(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示した発明を実施するための形態1に係るエレベータ用エアコン管理システムは、エレベータのかご1にエアコン11とリモコン12と温度センサ13とを設け、エレベータのかご2にエアコン21とリモコン22と温度センサ23とを設け、エアコン1に対する制御をリモコン12とネットワーク31を経由して接続された監視装置41で指示すことにより、又、エアコン21に対する制御をリモコン22とネットワーク31を経由して接続された監視装置41で指示することにより、複数のエレベータのかご1及び2のそれぞれに設置されたエアコン11及び21に対する制御が遠隔操作可能となり利便性を向上できる。複数のエレベータのかごは、エレベータのかご1及び2の2台に限定されるものでなく、3台以上でも良い。
【0009】
エレベータのかご1にはかごの識別子としてかごID:01が付与され、かごID:01のエレベータのかご1に設けられたエアコン11にはエアコン11の識別子としてエアコンID:011が付与され、かごID:01のエレベータのかご1に設けられたリモコン12にはリモコン12の識別子としてリモコンID:012が付与され、かごID:01のエレベータのかご1に設けられた温度センサ13には温度センサ13の識別子として温度センサID:013が付与されたものとする。
【0010】
エレベータのかご2にはかごの識別子としてかごID:02が付与され、かごID:02のエレベータのかご2に設けられたエアコン21にはエアコン21の識別子としてエアコンID:021が付与され、かごID:02のエレベータのかご2に設けられたリモコン22にはリモコン22の識別子としてリモコンID:022が付与され、かごID:02のエレベータのかご2に設けられた温度センサ23には温度センサ23の識別子として温度センサID:02が付与されたものとする。
【0011】
エアコン11又は21は、ヒートポンプ式のエアコンにより構成され、リモコン12又は22から入力された暖房運転と冷房運転と設定温度42と運転開始と運転停止等の制御信号に基づき、エレベータの電源部から供給された電力により、圧縮機と室内機に設けられたファンと室外機に設けられたファンと流路切換弁とを制御して冷房運転又は暖房運転を行うようになっている。
【0012】
エアコン11又は21の冷房運転又は暖房運転に伴い、室内機のファンがエレベータのかご1又は2内の空気を室内機の熱交換器に吹き付けて熱交換を行い、この熱交換を受けた冷房用又は暖房用の空気をエレベータのかご1又は2の天井からエレベータのかご1又は2内に吹き出すようになっている。
【0013】
リモコン12又は22は、エレベータのかご1又は2内の側壁に設けられ、エレベータの電源部又はリモコン12又は22に設けられたバッテリから供給された電力により、監視装置41から出力されたエアコン11又は21に対する制御信号をネットワーク31からWiFi(登録商標)等による無線で受信し、当該受信した制御信号を赤外線等による無線でエアコン11又は21に送信するようになっている。
【0014】
温度センサ13又は23は、エレベータのかご1又は2内の側壁に設けられ、エレベータの電源部又は温度センサ13又は23に設けられたバッテリの電力により、エレベータのかご1又は2内の温度を一定の周期ごとに測定し、温度センサID:013又は023と測定したエレベータのかご1又は2内の温度としての検出温度とをネットワーク31にWiFi(登録商標)等による無線で送信する。この温度センサ13又は23から出力された温度センサID:013又は023と検出温度とが監視装置41に受信される。
【0015】
監視装置41は、サーバにより構成され、設定温度42と管理データ43と処理手段44と操作部45とを備える。
【0016】
設定温度42は、人が操作部45を操作して、エアコンID:011又は021とエアコンID:011又は021ごとに対する設定温度42とが監視装置41に入力されると、入力されたエアコンID:011又は021と設定温度42とが一対一に対応付けられて監視装置41の記憶部に記憶される。エアコン11に対する設定温度42とエアコン21に対する設定温度42とが同じ数値又は異なる数値でも適用可能である。
【0017】
管理データ43には、
図2に示すように、かごID:01又は02又は03等と、エアコンID:011又は021又は031等と、リモコンID:012又は022又は032等と、温度センサID:013又は02又は0323等とが、予め書き込まれている。
【0018】
そして、
