特許第6705919号(P6705919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6705919
(24)【登録日】2020年5月18日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】ゲルタイプ熱界面材料
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20200525BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20200525BHJP
   C09K 5/14 20060101ALI20200525BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20200525BHJP
   C08L 83/08 20060101ALI20200525BHJP
   C08K 3/08 20060101ALI20200525BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20200525BHJP
   C08K 5/54 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   H01L23/36 D
   H05K7/20 F
   C09K5/14 102E
   C08L83/04
   C08L83/08
   C08K3/08
   C08K3/22
   C08K5/54
【請求項の数】3
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-568841(P2018-568841)
(86)(22)【出願日】2017年7月11日
(65)【公表番号】特表2019-522711(P2019-522711A)
(43)【公表日】2019年8月15日
(86)【国際出願番号】US2017041447
(87)【国際公開番号】WO2018022288
(87)【国際公開日】20180201
【審査請求日】2018年12月28日
(31)【優先権主張番号】62/366,694
(32)【優先日】2016年7月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/642,092
(32)【優先日】2017年7月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】リチャン・ヅァン
(72)【発明者】
【氏名】カイ・ヅァン
(72)【発明者】
【氏名】ヤークン・リュー
(72)【発明者】
【氏名】リン・シェン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ・ジュン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ハイガン・カン
【審査官】 小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−523456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/36
C08K 3/08
C08K 3/22
C08K 5/54
C08L 83/04
C08L 83/08
C09K 5/14
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱界面材料であって、
少なくとも1種のポリシロキサンと、
少なくとも1種の熱伝導性充填剤と、
アミン官能基及びアルキル官能基の両方を含む少なくとも1種の接着促進剤と、を含み、
前記接着促進剤が、官能性ポリシロキサンであり、前記接着促進剤が、次式:
【化1】
(式中、Aはアミン基を含み、
Bはアルキル基を含み、
各Rは、メチル及びエチルから独立して選択され、
a及びbは、1〜100から独立して選択される整数である)を有する、熱界面材料。
【請求項2】
前記接着促進剤が、800〜100,000ダルトンの重量平均分子量を有する、請求項1に記載の熱界面材料。
【請求項3】
前記熱界面材料が、
2重量%〜20重量%の前記ポリシロキサンと、
0.1重量%〜5重量%のシランカップリング剤と、
50重量%〜95重量%の前記熱伝導性充填剤と、
0.1重量%〜5重量%の前記接着促進剤と、を含む、請求項1に記載の熱界面材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年7月26日に出願された米国仮特許出願第62/366,694号に対する優先権を主張するものであり、その開示内容は、参照によりその全体が本明細書に明確に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、熱界面材料に関し、より具体的にはゲルタイプ熱界面材料に関する。
【背景技術】
【0003】
熱界面材料(Thermal interface materials、TIM)は、中央処理装置、ビデオグラフィックスアレイ、サーバー、ゲーム機、スマートフォン、LEDボード等の電子部品からの熱を放散するために広く使用されている。熱界面材料は、典型的には、過剰の熱を電子部品からヒートシンク等のヒートスプレッダに伝達するために用いられる。
【0004】
熱界面材料を含む典型的な電子回路パッケージ構造体10が図1に示されている。電子回路パッケージ構造体10は、例示的に、電子チップ12等の発熱部品と、ヒートスプレッダ14及びヒートシンク16等の1つ以上の放熱部品とを含む。例示的なヒートスプレッダ14及びヒートシンク16としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、又はニッケルメッキ銅等の金属、金属合金、又は金属メッキ基板が挙げられる。TIM 18及びTIM 20等のTIM材料は、発熱部品と1つ以上の放熱部品との間に熱的接続を提供する。電子回路パッケージ構造体10は、電子チップ12とヒートスプレッダ14とを接続する第1のTIM 18を含む。TIM 18は、典型的には、「TIM 1」と呼ばれる。電子回路パッケージ構造体10は、ヒートスプレッダ14とヒートシンク16とを接続する第2のTIM 20を含む。TIM 20は、典型的には、「TIM 2」と呼ばれる。別の実施形態では、電子回路パッケージ構造体10は、ヒートスプレッダ14を含まず、TIM(図示せず)は、電子チップ12をヒートシンク16に直接接続する。電子チップ12をヒートシンク16に直接接続するそのようなTIMは、典型的には、TIM 1.5と呼ばれる。
【0005】
従来の熱界面材料としては、ギャップパッド等の部品が挙げられる。しかしながら、ギャップパッドは、非常に薄い厚さの要件を満たすことができないこと、自動的製造に使用することが困難であること等の特定の欠点を有する。
【0006】
他の熱界面材料としては、ゲル生成物が挙げられる。ゲル生成物は、大規模生産のために自動的に分注され、所望の形状及び厚さに形成され得る。しかしながら、典型的なゲル生成物は、極端な場合には、この生成物が機能しなくなる可能性がより高いことを含む、温度サイクル試験における滴下及び亀裂の問題を有する。
【0007】
上記の改良が望まれている。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、コンピュータチップ等の発熱電子デバイスからヒートスプレッダ及びヒートシンク等の放熱構造体に熱を伝達するのに有用な熱界面材料を提供する。
【0009】
