(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】中腸内胚葉細胞の分化方法を示す。
図1Aは、各ステージで添加される培地成分、成長因子及び小分子、並びに、中腸内胚葉細胞の分化の主要なステージ特異的マーカー(FOXA2、forkhead box A2;CDX2、caudal type homeobox 2;KLF5、クルッペル様転写因子5;SOX9、SRY(性決定領域Y)−box 9;PDX1、pancreatic and duodenal homeobox 1;LO、低発現かつ低タンパク質量)を含む、分化方法の概要である。S2D2と記される中性pH(7.35±0.04)と比べて、細胞をステージ3の間に、BLAR培地(「BLAR酸性培地」と互換的に使用される)中で、BLAR培地中の重炭酸ナトリウム濃度を低下させてわずかに酸性条件にしたものに曝した(pH;S3D1、6.98±0.05;S3D2、7.02±0.04;S3D5、7.18±0.03)(
図1B)。
図1Cは、S3D5単層(左)及びヒト結腸腺癌上皮細胞株(「Caco−2」)(右)(分化の特徴の基準として使用した)の代表的な位相差画像を示す。S3D5における均一な形態が一貫して観察された。Nucleocounter(登録商標)NC−100(Chemometec(Alleroed,Denmark)、カタログ番号900−004)を用いて細胞数を確認すると、1つのhESCが、4.56±2.60個のS3D5中腸内胚葉細胞に分化したことを示す(
図1D)。
【
図1B】中腸内胚葉細胞の分化方法を示す。
図1Aは、各ステージで添加される培地成分、成長因子及び小分子、並びに、中腸内胚葉細胞の分化の主要なステージ特異的マーカー(FOXA2、forkhead box A2;CDX2、caudal type homeobox 2;KLF5、クルッペル様転写因子5;SOX9、SRY(性決定領域Y)−box 9;PDX1、pancreatic and duodenal homeobox 1;LO、低発現かつ低タンパク質量)を含む、分化方法の概要である。S2D2と記される中性pH(7.35±0.04)と比べて、細胞をステージ3の間に、BLAR培地(「BLAR酸性培地」と互換的に使用される)中で、BLAR培地中の重炭酸ナトリウム濃度を低下させてわずかに酸性条件にしたものに曝した(pH;S3D1、6.98±0.05;S3D2、7.02±0.04;S3D5、7.18±0.03)(
図1B)。
図1Cは、S3D5単層(左)及びヒト結腸腺癌上皮細胞株(「Caco−2」)(右)(分化の特徴の基準として使用した)の代表的な位相差画像を示す。S3D5における均一な形態が一貫して観察された。Nucleocounter(登録商標)NC−100(Chemometec(Alleroed,Denmark)、カタログ番号900−004)を用いて細胞数を確認すると、1つのhESCが、4.56±2.60個のS3D5中腸内胚葉細胞に分化したことを示す(
図1D)。
【
図1C】中腸内胚葉細胞の分化方法を示す。
図1Aは、各ステージで添加される培地成分、成長因子及び小分子、並びに、中腸内胚葉細胞の分化の主要なステージ特異的マーカー(FOXA2、forkhead box A2;CDX2、caudal type homeobox 2;KLF5、クルッペル様転写因子5;SOX9、SRY(性決定領域Y)−box 9;PDX1、pancreatic and duodenal homeobox 1;LO、低発現かつ低タンパク質量)を含む、分化方法の概要である。S2D2と記される中性pH(7.35±0.04)と比べて、細胞をステージ3の間に、BLAR培地(「BLAR酸性培地」と互換的に使用される)中で、BLAR培地中の重炭酸ナトリウム濃度を低下させてわずかに酸性条件にしたものに曝した(pH;S3D1、6.98±0.05;S3D2、7.02±0.04;S3D5、7.18±0.03)(
図1B)。
図1Cは、S3D5単層(左)及びヒト結腸腺癌上皮細胞株(「Caco−2」)(右)(分化の特徴の基準として使用した)の代表的な位相差画像を示す。S3D5における均一な形態が一貫して観察された。Nucleocounter(登録商標)NC−100(Chemometec(Alleroed,Denmark)、カタログ番号900−004)を用いて細胞数を確認すると、1つのhESCが、4.56±2.60個のS3D5中腸内胚葉細胞に分化したことを示す(
図1D)。
【
図1D】中腸内胚葉細胞の分化方法を示す。
図1Aは、各ステージで添加される培地成分、成長因子及び小分子、並びに、中腸内胚葉細胞の分化の主要なステージ特異的マーカー(FOXA2、forkhead box A2;CDX2、caudal type homeobox 2;KLF5、クルッペル様転写因子5;SOX9、SRY(性決定領域Y)−box 9;PDX1、pancreatic and duodenal homeobox 1;LO、低発現かつ低タンパク質量)を含む、分化方法の概要である。S2D2と記される中性pH(7.35±0.04)と比べて、細胞をステージ3の間に、BLAR培地(「BLAR酸性培地」と互換的に使用される)中で、BLAR培地中の重炭酸ナトリウム濃度を低下させてわずかに酸性条件にしたものに曝した(pH;S3D1、6.98±0.05;S3D2、7.02±0.04;S3D5、7.18±0.03)(
図1B)。
図1Cは、S3D5単層(左)及びヒト結腸腺癌上皮細胞株(「Caco−2」)(右)(分化の特徴の基準として使用した)の代表的な位相差画像を示す。S3D5における均一な形態が一貫して観察された。Nucleocounter(登録商標)NC−100(Chemometec(Alleroed,Denmark)、カタログ番号900−004)を用いて細胞数を確認すると、1つのhESCが、4.56±2.60個のS3D5中腸内胚葉細胞に分化したことを示す(
図1D)。
【
図2A】骨形成タンパク質−4(BMP4)を利用する、転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2及びFOXA2の両方を含む、単層の中腸内胚葉細胞を発生させる分化方法を示す。
図2A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様に、90.0±5.85パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。逆に、胚体内胚葉(DE−S1D3)細胞は、CDX2及びFOXA2が共存していなかった(2.3±1.2)。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図2B)、FOXA2が維持された(
図2C)ことが示される。
図2Dは、FOXA2陽性の原始腸内胚葉ステージであるS2D2(
図2D−i)の樹立後に、S3D2(
図2D−ii)の間に徐々に増加し、S3D5(
図2D−iii)において、Caco−2細胞(
図2D−iv)に見られるのと同様のレベルに達するように、CDX2タンパク質レベルが誘導され、CDX2/FOXA2タンパク質が共存することを示す。CDX2タンパク質は下列に示され、FOXA2タンパク質は上列に示される。各画像は、定量分析が可能になるように同一のパラメータを用いて撮影された。タンパク質発現をFACSによって評価し、遺伝子発現をqPCRによって評価した。
【
図2B】骨形成タンパク質−4(BMP4)を利用する、転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2及びFOXA2の両方を含む、単層の中腸内胚葉細胞を発生させる分化方法を示す。
図2A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様に、90.0±5.85パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。逆に、胚体内胚葉(DE−S1D3)細胞は、CDX2及びFOXA2が共存していなかった(2.3±1.2)。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図2B)、FOXA2が維持された(
図2C)ことが示される。
図2Dは、FOXA2陽性の原始腸内胚葉ステージであるS2D2(
図2D−i)の樹立後に、S3D2(
図2D−ii)の間に徐々に増加し、S3D5(
図2D−iii)において、Caco−2細胞(
図2D−iv)に見られるのと同様のレベルに達するように、CDX2タンパク質レベルが誘導され、CDX2/FOXA2タンパク質が共存することを示す。CDX2タンパク質は下列に示され、FOXA2タンパク質は上列に示される。各画像は、定量分析が可能になるように同一のパラメータを用いて撮影された。タンパク質発現をFACSによって評価し、遺伝子発現をqPCRによって評価した。
【
図2C】骨形成タンパク質−4(BMP4)を利用する、転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2及びFOXA2の両方を含む、単層の中腸内胚葉細胞を発生させる分化方法を示す。
図2A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様に、90.0±5.85パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。逆に、胚体内胚葉(DE−S1D3)細胞は、CDX2及びFOXA2が共存していなかった(2.3±1.2)。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図2B)、FOXA2が維持された(
図2C)ことが示される。
図2Dは、FOXA2陽性の原始腸内胚葉ステージであるS2D2(
図2D−i)の樹立後に、S3D2(
図2D−ii)の間に徐々に増加し、S3D5(
図2D−iii)において、Caco−2細胞(
図2D−iv)に見られるのと同様のレベルに達するように、CDX2タンパク質レベルが誘導され、CDX2/FOXA2タンパク質が共存することを示す。CDX2タンパク質は下列に示され、FOXA2タンパク質は上列に示される。各画像は、定量分析が可能になるように同一のパラメータを用いて撮影された。タンパク質発現をFACSによって評価し、遺伝子発現をqPCRによって評価した。
【
図2D】骨形成タンパク質−4(BMP4)を利用する、転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2及びFOXA2の両方を含む、単層の中腸内胚葉細胞を発生させる分化方法を示す。
図2A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様に、90.0±5.85パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。逆に、胚体内胚葉(DE−S1D3)細胞は、CDX2及びFOXA2が共存していなかった(2.3±1.2)。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図2B)、FOXA2が維持された(
図2C)ことが示される。
図2Dは、FOXA2陽性の原始腸内胚葉ステージであるS2D2(
図2D−i)の樹立後に、S3D2(
図2D−ii)の間に徐々に増加し、S3D5(
図2D−iii)において、Caco−2細胞(
図2D−iv)に見られるのと同様のレベルに達するように、CDX2タンパク質レベルが誘導され、CDX2/FOXA2タンパク質が共存することを示す。CDX2タンパク質は下列に示され、FOXA2タンパク質は上列に示される。各画像は、定量分析が可能になるように同一のパラメータを用いて撮影された。タンパク質発現をFACSによって評価し、遺伝子発現をqPCRによって評価した。
【
図3A】継続的な中腸内胚葉誘導を構成する追加の転写因子(TF)の転写レベル及びタンパク質レベルであるS3D5による誘導を示し、正しく中腸内胚葉が達成された。CDX2及びFOXA2の共発現に加えて、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5(ホメオボックスC5)の共発現も示すが、SOX2(SRY−box2)、ALB(アルブミン)、PTF1A(膵臓特異的転写因子1a)、及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5)は発現していない。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図3B)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、免疫蛍光(IF)分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図3F)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の1.45±0.15がSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。遺伝子発現はqPCRによって評価した。
【
図3B】継続的な中腸内胚葉誘導を構成する追加の転写因子(TF)の転写レベル及びタンパク質レベルであるS3D5による誘導を示し、正しく中腸内胚葉が達成された。CDX2及びFOXA2の共発現に加えて、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5(ホメオボックスC5)の共発現も示すが、SOX2(SRY−box2)、ALB(アルブミン)、PTF1A(膵臓特異的転写因子1a)、及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5)は発現していない。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図3B)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、免疫蛍光(IF)分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図3F)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の1.45±0.15がSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。遺伝子発現はqPCRによって評価した。
