【文献】
Robert Stacey,Specification Framework for TGax,IEEE 802.11-15/0132r13,IEEE, INternet<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/15/11-15-0132-13-00ax-spec-framework.docx>,2015年12月
【文献】
John Son,Discussions on HE SIG-A Structure,IEEE 802.11-15/1119r1,IEEE, Internet<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/15/11-15-1119-01-00ax-discussions-on-he-sig-a-structure.pptx>,2015年 9月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
本出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2016年1月7日に中国特許庁に出願された、「INFORMATION TRANSMISSION METHOD AND APPARATUS IN WIRELESS LOCAL AREA NETWORK」と題する、中国特許出願第201610011271.6号に基づく優先権を主張する。
【0003】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Networks、WLAN)は、データ伝送システムであり、無線周波数(Radio Frequency、RF)技術を使用することによって、ツイストペア銅線を備えるレガシーローカルエリアネットワークに取って代わっており、ユーザは、簡単なアクセスアーキテクチャを使用することによって、ワイヤレスローカルエリアネットワークを介して、情報を伝送することができる。WLAN技術の発展および適用は、人々の通信方法および働き方を大きく変化させ、人々に前例のない便利さをもたらしている。インテリジェント端末の幅広い適用に伴って、人々は、データネットワークトラフィックに対する要求を高めている。WLANの発展は、規格の定式化、普及、および適用に依存する。IEEE802.11ファミリは、主要な規格であり、主に、802.11、802.11b/g/a、802.11n、および802.11acを含む。802.11および802.11bを除く、すべての規格において、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、OFDM)技術が、物理レイヤにおけるコア技術として使用される。
【0004】
チャネル推定は、受信信号に従って、特定の基準によって、伝送信号が通過するチャネルのパラメータを推定する処理である。ワイヤレス通信システムの性能は、シャドウフェージングおよび周波数選択性フェージングなど、ワイヤレスチャネルによって大きく影響される。その結果、送信機と受信機との間の伝送経路は、きわめて複雑になる。固定されており、予測可能な有線チャネルとは異なり、ワイヤレスチャネルは、高いランダム性によって特徴付けられる。チャネルは、OFDMシステムのコヒーレント検波において、推定される必要があり、チャネル推定精度が、システム全体の性能に直接的に影響する。
【0005】
WLAN技術は、過去10年ほどの間に急速に発展しており、中核的な伝送規格は、802.11a、802.11n、および802,11acなどを含む、IEEE802.11ファミリに属する規格である。加えて、802.11ファミリに属する規格は、後方互換性があり、すなわち、後で開発された規格は、既存の規格と互換性がある。現在、規格化処理中の802.11axも、後方互換性特徴を有する必要がある。対応する規格においては、ワイヤレスローカルエリアネットワークのピーク対平均
電力比(Peak to Average Power Ratio、PAPR)は、可能な限り低減される必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の実施形態または先行技術における技術的解決策をより明瞭に説明するために、以下では、実施形態または先行技術を説明するために必要とされる添付の図面について簡潔に説明する。明らかに、以下の説明における添付の図面は、本発明のいくつかの実施形態を示しており、当業者は、創造的な努力なしに、これらの添付の図面から他の図面をまだ導出し得る。
【
