(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6705813
(24)【登録日】2020年5月18日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】α,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーおよびそれから作成されたコポリマー
(51)【国際特許分類】
C08G 81/00 20060101AFI20200525BHJP
C08L 83/12 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
C08G81/00
C08L83/12
【請求項の数】15
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-515044(P2017-515044)
(86)(22)【出願日】2015年9月18日
(65)【公表番号】特表2017-528574(P2017-528574A)
(43)【公表日】2017年9月28日
(86)【国際出願番号】US2015050883
(87)【国際公開番号】WO2016044696
(87)【国際公開日】20160324
【審査請求日】2018年9月12日
(31)【優先権主張番号】62/052,068
(32)【優先日】2014年9月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508229301
【氏名又は名称】モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Momentive Performance Materials Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100121061
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 清春
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】ミッタル,アヌジ
(72)【発明者】
【氏名】サマンタラ,ラクシミ
(72)【発明者】
【氏名】アラム,サミム
(72)【発明者】
【氏名】サクセナ,アヌブハヴ
(72)【発明者】
【氏名】ラマクリシナン,インドゥマシ
(72)【発明者】
【氏名】ロジャス−ワール,ロイ,ユー
【審査官】
藤井 明子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−296045(JP,A)
【文献】
特開平11−217442(JP,A)
【文献】
特開平05−247201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 81/00−85/00、63/00−64/42、
77/00−77/62
C08L 1/00−101/14
C08K 3/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式(I)を有するα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマー:
【化30】
式中、R
1、R
2およびR
3の各々は独立して、1から20の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族基、6から16の炭素原子を含む置換または非置換のアリール基、3から16の炭素原子を含む環状脂肪族基、3から16の炭素原子を含む異核芳香族基、3から16の炭素原子を有し、酸素、窒素または硫黄の少なくとも1つのヘテロ原子を含みおよび/またはエステル、ニトリルまたはハロ基の少なくとも1つを含むヒドロカルビル基であり、ここで少なくとも1つのR
2は少なくとも1つのR
3と異なり;
R
12は独立して水素またはメチル;
【化31】
であり、式中、R
4は独立して、1から10の炭素原子を有し2価の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、7から12の炭素原子を有するアラルキレン基、6から18の炭素原子を有する非置換または置換のアリーレン基、2から10の炭素原子を有し少なくとも1つのヘテロ原子である酸素を含むヒドロカルビレン基、R
5は独立して、水素、ハロゲン、1から12の炭素原子を含む脂肪族基、6から12の炭素原子を含む芳香族基、1から12の炭素原子を含むアルコキシ基または6から12の炭素原子を含むアリールオキシ基、R
6は独立して、ヒドロキシル基、アミン基、カルボン酸クロリド基またはスルホニルハライド基、そしてpは0または1の整数;
ここでm、n、n’、xおよびyは整数であり、mは0から120、nは1から120、n’は1から10、xは1から300、そしてyは0から100であり、但しn+mの合計は2より大きいかまたは等しい。
【請求項2】
式中、R1は独立して、1から4の炭素原子のアルキル基またはフェニル;R2は独立して、1から4の炭素原子のアルキル基またはフェニル;R3は独立して、1から16の炭素原子のアルキル基、フェニル、2−フェニルエチル、2,2−ジフェニルエチル、2−フェニル−2−メチルエチル、3−フェニルプロピル、3−フェニル−2−メチルプロピル、またはフェニル−4−オキサブチル;R4は独立して、1から6の炭素原子のアルキレン基;R5は独立して、水素、クロロ、メトキシ、エトキシ;R6は独立して、−OH、−NH2または−C(=O)Cl;R12はメチル;ここでm、n、n’、p、xおよびyは整数であり、そしてmは0から100;nは1から100;n’は1から6;pは1;xは1から275;そしてyは0から80である、請求項1のα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマー。
【請求項3】
式中、R1はメチル;R2はメチル、R3は独立してメチルまたはフェニル;R4は−CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH2CH2−または−CH2CH(CH3)CH2−;R5は独立して水素またはメトキシ;R6は−OH;ここでm、n、n’、p、xおよびyは整数であり、ここでmは0から100;nは1から100;n’は1から3;pは1;xは1から275;そしてyは0から80である、請求項2のα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマー。
【請求項4】
請求項1のα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーと、ポリカーボネートホモポリマー、ポリカーボネートコポリマー、ポリカーボネート−ポリエステル、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、およびポリエーテルイミド、ならびにこれらの組み合わせからなる群より選択された少なくとも1つのポリマーを含む組成物。
【請求項5】
請求項4の組成物を含む物品であって、医療用物品、医療用チューブ、医療用バッグ、携帯電話のハウジング、冷凍食品厨房設備の物品、ヘルメット、自動車のフロントガラス、オートバイの風防、自動車のサンルーフ、ダッシュボード、ヘッドライト、または電子的スクリーンの1つまたはより多くである、物品。
【請求項6】
請求項4の組成物を成形し、造形し、または形成して物品を作成することを含む、物品の作成方法。
【請求項7】
構造式(I)を有するα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマー:
【化32】
式中、R
1、R
2およびR
3の各々は独立して、1から20の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族基、6から16の炭素原子を含む置換または非置換のアリール基、3から16の炭素原子を含む環状脂肪族基、3から16の炭素原子を含む異核芳香族基、3から16の炭素原子を有し、酸素、窒素または硫黄の少なくとも1つのヘテロ原子を含みおよび/またはエステル、ニトリルまたはハロ基の少なくとも1つを含むヒドロカルビル基であり、ここで少なくとも1つのR
2は少なくとも1つのR
