【実施例】
【0044】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。これらの実施例は、単に本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0045】
実施例1
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながらN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)762gを満たした後、反応器の温度を25℃に合わせてから、TFDB55.91g(0.175mol)およびFDA1.88g(0.005mol)を溶解し、この溶液を25℃に維持した。ここに、BPDA14.30g(0.049mol)と6FDA9.60g(0.022mol)を投入した後、一定時間の間撹拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC22.29g(0.109mol)を添加し、25℃で12時間反応することにより、固形分濃度12重量%および粘度250ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。ここで、粘度は、ブルックフィールド(Brookfield)粘度計(RVDV−II+P)を用い、25℃で6番または7番のスピンドルを用いて50rpmで2回測定し、その平均値を求めた値である。
【0046】
前記ポリアミド−イミド前駆体溶液にピリジン17.09g、無水酢酸21.86gを投入して30分間攪拌した後、再び80℃で1時間撹拌して常温に冷まし、これをメタノール20Lに沈殿させてから、沈殿した固形分を濾過して粉砕し、この後、100℃で真空にて6時間乾燥させて93.5gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。次いで、前記90gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを725gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶かして11wt%の溶液を得、こうして得られた溶液をステンレス板に塗布した後、キャスティングして150℃の熱風で1時間、200℃で1時間、300℃で30分、熱風によって乾燥させ、しかる後に、徐々に冷却して板から分離することにより、80μm(Anritsu Electronic Micrometer、偏差:±0.5%以下)のポリアミド−イミドフィルムを得た。その後、最終の熱処理工程として再び300℃で10分間熱処理した。
【0047】
実施例2
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながらN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)768gを満たした後、反応器の温度を25℃に合わせてから、TFDB46.11g(0.144mol)およびFDA12.54g(0.036mol)を溶解し、この溶液を25℃に維持した。ここに、BPDA14.30g(0.049mol)と6FDA9.60g(0.022mol)を投入した後、一定時間の間撹拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC22.29g(0.109mol)を添加し、25℃で12時間反応することにより、固形分濃度12重量%および粘度248ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。
【0048】
前記ポリアミド−イミド前駆体溶液にピリジン17.09g、無水酢酸21.86gを投入して30分間攪拌した後、再び80℃で1時間撹拌して常温に冷まし、これをメタノール20Lに沈殿させてから、沈殿した固形分を濾過して粉砕し、この後、100℃で真空にて6時間乾燥させて94.3gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。しかる後に、実施例1と同様の方法で78μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0049】
実施例3
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながらN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)780gを満たした後、反応器の温度を25℃に合わせてから、TFDB28.82g(0.09mol)およびFDA31.36g(0.09mol)を溶解し、この溶液を25℃に維持した。ここに、BPDA14.30g(0.049mol)および6FDA9.60g(0.022mol)を投入した後、一定時間の間撹拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC22.29g(0.109mol)を添加し、25℃で12時間反応することにより、固形分濃度12重量%および粘度240poiseのポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。
【0050】
前記ポリアミド−イミド前駆体溶液にピリジン17.09g、無水酢酸21.86gを投入して30分間攪拌した後、再び80℃で1時間撹拌して常温に冷まし、これをメタノール20Lに沈殿させてから、沈殿した固形分を濾過して粉砕し、しかる後に、100℃で真空にて6時間乾燥させて95.7gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。その後、実施例1と同様の方法で77μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0051】
実施例4
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながらN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)764gを満たした後、反応器の温度を25℃に合わせてから、TFDB55.91g(0.175mol)、およびF−FDA2.08g(0.005mol)を溶解し、この溶液を25℃に維持した。ここに、BPDA14.30g(0.049mol)と6FDA9.60g(0.022mol)を投入した後、一定時間の間撹拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC22.29g(0.109mol)を添加し、25℃で12時間反応することにより、固形分濃度12重量%および粘度242ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。
【0052】
前記ポリアミド−イミド前駆体溶液にピリジン17.09g、無水酢酸21.86gを投入して30分間攪拌した後、再び80℃で1時間撹拌して常温に冷まし、これをメタノール20Lに沈殿させてから、沈殿した固形分を濾過して粉砕し、この後、100℃で真空にて6時間乾燥させて93.7gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。その後、実施例1と同様の方法で81μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0053】
実施例5