本開示の一実施形態によれば、熱界面材料は、少なくとも1種のポリシロキサンと、少なくとも1種のシランカップリング剤と、少なくとも1種の熱伝導性充填剤と、少なくとも1種の接着促進剤と、を含む。例示的な一実施形態では、接着促進剤は、アミン官能基及びアルキル官能基の両方を含む。
【0010】
上記実施形態のいずれかのより具体的な実施形態では、接着促進剤は、官能性ポリシロキサンである。更により具体的な実施形態では、接着促進剤は、次式:
【0011】
【化1】
【0012】
(式中、Aはアミン基を含み、
Bはアルキル基を含み、
各Rは、メチル及びエチルから独立して選択され、
a及びbは、1〜100から独立して選択される整数である)を有する。
【0013】
上記実施形態のいずれかの更により具体的な実施形態では、各アミン基は、第一級アミン基、第二級アミン基、及び第三級アミン基からなる群から選択される。上記実施形態のいずれかのより具体的な実施形態では、アミン基は、3−アミノプロピル、3−アミノイソブチル、11−アミノウンデクリル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチル、N−(6−アミノヘキシル)−アミノメチル、N−(6−アミノヘキシル)−3−アミノプロピル、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシル、及び3−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルからなる群から選択される。上記実施形態のいずれかのより具体的な実施形態では、各アルキル基は、3〜20個の炭素原子を含む。
【0014】
上記実施形態のいずれかのより具体的な実施形態では、接着促進剤は、800ダルトン〜3,000ダルトンの重量平均分子量を有する。
【0015】
上記実施形態のいずれかのより具体的な実施形態では、接着促進剤は、熱界面材料の全重量に基づいて、0.1重量%〜5重量%の熱界面材料を含む。
【0016】
上記実施形態のいずれかのより具体的な実施形態では、ポリシロキサンは、熱界面材料の全重量に基づいて、2重量%〜20重量%の熱界面材料を含む。
【0017】
上記実施形態のいずれかのより具体的な実施形態では、熱界面材料は、シランカップリング剤を含む。更により具体的な実施形態では、シランカップリング剤は、ヘキサデシルトリメトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシランである。
【0018】
上記実施形態のいずれかのより具体的な実施形態では、シランカップリング剤は、熱界面材料の全重量に基づいて、0.1重量%〜5重量%の熱界面材料を含む。
【0019】
上記実施形態のいずれかのより具体的な実施形態では、熱伝導性充填剤は、アルミニウム、銅、銀、亜鉛、ニッケル、スズ、インジウム、鉛、炭素、グラファイト、カーボンナノチューブ、炭素繊維、グラフェン、窒化ケイ素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、及び酸化スズから選択される。上記実施形態のいずれかのより具体的な実施形態では、熱伝導性充填剤は、第1の熱伝導性充填剤と第2の熱伝導性充填剤とを含み、第1の熱伝導性ファイラーは、金属であり、第2の熱伝導性充填剤は、金属酸化物である。更により具体的な実施形態では、第1の熱伝導性充填剤は、1ミクロンより大きい粒子サイズを有し、第2の熱伝導性充填剤は、1ミクロン未満の粒子サイズを有する。更により具体的な実施形態では、第1の熱伝導性充填剤と第2の熱伝導性充填剤との比は、1.5:1〜3:1である。
【0020】
上記実施形態のいずれかのより具体的な実施形態では、熱伝導性充填剤は、熱界面材料の全重量に基づいて、50重量%〜95重量%の熱界面材料を構成する。
【0021】
本開示の一実施形態によれば、電子部品は、ヒートシンクと、電子チップと、第1の表面層及び第2の表面層を有する熱界面材料であって、熱界面材料が、ヒートシンクと電子チップとの間に配置され、熱界面材料が、少なくとも1種のシリコーンエラストマー、少なくとも1種のシランカップリング剤、少なくとも1種の熱伝導性充填剤、並びにアミン官能基及びアルキル官能基の両方を含む少なくとも1種の接着促進剤、を含む熱界面材料と、を備える。いくつかの実施形態では、熱界面材料は、上記実施形態のいずれかに従う。第1のより具体的な実施形態では、第1の表面層は、電子チップの表面と接触し、第2の表面層は、ヒートシンクと接触している。第2のより具体的な実施形態では、電子部品は、ヒートシンクと電子チップとの間に配置されたヒートスプレッダを更に備え、第1の表面層が、電子チップの表面と接触し、第2の表面層はヒートスプレッダと接触している。第3のより具体的な実施形態では、電子部品は、ヒートシンクと電子チップとの間に配置されたヒートスプレッダを更に備え、第1の表面層が、ヒートスプレッダの表面と接触し、第2の表面層が、ヒートシンクと接触している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
添付の図面と組み合わせて本発明の実施形態の以下の記載を参照することによって、本開示の上述及び他の特徴及び有利性、並びにそれらを達成する方法がより明らかになり、本発明それ自体がより良好に理解されるであろう。
【0023】
図1】典型的な電子回路パッケージ構造体を概略的に図示する。
図2A】実施例に関連し、温度サイクル試験前に実施例1から形成された試料を示す。
図2B】実施例に関連し、温度サイクル試験前に比較例から形成された試料を示す。
図3A】実施例に関連し、温度サイクル試験後に実施例1から形成された試料を示す。
図3B】実施例に関連し、温度サイクル試験後に比較例から形成された試料を示す。
図4A】実施例に関連し、温度サイクル試験後に実施例2から形成された試料を示す。
図4B】実施例に関連し、温度サイクル試験後に実施例3から形成された試料を示す。
図4C】実施例に関連し、温度サイクル試験後に実施例4から形成された試料を示す。
図4D】実施例に関連し、温度サイクル試験後に実施例5から形成された試料を示す。
図5】実施例に関連し、HAST試験前後の実施例2及び5の熱インピーダンスを示す。
【0024】
対応する参照文字は、いくつかの図を通して対応する部分を示す。本明細書に記載される例証は、本発明の例示的な実施態様を示すものであり、このような例証は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0025】
発明の詳細な説明
A.熱界面材料
本発明は、電子部品から離れて熱を伝達するのに有用な熱界面材料(TIM)に関する。例示的な一実施形態では、TIMは、少なくとも1種のポリシロキサンと、少なくとも1種の熱伝導性充填剤と、アミン官能基及びアルキル官能基の両方を含む少なくとも1種の接着促進剤と、を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、TIMは、シランカップリング剤、有機可塑剤、界面活性剤、及びフラックス剤の成分のうちの1種以上を任意に含むことができる。
【0027】
1.ポリシロキサン
TIMは、1種以上のポリシロキサンを含む。ポリシロキサンは、触媒によって架橋される、ビニル、水酸化物、ヒドロキシル、及びアクリレート官能基等の1種以上の架橋性基を含む。一実施形態では、1種以上のポリシロキサンは、シリコーン油を含む。一実施形態では、1種以上のポリシロキサンは、第1のシリコーン油と、第2のシリコーン油とを含み、第1のシリコーン油はビニル官能性シリコーン油であり、第2のシリコーン油は水素化物官能性シリコーン油である。ポリシロキサンは、熱伝導性充填剤を湿潤し、TIMのための分注可能な(dispensable)流体を形成する。
