特許第6705816号(P6705816)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6705816
(24)【登録日】2020年5月18日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】絶縁型DC/DCコンバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20200525BHJP
【FI】
   H02M3/28 Q
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-520978(P2017-520978)
(86)(22)【出願日】2015年10月16日
(65)【公表番号】特表2017-531990(P2017-531990A)
(43)【公表日】2017年10月26日
(86)【国際出願番号】FR2015052781
(87)【国際公開番号】WO2016059353
(87)【国際公開日】20160421
【審査請求日】2018年10月3日
(31)【優先権主張番号】1459951
(32)【優先日】2014年10月16日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】517123977
【氏名又は名称】ヴァレオ システムズ デ コントロール モトゥール
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デ ソウザ,ルイス
【審査官】 佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−124869(JP,A)
【文献】 米国特許第05754413(US,A)
【文献】 特開平01−206870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M3/00,7/48,H02S10/00,40/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁型DC/DCコンバータ(1)であって、
直列に接続されたスイッチ(MA1、MA2)を含み、前記コンバータの入力に接続された第1のアーム(A)と、
直列に接続されたスイッチ(MB1、MB2)を含む第2のアーム(B)と、
前記第1のアーム(A)と前記第2のアーム(B)の中間点に接続されたインダクタンス(L2)と、
前記第2のアーム(B)の端部端子間に接続されたキャパシタンス(C1)と、
磁気部品(31)を有し、前記第2のアーム(B)の中間点に接続された第3のアーム(C)とを備え、
前記スイッチ(MA1、MA2、MB1、MB2)の開閉動作の連続により、前記磁気部品(31)によって入力電圧(Ue)が出力電圧(Vout)に変換され、
前記第2のアーム(B)の端部端子間の電圧(VC1)は、以下の式で与えられるコンバータ。


【請求項2】
前記第1のアーム(A)は、前記インダクタンス(L2)を流れる信号の電気的パラメータを変更することにより、前記絶縁型DC/DCコンバータの出力電圧(Vout)を制御するように構成されており、前記第2のアーム(B)のデューティサイクル(α)は、実質的に一定である請求項1に記載のコンバータ(1)。
【請求項3】
前記第2のアーム(B)は、デューティサイクル(α)が実質的に50%になるように構成されている請求項2に記載のコンバータ(1)。
【請求項4】
前記第1のアーム()と前記第2のアーム(B)との間に接続された前記インダクタンス(L2)を流れる信号の電気的パラメータに対する設定点(I2cons)を、前記絶縁型DC/DCコンバータ(1)の出力電圧の値(Vout_mes)と前記絶縁型DC/DCコンバータ(1)の設定出力電圧(V*)との差に拘束する第1のループを実現するように意図された回路(5)を備える請求項1から3までのいずれか1項に記載のコンバータ(1)。
【請求項5】
前記磁気部品は、電気絶縁バリアによって分離された一次回路と二次回路とを有し、前記磁気部品は、前記絶縁型DC/DCコンバータ(1)の入力電圧(Ue)を出力電圧(Uout)に変換する際に、前記一次回路から前記二次回路への変圧器として及び前記一次回路内のエネルギを保存するインピーダンスとして動作する請求項1から4までのいずれか1項に記載のコンバータ(1)。
【請求項6】
前記磁気部品は、
前記コンバータの動作期間の第1の部分において、前記一次回路の第1の部分(L11)が前記二次回路の第1の部分(L12)にエネルギを伝達し、前記一次回路の第2の部分(L21)がエネルギを蓄積するインダクタンスを提供し、
前記コンバータの動作期間の第2部分において、前記一次回路の第2の部分(L21)が前記二次回路の第2の部分(L12)にエネルギを伝達し、前記一次回路の第1の部分(L11)がエネルギを蓄積するインダクタンスを提供する請求項に記載のコンバータ(1)。
【請求項7】
前記磁気部品(31)の一次回路は、一次巻線(33)を含み、前記磁気部品(31)の二次回路は、互いに磁気的に結合されていない少なくとも1つの第1の二次巻線(35a)と少なくとも1つの第2の二次巻線(35b)とを含み、前記第1の二次巻線(35a)及び前記第2の二次巻線(35b)は、前記一次巻線(33)に磁気的に結合されている請求項5又は6に記載のコンバータ(1)。
【請求項8】
前記磁気部品(31)は、前記一次巻線(33)から前記第1の二次巻線(35a)及び前記第2の二次巻線(35b)のいずれかへの変圧器として動作しながら、前記一次巻線(33)にエネルギを蓄積するインピーダンスとして動作する請求項7に記載のコンバータ(1)。
