【実施例】
【0044】
実施例1 (((5−フルオロ−2−ニトロ−1,3−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(メチレン))ジベンゼン
【化11】
THF(300ml)中のカリウムtert−ブトキシド(66.5g、593mmol)の懸濁液に、フェニルメタノール(ベンジルアルコール、66.3g、613mmol)のTHF溶液(60ml)を20分かけて滴下し、黄色の溶液を得た。他のアルコキシド試薬、例えばナトリウムtert−ブトキシド、カリウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、及びナトリウムメトキシドを使用することができる。あるいは、2−メチルテトラヒドロフランまたはジイソプロピルエーテルなどの他のエーテル溶媒を使用することができる。あるいは、THF中のリチウムヘキサメチルジシラザン(LiHMDS)の1M溶液にフェニルメタノールを内部温度1〜4℃で2h(2時間)かけて添加することができる。この黄色の溶液を、テフロン(登録商標)カニューレを介して2−Me−THF(400ml)中の化学抄録登録番号315−14−0の1,3,5−トリフルオロ−2−ニトロベンゼン(50.0g、282mmol)の透明な溶液に0〜10℃の内部温度で1時間かけて滴下し、得られた橙赤色溶液を0〜5℃で1時間、攪拌した。あるいは、1,3,5−トリフルオロ−2−ニトロベンゼンをTHFに溶解することができる。次に水(500ml)及びNaCl溶液(30ml、飽和)を加え、相を分離した。水相を2−Me−THF(250ml)で抽出し、有機相をブライン(600ml)で洗浄した。あるいは、水相をジクロロメタンで抽出することができる。有機相を合わせて、Na
2SO
4で乾燥させ、生成物の結晶化が始まるまで、黄色透明溶液を真空下で濃縮した。次に、2−Me−THF(150ml)及びEtOH(500ml)を添加し、懸濁液を氷浴中で3時間撹拌した。結晶を濾別し、氷冷したn−ヘプタン(200ml)で洗浄し、重量が一定になるまで真空下で乾燥して、化学抄録登録番号1639352−18−3の(((5−フルオロ−2−ニトロ−1,3−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(メチレン))−ジベンゼン(91.6g、1,3,5−トリフルオロ−2−ニトロベンゼンを基準にして89.9%)を淡黄色固体として得た。融点:117.8〜119.4℃。
1H−NMR(CDCl
3):δ7.44−7.27 (, 10H), 6.37 (d, J= 10.2 Hz, 2H), 5.18−5.06 (m, 4H)。MS (ESI): 352.1 [M−H]
−。C
20H
16FNO
4の計算値:C 67.98、H 4.56、N 3.96;実測値C 67.89、H 4.50、N 3.94。
【0045】
実施例2 2−アミノ−5−フルオロ−ベンゼン−1,3−ジオールIII
【化12】
化学抄録登録番号1639352−18−3の(((5−フルオロ−2−ニトロ−1,3−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(メチレン))−ジベンゼンIX(3.0kg、8.49mol)、Pd/C E101 N/D、5%Pd触媒(15g)及びiPrOAc(829kg)を、50Lのオートクレーブに連続的に充填し、オートクレーブをAr、次いで水素ガス(H
2)でパージした。Pd/C触媒は、マトリックス活性化炭素、wet support、Degussa型E101 NE/W、E101 N/D、E105R/W(Evonik Industries、Johnson Matthey)、タイプ128M(Evonik Industries)、5207 Escat 162(BASF)、Noblyst(登録商標)P1070またはNoblyst(登録商標)P1090(Evonik Industries)であってもよい。ベンジル及びニトロ基の還元には、炭素またはアルミナ担体上のパラジウム、白金またはルテニウムなどの他の不均質金属触媒を使用することができる。次いで、水素圧を2barに調整し、反応混合物を攪拌しながら28〜32℃に加熱し、この温度で21時間水素化した。反応混合物を周囲温度に冷却し、圧力を注意深く解放した。この反応を、2段階以上にわたって行
ってもよく、部分的に還元されたニトロまたはベンジル中間体、例えば5−フルオロ−2−ニトロベンゼン−1,3−ジオールを単離し、さらに水素ガス及び不均一系金属触媒で処理してIIIを得てもよい。
【0046】
反応混合物をAr下で濾過し、オートクレーブ及びフィルターをiPrOAcで洗浄し、粗水素化溶液を2つの類似の水素化
作業の生成物溶液と合わせた。次いで、溶媒を真空下で部分的に除去し、その際、生成物が沈殿し始めた。次いで、n−ヘプタン(40l)を加え、懸濁液を0〜5℃に冷却し、この温度で18時間撹拌した。この懸濁液を、予め冷却した(0〜5℃)フィルター乾燥機に移し、結晶をn−ヘプタン(15l、冷却)で洗浄し、乾燥させて、2−アミノ−5−フルオロ−ベンゼン−1,3−ジオールIII、化学抄録登録番号16393406−55−5(3.0kg、出発物質に基づいて81.9%)をベージュ色固体として得た。
1H−NMR (d
6−DMSO): δ 10.18−7.54 (m, 1H), 6.05 (d, J= 7.0 Hz, 2H), 3.96 (br d, J= 10.4 Hz, 1H)。
13C−NMR (d
6−DMSO): δ 154.6 (d, J= 230.3 Hz, 1C), 145.4, 145.3, 120.3, 99.6, 99.1。MS (EI