図1】本発明の実施形態における、ワイヤレスローカルエリアネットワークの簡単な概略図である。
【
図2】本発明の実施形態(例えば、802.11ax)における、パケット構造の簡単な概略図である。
【
図3】本発明の実施形態における、L−SIGの簡単な概略構造図である。
【
図4】802.11acにおける、20MHz帯域幅内におけるL−SIGのサブキャリアマッピングの概略図である。
【
図5A】802.11acにおける、40MHz帯域幅内におけるL−SIGの複製および位相回転の概略図である。
【
図5B】802.11acにおける、40MHz帯域幅内におけるL−SIGの複製および位相回転の概略図である。
【
図6】802.11acにおける、L−SIGを送信する手順を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態(例えば、802.11ax)における、20MHz帯域幅内におけるHE−SIG Aのサブキャリアマッピングの概略図である。
【
図8】本発明の実施形態(例えば、802.11ax)における、20MHz帯域幅内におけるL−SIGのサブキャリアマッピングの簡単な概略図である。
【
図9】本発明の実施形態(例えば、802.11ax)における、追加のサブキャリアがL−SIG/RL−SIGに挿入された後に、L−SIG/RL−SIGを送信する手順を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態(例えば、802.11ax)における、追加のサブキャリアがL−SIG/RL−SIGに挿入された後に、L−SIG/RL−SIGを送信する別の手順を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態における、情報伝送装置の簡単な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態の解決策は、WLANネットワークシステムに適用可能であり得る。
図1は、本発明の実施形態1による、ワイヤレスローカルエリアネットワークにおける伝送方法が適用可能であるシナリオの概略図である。
図1に示されるように、WLANネットワークシステムは、1つのアクセスポイント101と、少なくとも2つの局102とを含み得る。
【0013】
アクセスポイント(AP、Access Point)は、ワイヤレスアクセスポイント、ブリッジ、またはホットスポットなどと呼ばれることもあり、サーバまたは通信ネットワークにアクセスし得る。
【0014】
局(STA、Station)は、ユーザ機器と呼ばれることもあり、WiFi通信機能をサポートする、ワイヤレスセンサ、ワイヤレス通信端末、またはモバイルフォン(もしくは「セルラー」フォンと呼ばれる)などのモバイル端末、およびワイヤレス通信機能を有するコンピュータとし得る。例えば、局は、音声またはデータなどの通信データを無線アクセスネットワークと交換する、WiFi通信機能をサポートする、ポータブルの、ポケットサイズの、ハンドヘルドの、コンピュータ内蔵の、ウェアラブルの、または車載のワイヤレス通信装置とし得る。いくつかの通信デバイスが、上述のアクセスポイントおよび上述の局の両方の機能を有し得ることを、当業者は知っており、本明細書においては、限定は課されない。
【0015】
図2は、802.11axにおけるパケット構造の簡単な概略図である。高効率シグナリングフィールドB(High Efficiency
Signaling Field B、HE−SIG B)は、ダウンリンクマルチユーザ伝送パケット内にだけ存在する。
【0016】
上述のパケット構造において、レガシーショートトレーニングフィールド(Legacy Short Training Field、L−STF)、レガシーロングトレーニングフィールド(Legacy Long Training Field、L−LTF)、およびレガシーシグナリングフィールド(Legacy
Signaling Field、L−SIG)は、レガシープリアンブル部であり、レガシープリアンブル部の機能の1つは、後方互換性特徴を実装することである。繰り返されるレガシーシグナリングフィールド(Repeated Legacy
Signaling Field、RL−SIG)は、L−SIGと全く同じであり、RL−SIGの機能の1つは、802.11axパケットを自動的に検出することである。
図3は、L−SIGの概略図である。L−SIGフィールドは、全部で24個の情報ビットを含み、レートおよび長さなどの制御情報を搬送することが知られることができる。
【0017】