【0028】
例示的なシリコーン油は、以下に示す一般式を有するビニルシリコーン油を含み得る。
【0029】
【化2】
【0030】
例示的なビニルシリコーン油はまた、少量の白金触媒も含み得る。
【0031】
ビニル官能性シリコーン油は、Si−CH=CH基を有する有機シリコーン成分を含む。例示的なビニル官能性シリコーン油としては、ビニル末端シリコーン油、Si−CH=CH基がポリマー鎖にグラフトされたビニルグラフトシリコーン油、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0032】
例示的なビニル末端シリコーン油としては、DMS−V05、DMS−V21、DMS−V22、DMS−V25、DMS−V25R、DMS−V35、DMS−V35R、DMS−V51、及びDMS−V52等のビニル末端ポリジメチルシロキサンが挙げられ、各々、Gelest,Inc.から入手可能である。
【0033】
例示的なビニルグラフトシリコーン油としては、トリメチルシロキシ末端シリコーン油、シラノール末端シリコーン油、及びビニル末端シリコーン油等のビニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーが挙げられる。例示的なトリメチルシロキシル末端シリコーン油としては、VDT−127、VDT−431、及びVDT−731が挙げられ、例示的なシラノール末端シリコーン油としては、VDS−1013が挙げられ、例示的なビニル末端シリコーン油としては、VDV−0131が挙げられ、各々、Gelest,Inc.から入手可能である。
【0034】
例示的な一実施形態では、ビニルグラフトシリコーン油は、VAT−4326等のビニルメチルシロキサン−オクチルメチルシロキサン−ジメチルシロキサンターポリマー又はVPT−1323等のビニルメチルシロキサン−フェニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサンターポリマーを含むビニルメチルシロキサンターポリマーである。いくつかの例示的な実施形態において、ビニルグラフトシリコーン油は、VMM−010等のビニルメトキシシロキサンホモポリマー又はVPE−005等のビニルエトキシシロキサン−プロピルエトキシシロキサンコポリマーである。VAT−4326、VPT−1323、VMM−010、及びVPE−005は、各々、Gelest,Inc.から入手可能である。
【0035】
例示的な一実施形態では、ビニル官能性シリコーン油は、ビニルT樹脂又はビニルQ樹脂を含む。ビニルT樹脂は、ポリマー中のケイ素原子の全部又は一部を置換する3つの(三置換)酸素を有するビニルシルセスキオキサンである。例示的なT樹脂としては、Gelest,Inc.から入手可能なSST−3PV1等のポリ(フェニルビニルシルセスキキサン)が挙げられる。ビニルQ樹脂は、ポリマー中のケイ素原子の全て又は一部を置換する4つの(四置換)酸素を有する。例示的なQ樹脂としては、Gelest,Inc.から入手可能なVQM−135、VQM−146が挙げられる。ビニルQ樹脂の1つのタイプは、以下のベースポリマー構造を有する活性化硬化特殊シリコーンゴムである。
【0036】
【化3】
【0037】
例示的なQ樹脂としては、Gelest,Inc.から入手可能なVQM−135、VQM−146が挙げられる。例示的な一実施形態では、ポリシロキサンは、RUNHEのRH−Vi303、RH−Vi301等、AB Specialty SiliconesのAndril(登録商標)VS200、Andril(登録商標)VS1000等のビニル官能性油である。
【0038】
別の例示的なシリコーン油は、以下に示す一般式を有するヒドロシリコーン油を含み得る。
【0039】
【化4】
【0040】
例示的な一実施形態では、ポリシロキサンは、有機シリコーン成分とSi−H基とを有する水素化物官能性シリコーン油を含む。例示的な水素化物官能性シリコーン油としては、Si−H基がポリマー鎖にグラフトされている、水酸化物末端シリコーン油及び水素化物グラフトシリコーン油、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0041】
例示的な一実施形態では、水素化物末端シリコーン油は、DMS−H05、DMS−H21、DMS−H25、DMS−H31、又はDMS−H41等の水素化物末端ポリジメチルシロキサンであり、各々、Gelest,Inc.から入手可能である。例示的な一実施形態では、水素化物末端シリコーン油は、トリメチルシロキシ末端又は水素化物末端等のメチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーである。例示的なトリメチルシロキシ末端コポリマーとしては、HMS−013、HMS−031、HMS−064、HMS−071、HMS−082、HMS−151、HMS−301、HMS−501が挙げられ、例示的な水素化物末端コポリマーとしては、HMS−H271が挙げられ、それらの各々は、Gelest,Inc.から入手可能である。例示的な一実施形態では、水素化物グラフトシリコーン油は、HMS−991、HMS−992、HMS−993等のトリメチルシロキシ末端を有するポリメチルヒドロシロキサンであり、各々、Gelest,Inc.から入手可能である。
【0042】
例示的な一実施形態では、水素化物グラフトシリコーン油は、HES−992等のトリエチルシロキシ末端を有するポリエチルヒドロシロキサンであり、Gelest,Inc.から入手可能である。例示的な一実施形態では、水素化物グラフトシリコーン油は、Gelest,Inc.から入手可能なHAM−301等のメチルヒドロシロキサン−オクチルメチルシロキサンコポリマーである。
【0043】
例示的な一実施形態では、水素化物官能性油はQ樹脂又はT樹脂であり、例示的なT樹脂としては、SST−3MH1.1が挙げられ、例示的なQ樹脂としては、HQM−105及びHQM−107が挙げられ、各々、Gelest,Inc.から入手可能である。
【0044】
例示的な一実施形態では、ポリシロキサンは、AB Specialty Siliconesから入手可能なAndri(登録商標)XL−10、Andri(登録商標)XL−12等、RUNHEから入手可能なRH−DH04及びRH−H503等、Shin−Etsuから入手可能なKE−1012−B、KE−1031−B、KE−109E−B、KE−1051J−B、KE−1800T−B、KE1204B,KE1218B等、Bluestarから入手可能なSILBIONE(登録商標)RT Gel 4725 SLD B等、Wackerから入手可能なSilGel(登録商標)612 B,ELASTOSIL(登録商標)LR 3153B、ELASTOSIL(登録商標)LR 3003B、ELASTOSIL(登録商標)LR 3005B、SEMICOSIL(登録商標)961B、SEMICOSIL(登録商標)927B、SEMICOSIL(登録商標)205B、SEMICOSIL(登録商標)9212B,SILPURAN(登録商標)2440等、Momentiveから入手可能なSilopren(登録商標)LSR 2010B等、Dow Corningから入手可能なXIAMETER(登録商標)RBL−9200 B、XIAMETER(登録商標)RBL−2004 B、XIAMETER(登録商標)RBL−9050 B、XIAMETER(登録商標)RBL−1552 B、Silastic(登録商標)FL 30−9201 B、Silastic(登録商標)9202 B、Silastic(登録商標)9204 B、Silastic(登録商標)9206 B、SYLGARD(登録商標)184B、Dow corning(登録商標)QP−1 B、Dow Corning(登録商標)C6 B、Dow Corning(登録商標)CV9204 B等の水素化物官能性油である。