3と異なり;
R
12は独立して水素またはメチル;
【化33】
であり、式中、R
4は独立して、1から10の炭素原子を有し2価の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、7から12の炭素原子を有するアラルキレン基、6から18の炭素原子を有する非置換または置換のアリーレン基、2から10の炭素原子を有し少なくとも1つのヘテロ原子である酸素を含むヒドロカルビレン基、R
5は独立して、水素、ハロゲン、1から12の炭素原子を含む脂肪族基、6から12の炭素原子を含む芳香族基、1から12の炭素原子を含むアルコキシ基または6から12の炭素原子を含むアリールオキシ基、R
6は独立して、ヒドロキシル基、アミン基、カルボン酸クロリド基またはスルホニルハライド基、そしてpは0または1の整数;
ここでm、n、n’、xおよびyは整数、mは0から120、nは1から120、n’は1から10、xは1から300、そしてyは0から100であり、但しn+mの合計は2より大きいかまたは等しいものを調製するための方法であって:
(a)構造式(IV)によって表されるヒドリド末端シロキサンであって:
【化34】
式中、R
1、R
2およびR
3の各々は独立して、1から20の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族基、6から16の炭素原子を含む置換または非置換のアリール基、3から16の炭素原子を含む環状脂肪族基、3から16の炭素原子を含む異核芳香族基、3から16の炭素原子を有し、酸素、窒素または硫黄の少なくとも1つのヘテロ原子を含みおよび/またはエステル、ニトリルまたはハロ基の少なくとも1つを含むヒドロカルビル基であり、ここで少なくとも1つのR
2は少なくとも1つのR
3と異なり;xは1から300の整数であり、そしてyは0から100の整数であるものを
ヒドロシリル化触媒の存在下に、末端に炭素−炭素二重結合を含むビス不飽和ポリオキシアルキレンと反応させて、構造式(V)によって表されるヒドリド末端ポリオキシアルキレン−シロキサンを得:
【化35】
式中、R
1、R
2およびR
3の各々は独立して、1から20の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族基、6から16の炭素原子を含む置換または非置換のアリール基、3から16の炭素原子を含む環状脂肪族基、3から16の炭素原子を含む異核芳香族基、3から16の炭素原子を有し、酸素、窒素または硫黄の少なくとも1つのヘテロ原子を含みおよび/またはエステル、ニトリルまたはハロ基の少なくとも1つを含むヒドロカルビル基であり、ここでR
2およびR
3は同一でなく;
R
12は独立して水素またはメチル;
m、n、n’、xおよびyは整数、ここでmは0から120、nは1から120、n’は1から10、xは1から300、そしてyは0から100であり、但しn+mの合計は2より大きいか等しくあり;および
(b)工程(a)のヒドリド末端ポリオキシアルキレン−シロキサンを式(VI)によって表され炭素−炭素二重結合を含む置換フェニルと反応させ:
【化36】
式中、R
13は独立して、1から8の炭素原子を有する2価の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、7から10の炭素原子を有するアラルキレン基、6から16の炭素原子を有する非置換または置換のアリーレン基、から8の炭素原子を有し少なくとも1つのヘテロ原子である酸素を含むヒドロカルビレン基、R
5は独立して、水素、ハロゲン、1から12の炭素原子を含む脂肪族基、6から12の炭素原子を含む芳香族基、1から12の炭素原子を含むアルコキシ基または6から12の炭素原子を含むアリールオキシ基、R
6は独立して、ヒドロキシル基、アミン基、カルボン酸クロリド基またはスルホニルハライド基、そして下付文字qは整数0または1である
によってα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーを得る方法。
【請求項8】
α,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーを精製することをさらに含む、請求項7の方法。
【請求項9】
式(II)の構造単位を含むコポリマー:
【化37】
式中、R
1、R
2およびR
3の各々は独立して、1から20の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族基、6から16の炭素原子を含む置換または非置換のアリール基、3から16の炭素原子を含む環状脂肪族基、3から16の炭素原子を含む異核芳香族基、3から16の炭素原子を有し、酸素、窒素または硫黄の少なくとも1つのヘテロ原子を含みおよび/またはエステル、ニトリルまたはハロ基の少なくとも1つを含むヒドロカルビル基であり、ここで少なくとも1つのR
2は少なくとも1つのR
3と異なり;
R
12は独立して水素またはメチル;
【化38】
であり、式中、R
4は独立して、1から10の炭素原子を有し2価の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、7から12の炭素原子を有するアラルキレン基、6から18の炭素原子を有する非置換または置換のアリーレン基、2から10の炭素原子を有し少なくとも1つのヘテロ原子である酸素を含むヒドロカルビレン基、R
5は独立して、水素、ハロゲン、1から12の炭素原子を含む脂肪族基、6から12の炭素原子を含む芳香族基、1から12の炭素原子を含むアルコキシ基または6から12の炭素原子を含むアリールオキシ基、Wは独立して、−O−、−NR−、−C(=O)O−および−S(=O)
2O−からなる群より選択される2価の基、そして下付文字pは整数0または1;
ここでm、n、n’、xおよびyは整数であり、mは0から120、nは1から120、n’は1から10、xは1から300、そしてyは0から100であり、但しn+mの合計は2より大きいかまたは等しい。
【請求項10】
式(VII)を有する構造単位をさらに含む、請求項9のコポリマー:
【化39】
式中、R
7の各々は1から60の炭素原子を有する炭化水素ラジカル、2価の炭化水素基、式(III)を有する構造単位から誘導される基であり:
【化40】
式中、R
8は独立して、水素、ハロゲン、1から6の炭素原子を有する脂肪族基、6から8の炭素原子を有する芳香族基、1から6の炭素原子を有するアルコキシ基、またはアリールオキシ基;そしてR
9は独立して、ヒドロキシル基、アミン基、酸クロリド基、またはスルホニルハライド基;そしてXは:
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
からなる群より選択される構造式によって表される化合物であり、式中、R
10、R
11は独立して、水素、ハロゲン、1から18の炭素原子を有するアルキル基、3から14の炭素原子を有するアリール基、6から10の炭素原子を有するアリールオキシ基、7から20の炭素原子を有するアラルキル基、1から10の炭素原子を有するアルコキシ基、6から20の炭素原子を有するシクロアルキル基、6から20の炭素原子を有するシクロアルコキシ基、2から10の炭素原子を有するアルケニル基、アラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基、またはカルボキシル基である。
【請求項11】
(i)式(II)の構造単位を含むコポリマー:
【化52】
式中、R1、R2およびR3の各々は独立して、1から20の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族基、6から16の炭素原子を含む置換または非置換のアリール基、3から16の炭素原子を含む環状脂肪族基、3から16の炭素原子を含む異核芳香族基、3から16の炭素原子を有し、酸素、窒素または硫黄の少なくとも1つのヘテロ原子を含みおよび/またはエステル、ニトリルまたはハロ基の少なくとも1つを含むヒドロカルビル基であり、ここで少なくとも1つのR2は少なくとも1つのR3と異なり;
R12は独立して水素またはメチル;
【化53】