【請求項9】
前記磁気部品は、直列に接続された少なくとも第1の変圧器(T1)と第2の変圧器(T2)を備え
記第1の変圧器(T1)の一次側(L11)が前記一次回路の第1の部分を構成し、前記第1の変圧器(T1)の二次側(L12)が二次回路の第1の部分を構成し、
前記第2の変圧器(T2)の一次側(L21)が前記一次回路の第2の部分を構成し、前記第2の変圧器(T2)の二次側(L22)が前記二次回路の第2の部分を構成する請求項6に記載のコンバータ(1)。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項に記載の少なくとも2つの絶縁型DC/DCコンバータ(1)の組合せを含む、電圧を変換するためのデバイス(10)であって、前記絶縁型DC/DCコンバータ(1)の数をnとして、前記絶縁型DC/DCコンバータの第1のアームのそれぞれは、2π/nの位相シフトで動作するように構成され、前記コンバータの第2のアームのそれぞれは、π/nの位相シフトで動作するように構成されるデバイス(10)。
【請求項11】
請求項4に記載のコンバータ(1)を含み、前記絶縁型DC/DCコンバータ(1)は、前記絶縁型DC/DCコンバータの第1のアームのそれぞれが同じ設定点(I2cons)を受け取るように、第1のループを実現するよう意図された単一の回路(5)を共有する請求項10に記載のデバイス(10)。
【請求項12】
電圧を変換する方法であって、
請求項1から9までのいずれか1項に記載の少なくとも1つの絶縁型DC/DCコンバータ(1)を準備するステップと、
前記スイッチの開閉動作の連続を実行して、前記絶縁型DC/DCコンバータの磁気部品(31)によって入力電圧を出力電圧に変換するステップと、を有する方法。
【請求項13】
前記スイッチの開閉動作の連続の実行は、前記インダクタンス(L2)を流れる信号の電気的パラメータの変更を含み、前記第2のアーム(B)の前記デューティサイクル(α)は、実質的に一定のままである請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のアーム(B)のデューティサイクル(α)は、実質的に50%である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記入力電圧の出力電圧への変換は、
前記第1のアーム(A)を流れる信号の電気的パラメータの設定点(I2cons)を、前記絶縁型DC/DCコンバータ(1)の前記出力電圧の値(Vout_mes)と、前記絶縁型DC/DCコンバータ(1)の設定出力電圧(V*)との間の差に拘束する第1のループを含む請求項12から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
複数の絶縁型DC/DCコンバータ(1)を準備するステップを有し、
前記絶縁型DC/DCコンバータの前記第2のアームのそれぞれは、nを前記絶縁型DC/DCコンバータの数として、π/nの位相シフトで動作し、
前記絶縁型DC/DCコンバータの前記第1のアームのそれぞれは、2π/nの位相シフトで動作する請求項12から15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記入力電圧の出力電圧への変換は、前記絶縁型DC/DCコンバータ(1)の間で共有される単一の第1のアーム(A)によって提供される同じ設定点(I2cons)を用いて行われる請求項15又は16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁型DC/DCコンバータ、本発明に基づくコンバータの組合せを含む電圧を変換するためのデバイス、及び本発明に基づくコンバータによって実行される電圧を変換する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
絶縁型DC/DC(直流/直流用)コンバータは、ゼロ電圧スイッチング(zero voltage switching:ZVS)又はゼロ電流スイッチング(zero current switching:ZCS)を実現することができ、電圧変換時のスイッチング損失を低減できる。したがって、これらのコンバータは、エネルギ資源が限られている自動車用途において特に有利である。自動車では、電圧コンバータを使用して、自動車内の複数の電気システム間の電圧レベルを適合させるか、又は自動車に搭載されたエネルギ源と電気負荷との間の電圧を変換することができる。
【0003】
絶縁型DC/DCコンバータは、米国特許第5754413号に開示されており、これを図1に示す。このコンバータは、2つのスイッチQ1、Q2を含み、これらの中間点は、直列に接続された2つの変圧器を含む分岐に接続されている。このコンバータはハーフブリッジとして設計されている。このスイッチは、変圧器を介してエネルギの伝達を制御して、コンバータの入力電圧を出力電圧に変換する。変圧器の二次側に接続されたダイオードは、出力信号を整流する。出力電圧は、スイッチのデューティサイクルを制御することによって得られる。目標出力電圧値を達成するためにデューティサイクルを変更することによって、コンバータの利得が調整され、目標出力電圧値が達成される。具体的には、周知の手法では、絶縁型DC/DCコンバータの入力電圧が変化すると、絶縁型DC/DCコンバータのスイッチのデューティサイクルを変化させることによってその出力電圧が調整され、これによって、出力電圧が所望の値に維持される。
【0004】