図1に示すように、温度センサ13又は23から温度センサID:013又は023と検出温度とが監視装置41に受信されると、処理手段44が温度センサID:013又は023を管理データ43に照合して管理データ43のエアコンID:011又021に対応するとして特定された部分に温度センサID:013又は023に対応する検出温度を記憶する。これにより、管理データ43が複数のエアコン11又は21と検出温度との関係を規定した
図2に示す収集データとして監視装置41の記憶部に蓄積される。
【0019】
処理手段44は、監視装置41に受信された検出温度に基づきエアコン11又は21に対する制御信号を生成し、その生成した制御信号をリモコン12又は22にネットワーク31を経由して出力する機能部であって、監視装置41を構成するサーバにコンピュータプログラムとして格納されたソフトウエアで具現化される。
【0020】
図1に示したエレベータ用エアコン管理システムは、次のように動作する。人が操作部45を操作し、エアコンID:011又は021とエアコンID:011又は021ごとに対する設定温度42とが監視装置41に入力されると、処理手段44がエアコンID:011又は021を管理データ43に照合して管理データ43のエアコンID:011又021に対応として特定された部分にエアコンID:011又は021ごとに対応する設定温度42を記憶する。これにより、管理データ43が複数のエアコン11又は21と設定温度との関係を規定した
図2に示した収集データとして監視装置41の記憶部に蓄積される。
【0021】
その後、処理手段44が監視装置41の管理データ43から一対一に対応付けられたリモコンID:012又は022と設定温度42とを抽出してネットワーク31に送信する。このネットワーク31に送信されたリモコンID:012又は022と設定温度42とが設定温度42に付されたリモコンID:012又は022に対応するリモコン12又は22に受信され、リモコン12又は22が受信した設定温度42をエアコン11又は21に送信し、エアコン11又は21が受信した設定温度42をエアコン11又は21の記憶部に記憶する。
【0022】
又、人が操作部43を操作し、エアコンID:011又は021とエアコンID:011又は021ごとに対する暖房運転又は冷房運転とが監視装置41に入力されると、処理手段44がエアコンID:011又は021を管理データ43に照合して管理データ43のエアコンID:011又021に対応するとして特定された部分にエアコンID:011又は021に対応する暖房運転又は冷房運転を記憶する。これにより、管理データ43が複数のエアコン11又は21と暖房運転又は冷房運転との関係を規定した
図2に示す収集データとして監視装置41の記憶部に蓄積される。
【0023】
その後、処理手段44が監視装置41の管理データ43からリモコンID:012又は022に基づきリモコンID:012又は022に対応する暖房運転又は冷房運転とリモコンID:012又は022とを抽出してネットワーク31に送信する。このネットワーク31に送信されたリモコンID:012又は022と暖房運転又は冷房運転とが暖房運転又は冷房運転に付されたリモコンID:012又は022に対応するリモコン12又は22に受信され、リモコンID:012又は022が受信した暖房運転又は冷房運転をエアコン11又は21に送信し、エアコン11又は21が受信した暖房運転又は冷房運転をエアコン11又は21の記憶部に記憶する。
【0024】
前記のようにエアコン11又は21ごとに対する設定温度42及びエアコン11又は21ごとに対する暖房運転又は冷房運転が管理データ43に収集データとして書き込まれ、エアコン11又は21が停止した状態において、人が操作部43を操作し、エアコンID:011又は021ごとに対する運転開始が監視装置41に入力されると、処理手段44がエアコンID:011又は021を管理データ43に照合して管理データ43のエアコンID:011又021に対応するとして特定された部分にエアコンID:011又は021に対応する運転開始及びその時刻を記憶する。この時刻は、処理手段44が管理データ43に記憶するときの時刻を監視装置41に設けられた時計機能から取得して管理データ43に記憶すれば良い。これにより、管理データ43が複数のエアコン11又は21と運転開始及びその時刻との関係を規定した
図2に示した収集データとして監視装置41の記憶部に蓄積される。
【0025】
その後、処理手段44が監視装置41の管理データ43からリモコンID:012又は022に基づきリモコンID:012又は022ごとに対応する運転開始とリモコンID:012又は022とを抽出してネットワーク31に送信する。このネットワーク31に送信されたリモコンID:012又は022と運転開始とが運転開始に付されたリモコンID:012又は022に対応するリモコン12又は22に受信され、リモコン12又は22が受信した運転開始をエアコン11又は21に送信し、エアコン11又は21が受信した運転開始を記憶部に記憶しかつ前記記憶部に記憶された暖房運転又は冷房運転に基づく運転を開始する。このエアコン11又は21の運転開始により、エアコン11又は21の圧縮機と流路切換弁と室内機のファンと室外機のファンとが駆動する。