【0045】
例示的な一実施形態では、ポリシロキサンとしては、Shin−Etsuから入手可能なKEシリーズ製品等、Bluestarから入手可能なSILBIONE(登録商標)等、Wackerから入手可能なELASTOSIL(登録商標)、SilGel(登録商標)、SILPURAN(登録商標)、及びSEMICOSIL(登録商標)等、Momentiveから入手可能なSilopren(登録商標)等、Dow Corningから入手可能なDow Corning(登録商標)、Silastic(登録商標)、XIAMETER(登録商標)、Syl−off(登録商標)、及びSYLGARD(登録商標)等、AB specialty Siliconesから入手可能なAndril(登録商標)等のシリコーンゴムが挙げられる。他のポリシロキサンは、Wacker、Shin−etsu、Dowcoring、Momentive、Bluestar、RUNHE、AB Specialty Silicones、及びGelestから入手可能である。
【0046】
TIMは、TIMの全重量に基づいて、少なくは1重量%、2重量%、4.5重量%、4.75重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、多くは9重量%、10重量%、20重量%、25重量%、50重量%、若しくはそれ以上、又は1重量%〜50重量%、1重量%〜20重量%、2重量%〜10重量%、若しくは4.5重量%〜9重量%等の、上記の値のうちの任意の2つの間に規定される任意の範囲内の量の1種以上のポリシロキサンを含み得る。
【0047】
例示的な一実施形態では、TIMは、第1のシリコーン油として、2.0重量%の量の第1のポリシロキサンと、第2のシリコーン油として、4.0重量%の量の第2のシロキサンとを含む。別の例示的な実施形態では、TIMは、第1のシリコーン油として、3.35重量%の量の第1のポリシロキサンと、第2のシリコーン油として、6.7重量%の量の第2のシロキサンとを含む。
【0048】
例示的な低分子量シリコーン油は、ASTM D445に従って測定される、少なくは500cPs、600cPs、700cPs、多くは800cPs、900cPs、1,000cPs、又は上記の値のうちの任意の2つの間に規定される任意の範囲内の動粘度を有し得る。例示的な一実施形態では、低分子量シリコーン油は、750cPsの動粘度を有する。
【0049】
2.触媒
TIMは、付加反応を触媒するための1種以上の触媒を更に含む。例示的な触媒は、白金含有材料及びロジウム含有材料を含む。例示的な白金含有触媒は、以下に示すような一般式を有し得る。
【0050】
【化5】
【0051】
例示的な白金含有触媒としては、白金シクロビニルメチルシロキサン錯体(Ashby Karstedt触媒)、白金カルボニルシクロビニルメチルシロキサン錯体(Ossko触媒)、白金ジビニルテトラメチルジシロキサンジメチルフマレート錯体、白金ジビニルテトラメチルジシロキサンジメチルマレイン酸錯体等が挙げられる。白金カルボニルシクロビニルメチルシロキサン錯体の例としては、SIP6829.2が挙げられ、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体の例としては、SIP6830.3及びSIP6831.2が挙げられ、白金シクロビニルメチルシロキサン錯体の例としては、SIP6833.2が挙げられ、これらは全て、Gelest,Inc.から入手可能である。
【0052】
例示的なロジウム含有材料としては、Gelest,Inc.から入手可能なトリス(ジブチルスルフィド)ロジウムトリクロライド(製品コードINRH078)が挙げられる。
【0053】
特定の理論に拘束されることを望むものではないが、白金触媒は、以下に示すように、ビニルシリコーン油及びヒドロシリコーン油と反応すると考えられる。
【0054】
【化6】
【0055】
TIMは、シリコーン油の全重量に基づいて、少なくは5ppm、10ppm、15ppm、20ppm、多くは25ppm、30ppm、40ppm、50ppm、100ppm、200ppm、500ppm、1000ppm、又は10ppm〜30ppm、20ppm〜100ppm、若しくは5ppm〜500ppm等の、上記の値のうちの任意の2つの間に規定される任意の範囲内の量の1種以上の触媒を含み得る。
【0056】
例示的な一実施形態では、触媒は、1種以上のシリコーン油との混合物として提供される。例示的な一実施形態では、触媒は、Shin−Etsuから入手可能なKE−1012−A、KE−1031−A、KE−109E−A、KE−1051J−A、KE−1800T−A、KE1204A、KE1218A等、Bluestarから入手可能なSILBIONE(登録商標)RT Gel 4725 SLD A等、Wackerから入手可能なSilGel(登録商標)612A、ELASTOSIL(登録商標)L3153A、ELASTOSIL(登録商標)LR3003A、ELASTOSIL(登録商標)LR3005A、SEMICOSIL(登録商標)961A、SEMICOSIL(登録商標)927A、SEMICOSIL(登録商標)205A、SEMICOSIL(登録商標)9212A、SILPURAN(登録商標)2440等、Momentiveから入手可能なSilopren(登録商標)LSR 2010A等、Dow Corningから入手可能なXIAMETER(登録商標)RBL−9200A、XIAMETER(登録商標)RBL−2004A、XIAMETER(登録商標)RBL−9050A、XIAMETER(登録商標)RBL−1552 A、Silastic(登録商標)FL 30−9201 A,Silastic(登録商標)9202 A、Silastic(登録商標)9204 A、Silastic(登録商標)9206 A、SYLGARD(登録商標)184A、Dow Corning(登録商標)QP−1 A、Dow corning(登録商標)C6 A、Dow Corning(登録商標)CV9204 A等のビニル官能性シリコーン油と合わせられる。例示的な一実施形態では、触媒は、Shin−Etsuから入手可能なKE−1056、KE−1151、KE−1820、KE−1825、KE−1830、KE−1831、KE−1833、KE−1842、KE−1884、KE−1885、KE−1886、FE−57、FE−61等、Dow Corningから入手可能なSyl−off(登録商標)7395、Syl−off(登録商標)7610、Syl−off(登録商標)7817、Syl−off(登録商標)7612、Syl−off(登録商標)7780等のビニル及び水素化物官能性シリコーン油と合わせられる。
【0057】
TIMは、TIMの全重量に基づいて、少なくは0.01重量%、0.1重量%、0.2重量%、多くは0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、又は上記の値のうちの任意の2つの間に規定される任意の範囲内の量の触媒を含み得る。例示的な一実施形態では、TIMは、0.04重量%の量の触媒を含む。別の例示的な実施形態では、TIMは、0.4重量%の量の触媒を含む。
【0058】
3.熱伝導性充填剤