であり、式中、R4は独立して、1から10の炭素原子を有し2価の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、7から12の炭素原子を有するアラルキレン基、6から18の炭素原子を有する非置換または置換のアリーレン基、2から10の炭素原子を有し少なくとも1つのヘテロ原子である酸素を含むヒドロカルビレン基、R5は独立して、水素、ハロゲン、1から12の炭素原子を含む脂肪族基、6から12の炭素原子を含む芳香族基、1から12の炭素原子を含むアルコキシ基または6から12の炭素原子を含むアリールオキシ基、Wは独立して、−O−、−NR−、−C(=O)O−および−S(=O)2O−からなる群より選択される2価の基、そして下付文字pは整数0または1;
ここでm、n、n’、xおよびyは整数であり、mは0から120、nは1から120、n’は1から10、xは1から300、そしてyは0から100であり、但しn+mの合計は2より大きいかまたは等しい;及び
(ii)ポリカーボネートホモポリマー、ポリカーボネート−ポリエステル、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミ
ドのからなる群から選ばれた少なくとも1つ
のポリマー;
を含む組成物。
【請求項12】
請求項11の組成物を含む物品であって、医療用物品、医療用チューブ、医療用バッグ、携帯電話のハウジング、冷凍食品厨房設備の物品、ヘルメット、自動車のフロントガラス、オートバイの風防、自動車のサンルーフ、ダッシュボード、ヘッドライト、または電子的スクリーンの1つまたはより多くである、物品。
【請求項13】
請求項11の組成物を成形し、造形し、または形成して物品を作成することを含む、物品の作成方法。
【請求項14】
コポリマーの調製方法であって、構造式(I):
【化45】
式中、R
1、R
2およびR
3の各々は独立して、1から20の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族基、6から16の炭素原子を含む置換または非置換のアリール基、3から16の炭素原子を含む環状脂肪族基、3から16の炭素原子を含む異核芳香族基、3から16の炭素原子を有し、酸素、窒素または硫黄の少なくとも1つのヘテロ原子を含みおよび/またはエステル、ニトリルまたはハロ基の少なくとも1つを含むヒドロカルビル基であり、ここで少なくとも1つのR
2は少なくとも1つのR
3と異なり;
R
12は独立して水素またはメチル;
【化46】
であり、式中、R
4は独立して、1から10の炭素原子を有し2価の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、7から12の炭素原子を有するアラルキレン基、6から18の炭素原子を有する非置換または置換のアリーレン基、2から10の炭素原子を有し少なくとも1つのヘテロ原子である酸素を含むヒドロカルビレン基、R
5は独立して、水素、ハロゲン、1から12の炭素原子を含む脂肪族基、6から12の炭素原子を含む芳香族基、1から12の炭素原子を含むアルコキシ基または6から12の炭素原子を含むアリールオキシ基、R
6は独立して、ヒドロキシル基、アミン基、カルボン酸クロリド基またはスルホニルハライド基、そして下付文字pは整数0または1;
m、n、n’、xおよびyは整数、ここでmは0から120、nは1から120、n’は1から10、xは1から300、そしてyは0から100であり、但しn+mの合計は2より大きいかまたは等しい、
を有するα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーを、カーボネート前駆体の存在下に、式(III)の化合物:
【化47】
式中、R
8は独立して、水素、ハロゲン、1から6の炭素原子を有する脂肪族基、6から8の炭素原子を有する芳香族基、1から6の炭素原子を有するアルコキシ基、またはアリールオキシ基;R
9は独立して、ヒドロキシル基、アミン基、酸クロリド基、またはスルホニルハライド基;そしてXは:
【化48】
【化49】
【化50】
【化51】
からなる群より選択される構造式によって表される化合物であり、式中、R
10、R
11は独立して、水素、ハロゲン、1から18の炭素原子を有するアルキル基、3から14の炭素原子を有するアリール基、6から10の炭素原子を有するアリールオキシ基、7から20の炭素原子を有するアラルキル基、1から10の炭素原子を有するアルコキシ基、6から20の炭素原子を有するシクロアルキル基、6から20の炭素原子を有するシクロアルコキシ基、2から10の炭素原子を有するアルケニル基、アラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基、またはカルボキシル基であるものと重合することを含む方法。
【請求項15】
(i)カーボネート前駆体が、ホスゲン、ジホスゲン、ジアリールカーボネート、ビス(メチルサリチル)カーボネート、またはこれらの組み合わせから選択される、
(ii)重合工程が、溶媒と、1つまたはより多くの触媒の存在下に行われる界面重合プロセスである、
(iii)重合工程が、溶媒と、苛性物質と、1つまたはより多くの触媒の存在下において行われる、界面重合プロセスであり、カーボネート前駆体が、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン、ジアリールカーボネート、ビス(メチルサリチル)カーボネート、またはこれらの組み合わせから選択される、
(iv)重合工程が、ビスフェノールAをトリホスゲンと、相間移動触媒の存在下に2相性溶媒中で反応させて、ビスクロロホルメートを形成し;そしてα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーを添加して、コポリマーを形成することを含む、ならびに
(v)重合工程が、ビスフェノールAをトリホスゲンと、相間移動触媒の存在下に2相性溶媒中で反応させて、ビスクロロホルメートを形成し;そしてα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーを添加して、コポリマーを形成することを含み、ここでビスクロロホルメートが管状反応器において形成され、次いで触媒と共に、界面重縮合反応器に入れられる、
の(i)〜(v)からなる群から選択される少なくとも1の要素を含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、α,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマー、およびそれから作成されたコポリマーに向けられている。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂は周知の熱可塑性樹脂であり、その非常に高い光学透明度、耐衝撃性、高い寸法安定性、および耐熱性の故に、これまで長い間、医療用途を含む各種の用途に用いられてきている。しかしながらポリカーボネートは、血液、タンパク質、および脂質溶液と接触する医療用途においては、悪影響を有する場合がありうる。例えば、血液が従来のポリカーボネートと接触する場合、血液中の血小板数が減少する可能性がある。タンパク質を含む溶液が従来のポリカーボネートと接触すると、ポリマーの表面にタンパク質の層が堆積する場合がある。これまでに、親水性で血液適合性のあるコーティング層のような、親水性のポリカーボネート表面コーティングを使用することが試みられてきた。しかしながらこれは、物品を押し出し、成型した後に、コーティングを行う付加的な工程を必要とする。
【0003】
関連する表面処理が、欧州特許公開第2559806(A1)号に開示されている。He、H
2、Kr、Ne、N
2、およびXeガスの混合物を包含する表面プラズマ処理により、ポリカーボネートの親水性を改善する方法が開示されている。
【0004】
米国特許第5,661,202号、欧州特許公開第0570208A2号、米国特許第7,709,581号、米国特許出願公開第20080081860号は、主鎖または側鎖に種々の置換基を有するオイゲノール末端流体を広く開示している。
【0005】
米国特許第8,426,532号は、分子に親水性機能を導入するためにスルホン化技術を使用することを開示している。また親水性を増大させるために、異なる添加剤を添加することが可能であり、幾つかの添加剤は特定条件下で調整を行った後にのみ表面活性となるが、幾つかの添加剤はポリカーボネートと混和性である。しかしながらこれらはガラス転移を低減させるため、処理に対する影響がある。さらに、これらの添加剤が熱的に安定で表面活性であったとしても、ポリマーマトリックスと添加剤の間に化学結合が存在しないことから、そうした性質は永続的でないであろう。