+): m/z 143.0 (M
+, 100%)。C
6H
6FNO
2の計算値: C 50.35, H 4.23, N 9.79; 実測値 C 50.36, H 4.33, N 9.72。
【0047】
あるいは、IXの還元を停止
することができ、脱ベンジル化されたニトロジオール中間体5−フルオロ−2−ニトロベンゼン−1,3−ジオール:
【化13】
を、ほぼ定量的収率で、及びGC分析による純度>95%の橙色固体として、単離することができる。
1H−NMR (d6−DMSO) δ 11.20 (s, 2 H), 6.24 (d, 2 H)。C
6H
4FNO
4の
分析計算値: C 46.63, H 2.33, N 8.09; 実測値 C 41.58, H 2.52, N 8.04。5−フルオロ−2−ニトロベンゼン−1,3−ジオールを、広範囲の炭素分散パラジウム、白金、白金−バナジウム、ならびにPt/C、Pt.V/C、Ra−Ni(ラネーニッケル)、及びRa−Coを含むニッケル
不均一系金属触媒を用いた不均一水素化によってIIIに還元した。
【0048】
実施例3 F−ベンゾキサジノリファマイシンI
3.1 ベンゾキノン
での完全バッチプロセス
500mlのガラス反応器中で、ChemShuttle Inc.、Fremont、CA、US7342011;US7271165;US7547692から市販されているリファマイシンS II(13.92g、20mmol)、2−アミノ−5−フルオロベンゼン−1,3−ジオールIII(4.9g、34mol、1.6当量)及びベンゾキノン(2.38g、24mmol、1.2当量)をiPrOAc(185mL)に溶解する。溶液を25℃で40時間撹拌する。溶液を研磨濾過し、次いで濾液を
エバポレートして乾燥させて、25.3gの粗製F−ベンゾキサジノリファマイシンIを得る(収率29.2%、分析値18.93%)。MS (EI
+): m/z 817.6 (M
+, 15%)。HPLC (方法A): 5.32分。
HPLC方法A:
試料調製:100mlのアセトニトリル中の50mgの物質
システム:Agilent 1200、バイナリ
溶離液A:ACN/H
2O 9:1+0.25%TFA
溶離液B:ACN/H
2O 1:9+0.25%TFA
カラム:x−Bridge C18 4.6×50mm、2.5μm
流速:1.5ml/分
注入:10μl
λ:220nm
カラム温度:40℃
勾配:
【表1】
ポストタイム:3分
【0049】
3.2 ベンゾキノン
でのバッチプロセス
500mlのガラス反応器中で、リファマイシンS II(20.0g、29mmol)、2−アミノ−5−フルオロベンゼン−1,3−ジオールIII(4.9g、35mmol、1.2当量)をiPrOAc(300mL)に溶解する。溶液を25℃で一晩撹拌する。次いで、溶液を−5.0℃に冷却し、ベンゾキノンのiPrOAc溶液(45mLの溶媒中、1.86g、17mmol、0.6当量)を8時間かけて添加する。次いで、追加のレゾルシノール(2.5g、17mmol、1.2当量)を25℃で添加し、混合物を一晩反応させる。この時間後、ベンゾキノンのiPrOAc溶液(0.93g、9mmol、22.5mL中0.3当量)を4時間かけて添加する。このレゾルシノールとベンゾキノンの逐次添加を、以下のように合計3サイクル繰り返す:
【表2】
【0050】
サイクルが完了したら、反応混合物をアスコルビン酸の水溶液(100ml、10%w/w)で抽出し、次いで水(100ml)で3回抽出する。有機相を
エバポレートして乾燥させて、33.7gの粗製F−ベンゾキサジノリファマイシンI(収率73.1%、分析値51.0%)を黒色泡状物として得る。MS (EI
+): m/z 817.6 (M
+, 89%)。HPLC (方法A): 5.34分。
【0051】
3.3 酸素ガスとTEMPO
でのバッチプロセス
1.5Lのガラス反応器中で、リファマイシンS II(40.0g、58mmol)、2−アミノ−5−フルオロベンゼン−1,3−ジオールIII(20.6g、144mmol、2.5当量)をiPrOAc(600mL)に溶解する。混合物をアルゴン下、60℃で2時間撹拌する。この時間の後、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、フリーラジカルTEMPO(Kaizer et al(2002)Jour.Mol.Cat.180:91−96)(0.90g、5.8mmol、0.1当量)を添加し、アルゴンを酸素ガスO
2(N
2中5v/v%)流(400mL/分)で置換する。反応混合物を60℃で22時間撹拌する。この混合物を室温に冷却し、その後、紙フィルターで濾過する。フィルターを酢酸エチル(300mL)で洗浄する。濾液を集め、Na
2S
2O
3(10%w/w、100mL)及びブライン(100mL)の水溶液で抽出する。有機相を集め、
エバポレートして乾燥させる。残渣を2%v/vのMeOHを含むDCM(150mL)に溶解し、シリカゲル(250g、溶離液:2%v/vのMeOHを含むDCM)でクロマトグラフィーにかける。生成物を含む画分を
エバポレートして乾燥させて、22.3gのF−ベンゾキサジノリファマイシンI(収率45%、分析値95%)を暗赤色固体として得る。1H NMR (600 MHz, CHCl
