(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記二つの頭部側結晶面と、前記二つの垂直面とが、交差する前記辺が、前記ホイールの半径方向において前記外周面よりも前記回転軸線側に近い位置に配置されている請求項3に記載の歯車研削用ねじ状砥石の成形用電着ダイヤモンドドレッサ。
前記二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面と、前記二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面と互いに対向する前記二つの頭部側ミラー指数{1,1,1}面とが、交差する前記頂部が、前記ホイールの半径方向において前記外周面よりも前記回転軸線側に近い位置に配置されている請求項2に記載の歯車研削用ねじ状砥石の成形用電着ダイヤモンドドレッサ。
前記取付溝形成工程は、さらに、各前記取付溝の深さ寸法を、取り付けられる各前記八面体単結晶ダイヤモンド砥粒における110°の角度を成して稜線で隣接する前記二つの基端側ミラー指数{1,1,1}面の互いに離間した側の前記頂部が、前記ホイールの半径方向において前記外周面よりも前記回転軸線側に近い位置に配置可能な深さ寸法に形成する請求項7に記載の歯車研削用ねじ状砥石の成形用電着ダイヤモンドドレッサの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
以下、本発明に係る歯車研削用ねじ状砥石の成形用電着ダイヤモンドドレッサの実施形態について図面を参照して説明する。
成形用電着ダイヤモンドドレッサ1は、
図1及び
図2に示すように、ホイール2と、ホイール2に設けられたダイヤモンド砥粒層3と、ホイール2の外周面22に設けられた八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4とを備えている。
【0011】
(ホイール)
ホイール2は、
図1および
図2に示すように、例えば、鋼製部材で、外周に向って薄くなるテーパ面21を表裏二面(表テーパ面21f、裏テーパ面21b)備え円盤状に形成されている。調質鋼製部材として、例えば、焼入れ、焼戻し鋼(SUJ)などが用いられる。表テーパ面21fは、ホイール2の中央部分に設けられた肉厚円盤部23の表面から連続して外周面22まで延在している。裏テーパ面21bは、ホイール2の中央部分に肉厚に設けられた肉厚円盤部23の裏面より、肉厚が薄くなる方向に段差が形成された段部24の表面より連続して外周面22まで延在している。外周面22は、外周に向って薄くなるように設けられた表テーパ面21fおよび裏テーパ面21bにより、回転軸線CLに沿った方向の幅が狭小に形成されている(
図3および
図4参照)。
なお、ホイール2において、ダイヤモンド砥粒層3が所定幅で帯状に広く形成される表テーパ面21fが形成される側を表側といい、表テーパ面21fより狭い幅でダイヤモンド砥粒層3が帯状に形成される裏テーパ面21bが形成される側を裏側という。ホイール2の表テーパ面21fには、外周縁部26に所定の幅で帯状に表帯状部25fが形成されている。また、裏テーパ面21bには、外周縁部26に表帯状部25fより狭い幅で裏帯状部25bが形成されている。表帯状部25fおよび裏帯状部25bには複数の小粒径ダイヤモンド砥粒31が後述するめっき層で鍍着されたダイヤモンド砥粒層3が形成されている。
【0012】
(ダイヤモンド砥粒層)
ダイヤモンド砥粒層3を構成する小粒径ダイヤモンド砥粒31は、例えば、粒度が♯60/80のものが使用される。小粒径ダイヤモンド砥粒31は、電気めっきにより形成される電気めっき層32によりホイール2に鍍着されてダイヤモンド砥粒層3を形成する。
【0013】
(取付溝)
ホイール2の外周面22には、
図9に示すように、対向する溝内両壁面51a,51bが110°を成し、溝筋52がホイール2の回転軸線CL方向に平行に延在する取付溝5が複数(本実施形態では80箇所)設けられている。各取付溝5には、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4が各一個ずつ固着されている。八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、
図7に示すように、オクタヘドロンタイプといわれる正八面体を成し、粒度として例えば♯16/18のものを使用する。
図9に示す取付溝5の溝内両壁面51a,51bは、110°の所定角度を成して形成されている。溝内両壁面51a,51bには、
図11に示すように、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4の110°の角度を成して隣接する二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面M1,M2を合せて取り付ける。(ここで、二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面とは、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4の八つのミラー指数{1,1,1}面のうち、ホイール2の回転軸線CL側(取付溝5側)に配置され、取付溝5の溝内両壁面51a,51bに接着される二つのミラー指数{1,1,1}面をいうものとする。また、二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面が、「取付結晶面」に対応する。)また、頭部側ミラー指数{1,1,1}面とは、取付結晶面として取付溝5側に位置された二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面に対向する取付溝5とは反対側に配置された二つのミラー指数{1,1,1}面をいうものとする。
【0014】
この場合、取付溝5は、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4が取り付けられる場合に、
図7および