ここで、整流ダイオードの電圧ストレスは、コンバータのスイッチのデューティサイクルに依存する。デューティサイクルが0%又は100%に近づくと、このストレスは大きくなる。整流ダイオードの電圧ストレスを制限するために、2つの変圧器は、それぞれ異なる変圧比を提供する。しかしながら、これによって、変圧器を同一にすることができず、二次側の電流が不連続となるため、変圧器の設計が複雑になる。
【0005】
さらに、可変デューティサイクルで動作させると、出力における電流リップルが大きく変化し、コンバータの出力が変動する。良好な出力レベルでの動作を維持するためには、デューティサイクルは、殆ど変わらない必要がある。現在、自動車では、バッテリなどのエネルギ源の電圧は、利用可能なエネルギに応じて大きく変化する可能性がある。コンバータの入力におけるこのような変化のために、デューティサイクルが相応に変化するため、自動車における絶縁型DC/DCコンバータの使用が制限されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、絶縁型DC/DCコンバータの性能を向上させ、自動車で使用可能にする解決策が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この問題を解決するために、本発明は、絶縁型DC/DCコンバータに関し、この絶縁型DC/DCコンバータは、
直列に接続されたスイッチを含み、コンバータの入力に接続された第1のアームと、
直列に接続されたスイッチを含む第2のアームと、
第1のアームと第2のアームの中間点に接続されたインダクタンスと、
第2のアームの端部端子間に接続されたキャパシタンスと、
磁気部品を有し、第2のアームの中間点に接続された第3のアームとを備え、
スイッチの開閉動作の連続により、磁気部品によって入力電圧が出力電圧に変換される。
【0008】
本出願の文脈では、絶縁型コンバータとは、コンバータの機能要素間に電気絶縁バリアを含むコンバータを意味する。コンバータは、特に、この絶縁バリアを介するエネルギの伝達を可能にする要素を含むことができる。
【0009】
特に、第1のアームは、絶縁型DC/DCコンバータの入力に直接接続されている。
【0010】
第1のアーム並びにキャパシタンス及びインダクタンスは、磁気部品を介するエネルギの伝達を制御するのに役立つ。従来技術に関連して、第1のアームのデューティサイクルは、磁気部品を介するエネルギの伝達の制御において補足的なパラメータを構成する。これにより、従来技術に比べて、特に磁気部品によるエネルギの伝達に関する性能を向上させるために制御を精緻化することができる絶縁型DC/DCコンバータが得られる。一実施形態によれば、第1のアームは、インダクタンスを流れる信号の電気的パラメータを変更することにより、絶縁型DC/DCコンバータの出力電圧を制御するように構成されており、第2のアームのデューティサイクルは、実質的に一定である。すなわち、第2のアームのスイッチのデューティサイクルは、ある程度一定に維持される。
【0011】
したがって、絶縁型DC/DCコンバータの出力における所望の電圧値は、インダクタンスに流れる信号の電気的パラメータを調整することによって得られる。絶縁型DC/DCコンバータの出力における各所望の電圧値は、インダクタンスを流れる信号の電気的パラメータの対応する値を有する。絶縁型DC/DCコンバータの出力における所望の出力電圧値は、第2のアームのデューティサイクルを変更することなく得られる。したがって、第2のアームのデューティサイクルは、絶縁型DC/DCコンバータからの最大出力、特に磁気部品を介するエネルギの伝達についての最大出力を可能にする値に固定することができる。
【0012】
絶縁型DC/DCコンバータの所与の出力電圧において、第1のアームは、あらゆる入力電圧、特に絶縁型DC/DCコンバータの動作範囲内のあらゆる入力電圧に対して、一定のデューティサイクルで第2のアームを動作させることができる。一例として、絶縁型DC/DCコンバータの入力電圧の最小値と最大値との差は、150〜500Vであり、一例として、入力電圧の最小値は150〜200Vであり、入力電圧の最大値は400〜500V、さらには400〜650Vである。
【0013】
特に、第1のアームは、自らのデューティサイクルを変更することによって、インダクタンスに流れる信号の電気的パラメータを変更するように構成される。
【0014】
この実施形態の変形によれば、第2のアームは、デューティサイクルが実質的に50%になるように構成される。第2のアームのデューティサイクルを50%にすると、絶縁型DC/DCコンバータの出力における電流、より具体的には、磁気部品の出力における電流のリップルが小さくなる。これは、絶縁型DC/DCコンバータ、特に磁気部品の磁化インダクタンスにおける電流のリップルが補償されるためである。
【0015】
一実施形態によれば、コンバータは、第1のアームと第2のアームとの間に接続されたインダクタンスを流れる信号の電気的パラメータに対する設定点を、絶縁型DC/DCコンバータの出力電圧の値と絶縁型DC/DCコンバータの設定出力電圧との差に拘束する第1のループを実現するように意図された回路を備える。
【0016】
変形例では、コンバータは、第1のアームと第2のアームとの間に接続されたインダクタンスを流れる信号の電気的パラメータを、電気的パラメータの値と電気的パラメータの設定値との間の差に拘束する第2のループを実現するように意図された回路を備える。
【0017】
一変形形態によれば、信号の電気的パラメータは、電流又は電圧である。したがって、1つの特定の変形例では、回路は、第1のループを実現し、第1のアームと第2のアームとの間に接続されたインダクタンスを流れる電流を、絶縁型DC/DCコンバータの出力電圧の値と、絶縁型DC/DCコンバータのための設定出力電圧との差に拘束する。