【0026】
エアコン11又は21が暖房運転されている場合は、圧縮機で圧縮されて高温高圧になった冷媒は流路切換弁を通って室内機の熱交換器に向かい、室内機の熱交換器では冷媒が室内機のファンによる風によって冷やされ、冷媒が低温高圧になり、室内機のファンによる風が熱交換器の冷媒から熱を奪って温風となって室内機の吹出口からエレベータのかご1又は2内に吹き出される。そして、室内機の熱交換器で低温高圧になった冷媒がキャピラリチューブの配管抵抗によって低温低圧になり、蒸発しやすくなって室外機の熱交換器に向かい、室外器の熱交換器では冷媒が室外機のファンによる風から熱を奪って蒸発し高温低圧になって流路切換弁を通って圧縮機に戻る。つまり、暖房運転のエアコン11又は21は、エレベータのかご1又は2内の空気を室内機のファンで室内機の熱交換器にさらして暖めてエレベータのかご1又は2内に戻すように循環して暖房を行う。
【0027】
前記エアコン11又は21の暖房運転中において、検出温度が設定温度に近づくのに伴い、エアコン11又は21の圧縮機と室内機のファンと室外機のファンとの回転速度が低下する。そして、検出温度がエアコン11又は21の記憶部に記憶された設定温度42に対する許容範囲の上限値(設定温度42より1℃又は1.5℃高い値に設定されている)に到達すると、エアコン11又は21の圧縮機と室内機のファンと室外機のファンとが停止し、エアコン11又は21の暖房運転が一時的に停止する。
【0028】
前記のように検出温度が設定温度42に対する許容範囲の上限値に到達したとして、エアコンの暖房運転が一時的に停止し、その停止の継続に伴い、検出温度がエアコン11又は21の記憶部に記憶された設定温度42に対する許容範囲の下限値(設定温度42より1℃又は1.5℃低い値に設定されている)に到達すると、エアコン11又は21の圧縮機と室内機のファンと室外機のファンとが駆動し、エアコン11又は21の暖房運転が再開する。
【0029】
前記のように検出温度が設定温度42に対する許容範囲の上限値に達した場合に、上限値に到達したアラートをエアコン11又は21から監視装置41の管理者に通知するようにしても良い。それには、エアコン11又は21に通信機能部を設け、この通信機能部が上限値に到達したアラートを監視装置41の管理者の所持する携帯端末にメール等でデータ送信するか又はネットワーク31を経由して監視装置41にデータ送信し、前記管理者の所持する携帯端末又は監視装置41が受信したデータをディスプレイに表示することで、実態の早期把握できる。
【0030】
又、エアコン11又は21が冷房運転されている場合は、圧縮機で圧縮されて高温高圧になった冷媒は流路切換弁を通って室外機の熱交換器に向かい、室外機の熱交換器では冷媒が室外機のファンによる風によって冷やされ、冷媒が低温高圧になり、この低温高圧になった冷媒がキャピラリチューブの配管抵抗によって低温低圧になり、蒸発しやすくなって室内機の熱交換器に向かい、室内機のファンによる風が室内機の熱交換器の冷媒で冷やされて冷風となって室内機の吹出口からエレベータのかご1又は2内に吹き出される。そして、室内機のファンによる風から熱を奪って蒸発し高温低圧となった冷媒が流路切換弁を通って圧縮機に戻る。つまり、冷房運転のエアコン11又は21は、エレベータのかご1又は2内の空気を室内機のファンで室内機の熱交換器にさらして冷やしてエレベータのかご1又は2内に戻すように循環して冷房を行う。
【0031】
前記エアコン11又は21の冷房運転中において、検出温度が設定温度に近づくのに伴い、エアコン11又は21の圧縮機と室内機のファンと室外機のファンとの回転速度が低下する。そして、検出温度がエアコン11又は21の記憶部に記憶された設定温度42に対する許容範囲の下限値(設定温度42より1℃又は1.5℃低い値に設定されている)に到達すると、エアコン11又は21の圧縮機と室内機のファンと室外機のファンとが停止し、エアコン11又は21の冷房運転が一時的に停止する。
【0032】
前記のように検出温度が設定温度42に対する許容範囲の下限値に到達したとして、エアコンの冷房運転が一時的に停止し、その停止の継続に伴い、検出温度がエアコン11又は21の記憶部に記憶された設定温度42に対する許容範囲の上限値(設定温度42より1℃又は1.5℃高い値に設定されている)に到達すると、エアコン11又は21の圧縮機と室内機のファンと室外機のファンとが駆動し、エアコン11又は21の冷房運転が再開する。
