特許第6705906号(P6705906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6705906乗用車のBピラー用シーリング兼カバーストリップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6705906
(24)【登録日】2020年5月18日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】乗用車のBピラー用シーリング兼カバーストリップ
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/04 20060101AFI20200525BHJP
   B60J 10/77 20160101ALI20200525BHJP
【FI】
   B60R13/04 Z
   B60J10/77
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-545488(P2018-545488)
(86)(22)【出願日】2017年1月19日
(65)【公表番号】特表2019-510671(P2019-510671A)
(43)【公表日】2019年4月18日
(86)【国際出願番号】EP2017051022
(87)【国際公開番号】WO2017148613
(87)【国際公開日】20170908
【審査請求日】2018年10月29日
(31)【優先権主張番号】102016002681.2
(32)【優先日】2016年3月4日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509214067
【氏名又は名称】カデア ゲゼルシャフト フュール アンヴェンドゥング ウント レアリジールンク コンピューターウンタースシュトゥツター ジステーメ エムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001346
【氏名又は名称】特許業務法人 松原・村木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アートル、ハラルド
【審査官】 上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−520293(JP,A)
【文献】 特表2008−511488(JP,A)
【文献】 特開2002−154323(JP,A)
【文献】 特開2009−096228(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0267373(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/04
B60J 10/77
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗用車(1)の外部に面する外側装飾カバー(9)と、下層の支持カバー(10)を備えた乗用車(1)のBピラー(7)用シーリング兼カバーストリップ(8)であって、
前記装飾カバー(9)および前記支持カバー(10)は、共通の長辺の少なくとも一方側に、下降可能なサイドウインドウ(4,5)用のシーリング形材(11,12)を含み、
前記シーリング形材(11,12)は、2つのシーリング半部(13,13′,14,14′)からなり、一方の各半部(13,13′)は前記装飾カバー(9)に接続され、他方の各半部(14,14′)は前記支持カバー(10)に接続されていることを特徴とするシーリング兼カバーストリップ。
【請求項2】
前記シーリング形材(11,12)の前記シーリング半部(13,13′,14,14′)は、二色射出成形により、一方が前記装飾カバー(9)と、他方が前記支持カバー(10)と共に作られることを特徴とする請求項1に記載のシーリング兼カバーストリップ。
【請求項3】
前記装飾カバー(9)の目に見える表面に面している1つのシーリング半部(13,13′)の面は、前記装飾カバー(9)の前記目に見える表面に、隙間なく同化していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシーリング兼カバーストリップ。
【請求項4】
前記支持カバー(10)および前記装飾カバー(9)の長辺の両側に、シーリング形材(11,12)が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシーリング兼カバーストリップ。
【請求項5】
前記支持カバー(10)の上端に、前記乗用車(1)のルーフピラー側でウインドウ用縁取り(6)と同化するコーナーピース(16,17)が設けられ、
前記コーナーピース(16,17)は、二色射出成形により、前記支持カバー(10)と一体に作られることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシーリング兼カバーストリップ。
【請求項6】
前記装飾カバー(9)は、上端および下端に、前記装飾カバー(9)と一体に射出成形されるエンドピース(18)を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のシーリング兼カバーストリップ。
【請求項7】
前記装飾カバー(9)は、前記支持カバー(10)と物質間接着されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のシーリング兼カバーストリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアにフレームがない2ドアまたは4ドア乗用車のBピラー用シーリング兼カバーストリップに関する。乗用車のBピラーは、乗用車のフロントドアとリアドアとの間、或いはクーペの場合には、乗用車のフロントドアのサイドウインドウとリアの可動またははめ殺しのサイドガラスとの間に位置する。フレームのないサイドウインドウを備える車両では、Bピラーに直接シールが取り付けられる。このような場合、Bピラーは通常、支持カバーと装飾カバーを有しており、これらが共に、長辺のうち、下降可能なサイドウインドウ側にシーリング形材が挟持もしくは挿入される溝を形成する。このようなシーリングストリップは、例えば、ドイツ特許一次公報第10 2004 041 741(B3)号明細書により公知である。シール内に挿入または挟持すると、組立作業が増える。さらに、特に古い車両の場合には、シールはもはや強固に取り付けられていないので、Bピラーの装飾ストリップとシールとの間では、大きさにばらつきのある見た目に美しくない隙間が形成されることがある。シール自体は、2つの形材と、3つの角部のゴムから構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