【
図3C】継続的な中腸内胚葉誘導を構成する追加の転写因子(TF)の転写レベル及びタンパク質レベルであるS3D5による誘導を示し、正しく中腸内胚葉が達成された。CDX2及びFOXA2の共発現に加えて、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5(ホメオボックスC5)の共発現も示すが、SOX2(SRY−box2)、ALB(アルブミン)、PTF1A(膵臓特異的転写因子1a)、及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5)は発現していない。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図3B)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、免疫蛍光(IF)分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図3F)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の1.45±0.15がSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。遺伝子発現はqPCRによって評価した。
【
図3D】継続的な中腸内胚葉誘導を構成する追加の転写因子(TF)の転写レベル及びタンパク質レベルであるS3D5による誘導を示し、正しく中腸内胚葉が達成された。CDX2及びFOXA2の共発現に加えて、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5(ホメオボックスC5)の共発現も示すが、SOX2(SRY−box2)、ALB(アルブミン)、PTF1A(膵臓特異的転写因子1a)、及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5)は発現していない。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図3B)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、免疫蛍光(IF)分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図3F)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の1.45±0.15がSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。遺伝子発現はqPCRによって評価した。
【
図3E】継続的な中腸内胚葉誘導を構成する追加の転写因子(TF)の転写レベル及びタンパク質レベルであるS3D5による誘導を示し、正しく中腸内胚葉が達成された。CDX2及びFOXA2の共発現に加えて、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5(ホメオボックスC5)の共発現も示すが、SOX2(SRY−box2)、ALB(アルブミン)、PTF1A(膵臓特異的転写因子1a)、及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5)は発現していない。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図3B)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、免疫蛍光(IF)分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図3F)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の1.45±0.15がSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。遺伝子発現はqPCRによって評価した。
【
図3F】継続的な中腸内胚葉誘導を構成する追加の転写因子(TF)の転写レベル及びタンパク質レベルであるS3D5による誘導を示し、正しく中腸内胚葉が達成された。CDX2及びFOXA2の共発現に加えて、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5(ホメオボックスC5)の共発現も示すが、SOX2(SRY−box2)、ALB(アルブミン)、PTF1A(膵臓特異的転写因子1a)、及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5)は発現していない。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図3B)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、免疫蛍光(IF)分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図3F)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の1.45±0.15がSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。遺伝子発現はqPCRによって評価した。
【
図3G】継続的な中腸内胚葉誘導を構成する追加の転写因子(TF)の転写レベル及びタンパク質レベルであるS3D5による誘導を示し、正しく中腸内胚葉が達成された。CDX2及びFOXA2の共発現に加えて、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5(ホメオボックスC5)の共発現も示すが、SOX2(SRY−box2)、ALB(アルブミン)、PTF1A(膵臓特異的転写因子1a)、及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5)は発現していない。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図3B)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、免疫蛍光(IF)分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図3F)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の1.45±0.15がSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。遺伝子発現はqPCRによって評価した。
【
図3H】継続的な中腸内胚葉誘導を構成する追加の転写因子(TF)の転写レベル及びタンパク質レベルであるS3D5による誘導を示し、正しく中腸内胚葉が達成された。CDX2及びFOXA2の共発現に加えて、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5(ホメオボックスC5)の共発現も示すが、SOX2(SRY−box2)、ALB(アルブミン)、PTF1A(膵臓特異的転写因子1a)、及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5)は発現していない。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図3B)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、免疫蛍光(IF)分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図3F)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の1.45±0.15がSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。遺伝子発現はqPCRによって評価した。
【
図3I】継続的な中腸内胚葉誘導を構成する追加の転写因子(TF)の転写レベル及びタンパク質レベルであるS3D5による誘導を示し、正しく中腸内胚葉が達成された。CDX2及びFOXA2の共発現に加えて、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5(ホメオボックスC5)の共発現も示すが、SOX2(SRY−box2)、ALB(アルブミン)、PTF1A(膵臓特異的転写因子1a)、及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5)は発現していない。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図3B)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、免疫蛍光(IF)分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図3F)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の1.45±0.15がSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。遺伝子発現はqPCRによって評価した。
【
図3J】継続的な中腸内胚葉誘導を構成する追加の転写因子(TF)の転写レベル及びタンパク質レベルであるS3D5による誘導を示し、正しく中腸内胚葉が達成された。CDX2及びFOXA2の共発現に加えて、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5(ホメオボックスC5)の共発現も示すが、SOX2(SRY−box2)、ALB(アルブミン)、PTF1A(膵臓特異的転写因子1a)、及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5)は発現していない。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図3B)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、免疫蛍光(IF)分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図3F)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の1.45±0.15がSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。遺伝子発現はqPCRによって評価した。
【
図3K】継続的な中腸内胚葉誘導を構成する追加の転写因子(TF)の転写レベル及びタンパク質レベルであるS3D5による誘導を示し、正しく中腸内胚葉が達成された。CDX2及びFOXA2の共発現に加えて、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5(ホメオボックスC5)の共発現も示すが、SOX2(SRY−box2)、ALB(アルブミン)、PTF1A(膵臓特異的転写因子1a)、及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5)は発現していない。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図3B)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、免疫蛍光(IF)分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図3F)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の1.45±0.15がSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。遺伝子発現はqPCRによって評価した。
【
図3L】継続的な中腸内胚葉誘導を構成する追加の転写因子(TF)の転写レベル及びタンパク質レベルであるS3D5による誘導を示し、正しく中腸内胚葉が達成された。CDX2及びFOXA2の共発現に加えて、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5(ホメオボックスC5)の共発現も示すが、SOX2(SRY−box2)、ALB(アルブミン)、PTF1A(膵臓特異的転写因子1a)、及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5)は発現していない。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図3B)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、免疫蛍光(IF)分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図3F)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の1.45±0.15がSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。遺伝子発現はqPCRによって評価した。
【
