事象の1つが選択されると、選択された警告事象の詳細画面が表示される。
図9の例では、アラート内容「走行中の立ち上がり」が選択され、アラート内容が発生した際の映像が、警告事象詳細表示領域12として表示されている。この映像は、警告事象が発生した際の前後30秒程度の動画であてもよいし、静止画像であってもよい。また、警告事象をより正確に把握可能なように、複数の撮影部210による動画像が表示されてもよい。さらに、音声データを含んでもよい。
【0041】
図10は、警告事象表示領域11において、警告事象がマップ形式で表示された例である。図に示すように、表示操作端末340において、管理画面10は、マップ形式の警告事象表示領域11を含む。マップ形式の警告事象表示領域11では、警告事象の発生箇所が、所定のマーク13で示されている。生成部312は、警告事象が発生した場所を、車両200の位置情報(緯度・経度)から特定し、特定した場所を、所定のマーク13でマップ上にプロットさせる。表示操作端末340において、管理者400によって警告事象の1つが選択されると、選択された警告事象の詳細画面12が表示される。なお、
図10の例のように、警告事象の内容に応じて、表示させる警告情報のフィルタリングができてもよい。
【0042】
上述のように、本発明の一実施態様によれば、管理者が確認すべき警告事象が、表示操作端末において表示される。また、警告事象は、車両200から取得される、車両の運行に関するパラメータに応じて判定され、表示情報が生成される。従って、管理者にとってみれば、警告事象の有無や内容を一瞥で把握することができ、利便性が高い。また、警告事象の生じた際の動画像が表示されるため、より精度の高いチェックを行うことが可能となる。
【0043】
管理装置300の説明に戻る。管理装置300において、受信部313は、管理者に対応する表示操作端末340から、運行管理システムへのログイン要求を受信する。判定部315は、ログイン要求に含まれる管理者の識別情報や、表示操作端末340の識別情報に基づき、ログイン要求を行った管理者を判定する。生成部312は、記憶部330に記憶された情報に基づき、ログイン要求を送信した管理者に関連付けられた車両を表示させるための表示情報を生成する。送信部314は、生成された表示情報を、表示操作端末340へ送信する。
【0044】
図11は、表示操作端末340の表示画面の一例である。
図11は、管理者が運行管理システムにログインした際に表示される画面の1つである。図に示すように、管理画面10には、管理者400に関連付けられた車両であって、管理者400が管理すべき複数の車両200の一覧表示画面として、運行スケジュール画面14が表示される。従って、管理者400は、自身が管理すべき車両に関する情報を即座に把握できるため、利便性が高い。
【0045】
なお、本発明の一実施態様によれば、運転手100が日報を作成する支援を行うことができる。例えば、
図12に、日報画面が表示された管理画面10の概略図を示す。図に示すように、日報画面は、警告事象表示領域23、運転パラメータ表示領域24、スコア表示領域25、連絡履歴表示領域26を含む。警告事象表示領域23は、運転手100による1日の運転状況に基づき、判定部315によって警告事象であると判定された場合を表示する。運転パラメータ表示領域24は、1日当たりの運転パラメータを時系列で表示する。スコア表示領域25は、運転手100の1日当たりの運転パラメータに基づき、理想的な運転モデルとの比較結果を表示する。連絡履歴表示領域26は、運転手100と管理者400とのメッセージのやり取り履歴を表示する。
図13は、日報画面の一例である。
【0046】
上述のように、本発明の一実施態様によれば、車両200の運行に関するパラメータが、車両200から管理装置300に送信され、当該パラメータに基づいて、日報が生成されて表示される。従って、運転手の負担を減らし、利便性を高めることが可能となる。
【0047】
なお、日報としては上述の例に限られるものではない。
図14に、日報の他の例を示す。
図14では、車両200の売上の時系列変化と、警告事象の発生時間のプロットとが示されている。前者は、車両200の決済部240における決済情報に基づき生成することができる。なお、
図14に示すように、日報に含めることのできるパラメータを選択可能であることが好ましい。
【0048】
次に、上述したサーバ300の制御方法について、図を用いて説明する。
図15は、サーバ300による制御方法のフローチャートである。まず、管理装置300の記憶部330に、管理者と、当該管理者が管理すべき少なくとも1の車両とが関連付けられて記憶される(ステップS11)。受信部313は、管理者400に関連付けられた車両200から、当該車両の運行に関する少なくとも1のパラメータを受信する(ステップS12)。ここで、車両の運行に関するパラメータは、一定時間(例えば、15分)毎に、それ以前のパラメータをまとめて車両200から送信されてもよいし、逐一送信されてもよい。一定時間ごとに送信される場合は、車両200の記憶部278に、パラメータが一時的に記憶される。次に、生成部312は、管理者400に関連付けられた少なくとも1の車両に関する情報を、管理者に対応付けられた端末装置の表示部に表示させるための表示情報を生成する(ステップS13)。送信部314は、生成部312によって生成された表示情報を、表示操作端末装置へ送信する(ステップS14)
【0049】
次に、車両200と、管理装置300と、表示操作端末340とによる運行管理処理について説明する。
図16は、一実施形態における、車両200と、管理装置300と、表示操作端末340とによる運行管理処理の流れを示すシーケンス図である。
【0050】
車両200の運行に関するパラメータが、管理装置300へ送信される(ステップS21,S22)。管理装置300から、表示情報が表示操作端末340へ送信される(ステップS23)。表示操作端末340において、管理画面が表示される(ステップS24)。