TIMは、1種以上の熱伝導性充填剤を含む。例示的な熱伝導性充填剤としては、金属、合金、非金属、金属酸化物及びセラミック、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。金属としては、アルミニウム、銅、銀、亜鉛、ニッケル、スズ、インジウム、及び鉛が挙げられるが、それらに限定されない。非金属としては、カーボン、グラファイト、カーボンナノチューブ、炭素繊維、グラフェン、窒化ホウ素、及び窒化ケイ素が挙げられるが、それらに限定されない。金属酸化物又はセラミックとしては、アルミナ(酸化アルミニウム)、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、及び酸化スズが挙げられるが、それらに限定されない。
【0059】
TIMは、TIMの全重量に基づいて、少なくは10重量%、20重量%、25重量%、50重量%、多くは75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、又は10重量%〜95重量%、50重量%〜95重量%、若しくは85重量%〜95重量%等の、上記の値のうちの任意の2つの間に規定される任意の範囲内の量の1種以上の熱伝導性充填剤を含み得る。
【0060】
例示的な熱伝導性充填剤は、少なくは0.1ミクロン、1ミクロン、10ミクロン、多くは50ミクロン、75ミクロン、100ミクロン、又は上記の値のうちの任意の2つの間に規定される任意の範囲内の平均粒子サイズを有し得る。
【0061】
例示的な一実施形態では、TIMは、第1の熱伝導性充填剤と第2の熱伝導性充填剤とを含み得、第1の熱伝導性ファイラーは、1ミクロンより大きい粒子サイズを有する複数の金属粒子であり、第2の熱伝導性充填剤は、金属酸化物粒子等の1ミクロン未満の粒子サイズを有する複数の非金属粒子である。より具体的な実施形態では、第1の熱伝導性充填剤と第2の熱伝導性充填剤との比は、少なくは1:5、1:4、1:3、1:2、多くは1:1、1.5:1、2:1、3:1、4:1、5:1、又は1:5〜5:1、1:1〜3:1、若しくは1.5:1〜3:1等の、上記の値のうちの任意の2つの間に規定される任意の範囲内であり得る。
【0062】
例示的な熱伝導性充填剤としては、アルミニウム及び酸化亜鉛が挙げられる。
【0063】
4.接着促進剤
TIMは、アミン官能基及びアルキル官能基の両方を含む1種以上の接着促進剤を含む。例示的な接着促進剤は、以下の式(I)
【0064】
【化7】
【0065】
(式中、Rは、水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキルから独立して選択され、Aはアミン基を含み、Bはアルキル基を含み、a、bは、独立して、1〜100の整数である)を有する。
【0066】
いくつかの例示的な実施形態では、Rは、メチル及びエチルを含む。
【0067】
いくつかの例示的なアミン基Aとしては、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの例示的なアルキル基Bとしては、1〜40個の炭素原子のアルキルを有するアルキル基が挙げられる。
【0068】
いくつかの例示的な実施形態では、アミン基Aは、一般式CNH(式中、n及びxは、1〜30から独立して選択される整数である)を有する第一級アミンを含む。例示的な第一級アミンの例としては、アミノメチル基CHNH、2−アミノエチル基CHCHNH、3−アミノプロピル基CHCHCHNH、3−アミノイソブチル基CHCH(CH)CHNH、4−アミノブチル基CHCHCHCHNH、4−アミノ−3,3−ジメチルブチル基CHCHC(CHCHNH、アミノフェニル基CNH、11−アミノウンデクリル基CH(CHCHNHが挙げられる。
【0069】
いくつかの例示的な実施形態では、アミン基Aは、一般式CNHC(式中、m、n、x及びyは、1〜30から独立して選択される整数である)を有する第二級アミンを含む。第二級アミンとしては、エチルアミノ基NHCHCH、n−ブチル−3−アミノプロピル基CHCHCHNHCHCHCHCH、t−ブチル−3−アミノプロピル基CHCHCHNHC(CH、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピル基CHCHCHNHC11、N−エチル−3−アミノイソブチル基CHCH(CH)CHNHCHCH、アニリノ基NHCが挙げられる。
【0070】
いくつかの例示的な実施形態では、アミン基Aは、一般式、CN(C)(C)(式中、l、m、n、x、y及びzは、1〜30から独立して選択される整数であり、基C、及びCは共に、N原子に結合している。)を含む。第三級アミンとしては、ジメチルアミノ基N(CH、N,N−ジメチル−3−アミノプロピル基CHCHCHN(CH、N,N−ジエチルアミノメチル基CHN(CHCH、N,N−ジエチル−3−アミノプロピル基CHCHCHN(CHCHが挙げられる。
【0071】
いくつかの例示的な実施形態では、アミン基Aは、第一級アミン、第二級アミン、及び/又は第三級アミンの組み合わせを含む。例示的なアミンの組み合わせとしては、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソプロピル基CHCHCHNHCHCHNH、N−(2−アミノエチル)アミノメチルフェネチル基CHCHCHNHCHCHNH、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチル基CHCH(CH)CHNHCHCHNH、N−(6−アミノヘキシル)−アミノメチル基CHNHCHCHCHCHCHCHNH、N−(6−アミノヘキシル)−3−アミノプロピル基CHCHCHNHCHCHCHCHCHCHNH、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシル基CH(CHCHNHCHCHNH、3−(2−アミノエチル)3−アミノイソブチル基CHCH(CH)CH(NH)CHCHNHが挙げられる。
【0072】
いくつかの他の例示的な実施形態では、アミン基Aとしては、環状塩基アミンが挙げられる。例示的な環状塩基アミン基Aとしては、
【0073】
【化8】
【0074】
が挙げられる。
【0075】
いくつかの例示的な実施形態では、アミン基Aは、1〜20個の炭素原子を含む。
【0076】
例示的な接着促進剤としては、Evonicから入手可能なDynasylan(登録商標)官能性シランが挙げられる。いくつかの例示的な実施形態では、接着促進剤としては、ポリマーがブロック型であり、ポリマーがアミン官能単位及びアルキル官能単位を含むDynasylan(登録商標)官能性シラン1146が挙げられる。
【0077】
いくつかの例示的な実施形態では、接着促進剤は、少なくは300ダルトン、500ダルトン、600ダルトン、700ダルトン、800ダルトン、900ダルトン、多くは1,000ダルトン、2,000ダルトン、3,000ダルトン、5,000ダルトン、10,000ダルトン、50,000ダルトン、100,000ダルトン、又は300ダルトン〜100,000ダルトン、500ダルトン〜3,000ダルトン、若しくは1,000ダルトン〜3,000ダルトン等の、上記の値のうちの任意の2つの間に規定される任意の範囲内の重量平均分子量を有し得る。
【0078】
いくつかの例示的な実施形態では、TIMは、TIMの全重量に基づいて、少なくは0.1重量%、0.2重量%、0.25重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、多くは0.6重量%、0.7重量%、0.75重量%、1重量%、1.5重量%、2重量%、5重量%、又は0.1重量%〜5重量%、0.1重量%〜1重量%、若しくは0.25重量%〜0.75重量%等の、上記の値のうちの任意の2つの間に規定される任意の範囲内の量の1種以上の接着促進剤を含み得る。