図3M】継続的な中腸内胚葉誘導を構成する追加の転写因子(TF)の転写レベル及びタンパク質レベルであるS3D5による誘導を示し、正しく中腸内胚葉が達成された。CDX2及びFOXA2の共発現に加えて、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5(ホメオボックスC5)の共発現も示すが、SOX2(SRY−box2)、ALB(アルブミン)、PTF1A(膵臓特異的転写因子1a)、及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5)は発現していない。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図3B)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、免疫蛍光(IF)分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図3F)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の1.45±0.15がSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。遺伝子発現はqPCRによって評価した。
【
図3N】継続的な中腸内胚葉誘導を構成する追加の転写因子(TF)の転写レベル及びタンパク質レベルであるS3D5による誘導を示し、正しく中腸内胚葉が達成された。CDX2及びFOXA2の共発現に加えて、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5(ホメオボックスC5)の共発現も示すが、SOX2(SRY−box2)、ALB(アルブミン)、PTF1A(膵臓特異的転写因子1a)、及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5)は発現していない。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図3B)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、免疫蛍光(IF)分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図3F)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の1.45±0.15がSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。遺伝子発現はqPCRによって評価した。
【
図3O】継続的な中腸内胚葉誘導を構成する追加の転写因子(TF)の転写レベル及びタンパク質レベルであるS3D5による誘導を示し、正しく中腸内胚葉が達成された。CDX2及びFOXA2の共発現に加えて、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5(ホメオボックスC5)の共発現も示すが、SOX2(SRY−box2)、ALB(アルブミン)、PTF1A(膵臓特異的転写因子1a)、及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5)は発現していない。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図3B)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、免疫蛍光(IF)分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図3F)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の1.45±0.15がSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。遺伝子発現はqPCRによって評価した。
【
図3P】継続的な中腸内胚葉誘導を構成する追加の転写因子(TF)の転写レベル及びタンパク質レベルであるS3D5による誘導を示し、正しく中腸内胚葉が達成された。CDX2及びFOXA2の共発現に加えて、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5(ホメオボックスC5)の共発現も示すが、SOX2(SRY−box2)、ALB(アルブミン)、PTF1A(膵臓特異的転写因子1a)、及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5)は発現していない。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図3B)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、免疫蛍光(IF)分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図3F)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の1.45±0.15がSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。遺伝子発現はqPCRによって評価した。
【
図3Q】継続的な中腸内胚葉誘導を構成する追加の転写因子(TF)の転写レベル及びタンパク質レベルであるS3D5による誘導を示し、正しく中腸内胚葉が達成された。CDX2及びFOXA2の共発現に加えて、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5(ホメオボックスC5)の共発現も示すが、SOX2(SRY−box2)、ALB(アルブミン)、PTF1A(膵臓特異的転写因子1a)、及びLGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5)は発現していない。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図3B)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、免疫蛍光(IF)分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図3F)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の1.45±0.15がSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。遺伝子発現はqPCRによって評価した。
【
図4A】分化しているS3D5細胞の増殖プロファイルの特徴である。
図4Aは、CDX2タンパク質陽性細胞のほとんどの細胞周期が活性化されている(KI67タンパク質との共発現によって示される)Caco−2細胞(左)及び、経時的に減少したステージ3中のH1−hESC由来細胞の増殖指標(S3D2−中;S3D5−右)を示す。CDX2(上列)及びKI67(下列)のタンパク質レベルは、単一チャネル画像として示される。FACSによって評価された、総S3D5細胞中のKI67タンパク質陽性細胞の割合(総細胞は、>90%がCDX2陽性)は、S1D3(97.3±1.3)及びCaco−2細胞(99.2±0.2)とは対称的に、16.8±3.12であった(
図4B)。
【
図4B】分化しているS3D5細胞の増殖プロファイルの特徴である。
図4Aは、CDX2タンパク質陽性細胞のほとんどの細胞周期が活性化されている(KI67タンパク質との共発現によって示される)Caco−2細胞(左)及び、経時的に減少したステージ3中のH1−hESC由来細胞の増殖指標(S3D2−中;S3D5−右)を示す。CDX2(上列)及びKI67(下列)のタンパク質レベルは、単一チャネル画像として示される。FACSによって評価された、総S3D5細胞中のKI67タンパク質陽性細胞の割合(総細胞は、>90%がCDX2陽性)は、S1D3(97.3±1.3)及びCaco−2細胞(99.2±0.2)とは対称的に、16.8±3.12であった(
図4B)。
【
図5A】CDX2及びFOXA2タンパク質が共存している中腸内胚葉細胞の単層を達成するための、ステージ3中のBMP4の代替としてのBMP2の使用を示す。
図5Aは、各ステージで添加された培地成分、成長因子及び小分子、並びに、中腸内胚葉細胞の分化のステージ特異的マーカー(FOXA2、CDX2、KLF5、SOX9、及びPDX1
LO)を含む、分化方法の概要である。S2D2と記される中性pH(7.35±0.04)と比べて、細胞をステージ3全体の間に、BLAR培地中で、BLAR培地中の重炭酸ナトリウム濃度を低下させてわずかに酸性条件にしたものに曝した(pH;S3D1、6.92;S3D2、7.01;S3D5、7.22)(
図5B)。
図5Cは、S3D5単層(左)及びCaco−2細胞(右)の代表的な位相差画像を示し、S3D5における均一な形態が観察された。
【
図5B】CDX2及びFOXA2タンパク質が共存している中腸内胚葉細胞の単層を達成するための、ステージ3中のBMP4の代替としてのBMP2の使用を示す。
図5Aは、各ステージで添加された培地成分、成長因子及び小分子、並びに、中腸内胚葉細胞の分化のステージ特異的マーカー(FOXA2、CDX2、KLF5、SOX9、及びPDX1
LO)を含む、分化方法の概要である。S2D2と記される中性pH(7.35±0.04)と比べて、細胞をステージ3全体の間に、BLAR培地中で、BLAR培地中の重炭酸ナトリウム濃度を低下させてわずかに酸性条件にしたものに曝した(pH;S3D1、6.92;S3D2、7.01;S3D5、7.22)(
図5B)。
図5Cは、S3D5単層(左)及びCaco−2細胞(右)の代表的な位相差画像を示し、S3D5における均一な形態が観察された。
【
図5C】CDX2及びFOXA2タンパク質が共存している中腸内胚葉細胞の単層を達成するための、ステージ3中のBMP4の代替としてのBMP2の使用を示す。
図5Aは、各ステージで添加された培地成分、成長因子及び小分子、並びに、中腸内胚葉細胞の分化のステージ特異的マーカー(FOXA2、CDX2、KLF5、SOX9、及びPDX1
LO)を含む、分化方法の概要である。S2D2と記される中性pH(7.35±0.04)と比べて、細胞をステージ3全体の間に、BLAR培地中で、BLAR培地中の重炭酸ナトリウム濃度を低下させてわずかに酸性条件にしたものに曝した(pH;S3D1、6.92;S3D2、7.01;S3D5、7.22)(
図5B)。
図5Cは、S3D5単層(左)及びCaco−2細胞(右)の代表的な位相差画像を示し、S3D5における均一な形態が観察された。
【
図6A】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6B】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6C】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6D】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6E】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6F】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6G】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6H】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6I】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6J】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6K】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6L】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6M】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6N】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6O】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6P】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6Q】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6R】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6S】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6T】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図6U】転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞の発生を示す。IF画像については、全てのTFタンパク質レベルを単一チャネル画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様又はそれより多く、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、S3D5において誘導される、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、Caco−2細胞(
図2D−iv)と同様のレベルに達していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。Caco−2細胞(