既存の802.11acにおいては、L−SIGフィールド上において、コードレートが1/2のバイナリ畳み込みコーディング(Binary
Convolutional Code)を実行することによって、48個のエンコードされたビットが、獲得され、その後、インターリービング処理が、実行され、変調が、バイナリ位相偏移変調(Binary Phase Shift Key、BPSK)を用いて実行されて、48個のシンボルを獲得する。
【0018】
伝送帯域幅が、20MHzであるときは、1xモードにおいて、64個のサブキャリアが、存在し、サブキャリアのインデックスは、−32、...、−1、0、1、...、および31であり、隣接サブキャリア間の周波数間隔は、Δ
F=312.5kHzである。これらの64個のサブキャリアの中に、52個の利用可能なサブキャリアが、存在し、それらのシリアル番号は、−26、...、−1、1、...、および26である。52個のサブキャリアの中に、L−SIG伝送のために使用される48個のサブキャリアが、存在し、これらのサブキャリアのインデックスは、−26、...、−22、−20、...、−8、−6、...、−1、1、…、6、8、...、20、22、...、および26であり、残りの4つのサブキャリアは、パイロットシーケンスを搬送する。L−SIGの上述の獲得された48のシンボルは、インデックス−26、...、−22、−20、...、−8、−6、...、−1、1、...、6、8、...、20、22、...、および26を有するサブキャリアにマッピングされる。その後、パイロットシーケンスが、インデックス±7および±21を有するサブキャリアに挿入される。
【0019】
図4は、20MHz帯域幅内におけるL−SIGのサブキャリアマッピングの概略図である。直流サブキャリアは、描かれておらず、インデックス−32、...、−27、27、...、および31を有する空のサブキャリアも、描かれていない。パイロットシーケンスを搬送するサブキャリアは、区別のために、点線によって表されている。
【0020】
伝送帯域幅が、20MHzよりも大きいときは、(パイロットシーケンスを含む)L−SIGは、複製され、各20MHzサブチャネル上において位相回転される必要がある。すなわち、20MHz帯域幅内の、インデックス−26、...、−1、1、...、および26を有する(パイロットシーケンスを含む)サブキャリアの内容は、各20MHz帯域幅上において複製され、適切な位相回転が、各20MHz帯域幅に対して適用される。具体的に、40MHz帯域幅が、例として使用される。104個の利用可能なサブキャリアのインデックスは、−58、...、−33、−31、...、−6、6、...、31、33、...、および58である。20MHz帯域幅内の、インデックス−26、...、−1、1、...、および26を有する(パイロットシーケンスを含む)サブキャリアの内容は、40MHz帯域幅内の、インデックス−58、...、−33、−31、...、および−6を有するサブキャリア(すなわち、40MHz帯域幅内の第1の20MHz帯域幅内のL−SIGフィールドの利用可能なサブキャリア)と、インデックス6、...、31、33、...、および58を有するサブキャリア(すなわち、40MHz帯域幅内の第2の20MHz帯域幅内のL−SIGフィールドの利用可能なサブキャリア)とに、それぞれ複製される。その後、位相回転が、各20MHz帯域幅に対して適用される。具体的には、40MHz帯域幅内の、インデックス−58、...、−33、−31、...、および−6を有するサブキャリア上のシンボルは、位相回転係数γ(1)=1によって乗算され、40MHz帯域幅内の、インデックス6、...、31、33、...、および58を有するサブキャリア上のシンボルは、位相回転係数γ(2)=jによって乗算され、ここで、
【0022】
である。
図5Aおよび
図5Bは、40MHz帯域幅内におけるL−SIGの複製および位相回転の概略図である。複製および位相回転は、80MHz帯域幅および160MHz帯域幅内においても、同様に実行される。詳細は、説明されない。
【0023】
その後、逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform、IDFT)が、実行され、各伝送チェーン(transmit chain)および周波数セグメント(frequency segment)上において、対応するサイクリックシフト遅延(Cyclic Shift Delay、CSD)が、実行される。その後、ガードインターバル(Guard Interval、GI)が、挿入され、窓関数が、実行されて、L−SIGのベースバンド信号を獲得する。最後に、ベースバンド信号上において、周波数シフトが、実行され、その後、無線周波数ポートを使用することによって、ベースバンド信号が、伝送される。