【0079】
特定の理論に拘束されることを望むものではないが、接着促進剤の比較的高い分子量は、生成又は使用中の接着促進剤の配合物からの蒸発を低減又は排除すると考えられる。アミノ官能基のみを含む典型的なシランと比較して、アミン官能基及びアルキル官能基の両方を含む接着促進剤は、ポリシロキサン上にアルキル側鎖を含むので、ポリシロキサンとの比較可能性がより良いと考えられる。接着促進剤はまた、疎水性特性を提供して、配合物の生成中又は使用中の水分摂取を回避すると考えられる。更に、アミン官能基及びアルキル官能基の両方を含む接着促進剤は、ポリシロキサンと充填剤との間の接着並びにTIMと基材との間の接着を強化すると考えられている。
【0080】
5.任意の成分
いくつかの実施形態では、TIMは、シランカップリング剤、有機可塑剤、界面活性剤、及びフラックス剤の1種以上の成分を任意に含むことができる。
【0081】
いくつかの例示的な実施形態では、TIMは、1種以上のカップリング剤を含む。例示的なカップリング剤としては、一般式Y−(CH−Si−X(式中、Yは有機官能基であり、Xは加水分解性基である)を有するシランカップリング剤が挙げられる。有機官能基Yとしては、アルキル、グリシドキシ、アクリルオキシル、メチルアクリロキシル、アミンが挙げられる。加水分解性基Xとしては、アルキルオキシ、アセトキシが挙げられる。いくつかの例示的な実施形態では、シランカップリング剤としては、アルキルトリアルコキシシランが挙げられる。例示的なアルキトリアルコキシシランとしては、デシルトリメトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシランが挙げられる。例示的な一実施形態では、TIMは、以下の式に示すようなカップリング剤としてヘキサデシルトリメトキシシランを含む。
【0082】
【化9】
【0083】
例示的なカップリング剤は、以下の例示的な反応例に示すように例示的な充填剤と相互作用する。アルミナは、以下の反応で使用される典型的な充填剤である。しかしながら、他の代替的な充填剤を使用してもよい。示すように、カップリング剤を水に添加し、エトキシド基を除去するために加水分解を施す。次いで、生成物に、水が除去され、カップリング剤とアルミナが結合される改質反応を施す。
【0084】
【化10】
【0085】
いくつかの例示的な実施形態では、TIMは、TIMの全重量に基づいて、少なくは0.1重量%、0.25重量%、0.5重量%、0.67重量%、0.75重量%、多くは1重量%、1.5重量%、2重量%、5重量%、10重量%、又は0.1重量%〜10重量%、0.1重量%〜1重量%、若しくは0.25重量%〜0.67重量%等の、上記の値のうちの任意の2つの間に規定される任意の範囲内の量の1種以上のカップリング剤を含み得る。例示的な一実施形態では、TIMは、0.4重量%の量のカップリング剤を含む。
【0086】
いくつかの例示的な実施形態では、TIMは、1種以上の有機可塑剤を含む。例示的な有機可塑剤としては、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DEHP)、フタル酸ジn−ブチル(DnBP、DBP)、フタル酸ジオクチル(DOP又はDnOP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジイソブチル(DIBP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ブチルベンジル(BBzP)等のフタル酸系可塑剤が挙げられる。
【0087】
いくつかの例示的な実施形態では、TIMは、TIMの全重量に基づいて、少なくは0.01%、0.1重量%、0.25重量%、0.5重量%、0.67重量%、0.75重量%、多くは1重量%、1.5重量%、2重量%、5重量%、10重量%、又は0.01重量%〜10重量%、0.1重量%〜1重量%、若しくは0.25重量%〜0.67重量%等の、上記の値のうちの任意の2つの間に規定される任意の範囲内の量の1種以上の有機可塑剤を含み得る。
【0088】
いくつかの例示的実施形態では、TIMは、1種以上の界面活性剤を含む。例示的な界面活性剤としては、BYK−307、BYK−306及びBYK−222を含む、BYK Chemie GmbHから入手可能なBYK界面活性剤等のシリコーン系表面添加剤が挙げられる。
【0089】
いくつかの例示的な実施形態では、TIMは、TIMの全重量に基づいて、少なくは0.01重量%、0.1重量%、0.25重量%、0.5重量%、0.67重量%、0.75重量%、多くは1重量%、1.5重量%、2重量%、5重量%、10重量%、又は0.1重量%〜10重量%、0.1重量%〜1重量%、若しくは0.25重量%〜0.67重量%等の、上記の値のうちの任意の2つの間に規定される任意の範囲内の量の1種以上の界面活性剤を含み得る。
【0090】
いくつかの例示的な実施形態では、TIMは、1種以上のフラックス剤を含む。例示的なフラックス剤としては、ヒュームドシリカが挙げられる。
【0091】
いくつかの例示的な実施形態では、TIMは、TIMの全重量に基づいて、少なくは0.1重量%、0.25重量%、0.5重量%、0.67重量%、0.75重量%、多くは1重量%、1.5重量%、2重量%、5重量%、10重量%、又は0.1重量%〜10重量%、0.1重量%〜1重量%、若しくは0.25重量%〜0.67重量%等の、上記の値のうちの任意の2つの間に規定される任意の範囲内の量の1種以上のフラックス剤を含み得る。
【0092】
加えて、TIMは、シリコーン油の架橋を阻害又は制限するための1種以上の付加阻害剤を含み得る。付加阻害剤は、少なくとも1種のアルキニル化合物を含むことができ、任意選択的に、付加阻害剤は、マルチビニル官能性ポリシロキサンを更に含み得る。
【0093】
例示的な付加阻害剤は、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オール、2−エチニル−イソプロパノール、2−エチニル−ブタン−2−オール、及び3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレンアルコール、トリメチル(3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オキシ)シラン、ジメチル−ビス−(3−メチル−1−ブチンオキシ)シラン、メチルビニルビス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)シラン、及び((1,1−ジメチル−2−プロピニル)オキシ)トリメチルシラン等のシリル化アセチレンアルコール、マレイン酸ジアリル、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジアチル、フマル酸ジアリル、及びマレイン酸ビス−2−メトキシ−1−メチルエチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノイソオクチル、マレイン酸モノアリル、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノアリル、フマル酸2−メトキシ−1−メチルエチル等の不飽和カルボン酸エステル、アルコールがベンジルアルコール又は1−オクタノール及びエテニルシクロヘキシル−1−オールから選択される混合物等のフマル酸/アルコール混合物、2−イソブチル−1−ブテン−3−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン、3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3−メチル−3−ヘキセン−1−イン、1−エチニルシクロヘキセン、3−エチル−3−ブテン−1−イン、及び3−フェニル−3−ブテン−1−イン等の共役エンイン、I,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン等のビニルシクロシロキサン、及び共役エンインとビニルシクロシロキサンの混合物が挙げられる。例示的な一実施形態において、付加阻害剤は、2−メチル−3−ブチン−2−オール又は3−メチル−1−ペンチン−3−オールから選択される。