3): δ 14.42−14.33 (m, 1H), 10.29−10.00 (m, 1H), 6.77−6.62 (m, 1H), 6.58−6.48 (m, 1H), 6.39−6.35 (m, 1H), 6.10−4.60 (m, 4H), 4.04−3.90 (m, 1H), 3.61 (s, 1H), 3.50 (s, 1H), 3.35 (s, 1H), 3.11 (s, 1H), 2.33 (s, 1H), 2.29 (s, 1H), 2.23 (s, 2H), 2.16−2.11 (m, 6H), 2.05 (d, J = 18Hz, 2H), 1.78 (d, J= 12 Hz, 2H), 1.58−1.54 (m, 6H), 1.37−0.51 (m, 13H)。HRMS: m/z 818.3061 (質量の計算値: 818.3062)。HPLC (方法B): 5.86分。
HPLC方法B:
試料調製:アセトニトリル1ml中の2mgの物質
システム:Agilent 1200、バイナリ
溶離液A:H
2O
溶離液B:ACN
溶離液C:H
2O中の0.1%TFA
カラム:x−Bridge C18 4.6×50mm、2.5μm
流量:1.5ml/分
注入:2μl
λ:220nm
カラム温度:40℃
勾配:
【表3】
【0052】
3.4 ベンゾキノン
でのループプロセス
二重ジャケットガラス反応器を、静的混合要素を有するフローリアクターにT字接合部を介して接続する。T字接合部の第三の端部を、酸化剤溶液
を投与
するポンプに接続する。フローリアクターの出口は二重ジャケットガラス反応器に接続する。18Lのガラス反応器中で、リファマイシンS II(200.4g、288mmol)及び2−アミノ−5−フルオロベンゼン−1,3−ジオールIII(49.5g、347mmol、1.2当量)をiPrOAc(3.0L)に溶解する。溶液を25℃で一晩撹拌する。あるいは、II及びIIIをガラス反応器中でiPrOAcと20〜60℃で一晩混合する。次いで、−5.0〜5.0℃
で、構造化ミキサーフローリアクター(V=130ml)上でiPrOAc中のベンゾキノン溶液とともに、フローリアクターに溶液をポンプ輸送(5.2L/時)する(詳細は表を参照のこと)。次いで、得られる溶液を、25℃に保たれるバッ
チ反応器にポンプで戻す。ループプロセスは、ベンゾキノン投与時間中に実施する(表参照)。その後、追加のレゾルシノール(24.7g、173mmol、0.6当量)を25℃で添加し、混合物を一晩反応させる。ベンゾキノンとレゾルシノールの逐次添加を、以下の表に従って合計3回繰り返す。
【表4】
【0053】
サイクルが完了したら、反応混合物をアスコルビン酸の水溶液(1.0L、10%w/w)で抽出し、次に水(1.0L)で3回抽出する。有機相を
エバポレートして乾燥させる。残渣を2%v/vのMeOHを含むDCM(2.0L)に溶解し、シリカゲル(3.0kg、溶離液:2%v/vのMeOHを含むDCM、32L)でクロマトグラフィーにかける。生成物を含む画分を
エバポレートして乾燥させる。186.4gの生成物(収率81.5%、分析値85.5%)が黒い泡として得られる。泡を40℃でメタノール(8.0L)に溶解し、次いで水(4.8L)を4時間かけて添加する。懸濁液を40℃で2時間保持し、次いで0℃に8時間冷却し、この温度で2時間保持する。懸濁液を濾過し、水(0.5L)及びメタノール(0.3L)の溶液で洗浄し、水(0.8L)で2回洗浄する。黒色の結晶を10mbarの真空コンパートメント乾燥機で40時間乾燥する。148.8gのF−ベンゾキサジノリファマイシンIを暗赤色結晶として得る(収率63.4%、分析値97.4%)。
1H NMR (600 MHz, CHCl
3): δ 14.42−14.33 (m, 1H), 10.29−10.00 (m, 1H), 6.77−6.62 (m, 1H), 6.58−6.48 (m, 1H), 6.39−6.35 (m, 1H), 6.10−4.60 (m, 4H), 4.04−3.90 (m, 1H), 3.61 (s, 1H), 3.50 (s, 1H), 3.35 (s, 1H), 3.11 (s, 1H), 2.33 (s, 1H), 2.29 (s, 1H), 2.23 (s, 2H), 2.16−2.11 (m, 6H), 2.05 (d, J = 18Hz, 2H), 1.78 (d, J= 12 Hz, 2H), 1.58−1.54 (m, 6H), 1.37−0.51 (m, 13H)。HRMS: m/z 818.3069 (質量の計算値: 818.3062)。HPLC (方法A): 5.35分。
【0054】
3.5 TEMPO
でのバッチプロセス
反応器にi−PrOAc(355g)、リファマイシンS II(40.0g、57.5mmol)及び2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、フリーラジカル(TEMPO)(9.0g、 57.6mmol)を窒素ガス下で添加した。反応器の内容物を1時間、60℃に加温した後、2−アミノ−5−フルオロベンゼン−1,3−ジオールIII(8.0g、55.9mmol)をi−PrOAc(266g)中の溶液として1時間にわたってチャージした。さらにTEMPO(9.0g、57.6mmol)を加え、混合物を60℃で1時間撹拌した。追加の2−アミノ−5−フルオロ−ベンゼン−1,3−ジオールIII(8.0g、55.9mmol)を1時間、i−PrOAc(266g)中の溶液としてチャージし、続いて温度で2時間撹拌した。さらにi−PrOAc(10g)中のTEMPO(1.8g、11.5mmol)を加え、混合物を60℃で1時間撹拌した。追加の2−アミノ−5−フルオロ−ベンゼン−1,3−ジオールIII(1.6g、11.2mmol)をi−PrOAc(60g)中の溶液として1時間にわたって添加し、続いて2時間混合した。i−PrOAc(60g)の溶液として、2−アミノ−5−フルオロ−ベンゼン−1,3−ジオールIII(1.6g、11.2mmol)の最終チャージを1時間かけて加え、続いて60℃で2時間混合した。