図6F)で見られるレベルまでのSOX9遺伝子発現の強い誘導、及び、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。中腸/後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)とは異なり、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5が、S3D5細胞内で誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【
図7】分化しているS3D5細胞の増殖プロファイルの特徴である。CDX2タンパク質陽性細胞のほとんどの細胞周期が活性化されている(KI67タンパク質との共発現によって示される)Caco−2細胞(左)と比較して、ステージ3中のH1−hESC由来細胞の増殖指標が減少した(S3D5−右)。CDX2(上列)及びKI67(下列)のタンパク質レベルは、単一チャネル画像として示される。FACSによって評価された、総S3D5細胞中のKI67タンパク質陽性細胞の割合(総細胞は、>90%がCDX2陽性)は、S1D3(97.3±1.3)及びCaco−2細胞(99.2±0.2)とは対称的に、14.1パーセントであった。
【
図8A】CDX2
+細胞の不均一集団の誘導を示す。
図8Aは、各ステージで添加される培地成分、成長因子及び小分子、並びに、中腸/後腸内胚葉細胞の分化の主要なステージ特異的マーカー(HAND1)を含む、分化方法の概要である。
図8Bは、H1−hESC細胞(上列、左)、500ng/mLのFGF4及び3μMのChiron99021で2日間コンディショニングしたステージ1後の細胞(上列、中)、500ng/mLのFGF4及び500ng/mLのWNT3Aで2日間コンディショニングしたステージ1後の細胞(上列、右)、RA/BMP4でコンディショニングしたS3D5単層(下列、左)、及び、RA/BMP2でコンディショニングしたS3D5単層(下列、右)の、位相差画像を示す。2日間のコンディショニング後の遺伝子発現の誘導が、CDX2については低レベルで示され(
図8C)、内胚葉マーカーであるFOXA2については維持され(
図8D)、中胚葉/間葉マーカーであるHAND1については誘導される(
図8F)。KLF5は誘導されなかった(
図8E)。
【
図8B】CDX2
+細胞の不均一集団の誘導を示す。
図8Aは、各ステージで添加される培地成分、成長因子及び小分子、並びに、中腸/後腸内胚葉細胞の分化の主要なステージ特異的マーカー(HAND1)を含む、分化方法の概要である。
図8Bは、H1−hESC細胞(上列、左)、500ng/mLのFGF4及び3μMのChiron99021で2日間コンディショニングしたステージ1後の細胞(上列、中)、500ng/mLのFGF4及び500ng/mLのWNT3Aで2日間コンディショニングしたステージ1後の細胞(上列、右)、RA/BMP4でコンディショニングしたS3D5単層(下列、左)、及び、RA/BMP2でコンディショニングしたS3D5単層(下列、右)の、位相差画像を示す。2日間のコンディショニング後の遺伝子発現の誘導が、CDX2については低レベルで示され(
図8C)、内胚葉マーカーであるFOXA2については維持され(
図8D)、中胚葉/間葉マーカーであるHAND1については誘導される(
図8F)。KLF5は誘導されなかった(
図8E)。
【
図8C】CDX2
+細胞の不均一集団の誘導を示す。
図8Aは、各ステージで添加される培地成分、成長因子及び小分子、並びに、中腸/後腸内胚葉細胞の分化の主要なステージ特異的マーカー(HAND1)を含む、分化方法の概要である。
図8Bは、H1−hESC細胞(上列、左)、500ng/mLのFGF4及び3μMのChiron99021で2日間コンディショニングしたステージ1後の細胞(上列、中)、500ng/mLのFGF4及び500ng/mLのWNT3Aで2日間コンディショニングしたステージ1後の細胞(上列、右)、RA/BMP4でコンディショニングしたS3D5単層(下列、左)、及び、RA/BMP2でコンディショニングしたS3D5単層(下列、右)の、位相差画像を示す。2日間のコンディショニング後の遺伝子発現の誘導が、CDX2については低レベルで示され(
図8C)、内胚葉マーカーであるFOXA2については維持され(
図8D)、中胚葉/間葉マーカーであるHAND1については誘導される(
図8F)。KLF5は誘導されなかった(
図8E)。
【
図8D】CDX2
+細胞の不均一集団の誘導を示す。
図8Aは、各ステージで添加される培地成分、成長因子及び小分子、並びに、中腸/後腸内胚葉細胞の分化の主要なステージ特異的マーカー(HAND1)を含む、分化方法の概要である。
図8Bは、H1−hESC細胞(上列、左)、500ng/mLのFGF4及び3μMのChiron99021で2日間コンディショニングしたステージ1後の細胞(上列、中)、500ng/mLのFGF4及び500ng/mLのWNT3Aで2日間コンディショニングしたステージ1後の細胞(上列、右)、RA/BMP4でコンディショニングしたS3D5単層(下列、左)、及び、RA/BMP2でコンディショニングしたS3D5単層(下列、右)の、位相差画像を示す。2日間のコンディショニング後の遺伝子発現の誘導が、CDX2については低レベルで示され(
図8C)、内胚葉マーカーであるFOXA2については維持され(
図8D)、中胚葉/間葉マーカーであるHAND1については誘導される(
図8F)。KLF5は誘導されなかった(
図8E)。
【
図8E】CDX2
+細胞の不均一集団の誘導を示す。
図8Aは、各ステージで添加される培地成分、成長因子及び小分子、並びに、中腸/後腸内胚葉細胞の分化の主要なステージ特異的マーカー(HAND1)を含む、分化方法の概要である。
図8Bは、H1−hESC細胞(上列、左)、500ng/mLのFGF4及び3μMのChiron99021で2日間コンディショニングしたステージ1後の細胞(上列、中)、500ng/mLのFGF4及び500ng/mLのWNT3Aで2日間コンディショニングしたステージ1後の細胞(上列、右)、RA/BMP4でコンディショニングしたS3D5単層(下列、左)、及び、RA/BMP2でコンディショニングしたS3D5単層(下列、右)の、位相差画像を示す。2日間のコンディショニング後の遺伝子発現の誘導が、CDX2については低レベルで示され(
図8C)、内胚葉マーカーであるFOXA2については維持され(
図8D)、中胚葉/間葉マーカーであるHAND1については誘導される(
図8F)。KLF5は誘導されなかった(
図8E)。
【
図8F】CDX2
+細胞の不均一集団の誘導を示す。
図8Aは、各ステージで添加される培地成分、成長因子及び小分子、並びに、中腸/後腸内胚葉細胞の分化の主要なステージ特異的マーカー(HAND1)を含む、分化方法の概要である。
図8Bは、H1−hESC細胞(上列、左)、500ng/mLのFGF4及び3μMのChiron99021で2日間コンディショニングしたステージ1後の細胞(上列、中)、500ng/mLのFGF4及び500ng/mLのWNT3Aで2日間コンディショニングしたステージ1後の細胞(上列、右)、RA/BMP4でコンディショニングしたS3D5単層(下列、左)、及び、RA/BMP2でコンディショニングしたS3D5単層(下列、右)の、位相差画像を示す。2日間のコンディショニング後の遺伝子発現の誘導が、CDX2については低レベルで示され(
図8C)、内胚葉マーカーであるFOXA2については維持され(
図8D)、中胚葉/間葉マーカーであるHAND1については誘導される(
図8F)。KLF5は誘導されなかった(
図8E)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、特定の方法、試薬、化合物、組成物、又は生物学的システムに限定されるものではなく、これらは無論のこと変更可能であることは理解されるはずである。また、本明細書において使用される用語は、あくまで特定の実施形態を説明することを目的としたものに過ぎず、限定的なものではない点も理解されるはずである。
【0019】
本発明は、中腸内胚葉細胞の発生に関する。細胞は、特定の培養順を用いて発生された。したがって、本発明は、多能性幹細胞由来の細胞を、中腸内胚葉細胞系統に特徴的なマーカー、例えばCDX2及びFOXA2を発現している細胞に分化するための、in vitro細胞培養法を提供する。本発明は更に、in vitro細胞培養法によって、かかる細胞を単層で得て、維持するための方法を提供する。特定の実施形態では、本発明は、レチノイン酸及びBMP4又はBMP2又はそれらの類似体を含めると、中腸内胚葉細胞への分化を促進するために、分化している細胞中でCDX2を誘導し、FOXA2タンパク質の発現を維持するように作用するという発見に基づいている。CDX2は、胚体内胚葉(ステージ1)又は原始腸管(ステージ2)においてはタンパク質レベルで発現していない。したがって、本発明は、多能性幹細胞を分化し、CDX2及びFOXA2を発現する中腸内胚葉を発生させる方法を提供する。
【0020】
定義
特に断らない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に述べられるものと同様又は同等の任意の方法及び材料を本発明の試験を実施するために使用することができるが、本明細書では好ましい材料及び方法について述べる。本発明を説明及び特許請求する上で以下の用語が用いられる。
【0021】
幹細胞は、単一細胞の、自己複製する能力、並びに自己複製前駆細胞、非複製前駆細胞、及び最終分化細胞を含む子孫細胞を産生するために分化する能力の双方によって定義される、未分化細胞である。幹細胞はまた、in vitroで複数の胚葉(内胚葉、中胚葉及び外胚葉)から様々な細胞系統の機能細胞に分化する能力によって、並びに、移植後に複数の胚葉組織を生じさせる能力、及び胚盤胞内への注入後に、全部ではないが実質的にほとんどの組織に寄与する能力によっても、特徴付けられる。
【0022】
幹細胞は、その発生能に応じて、(1)全能性、(2)多分化能性、(3)複能性、(4)少能性、及び(5)単能性に分類される。全能細胞は、全ての胚細胞型及び胚体外細胞型を生じさせることが可能である。多能性細胞は、全ての胚細胞型を生じさせることが可能である。複能性細胞は、細胞系統のサブセットを生じさせることが可能であるが、全てが、特定の組織、器官、又は生理系の範囲内であるものを含む(例えば、造血幹細胞(HSC)は、HSCを含む子孫(自己複製)、血球に制限された少能性前駆細胞、並びに血液の正常成分である全ての細胞型及び要素(例えば、血小板)を産生することができる)。少能性の細胞は、複能性幹細胞よりも制限された、細胞系統のサブセットを生じさせることができ、単能性の細胞は、単一の細胞系統を生じさせることができる(例えば、精原幹細胞)。
【0023】
幹細胞はまた、それらの幹細胞を得ることができる供給源に基づいても分類される。成体幹細胞は、全般的には、複数の分化細胞型を含む組織内に見出される、多分化能性の未分化細胞である。成体幹細胞は、自己複製することができる。通常の状況下では、成体幹細胞はまた、その細胞が起源とする組織の、特殊化した細胞型、また恐らくは他の組織型を産生するように、分化することもできる。誘導された多能性幹細胞(iPS細胞)は、多能性幹細胞に変換された成熟細胞である(Takahashi et al.,Cell,2006;126(4):663〜676;Takahashi et al.,Cell,2007;131:1〜12)。胚幹細胞は、胚盤胞期の胚の内部細胞塊からの、多能性細胞である。胎生幹細胞は、胎児組織又は胎膜を起源とする幹細胞である。
【0024】
胚組織は、典型的には、胚(ヒトの場合、受精から、約6週間の発達までの期間を指す)を起源とする組織として定義される。胎児組織は、ヒトでは約6週間の発達から分娩までの期間を指す、胎児に由来する組織を指す。胚体外組織は、胚又は胎児に関連するが、胚又は胎児を起源とはしない組織である。胚体外組織としては、胚体外膜(絨毛膜、羊膜、卵黄嚢、及び尿膜)、臍帯、並びに胎盤(それ自体は、絨毛膜及び母体基底脱落膜から形成される)が挙げられる。
【0025】
分化は、特殊化されていない(「コミットされていない」)細胞、又は比較的特殊化されていない細胞が、例えば、腸管細胞又は膵臓細胞などの、特殊化細胞の特徴を獲得するプロセスである。分化した細胞は、細胞の系統の範囲内で、より特殊化した(「コミットされた」)状態を呈している細胞である。コミットされたという用語は、分化のプロセスに適用される場合、通常の状況下では、特定の細胞型又は細胞型のサブセットへと分化を継続して、通常の状況下では、異なる細胞型へと分化することも、又はより未分化の細胞型に復帰することもできない地点まで、分化経路が進行している細胞を指す。脱分化とは、細胞が、細胞の系統の範囲内で、比較的特殊化されて(又はコミットされて)いない状態に復帰するプロセスを指す。本明細書で使用するとき、細胞の系統は、その細胞の遺伝性、即ち、その細胞がどの細胞に由来するか、またその細胞がどのような細胞を生じさせることができるかを規定する。細胞の系統は、発達及び分化の遺伝スキームの範囲内で、その細胞を位置付けるものである。
【0026】
広義には、前駆細胞は、それ自体よりも分化した子孫を作り出す能力を有し、かつ前駆細胞のプールを補充する能力を更に保持する細胞である。その定義によれば、幹細胞自体もまた、より直接的な、最終分化細胞への前駆体であるため、前駆細胞である。より狭義には、前駆細胞は、分化経路での中間体である細胞として定義される場合が多く、即ち、前駆細胞は、幹細胞から生じるものであり、成熟細胞型又は細胞型のサブセットを産生する際の中間体である。この型の前駆細胞は、全般的には、自己複製が不可能である。したがって、このタイプの細胞が本明細書で言及される場合には、その細胞は、非複製前駆細胞、又は中間的前駆細胞若しくは中間的前駆細胞と称される。
【0027】
本明細書で使用するとき「マーカー」とは、対象とする細胞で差異的に発現される核酸又はポリペプチド分子である。これに関して、差異的発現とは、未分化細胞と比べて、陽性マーカーについては増殖したレベルを意味し、陰性マーカーについては減少したレベルを意味する。マーカー核酸又はポリペプチドの検出限界は、他の細胞と比較して対象とする細胞において充分に高いか又は低いことから、当該技術分野において知られる各種方法のいずれを用いても対象とする細胞を他の細胞から識別及び区別することが可能である。