【0006】
米国特許第8,426,532号は、ポリカーボネートグラフトコポリマーを開示しており、ポリカーボネートを主鎖に含み、側鎖またはペンダント鎖がポリカーボネート主鎖にグラフトしている。これらのペンダント鎖は、ビニルピロリドン、アクリレート、スチレン、ジアルキルシロキサン、およびパーフルオロビニル化合物などの、ラジカル重合可能な不飽和モノマーから誘導される。
【0007】
米国特許第7,888,447号は、ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体組成物の調製を開示しており、これはポリ(オキシアルキル)基をペンダントとして有し、作成された材料は改善された血液適合性を有する。しかしながら、この種のコポリマーでは、親水性部分はランダムに分布されうる。
【0008】
改善された血液適合性と親水性とを有するポリカーボネート組成物、および改善された血液適合性と親水性とを示すポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体組成物中における良好な顔料分散性についてのニーズが存在している。
【発明の概要】
【0009】
しかして、ランダムなシロキサンブロック構造を有するある種のポリカーボネート−ポリオキシアルキレン−シロキサンコポリマー組成物が、従来のブレンド、添加剤、およびコポリマーと比べて改善された親水性および血液適合性に加えて、調整可能な特性を提供しうることが見出されたものである。
【0010】
本発明のα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーは、構造式(I):
【化1】
を有し、式中、R、R
1、R
2およびR
3の各々は独立して、1から20の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族基、6から16の炭素原子を含む置換または非置換のアリール基、3から16の炭素原子を含む環状脂肪族基、3から16の炭素原子を含む異核芳香族基、3から16の炭素原子を有し、酸素、窒素または硫黄の少なくとも1つのヘテロ原子を含みおよび/またはエステル、ニトリルまたはハロ基の少なくとも1つを含むヒドロカルビル基であり、ここで少なくとも1つのR
2は少なくとも1つのR
3と異なり;R
12は独立して水素またはメチル;
【化2】
であり、式中R
4は独立して、1から10の炭素原子を有し2価の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、7から12の炭素原子を有するアラルキレン基、6から18の炭素原子を有する非置換または置換のアリーレン基、2から10の炭素原子を有し少なくとも1つのヘテロ原子である酸素を含むヒドロカルビレン基、R
5は独立して、水素、ハロゲン、1から12の炭素原子を含む脂肪族基、6から12の炭素原子を含む芳香族基、1から12の炭素原子を含むアルコキシ基または6から12の炭素原子を含むアリールオキシ基、R
6は独立して、ヒドロキシル基、アミン基、カルボン酸クロリド基またはスルホニルハライド基、そして下付文字pは整数0または1;m、n、n’、xおよびyは整数、ここでmは0から120、nは1から120、n’は1から10、xは1から300、そしてyは0から100であり、但しn+mの合計は2より大きいかまたは等しい。
【0011】
実施形態においては、本発明は以下の式(II)の構造単位:
【化3】
を含むコポリマーに向けられており、式中、各々のR、R
1、R
2およびR
3は独立して、1から20の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族基、6から16の炭素原子を含む置換または非置換のアリール基、3から16の炭素原子を含む環状脂肪族基、3から16の炭素原子を含む異核芳香族基、3から16の炭素原子を有し、酸素、窒素または硫黄の少なくとも1つのヘテロ原子を含みおよび/またはエステル、ニトリルまたはハロ基の少なくとも1つを含むヒドロカルビル基であり、ここで少なくとも1つのR
2は少なくとも1つのR
3と異なり;R
12は独立して水素またはメチル;
【化4】
であり、式中R
4は独立して、1から10の炭素原子を有し2価の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、7から12の炭素原子を有するアラルキレン基、6から18の炭素原子を有する非置換または置換のアリーレン基、2から10の炭素原子を有し少なくとも1つのヘテロ原子である酸素を含むヒドロカルビレン基、R
5は独立して、水素、ハロゲン、1から12の炭素原子を含む脂肪族基、6から12の炭素原子を含む芳香族基、1から12の炭素原子を含むアルコキシ基または6から12の炭素原子を含むアリールオキシ基、Wは独立して、−O−、−NR−、−C(=O)O−および−S(=O)
2O−からなる群より選択される2価の基、そして下付文字pは整数0または1;ここでm、n、n’、xおよびyは整数、mは0から120、nは1から120、n’は1から10、xは1から300、そしてyは0から100であり、但しn+mの合計は2より大きいかまたは等しい。
【0012】
別の実施形態において、本発明はポリシロキサンコポリマーを調製する方法に関し、この方法は、構造式(I):
【化5】
によって表され、式中、R
1、R
2およびR
3の各々は独立して、1から20の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族基、6から16の炭素原子を含む置換または非置換のアリール基、3から16の炭素原子を含む環状脂肪族基、3から16の炭素原子を含む異核芳香族基、3から16の炭素原子を有し、酸素、窒素または硫黄の少なくとも1つのヘテロ原子を含みおよび/またはエステル、ニトリルまたはハロ基の少なくとも1つを含むヒドロカルビル基であり、ここで少なくとも1つのR
2は少なくとも1つのR
3と異なり;R
12は独立して水素またはメチル;
【化6】
であり、式中、R
4は独立して、1から10の炭素原子を有し2価の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、7から12の炭素原子を有するアラルキレン基、6から18の炭素原子を有する非置換または置換のアリーレン基、2から10の炭素原子を有し少なくとも1つのヘテロ原子である酸素を含むヒドロカルビレン基、R
5は独立して、水素、ハロゲン、1から12の炭素原子を含む脂肪族基、6から12の炭素原子を含む芳香族基、1から12の炭素原子を含むアルコキシ基または6から12の炭素原子を含むアリールオキシ基、R
6は独立して、ヒドロキシル基、アミン基、カルボン酸クロリド基またはスルホニルハライド基、そして下付文字pは整数0または1;ここでm、n、n’、xおよびyは整数、そしてmは0から120、nは1から120、n’は1から10、xは1から300、yは0から100であり、但しn+mの合計は2より大きいかまたは等しい、α,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーを、構造式(III)によって表される化合物の存在下に、限定するものではないがホスゲンまたはジフェニルカーボネートのような活性化カルボニルと重合することを含み、ポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーをもたらす:
【化7】
式中、R
8は独立して、水素、ハロゲン、1から6の炭素原子を有する脂肪族基、6から8の炭素原子を有する芳香族基、1から6の炭素原子を有するアルコキシ基、またはアリールオキシ基;R
9は独立して、ヒドロキシル基、アミン基、カルボン酸クロリド基、またはスルホニルハライド基;そしてXは:
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
からなる群より選択される構造式によって表される化合物であり、式中、R
10、R