【0055】
バッチを減圧蒸留下で体積の50%まで濃縮した。20〜25℃に冷却した後、ヘプタン(410g)をチャージし、シリカ(160g)のパッドで混合物を濾過し、Celite(登録商標)(40g)のパッドで覆った。パッドを1:1ヘプタン/i−PrOAc(943g)で洗浄し、合わせた濾液を濃縮して体積の5%にした。一旦20〜25℃に冷却すると、i−PrOAc(71g)、続いて1時間にわたってヘプタン(129g)をチャージした。内容物を20〜25℃で3時間撹拌した後、スラリーを濾過した。ケーキを3:1ヘプタン/i−PrOAc(39g)で洗浄した後、新しい反応器に移した。湿った物質をi−PrOAc(73g)に溶解し、20〜25℃で1時間攪拌した後、ヘプタン(129g)を1時間にわたって添加した。内容物を20〜25℃で3時間撹拌した後、スラリーを濾過し、3:1ヘプタン/i−PrOAc(39g)でケーキを洗浄した。最終的な湿ったケーキを真空下で乾燥させて、F−ベンゾキサジノリファマイシンI(23.5g、収率50.0%)を得た。
1H NMR (600 MHz, ベンゼン−d
6:クロロホルム−d
1 3:1, 60 ℃) δ 14.59 (s, 1H), 10.41 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.18 (p,
J = 1.1 Hz, 1H), 6.46 (dd, J = 10.3, 2.5 Hz, 2H), 6.29 (dd, J = 9.0, 2.4 Hz, 1H), 6.22 − 6.13 (m, 1H), 5.94 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 5.59 (s), 5.16 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.11 (dd, J = 12.3, 7.7 Hz, 1H), 3.76 − 3.60 (m, 1H), 3.44 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.13 (dd, J = 7.7, 5.6 Hz, 1H), 3.03 − 2.94 (m, 1H), 2.89 (s, 4H), 2.34 (s, 3H), 2.15 − 2.06 (m, 1H), 2.04 (d, J = 1.4 Hz, 3H), 1.65 (s, 3H), 1.57 (dddd, J = 14.1, 12.0, 6.9, 3.2 Hz, 3H), 0.94 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.65 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.43 (s, 5H), 0.43 − 0.32 (m, 4H)。
13C NMR (151 MHz, C
6D
6:CDCl
3 3:1, 60 ℃) δ 193.8, 184.4, 174.3, 171.8, 168.9, 168.3, 166.6, 158.1, 158.0, 144.9, 144.8, 143.4, 141.8, 140.6, 133.3, 131.6, 126.4, 120.1, 115.6, 114.8, 113.2, 112.7, 108.1, 107.8, 99.7, 99.5, 94.9, 94.7, 79.1, 78.4, 73.8, 73.4, 56.3, 41.3, 40.2, 37.3, 33.2, 22.2, 20.8, 20.4, 16.9, 11.2, 11.0, 7.7。
【0056】
実施例4:ジメチルアミノピペリジルリファIVa
【化14】
乾燥THF(135g)及びF−リファI(10.0g、12.2mmol)をN
2下で反応器にチャージした。反応器の内容物を0〜5℃に冷却した後、内部温度を≦5℃に維持しながらN,N−ジメチルピペリジン−4−アミン(2.3g、17.9mmol)を0.5時間にわたってチャージした。添加後、反応器の内容物を20〜25℃に加温し、2時間保持した。EtOAc(135g)をチャージし、混合物を0.5時間撹拌した。内容物を濾過し、EtOAc(25g)で洗浄した。合わせた濾液を真空下で25mL
体積まで蒸留した。20〜25℃に冷却した後、EtOAc(185g)、続いて7%NaHCO
3水溶液(45g)、25%NaCl水溶液(45g)、及び精製水(45g)をチャージした。相分離後、水層を除去し、25%NaCl水溶液(45g)及び精製水(45g)を有機相に添加した。水層を除去し、有機層を7%NaHCO
3水溶液(45g)、25%NaCl水溶液(45g)、精製水(45g)
での処理に供した。相分離後、水層を除去し、25%NaCl水溶液(45g)及び精製水(45g)を有機相に添加した。有機相を濾過し、濾液を25mL
体積まで濃縮してから、ヘプタン(90g)で希釈した。さらに25mLの
体積に濃縮した後、ヘプタン(90g)で希釈し、最終濃度を25mL
体積とした。懸濁液を濾過し、ヘプタン(2×20g)でケーキを洗浄して固体を得、これを
一度減圧下で乾燥させてジメチルアミノピペリジルリファIVa(10.6g、収率93.5%)を得た。
1H NMR (600 MHz, トルエン−d