【0028】
本明細書で使用するとき、細胞は、特異的マーカーが細胞内で十分に検出されたとき、特異的マーカー「について陽性」又は「陽性」である。同様に、細胞は、特異的マーカーが細胞内で十分に検出されないとき、特異的マーカー「について陰性」又は「陰性」である。とりわけ、蛍光活性フローサイトメトリー(「FACS」)による陽性は通常2%を超えるが、FACSによる陰性閾値は通常1%を下回る。
【0029】
本明細書で使用するとき、リアルタイムPCR(RT−PCR)による陽性は、28サイクル(Cts)未満であり、Taqman(登録商標)Low Density Array(TLDA)を用いると、33Cts未満であり、一方、Open Array(登録商標)による陰性は、28.5サイクルを超え、TLDAによる陰性は33.5Ctsを超える。
【0030】
静的in vitro細胞培養において、多能性幹細胞を機能的中腸内胚葉細胞に分化するため、分化プロセスは、連続ステージを通じて進行すると見られる場合が多い。このとき、中腸内胚葉への分化工程は3つのステージで発生する。この段階的進行では、「ステージ1」は、分化プロセスの第1の工程、多能性幹細胞の、胚体内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞(以下、代替的に「ステージ1細胞」と称する)への分化を指す。「ステージ2」は、第2の工程、胚体内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞の、原始腸管細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞(以下、代替的に「ステージ2細胞」と称する)への分化を指す。「ステージ3」は、第3の工程、腸管細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞の、中腸内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞(以下、代替的に「ステージ3細胞」と称する)への分化を指す。
【0031】
しかしながら、特定集団の全ての細胞がこれらのステージを同じ速度で進行するとは限らないことに留意されたい。結論として、in vitro細胞培養において、特に後期分化ステージでは、集団に存在する細胞の大半よりも分化経路を進行していなかったり、大半よりも進行しいていたりする細胞の存在を検出することは稀ではない。本発明を例証する目的で、上で特定されたステージと関連した様々な細胞型の特徴が本明細書に記載される。
【0032】
本明細書で使用するとき、「胚体内胚葉細胞」は、原腸形成中、胚盤葉上層から生じ、胃腸管及びその誘導体を形成する細胞の特徴を保有している細胞を指す。胚体内胚葉細胞は、以下のマーカー、すなわち、FOXA2(肝細胞核因子3−β(「HNF3−β」)としても知られる)、GATA4、SOX17、CXCR4、ブラキュリ、ケルベロス、OTX2、グースコイド、C−Kit、CD99、及びMIXL1のうちの少なくとも1つを発現する。胚体内胚葉細胞に特徴的なマーカーには、CXCR4、FOXA2、及びSOX17が挙げられる。したがって、胚体内胚葉細胞は、CXCR4、FOXA2、及びSOX17の発現で特徴付けられ得る。加えて、細胞がステージ1に留まることができる時間の長さに応じて、HNF4αにおける増加が観察され得る。
【0033】
「原始腸管細胞」は、本明細書で使用するとき、胚体内胚葉由来の、肺、肝臓、膵臓、胃、及び腸などの全ての内胚葉器官を生じ得る内胚葉細胞を指す。原始腸管細胞は、胚体内胚葉細胞によって発現されたものに対するHNF4αの実質的に増加した発現で特徴付けられ得る。
【0034】
「前腸内胚葉細胞」は、本明細書で使用するとき、食道、肺、胃、肝臓、膵臓、膀胱、及び十二指腸の最も前方の部分を生じる内胚葉細胞を指す。前腸内胚葉細胞は、とりわけ、SOX2、PDX1、ALB、SOX17及びFOXA2の発現で特徴付けられ得る。
【0035】
「中腸内胚葉細胞」は、本明細書で使用するとき、小腸を生じる内胚葉細胞を指す。中腸内胚葉細胞は、CDX2、FOXA2の発現、及びPDX1の低発現(PDX1
LO)で特徴付けられ得る。特定のHOX遺伝子の発現により、中腸内胚葉と後腸内胚葉との差を区別できる。例えば、HOXC5は、中腸内胚葉細胞に優先的に発現される。
【0036】
「後腸内胚葉細胞」は、本明細書で使用するとき、大腸を生じる内胚葉細胞を指す。後腸内胚葉細胞は、CDX2、FOXA2、HOXA13及びHOXD13の発現で特徴付けられ得る。
【0037】
本明細書で使用するとき、「間葉細胞」は、骨、軟骨、リンパ管、及び循環系などの結合組織を生じる中胚葉細胞を指す。HAND1及びFOXF1の発現は、間葉細胞を決定する。
【0038】
「患者」又は「対象」又は「宿主」という用語は、組成物、つまり医薬組成物で治療される、又は本明細書で説明される方法に従って治療される、哺乳類などの動物、好ましくはヒトを指す。
【0039】
用語「有効量」又はその同等用語は、ヒト多能性幹細胞の、分化した細胞集団、例えば、胚体内胚葉、前腸内胚葉、中腸内胚葉、後腸内胚葉、膵内胚葉などに促進かつ分化するのに十分な、成長因子が挙げられるがこれらに限定されない薬剤又は化合物の量を指す。
【0040】
用語「投与する」及び「投与」は、本明細書で代替的に使用され、細胞が、治療部位に直接的又は間接的に移植(implanted)、注入、移植(transplanted)、ないしは別の方法で投与され得ることを意味する。細胞が半固体又は固体デバイス中で投与されるとき、移植、特に、皮下腔、網膜、肝臓、腎臓(腎被膜)などの体内の正確な位置への外科的移植が好適な送達手段である。液体又は流体医薬組成物は、より一般的な位置に投与してもよい。
【0041】
本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用するところの単数形「a」、「an」及び「the」は、その内容について特に明らかに断らない限り、複数の指示対象を含むものである。したがって、例えば、「細胞(a cell)」という言及には、2つ以上の細胞の組み合わせ、及びこれに類するものなどを含む。
【0042】
本明細書で使用するとき、量、時間の長さなどの測定可能な値に関して使用する「約」という用語は、指定値から±20%〜±0.1%、好ましくは±20%又は±10%、より好ましくは±5%、更により好ましくは±1%、いっそうより好ましくは±0.5%、±0.1%の変動を包含することを意味する。このような、特定の値から0.05%又は0.01%の変動は、開示される方法を実施するうえで適切なものである。
【0043】
以下の略語は、明細書及び特許請求の範囲全体で使用され得る。
ABCG2−ATP結合カセット、サブファミリーG、メンバー2;
ALB−アルブミン;
BMP−骨形成タンパク質;
CDX2−caudal type homeobox 2;
CXCR4−C−X−Cケモカイン受容体4型:
FAF−BSA−脂肪酸を含まないウシ血清アルブミン
FGF−線維芽細胞増殖因子;
FOXA2−Forkhead Box A2;
GATA4−GATA結合タンパク質4;
GDF−増殖分化因子;
GIP−グルコース依存性インスリン分泌ポリペプチド;
GLP−1−グルカゴン様ペプチド1;
GSK3B−グリコーゲン合成酵素キナーゼ3β;
HAND1−heart and neural crest derivatives expressed 1;
HOX−ホメオボックス;
hTERT−ヒトテロメラーゼ逆転写酵素;
KLF−クルッペル様転写因子;
LGR5−ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型受容体5;
MIXL1−Mix Paired様ホメオボックス−1;
OCT4−オクタマー結合転写因子4;
OTX2−orthodenticle homeobox 2;
PDX1−pancreatic and duodenal homeobox 1;
PTF1A−膵臓特異的転写因子1a;
SOX−性決定領域Y(SRY)−box;
TRA1−60−T細胞受容体α−1−60;
UTF1−未分化胚細胞転写因子1;
WNT3A−wingless−type MMTV integration siteファミリー、メンバー3A;及び
ZFP42−ジンクフィンガータンパク質42。
【0044】
詳細な説明
多能性幹細胞は、内胚葉、中胚葉、及び外胚葉組織の3胚葉の全ての細胞に分化する能力を有している。使用が可能な多能性幹細胞の例示の種類としては、妊娠期間中の任意の時期(必ずしもではないが、通常は妊娠約10〜12週よりも前)に採取した前胚性組織(例えば胚盤胞など)、胚性組織又は胎児組織を含む、多能性細胞の樹立株が挙げられる。非限定的な例は、ヒト胚性幹細胞又はヒト胚生殖細胞の樹立株であり、例えば、ヒト胚性幹細胞株H1、H7、及びH9(WiCell Research Institute,Madison,WI,USA)などである。フィーダー細胞の非存在下で既に培養された多能性幹細胞集団から採取した細胞も好適である。OCT4、NANOG、SOX2、KLF4、及びZFP42など多数の多能性に関係する転写因子の強制発現を使用して、成体体細胞から誘導されるiPS、つまり再プログラム化された多能性細胞(AaAnnu Rev Genomics Hum Genet 2011,12:165〜185;更に、iPS,Cell,126(4):663〜676も参照)も使用できる。本発明の方法で使用されるヒト胚性幹細胞もまた、Thomsonらによって記載されるように調製され得る(米国特許第5,843,780号、Science,1998,282:1145〜1147;Curr Top Dev Biol 1998,38:133〜165;Proc Natl Acad Sci U.S.A.1995,92:7844〜7848)。BG01v(BresaGen,Athens,Ga.)などの変異体ヒト胚性幹細胞株、又はTakahashi et al.,Cell 131:1〜12(2007)に開示されている細胞などのヒト成体細胞に由来する細胞を使用することもできる。ある特定の実施形態では、本発明での使用に好適な多能性幹細胞は、Li et al.(Cell Stem Cell 4:16〜19,2009);Maherali et al.(Cell Stem Cell 1:55〜70,2007);Stadtfeld et al.(Cell Stem Cell 2:230〜240);Nakagawa et al.(Nature Biotechnol 26:101〜106,2008);Takahashi et al.(Cell 131:861〜872,2007);及び米国特許出願公開第2011/0104805号に記載され得方法に従って誘導され得る。ある特定の実施形態において、多能性幹細胞は、非胎生起源であり得る。これらの参考文献、特許、及び特許出願の全ては、とりわけそれらが多能性細胞の単離、培養、増殖、及び分化に関するため、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0045】
多能性幹細胞は、様々なステージを通じて分化し、各々が特定のマーカーの存在又は非存在で特徴付けられ得る。これらのステージへの細胞の分化は、培養培地に添加されるある特定の因子の存在又は欠失を含む、特異的培養条件によって達成される。一般に、この分化は、本明細書でステージ1と称する、多能性幹細胞の胚体内胚葉細胞への分化を含み得る。次に、これらの胚体内胚葉細胞は、本明細書でステージ2と称する、原始腸管細胞へと更に分化し得る。続いて、原始腸管細胞は、本明細書でステージ3と称する、中腸内胚葉細胞へと分化し得る。
【0046】
多能性幹細胞の、中腸内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞への分化
多能性幹細胞の特性は当業者には周知であり、多能性幹細胞の更なる特性が引き続き同定されている。多能性幹細胞のマーカーとして、例えば、ABCG2、Cripto、FOXD3、CONNEXIN43、CONNEXIN45、OCT4、SOX2、NANOG、hTERT、UTF1、ZFP42、SSEA−3、SSEA−4、TRA−1−60、及びTRA−1−81のうち1つ又は2つ以上の発現が挙げられる。
【0047】
例示的な多能性幹細胞として、ヒト胚性幹細胞株H1(NIHコード:WA01)、ヒト胚性幹細胞株H9(NIHコード:WA09)、ヒト胚性幹細胞株H7(NIHコード:WA07)、及びヒト胚性幹細胞株SA002(Cellartis,Sweden)が挙げられる。また、多能性細胞に特徴的な以下のマーカー、すなわち、ABCG2、Cripto、CD9、FOXD3、CONNEXIN43、CONNEXIN45、OCT4、SOX2、NANOG、hTERT、UTF1、ZFP42、SSEA−3、SSEA−4、TRA−1−60、及びTRA−1−81のうちの少なくとも1つを発現する細胞も好適である。
【0048】
胚体内胚葉系統に特徴的なこれらのマーカーのうちの少なくとも1つを発現する細胞もまた、本発明における使用に適している。本発明の一実施形態では、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現している細胞は、原始線条前駆体細胞である。別の実施形態では、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現している細胞は、中内胚葉細胞である。別の実施形態では、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現している細胞は、胚体内胚葉細胞である。
【0049】