【0018】
具体的には、第1のループ及び/又は第2のループの回路は、第1のアームのスイッチを拘束することによって、具体的には、スイッチの開閉のためのデューティサイクルを拘束することによって、電気的パラメータを拘束する。
【0019】
一実施形態によれば、磁気部品は、電気絶縁バリアによって分離された一次回路と二次回路とを有し、磁気部品は、絶縁型DC/DCコンバータの入力電圧を出力電圧に変換する際に、一次回路から二次回路への変圧器として及び一次回路内のエネルギを保存するインピーダンスとして動作する。
【0020】
具体的には、絶縁型DC/DCコンバータの出力電圧は、磁気部品の二次回路の端子から得られる。
【0021】
一実施形態においては、磁気部品は、
コンバータの動作期間の第1の部分において、一次回路の第1の部分が二次回路の第1の部分にエネルギを伝達し、一次回路の第2の部分がエネルギを蓄積するインダクタンスを提供し、
コンバータの動作期間の第2部分において、一次回路の第2の部分が二次回路の第2の部分にエネルギを伝達し、一次回路の第1の部分がエネルギを蓄積するインダクタンスを提供する。
【0022】
具体的には、第2のアームは、パルス幅変調を用いて制御される。動作期間の第1の部分は、変調期間の第1の部分に対応し、動作期間の第2の部分は、変調期間の第2の部分に対応する。これら第1及び第2の部分は、特に、第2のアームのデューティサイクルによって決定される。
【0023】
一変形例によれば、磁気部品の一次回路は、一次巻線を含み、磁気部品の二次回路は、互いに磁気的に結合されていない少なくとも1つの第1の二次巻線と少なくとも1つの第2の二次巻線とを含み、第1の二次巻線及び第2の二次巻線は、一次巻線に磁気的に結合されている。なお、二次回路は、少なくとも1つの一次巻線と、少なくとも1つの第1の一次巻線と、少なくとも1つの第2の二次巻線とを備える。すなわち、磁気部品の一次回路は、単一の一次巻線を含む。また、一次巻線は、第2のアームの中間点に接続される。
【0024】
特に、絶縁型DC/DCコンバータの出力電圧は、第1の二次巻線の端子及び/又は第2の二次巻線の端子から得られる。
【0025】
1つの特定の変形例によれば、磁気部品は、第1に、一次巻線から二次巻線、特に一次巻線の一部から二次巻線への変圧器として動作するように構成され、第2に、一次巻線、特に一次巻線の他の部分にエネルギを蓄積するインピーダンスとして使用される。
【0026】
具体的には、磁気部品は、一次巻線、特に一次巻線の一部から、第1の二次巻線又は第2の二次巻線のいずれかへの変圧器として動作しながら、一次巻線、特に一次巻線の別の部分にエネルギを蓄積するインピーダンスとして動作するように構成される。
【0027】
1つの特定の変形例によれば、磁気部品が変圧器として動作する際に使用する二次巻線は、一次巻線に供給される電圧に依存する。換言すれば、一次巻線に供給される電圧に応じて、磁気部品は、第1の二次巻線又は第2の二次巻線のいずれかに対する変圧器として動作する。
【0028】
一変形形態によれば、磁気部品は、直列に接続された少なくとも第1及び第2の変圧器を備え、変圧器は、
第1の変圧器の一次側が一次回路の第1の部分を構成し、第1の変圧器の二次側が二次回路の第1の部分を構成し、
第2の変圧器の一次側が一次回路の第2の部分を構成し、第2の変圧器の二次側が二次回路の第2の部分を構成する。
【0029】
特に、変圧器の一次側は、直列であり、第2のアームの中間点に接続される。特に、絶縁型DC/DCコンバータの出力電圧は、第1の変圧器及び/又は第2の変圧器の二次側の端子から得られる。
【0030】
一実施形態によれば、第2のアーム及び磁気部品、特に磁気部品の主回路は、ハーフブリッジ構造を形成する。具体的には、磁気部品を含む第3のアームは、第1に、第2のアームの中間点に接続され、第2に、絶縁型DC/DCコンバータのアースに接続される。
【0031】
あるいは、第2のアーム及び磁気部品、特に磁気部品の主回路は、他のスイッチと共にフルブリッジ構造を形成する。具体的には、磁気部品を含む第3のアームは、第1に、第2のアームの中間点に第1に接続され、第2に、直列のスイッチを含む第4のアームの中間点に接続される。
【0032】
一実施形態においては、スイッチの少なくとも1つ、特に第2及び/又は第4アームのスイッチは、並列に接続されたキャパシタンスを含む。
【0033】
本発明は、さらに、本発明に基づく少なくとも2つの絶縁型DC/DCコンバータの組合せを含む、電圧を変換するデバイスに関し、このデバイスにおいて、絶縁型DC/DCコンバータの数をnとして、絶縁型DC/DCコンバータの第1のアームのそれぞれは、2π/nの位相シフトで動作するように構成され、コンバータの第2のアームのそれぞれは、π/nの位相シフトで動作するように構成される。
【0034】
特に、このデバイスの少なくとも2つの絶縁型DC/DCコンバータは、インターレースされる。
【0035】
一実施形態によれば、絶縁型DC/DCコンバータは、絶縁型DC/DCコンバータの第1のアームのそれぞれが同じ設定点を受け取るように、第1のループを実現するよう意図された単一の回路を共有する。
【0036】
また、本発明は、電圧を変換する方法に関し、この方法は、
本発明に基づく少なくとも1つの絶縁型DC/DCコンバータを準備するステップと、スイッチの開閉動作の連続を実行して、絶縁型DC/DCコンバータの磁気部品によって入力電圧を出力電圧に変換するステップとを有する。