【0094】
いくつかの例示的な実施形態では、付加阻害剤は、マルチビニル官能性ポリシロキサンを更に含み得る。例示的なマルチビニル官能性ポリシロキサンは、Wacker Chemie AGから入手可能なPt Inhibitor 88の等のエチニルシクロヘキサノール中のビニル末端ポリジメチルシロキサンである。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、白金触媒は、以下に示すようにエチニルシクロヘキサノール及びビニル末端ポリジメチルシロキサンと錯体を形成すると考えられる。
【0095】
【化11】
【0096】
錯体の形成は、室温での触媒活性を低下させ、したがってTIMの分注性及び濡れ性を維持すると考えられている。硬化工程のより高い温度で、Ptは錯体から放出され、ビニル官能性シリコーン油及び水素化物官能性シリコーン油のヒドロシリル化を助け、「架橋」をより制御する。
【0097】
いくつかの例示的な実施形態では、TIMは、TIMの全重量に基づいて少なくは0.01重量%、0.02重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.15重量%、多くは0.2重量%、0.25重量%、0.3重量%、0.5重量%、1重量%、3重量%、5重量%、又は0.01重量%〜1重量%、0.01重量%〜0.5重量%、若しくは0.05重量%〜0.2重量%等の、上記の値のうちの任意の2つの間に規定される任意の範囲内の量の1種以上の付加阻害剤を含み得る。例示的な一実施形態では、TIMは、0.1重量%の量の付加阻害剤を含む。別の例示的な実施形態では、TIMは、0.13重量%の量の付加阻害剤を含む。
【0098】
特定の理論に拘束されることを望むものではないが、付加阻害剤が存在しない場合、ビニル官能性シリコーン油は、添加ヒドロシリル化メカニズムに基づいて非常に迅速に水素化物官能性シリコーン油と反応して、典型的な方法によって自動的に分注され得ない固相を形成する。
【0099】
例示的な一実施形態では、付加阻害剤は、官能性シリコーン油と合わされる。
【0100】
6.熱界面材料の例示的な配合物
第1の非限定的な例示的な実施形態では、TIMは、約2重量%〜約20重量%のポリシロキサン、約0.1重量%〜約5重量%のカップリング剤、約50重量%〜約95重量%の熱伝導性充填剤、及び約0.1重量%〜約5重量%の接着促進剤を含む。
【0101】
7.熱界面材料の例示的な特性
いくつかの例示的な実施形態では、上記のような熱界面材料は、高加速応力試験(HAST)に対する優れた耐性を有する。HAST試験は、典型的には、熱界面材料の熱性能について、湿度及び温度に対する熱界面材料の耐性に関するものと理解される。例示的なHAST試験標準は、JESD22−A110−Bである。具体的な一実施形態では、熱界面材料は、130℃及び85%相対湿度で96時間調整された後に、熱インピーダンス等の熱特性に変化を示さない。
【0102】
いくつかの例示的な実施形態では、上記のような熱界面材料は、温度サイクルに対する優れた耐性を有する。温度サイクルは、典型的には、高温及び低温の極限に対する熱界面材料の抵抗、並びに周期的な熱応力に耐えるその能力に関連すると理解される。例示的な温度サイクル試験標準は、JESD22−A104−Bである。具体的な一実施形態では、熱界面材料は、ガラスの例示的な銅ヒートシンクの間に垂直配向1.6mmギャップで配置され、1週間−55℃〜+125℃で10,000回の熱サイクルを受けると、滴下を示さない。他の実施形態では、熱界面材料は、温度サイクル試験に続いてほとんど又は全く亀裂を示していない。
【0103】
いくつかの例示的な実施形態では、上記のような熱界面材料は、少なくとも1W/m・Kの熱伝導率を有する。例示的な熱伝導率試験方法標準は、ASTM D5470である。例示的な一修正形態では、上記のような熱界面材料は、約4W/m・Kの熱伝導率を有する。別の例示的な実施形態では、上記のような熱界面材料は、約2W/m・Kの熱伝導率を有する。
【0104】
いくつかの例示的な実施形態では、上記のような熱界面材料は、室温で10Pa.s〜100,000Pa.sの範囲内、より具体的には、100Pa.s〜10,000Pa.sの範囲内の粘度を有する。例示的な粘度試験法標準は、DIN 53018である。具体的な一実施形態では、粘度は、ブルックフィールドレオメーターによって、せん断速度2s−1で試験される。
【0105】
塗布されたとき、熱界面材料は、マイクロメーターによって測定して、異なる厚さを有することができる。いくつかの例示的な実施形態では、上記のような熱界面材料は、小さくは0.05mm、0.5mm、1mm、大きくは3mm、5mm、7mm、10mm、又は0.05mm〜5mm等の、上記の値のうちの任意の2つの間に規定される任意の範囲内の厚さを有する。
【0106】
いくつかの例示的な実施形態では、上記のような熱界面材料は、硬化したときに所定の温度で圧縮可能である。例示的な一実施形態では、熱界面材料は、約25℃の温度で少なくとも10%圧縮可能である。
【0107】
いくつかの例示的な実施形態では、上記のような熱界面材料は、1g/分〜1,000g/分の範囲、より具体的には10g/分〜100g/分の範囲の分注速度を有する。具体的な一実施形態では、分注速度は、直径0.1インチの分注ヘッダ開口部を有する10mlシリンジを用いて、0.6MPaの圧力下で試験する。
【0108】
B.熱界面材料の形成方法
いくつかの例示的な実施形態では、TIMは、個々の成分を加熱ミキサー中で合わせ、組成物を一緒に混合することによって調製する。次いで、混合された組成物は、焼成することなく、基材に直接塗布することができる。
【0109】
C.熱界面材料を利用する用途
ここでも図1を参照すると、いくつかの例示的な実施形態では、熱界面材料は、TIM 18によって示されるように、電子部品12とヒートスプレッダ14との間にTIM 1として配置される。いくつかの例示的な実施形態では、熱界面材料は、TIM 20によって示されるように、ヒートスプレッダ14とヒートシンク16との間にTIM 2として配置される。いくつかの例示的な実施形態では、熱界面材料は、電子部品12とヒートシンク16との間にTIM 1.5(図示せず)として配置される。
【実施例】
【0110】
(実施例1)
熱界面材料は、表1に提供される配合に従って調製した。
【0111】
【表1】
【0112】
ポリシロキサンは液状シリコーンであった。シランカップリング剤は、ヘキサデシルトリメトキシシランであった。熱伝導性充填剤Aは、1〜10ミクロンの粒子径を有するアルミニウム粒子であった。熱伝導性充填剤Bは、1ミクロン未満の粒子径を有する酸化亜鉛粒子であった。接着促進剤は、Evonicから入手可能なDynasylan(登録商標)官能性シラン1146であった。