11は独立して、水素、ハロゲン、1から18の炭素原子を有するアルキル基、3から14の炭素原子を有するアリール基、6から10の炭素原子を有するアリールオキシ基、7から20の炭素原子を有するアラルキル基、1から10の炭素原子を有するアルコキシ基、6から20の炭素原子を有するシクロアルキル基、6から20の炭素原子を有するシクロアルコキシ基、2から10の炭素原子を有するアルケニル基、アラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基、またはカルボキシル基である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は一般に、主鎖に親水性置換基を有するシロキサン組成物と、それから得られるポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーに関し、接触角の減少と、血液適合性の増大とがもたらされる。
【0014】
ある側面において、本発明は、構造式(I)として参照すれる構造式を有するα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーに向けられており:
【化12】
式中、R、R
1、R
2およびR
3の各々は独立して、1から20の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族基、6から16の炭素原子を含む置換または非置換のアリール基、3から16の炭素原子を含む環状脂肪族基、3から16の炭素原子を含む異核芳香族基、3から16の炭素原子を有し、酸素、窒素または硫黄の少なくとも1つのヘテロ原子を含みおよび/またはエステル、ニトリルまたはハロ基の少なくとも1つを含むヒドロカルビル基であり、ここで少なくとも1つのR
2は少なくとも1つのR
3と異なり;R
12は独立して水素またはメチル;
【化13】
であり、式中、R
4は独立して、1から10の炭素原子を有し2価の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、7から12の炭素原子を有するアラルキレン基、6から18の炭素原子を有する非置換または置換のアリーレン基、2から10の炭素原子を有し少なくとも1つのヘテロ原子である酸素を含むヒドロカルビレン基、R
5は独立して、水素、ハロゲン、1から12の炭素原子を含む脂肪族基、6から12の炭素原子を含む芳香族基、1から12の炭素原子を含むアルコキシ基または6から12の炭素原子を含むアリールオキシ基、R
6は独立して、ヒドロキシル基、アミン基、カルボン酸クロリド基またはスルホニルハライド基、そして下付文字pは整数0または1;そしてここでm、n、n’、xおよびyは整数、mは0から120、nは1から120、n’は1から10、xは1から300、そしてyは0から100であり、但しn+mの合計は2より大きいかまたは等しい。
【0015】
別の側面においては、本発明はまた、上述したα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーを含むポリマーブレンドに向けられている。
【0016】
さらなる側面において、本発明はまた、上に示し説明した構造式(I)のα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーを調製する方法を提供し、ここでpは1である。この方法は、ヒドリド末端シロキサンを、環状オリゴマー、例えば環状シロキサンから得ることを含む。このヒドリド末端シロキサンは、酸性および/または塩基性触媒の存在下に、環状シロキサンをジシロキサンヒドリドで開環重合することによって得ることができる。ある実施形態において、ヒドリド末端シロキサンは構造式(IV)によって表されるものが開示される:
【化14】
式中、R、R
1、R
2およびR
3の各々は独立して、1から20の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族基、6から16の炭素原子を含む置換または非置換のアリール基、3から16の炭素原子を含む環状脂肪族基、3から16の炭素原子を含む異核芳香族基、3から16の炭素原子を有し、酸素、窒素または硫黄の少なくとも1つのヘテロ原子を含みおよび/またはエステル、ニトリルまたはハロ基の少なくとも1つを含むヒドロカルビル基、ここで少なくとも1つのR
2は少なくとも1つのR
3と異なり;xは1から300の整数であり、yは0から100の整数である。このヒドリド末端シロキサンは、ヒドロシリル化触媒の存在下に、末端に炭素−炭素二重結合を含むビス不飽和ポリアルキレンと反応され、ヒドロシリル化を用いた逐次重合によって、構造式(V)によって表されるヒドリド末端ポリオキシアルキレン−シロキサンが得られる:
【化15】
式中、R、R
1、R
2およびR
3の各々は独立して、1から20の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族基、6から16の炭素原子を含む置換または非置換のアリール基、3から16の炭素原子を含む環状脂肪族基、3から16の炭素原子を含む異核芳香族基、3から16の炭素原子を有し、酸素、窒素または硫黄の少なくとも1つのヘテロ原子を含みおよび/またはエステル、ニトリルまたはハロ基の少なくとも1つを含むヒドロカルビル基であり、ここでR
2およびR
3は同一ではなく;R
12は独立して水素またはメチル;m、n、n’、xおよびyは整数、そしてここでmは0から120、nは1から120、n’は1から10、xは1から300、そしてyは0から100であり、但しn+mの合計は2より大きいかまたは等しい。ヒドリド末端ポリオキシアルキレン−シロキサンは次いで、式(VI):
【化16】
によって表され、式中、R
13は独立して、1から8の炭素原子を有する2価の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、7から10の炭素原子を有するアラルキレン基、6から16の炭素原子を有する非置換または置換のアリーレン基、2から8の炭素原子を有し少なくとも1つのヘテロ原子である酸素を含むヒドロカルビレン基、R
5は独立して、水素、ハロゲン、1から12の炭素原子を含む脂肪族基、6から12の炭素原子を含む芳香族基、1から12の炭素原子を含むアルコキシ基または6から12の炭素原子を含むアリールオキシ基、R
6は独立して、ヒドロキシル基、アミン基、カルボン酸クロリド基またはスルホニルハライド基、そして下付文字qは整数0または1である、炭素−炭素二重結合を含む置換されたフェニルとヒドロシリル化されて、構造式(I)を有するα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーが得られる:
【化17】
式中、R、R
1、R
2およびR
3の各々は独立して、1から20の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族基、6から16の炭素原子を含む置換または非置換のアリール基、3から16の炭素原子を含む環状脂肪族基、3から16の炭素原子を含む異核芳香族基、3から16の炭素原子を有し、酸素、窒素または硫黄の少なくとも1つのヘテロ原子を含みおよび/またはエステル、ニトリルまたはハロ基の少なくとも1つを含むヒドロカルビル基、ここで少なくとも1つのR
2は少なくとも1つのR
3と異なり; R
12は独立して水素またはメチル;
【化18】
であり、式中、R
4は独立して、1から10の炭素原子を有し2価の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、7から12の炭素原子を有するアラルキレン基、6から18の炭素原子を有する非置換または置換のアリーレン基、2から10の炭素原子を有し少なくとも1つのヘテロ原子である酸素を含むヒドロカルビレン基、R
5は独立して、水素、ハロゲン、1から12の炭素原子を含む脂肪族基、6から12の炭素原子を含む芳香族基、1から12の炭素原子を含むアルコキシ基または6から12の炭素原子を含むアリールオキシ基、R
6は独立して、ヒドロキシル基、アミン基、カルボン酸クロリド基またはスルホニルハライド基、そして下付文字pは1;m、n、n’、xおよびyは整数、ここでmは0から120、nは1から120、n’は1から10、xは1から300、そしてyは0から100であり、但しn+mの合計は2より大きいかまたは等しい。
【0017】