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながらN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)778gを満たした後、反応器の温度を25℃に合わせてから、TFDB46.11g(0.144mol)およびF−FDA13.84g(0.036mol)を溶解し、この溶液を25℃に維持した。ここに、BPDA14.30g(0.049mol)および6FDA9.60g(0.022mol)を投入した後、一定時間の間撹拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC22.29g(0.109mol)を添加し、25℃で12時間反応することにより、固形分濃度12重量%および粘度252ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。
【0054】
前記ポリアミド−イミド前駆体溶液にピリジン17.09g、無水酢酸21.86gを投入して30分間攪拌した後、再び80℃で1時間撹拌して常温に冷まし、これをメタノール20Lに沈殿させてから、沈殿した固形分を濾過して粉砕しこの後、100℃で真空にて6時間乾燥させて94.5gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。その後、実施例1と同様の方法で80μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0055】
実施例6
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながらN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)803gを満たした後、反応器の温度を25℃に合わせ、TFDB28.82g(0.09mol)およびF−FDA34.60g(0.09mol)を溶解してこの溶液を25℃に維持した。ここにBPDA14.30g(0.049mol)と6FDA9.60g(0.022mol)を投入した後、一定時間の間撹拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC22.29g(0.109mol)を添加し、25℃で12時間反応することにより、固形分濃度12重量%および粘度が238ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。
【0056】
前記ポリアミド−イミド前駆体溶液にピリジン17.09g、無水酢酸21.86gを投入して30分間攪拌した後、再び80℃で1時間撹拌して常温に冷まし、これをメタノール20Lに沈殿させてから、沈殿した固形分を濾過して粉砕し、この後、100℃で真空にて6時間乾燥させて96.6gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。しかる後に、実施例1と同様の方法で78μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0057】
実施例7
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながらN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)792gを満たし後、反応器の温度を25℃に合わせてから、TFDB28.82g(0.09mol)、FDA15.68g(0.045mol)、およびF−FDA17.30g(0.045mol)を溶解し、この溶液を25℃に維持した。ここに、BPDA14.30g(0.049mol)と6FDA9.60g(0.022mol)を投入した後、一定時間の間撹拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC22.29g(0.109mol)を添加し、25℃で12時間反応することにより、固形分濃度12重量%および粘度238ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。
【0058】
前記ポリアミド−イミド前駆体溶液にピリジン17.09g、無水酢酸21.86gを投入して30分間攪拌した後、再び80℃で1時間撹拌して常温に冷まし、これをメタノール20Lに沈殿させてから、沈殿した固形分を濾過して粉砕し、この後、100℃で真空にて6時間乾燥させて94.8gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。その後、実施例1と同様の方法で78μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0059】
実施例8
TPC22.29g(0.109mol)の代わりにIPC(TCI社製)22.29g(0.109mol)を添加した以外は、実施例2と同様の方法を適用して、固形分濃度12重量%および粘度242ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。これを実施例2と同様の方法でイミド化反応させて94.2gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。その後、79μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0060】
実施例9
BPDA、6FDAおよびTPCの含有量をそれぞれ16.42g(0.056mol)、11.20g(0.025mol)および20.10g(0.099mol)を添加した以外は、実施例2と同様の方法を適用して、固形分濃度12重量%および粘度240ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。これを実施例2と同様の方法でイミド化反応させて98.3gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。その後、77μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0061】
実施例10
BPDA、6FDAおよびTPCの含有量をそれぞれ13.24g(0.045mol)、7.80g(0.018mol)および23.75g(0.117mol)添加した以外は、実施例2と同様の方法を適用して、固形分濃度12重量%および粘度245ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。これを実施例2と同様の方法でイミド化反応させて95.4gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。その後、78μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0062】
実施例11
BPDA、6FDAおよびTPCの含有量をそれぞれ11.12g(0.038mol)、7.20g(0.016mol)および25.58g(0.126mol)を添加した以外は、実施例2と同様の方法を適用して、固形分濃度12重量%および粘度247ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。これを実施例2と同様の方法でイミド化反応させて93.7gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。その後、78μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0063】
実施例12