【0037】
一実施形態によれば、スイッチの開閉動作の連続の実行は、インダクタンスを流れる信号の電気的パラメータの変更を含み、第2のアームのデューティサイクルは、実質的に一定のままである。したがって、第2のアームのスイッチのデューティサイクルはある程度一定である。
【0038】
特に、インダクタンスを流れる信号の電気的パラメータの変更は、第1のアームのデューティサイクルの変更を含む。
【0039】
一実施形態によれば、第2のアームのデューティサイクルは、実質的に50%である。
【0040】
一実施形態によれば、入力電圧の出力電圧への変換は、第1のアームを流れる信号の電気的パラメータの設定点を、絶縁型DC/DCコンバータの出力電圧の値と、絶縁型DC/DCコンバータの設定出力電圧との間の差に拘束する第1のループを含む。
【0041】
一実施形態によれば、この方法は、複数の絶縁型DC/DCコンバータ(1)を準備するステップを有し、
絶縁型DC/DCコンバータの第2のアームのそれぞれは、nを絶縁型DC/DCコンバータの数として、π/nの位相シフトで動作し、
絶縁型DC/DCコンバータの第1のアームのそれぞれは、2π/nの位相シフトで動作する。
【0042】
一実施形態によれば、入力電圧の出力電圧への変換は、絶縁型DC/DCコンバータの間で共有される単一の第1のアームによって提供される同じ設定点を用いて行われる。
【0043】
本発明に基づく方法は、本発明に基づく絶縁型DC/DCコンバータに関連して上述した特徴の1つを含むことができる。
【0044】
本発明は、以下の図面を参照することによって、より明瞭となる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】従来技術の絶縁型DC/DCコンバータの一例を示す図である。
図2】本発明に基づく絶縁型DC/DCコンバータの一例を示す図である。
図3】本発明に基づく絶縁型DC/DCコンバータの一例を示す図である。
図4】本発明に基づくコンバータのインターレースを含む変換デバイスを制御する方法の一例を示す図である。
図5図5は、図2及び図3のコンバータの磁気部品の変形例を示す図である。
図6a図5に示す磁気部品の例示的な実施形態を示す図である。
図6b図5に示す磁気部品の例示的な実施形態を示す図である。
図6c図5に示す磁気部品の例示的な実施形態を示す図である。
図6d図5に示す磁気部品の例示的な実施形態を示す図である。
図6e図5に示す磁気部品の例示的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明に基づくコンバータについて、本発明に基づく絶縁型DC/DCコンバータの一例を示す図2を参照して説明する。
【0047】
絶縁型DC/DCコンバータ1は、スイッチが直列に接続された第1のアームAと、スイッチが直列に接続された第2のアームBとを含む。アームA、Bは、スイッチMA1、MA2、MB1、MB2を備えており、これらの一連の開閉動作によって絶縁型DC/DCコンバータ1の出力を制御することができる。これらのスイッチは、トランジスタ、例えば、MOSFET、IGBT又は他のトランジスタであってもよい。絶縁型DC/DCコンバータ1の一部、特に、第2のアームのスイッチ、又は絶縁型DC/DCコンバータ1の全体は、半導体材料、例えば、シリコン(Si)、窒化ガリウム(GaN)、炭化シリコン(SiC)又は他の任意の半導体材料から形成することができる。
【0048】
第1のアームAは、直列に接続された2つのスイッチMA1、MA2を備える。ハイサイドスイッチと呼ばれるスイッチMA1は、電圧源(図示せず)のハイ端子に接続されている。ローサイドスイッチと呼ばれるスイッチMA2は、電圧源のロー端子に接続されている。このロー端子は、特に、絶縁型DC/DCコンバータ1の第1のアースGND1に対応する。各スイッチMA1、MA2は、環流ダイオード(freewheeling diode)と並列のトランジスタを含むことができる。
【0049】
インダクタンスL2は、第1のアームAの2つのスイッチMA1、MA2の中間点に接続された第1の端子と、第2のアームBの中間点に接続された第2の端子とを有する。
【0050】
第2のアームBは、好ましくは同一である直列の2つのスイッチMB1、MB2を備える。スイッチMB1、MB2は、第1のアームAのスイッチMA1、MA2について上述したダイオードと同様のダイオードを含む。さらに、各スイッチMB1、MB2は、並列のキャパシタンスCB1、CB2を含む。これらのキャパシタンスCB1、CB2は、スイッチMB1、MB2が開いたときのゼロ電圧スイッチング、すなわちZVSに使用される。スイッチMB1、MB2の開放中、インダクタンスに蓄積されたエネルギ、特に後述する磁気部品の漏れインダクタンスが回復され、スイッチの端子にあるキャパシタンスCB1、CB2が放電される。電圧が0Vに近づくと、スイッチが制御され、ゼロ電圧スイッチングが達成され、スイッチング損失が大幅に低減される。これらのキャパシタンスCB1、CB2は、寄生キャパシタンスとして、スイッチMB1、MB2を構成する半導体の構造内に生来的に存在するものであってもよい。すなわち、スイッチMB1、MB2の寄生キャパシタンスは、補助キャパシタンスを追加することなくゼロ電圧スイッチングを達成するために十分なものであってもよい。第1のアームAは、同様に、スイッチMA1、MA2のソフトスイッチングのためのキャパシタンスを有することができる。しかしながら、この場合、インダクタンスL2に電流リップルが生じ、これが損失の原因となる可能性がある。この結果、第1のアームAのスイッチMA1、MA2のソフトスイッチングの利点が失われることになる。