【0113】
実施例1の配合物を調製するために、ポリシロキサン、シランカップリング剤、及び付接着促進剤を合わせて、スピードミキサーで混合した。次いで、熱伝導性充填剤を添加し、混合物を再び混合した。
【0114】
比較例を使用するためにParker Chomerics製のGEL 30熱伝導性ディスペンスゲルを得た。GEL 30は、部分的に架橋されたシリコーンゴム及びアルミナを含む。
【0115】
実施例1及び比較例の配合物は、各々、ガラスと例示的なヒートシンクとの間で垂直に配向された1.6mmのギャップで挟み込まれ、−55℃〜+125℃で1週間10,000回の熱サイクルにかけられた。
【0116】
図2Aは、温度サイクル試験前の実施例1から形成された試料を示し、図2Bは、温度サイクル試験前のGEL 30比較例から形成された試料を示す。図3Aは、温度サイクル試験後の実施例1から形成された試料を示し、図3Bは、温度サイクル試験後のGEL 30の比較例から形成された試料を示す。
【0117】
図3Aに示すように、実施例1から形成された試料は、試験中に試料がガラスと基板との間にその元の垂直位置を維持することによって示されるように、滴下がないことを示した。対照的に、比較例から形成された試料は、図2B図3Bとの間の下方への移動によって示されるように、著しい滴下を示した。
【0118】
加えて、図3Aは、温度サイクル試験のために実施例1から形成された試料の限られた亀裂を示した。対照的に、図3Bは、比較例において著しくより多くの亀裂を示した。
【0119】
実施例2〜5
熱界面材料は、表2に提供される配合に従って調製した。
【0120】
【表2】
【0121】
ポリシロキサンは、液状シリコーンゴムであった。シランカップリング剤は、ヘキサデシルトリメトキシシランであった。熱伝導性充填剤は、アルミニウム粒子0.1〜150ミクロンの粒子径であった。
【0122】
実施例2では、接着促進剤は、一般式:
【0123】
【化12】
【0124】
(式中、Aは有機−アミノであり、Bはアルキルであり、Rはメチル及びエチルから独立して選択される)を有するEvonicから入手可能なDynasylan(登録商標)官能性シラン1146であった。
【0125】
実施例3では、接着促進剤は、一般式:
【0126】
【化13】
【0127】
(式中、Aはビニルであり、Bはアルキルであり、RはSi−O−CHである)を有するEvonicから入手可能なDynasylan(登録商標)官能性シラン6598であった。
【0128】
実施例4の場合、接着促進剤は、以下の一般式を有するエポキシ官能性シランであった。
【0129】
【化14】
【0130】
実施例5の場合、接着促進剤は、以下の一般式を有するメタクリル官能性シランであった。
【0131】
【化15】
【0132】
各実施例の配合物を調製するために、ポリシロキサン、シランカップリング剤、及び接着促進剤を混合し、スピードミキサーで混合した。次いで、熱伝導性充填剤を添加し、混合物を再び混合した。
【0133】
各実施例は、ガラスと例示的な銅ヒートシンクとの間で垂直に配向された1.6mmのギャップで挟み込まれ、−55℃〜+125℃で1週間10000熱サイクルにかけられた。
【0134】
図4Aは、温度サイクル試験後に実施例2から形成された試料を示す。図4Bは、温度サイクル試験後に実施例3から形成された試料を示す。図4Cは、温度サイクル試験後に実施例4から形成された試料を示す。図4Dは、温度サイクル試験後に実施例5から形成された試料を示す。
【0135】
図4A及び図4Dに示すように、実施例2及び5から形成された試料は、試験中に試料がガラスと基板との間にその元の垂直位置を維持することによって示されるように、滴下がないことを示した。更に、実施例2及び5から形成された試料は、温度に続いて亀裂がほとんど又は全く見られなかった。対照的に、図4B及び図4Cに示されるように、実施例3及びで形成された試料は、実施例2及び5と比較して著しい亀裂を示すと同様に、試料の中心から離れる動きによって示されるように著しい滴下を示した。
【0136】
次に図5を参照すると、各々実施例2及び5から形成された2つの試料の熱インピーダンス(thermal impedance、TI)をHAST調整の前後に130℃及び相対湿度85%で96時間測定した。図5に示すように、実施例2は、HAST試験において熱インピーダンスの有意な変化を示さなかったが、実施例5は、熱インピーダンスの有意な増加を有していた。
【0137】
本発明は、例示的な設計を有するものとして説明したが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正することができる。したがって、本出願は、その一般的原理を利用した本発明のあらゆる変形、使用、又は適応を包含することが意図されている。更に、本出願は、本発明が関連し、添付の特許請求の範囲の範囲内に入る技術分野における既知の又は慣習的な実践に属する本開示からのそのような逸脱を包含することが意図されている。
本明細書は以下の発明の態様を包含する。
[1]
熱界面材料であって、
少なくとも1種のポリシロキサンと、
少なくとも1種の熱伝導性充填剤と、
アミン官能基及びアルキル官能基の両方を含む少なくとも1種の接着促進剤と、を含む、熱界面材料。
[2]
前記接着促進剤が、官能性ポリシロキサンである、[1]に記載の熱界面材料。
[3]
前記接着促進剤が、次式:
【化1】
(式中、Aはアミン基を含み、
Bはアルキル基を含み、
各Rは、メチル及びエチルから独立して選択され、
a及びbは、1〜100から独立して選択される整数である)を有する、[2]に記載の熱界面材料。
[4]
前記熱伝導性充填剤が、第1の熱伝導性充填剤と第2の熱伝導性充填剤とを含み、第1の熱伝導性ファイラーが、金属であり、前記第2の熱伝導性充填剤が、金属酸化物である、[1]に記載の熱界面材料。
[5]
前記第1の熱伝導性充填剤と前記第2の熱伝導性充填剤との比が、1.5:1〜3:1である、[4]に記載の熱界面材料。
[6]
前記熱界面材料が、
2重量%〜20重量%の前記ポリシロキサンと、
0.1重量%〜5重量%のシランカップリング剤と、
50重量%〜95重量%の前記熱伝導性充填剤と、
0.1重量%〜5重量%の前記接着促進剤と、を含む、[1]に記載の熱界面材料。
[7]
電子部品であって、
ヒートシンクと、
電子チップと、
第1の表面層及び第2の表面層を有する熱界面材料であって、前記熱界面材料が、前記ヒートシンクと電子チップとの間に配置され、前記熱界面材料が、
少なくとも1種のポリシロキサンと、
少なくとも1種のシランカップリング剤と、
少なくとも1種の熱伝導性充填剤と、
アミン官能基及びアルキル官能基の両方を含む少なくとも1種の接着促進剤と、を含む、熱界面材料と、を含む、電子部品。
[8]
前記第1の表面層が、前記電子チップの表面と接触し、前記第2の表面層が、前記ヒートシンクと接触している、[7]に記載の電子部品。
[9]
前記電子部品が、前記ヒートシンクと前記電子チップとの間に配置されたヒートスプレッダを更に備え、前記第1の表面層が、前記電子チップの表面と接触し、前記第2の表面層が、前記ヒートスプレッダと接触している、[7]に記載の電子部品。
[10]
前記電子部品が、前記ヒートシンクと前記電子チップとの間に配置されたヒートスプレッダを更に備え、前記第1の表面層が、前記ヒートスプレッダの表面と接触し、前記第2の表面層が、前記ヒートシンクと接触している、[7]に記載の電子部品。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5