TFDB46.11g(0.144mol)の代わりに3DDS(TCI)35.76g(0.144mol)を添加した以外は、実施例2と同様の方法を適用して、固形分濃度12重量%および粘度235ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。これを実施例2と同様の方法でイミド化反応させて83.7gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。その後、78μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0064】
実施例13
TFDB46.11g(0.144mol)の代わりに3DDS(TCI)35.76g(0.144mol)を添加した以外は、実施例5と同様の方法を適用して、固形分濃度12重量%および粘度242ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。これを実施例5と同様の方法でイミド化反応させて87.8gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。その後、79μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0065】
実施例14
BPDAを添加する代わりに、6FDAのみ31.19g(0.070mol)を添加した以外は、実施例2と同様の方法を適用して、固形分濃度12重量%および粘度248ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。これを実施例2と同様の方法でイミド化反応させて99.3gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。その後、78μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0066】
比較例1
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながらN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)761gを満たした後、反応器の温度を25℃に合わせてから、TFDB57.64g(0.18mol)を溶解し、この溶液を25℃に維持した。ここにBPDA14.30g(0.049mol)および6FDA9.60g(0.022mol)を投入した後、一定時間の間撹拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC22.29g(0.109mol)を添加し、25℃で12時間反応することにより、固形分濃度12重量%および粘度252ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。
【0067】
前記ポリアミド−イミド前駆体溶液にピリジン17.09g、無水酢酸21.86gを投入して30分間攪拌した後、再び80℃で1時間撹拌して常温に冷まし、これをメタノール20Lに沈殿させてから、沈殿した固形分を濾過して粉砕し、この後、100℃で真空にて6時間乾燥させて92.1gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。その後、実施例1と同様の方法で80μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0068】
比較例2
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながらN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)758gを満たした後、反応器の温度を25℃に合わせてから、TFDB54.06g(0.178mol)およびFDA0.63g(0.002mol)を溶解し、この溶液を25℃に維持した。ここに、BPDA14.30g(0.049mol)および6FDA9.60g(0.022mol)を投入した後、一定時間の間撹拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC22.29g(0.109mol)を添加し、25℃で12時間反応することにより、固形分濃度12重量%および粘度248ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。
【0069】
前記ポリアミド−イミド前駆体溶液にピリジン17.09g、無水酢酸21.86gを投入して30分間攪拌した後、再び80℃で1時間撹拌して常温に冷まし、これをメタノール20Lに沈殿させてから、沈殿した固形分を濾過して粉砕し、この後、100℃で真空にて6時間乾燥させて92.7gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。その後、実施例1と同様の方法で80μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0070】
比較例3
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながらN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)759gを満たした後、反応器の温度を25℃に合わせてから、TFDB54.06g(0.178mol)およびF−FDA0.69g(0.002mol)を溶解し、この溶液を25℃に維持した。ここに、BPDA14.30g(0.049mol)と6FDA9.60g(0.022mol)を投入した後、一定時間の間撹拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC22.29g(0.109mol)を添加し、25℃で12時間反応することにより、固形分濃度12重量%および粘度253ポアズ(poiseiのポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。
【0071】
前記ポリアミド−イミド前駆体溶液にピリジン17.09gおよび無水酢酸21.86gを投入して30分間攪拌した後、再び80℃で1時間撹拌して常温に冷まし、これをメタノール20Lに沈殿させてから、沈殿した固形分を濾過して粉砕し、この後、100℃で真空にて6時間乾燥させて93.2gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。その後、実施例1と同様の方法で78μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0072】
比較例4
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながらN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)782gを満たした後、反応器の温度を25℃に合わせてから、TFDB25.94g(0.081mol)およびFDA34.50g(0.099mol)を溶解し、この溶液を25℃に維持した。ここに、BPDA14.30g(0.049mol)および6FDA9.60g(0.022mol)を投入した後、一定時間の間撹拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC22.29g(0.109mol)を添加し、25℃で12時間反応することにより、固形分濃度12重量%および粘度248ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。
【0073】