図6は、802.11ac規格において、L−SIGを送信する手順を示している。
【0024】
しかしながら、802.11ac規格においては、レガシープリアンブル部のために、各20MHz帯域幅内に、52個の利用可能なサブキャリアが、存在する。48個のサブキャリアは、データを搬送するために使用され、残りの4つのサブキャリアは、パイロットを搬送するために使用される。しかしながら、最新の802.11ax規格においては、パケットのプリアンブル内のHE−SIG Aフィールド内における利用可能なサブキャリアの数は、52個から増加して、56個になる(利用可能なサブキャリアのインデックスは、−28、−27、−26、...、−1、1、...、26、27、および28である)。データを搬送するために使用されるサブキャリアの数は、48個から増加して、52個になり(サブキャリアのインデックスは、−28、−27、−26、...、−22、−20、...、−8、−6、...、−1、1、...、6、8、...、20、22、...、26、27、および28であり)、残りの4つのサブキャリアは、依然として、パイロットシーケンスを搬送する。
図7は、20MHz帯域幅内におけるHE−SIG Aフィールドのサブキャリアマッピングの概略図である。
【0025】
アクセスポイント(Access Point、AP)または局(Station、STA)が、HE−SIG A内のデータをデコードすることを可能にするために、インデックス−28、−27、−26、...、−22、−20、...、−8、−6、...、−1、1、...、6、8、...、20、22、...、26、27、および28を有する上述の52個のサブキャリアのチャネルが、推定される必要がある。インデックス−26、...、−22、−20、...、−8、−6、...、−1、1、...、6、8、...、20、22、...、および26を有する48個のサブキャリアのチャネルは、L−STFフィールドおよびL−LTFフィールドを使用することによって、推定され得る。しかしながら、L−STFおよびL−LTF内の、インデックス−28、−27、27、および28を有するサブキャリア上には、値が、存在せず、すなわち、4つのサブキャリアは、使用されていない。したがって、インデックス−28、−27、27、および28を有するサブキャリアのチャネルは、L−STFフィールドおよびL−LTFフィールドを使用することによって、推定されることができない。インデックス−28、−27、27、および28を有するサブキャリアのチャネルを推定するために、802.11axのドラフトにおいては、インデックス−28、−27、27、および28を有する追加の4つのサブキャリアが、L−SIG/RL−SIGフィールドに挿入される。このケースにおいて、20MHz帯域幅内のL−SIG/RL−SIGによって占有されるサブキャリアが、
図8に示されている。
【0026】
既存の802.11acにおけるL−SIG伝送方式においては、インデックス−28、−27、27、および28を有するサブキャリアは、使用されていない。したがって、802.11axにおいて4つのサブキャリアをどのように伝送するか、どのような内容が4つのサブキャリアによって搬送される必要があるか、および伝送帯域幅が20MHzよりも大きい場合に、処理をしかるべく実行するにはどうするかなどの問題に対する解決策は、存在しない。
【0027】
実施形態1
802.11axにおいては、RL−SIGは、L−SIGと全く同じである。したがって、以下の説明のために、L−SIGが、対象として使用され、RL−SIGに対しても、同様の処理が、実行される。
【0028】
より好ましい実施形態においては、L−SIG/RL−SIGフィールドが、生成または処理される。20MHz帯域幅内のL−SIG/RL−SIGフィールド内のインデックス−28、−27、27、および28を有するサブキャリアによって搬送される内容は、それぞれ、−1、−1、−1、および1であり、C1と表記される。その後、後続の処理が、実行される。例えば、生成または処理されたL−SIG/RL−SIGが、送信される。内容を使用することによって、追加のサブキャリアが挿入されるL−SIG/RL−SIGの最大PAPRは、2730個の異なる値において、きわめて小さくすることができる。
【0029】