図9に示すように、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4における二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面M1,M2と、二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面M1,M2と互いに対向する二つの頭部側ミラー指数{1,1,1}面H1,H2とが交差する頂部42,43(頂部42は、座標(1,0,0)、頂部43は、座標(−1,0,0)で表される。)を、ホイール2の半径方向において、外周面22より回転軸線CL側に近い位置に配置可能に形成されている(
図7および
図11参照)。
【0015】
取付溝5の溝内両壁面51a,51bと、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4の110°で隣接する二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面M1,M2とは、接着剤6により接着されている。接着剤6としては、例えば、エポキシ樹脂系の非導電性接着剤が使用される。
【0016】
(八面体単結晶ダイヤモンド砥粒)
八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、小粒径ダイヤモンド砥粒31とともに、電気めっき層32で、ホイール2の外周面22に鍍着されている(
図5、
図6および
図15参照)。この場合、電気めっき層32は、二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面M1,M2と、二つの頭部側ミラー指数{1,1,1}面H1,H2とが、交差する頂部42,43を、覆って八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4を、外周面22に鍍着している(
図5、
図6、
図7および
図15参照)。このようにして、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、電気めっき層32により強固にホイール2の外周面22に鍍着されている。
なお、
図3から
図6に示される八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、八面体結晶のままの形状ではなく、ダイヤモンド砥粒層3に並んだ小粒径ダイヤモンド砥粒31の刃面に整合させて成形された形状となっている。劈開面CSとは、結晶が特定の方向に割れやすい場合にその方向の面をいい、八面体単結晶ダイヤモンド4の場合、{1,1,1}面に平行な面(この場合もミラー指数{1,1,1}面)となる。八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、
図5および
図6に示すように、外表面に劈開面CSに平行な面ミラー指数{1,1,1}面を有している。劈開面CS以外の箇所を加工する場合には、ダイヤモンド同士を摺り合わせて研磨する。ホイール2の外周面22に複数配置された八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4の間にも小粒径ダイヤモンド砥粒31が配置されている。八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、取付溝5が形成されなかったとした場合のホイール2の外周面22に、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4が取り付けられた中心位置において接する仮想上の平面と、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4の劈開面CSとが、平行ではなく35°の角度で交差するよう位置決めされている。
【0017】
ホイール2の中心には、駆動軸SFr,SFl(
図16参照)の軸端に突出する芯合わせボスに嵌合する中心穴27が貫設されている。中心穴27の周囲には、雌ねじが形成された雌ねじ穴28およびボルトが挿通するボルト穴29が三つずつ形成されている(
図1および
図2参照)。
【0018】
(製造方法の手順)
次に、歯車研削用ねじ状砥石の成形用電着ダイヤモンドドレッサ1の製造方法を
図8〜
図15等に基づき以下に説明する。
ホイール2は、例えば、研削盤により円盤状に形成される(ホイール形成工程・ステップ101(以下、ステップを「S」で略記する。))(
図8参照)。ホイール2は、調質鋼製部材により形成され、外周に向って薄くなるように、表テーパ面21fと裏テーパ面21bと外周部の表裏に夫々形成される。表テーパ面21fは、ホイール2の中央部分に設けられた肉厚円盤部23の表面から連続して外周面22まで延在するように形成される。ホイール2の裏側中央部分に肉厚に設けられる肉厚円盤部23が形成され、肉厚円盤部23の外周部には肉厚が薄くなる方向に段差が生じた段部24が形成される。裏テーパ面21bは、段部24の薄く形成された端部の表面より連続して外周面22まで延在するように形成される。
【0019】
ホイール2の中心部には、駆動軸SFr,SFl(
図16)が貫通する中心穴27が貫設される。中心穴27の周りには、雌ねじが螺設された雌ねじ穴28と、ボルトを挿通させるボルト穴29とが三つずつ設けられる(
図1参照)。
【0020】
次に、取付溝5が、ホイール2の外周面22に、例えば、ワイヤー加工によって形成される(取付溝形成工程・S102)(
図9参照)。取付溝5は、
図7および
図9に示すように、ホイール2の回転軸線CLの方向に沿って溝筋52が延在し対向する溝内両壁面51a,51bが110°の角度を成し、取り付けられる各八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4における110°の角度を成して稜線41で隣接する二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面M1,M2の互いに離間した側の二つの頂部42,43を、ホイール2の半径方向において外周面22よりも回転軸線CL側に近い位置に配置可能な深さ寸法に形成する(