得られたα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーはさらに、有機物を除去するように精製してよい。この精製は、500mmHg未満の減圧と、約150から300℃の温度において実行されて、より低減された揮発性成分を含むα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーが得られる。
【0018】
ある実施形態においては、本発明はまた、コポリマーに向けられており、これは以下の構造単位の式(II):
【化19】
を含み、式中、R、R
1、R
2およびR
3の各々は独立して、1から20の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族基、6から16の炭素原子を含む置換または非置換のアリール基、3から16の炭素原子を含む環状脂肪族基、3から16の炭素原子を含む異核芳香族基、3から16の炭素原子を有し、酸素、窒素または硫黄の少なくとも1つのヘテロ原子を含みおよび/またはエステル、ニトリルまたはハロ基の少なくとも1つを含むヒドロカルビル基であり、ここで少なくとも1つのR
2は少なくとも1つのR
3と異なり;R
12は独立して水素またはメチル;
【化20】
であり、式中、R
4は独立して、1から10の炭素原子を有し2価の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、7から12の炭素原子を有するアラルキレン基、6から18の炭素原子を有する非置換または置換のアリーレン基、2から10の炭素原子を有し少なくとも1つのヘテロ原子である酸素を含むヒドロカルビレン基、R
5は独立して、水素、ハロゲン、1から12の炭素原子を含む脂肪族基、6から12の炭素原子を含む芳香族基、1から12の炭素原子を含むアルコキシ基または6から12の炭素原子を含むアリールオキシ基、Wは独立して、−O−、−NR−、−C(=O)O−および−S(=O)
2O−からなる群より選択される2価の基、そして下付文字pは整数0または1;m、n、n’、xおよびyは整数、ここでmは0から120、nは1から120、n’は1から10、xは1から300、そしてyは0から100であり、但しn+mの合計は2より大きいかまたは等しい。
【0019】
実施形態において、式(I)は、ポリカーボネートホモポリマー、ポリカーボネートコポリマー、ポリカーボネート−ポリエステル、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、およびポリエーテルイミドまたはこれらの組み合わせと組み合わせられて、コポリマー組成物またはポリマーブレンドが形成される。
【0020】
さらなる実施形態において、本発明はまた、式(I)のα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマー、または式(II)および構造式(VII)の単位を含むコポリマーを含む組成物に向けられており:
【化21】
式中、R
7の各々は独立して、1から60の炭素原子を有する炭化水素ラジカル、2価の炭化水素基、または式(IV)を有する構造単位から誘導される基:
【化22】
であり、式中、R
8は独立して、水素、ハロゲン、1から6の炭素原子を有する脂肪族基、6から8の炭素原子を有する芳香族基、1から6の炭素原子を有するアルコキシ基、またはアリールオキシ基;R
9は独立して、ヒドロキシル基、アミン基、酸クロリド基、またはスルホニルハライド基であり;そしてXは:
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
からなる群より選択される構造式によって表される化合物であり、式中、R
10およびR
11は独立して、水素、ハロゲン、1から18の炭素原子を有するアルキル基、3から14の炭素原子を有するアリール基、6から10の炭素原子を有するアリールオキシ基、7から20の炭素原子を有するアラルキル基、1から10の炭素原子を有するアルコキシ基、6から20の炭素原子を有するシクロアルキル基、6から20の炭素原子を有するシクロアルコキシ基、2から10の炭素原子を有するアルケニル基、アラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基、またはカルボキシル基であって、ポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーが与えられる。
【0021】
上記に開示したコポリマーの実施形態において、R
9はヒドロキシル基であることができ、そしてR
10は1から6の炭素原子のアルキル基であることができる。
【0022】
ある実施形態において、本発明のコポリマーは、α,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーおよびジヒドロキシ芳香族化合物を、ホスゲンのようなカーボネート前駆体の存在下に重合させることによって調製してよい。1つの実施形態において、ジヒドロキシ芳香族化合物はビスフェノールAであり、α,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーは構造式(I)を有するポリマーであり:
【化27】
式中、R、R
1、R
2およびR
3の各々は独立して、1から20の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の脂肪族基、6から16の炭素原子を含む置換または非置換のアリール基、3から16の炭素原子を含む環状脂肪族基、3から16の炭素原子を含む異核芳香族基、3から16の炭素原子を有し、酸素、窒素または硫黄の少なくとも1つのヘテロ原子を含みおよび/またはエステル、ニトリルまたはハロ基の少なくとも1つを含むヒドロカルビル基であり、ここで少なくとも1つのR
2は少なくとも1つのR
3と異なり;R
12は独立して水素またはメチル;
【化28】
であり、式中R
4は独立して、1から10の炭素原子を有し2価の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、7から12の炭素原子を有するアラルキレン基、6から18の炭素原子を有する非置換または置換のアリーレン基、2から10の炭素原子を有し少なくとも1つのヘテロ原子である酸素を含むヒドロカルビレン基、R
5は独立して、水素、ハロゲン、1から12の炭素原子を含む脂肪族基、6から12の炭素原子を含む芳香族基、1から12の炭素原子を含むアルコキシ基または6から12の炭素原子を含むアリールオキシ基、R
6は独立して、ヒドロキシル基、アミン基、カルボン酸クロリド基またはスルホニルハライド基、そして下付文字pは整数0または1;m、n、n’、xおよびyは整数、ここでmは0から120、nは1から120、n’は1から10、xは1から300、そしてyは0から100であり、但しn+mの合計は2より大きいかまたは等しい。
【0023】
カーボネート前駆体は、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン、およびジアリールカーボネート、ビス(メチルサリチル)カーボネート、またはこれらの組み合わせから選択してよい。
【0024】
実施形態において、重合反応は、溶媒と、そして任意選択的に1つまたはより多くの触媒の存在下において実行される界面重合プロセスである。
【0025】
さらなる実施形態において、重合反応は、塩素化脂肪族有機液体、メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン、1,2−ジクロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、塩素含有芳香族溶媒、トルエン、種々のクロロトルエンその他などの溶媒、脱イオン水のような水系溶媒と、任意選択的に1つまたはより多くの触媒の存在下に行われる、界面重合プロセスである。
【0026】
実施形態において、重合反応は、溶媒と、苛性物質と、任意選択的に1つまたはより多くの触媒の存在下において行われる、界面重合プロセスである。カーボネート前駆体は、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン、およびジアリールカーボネート、ビス(メチルサリチル)カーボネート、またはこれらの組み合わせから選択されてよい。界面重合反応に適切な触媒は、3級アミン触媒、トリアルキルアミンのような脂肪族アミン;式(X