中腸内胚葉系統に特徴的なこれらのマーカーのうちの少なくとも1つを発現する細胞もまた、本発明における使用に適している。本発明の一実施形態では、中腸内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現している細胞は、細胞がFOXA2及びCDX2を発現している中腸内胚葉細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、SOX2、ALB、PTF1A、HOXA13又はLGR5を発現していない。実施形態では、中腸内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現している細胞は、細胞がFOXA2、CDX2、SOX9、PDX1、KLF5及びHOXC5の各々を発現している中腸内胚葉細胞である。実施形態では、中腸内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現している細胞は、細胞がSOX2、ALB、PTF1A、HOXA13及びLGR5をいずれも発現していない中腸内胚葉細胞である。
【0050】
本発明は、細胞培養条件及び培地を使用する、多能性幹細胞の、中腸内胚葉細胞への段階的な分化誘導を提供する。本発明の実施形態では、中腸内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞に到達するため、多能性幹細胞、例えば胚性幹細胞及び人工多能性細胞から始めるプロトコールが採用される。このプロトコールは、以下のステージを含む。
ステージ1:細胞培養株から得られる胚性幹細胞などの多能性幹細胞を、胚体内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞への分化を誘導するように適切な因子で処理する。
ステージ2:ステージ1から得た細胞を、原始腸管細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞への更なる分化を誘導するように適切な因子で処理する。
ステージ3:ステージ2から得た細胞を、中腸内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞への更なる分化を誘導するように適切な因子で処理する。
【0051】
培養又は単離された細胞中のタンパク質及び核酸マーカーの発現を評価する方法は、当技術分野にて標準的である。これらの方法としては、RT−PCR、ノーザンブロット、in situハイブリダイゼーション(例えば、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubel et al.,eds.2001 supplement)参照)、及びイムノアッセイ(例えば、材料切片の免疫組織化学的分析)、ウェスタンブロット、並びに無傷細胞内でアクセス可能なマーカーの場合、FACS(例えば、Harlow and Lane,Using Antibodies:A Laboratory Manual,New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press(1998)参照)が挙げられる。分化の効率は、処理した細胞集団を、対象とする細胞型に特徴的なマーカーを発現している細胞によって発現されるタンパク質マーカーを特異的に認識する作用剤(例えば、抗体など)に暴露することにより測定することができる。
【0052】
1.多能性幹細胞の、胚体内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞への分化
多能性幹細胞は、当技術分野において既知の任意の方法により、又は本発明で提案される任意の好適な方法により、胚体内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞に分化され得る。本発明の一実施形態では、多能性幹細胞を、GDF8及びGSK3β阻害剤などの因子(例えば、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2010/0015711号に開示される、環状アニリン−ピリジノトリアジン化合物)を添加したMCDB−131培地(Life Technologies,Carlsbad,California)などの培地で処理し、胚体内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞への分化を誘導する。スタウロスポリンなど広範なGSK3β阻害剤、好ましいGSK3β阻害剤(本明細書で「MCX化合物」と称される、14−プロパ−2−エン−1−イル−3,5,7,14,17,23,27−ヘプタアザテトラシクロ[19.3.1.1〜2,6〜.1〜8,12〜]ヘプタコサ−1(25),2(27),3,5,8(26),9,11,21,23−ノナエン−16−オン)が存在する。処理は、多能性幹細胞を、約10ng/mL〜1000ng/mL、好ましくは50ng/mL〜約150ng/mL、代替的に約75ng/mL〜約125ng/mL、代替的に約100ng/mLのGDF8を添加した培地と接触させることを含み得る。この処理はまた、細胞を、約0.1〜10μM、好ましくは0.1〜5μM、代替的に約0.5〜約2.5μM、好ましくは約1.5μM又は約1.0μMのMCX化合物と接触させることも含み得る。その他培地の構成成分として、約2.7g/1000mL〜3.6g/1000mL、好ましくは2.7g/1000mLの重炭酸ナトリウム;約0.1%〜2.0%、好ましくは約0.5%のFAF−BSA;1:100(「1×濃度」)に希釈したGlutaMAX(商標)(Life Technologies Corporation,Carlsbad,California);及び、10mM濃度のD−グルコースを得るための、約2mM〜20mMの範囲の濃度、好ましくは4.5mMのD−グルコースを含んでよい。
【0053】
多能性細胞は、胚体内胚葉細胞への分化を促進するため、約2〜5日間、好ましくは3〜4日間培養されてよい。一実施形態では、多能性細胞は、有効量のTGFβシグナル伝達分子及び/又はGSK3β阻害剤の存在下、例えば、有効量のGDF8及びMCX化合物の存在下で1日培養され、続いてGDF8及びより低い濃度のMCX化合物の存在下で1日培養され、続いてGDF8の存在下、MCX化合物の非存在下で1日培養される。具体的には、細胞は、GDF8及び約1.5μMのMCX化合物の存在下で1日培養され、続いてGDF8及び約0.1μMのMCX化合物の存在下で1日培養され、続いてGDF8の存在下、MCX化合物の非存在下で1日培養されてよい。代替的な実施形態では、細胞は、GDF8及び約1.5μMのMCX化合物の存在下で1日培養され、続いてGDF8及び約0.1μMのMCX化合物の存在下で1日培養されてよい。
【0054】
胚体内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞の発生は、以下の特定のプロトコールの前後に、マーカーの存在に関して試験することにより決定することができる。多能性幹細胞は、一般にかかるマーカーを発現しない。したがって、多能性細胞の分化は、細胞が胚体内胚葉細胞に特徴的なマーカー、例えばCXCR4、FOXA2及びSOX17を発現し始めた際に検出され得る。実施形態では、胚体内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞は、胚体内胚葉細胞である。
【0055】
2.胚体内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞の、原始腸管細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞への分化
胚体内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞は、原始腸管細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞に更に分化され得る。一実施形態では、原始腸管細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞の形成は、胚体内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞を、FGF7を含有するMCDB−131などの培地で培養し、これらの細胞を分化させることを含む。例えば、培養培地は、約10ng/mL〜100ng/mL、好ましくは約25ng/mL〜約75ng/mL、代替的に約30ng/mL〜約60ng/mL、代替的に約50ng/mLのFGF7を含んでよい。細胞は、これらの条件下で約2〜3日間、好ましくは約2日間培養され得る。
【0056】
別の実施形態では、原始腸管細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞への分化は、胚体内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞を、FGF7及びアスコルビン酸(ビタミンC)と共に培養することを含む。MCDB−131などの培地は、約0.1mM〜約1.0mMのアスコルビン酸、好ましくは約0.1mM〜約1.0mM、代替的には約0.2mM〜約0.4mM、代替的には約0.25mMのアスコルビン酸を含んでよい。また培地は、約10ng/mL〜100ng/mL、好ましくは約10ng/mL〜約50ng/mL、代替的に約15ng/mL〜約30ng/mL、代替的に約50ng/mL、又は約25ng/mLのFGF7も含んでよい。例えば、培地は、約0.25mMのアスコルビン酸及び約50ng/mLのFGF7を含んでよい。その他培地の構成成分として、約2.7g/1000mL〜3.6g/1000mL、好ましくは2.7g/1000mLの重炭酸ナトリウム;約0.1%〜2.0%、好ましくは約0.5%のFAF−BSA;1:100(「1×濃度」)に希釈したGlutaMAX(商標);及び、10mM濃度のD−グルコースを得るための、約2mM〜20mMの範囲の濃度、好ましくは4.5mMのD−グルコースを含んでよい。一実施形態では、胚体内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞は、FGF7及びアスコルビン酸で2日間処理される。胚体内胚葉細胞の分化は、細胞が原始腸管細胞に特徴的なマーカーの発現、例えばFOXA2の発現及びHNF4αの発現増加を始めた際に検出され得る。実施形態では、原始腸管細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞は、原始腸管である。
【0057】
3.原始腸管細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞の、中腸内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞への分化
原始腸管細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞を、中腸内胚葉細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化できる。一実施形態では、原始腸管細胞を、レチノイン酸及びBMP4又はBMP2を添加したBLAR培地(Life Technologies,Corporation,Carlsbad,California)などの培地中で培養することにより、中腸内胚葉細胞に更に分化させる。好ましい実施形態では、培地に、約0.5μM〜約5μMのレチノイン酸、好ましくは約1μMと、約10ng/mL〜約100ng/mLのBMP4又はBMP2、好ましくは約50ng/mLのBMP4又はBMP2を添加する。培地へのその他の添加成分として、約0.1%〜2.0%、好ましくは約0.5%のFAF−BSA;GlutaMAX(商標);及び、10mM濃度のD−グルコースを得るための、約2mM〜20mMの範囲の濃度、好ましくは4.5mMのD−グルコースを含んでよい。一実施形態では、原始腸管細胞に特徴的なマーカーを発現している細胞は、BMP4又はBMP2及びレチノイン酸で、3〜5日間、好ましくは5日間処理される。培地のpHは、5日間のステージ3コンディショニング期間中、6.8〜7.2の範囲であってよい(7.3以上であるS2D2での通常pHと比べて)。
【0058】
本発明は、中腸内胚葉細胞を発生させるために選択された培地中でヒト多能性幹細胞を培養することによる、中腸内胚葉細胞集団の産生方法に関する。実施形態では、この方法は、ヒト多能性幹細胞の、段階的プロセスでの中腸内胚葉細胞への分化を誘導する。実施形態では、中腸内胚葉細胞集団が産生される。いくつかの実施形態では、実質的に中腸内胚葉細胞集団が産生される。実施形態では、中腸内胚葉細胞は、平面培養において単層を形成し、その単層を維持する。実施形態では、中腸内胚葉細胞は、培地中で単層として安定である。本明細書で、単層として安定、又は単層として安定のままである細胞とは、培養液中でスフェロイドを形成しない単層細胞を指す。
【0059】
実施形態では、分化細胞の50%超が、中腸内胚葉に特徴的なマーカーを発現する。実施形態では、分化細胞の60%超、70%超、80%超、90%超、又は95%超が、中腸内胚葉に特徴的なマーカーを発現する。実施形態では、中腸内胚葉に特徴的なマーカーを発現する分化細胞は、中腸内胚葉細胞である。実施形態では、中腸内胚葉細胞は、FACS分析及びqPCRによって測定するとき、CDX2及びFOXA2を発現する。いくつかの実施形態では、中腸内胚葉細胞は、IF分析及びqPCRによって測定するとき、SOX9、PDX1、KLF5及びHOXC5から選択される転写因子を発現する。実施形態では、中腸内胚葉細胞は、IF分析及びqPCRによって測定するとき、SOX2、ALB、PTF1A、並びにqPCRによって測定するとき、HOXA13及びLGR5から選択される転写因子を発現しない。
【0060】