図9および
図11参照)。取付溝5は、ホイール2の外周面22に所定間隔で複数(本実施形態では80箇所)形成する。
【0021】
次に、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4が、取付溝5の溝内両壁面51a,51bに接着される(八面体単結晶ダイヤモンド砥粒接着工程・S103)(
図10・
図11参照)。この場合、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4における110°の角度を成して稜線41で隣接する二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面M1,M2を、接着剤6により溝内両壁面51a,51bに接着する。接着剤6としては、非導電性接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤を使用できる。
【0022】
次に、複数の小粒径ダイヤモンド砥粒31が、ホイール2のテーパ面21における帯状部25f、25bおよびホイール2の外周面22に接触させられる(小粒径ダイヤモンド砥粒接触工程・S104)(
図13参照)。この接触は、図略の容器内に収納した複数の小粒径ダイヤモンド砥粒31をテーパ面21および外周面22に接触させておこなう。
【0023】
次に、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4が接着されかつ小粒径ダイヤモンド砥粒31が接触したホイール2が、ニッケル溶液中における電気めっきにより仮鍍着される(第一電気めっき工程・S105)(
図12・
図14参照)。電気めっき槽7には、例えば、ホウ酸、硫酸ニッケル、塩化ニッケル等を混合しためっき液71が収納されている。めっき液71中には、陽極としてニッケル電極72が設けられている。陰極としてホイール2が割り当てられる。陰極の端子に接続された導電性の支持部材73のフランジ部73aには、ホイール2がナット74により締結され、ホイール2は底板75と塩ビ製のブラケット76によりゴム製のマスキング部材77を上下方向から挟持されている。この電気めっきにより、ホイール2の表面に接触した小粒径ダイヤモンド砥粒31とホイール2との間に電気めっき層32が形成され、小粒径ダイヤモンド砥粒31をホイール2の表面に仮鍍着を行う(
図14参照)。
【0024】
次に、ホイール2の表面に仮鍍着されていない余剰の小粒径ダイヤモンド砥粒31が取り除かれる(余剰小粒径ダイヤモンド砥粒除去工程・S106)(
図14参照)。これにより、一層の砥粒層として形状精度の高いダイヤモンド砥粒層3を形成することができる。
【0025】
次に、余剰の小粒径ダイヤモンド砥粒31が除かれたホイール2に、さらに電気めっき層32が形成される(第二電気めっき工程・S107)(
図15参照)。電気めっき層32をさらに成長させて形成することで、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4において、二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面M1,M2と、二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面M1,M2と互いに対向する二つの頭部側ミラー指数{1,1,1}面H1,H2とが、交差する頂部42,43を覆って八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4を外周面22に鍍着する。この場合、電気めっき層32は、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4の基端側(八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4がホイール2に固着される側)をホイール2の外周面22に強固に本鍍着する。
【0026】
(作動)
次に、本実施形態における歯車研削用ねじ状砥石の成形用電着ダイヤモンドドレッサ1を使用して、歯車研削用ねじ状砥石(以下、ねじ状砥石という。)Wをドレッシングする場合について簡単に説明する。
まず、
図16に示すように、同軸に並んだ二つの駆動軸SFr,SFlの対向する端部には夫々成形用電着ダイヤモンドドレッサ1がボルトB等によって相対回転不能に設けられている。二つの成形用電着ダイヤモンドドレッサ1(1R,1L)は、ダイヤモンド砥粒層3が設けられた表テーパ面21fを対向して配置されている。駆動軸SFr,SFlは、減速装置(図略)を介して駆動モータ(図略)により駆動トルクが伝達されて回転する。駆動軸SFr,SFlの回転速度は、減速装置におけるギヤ比を切替える機構によって任意の周速度に変更されるよう構成されている。二つの駆動軸SFr,SFlは、回転軸線CL方向に接近離間する接離移動機構(図示せず)に組み込まれている。
【0027】
被研削物であるねじ状砥石Wは、駆動軸SFr,SFlとは異なる周速度で回転可能な図略の回転軸に相対回転不能に組み付けられている。駆動軸SFr,SFlとねじ状砥石Wが組み付けられた回転軸とは、互いに平行な状態で接近離間可能とする図略の切込移動機構(図示せず)に組み込まれている。また、駆動軸SFr,SFlとねじ状砥石Wが組み付けられた回転軸とは、ねじ状砥石Wが組み付けられた回転軸の回転に連動して軸方向に相対移動可能とする送り移動機構(図示せず)に組み込まれている。
【0028】
ドレッシングを実施する際に、例えば、成形用電着ダイヤモンドドレッサ1の周速度よりもねじ状砥石Wの周速度を低くして、成形用電着ダイヤモンドドレッサ1とねじ状砥石Wとが接触点において同一の接線方向に回転するよう互いに逆方向に回転させる。そして、切込移動機構によって切り込み量を調節しながら接近させてねじ状砥石Wのねじ歯の谷の側面(フランク面WF)をドレッシングする。そして、ねじ状砥石Wのねじ形状の回転に同期させて送り移動機構により、成形用電着ダイヤモンドドレッサ1とねじ状砥石Wとを軸方向に相対移動させて、ねじ状砥石Wのフランク面WFおよび谷底部WBを連続してドレッシングする。この場合、二枚の成形用電着ダイヤモンドドレッサ1の切り込み量を切込移動機構によって同期させ、かつ送り移動機構により二枚の成形用電着ダイヤモンドドレッサ1の送り移動量を夫々のフランク面WFr,WFlの側面形状に合せて調節する。