【0051】
第2のアームBの端部端子間にはキャパシタンスC1が接続されている。具体的には、キャパシタンスC1は、第2のアームBの中間点に接続されている端子とは異なる端子側で、第2のアームBのハイサイドスイッチMB1と、第2のアームBのローサイドスイッチMB2に接続されている。
【0052】
第2のアームBの2つのスイッチMB1、MB2の間の中間点は、直列接続された2つの絶縁変圧器T1、T2を含む第3のアームCに接続されている。各変圧器T1、T2は、一次側L11、L21及び二次側L12、L22を有する。一次側L11、L21及び二次側L12、L22はそれぞれ直列に接続されている。スイッチMB1、MB2の中間点は一次側L11、L21に接続されている。キャパシタンスC33は変圧器T1、T2と直列に接続されている。但し、絶縁型DC/DCコンバータ1は、このキャパシタなしで実現してもよい。キャパシタンスC33により、特にハーフブリッジ構造の場合に、変圧器T1、T2によって伝達される信号のDC成分を除去できる。キャパシタンスC33は、フルブリッジ構造では省略することができる。二次側L12、L22は、直列接続され、この中間点は、絶縁型DC/DCコンバータ1の第2のアースGND2に接続されている。
【0053】
ダイオードD31、D32は、変圧器T1、T2からの信号を整流するために、二次側L12、L22に接続されている。この目的のために、ダイオードD31のアノードは、一方の二次側L12の端子に接続され、他方のダイオードD32のアノードは、他方の二次側L22の端子に接続され、これらの端子は、2つの二次側L12、L22の中間点とは異なる側の端子である。絶縁型DC/DCコンバータ1の出力は、2つのダイオードD31、D32に共通の端子、すなわち、二次側L12、L22に接続されていない側にあるダイオードD31、D32の端子と、第2のアースGND2との間で得られる。すなわち、ハイ出力は、ダイオードD31、D32の共通端子から得られる。
【0054】
変形例では、各ダイオードD31、D32のそれぞれのカソードが中間点とは異なる二次側L12、L22の端子に接続される。この場合、ハイ出力は、二次側L12、L22の中間点から得られる。したがって、二次側L12、L22の中間点は、第2のアースGND2に接続されない。2つのダイオードD31、D32に共通の端子は、第2のアースGND2に接続される。
【0055】
好ましくは、ダイオードD31、D32は、例えば、変圧器T1、T2の出力において同期整流を得るために、スイッチ、特に、トランジスタ、例えば、MOSFET、IGBT又は他のトランジスタによって置き換えることができる。二次側の高電流アプリケーションでは、ダイオードの代わりにトランジスタを使用することにより、絶縁型DC/DCコンバータ1からの全体的な出力を改善することができる。
【0056】
絶縁型DC/DCコンバータ1は、出力信号をフィルタリングするためのキャパシタンスCFを備える。
【0057】
第2のアームBのスイッチMB1、MB2は、変圧器T1、T2を介してエネルギを伝達することができるデューティサイクルを有する。具体的には、動作期間の第1の部分では、スイッチMB1が閉じられ、スイッチMB2が開かれる。このとき、第1の変圧器T1の一次側L11の磁化インダクタンスがエネルギを蓄積し、第2の変圧器T2の一次側L21が第2の変圧器T2の二次側L22にエネルギを伝達する。
【0058】
動作期間の第2の部分では、第2の変圧器T2の一次側L21の磁化インダクタンスがエネルギを蓄積し、第1の変圧器T1の一次側L11が第1の変圧器T1の二次側L12にエネルギを伝達する。動作期間の第1及び第2の部分は、スイッチMB1、MB2のデューティサイクルによって規定される。
【0059】
図1に示す従来技術では、変圧器T1、T2を通るエネルギの伝達は、直列のスイッチQ1、Q2によって制御される。本発明に基づく絶縁型DC/DCコンバータでは、第2のアームBも同様にこのエネルギ伝達を制御することができる。ここで、従来技術では、2つのスイッチQ1、Q2を含む分岐の端子における電圧は、コンバータの入力電圧Ueに等しい。一方、本発明に基づく絶縁型DC/DCコンバータ1では、第2の分岐Bの端子、すなわちキャパシタンスC1の端子における電圧VC1は、以下の式によって表される。
【0060】
【数1】
ここで、αは第1のアームAのデューティサイクルであり、αは第2のアームBのデューティサイクルである。
【0061】
したがって、絶縁型DC/DCコンバータ1では、第1のアームAのデューティサイクルαは、従来技術に関連して、変圧器T1、T2を通るエネルギの伝達を制御する補足的なパラメータを構成する。したがって、従来技術に比べて、絶縁型DC/DCコンバータ1の制御が改良されている。
【0062】
さらに、第2の分岐Bの端子において電圧VC1によってアクセスできる値の範囲は、従来のスイッチQ1、Q2の分岐の端子における電圧によってアクセスできる値の範囲を超えている。これは、比α/αが1より大きい場合、第2の分岐Bの端子における電圧VC1が入力電圧Ueより高くなるためである。具体的には、電圧VC1は、入力電圧Ueの最大値Uemaxを上回ってもよい。したがって、分岐Bの端子における電圧VC1は、従来技術とは異なり、絶縁型DC/DCコンバータ1の入力電圧Ueより高くなることができる。同様に、比α/αが1よりも小さい場合、第2の分岐Bの端子における電圧VC1は入力電圧Ueよりも低くなる。具体的には、電圧VC1は、入力電圧Ueの最小値Ueminを下回ってもよい。したがって、従来技術とは異なり、第2の分岐Bの端子における電圧VC1は、絶縁型DC/DCコンバータの入力電圧Ueよりも低くなることができる。