本発明の更なる実施形態は、培養液中の胚体内胚葉細胞の原始腸管細胞への分化を誘導することを含む、中腸内胚葉細胞を産生する方法である。実施形態では、胚体内胚葉細胞は、アスコルビン酸及びFGF7を含む培地中で培養される。更なる実施形態では、原始腸管細胞は、レチノイン酸及びBMP2又はBMP4を含む培地中で培養される。原始腸管細胞は、中腸内胚葉細胞に分化する。いくつかの実施形態では、原始腸管細胞は、酸性条件下(酸性培地)で中腸内胚葉細胞に分化する。特定の実施形態では、酸性条件とはBLAR培地中での培養である。酸性培地のpHは、原始腸管細胞から中腸内胚葉細胞への5日間の分化コンディショニング期間中、6.8〜7.2の範囲であってよい(7.3以上であるS2D2での通常pHと比べて)。実施形態では、中腸内胚葉細胞は、培地中で単層を形成し、その単層を維持する。
【0061】
本明細書に記載される実施形態のそれぞれにおいて、ヒト多能性幹細胞は、hESC又はiPS細胞である。上記かつ本明細書に記載される実施形態のそれぞれにおいて、中腸内胚葉細胞は、FACS分析及びqPCRによって測定するとき、CDX2及びFOXA2を発現する。全ての実施形態では、中腸内胚葉細胞は、IF分析及びqPCRによって測定するとき、SOX9、PDX1、KLF5及びHOXC5から選択される転写因子を発現する。上記かつ本明細書に記載される実施形態では、中腸内胚葉細胞は、IF分析及びqPCRによって測定するとき、SOX2、ALB、PTF1A、並びにqPCRによって測定するとき、HOXA13及びLGR5から選択される転写因子を発現しない。上記かつ本明細書に記載される実施形態では、中腸内胚葉細胞は、IF分析及びqPCRによって、CDX2、FOXA2、SOX9、PDX1、KLF5及びHOXC5を発現する。実施形態のそれぞれにおいて、中腸内胚葉細胞は、IF分析及びqPCRによって測定するとき、SOX2、ALB、PTF1Aを、並びにqPCRによって測定するとき、HOXA13及びLGR5を発現しない。
【0062】
上記かつ本明細書に記載される分化プロトコールの結果として、特定の培地成分及び培養条件、特に、BLAR培地中での培養などの酸性培養条件を用いて、中腸内胚葉細胞のマーカーを発現している培養細胞が産生され、qPCRによって測定するとき、この細胞は、中胚葉/間葉細胞系統のマーカーであるHAND1の発現を欠いている。多能性幹細胞を中腸/後腸内胚葉系統に誘導するための分化プロトコールを、例えば原始腸管細胞ステージ2ではなく胚体内胚葉ステージ1において幹細胞を誘導するように変更すると、qPCRによって測定するときHAND1を発現している、内胚葉−間葉CDX2+中腸/後腸細胞の混合集団が得られる。
【0063】
特定の実施形態では、中腸内胚葉細胞集団は、実質的に中腸内胚葉細胞である。いくつかの実施形態では、中腸内胚葉細胞の集団は、70%超の中腸内胚葉細胞、好ましくは80%超、90%超、及び95%超の中腸内胚葉細胞を含む。いくつかの実施形態では、中腸内胚葉細胞の集団は、20%未満、好ましくは15%未満、より好ましくは10%未満、5%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満の間葉細胞を含む。実施形態では、中腸内胚葉細胞は、HAND1の発現を欠いている。
【0064】
分化した中腸内胚葉細胞の使用
本発明の別の実施形態では、分化した中腸内胚葉細胞を単独で、又は分化した、つまり成熟した内分泌細胞、例えば腸内分泌細胞と組み合わせて、糖尿病に罹っている、又は糖尿病発症のリスクがある患者の治療に使用できる。かかる実施形態では、分化した中腸内胚葉細胞又はそれらの混合物を、糖尿病、例えば1型又は2型糖尿病の患者に投与してもよい。実施形態では、中腸内胚葉細胞は、腸内分泌細胞に分化して成熟する。実施形態では、中腸内胚葉細胞は、腸内分泌細胞に分化して成熟し、腸内分泌細胞はインクレチン型ホルモンを発現又は分泌する。実施形態では、インクレチンホルモンとして、GLP1及びGIPが挙げられる。細胞の投与は、体内への移植又は注入、特に皮下腔、網膜、肝臓、腎臓などへの移植によるものであってよい。
【0065】
上記本発明のいくつかの実施形態では、中腸内胚葉細胞の分化がin vitroで誘導される。他の実施形態では、中腸内胚葉細胞は、in vivoで更に分化し成熟する。別の実施形態は、in vivoで腸内分泌細胞に、又はin vivoで腸内分泌細胞の混合物に更に分化する、中腸内胚葉細胞に関する。かかる腸内分泌細胞は、インクレチンホルモンを発現又は分泌する。実施形態では、腸内分泌細胞が分泌するインクレチンホルモンは、GLP1及びGIPである。
【0066】
更なる実施形態では、中腸内胚葉細胞は、中腸内胚葉細胞型の、最初に腸内分泌前駆細胞へ、次にインクレチンを発現又は分泌する腸内分泌細胞へのin vitro分化を高い効率で促進する小分子を同定するための出発物質として働く。
【0067】
細胞及び細胞集団及び本明細書に記載されるものなどの混合物をマイクロ又はマクロ封入化した後、哺乳類の宿主に移植してもよい。封入細胞又は細胞単独を、皮下又は体内のいずれかの場所に移植(投与)することができ、それによって細胞は、in vivoで血管形成され、分化した成熟することができる。
【実施例】
【0068】
本発明は、以下の非限定的な実施例を考察することによって更に理解され得る。
【0069】
(実施例1)
CDX2及びFOXA2が共存/共発現している中腸内胚葉細胞集団の産生方法
以下の実施例は、ヒト胚性幹細胞(「hESC」)から中腸内胚葉細胞を発生させるための分化誘導法について記載する。「中腸内胚葉」は、マウスの発生中の胎生期約8.5日(「E8.5」)、又は、ヒト胚発生中の約3〜4週の時点で存在するCDX2陽性かつFOXA2陽性の内胚葉細胞である、対応するin vivo又はin situ細胞型タイプを指す。
【0070】
材料及び方法
細胞培養:EZ8培地(カタログ#A1516901 Gibco,Thermo Fisher Scientific)で培養した、継代数28のヒト胚性幹細胞株H1細胞(「H1−hESC」)(WA01細胞、WiCell Research Institute,Madison,Wisconsin)を、0.094×10
6個/cm
2の単一細胞として、1:30希釈のMATRIGEL(商標)(Corning Incorporated,Corning,New York、カタログ#356231)をコーティングしたディッシュで、以下を含むダルベッコ変性イーグル培地栄養素混合液F−12(「DMEM−F12」)(Life Technologies Corporation,Carlsbad,California、カタログ番号11330−032)中に播種した。
【0071】
【表1】
【0072】
播種から48時間後、培養物を不完全PBS(マグネシウム又はカルシウムを含まないリン酸緩衝生理食塩水)(Life Technologies,Carlsbad,California、カタログ番号14190)で洗浄した。Rock阻害剤Y−27632(Y化合物)は、培養の最初の24時間のみ使用した。
【0073】
分化:以下のプロトコールを用いて培養物を分化させた。プロトコールのステージ1〜3の間、培養物を平面付着培養上で維持した。ただし、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2014/0242693号などの他のものでは、懸濁培養を用いる分化について記載されており、本明細書に記載されるプロトコールを変更し、大規模製造の可能性をもたらす懸濁で実施することができる。以下の表記であるS#D#は、ステージ1〜3の間の実際の時点を示す。例えば、S1D3は、1ステージの3日目である。簡潔に言えば、各ステージは、胚体内胚葉(ステージ1)、原始腸管(ステージ2)、及び中腸内胚葉(ステージ3)への分化と定義する。
【0074】
a.ステージ1(3日間):細胞を、以下のステージ1培地で1日間培養した。
【0075】
【表2】
【0076】
続いて翌日は、細胞を以下の培地で培養した。
【0077】
【表3】
【0078】
続いて翌日は、細胞をMCX化合物を含まない2日目と同じ培地中で培養した。
【0079】
b.ステージ2(2日間):細胞を以下の培地で2日間処理した。
【0080】
【表4】
【0081】
c.ステージ3(5日間):細胞をBLAR001特注培地で5日間処理した。
【0082】
【表5】
【0083】
図1A〜4B(BMP4)、
図5A〜7(BMP2)に示されるように、BMP4又はBMP2のいずれかを本発明の方法のステージ3の間に用いて、CDX2及びFOXA2タンパク質が共存している単層の中腸内胚葉細胞を実現できる。
【0084】
【表6】
【0085】
分化細胞の定量:共局在化して存在しているタンパク質の定量には、S3D5細胞を回収し、FACSにより分析した。FACS染色は、表IIに記載される抗体を用いて、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれるNature Biotechnology,2014(32)11,1121〜1133に記載されるように実施した。簡潔に言うと、分化細胞をTrypLE(商標)Express(Life Technologies,Carlsbad,California、カタログ番号12604)中で5〜10分間37℃でインキュベートし、単一細胞懸濁液へと放出した後、それらを0.2% BSAを含有するPBSの染色緩衝液(BD Biosciences,San Jose,California、カタログ番号554657)で2回洗浄した。細胞内抗体染色は、LIVE/DEAD紫色蛍光反応染料(Life Technologies,Carlsbad,California、カタログ番号L34955)を4℃で30分間用いて、続いて冷PBSで1回洗浄することによって達成した。細胞の固定は、300μLのCytofix/Cytoperm緩衝液(BD Biosciences,San Jose,California、カタログ番号554723)と、続いてPerm/Wash緩衝液(BD Biosciences,San Jose,California、カタログ番号554722)で2回洗浄することにより行った。続いて、細胞を適切な抗体と共に4℃で30分間(非結合抗体)又は1時間(結合抗体)インキュベートした後、2回洗浄し、その後、獲得される事象を少なくとも30,000にしてBD FACS Divaソフトウェアを用い、BD FACS Canto IIで分析した。FACS分析中、非生細胞は除外し、ゲーティングはアイソタイプ抗体(「IgG」)を用いて決定した。IgG FACSデータは、示される各FACS実験で上側の図として示す。抗体の特異性は、Caco−2細胞などの陽性対照、又はS1D3胚体内胚葉(「DE」)細胞などの陰性対照を用いて検査した。
【0086】
【表7】
【0087】
様々なステージにおけるタンパク質の共局在化の定量には、Caco−2、S2D2、S3D2及びS3D5細胞を単層として回収し、免疫蛍光法(「IF」)により分析した。IF像で見られる形態は、付着培養の単層の細胞を掻き取る方法が原因であることに留意されたい。H1−hESC由来細胞を、表IIIに記載される抗体を用いて、Nature Biotechnology,2014(32)11,1121〜1133に記載されるように調製し、染色した。凍結切片作製のため、細胞をPBSで洗浄した後、4℃の4%PFA(Sigma Aldrich,St.Louis,Missouri、カタログ番号158127)中で一晩固定した。固定後、4%PFAを除去し、細胞をPBSで2回洗浄して、4℃の30%スクロース溶液(Amresco,Solon,Ohio、カタログ番号0335)中で一晩インキュベートした。これらのサンプルを試料は、OCT溶液(Sakura Finetek USA Inc.,Torrance,California、カタログ番号4583)中で凍結保存し、5μmの切片を、Superfrost plusスライド(VWR International,LLC,Radnor,PA、カタログ番号48311〜703)に置いた。IF染色には、一次抗体を適切に希釈して4℃で一晩加え、一方二次抗体は室温で30分間加えた後に、PBSで洗浄し、DAPIを含むVectastain封入試薬(Vector Laboratories Inc.,Burlingame,California、カタログ番号H−1200)を加えた。Nikon Ti蛍光顕微鏡(Nikon Instruments,Inc.,Melville,NY)を用いて切片を可視化した。
【0088】
【表8】
【0089】
様々なステージにおける遺伝子発現の定量には、Caco−2、H1−hESC、S1D3、S2D2、S3D2及びS3D5細胞を、Nature Biotechnology,2014(32)11,1121〜1133に記載されるように回収した。簡潔に言えば、遺伝子発現を、特注のTaqman(登録商標)アレイ(Applied Biosystems,Foster City,California)を用いて細胞内で評価するものであるが、Open Array(登録商標)(OA)は、CDX2、FOXA2、SOX2、SOX9、PDX1、ALB、PTF1Aに使用し、Taqman(登録商標)低密度アレイ(TLDA)は、KLF5、HOXC5、及びLGR5に使用し、ハウスキーピング遺伝子であるGAPDHは両方で使用した。配列検出用ソフトウェア(Applied Biosystems,Foster City,California)を用いてデータを解析し、ΔΔCt法を用いて、未分化H1−hESCに対してハウスキーピング遺伝子としてのGAPDHを用いて補正した。プライマーの詳細は、表IVに示す。
【0090】
【表9】
【0091】
結果
各ステージで添加された重要な培地成分、成長因子及び小分子、並びに、中腸内胚葉細胞の分化の主要なステージ特異的マーカー(FOXA2、CDX2、KLF5、SOX9、及びPDX1
LO)を含む、分化方法の概要を
図1Aに示す。S2D2と記される中性pH(7.35±0.04)と比べて、細胞をステージ3全体の間に、BLAR培地中で、BLAR培地中の重炭酸ナトリウム濃度を低下させてわずかに酸性条件にしたものに曝した(pH;S3D1、6.98±0.05;S3D2、7.02±0.04;S3D5、7.18±0.03)(
図1B)。ステージ3の5日間の間、培養液のpHは約6.8〜7.2の範囲であってよい。