3)
4L
+Y
−の触媒のような相間移動触媒を含んでよく、式中、Xの各々は独立して、1から26の炭素原子を有するアルキル基、7から20の炭素原子を有するアラルキル基、または6から12の炭素原子を有するアリール基;Lは窒素またはリン原子;そしてYはハライドまたは1から8の炭素原子を有するアルコキシ基または6から18の炭素原子を有するアリールオキシ基である。こうした触媒の組み合わせもまた有効である。
【0027】
ある実施形態において、重合反応は、ビスフェノールAのようなジヒドロキシ芳香族化合物をトリホスゲンと、相間移動触媒の存在下に2相性溶媒中で反応させて、ビスクロロホルメートを形成し;そしてα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーを添加して、コポリマーを形成することによって行ってよい。実施形態においては、ジヒドロキシ芳香族化合物のクロロホルメートが管状反応器において形成され、次いで触媒と共に、界面重縮合反応器に入れられる。
【0028】
本発明のコポリマーを用いて、そして特に、本発明のコポリマーを含有するポリマーブレンド組成物(例えば、ポリカーボネートホモポリマーとの組み合わせ)を用いて、製造物品を作成可能である。実施形態においては、ポリマーブレンド組成物は、本発明のコポリマーと熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネートホモポリマーの合計重量に基づいて、本発明のコポリマーを約0.01重量パーセントから約25重量パーセント、好ましくは約0.01重量パーセントから約10重量パーセント、そしてより好ましくは約0.01重量パーセントから約7重量パーセントの量で含んでよい。
【0029】
こうした製造物品の例には、限定するものではないが、医療用物品、医療用チューブ、医療用バッグ、携帯電話ハウジング、冷凍食品厨房設備、ヘルメットなどの個人用安全用品、自動車用フロントガラスおよびオートバイ用風防、自動車用サンルーフ、断片化することなくエアバッグを堅固に展開することを可能にするダッシュボードなどを含む他の自動車用途、および自動車用ヘッドライトまたは電子的スクリーン用途など、透明度、難燃性、および耐衝撃性が有用なものが含まれる。
【0030】
具体的な実施形態においては、式(I)のα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーおよびコポリマーの式(II)の構造単位が定義され、そこではRは独立して、水素、1から4の炭素原子のアルキル基またはフェニル基、より特定的にはメチル;R
1は独立して、1から4の炭素原子のアルキル基またはフェニル基、より特定的にはメチル;R
2は独立して、1から4の炭素原子のアルキル基またはフェニル基、より特定的にはメチルR
3は独立して、1から16の炭素原子のアルキル基、フェニル、2−フェニルエチル、2,2−ジフェニルエチル、2−フェニル−2−メチルエチル、3−フェニルプロピル、3−フェニル−2−メチルプロピル、またはフェニル−4−オキサブチル、そしてより特定的にはメチルまたはフェニル、さらに特定的にはフェニル;R
4は独立して、1から6の炭素原子のアルキレン基、より特定的には−CH
2−,−CH
2CH
2−、−CH(CH
3)CH
2−、−CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH(CH
3)CH
2−または−CH
2C(CH
3)
2CH
2CH
2−、そしてさらに特定的には−CH
2CH
2CH
2−;R
5は独立して、水素、クロロ、メトキシ、エトキシ、そしてより特定的には水素またはメトキシ;R
6は独立して、−OH、−NH
2または−C(=O)Cl、そしてより特定的には−OH;Wは−O−または−NH−、そしてより特定的には−OH;R
12はメチル;R
13は−CH
2−;下付文字m、n、n’、p、q、xおよびyは整数であり、ここでmは0から100、そしてより特定的には0から60、そしてさらにより特定的には1から15;nは1から100、より特定的にはnは1から60でありさらにより特定的にはnは5から30;n’は1から6、そしてさらにより特定的には1から3;pは1;qは1;xは1から275、より特定的には1から250、そしてさらにより特定的には3から25;yは0から80、より特定的には0から40、そしてさらにより特定的には0から25である。
【0031】
ある実施形態においては、式(I)のα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマーおよびコポリマーの式(II)の構造単位が定義され、そこではRは水素;R
1はメチル;R
2はメチル、R
3は独立してメチルまたはフェニルであり、より特定的にはフェニル;R
4は−CH
2CH
2−、−CH(CH
3)CH
2−、−CH
2CH
2CH
2−または−CH
2CH(CH
3)CH
2−;R
5は独立して水素またはメトキシ;R
6は−OH;Wは−O−;下付文字m、n、n’、p、q、xおよびyは整数であってmは0から100;nは1から100;n’は1から3;pは1;qは1;xは1から275;そしてyは0から80である。
【0032】
以下では具体的な実施形態を詳細に説明する。これらの実施例は説明を行うことを意図したものであり、これらの実施例に記載した材料、条件、またはプロセスパラメータに限定されるものではない。別様に記載しない限り、すべての部は固形分重量のパーセントである。
【実施例】
【0033】
以下に記載の実施例は本発明を説明する。
実施例1
α,ω−ビス−[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル−末端ポリジメチルシロキサン−ポリアルキレンオキシドポリマーの合成
凝縮器および窒素ラインを備えた丸底フラスコ中に、オクタメチルテトラシクロシロキサン(D
4、200グラム、0.674モル)、15グラムの1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(TMDS、0.112モル)、および数滴の濃縮H
2SO
4触媒を仕込んだ。この反応混合物を60℃に加熱し、N
2下で一晩撹拌した。その後、反応混合物を中和し、セライト(Celite)ろ過助剤を介してろ過した。残存する低沸点成分は、昇温した温度と減圧(150℃/5mbar)の下に除去して、無色の粘稠な液体
HMD
35M
Hが与えられたが、ここでMはH(CH
3)
2SiO
1/2でありDは(CH
3)
2SiO
2/2である。
【0034】
250mlの丸底フラスコに、100グラム(0.036モル)の
HMD
35M
Hと、60重量パーセントのエチレンオキシドと40重量パーセントのプロピレンオキシドを含有する2−メチルプロパ−1−エニル末端ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)ポリマー(60H1500、0.018モル)と、0.065グラムのSpeier触媒(H
2PtCl
6)を仕込んだ。この反応混合物を110℃で10時間加熱し、冷却し、珪藻土を介してろ過した。残存物質は減圧下に除去して(150℃/5mbar)、無色で非常に粘稠な液体であるSi−H末端ポリシロキサン−ポリエチレンブロックコポリマーを得たが、これは名目上次の構造、H−Si(CH
3)
2[OSi(CH
3)
2]
35OSi(CH
3)
2−CH
2CH(CH
3)CH
2(OCH
2CH
2)
20(OCH
2CH(CH
3)
10−OCH
2CH(CH
3)CH
2Si(CH
3)
2[OSi(CH
3)
2]
35OSi(CH
3)
2−Hを有する。
【0035】
250mLの反応フラスコ中に、上記で調製された100グラムのSi−H末端ポリシロキサン−ポリエチレンブロックコポリマーと、0.065グラムのSpeier触媒(H
2PtCl
6)を仕込んだ。この混合物をN
2,下で撹拌し、80℃に加熱した。その後、化学量論量のオイゲノール(0.036moles)を添加漏斗に仕込み、反応温度を100℃に維持する速度で滴下した。添加の後、反応を120℃に加熱して2時間維持した。反応混合物は室温まで放冷し、セライトろ過助剤で処理し、ろ過した。残存物質は減圧下に除去して(150℃/5mbar)、無色で非常に粘稠な、次の名目上の構造を有する液体を得た。A