8) δ 16.53 (s, 1H), 11.59 (s, 1H), 9.86 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 6.47 − 6.32 (m, 1H), 6.21 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 5.87 (s, 1H), 5.62 (s, 1H), 5.44 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 5.30 − 5.18 (m, 1H), 4.87 (dd, J = 14.6, 10.0 Hz, 1H), 3.58 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 3.26 − 3.11 (m, 2H), 3.03 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 2.91 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 2.73 (s, 3H), 2.64 (s, 3H), 2.28 (s, 2H), 2.24 (s, 3H), 2.15 (s, 3H), 2.04 (s, 6H), 2.00 (s, 1H), 1.97 − 1.89 (m, 1H), 1.79 (d, J = 28.4 Hz, 2H), 1.66 (s, 3H), 1.64 (s, 5H), 1.17 (d, J = 6.9 Hz, 6H), 0.78 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.49 (d, J = 6.5 Hz, 5H)。
13C NMR (151 MHz, Tol) δ 193.0, 182.6, 175.7, 175.1, 171.5, 171.2, 158.0, 157.2, 146.4, 145.2, 144.5, 142.2, 131.5, 131.0, 130.9, 128.9, 128.0, 119.6, 114.0, 112.6, 111.5, 109.4, 107.7, 106.3, 95.0, 92.9, 79.9, 79.0, 74.8, 73.8, 61.5, 55.2, 47.0, 46.4, 44.1, 42.4, 42.3, 37.3, 33.1, 29.2, 29.0, 23.6, 23.1, 21.4, 16.4, 13.2, 13.0, 11.7, 8.5。
【0057】
実施例5 N−((S)−1−(((S)−1−((4−(クロロメチル)フェニル)アミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イル)アミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミドV
乾燥N−メチルピロリドン、NMP(55g)及び6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−((S)−1−(((S)−1−((4−(ヒドロキシメチル)フェニル)アミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イル)アミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)ヘキサンアミド、MC−VC−PAB−OH(10.0g、17.5mmol)をN
2下で反応器にチャージした。
【化15】
【0058】
内容物を50〜55℃に1時間加温した後、0〜5℃に冷却した。塩化チオニル(2.6g、21.9mmol)を、≦5℃の温度で1時間にわたって反応器にチャージした。添加後、反応器の内容物を20〜25℃に加温し、1時間保持した。出発材料の残存をLCが示したため、バッチを0〜5℃に冷却し、塩化チオニル(0.2g、1.7mmol)を1時間にわたって反応器に加えた。添加後、内容物を20〜25℃に加温し、1時間保持した。バッチを0〜5℃に冷却し、温度を≦5℃に維持しながら水(170g)を添加した。得られたスラリーを濾過し、フィルターケーキを水(2×30g)で洗浄した。次いでケーキをEtOAc(30g)、CH
3CN(2×30g)、及びMTBE(1×30g)で洗浄した。湿ったケーキを真空下で20〜25℃で乾燥させて、淡く着色した固体を得た(8.3g、収率80%)。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6, 28 ℃) δ 10.02 (s, 1H), 8.06 (d, 7.5,
1H), 7.78 (d 8.7, 1H), 7.60 (d, 8.6, 2H), 7.36 (d, 8.6, 2H), 6.99 (s, 2H), 5.98
(bs, 1H), 5.40 (vbs, 1H), 4.71 (s, 2H),
4.38 (m, 1H), 4.19 (dd, .5, 6.9, 1H), 3.37 (t, 7.1, 2H), 3.03 (m, 1H), 2.94 (m,
1H), 2.18 (m, 1H), 2.12 (m, 1H), 1.97 (m, 1H), 1.70 (m, 1H), 1.60 (m, 1H), 1.48
(m, 5H), 1.37 (m, 1H), 1.19 (pen, 7.7, 2H), 0.85 (d, 6.8, 3H), 0.82 (d, 6.8, 3H)。
13C NMR (151 MHz, DMSO−d6, 28 ℃) δ 172.2, 171.2, 170.9, 170.6, 158.8, 138.9, 134.3, 132.2, 129.4, 119.0, 57.5, 53.0, 46.1, 38.5, 36.9, 34.8, 30.3, 29.2, 27.7,
26.7, 25.7, 24.8, 19.1, 18.1。
【0059】
実施例6 リンカー−抗生物質VI
【化16】