図1Cは、S3D5単層(左)及びヒト結腸腺癌上皮細胞株(「Caco−2」)(右)(分化の特徴の基準として使用した)の代表的な位相差画像を示す。S3D5における均一な形態が観察された。Nucleocounter(登録商標)NC−100(Chemometec(Alleroed,Denmark)、カタログ番号900−004)を用いて細胞数を確認すると、1つのhESCが、4.56±2.60個のS3D5後腸内胚葉細胞に分化したことを示す(
図1D)。
【0092】
BMP4を利用する分化方法は、転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2及びFOXA2の両方をそれぞれ含む、単層の中腸内胚葉細胞を効率的に発生させ、維持する。
図2A(下)は、Caco−2細胞で観察される割合(86.0±6.67)と同様に、90.0±5.85パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。逆に、胚体内胚葉(DE−S1D3)細胞は、CDX2及びFOXA2が共存していなかった(2.3±1.2)。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図2B)、FOXA2が維持された(
図2C)ことが示される。
図2Dは、FOXA2陽性の原始腸内胚葉ステージであるS2D2(
図2D−i)の樹立後に、S3D2(
図2D−ii)の間に徐々に増加し、S3D5(
図2D−iii)において、Caco−2細胞(
図2D−iv)に見られるのと同様のレベルに達するように、CDX2タンパク質レベルが誘導され、CDX2/FOXA2タンパク質が共存することを示す。CDX2タンパク質は下列に示され、FOXA2タンパク質は上列に示される。
【0093】
継続的な中腸内胚葉誘導を構成する、追加のTFの転写レベル及びタンパク質レベルは、S3D5において見られる。
図3A〜3Pは、正常な中腸内胚葉が得られたことを示す。CDX2及びFOXA2の共存に加え、S3D5細胞は、SOX9、PDX1、KLF5、HOXC5の共存も示したが、SOX2、ALB、PTF1A、及びLGR5は発現しなかった。全てのTFのタンパク質の存在が、別々の単一チャネル画像に示される。
図3A(下)は、S3D5において、98.7±0.25パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。SOX9遺伝子発現の強い誘導は、Caco−2細胞で観察されるのと匹敵するレベルであり(
図3B)、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図3C)。69.4±14.2パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図3D−下)。PDX1遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(例えば、米国特許出願公開第2014/0242693号)(
図3E)と比較して低いレベルで誘導され、IF分析での低レベル〜存在しないタンパク質を反映した(
図3F)。
【0094】
S3D5細胞は、前方内胚葉TFであるSOX2を発現せず、S3D5細胞の1.45±0.15のみがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図3G−下;
図3I)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図3H)に見られるレベルより低かった。後腸内胚葉の正常な発達に必須であるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で上方制御されていた(
図3J)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図3K)。ALB遺伝子の発現(
図3L)及びタンパク質の存在(
図3M)は、S3D5細胞で観察されなかった。同様に、膵臓系列のマーカーであるPTF1Aの遺伝子発現は、膵臓に偏ったS4D3細胞(
図3N)と比較して、S3D5細胞では誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5は、S3D5細胞内で強く誘導された(
図3O)。
図3Pは、マウスの妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。
図3Qは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図3P)。
【0095】
図4A〜4Bは、分化しているS3D5細胞の増殖プロファイルを示す。
図4Aは、CDX2タンパク質陽性細胞のほとんどの細胞周期が活性化されている(KI67タンパク質との共発現によって示される)Caco−2細胞(左)及び、経時的に減少したステージ3中のH1−hESC由来細胞の増殖指標(S3D2−中;S3D5−右)を示す。CDX2(上列)及びKI67(下列)のタンパク質レベルは、単一チャネル画像として示される。FACSによって評価された、総S3D5細胞中のKI67タンパク質陽性細胞の割合(総細胞は、>90%がCDX2陽性)は、S1D3(97.3±1.3)及びCaco−2細胞(99.2±0.2)とは対称的に、16.8±3.12であった(
図4B)。
【0096】
BMP2は、CDX2及びFOXA2タンパク質が共存している中腸内胚葉細胞の単層を産生するための本発明の方法におけるステージ3中で、BMP4の代替として使用できる。
図5Aは、各ステージで添加された培地成分、成長因子及び小分子、並びに、中腸内胚葉細胞の分化の主要なステージ特異的マーカー(FOXA2、CDX2、KLF5、SOX9、及びPDX1
LO)を含む、分化方法の概要を示す。S2D2と記される中性pH(7.35±0.04)と比べて、細胞をステージ3全体の間に、BLAR培地中で、BLAR酸性培地中の重炭酸ナトリウム濃度を低下させてわずかに酸性条件にしたものに曝した(pH;S3D1、6.92;S3D2、7.01;S3D5、7.22)(
図5B)。
図5Cは、S3D5単層(左)及びCaco−2細胞(右)の代表的な位相差画像を示す。S3D5における均一な形態が観察された。
【0097】
この分化方法は、転写レベル及びタンパク質レベルでCDX2、FOXA2、KLF5、SOX9、PDX1
LO及びHOXC5をそれぞれ含む、単層の正常な中腸内胚葉細胞を発生させ、維持する。全てのTFタンパク質レベルを単一チャネルのIF画像として示す。
図6A(下)は、Caco−2細胞で見られる割合(86.0±6.67)と同様に、94パーセントのS3D5細胞に、CDX2及びにFOXA2タンパク質の両方が共存していたことを示す。遺伝子発現解析により、ステージ3の間に、CDX2が誘導され(
図6B)、FOXA2が維持された(
図6C)ことが示される。
図6Dは、CDX2タンパク質レベルとCDX2/FOXA2タンパク質の完全な共存が、S3D5において誘導され(
図6D)、これが、Caco−2細胞(
図2D−iv)で観察されるレベルに匹敵していることを示す。
図6E(下)は、S3D5において、99.8パーセントの細胞にCDX2及びSOX9の両方が共存していたことを示す。SOX9遺伝子発現の強い誘導は、Caco−2細胞と同様のレベルで観察され(
図6F)、IF分析によって評価されるタンパク質の存在が観察された(
図6G)。45.5パーセントの細胞が、CDX2及びPDX1の両方に共陽性であった(
図6H−下)。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6I)と比較して、PDX1遺伝子発現は低いレベルで誘導され、IF分析では、低レベル〜存在しないタンパク質が反映された(
図6J)。前方内胚葉TFであるSOX2は、S3D5細胞において観察されず、S3D5細胞の0.8パーセントがSOX2及びCDX2の共存を示し(
図6K−下;
図6M)、遺伝子発現は、hESC及びCaco−2細胞(
図6L)に見られるレベルより低かった。後腸内胚葉の正常な発達に必須のマーカーであるKLF5の遺伝子発現は、S3D5で強く上方制御されていた(
図6N)。S3D5において、CDX2陽性細胞内でKLF5タンパク質の共存が観察された(
図6O)。ALB遺伝子の発現(
図6P)及びタンパク質の存在(
図6Q)は、S3D5細胞で観察されなかった。膵臓に偏ったS4D3細胞(
図6R)と比較するとき、S3D5細胞では、膵臓系列に割り当てられるTFであるPTF1Aの遺伝子発現は誘導されなかった。胚性中腸内胚葉中に存在するホメオボックス遺伝子であるHOXC5は、S3D5細胞内で強く誘導された(
図6S)。
図6Tは、妊娠中期に見られ始める胚性腸管内胚葉マーカーであるLGR5が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す。
図6Uは、後腸内胚葉のマーカーであるHOXA13が、S3D5細胞で誘導されなかったことを示す(
図6U)。
【0098】
図7は、分化しているS3D5細胞の増殖プロファイルの特徴であり、CDX2タンパク質陽性細胞のほとんどの細胞周期が活性化されている(KI67タンパク質との共発現によって示される)Caco−2細胞(左)と比較して、ステージ3中のH1−hESC由来細胞の増殖指標が減少した(S3D5−右)。CDX2(上列)及びKI67(下列)のタンパク質レベルは、単一チャネル画像として示される。FACSによって評価された、総S3D5細胞中のKI67タンパク質陽性細胞の割合(総細胞は、>90%がCDX2陽性)は、S1D3(97.3±1.3)及びCaco−2細胞(99.2±0.2)で見られる割合とは対称的に、14.1であった(
図7、4B)。
【0099】
(実施例2)
胚体内胚葉から開始し、FGF4及びWNTアゴニストを使用する腸管培養は、CDX2+中腸/後腸細胞の内胚葉−間葉混合物を産生する
この実施例は、胚体内胚葉ステージで開始し、FGF4及びWNTアゴニストを使用する、腸管培養から産生される内胚葉−間葉混合品質のCDX2+中腸/後腸細胞を実証する(Spence et al.,Nature,2011;470:105〜109;Watson et al.Nature Med,2014;11:1310〜1314)。Spenceら(以下)に記載される中腸/後腸内胚葉細胞への誘導を調べるため、以下のプロトコールを用いてhESCを分化させた。この実施例で概説される分化条件は、(i)腸管状態の開始点が胚体内胚葉で始まる、(ii)RA及びBMP4又はBMP2とは異なる成長因子及び小分子を用いる、及び(iii)酸性培養条件を使用しない点において、実施例1とは異なることに留意されたい。
【0100】
材料及び方法
細胞培養:H1−hESC細胞を、実施例1に記載されるように培養し、維持した。
【0101】
分化:以下のプロトコールを用いて培養物を分化させた。
【0102】
ステージ1−ミミック(3日間):細胞を、以下のステージ1培地で1日間培養した。
【0103】
【表10】
【0104】
続いて翌日は、細胞を以下の培地で培養した。
【0105】
【表11】
【0106】
続いて翌日は、細胞を以下の培地で培養した。
【0107】
【表12】
【0108】
ステージ1後(2日間):例えば、pS1d1は、ステージ1後1日目、pS1d2は、ステージ1後2日目である。細胞を、地下のステージ1後培地で2日間培養した。
【0109】
【表13】
【0110】
定量化:位相差撮像及び遺伝子発現の定量化は、実施例1の手順に従った。
【0111】
結果
各ステージで添加される培地成分、成長因子及び小分子、並びに、中腸/後腸内胚葉細胞の分化のサイン、つまり主要なステージ特異的マーカー(HAND1)を含む、分化方法の概要を
図8Aに示す。腸管状態(ステージ1後)は、500ng/mLのFGF4、及び、3μMのChiron99021(Watsonet al.)、又は500ng/mLのWnt3A(Spence et al.)のいずれかと共に、胚体内胚葉ステージで開始した。用語「ステージ1−ミミック」は、実施例1に記載されるステージ1のコンディショニングを指す「S1D3−オリジナル」とは異なる、本実施例の胚体内胚葉の分化プロトコールを指す。
図8Bは、H1−hESC細胞(上列、左)、500ng/mLのFGF4及び3μMのChiron99021で2日間コンディショニングしたステージ1後の細胞(上列、中)、500ng/mLのFGF4及び500ng/mLのWnt3Aで2日間コンディショニングしたステージ1後の細胞(上列、右)と共に、RA/BMP4でコンディショニングしたS3D5単層(下列、左)、及び、RA/BMP2でコンディショニングしたS3D5単層(下列、右)(実施例1」)の、位相差画像を示す。
【0112】
CDX2遺伝子発現の誘導は、2日間のコンディショニング後に達成されたが、RA/BMP2又はRA/BMP4のS3D5に比べてはるかに低いレベルであった(
図8C)。しかし、内胚葉マーカーであるFOXA2の遺伝子発現は維持され(
図8D)、中胚葉/間葉マーカーであるHAND1は強く誘導された(
図8F)。また、RA/BMP4及びRA/BMP2によるコンディショニングとは異なり、2日間の時点でKLF5は誘導されなかった(
図8E)。
図8Fに最終的に示されるように、この遺伝子発現パターンは、Watson et al.及びSpence et al.で見られる、CDX2
+FOXA2
+内胚葉集団だけではなく、かなりの間葉系CDX2
+細胞集団も含む、不均一な細胞集団を反映している。対称的に、RA/BMP4又はRA/BMP2のステージ2後(原始腸管細胞)のコンディショニングは、中胚葉/間葉マーカーであるHAND1を誘導せず、内胚葉CDX2
+FOXA2
+集団のみが誘導された。
【0113】
本発明及び本発明の様々な実施形態を説明する際に、明瞭化のために特定の用語が用いられる。しかしながら、本発明は、選択された特定の用語に限定されるように意図されていない。関連分野の当業者であれば、他の同等の構成要素を使用することができ、また、本発明の広い概念から逸脱することなく他の方法を開発することができることを認識するであろう。本明細書のいずれかにおいて引用される全ての参照文献は、それぞれが個別に組み込まれているかのように参照により組み込まれる。