【0033】
又、人が操作部43を操作し、エアコンID:011又は021ごとに対する運転停止が監視装置41に入力されると、処理手段44がエアコンID:011又は021を管理データ43に照合して管理データ43のエアコンID:011又021に対応するとして特定された部分にエアコンID:011又は021に対応する運転停止及びその時刻を記憶する。これにより、管理データ43が複数のエアコン11又は21と運転停止及びその時刻との関係を規定した
図2に示した収集データとして監視装置41の記憶部に蓄積される。
【0034】
その後、処理手段44が監視装置41の管理データ43からリモコンID:012又は022に基づきリモコンID:012又は022ごとに対応する運転停止とリモコンID:012又は022とを抽出してネットワーク31に送信する。このネットワーク31に送信されたリモコンID:012又は022と運転停止とが運転停止に付されたリモコンID:012又は022に対応するリモコン12又は22に受信され、リモコン12又は22が受信した運転停止をエアコン11又は21に送信し、エアコン11又は21が受信した運転停止を記憶部に記憶しかつ前記記憶部に記憶された暖房運転又は冷房運転に基づく運転を停止する。このエアコン11又は21の運転の停止により、エアコン11又は21の圧縮機と流路切換弁と室内機のファンと室外機のファンとが停止する。
【0035】
図1に示したエレベータ用エアコン管理システムによれば、エアコン11又は21の制御にエレベータのかご1又は2に設けた温度センサ13又は23で測定した検出温度を用いたことにより、エレベータのかご1又は2に乗る人の体感温度に近くなり、快適な温度調整ができる。
【0036】
又、
図1に示したエレベータ用エアコン管理システムによれば、複数のエレベータのかご1及び2のそれぞれに設置されたエアコン11及び21の制御を監視装置41で遠隔操作することができる。尚、複数のエレベータのかご1及び2が1つのビル等の建物に設けられても複数のビル等の建物に分けられて設けられても1つの監視装置41で複数のエレベータのかご1予備2のそれぞれに設けられたエアコン11及び21に対する制御を遠隔操作することができる。
【0037】
暖房運転又は冷房運転が繰り返される管理データ43の履歴を、人間の知的能力をコンピュータで実現するAI(artificial intelligence:人工知能)の技術を用いた処理手段44で分析して設定温度42を作成しても良い。
【0038】
監視装置41に接続したディスプレイで管理データ43を表示すれば、管理データ43の可視化が図れる。このように管理データ43の可視化を図ることで、管理データ43の履歴を可視化し、グラフなどで推移を表示することで、故障の事前検知や清掃のタイミングなどを監視装置41の管理者が把握できる。例えば、設定温度に対して検出温度が到達予定時期を過ぎても達しない場合は、監視装置41の管理者が故障や清掃が必要と判断ができる。
【0039】
温度センサ13及び23のエレベータのかご1又は2内の表面又はエレベータのかご1又は2内の表面にディスプレイを設けて温度センサ13及び23で測定した検出温度を表示すれば、検出温度の可視化が図れる。このように測定した検出温度の履歴を可視化し、グラフなどで推移を表示することで、故障の事前検知や清掃のタイミングなどをエレベータのかご1又は2に乗った人が把握できる。例えば、設定温度に対して検出温度が到達予定時期を過ぎても達しない場合は、エレベータのかご1又は2に乗った人が故障や清掃が必要と判断ができる。
【0040】
尚、
図1における温度センサ13及び23に加えて湿度センサを各エレベータのかご1及び2内に設け、湿度センサで検出された各エレベータのかご1及び2内の湿度としての検出湿度を検出温度と同様にネットワーク31を経由して監視装置41に送信し、検出温度及び検出湿度でエアコン11又は21を制御するようにしても適用可能である。この場合、温度センサ13及び23と湿度センサとを温湿度センサとして一体に構成しても適用可能である。
【0041】
又、エアコン11又は21における室内機の冷房用又は暖房用の空気が吹き出される周囲にエアコン温度センサを設け、このエアコン温度センサで検出された検出温度と温度センサ13及び23で検出された検出温度とを用いてエアコン11又は21を監視装置41で遠隔操作するようにしても良い。
【0042】