代替として、別のより好ましい実施形態においては、L−SIG/RL−SIGフィールドが、生成または処理される。20MHz帯域幅内のL−SIG/RL−SIGフィールド内のインデックス−28、−27、27、および28を有するサブキャリアによって搬送される内容は、それぞれ、1、−1、−1、および1であり、C2と表記される。その後、後続の処理が、実行される。例えば、生成または処理されたL−SIG/RL−SIGが、送信される。内容を使用することによって、追加のサブキャリアが挿入されるL−SIG/RL−SIGの平均PAPRも、2730個の異なる値において、きわめて小さくなる。
【0030】
この実施形態においては、伝送帯域幅が、20MHzよりも大きい(例えば、40MHz、80MHz、または160MHzである)ときは、802.11acにおける処理方式に対して参照が行われ得る。(インデックス−28、−27、27、および28を有するサブキャリアを含む)上述のL−SIGが、各20MHzサブチャネル上において複製され、位相回転が、各20MHzサブチャネルに対して適用される。
図9は、L−SIG/RL−SIGを送信する(すべての伝送帯域幅に適用可能であり得、20MHz帯域幅チャネルにおいては、「各20MHzサブチャネル上において複製を実行する」ステップは、必要とされない)手順1を示している。この実施形態においては、802.11ac規格との相違は、802.11ac規格における既存のステップを実行することに加えて、コンステレーションマッピングモジュールが、インデックス−28、−27、27、および28を有するサブキャリア上において、上述の内容C1またはC2をさらに挿入するように構成されることを含む。
【0031】
この実施形態においては、具体的には、20MHz伝送帯域幅において、内容C1(−1、−1、−1、1)の、シミュレーションを用いて獲得される、最大PAPRは、10.45dBであり、20MHz帯域幅において、他のいくつかの内容の最大PAPRは、最大で12.06dBに達する。40MHz伝送帯域幅において、内容C1(−1、−1、−1、1)の最大PAPRは、13.14dBであり、40MHz帯域幅において、他のいくつかの内容の最大PAPRは、最大で14.59dBに達する。80MHz伝送帯域幅において、内容C1(−1、−1、−1、1)の最大PAPRは、12.45dBであり、80MHz帯域幅において、他のいくつかの内容の最大PAPRは、最大で14.28dBに達する。160MHz伝送帯域幅において、内容C1(−1、−1、−1、1)の最大PAPRは、13.84dBであり、160MHz帯域幅において、他のいくつかの内容の最大PAPRは、最大で15.32dBに達する。
【0032】
具体的には、20MHz伝送帯域幅において、内容C2(1、−1、−1、1)の、シミュレーションを用いて獲得される、平均PAPRは、6.74dBであり、20MHz伝送帯域幅において、他のいくつかの内容の平均PAPRは、最大で7.29dBに達する。40MHz伝送帯域幅において、内容C2(1、−1、−1、1)の平均PAPRは、9.56dBであり、40MHz帯域幅において、他のいくつかの内容の平均PAPRは、最大で9.97dBに達する。80MHz伝送帯域幅において、内容C2(1、−1、−1、1)の平均PAPRは、8.86dBであり、80MHz帯域幅において、他のいくつかの内容の平均PAPRは、最大で9.48dBに達する。160MHz伝送帯域幅において、内容C2(1、−1、−1、1)の
平均PAPRは、10.27dBであり、160MHz帯域幅において、他のいくつかの内容の
平均PAPRは、最大で11.35dBに達する。
【0033】
実施形態2
実施形態2は、実施形態1とは異なる。伝送帯域幅が、20MHzよりも大きいときは、複製および位相回転が、各20MHz帯域幅上において、L−SIG/RL−SIGに対して実行された後に、対応する値が、対応するサブキャリア内に挿入される。この実施形態においては、このケースにおいて、L−SIG/RL−SIGフィールド内の追加のサブキャリアは、異なる20MHzの帯域幅内において、異なる内容を搬送し得る。このように、2730個の異なる値におけるL−SIG/RL−SIGの最大PAPRまたは平均PAPRは、さらに低減されることができる。
【0034】
図10は、この実施形態において、伝送帯域幅が20MHzよりも大きいときに、L−SIG/RL−SIGを送信する手順を示している。
【0035】
図10においては、「伝送帯域幅に従って、対応するサブキャリアロケーションにおいて、対応する値を挿入する」モジュールが、特に説明される。
【0036】