反応器に、NMP(495g)、ジメチルアミノピペリジルリファIVa(90.0g、97.1mmol)及びN−((S)−1−(((S)−1−((4−クロロメチル)フェニル)アミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イル)アミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミドV(60.0g、101.5mmol)をN
2下で加えた。内容物を55〜60℃に12時間加熱した。冷却後、EtOAc(1.2kg)をチャージし、内容物を4時間熟成させた。スラリーを濾過し、ケーキをEtOAc(158g)で洗浄した。フィルターケーキを真空下で20〜25℃で乾燥させて、粗製リンカー−抗生物質VIを暗青色固体として得た(137.1、収率93%)。
【0060】
精製:粗製リンカー−抗生物質VI(113.3g)を0.05%ギ酸(FA)(8.5L)を含む1:1アセトニトリル(ACN)/水に溶解した。溶液をCelite(登録商標)(200g)で濾過し、濾液を水中0.05%FA(34.0L)で処理した。希釈した溶液を予め平衡化したカラムにチャージし、続いて以下の移動相組成物で溶離した:
【表5】
【0061】
高度に架橋された水和ポリスチレンからなるHP20SS樹脂(DIAION(商標)HP20SS、Mitsubishi Chemical);30〜70%のベンゼン、エテニルベンゼンとエテニルエチルベンゼンとのジエテニル−ポリマーをカラムに
充填した。濃縮ステップは、粗製リンカー−抗生物質VI溶液を水中0.05%FA(165L)で最初に希釈することにより開始し、ACN/H
2O/FA:10/90/0.05の組成を得た。次いで、予め平衡化した樹脂(10/90/0.05)に希釈溶液を0.8L/分の速度でチャージした。溶出は、90/10/0.05で0.8L/分で37分間続けた。ブルーバンドがカラムから溶出し始め、すべての青色物質が1つの画分に集められたときに、生成物を回収した。捕捉画分の純度は94.4%(約10L)であった。カラムを60:40のMeOH/水(22.4L)ですすいだ。
【0062】
生成物のリンカー−抗生物質VIを含む画分を、25℃の最高温度で、溶媒(ACN)が凝縮しなくなるまで減圧濃縮した。濃縮物を移し、蒸留フラスコを注射用水(WFI、0.5L)ですすいだ。希釈した濃縮物を研磨濾過し、濾液を凍結乾燥して精製リンカー−抗生物質VIを暗青色固体として得た(45.6g、収率40.2%)。
1H NMR
(600 MHz, CD
2Cl
2:d4−MeOH 9:1, 4 ℃) δ 7.80 (d, 8.4, 2H), 7.42 (d, 8.3, 2H), 6.74
(dd, 15.9, 11.2, 1H), 6.69 s, 2H), 6.52
(s, 1H), 6.39 (s, 1H), 6.34 (d, 10.6, 1H), 6.17 (d, 12.8, 1H), 6.15 (dd, 15.9, 7.5, 1H), 4.96 (dd, 12.7, 7.5, 1H), 4.86
(d, 10.8, 1H), 4.49 (dd, 9.6, 4.0, 1H),
4.46 (s, 2H), 4.23 (m, 4H), 4.08 (d, 7.2, 1H), 3.79 (m, 1H), 3.61 (d, 10.4, 1H), 3.45 (t, 7.2, 2H), 3.25 (d, 7.3, 1H), 3.18 (m, 5H), 3.07 (m, 1H), 2.93 (s, 9H), 2.09 (m, 1H), 2.41 (m, 2H), 2.33 (m, 1H), 2.27 (s, 3H), 2.24 (m, 2H), 2.10 (s,
3H), 2.02 (m, 4H), 1.94 (s, 3H), 1.86 (m, 1H), 1.80 (s, 3H), 1.69 (m, 1H), 1.60
(m, 2H), 1.54 (m, 3H), 1.27 (m, 2H), 1.22 (m, 1H), 0.92 (m, 9H), 0.81 (d, 6.6, 3H), 0.79 (m, 1H), 0.02 (d, 6.8, 3H), −0.40 (d, 6.6, 3H)。
13C NMR (600 MHz, CD
2Cl
2:d4−MeOH 9:1, 4 ℃) δ 193.9, 183.2, 175.3, 174.7, 173.1, 172.0, 171.9, 171.8, 169.8, 161.2, 158.0, 156.1, 147.0, 145.4, 143.9, 141.6, 140.1, 134.6, 134.1, 133.6, 132.4, 132.0, 126.5, 121.7, 120.7, 119.3, 118.9, 112.5, 112.1, 110.6, 108.8, 108.1, 96.0, 91.5, 77.0, 76.8, 74.7, 74.1, 71.2, 65.9, 59.8, 57.0, 47.4, 46.6, 46.5, 40.3, 38.2, 38.0, 37.4, 36.2, 33.3, 31.0, 29.4, 28.8, 26.9, 26.1, 25.7, 22.5, 21.1, 20.5, 19.5, 18.6, 18.5, 10.6, 9.4, 8.3, 7.8。
【0063】
実施例7 抗WTA抗体−抗生物質複合体の調製におけるリンカー−抗生物質VIと抗体との複合体化
抗WTA抗体のシステイン改
