特許第6705924号(P6705924)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6705924
(24)【登録日】2020年5月18日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/02 20060101AFI20200525BHJP
   H02J 50/05 20160101ALI20200525BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20200525BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20200525BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20200525BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20200525BHJP
   G03B 17/56 20060101ALI20200525BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20200525BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   G03B17/02
   H02J50/05
   H02J50/12
   H02J50/20
   H02J50/10
   G03B15/00 S
   G03B17/56 A
   H04N5/225 100
   H04N5/225 200
   H04N5/222 100
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-38310(P2019-38310)
(22)【出願日】2019年3月4日
【審査請求日】2019年10月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519388974
【氏名又は名称】パナソニックi−PROセンシングソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 穣二
(72)【発明者】
【氏名】山田 英明
【審査官】 ▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−090463(JP,A)
【文献】 特公昭59−012164(JP,B1)
【文献】 特開2006−251225(JP,A)
【文献】 特開2018−129863(JP,A)
【文献】 特開2004−053876(JP,A)
【文献】 特開2017−070184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/02−17/17,17/22
G03B 17/56−17/58
G03B 15/00
H04N 5/222−5/257
H02J 50/00−50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物に固定される座部と、
監視カメラのカメラ本体である電子機器本体と、を備え、
前記座部は、
筐体外側に第1の嵌合部と、
筐体内側に、平面視において第1のガラスの外縁内に収まる位置に電力を無線送電
する送電コイルと、を有し、
前記電子機器本体は、
筐体外側に前記第1の嵌合部に対して着脱自在の第2の嵌合部と、
筐体内側に、平面視において第2のガラスの外縁内に収まる位置に前記電力を受電
する受電コイルと、を有し、
前記第2の嵌合部は、
前記第1の嵌合部を嵌入し、前記第2のガラスにより構成される底面を有する窪み
を有し、
前記第1の嵌合部は、
前記第1のガラスにより構成され、前記窪みの前記底面と対向する面を有する、
電子機器。
【請求項2】
前記電子機器本体の筐体は、ステンレスによって構成される、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記座部の筺体内側であって、平面視において前記第1のガラスの外縁内に収まる位置に、第1のアンテナが備えられており、
前記電子機器本体の筺体内側であって、平面視において前記第2のガラスの外縁内に収まる位置に、前記第1のアンテナと通信する第2のアンテナが備えられている、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
構造物に固定される座部と、
監視カメラのカメラ本体である電子機器本体と、を備え、
前記座部は、
筐体外側に第1の嵌合部と、
筐体内側に、平面視において第1のガラスの外縁内に収まる位置に第1のアンテナと、を有し、
前記電子機器本体は、
筐体外側に前記第1の嵌合部に対して着脱自在の第2の嵌合部と、
筐体内側に、平面視において第2のガラスの外縁内に収まる位置に前記第1のアンテナと通信する第2のアンテナと、を有し、
前記第2の嵌合部は、
前記第1の嵌合部を嵌入し、前記第2のガラスにより構成される底面を有する窪み
を有し、
前記第1の嵌合部は、
前記第1のガラスにより構成され、前記窪みの前記底面と対向する面を有する、
電子機器。
【請求項5】
前記電子機器本体の筐体は、ステンレスによって構成される、
請求項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記座部の筺体内側であって、平面視において前記第1のガラスの外縁内に収まる位置に、電力を無線送電する送電コイルが備えられており、
前記電子機器本体の筺体内側であって、平面視において前記第2のガラスの外縁内に収まる位置に、前記電力を受電する受電コイルが備えられている、