例えば、エアコン温度センサで検出された検出温度を検出エアコン温度と言い、温度センサ13及び23で検出された検出温度を検出かご温度と言う。そして、検出エアコン温度が設定温度42に対する許容範囲の上限値に到達したとして、エアコンの暖房運転又は冷房運転での温度調整の出力が低下又は一時的に停止し、その低下又は停止の継続に伴い、検出エアコン温度が設定温度42に対する許容範囲の下限値に到達すると、処理手段44が検出かご温度の変化又は変化の度合いを調べ、検出かご温度の変化又は変化の度合いが暖房運転では下降を示す場合又は冷房運転のでは上昇を示す場合には、処理手段44が暖房運転では設定温度44よりも高い設定温度又は冷房運転では設定温度44よりも低い設定温度に変更して、エアコン11又は21を監視装置41で遠隔操作しても良い。
【0043】
又、リモコン12及び22を除去し、エアコン11又は21が監視装置41から出力されたエアコン11又は21に対する制御信号をネットワーク31からWiFi(登録商標)等による無線で受信するようになっていても良い。
【0044】
図3に示した発明を実施するための形態2に係るエレベータ用エアコン管理システムは、エレベータのかご1及び2の設置された場所の気象情報51を監視装置41にインターネットを経由して取り込むことにより、温度センサ13及び23による検出温度と気象情報51とによる暖房運転又は冷房運転に対する管理データ43の分析を行うことが可能になる。よって、気象情報51に基づき暖房運転又は冷房運転に対する管理データ43の分析を行うことができる。例えば、予め設定された時刻としての明朝の気象情報51から明朝に暖房運転又は冷房運転を開始するときの設定温度42を管理データ43に予約として記憶させることにより、監視装置41が予め設定された時刻の気象情報による設定温度42に基づいて複数のエアコン11又は22に対する制御を指示することができる。
【0045】
又、エレベータのかご1及び2の設置された場所又は周辺で行われる催し物や行事等のイベント情報を監視装置41にインターネットを経由して取り込むことにより、温度センサ13及び23による検出温度とイベント情報とによる暖房運転又は冷房運転に対する管理データ43の分析を行うことが可能になる。イベント情報を加味した暖房運転又は冷房運転に対する管理データ43の分析を行うことにより、例えば、イベント情報の予報からイベントの行わる日においてエレベータのかご1及び2に乗る人の多さを予想した設定温度42を管理データ43に予約として記憶させることができる。
【0046】
図4に示した発明を実施するための形態3に係るエレベータ用エアコン管理システムは、エレベータのかご1内に人感センサ14を設け、エレベータのかご2に人感センサ24を設け、複数の人感センサ14又は24が一定の周期ごとに測定したエレベータのかご1又は2内の人数としての検出人数を監視装置41にネットワーク31を介して送信し、監視装置41は前記検出人数に基づき複数のエアコン11又は22に対する制御を指示するようになっている。これにより、エレベータのかご1又は2に乗る人の混雑に基づきエアコン11又は21の暖房運転又は冷房運転が適切になる。
【0047】
人感センサ14には人感センサ14の識別子として人感センサID:014が付与され、人感センサ24には人感センサ24の識別子として人感センサID:024が付与されたものとする。
【0048】
人感センサ14又は24は、エレベータの電源部又は人感センサ14又は24に設けられたバッテリの電力により、エレベータのかご1又は2に乗った人数を一定の周期ごとに測定し、人感センサID:014又は024と測定した人数としての検出人数とをネットワーク31にWiFi(登録商標)等による無線で送信する。
【0049】
そして、人感センサ14又は24から出力された人感センサID:014又は024と検出人数とが監視装置41に受信されると、処理手段44が人感センサID:014又は024を管理データ43に照合して管理データ43の人感センサID:014又は024に対応するとして特定された部分に人感センサID:014又は024に対応する検出人数を記憶することにより、管理データ43が検出人数の記憶された収集データとして監視装置41の記憶部に蓄積される。
【0050】
処理手段43は、監視装置41に受信された検出温度及び検出人数に基づきエアコン11又は21に対する制御信号を生成し、その生成した制御信号をリモコン12又は22にネットワーク31を経由して出力することにより、エレベータのかご1又は2に乗る人の混雑に基づきエアコン11又は21の暖房運転又は冷房運転の制御ができる。
【0051】
処理手段43は、検出人数が監視装置41に設定された所定数以上になると設定温度42を変更すれば、エレベータのかご1又は2に乗る人が所定数以上になってもエアコン11又は21の暖房運転又は冷房運転の制御が適切になる。又、処理手段43は、所定数を超えた検出人数に応じて設定温度42を変更すれば、エアコン11又は21の暖房運転又は冷房運転の制御が一層適切になる。