変(THIOMAB(商標)、Genentech)変異体の構築及び産生を、以前に他の抗体について報告されたように行った(WO2014/194247、参照により援用する;Junutula,et al.,2008b Nature Biotech.,26(8):925−932)。簡潔に述べると、システイン残基を抗WTA重鎖のAla118位で改変し、そのcys118 THIOMAB(商標)変異体(HC A118C)を作製した。抗WTA抗体−抗生物質複合体は、システイン改変した抗WTA抗体をリンカー−抗生物質VI中間体に複合体化することによって調製した。複合体化の前に、その記載を本目的のために参照として援用するWO2004/010957に記載されている方法論による標準的な方法を用いて、システイン改
変抗WTA抗体をTCEPで部分的に還元した。部分的に還元した抗体を、例えばDoronina et al.(2003)Nat.Biotechnol.21:778−784及びUS2005/0238649に記載されている方法による標準的な方法
論を用いてリンカー−抗生物質VI中間体に複合体化した。簡潔に述べると、部分的に還元した抗体をVIと組み合わせて、リンカー−抗生物質中間体を、抗体の還元システイン残基へ複合体化できるようにした。複合体化反応を停止させ、AACを精製した。
各AACの抗生物質負荷(抗体あたりの抗生物質部分の平均数)を測定したところ、
単一のシステイン変異部位で改変した抗壁タイコ酸抗体について、約1〜約2
の間であった。
【0064】
複合体化のためのThioMabの還元/酸化:CHO細胞内で発現させた全長システイン改
変モノクローナル抗体(ThioMabs−Junutula,et al.,2008b Nature Biotech.,26(8):925−932;Dornan et al(2009)Blood 114(13):2721−2729;US7521541;US7723485;WO2009/052249,Shen et al(2012)Nature Biotech.,30(2):184−191;Junutula et al(2008)Jour of Immun.Methods 332:41−52)を、2mM EDTAを含む50mMトリスpH7.5中、約20〜40倍過剰のTCEP(トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩またはDTT(ジチオスレイトール)を用いて37℃で3時間または室温で一晩還元した。(Getz et al(1999)Anal.Biochem.Vol273:73−80;Soltec Ventures,Beverly,MA)。還元したThioMabを希釈し、pH5の10mM酢酸ナトリウム中のHiTrap Sカラムに負荷し、0.3M塩化ナトリウムを含むPBSで溶出した。あるいは10%酢酸の1/20
体積を添加して抗体を酸性化し、pH5の10mMコハク酸塩で希釈し、カラムにロードし、次いで10カラム
体積のコハク酸緩衝液で洗浄した。カラムをpH7.5の50mM トリス、2mM EDTAで溶出した。
【0065】
溶出した還元ThioMabを15倍モル過剰のDHAA(デヒドロアスコルビン酸)または200nM硫酸銅水溶液(CuSO
4)で処理した。鎖間ジスルフィド結合の酸化は約3時間以上で完了した。周囲空気による酸化も有効であった。再酸化した抗体をpH5の20mMコハク酸ナトリウム、150mM NaCl、2mM EDTAに透析し、−20℃で凍結保存した。
【0066】
Thio−Mab抗体とリンカー−抗生物質中間体VIとの複合体化:脱
ブロックされ、再酸化した、チオ抗体(ThioMab)を標的とする
壁タイコ酸(抗WTA)は、pH8の50mMトリス中の6〜8倍モル過剰などの過
剰のリンカー抗生物質中間体VI(DMSOストックから約20mMの濃度で)と、反応混合物のLC−MS分析での判定による反応完了(16〜24時間)まで、水性混合物中で反応させた。複合体化反応の水性混合物は、プロピレングリコール、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、及びジメチルスルホキシド(DMSO)から選択される溶媒を含んでいてもよい。
【0067】
その後、粗製抗体−抗生物質複合体(AAC)を、
20mMコハク酸ナトリウム
、pH5で希釈した後、カチオン交換カラムにアプライした。カラムを少なくとも10カラム容量
の20mMコハク酸ナトリウム
、pH5で洗浄し、抗体をPBSで溶出した。AACを、ゲル濾過カラムを用いて240mMスクロースを含む
20mM His/酢酸
、pH5中に製剤化した。タンパク質濃度を測定するためのUV分光法、凝集分析のための分析SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)、及びリジンCエンドペプチダーゼ処理前及び後のLC−MSによって、AACを特徴付けた。
【0068】
サイズ排除クロマトグラフィーは、Shodex KW802.5カラムを用いて、0.25mM塩化カリウム及び15%IPAを含むpH6.2の0.2Mリン酸カリウム中で、0.75ml/分の流速で実施した。AACの凝集状態は、280nmにおける溶出ピーク面積吸光度の積分によって測定した。
【0069】
LC−MS分析は、Agilent QTOF 6520 ESI機器を用いて行った。一例として、この化
学を用いて生成したAACを、pH7.5のトリス中の1:500w/wのエンドプロテイナーゼLys C(Promega)で、37℃、30分間処理した。得られた切断断片を、80℃に加熱した1000A、8umのPLRP−Sカラムに充填し、5分間で30%B〜40%Bの勾配で溶出させた。移動相A:0.05%TFAを含むH