【0029】
ドレッシングにおいて、フランク面WFや谷底部WBに外周面22が接触した場合、外周部両側に設けられた表テーパ面21f、裏テーパ面21bにより幅が狭小となった外周面22で主に八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4がドレッシングする。そのため、精工なねじ状砥石Wの形状に合せて高精度のドレッシングを行なうことができる。そして、外周面22には、周方向に複数の八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4が配置されているので、主に八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4がドレッシングを実行し、小粒径ダイヤモンド砥粒31の脱落を防止し、ひいてはホイール2自体が損傷することを防止することができる。
【0030】
(従来との比較データ)
図17に示すように、従来のドレッサを使用してドレッシングした場合と、外周面に八面体単結晶ダイヤモンド砥粒を配置した本実施形態のドレッサとをドレッシングした場合、従来のものでは900回ドレッシングできたのに対し、本件成形用電着ダイヤモンドドレッサ1は、1600回以上ドレッシングすることができ、約1.8倍の耐久性が認められた。
【0031】
上記の記載で明らかなように、本実施形態における歯車研削用ねじ状砥石の成形用電着ダイヤモンドドレッサ1は、歯車研削用ねじ状砥石の成形用電着ダイヤモンドドレッサ1において、外周面22に向って薄くなるように外周部の両側に表テーパ面21f、裏テーパ面21bを備えた円盤状に形成され回転軸線CLの回りに回転駆動される調質鋼製のホイール2と、表テーパ面21f、裏テーパ面21bの外周縁部に所定幅で帯状に延在し、複数の小粒径ダイヤモンド砥粒31が電気めっき層32で鍍着されたダイヤモンド砥粒層3と、ホイール2の外周面22に回転軸線CLと平行に形成され、所定角度を成す溝内両壁面51a,51bを有する複数の取付溝5と、小粒径ダイヤモンド砥粒31よりも大きい粒状に形成され、所定角度と等しい二つの基端部側ミラー指数面M1,M2(取付結晶面(八面体の結晶面oc1,oc2))を有し、二つの基端部側ミラー指数面M1,M2を溝内両壁面51a,51bに取り付けたとき、ホイール2の外周面22と平行になる面が劈開面CSとならない結晶である八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4と、を備え、各八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、二つの基端部側ミラー指数面M1,M2がホイール2の取付溝5の溝内両壁面51a,51bに電気めっき層32で鍍着されている。
【0032】
従来、外周面22に向って薄くなるホイール2は、外周部両側に設けられた表テーパ面21fおよび裏テーパ面21bにより外周面22は狭小となっており、単位面積当たりの小粒径ダイヤモンド砥粒31の数が少ない。そのため、外周面22に配置された小粒径ダイヤモンド砥粒31には大きなドレッシング負荷がかかる。しかし、ホイール2の外周面22に、周方向に沿って大きい粒状の八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4が複数鍍着され、ドレッシングする際に八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4が主にドレッシングを実行する。そのため、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4がダイヤモンド砥粒層3に加わる負荷を軽減し、小粒径ダイヤモンド砥粒31の脱落を防止し、さらにホイール2自体の損傷を防止してドレッサとしての寿命を延ばすことができる。
また、ホイール2の外周面22には、回転軸線CLと平行に、所定角度110°を成す溝内両壁面51a,51bを有する複数の取付溝5が形成され、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、溝内両壁面51a,51bの所定角度110°と等しい二つの基端部側ミラー指数面M1,M2で、ホイール2の外周面22と平行になる面が劈開面CSとならないように溝内両壁面51a,51bに鍍着される。そのため、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、破砕しにくくかつ強固にホイール2に固着されドレッサとしての寿命を延ばすことができる。
【0033】
八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、回転軸線CLに溝筋52が平行な取付溝5の溝内両壁面51a,51bに、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4における110°の角度をなして稜線41で隣接する取付結晶面としての二つの基端側ミラー指数{1,1,1}面M1,M2において、強固に固定されている。そのため、ドレッシングの際に、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4に加わる周方向および半径方向からのドレッシング負荷による力が、ホイール2の溝内両壁面51a,51bに作用され、めっき層32によって八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4が確実に鍍着される。これによって、ダイヤモンド砥粒層3の損傷が防止され、ドレッサとしての寿命を延ばすことができる。