【0063】
なお、入力電圧を低下又は上昇させるこの特性は、図1に示す従来技術のコンバータに補助段を追加することによっても実現できる。一例として、補助段は、コンバータの一次側に接続されたステップアップ/ステップダウン(「バックブースト」)コンバータであってもよい。したがって、これにより得られるコンバータは、スイッチQ1、Q2のアームに対して2つのスイッチの補助アームを有する。したがって、スイッチのアームの総数は、コンバータの一次側では3になる。一方、本発明に基づくコンバータでは、コンバータ1の一次側のスイッチMA1、MA2、MB1、MB2の2つのアームA、Bによって入力電圧を低下又は上昇させる特性が得られる。
【0064】
具体的には、第2のアームBのスイッチMB1、MB2は、変動しないデューティサイクルαで動作し、すなわち、デューティサイクルαは、時間の経過に亘って一定のままである。絶縁型DC/DCコンバータ1の動作中、出力電圧Voutは、インダクタンスL2に流れる電流によって制御される。この電流は、第1のアームAによって制御される。この目的のために、絶縁型DC/DCコンバータ1は、第1のアームAのための制御ユニット5を含む。制御ユニット5は、制御のためのパルス幅変調(pulse width modulation:PWM)信号S2を出力し、これによって、第1のアームAのスイッチMA1、MA2の開閉を制御して、インダクタンスL2に流れる電流を制御する。第1のアームAのスイッチMA1、MA2は、インダクタンスL2に流れる電流により、絶縁型DC/DCコンバータ1の出力に所望の電圧値が得られるように制御される。したがって、従来技術とは異なり、変圧器T1、T2に接続されたスイッチMB1、MB2のデューティサイクルαを変更する必要はない。したがって、第2のアームBは、変圧器T1、T2によってエネルギを伝達するための最も有利なデューティサイクルα、特に50%で動作することができる。
【0065】
ダイオードD31、D32の端子における電圧ストレスは、第2のアームBのデューティサイクルαに依存し、以下の式によって表される。
V(D31)=Vout/(1−α)及びV(D32)=Vout/α
デューティサイクルαは50%であることが好ましい。これにより、2つのダイオードD31、D32の端子における電圧ストレスは等しくなり、ダイオードD31、D32の消耗が同じになる。さらに、50%のデューティサイクルでは、変圧器T1、T2の磁化インダクタンスによる電流リップルは、相互に補償される。したがって、二次側L12、L22上の電流は連続的になる。
【0066】
第2の分岐Bの端子における電圧VC1は、2αUeに等しくなる。第1のアームAのデューティサイクルαにより、第2のアームBの端子における電圧VC1を変化させることができる。第1のアームAのデューティサイクルαが0.5よりも小さい場合、第2のアームBの端子における電圧VC1は2Ue未満となる。第1のアームAのデューティサイクルαが0.5より大きい場合、第2のアームBの端子における電圧VC1は2Ueを上回る。このように、第2のアームBのデューティサイクルαを0.5にすることにより、絶縁型DC/DCコンバータ1を簡単に制御することができる。
【0067】
具体的には、電圧コンバータ1の入力電圧Ueが変化しても、第1のアームAは、出力電圧Voutが所望の値を維持することを保証することができる。このように、絶縁型DC/DCコンバータ1の入力電圧Ueが変化すると、制御ユニット5は、これに応じて第1のアームAのスイッチMA1、MA2のデューティサイクルαの制御を変更し、コイルL2に流れる電流を所望の値に維持する。これは、バッテリの充電レベルが時間の経過と共に変化することがある電気自動車において特に有利である。
【0068】
より具体的には、制御ユニット5は、第1のアームAと第2のアームBとの間に接続されたインダクタンスを流れる電流を、絶縁型DC/DCコンバータ1の出力電圧の値Vout_mesと絶縁型DC/DCコンバータ1の出力における所望の電圧Voutとの差に拘束する。この目的のために、制御ユニット5は、絶縁型DC/DCコンバータの出力で測定された電圧Vout_mesを受け取り、必要に応じてゲインK1を乗算する。次に、制御ユニット5は、設定電圧V*を測定電圧Vout_mesと比較する。設定電圧V*は、絶縁型DC/DCコンバータ1の出力で望まれる電圧Voutに対応する。比較の結果、コントローラ51は、インダクタンスL2を流れるべき設定電流I2consを第1のアームAに供給する。
【0069】
設定電流I2consは、設定電流I2consからのPWM信号S2を第1のアームAに伝達するコントローラ52に直接供給することができる。ここで、制御ユニット5は、インダクタンスL2を流れる電流を、インダクタンスL2を流れる電流の値I2mesと設定電流I2consの差に拘束する第2のループを生成することができる。具体的には、制御ユニット5は、第1のループによって出力された設定電流I2consを、インダクタンスL2で測定された電流I2mesと比較する。比較の前に、電流I2consにゲインK2を乗算してもよい。この比較結果に基づいて、コントローラ52は、第1のアームAのスイッチMA1、MA2のデューティサイクルαを制御するための信号S2を決定し、インダクタンスL2に流れる電流を調整する。ここで、電圧ループを使用してもよい。但し、電流ループは、小さな信号であり、一次伝達関数を有することができるため、二次伝達関数を有する電圧ループよりも簡単である。また、絶縁型DC/DCコンバータ1は、第2のループを用いることなく、第1のループを実現することができる。