’−Si(CH
3)
2[OSi(CH
3)
2]
35OSi(CH
3)
2CH
2CH(CH
3)CH
2(OCH
2CH
2)
n−(OCH
2CH(CH
3)
mOCH
2CH(CH
3)CH
2Si(CH
3)
2[OSi(CH
3)
2]
35OSi(CH
3)−A
’、ここでA
’は
【化29】
であり、この構造の情報を表1に示す。
実施例2
α,ω−ビス−[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル−末端ポリジメチルシロキサン−ポリアルキレンオキシドポリマーの合成
実施例2は実施例1の繰り返しである。構造の情報を表1に示す。
実施例3
α,ω−ビス−[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル−末端ポリジメチルシロキサン−ポリアルキレンオキシドポリマーの合成
実施例3は、50重量パーセントのエチレンオキシドと50重量パーセントのプロピレンオキシドを含有する2−メチルプロパ−1−エニル−末端ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)ポリマーを使用した点を除き、実施例1の手順にしたがってα,ω−ビス−[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル−末端ポリジメチルシロキサン−ポリアルキレンオキシドポリマーを調製した。構造の情報を表1に示す。
実施例4
α,ω−ビス−[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル−末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン)−ポリアルキレンオキシドポリマーの合成
実施例4は、出発物質のシリコンヒドリド末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン)が構造H−Si(CH
3)
2[OSi(CH
3)
2]
21[OSi(C
6H
5)
2]
2OSi(CH
3)
2−Hを有し、50重量パーセントのエチレンオキシドと50重量パーセントのプロピレンオキシドを含有する2−メチルプロパ−1−エニル−末端ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)ポリマーを使用した点を除き、実施例1の手順にしたがってα,ω−ビス−[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル−末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン)−ポリアルキレンオキシドポリマーを調製した。構造の情報を表1に示す。
実施例5
α,ω−ビス−[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル−末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン)−ポリアルキレンオキシドポリマーの合成
実施例5は、出発物質のシリコンヒドリド末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン)が化学構造H−Si(CH
3)
2[OSi(CH
3)
2]
24[OSi(C
6H
5)
2]
4OSi(CH
3)
2−Hを有し、50重量パーセントのエチレンオキシドと50重量パーセントのプロピレンオキシドを含有する2−メチルプロパ−1−エニル末端ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)ポリマーを使用した点を除き、実施例1の手順にしたがってα,ω−ビス−[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル−末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン)−ポリアルキレンオキシドポリマーを調製した。構造の情報を表1に示す。
比較例
以下は比較例である。
比較例A
丸底フラスコに、構造M
HD
45M
Hを有する100グラム(0.029moles)のシリコンヒドリド末端ポリ(ジメチルシロキサン)と、0.065グラムのSpeier触媒(H
2PtCl
6)を仕込んだ。この混合物をN
2下で撹拌し、80℃に加熱した。その後、化学量論量のオイゲノール(0.058moles)を添加漏斗に仕込み、反応温度を100℃に維持する速度で滴下した。添加の後、反応を120℃に加熱し、2時間維持した。反応混合物は室温まで放冷し、セライトろ過助剤で処理し、ろ過した。残存物質は減圧下に除去して(150℃/5mbar)、無色で非常に粘稠な液体を得た。構造の情報を表1に示す。
【0036】
実施例6
ポリカーボネート/α,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンコポリマーの合成
9.132グラムのビスフェノールA(BPA)、2.283グラムの実施例1で調製されたα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンポリマー、および0.113グラムの相間移動触媒であるフェニルトリエチルアンモニウムクロリドを、水とジクロロメタンをそれぞれ50mL入れた4口丸底フラスコに仕込んだ。7.56グラムのトリホスゲンを窒素雰囲気下にガラスバイアルに秤量し、25mlのジクロロメタンに溶解し、そして丸底フラスコに接続された添加漏斗に移した。25mLの25〜30重量パーセントNaOH水溶液を、反応器に固定された第2の添加漏斗に移した。トリホスゲンおよびNaOH水溶液の両者を、激しく撹拌しながら反応混合物へと同時に添加し、撹拌ブレードは300〜400rpmで回転した。NaOH水溶液の添加は、反応混合物のpHが5と6の間に維持されるような仕方で、慎重に行った。NaOH水溶液の添加後、さらに40から60分間にわたって撹拌を行った。溶液のpHを、NaOH水溶液を用いて10〜11のpHまで増大させた。反応混合物はさらに5〜10分間撹拌した。0.2123グラムの4−クミルフェノール(パラクミルフェノール)と50.6ミリグラムのトリエチルアミンを添加し、混合物をさらに5〜10分間撹拌し、NaOH水溶液を添加してpHを12のpHに調節した。反応を停止させ、分液漏斗を使用して有機相を水性相から分離した。ポリマー(有機相)は1NのHClで洗浄し、3から4リットルのメタノールに沈殿させた。最終生成物は真空オーブンで減圧下に60〜70℃の温度で一晩乾燥した。組成物のデータを表2に示し、PC−シロキサン−コポリマー−1として参照している。
【0037】
実施例7〜9および比較例B
実施例2、3および5、ならびに比較例Aのα,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンコポリマーを用い、また実施例6の手順にしたがって、一連のポリカーボネート/α,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンコポリマーを調製した。組成物のデータを表2に示す。
【表2】
実施例10
ポリカーボネート−ポリカーボネート/ポリカーボネート/α,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンコポリマーブレンドの調製
【0038】
上記で作成したポリカーボネート/α,ω−官能化ポリオキシアルキレン−シロキサンコポリマーの5重量パーセントをHaake社のバッチミキサー中で約95重量パーセントのポリカーボネートと270〜290℃において7分間、溶融混合した。溶融ストランドを収集して形態的な特徴付けを行い、その後それらから成型物品を調製した。
【0039】
以上に開示した特徴およびその他の特徴および機能の変形例、あるいはそれらの代替例を、他の異なる系や用途に組み合わせてよいことが理解されよう。現在のところ予見または予期されていない種々の代替例、修正例、変更例、または改良例は、当業者によって後に作成されてよいが、それらはまた特許請求の範囲によって包含される。