八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、ミラー指数{1,1,1}面に対して平行に働く力に対しては、その劈開性より割れやすい傾向がある。しかし、本実施形態の八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、溝筋52が回転軸線CLに平行な取付溝5の溝内両壁面51a,51bに、二つの基端側ミラー指数{1,1,1}面M1,M2において、固定されている。そのため、大きいドレッシング負荷がかかるホイール2の周方向が、ドレッシングを行う頭部側ミラー指数{1,1,1}面H1,H2に対して35°の角度を成すため、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、割れにくくドレッサとしての寿命を長く保持することができる。
【0034】
また、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面M1,M2と二つの頭部側ミラー指数{1,1,1}面H1,H2とが交差する頂部42,43を、めっき層32により覆って鍍着されている。そのため、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、取付溝5から脱落しにくい構造となる。これによって、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4の脱落によるホイール2自体の損傷を防止するとともに、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4を使用してドレッシングできるドレッサとしての寿命を延ばすことができる。
【0035】
また、ホイール2は、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4によりホイール2の外周面22の小粒径ダイヤモンド砥粒31にかかる負荷が軽減され、従来よりホイール2自体への損傷が防止される。そして、小粒径ダイヤモンド砥粒31および八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、めっき層32でホイール2に鍍着されている。そのため、剥離剤等でめっき層32を剥離することで、小粒径ダイヤモンド砥粒31および八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4をホイール2から除去して、損傷の無い使用済みのホイール2を新たなドレッサとして容易に再生させることできる。
また、外周に向って薄くなるホイール2の外周部の両側に設けられた表テーパ面21f、裏テーパ面21bにより狭小となったホイール2の外周面22には、周方向に沿って配置された複数の八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4が設けられている。そのため、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4によってねじ状砥石Wの精工に形成されたフランク面WFや谷底部WBを、高い精度でドレッシングすることができる。
【0036】
また、ホイール2の外周面22において、複数の八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4間に、小粒径ダイヤモンド砥粒31がめっき層32で鍍着されている。
これによると、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4間に鍍着された小粒径ダイヤモンド砥粒31によって、ホイール2の外周面22が損傷するのを確実に防止することができる。
【0037】
二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面M1,M2と、二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面M1,M2と互いに対向する二つの頭部側ミラー指数{1,1,1}面H1,H2とが、交差する頂部42,43が、ホイール2の半径方向において外周面22よりも回転軸線CL側に近い位置に配置されている。
これによると、各八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面M1,M2と二つの頭部側ミラー指数{1,1,1}面H1,H2とが、交差する頂部42,43が、ホイール2の半径方向において外周面22よりも回転軸線CL側に近い位置に配置されている。そのため、各八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、各取付溝5内に半分以上が嵌まり込んだ状態で安定して固定することができ、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4がホイール2の外周面22より脱落しにくく、寿命の長いドレッサとすることができる。
【0038】
小粒径ダイヤモンド砥粒31の粒度は、♯20/30〜♯100/120であり、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4の粒度は、♯12/14〜♯60/80である。
これによると、ダイヤモンド砥粒層3を構成する小粒径ダイヤモンド砥粒31の保護に適合した粒度比となる粒度の八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4を容易に設定して、寿命の長いドレッサとすることができる。
【0039】