【0051】
このように、本発明の一実施形態によれば、車両200から、車両の運行に関するパラメータが送信され、当該パラメータの履歴に基づいて、車両内で生じた警告事象や、日報が生成され、管理者400に対して表示される。従って、管理者400に正確に必要な情報を提示することができ、利便性が高い。
【0052】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を容易に行えることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上記実施の形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。例えば、管理装置300、車両200又は表示操作端末340として区別して説明した機能は、管理装置300のみによって行われても良い。また、管理装置300が備えるとして説明した各構成部は、複数の情報処理装置によって分散されて実現されてもよい。
【0053】
例えば、上述の例では、マップの中心位置が表示操作端末340の位置に対応する態様について説明した。しかしながら、車両の異常を検知した場合、当該車両の現在位置をマップの中心位置とするようにマップを移動させてもよい。これにより、異常が発生した車両の位置を即座に管理者に把握させることが可能となる。
【0054】
さらに、マップ外にいる車両の移動方向を、例えばリスト形式の表示項目に、矢印で表示させてもよい。これにより、マップ外の車両に対しても、運行が通常通りに行われているかを簡単に把握することができる。
【0055】
例えば、上述では、警告事象の判定を、管理装置300で行うとして説明した。しかしながら、警告事象の判定は、車両200の車両制御装置270において行われてもよい。そして、車両200における判定結果に基づき、警告事象に関するパラメータや、映像のみが、管理装置300へ送信されてもよい。
【0056】
また、警告事象を判定する所定の条件は、車両200の走行環境に応じて異なってもよい。例えば、車両200が走行している場所(住宅地、ビル街の別)、道路状況(混雑、道幅、路面状態等)、天候(台風、強風、降雨等)に応じて、異なる判定条件が設定されてもよい。
【0057】
また、車両200に人工知能(AI:Artifical Intelligence)を設け、車両の走行中に警告事象を判定する所定の条件を学習させて、当該所定の条件を更新してもよい。これにより、より走行環境に則した安全な運転を提供することができる。
【0058】
また、上述では、車両としてバスについて説明した。しかしながら、車両としては、トラックやタクシー等、交通に用いられる車両に本発明を適用することができる。
【0059】
さらに、図示しない他の管理画面が表示されてもよい。例えば、管理者400がログインした際に表示される管理画面として、未対応の警告事象や、自身が管理する車両の運転手とのメッセージのうち未読のもの等が表示されてもよい。また、運転手100にも表示操作端末340が対応付けられ、日報の確認やメッセージの入力操作等が行われてもよい。さらに、取得された警告事象に基づき、警告事象の発生が多い場所についてのハザードマップを表示させる表示情報が、生成部312によって生成されてもよい。
【0060】
また、本発明に係る発明の一実施形態を説明したが、本発明はこれに限られないことは言うまでもない。例えば、上述において、管理装置300の記憶部330に記憶されると説明した各種情報は、管理装置300とは別の外部メモリや、クラウド上に記憶されてもよいし、どちらかの記憶部に集約されていてもよい。また、表示画面は一例であり、これ以上の情報が表示されてもよいし、これ以下の情報であってもよい。
【0061】
管理装置300、車両200の各機能部は、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。また、各機能部は、1または複数の集積回路により実現されてよく、複数の機能部の機能を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。さらに、上述した管理装置300は、複数のサーバコンピュータで実現してもよいし、機能によっては、外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)等で呼び出して実現してもよい。
【0062】
管理装置300の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、管理装置300または車両制御装置270は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラム及び各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。すなわち、本発明に係る管理装置300は、CPUがRAM上にロードされたプログラムを実行することにより、上述した各構成部として機能する。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0063】
なお、上記プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)、Python、Rubyなどのスクリプト言語、C言語、C++、C#、Objective-C、Swift、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。さらに、特許請求の範囲における「部(section、module、unit)」との記載は、「手段」や「回路」に読み替えてもよい。例えば、受信部は、受信手段や受信回路に読み替えることができる。