(1)伝送帯域幅が、40MHzであるときは、内容1、−1、−1、1、−j、−j、−j、およびj、または内容−1、−1、1、1、j、−j、−j、および−jが、インデックス−60、−59、−5、−4、4、5、59、および60を有するサブキャリア内にそれぞれ挿入され、ここで、
【0038】
である。内容1、−1、−1、1、−j、−j、−j、およびjは、最大PAPRを最小化するルールに従って、決定され、内容の最大PAPRは、12.83dBであり、他のいくつかの内容の最大PAPRは、最大で14.59dBに達する。内容−1、−1、1、1、j、−j、−j、および−jは、平均PAPRを最小化するルールに従って、決定され、内容の平均PAPRは、9.39dBであり、他のいくつかの内容の平均PAPRは、最大で9.97dBに達する。
【0039】
(2)伝送帯域幅が、80MHzであるときは、内容1、−1、−1、−1、−1、1、1、1、1、1、1、−1、−1、1、1、および1、または内容1、−1、−1、1、−1、1、1、−1、1、1、1、1、−1、1、−1、および−1が、インデックス−124、−123、−69、−68、−60、−59、−5、−4、4、5、59、60、68、69、123、および124を有するサブキャリア内にそれぞれ挿入される。内容1、−1、−1、−1、−1、1、1、1、1、1、1、−1、−1、1、1、および1は、最大PAPRを最小化するルールに従って、決定され、内容の最大PAPRは、12.34dBであり、他のいくつかの内容の最大PAPRは、最大で14.28dBに達する。内容1、−1、−1、1、−1、1、1、−1、1、1、1、1、−1、1、−1、および−1は、平均PAPRを最小化するルールに従って、決定され、内容の平均PAPRは、8.73dBであり、他のいくつかの内容の平均PAPRは、最大で9.48dBに達する。
【0040】
(3)伝送帯域幅が、160MHzであるときは、内容−1、−1、−1、1、1、1、1、−1、1、1、1、−1、−1、−1、−1、1、−1、−1、−1、1、1、1、1、−1、1、1、1、−1、1、1、1、および−1、または内容1、−1、−1、1、−1、1、1、−1、1、−1、−1、1、1、−1、−1、1、−1、1、1、−1、1、−1、−1、1、−1、1、1、−1、−1、1、1、および−1が、インデックス−252、−251、−197、−196、−188、−187、−133、−132、−124、−123、−69、−68、−60、−59、−5、−4、4、5、59、60、68、69、123、124、132、133、187、188、196、197、251、および252を有するサブキャリア内にそれぞれ挿入される。内容−1、−1、−1、1、1、1、1、−1、1、1、1、−1、−1、−1、−1、1、−1、−1、−1、1、1、1、1、−1、1、1、1、−1、1、1、1、および−1は、最大PAPRを最小化するルールに従って、決定され、内容の最大PAPRは、13.79dBであり、他のいくつかの内容の最大PAPRは、最大で15.32dBに達する。内容1、−1、−1、1、−1、1、1、−1、1、−1、−1、1、1、−1、−1、1、−1、1、1、−1、1、−1、−1、1、−1、1、1、−1、−1、1、1、および−1は、平均PAPRを最小化するルールに従って、決定され、内容の平均PAPRは、10.10dBであり、他のいくつかの内容の平均PAPRは、最大で11.38dBに達する。
【0041】
本発明において提供されるL−SIG/RL−SIG伝送方法または装置によれば、L−SIG/RL−SIGは、良好なPAPRによって特徴付けられ、異なる帯域幅条件において、容易に実装される。
【0042】
本発明は、802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、もしくは802.11acによって代表されるWi−Fiシステムを含むが、それに限定されない、ワイヤレスローカルエリアネットワークに適用され得、または次世代Wi−Fiシステム、もしくは次世代ワイヤレスローカルエリアネットワークシステムに適用され得る。
【0043】
本発明は、上述の方法を実行し得る、情報伝送装置をさらに提供する。
図11は、本発明の実施形態における、情報伝送装置の概略構造図の例(例えば、アクセスポイント、局、およびチップなどの、図中のいくつかの構成要素は、任意選択である)である。図