歯車研削用ねじ状砥石Wの成形用電着ダイヤモンドドレッサ1の製造方法は、外周面22に向って薄くなるように外周部の両側に表テーパ面21fおよび裏テーパ面21bを備えた円盤状に調質鋼製のホイール2を形成するホイール形成工程と、ホイール2の回転軸線CLの方向に沿って溝筋52が延在し対向する溝内両壁面51a,51bが110°の角度を成す取付溝5を、ホイール2の外周面22に所定間隔で複数形成する取付溝形成工程と、各取付溝5の溝内両壁面51a,51bに、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4における110°の角度を成して稜線41で隣接する二つの基端側ミラー指数{1,1,1}面M1,M2において、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4を接着剤6により接着する八面体単結晶ダイヤモンド砥粒接着工程と、ホイール2の表テーパ面21fおよび裏テーパ面21bにおける外周縁部に所定幅で帯状に延在する範囲(表帯状部25f、裏帯状部25b)および外周面22に複数の小粒径ダイヤモンド砥粒31を接触させるダイヤモンド砥粒接触工程と、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4が接着され小粒径ダイヤモンド砥粒31が接触された外周面22、および小粒径ダイヤモンド砥粒31が接触された表テーパ面21fおよび裏テーパ面21bの帯状に延在する範囲(表帯状部25f、裏帯状部25b)に、電気めっきにより形成される電気めっき層32を形成し、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4および小粒径ダイヤモンド砥粒31をホイール2に鍍着する第一電気めっき工程と、第一電気めっき工程によりホイール2に形成された電気めっき層32を成長させて厚く形成することで、二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面M1.M2と、二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面M1.M2と互いに対向する二つの頭部側ミラー指数{1,1,1}面H1,H2とが、交差する頂部43,42を覆って前記八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4を外周面22に鍍着する第二電気めっき工程と、を備えている。
【0040】
これによると、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4を、溝筋52が回転軸線CL方向に沿った取付溝5の溝内両壁面51a,51bに基端部側ミラー指数{1,1,1}面M1,M2を合せて接着するので、ホイール2の狭小な外周面22に強固に固定することができる。さらに、二つの基端部側ミラー指数{1,1,1}面M1.M2と、二つの頭部側ミラー指数{1,1,1}面H1,H2とが、交差する頂部43,42を、覆ってめっき層32で鍍着するので、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4が脱落しにくい構造の成形用電着ダイヤモンドドレッサ1を容易に製造することができる。
【0041】
そして、このように製造された成形用電着ダイヤモンドドレッサ1は、小粒径ダイヤモンド砥粒31および八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4は、電気めっき層32によりホイール2に鍍着されているので、剥離剤等で電気めっき層32を剥離することで、小粒径ダイヤモンド砥粒31と八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4とをホイール2から除去し、小粒径ダイヤモンド砥粒31と八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4とが除去され、損傷の無い使用済みホイール2を使用して新たなドレッサとして容易に再生することできる。
【0042】
なお、本実施形態においては、ダイヤモンド砥粒層3が設けられる所定幅を裏テーパ面21bよりも表テーパ面21fが大きいものとしたが、これに限定されない。例えば、裏テーパ面と表テーパ面とに同じ所定幅でダイヤモンド砥粒層が設けられていてもよい。この場合、対向する二枚の成形用電着ダイヤモンドドレッサを組み合わせてドレッシングしなくてもよく、例えば、一枚の成形用電着ダイヤモンドドレッサで、歯車研削用ねじ状砥石をドレッシングしてもよい。
【0043】
また、ダイヤモンド砥粒層3に設けられる小粒径ダイヤモンド砥粒31の粒度を♯60/80としたが、これに限定されず、例えば、♯20/30〜♯100/120の範囲の粒度であればよい。
【0044】
また、実施形態において多面体単結晶ダイヤモンド砥粒を、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4・(B)としたが、これに限定されない。例えば、
図18に示すように、六面体単結晶ダイヤモンド砥粒(A)、菱形十二面体単結晶ダイヤモンド砥粒(C)、六面体の結晶面と八面体の結晶面と十二面体の結晶面とが混在して現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(B−1)、八面体の結晶面と六面体の結晶面とが混在して現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(B−2,B−3)、十二面体の結晶面と八面体の結晶面とが混在して現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(B−4)および十二面体の結晶面と六面体の結晶面とが混在して現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(C−1)を挙げることができる。
【0045】
次に、各結晶形状の異なった多面体単結晶ダイヤモンド砥粒について、結晶形状別にホイール2への取付構造を
図19〜
図23に基づいて説明する。ホイール2における各取付溝5,5d,5h,5do,5ohは、すべて溝筋52がホイールの回転軸線CLに平行に形成されている。また、接着剤とめっき層とは、図示しないが、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4・(B)と同様にホイール2への固着に使用される。
六面体単結晶ダイヤモンド砥粒(A)の取付けにおいて、