【0070】
本発明に基づく絶縁型DC/DCコンバータ1は、動作範囲をカバーするように設計することができる。動作範囲は、最小値Uemin1と最大値Uemax1の間の絶縁型DC/DCコンバータ1の入力電圧Ueと、最小値Voutmin1と最大値Voutmax1の間の出力電圧Voutとに対応する。一例として、入力電圧Ueは、170〜450Vであり、絶縁型DC/DCコンバータ1の出力における目標電圧Voutは、12V〜16Vである。また、一例として、出力電圧の最小値Voutmin1は、8〜14Vであり、出力電圧の最大値Voutmax1は、15〜16Vである。
【0071】
図2及び図3に示す例では、絶縁型DC/DCコンバータ1の磁気部品は、直列の第1の変圧器T1及び第2の変圧器T2を備える。この磁気部品は、図5に示す磁気部品31によって置き換えてもよい。磁気部品31は、キャパシタンスC33に接続された単一の一次巻線33を有する一次回路と、2つの二次巻線35a、35bを有する二次回路とを備える。2つの二次巻線35a、35bは、一次巻線33に磁気的に結合されているが、互いに磁気的に結合されていない。このような磁気部品31は、フェライトを含む部品の数を減らすことによってコンバータのコストを低減できるのみでなく、コンバータをよりコンパクトにできるため、コンバータの体積を低減することができる。
【0072】
絶縁型DC/DCコンバータ1の動作は同じままである。磁気部品31は、直列の2つの完全な変圧器と同様に動作する。変調期間の第1部分では、一次巻線33の第1の部分がインダクタンスを提供し、一次巻線33の第2の部分が第2の二次巻線35にエネルギを伝達する。変調期間の第2部分では、一次巻線33の第1の部分が第1の二次巻線35bにエネルギを伝達し、一次巻線33の第2の部分がインダクタンスを提供する。
【0073】
図6a〜図6cは、二次巻線35aと二次巻線35bとの間に磁気結合がなくても、一次巻線33と二次巻線35a、35bとの間の磁気結合を可能にする磁気部品31を実現できる様々な構成を示している。
【0074】
図6d及び図6eは、並列に接続された少なくとも2つの第1の二次巻線35aと、並列に接続された少なくとも2つの第2の二次巻線35bとを含む磁気部品31の例を示している。これらの構成は、絶縁型DC/DCコンバータ1を流れる電流が大きい、例えば100Aを超える又はさらに200Aを超える用途に有利である。この場合、絶縁型DC/DCコンバータ1は、それぞれがそれぞれの第1の二次巻線35aに接続された複数のダイオードD31と、それぞれがそれぞれの第2の二次巻線35bに接続された複数のダイオードD32とを含む。図2及び図3に示す例と同様に、ダイオードD31、D32はスイッチで置き換えることができる。
【0075】
図6a〜図6eに示す部品31は、フランス特許出願第1458573号に詳細に記載されており、この内容は本出願に組み込まれる。
【0076】
図2に示す例では、第2のアームBと変圧器T1、T2の一次側とがハーフブリッジ構造を構成する。図3に示す例は、第2のアームB及び変圧器T1、T2の一次側が第4のアームDを有するフルブリッジ構造を構成することを除いて、図2の例と同一である。第4アームDのスイッチは、第2のアームBのスイッチと同一であることが好ましい。
【0077】
電力用途の場合、図2及び図3に示す複数の絶縁型DC/DCコンバータ1を組み合わせることが有利である場合がある。絶縁型DC/DCコンバータ1を並列に配置して組み合わせることによって、絶縁型DC/DCコンバータ1の出力において、電流リップルを制限し、フィルタリングキャパシタンスCFの値を低減することができる。各絶縁型DC/DCコンバータ1において、第1のアームAにより、第2のアームBのデューティサイクルαは一定のままである。
【0078】
図4は、絶縁型DC/DCコンバータ1の組合せを含む変換デバイス10の動作を示している。好ましくは、第1のフィードバックループは、全ての絶縁型DC/DCコンバータ1に共通である。したがって、第1のアームAは同じ設定電流I2consを受け取る。この目的のために、デバイス10は、絶縁型DC/DCコンバータ1の全ての第1のアームAに単一の設定電流I2conを供給する単一のコントローラ51を備えることができる。これにより、コンバータ間の電流バランスが保証される。
【0079】
好ましくは、絶縁型DC/DCコンバータ1は、位相シフトで動作する。特に、第1のアームAは、2π/nの位相シフトで動作し、ここで、nは、絶縁型DC/DCコンバータ1の数であり、これにより、デバイス10の出力変動及び電磁的互換性の問題が制限される。絶縁型DC/DCコンバータ1の第2のアームBは、π/nの位相シフトで動作し、これにより、デバイス10の出力におけるリップルを制限することができる。これらのリップルは、一次側又は二次側の寄生インダクタンス等の寄生素子によって引き起こされる可能性がある。
【0080】
本発明は、ここに記載した例に限定されない。特に、電圧ループは、電流ループに置き換えてもよい。絶縁型DC/DCコンバータは、AC電圧をDC電圧に変換するように構成されたAC/DCコンバータ又はAC/ACコンバータにおいて使用することもできる。この場合、絶縁型DC/DCコンバータは、好ましくは、第1のアームの上流のAC/DCコンバータ及び/又は絶縁型DC/DCコンバータの下流のDC/ACコンバータによって補完される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e