11に示されるように、情報伝送装置1200は、汎用バスアーキテクチャとしてバス1201を使用することによって、実装され得る。バス1201は、情報伝送装置1200の特定のアプリケーションおよび全体的な設計制約条件に従って、任意の数量の相互接続されたバスおよびブリッジを含み得る。様々な回路が、バス1201を使用することによって、一緒に接続される。これらの回路は、プロセッサ1202と、記憶媒体1203と、バスインターフェース1204とを含む。情報伝送装置1200においては、ネットワークアダプタ1205などは、バスインターフェース1204を使用することによって、バス1201を介して接続される。ネットワークアダプタ1205は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク内の物理レイヤにおいて信号処理機能を実装し、アンテナ1207を使用することによって、無線周波数信号を送信および受信するように構成され得る。ユーザインターフェース1206は、キーボード、ディスプレイ、マウス、またはジョイスティックなどの、ユーザ端末に接続され得る。バス1201は、さらに、タイミング源、周辺デバイス、電圧レギュレータ、および電力管理回路などの、他の様々な回路に接続され得る。これらの回路は、当技術分野において知られている。したがって、詳細は、説明されない。
【0044】
代替として、情報伝送装置1200は、汎用処理システムとして構成され得る。汎用処理システムは、プロセッサ機能を提供する1つまたは複数のマイクロプロセッサと、記憶媒体1203の少なくとも一部を提供する外部メモリとを含む。すべての構成要素は、外部バスアーキテクチャを使用することによって、別のサポート回路に接続される。
【0045】
代替として、情報伝送装置1200は、プロセッサ1202と、バスインターフェース1204と、ユーザインターフェース1206と、記憶媒体1203の少なくとも一部とを含み、シングルチップ内に統合された、ASIC(特定用途向け集積回路)を使用することによって、実装され得る。代替として、情報伝送装置1200は、1つもしくは複数のFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、PLD(プログラマブル論理デバイス)、コントローラ、状態機械、ゲート論理、個別ハードウェア構成要素、他の任意の適切な回路、または本発明において説明される様々な機能を実行することができる回路の任意の組み合わせを使用することによって、実装され得る。
【0046】
プロセッサ1202は、バス管理と、(記憶媒体1203上に記憶されたソフトウェアを実行することを含む)汎用処理とを担う。プロセッサ1202は、1つまたは複数の汎用プロセッサおよび/または専用プロセッサを使用することによって、実装され得る。プロセッサは、例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPプロセッサ、またはソフトウェアを実行することができる別の回路を含む。ソフトウェアが、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、またはハードウェア記述言語など、どう呼ばれるかにかかわらず、ソフトウェアは、命令、データ、またはそれらの任意の組み合わせとして、広義に解釈されるべきである。
【0047】
図11においては、記憶媒体1203は、プロセッサ1202から分離されて示されている。しかしながら、記憶媒体1203または記憶媒体1203の任意の部分は、情報伝送装置1200の外部に配置され得ることを、当業者は容易に理解する。例えば、記憶媒体1203は、伝送線路、データ変調を用いて獲得されるキャリア波形、および/またはワイヤレスノードから分離されたコンピュータ製品を含み得る。すべての媒体は、バスインターフェース1204を使用することによって、プロセッサ1202によってアクセスされ得る。代替として、記憶媒体1203または記憶媒体1203の任意の部分は、プロセッサ1202内に統合され得、例えば、キャッシュおよび/または汎用レジスタであり得る。
【0048】
プロセッサ1202は、上述の実施形態を実行し得、詳細は、本明細書では説明されない。
【0049】
方法の実施形態のステップのすべてまたは一部は、関連ハードウェアに命令するプログラムによって実装され得ることを、当業者は理解し得る。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体内に記憶され得る。プログラムが、動作するとき、方法の実施形態のステップが、実行される。上述の記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを記憶することができる任意の媒体を含む。