図19に示すように、ホイール2に形成される取付溝5hは、対向する溝内両壁面51ha,51hbの角度が90°を成すように形成されている。そして、六面体単結晶ダイヤモンド砥粒(A)は、稜線を挟んで対向する取付結晶面としての二つの結晶面(ミラー指数{1,0,0}面・he)が角度90°に成す角部を取付溝5hの溝筋52に合せて接着し鍍着する。六面体単結晶ダイヤモンド砥粒(A)の劈開面CSは、結晶面heと平行な面である。六面体単結晶ダイヤモンド砥粒(A)は、ホイール2の外周面22に対して劈開面CSが45°の角度となるように保持されている。言い換えると、六面体単結晶ダイヤモンド砥粒(A)は、取付溝5hが形成されなかったとした場合のホイール2の外周面22に、六面体単結晶ダイヤモンド砥粒(A)が取り付けられた中心位置において接する仮想上の平面と、六面体単結晶ダイヤモンド砥粒(A)の劈開面CSとが、平行ではなく45°の角度で交差するよう位置決めされている。
【0046】
また、菱形十二面体単結晶ダイヤモンド砥粒(C)の取付けにおいて、
図20に示すように、ホイール2に形成される取付溝5dは、対向する溝内両壁面51da,51dbは、溝谷底において120°の所定角度を成す谷底面51dab,51dbbと、谷底面51dab,51dbbの上端より連続して外周面22まで立ち上がる垂直面51dav,51dbvとを有している。そして、菱形十二面体単結晶ダイヤモンド砥粒(C)は、稜線RL(
図18参照)を挟んで対向する取付結晶面としての二つの基端部側結晶面(例えば、ミラー指数(1,1,0)面do1とミラー指数(1,0,1)面do2)が角度120°に成す角部を取付溝5dの溝筋52に合せ、かつその際に垂直となる結晶面doを垂直面51dav,51dbvに合せて接着し鍍着する。二つの基端部側結晶面do1,do2に対向する二つの頭部側結晶面do3,do4と垂直となる結晶面do5,do6とが形成する二つの辺S1,S2は、外周面22よりも回転軸線CLに近い位置となるよう構成されている。なお、二つの基端部側結晶面として、ミラー指数(1,1,0)面do1とミラー指数(1,0,1)面do2としたが、これに限定されず、例えば、ミラー指数(1,1,0)面とミラー指数(0,1,1)面とで二つの基端部側結晶面を構成してもよい。菱形十二面体単結晶ダイヤモンド砥粒(C)の劈開面CSは、三つの結晶面doが交差する頂部を頂点とし、その頂点から延在する三つの斜辺の長さが等しい三角垂を考えた場合に、三角錐の底面が形成する正三角形の面が該当する(
図18参照)。菱形十二面体単結晶ダイヤモンド砥粒(C)は、ホイール2の外周面22に対して劈開面CSが傾斜した状態となるように保持されている。
【0047】
また、八面体の結晶面ocと六面体の結晶面heとが現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(B−2,B−3)の取付けにおいて、
図21に示すように、ホイール2に形成される取付溝5ohは、対向する溝内両壁面51oha,51ohbは、溝谷底において110°を成す谷底面51ohab,51ohbbと、谷底面51ohab,51ohbbの上部より外周面22まで立ち上がる垂直面51ohav,51ohbvとを有している。
八面体の結晶面ocと六面体の結晶面heとが現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(B−2,B−3)は、
図21に示すように、八面体の結晶面oc1,oc2を二つの基端部側結晶面として取付溝5ohの谷底面51ohab,51ohbbに合せ、六面体の結晶面heを垂直面51ohav,51ohbvに合せて固着する。二つの基端部側結晶面oc1,oc2に対向する二つの頭部側結晶面oc3,oc4と垂直となる結晶面he1,he2とが形成する二つの辺Si1,Si2は、外周面22よりも回転軸線CLに近い位置となるよう構成されている。八面体の結晶面ocと六面体の結晶面heとが現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(B−2,B−3)の場合、ドレッシングに使用される結晶面は、八面体の結晶面ocである。そのため、劈開面は、八面体の結晶面ocに平行な面であり、八面体の結晶面ocと六面体の結晶面heとが現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(B−2,B−3)は、ホイール2の外周面22に対して劈開面が傾斜した状態となるように保持されている。
また、ダイヤモンド単結晶の結晶面において八面体の結晶面ocを構成するミラー指数{1,1,1}面が、六面体の結晶面heを構成するミラー指数{1,0,0}面より硬度が高い。そのため、
図21に示すように、八面体の結晶面ocを取付溝5oh側の反対側(ホイール2の径方向外側)に取り付けることで、硬度の高いミラー指数{1,1,1}面を使ってドレッシングすることができる。これによって、八面体の結晶面ocと六面体の結晶面heとが現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(B−2,B−3)の磨耗の進行を遅らせ、長寿命のドレッサとすることができる。
【0048】
菱形十二面体の結晶面doと八面体の結晶面ocと六面体の結晶面heとが、現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(B−1)の取付けにおいて、
図22に示すように、ホイール2に形成される取付溝5dohは、対向する溝内両壁面51doha,51dohbは、溝谷底において110°を成す谷底面51dohab,51dohbb、外周面22まで立ち上がる垂直面51dohav,51dohbv、および谷底面51dohab,51dohbbの上端部と垂直面51dohav,51dohbvの下端部との間に形成され、71°を成す二つの中位斜面51doham,51dohbmを有している。