したがって、本発明の目的は、車両を製造する間の組立作業を軽減し、見た目の美しさと品質を改善し、コストを削減するように、上述したタイプのシーリング兼カバーストリップを設計することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明によると、この目的は、請求項1の特徴によって解決される。カバーは、2つの半部から構成される。一体成形されたシールを含む装飾カバーと、一体成形されたシールを備えた支持カバーが連結され、単一の部品が形成される。シーリング形材は、支持カバーと装飾カバーの間に形成される溝内に挟持されることはなく、代わりに、シーリング形材は2つの半部に分割され、一方の半部が装飾カバーに接続され、他方の半部が支持カバーに接続される。支持カバーと装飾カバーが接続されるとすぐに、2つの半部により、これまで一体品として製造されていたシーリング形材が形成される。
【0004】
シーリング形材の各シール半部は、特に簡単な方法で、二色射出成形により、装飾カバーおよび支持カバーと接続することができる。このため、射出工程の間、第二の成分(ここでは、シール用のエラストマー材料)を射出注入するため、金型半部のうち一方のみを交換する必要がある。
【0005】
飾カバーの目に見える表面に面している方のシーリング半部の面が、装飾カバーの目に見える表面に隙間なく同化していることが特に好ましい。装飾カバー用のプラスチック材料の色とシーリング半部の色を適切に選択すると、Bピラー上のシーリング形材と装飾カバーとの間でほとんど違いを見分けることができない。
【0006】
本発明の有益な変形例として、支持カバーと装飾カバーの両長辺と下辺にシーリング形材が設けられている。この場合、リア車両ドアもフレームがないウインドウとすることができる。
【0007】
乗用車のルーフピラー側のウインドウフレームに同化するコーナーピースが支持カバーの上端に設けられることで、エンドピースがやはり二色射出成形により、一部が支持カバーに、一部が装飾カバーに割り振られて形成されるようにすれば、組立作業をさらに軽減することができる。
【0008】
同様に、シール半部は、下端において、カバー部品と一体に射出成形されるエンドピースを有していても良い。したがって、すべてのシーリング要素と、エンドピースおよびコーナーピースが接合されて、全部で2つの部品になる。有益な方法では、2つの部品(すなわち、装飾カバーと支持カバー)を、例えば、超音波溶接により、物質間接着することができる。
【0009】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、Bピラーを備えた乗用車を示す。
図2図2は、図1のBピラー用のシーリング兼カバーストリップを示す。
図3図3は、図2のシーリング兼カバーストリップを通り、III-III線に沿った断面図である。
図4図4は、図3の細部IVの拡大詳細図を示す。
図5図5は、図2のシーリング兼カバーストリップを通り、V-V線に沿った断面図を、拡大詳細図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示す乗用車は、フロントドア2の領域とリアドア3の領域の両方に、フレームのないウインドウ4,5を有する車両である。ルーフピラー6およびドアシャフトの領域では、ウインドウ4,5は、公知のウインドウ用縁取りによってシールされている。このため、Bピラー7の領域では、図2により詳細に示すシーリング兼カバーストリップ8が設けられている。図3を参照すると、シーリング兼カバーストリップ8は、車両の外側に面している外側装飾カバー9と、シーリング兼カバーストリップ8を車両のBピラーに締結する下層の支持カバー10とからなる。シーリング形材11,12は、支持カバー10および装飾カバー9の共通の長辺で、サイドウインドウ4,5用に設けられている。これらのシーリング形材11,12は、それぞれ2つのシーリング半部13,14または13′,14′からなり、一方の半部13または13′が装飾カバーに接続され、他方の半部14または14′が支持カバー10に接続される。
【0012】
シーリング兼カバーストリップ8の上端には、コーナーピース16,17が設けられ、当該コーナーピース16,17は、シーリング兼カバーストリップ8から上部のルーフピラーのウインドウ用縁取り6までの変遷部を形成する。これらのコーナーピース16,17とシーリング半部14,14′は、二色射出成形により、支持カバー10と一体に製造される。同様に、シーリング半部13,13′も、二色射出成形により、装飾カバー9と一体に接続される。
【0013】
同様に、ドアシャフトを覆うエンドピース18が、装飾カバー9および支持カバー10上に成形される。装飾カバー9および支持カバー10は、超音波溶接またはレーザ溶接により連結される。代わりに、2つの部品を接着することもできる。
【0014】
以下に、本発明の作用および機能をより詳細に説明する。
【0015】
シーリング形材11,12を個別の半部13,14または13′,14′に分けることにより、二色射出成形を利用して、これらの半部を装飾カバー9および支持カバー10と一体に作ることが可能となる。単に装飾カバー9を支持カバー10に接続するだけで、その後、シーリング形材11,12を支持カバーと装飾カバーの間に通す必要もなく、シーリング形材11,12が形成される。別の利点としては、他のすべてのエンドピースおよびコーナーピース16,17,18も装飾カバー9および支持カバー10と一体に製造することができるので、シーリング兼カバーストリップ8を完成させるために、装飾カバー9を支持カバー10に接続する必要があるだけである。このような方法では、製造工程と、とりわけシーリング兼カバーストリップの組み立てが著しく簡略化される。摩擦最適化エラストマー、熱可塑性エラストマーのようなシーリング機能に適した材料を使用することは、これまでのシステムにおける時間とコストがかかる組立作業を省けることを意味する。
図1
図2
図3
図4
図5