前記ポリアミド−イミド前駆体溶液にピリジン17.09gおよび無水酢酸21.86gを投入して30分間攪拌した後、再び80℃で1時間撹拌して常温に冷まし、これをメタノール20Lに沈殿させてから、沈殿した固形分を濾過して粉砕した後、100℃で真空にて6時間乾燥させて94.5gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。その後、実施例1と同様の方法で80μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0074】
比較例5
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながらN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)808gを満たした後、反応器の温度を25℃に合わせてから、TFDB25.94g(0.081mol)およびF−FDA38.06g(0.099mol)を溶解し、この溶液を25℃に維持した。ここに、BPDA14.30g(0.049mol)および6FDA9.60g(0.022mol)を投入した後、一定時間の間撹拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC22.29g(0.109mol)を添加し、25℃で12時間反応することにより、固形分濃度12重量%および粘度253ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。
【0075】
前記ポリアミド−イミド前駆体溶液にピリジン17.09gおよび無水酢酸21.86gを投入して30分間攪拌した後、再び80℃で1時間撹拌して常温に冷まし、これをメタノール20Lに沈殿させてから、沈殿した固形分を濾過して粉砕した後、100℃で真空にて6時間乾燥させて97.6gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。しかる後に、実施例1と同様の方法で78μmのポリアミド−イミドフィルムを製造した。
【0076】
比較例6
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながらN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)798gを満たした後、反応器の温度を25℃に合わせ、FDA62.72g(0.18mol)を溶解してこの溶液を25℃に維持した。ここに、BPDA14.30g(0.049mol)および6FDA9.60g(0.022mol)を投入した後、一定時間の間撹拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC22.29g(0.109mol)を添加し、25℃で12時間反応することにより、固形分濃度12重量%および粘度209ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。
【0077】
前記ポリアミド−イミド前駆体溶液にピリジン17.09gおよび無水酢酸21.86gを投入して30分間攪拌した後、再び80℃で1時間撹拌して常温に冷まし、これをメタノール20Lに沈殿させてから、沈殿した固形分を濾過して粉砕し、この後、100℃で真空にて6時間乾燥させて92.0gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。しかる後に、実施例1と同様の方法でポリアミド−イミドフィルムを製造しようとしたが、低い重合安定性と分子量のために、乾燥の際にフィルムが壊れやすくてフィルムが形成されなかった。
【0078】
比較例7
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながらN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)846gを満たした後、反応器の温度を25℃に合わせてから、F−FDA69.20g(0.18mol)を溶解してこの溶液を25℃に維持した。ここにBPDA14.30g(0.049mol)および6FDA9.60g(0.022mol)を投入した後、一定時間の間撹拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC22.29g(0.109mol)を添加し、25℃で12時間反応することにより、固形分濃度12重量%および粘度198ポアズ(poise)のポリアミド−イミド前駆体溶液を得た。
【0079】
前記ポリアミド−イミド前駆体溶液にピリジン17.09gおよび無水酢酸21.86gを投入して30分間攪拌した後、再び80℃で1時間撹拌して常温に冷やし、これをメタノール20Lに沈殿させてから、沈殿した固形分を濾過して粉砕し、この後、100℃で真空にて6時間乾燥させて93.8gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。その後、実施例1と同様の方法でポリアミド−イミドフィルムを製造しようとしたが、やはり、低い重合安定性と分子量のために、乾燥の際にフィルムが壊れやすくてフィルムが形成されなかった。
【0080】
<測定例>
上記の実施例および比較例で製造されたポリアミド−イミドフィルムの物性を次の方法で評価し、その結果を下記表1に示した。
【0081】
(1)透過度の測定:UV分光計(コニカミノルタ製、CM−3700d)を用いて550nmで透過度を3回測定し、その平均値を表1に記載した。
【0082】
(2)黄色度(Y.I.)の測定:UV分光計(コニカミノルタ製、CM−3700d)を用いてASTM E313に準拠して黄色度を測定した。
【0083】
(3)ガラス転移温度(Tg)の測定:DMA(動的粘弾性測定装置;TA instrument Inc. DMA Q800)を用いて、常温〜400℃で、分あたり5℃昇温してTanδの頂点をTgとした。
【0084】
(4)熱膨張係数(CTE)の測定:TMA(熱機械分析装置;TA Instrument社製、Q400)を用いてTMA−Methodに基づいて2回にわたって50〜300℃での熱膨張係数を測定した。このとき、試験片の大きさは4mm×24mm、荷重は0.02N、昇温速度は10℃/minとした。製膜の後、熱処理によって、フィルム内に残留応力が残っている可能性があるため、最初の作動(Run)で残留応力を完全に除去した後、2番目の値を実測定値として提示した。
【0085】
【表1】
【0086】
前記表1の実施例1乃至3または実施例4乃至6に示すように、ジアミン成分中のFDAまたはF−FDAの含有量が増加するほど、光学特性はやや低下し、熱膨張係数は増加したのであるが、相対的に短い分子鎖が形成されることにより、高分子鎖の鎖の運動が制限を受け、結果的に、ガラス転移温度が上昇して熱安定性が向上することが分かった。また、FDAまたはF−FDAの含有量が低くなるほど、熱安定性はやや低下したが、分子鎖が相対的に長く形成され、分子量が増加するにつれて、光学透過度や黄変度などの光学的性質は向上し、熱膨張係数も低くなることが分かった。
【0087】
ところが、比較例1のようにFDAまたはF−FDAが全く添加されないか或いは含有量があまりにも低いため、ジアミンの総モルに対して3モル%にも及ばない場合、高い熱安定性を期待することができなかった。これに対し、比較例4および5のように含有量が高くなる場合には、光学的性質および熱膨張係数が低下し、比較例6および7のようにジアミンとしてFDAまたはF−FDAのみを使用する場合には、むしろ重合安定性に劣るものとなってフィルム形成が難しいことが分かった。