また、菱形十二面体の結晶面doと八面体の結晶面ocと六面体の結晶面heとが、現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(B−1)は、八面体の結晶面oc1,oc2を二つの基端部側結晶面として、取付溝5dohの谷底面51dohab,51dohbbに合せ、六面体の結晶面heを垂直面51dohav,51dohbvに合せて固着する。なお、中位斜面51doham,51dohbmには、二つの隣接する十二面体の結晶面doが形成する辺Si1,Si2を夫々合せるものとする。六面体の結晶面heと十二面体の結晶面doとが形成する二つの辺Shd1,Shd2(
図22参照)は、外周面22よりも回転軸線CLに近い位置となるよう構成されている。菱形十二面体の結晶面doと八面体の結晶面ocと六面体の結晶面heとが、現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(B−1)は、ドレッシングに使用される結晶面が、主に十二面体の結晶面doと八面体の結晶面ocである。菱形十二面体の結晶面doと八面体の結晶面ocと六面体の結晶面heとが、現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(B−1)は、これらの結晶のいずれの劈開面も、ホイール2の外周面22に対して劈開面が傾斜した状態となるように保持されている。
また、ダイヤモンド単結晶の結晶面において八面体の結晶面ocを構成するミラー指数{1,1,1}面および十二面体の結晶面doを構成するミラー指数{1,1,0}面が、六面体の結晶面heを構成するミラー指数{1,0,0}面より硬度が高い。そのため、
図22に示すように、八面体結晶面ocおよび十二面体結晶面doミラー指数{1,1,1}面を、取付溝5doh側の反対側(ホイール2の径方向外側)に取り付けることで、硬度の高い結晶面oc,doを使ってドレッシングすることができる。これによって、菱形十二面体の結晶面doと八面体の結晶面ocと六面体の結晶面heとが、現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(B−1)の磨耗の進行を遅らせ、長寿命のドレッサとすることができる。
【0049】
菱形十二面体の結晶面doと八面体の結晶面ocとが、現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(B−4)の取付けにおいて、
図23に示すように、ホイール2に形成される取付溝5doは、対向する溝内両壁面51doa,51dobは、溝谷底において110°を成す谷底面51doab,51dobb、および谷底面51doab,51dobbの上端部に連続し、対向して71°を成す角で形成された二つの上部斜面51doau,51dobuを有している。
菱形十二面体の結晶面doと八面体の結晶面ocとが、現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(B−4)は、八面体の結晶面oc1,oc2を二つの基端部側結晶面として、取付溝5doの谷底面51doab,51dobbに合せて固着する。なお、上部斜面51doau,51dobuには、二つの隣接する十二面体の結晶面doが形成する辺Si1,Si2を夫々合せるものとする。四つの十二面体の結晶面が形成する二つの頂部AP1,AP2は、(
図23参照)は、外周面22よりも回転軸線CLに近い位置となるよう構成されている。菱形十二面体の結晶面doと八面体の結晶面ocとが、現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(B−4)は、これらの結晶のいずれの劈開面も、ホイール2の外周面22に対して傾斜した状態となるように保持されている。
なお、菱形十二面体の結晶面doと六面体の結晶面heとが、現れた単結晶ダイヤモンド砥粒(C−1)の取付けは、菱形十二面体単結晶ダイヤモンド砥粒(C)に準じるものであり、説明を省略する。
【0050】
また、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4の粒度を♯16/18としたが、これに限定されない。例えば、♯12/14〜♯60/80の範囲の粒度であればよく、好ましくは、小粒径ダイヤモンド砥粒が大きい♯20/30ときには八面体単結晶ダイヤモンド砥粒も大きいもの♯12/14を使用する。
【0051】
また、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒4をホイール2の外周面22に80個配置するものとしたが、これに限定されない。ダイヤモンド砥粒層の小粒径ダイヤモンド砥粒の大きさ(粒度)に応じ、或いはホイールの外周面の長さに応じて、例えば70個、100個など任意の数を定めて配置することができる。
【0052】
また、小粒径ダイヤモンド砥粒および多面体単結晶ダイヤモンド砥粒の鍍着を、電気めっきによるものとしたが、これに限定されない。例えば、無電解めっきによるものでもよく、電気めっきと無電解めっきとでめっき層を形成して小粒径ダイヤモンド砥粒および多面体単結晶ダイヤモンド砥粒を鍍着するものでもよい。
【0053】
また、接着剤6を非導電性接着剤としたが、これに限定されず、例えば、導電性接着剤でもよい。導電性接着剤としては、例えば、導電性フィラーを混合したエポキシ樹脂系の接着剤を使用することができる。導電性フィラーとして、例えばカーボンブラック、グラファイト等のカーボン系フィラー、Ni,Cu粉末等の金属系フィラーを挙げることができる。八面体単結晶ダイヤモンド砥粒を、導電性接着剤で接着した場合、電気めっき層の成長が八面体単結晶ダイヤモンド砥粒を接着する導電性接着剤より開始され、八面体単結晶ダイヤモンド砥粒と電気めっき層との間に隙間を生じさせない。これによって、電気めっき層による固定をより強固なものとすることができる。
【0054】
斯様に、上記した実施の形態で述べた具体的構成は、本発明の一例を示したものにすぎず、本発明はそのような具体的構成に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の態様を採り得るものである。
【0055】
(産業上の利用可能性)
高い精度と長い寿命とが要求される歯車研削用ねじ状砥石の成形用電着ダイヤモンドドレッサに利用される。