2O。移動相B:0.04%TFAを含むアセトニトリル。流速:0.5ml/分。エレクトロスプレーイオン化及びMS分析の前に、タンパク質溶出を280nmでのUV吸光度検出によってモニタリングした。非複合体化Fcフラグメント、残留非複合体化Fab及び抗生物質−Fabのクロマトグラフィー分離が多くの場合に達成された。得られたm/zスペクトルをMass Hunter(商標)ソフトウェア(Agilent Technologies)を用いてデコンボリューションし、抗体断片の質量を計算した。
【0070】
前述の発明は、理解を明確にするために、例示及び実施例によって幾分詳細に記載されているが、説明及び実施例は、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。したがって、すべての適切な改変及び均等物は、以下の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内に含まれるものと見なし得る。本明細書中に引用するすべての特許及び科学文献の開示は、その全体を参照として明示的に援用する。
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
F−ベンゾキサジノリファマイシンIの製造プロセスであって、
【化17】
リファマイシンS II、2−アミノ−5−フルオロベンゼン−1,3−ジオールIII、と、TEMPO及びTEMPO類似体、周囲空気、酸素ガス、ベンゾキノン、酸化マンガン(MnO2)、(PhI(OTs)OH、過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)、クロラニル、過酸化水素、Fe2O3、Na2S2O8、Co(acac)3、Mn(acac)2、Cu(OAc)2、CuO、CuBr2、ZnCl2、InCl3、Ag(OTf)2、Sc(OTf)3、ならびにYb(OTf)3から選択される1つ以上の酸化剤とを反応させて、Iを形成することを含む、前記製造プロセス。
【化18】
(項2)
前記酸化剤が、酸素ガスを含む、項1に記載のプロセス。
(項3)
前記酸素ガスが、前記反応ガス相の約5%〜約100%を構成する、項2に記載のプロセス。
(項4)
前記酸化剤が、触媒量のTEMPOを含む、項2に記載のプロセス。
(項5)
前記酸化剤が、触媒量の銅塩を含む、項2に記載のプロセス。
(項6)
前記銅塩が酸化銅である、項5に記載のプロセス。
(項7)
前記酸化剤が、半連続プロセスによりIIIから分離され、IIがループプロセスにより改質されリサイクルされる、項2に記載のプロセス。
(項8)
II及びIIIの反応を、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、トルエン、メタノール、及びテトラヒドロフランから選択される溶媒中で行う、項1に記載のプロセス。
(項9)
F−リファIと、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、1−メチルピペラジン、N1−イソブチルピペラジン、及びN,N−ジメチルピペリジン−4−アミンから選択される第二級アミンR2NHとを反応させ、IVを形成することをさらに含む、項1に記載のプロセス。
【化19】
(項10)
前記第二級アミンがN,N−ジメチルピペリジン−4−アミンであり、IVが構造IVa
【化20】
を有する、項9に記載のプロセス。
(項11)
前記第二級アミンがN1−イソブチルピペラジンであり、IVが構造IVb
【化21】
を有する、項9に記載のプロセス。
(項12)
IVa及びVを反応させてリンカー−抗生物質VIを形成することをさらに含む、項9に記載のプロセス。
【化22】
(項13)
VIと抗体とを水性混合物中で反応させて抗体−リファマイシン複合体を形成することをさらに含む、項12に記載のプロセス。
(項14)
前記水性混合物が、プロピレングリコール、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、及びジメチルスルホキシド(DMSO)から選択される溶媒を含む、項13に記載のプロセス。
(項15)
前記抗体が抗壁タイコ酸抗体である、項13に記載のプロセス。
(項16)
VII及び塩化チオニルを反応させてVを形成することをさらに含む、項12に記載のプロセス。
【化23】
(項17)
Vを水から単離する、項16に記載のプロセス。
(項18)
2−アミノ−5−フルオロベンゼン−1,3−ジオールIIIの製造プロセスであって:
【化24】
(a)1,3,5−トリフルオロ−2−ニトロベンゼンVIIIと、フェニルメタノールと、リチウムビス(トリメチルシリルアミド)、リチウムジイソプロピルアミド、及びアルコキシド試薬から選択される塩基性試薬とを反応させて、(((5−フルオロ−2−ニトロ−1,3−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(メチレン))ジベンゼンIXを形成し;
【化25】
ならびに
(b)IXと、水素ガス及び不均一系金属触媒とを反応させてIIIを形成することを含む、前記製造プロセス。
(項19)
前記アルコキシド試薬が、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、及びナトリウムメトキシドから選択される、項18に記載のプロセス。
(項20)
前記アルコキシド試薬がカリウムtert−ブトキシドである、項18に記載のプロセス。
(項21)
前記不均質金属触媒が、炭素またはアルミナ担体上の、パラジウム、白金、またはルテニウムから選択される、項18に記載のプロセス。
(項22)
IXと、水素ガス及び不均一系金属触媒とを反応させて、脱ベンジル化中間体である5−フルオロ−2−ニトロベンゼン−1,3−ジオールを形成し、これを単離し、続いて水素ガス及び不均一系金属触媒でさらに処理してIIIを形成する、項18に記載のプロセス。