請求項またはに記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置の信頼性を向上する撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この撮像装置は、画像情報を取得する撮像部と、撮像部に電力を供給する電源部と、送電機器から無線で電力を受電し、受電した電力を電源部に供給する受電用コイルと、電源部及び受電用コイルを格納し、撮像部を保持する筐体と、を備え、筐体は、送電機器に対して可動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−61230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建物等の構造物に設置される監視カメラ等の電子機器は、時間の経過により、汚れ等が付着する。建物等から取り外され、清掃される電子機器は、建物等から取り外されて持ち運びされる際、または、清掃される際に、例えば、他の物体等と衝突して破損する可能性がある。
【0005】
本開示の非限定的な実施例は、構造物から取り外された状態において、破損が抑制される電子機器の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、構造物に固定される座部と、監視カメラのカメラ本体である電子機器本体と、を備え、前記座部は、筐体外側に第1の嵌合部と、筐体内側に、平面視において第1のガラスの外縁内に収まる位置に電力を無線送電する送電コイルと、を有し、前記電子機器本体は、筐体外側に前記第1の嵌合部に対して着脱自在の第2の嵌合部と、筐体内側に、平面視において第2のガラスの外縁内に収まる位置に前記電力を受電する受電コイルと、を有し、前記第2の嵌合部は、前記第1の嵌合部を嵌入し、前記第2のガラスにより構成される底面を有する窪みを有し、前記第1の嵌合部は、前記第1のガラスにより構成され、前記窪みの前記底面と対向する面を有する、電子機器を提供する。
【0007】
また、本発明は、構造物に固定される座部と、監視カメラのカメラ本体である電子機器本体と、を備え、前記座部は、筐体外側に第1の嵌合部と、筐体内側に、平面視において第1のガラスの外縁内に収まる位置に第1のアンテナと、を有し、前記電子機器本体は、筐体外側に前記第1の嵌合部に対して着脱自在の第2の嵌合部と、筐体内側に、平面視において第2のガラスの外縁内に収まる位置に前記第1のアンテナと通信する第2のアンテナと、を有し、前記第2の嵌合部は、前記第1の嵌合部を嵌入し、前記第2のガラスにより構成される底面を有する窪みを有し、前記第1の嵌合部は、前記第1のガラスにより構成され、前記窪みの前記底面と対向する面を有する、電子機器を提供する。
【0008】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、構造物から取り外された状態において、破損が抑制される。
【0010】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態に係る監視カメラの斜視図
図2】カメラ本体が座部から分離されたときの監視カメラの斜視図
図3】カメラ本体が座部から分離されたときの監視カメラの斜視図
図4】嵌合部の側面図
図5】嵌合部の斜視図
図6】嵌合部の斜視図
図7】嵌合部の断面図
図8】監視カメラのブロック構成例を示した図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0013】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。以下では、本開示の電子機器を監視カメラに適用した場合について説明する。
【0014】
図1は、実施の形態に係る監視カメラ1の斜視図である。図1に示すように、監視カメラ1は、座部11と、カメラ本体12と、を有している。以下では、監視カメラ1に対し、図1に示す3軸の直交座標軸を設定する。
【0015】
座部11は、構造物に固定される。構造物は、例えば、建物の屋内または屋外の壁、室内の天井、電柱、または信号機等であってもよい。図1に示す構造物A1は、建物の壁の一部を示している。
【0016】
カメラ本体12は、座部11に対して着脱自在である。図1では、カメラ本体12は、座部11に取り付けられた様子を示している。カメラ本体12は、構造物A1に固定された座部11に取り付けられることにより、構造物A1に固定される。また、カメラ本体12は、座部11から取り外されることにより、構造物A1から分離される(例えば、図2および図3を参照)。
【0017】
座部11には、電源ラインにより、例えば、AC(Alternating Current)100Vの電源が供給される。図1の点線で示す電源ラインA2は、構造物A1内に配線された電源ラインを示している。
【0018】
座部11は、電源ラインA2により供給される電力を無線給電によって、座部11に取り付けられたカメラ本体12に供給する。カメラ本体12は、座部11から無線給電される電力によって動作する。
【0019】
座部11は、ネットワークケーブルを介して、インターネット等のネットワークと接続される。図1の点線で示すネットワークケーブルA3は、構造物A1内に配線されたネットワークケーブルを示している。
【0020】
座部11に取り付けられたカメラ本体12は、座部11との無線通信を介して、ネットワークに接続されたサーバまたは端末装置と通信する。
【0021】
なお、座部11は、Wi−fi(登録商標)またはブルートゥース(登録商標)等の無線通信によって、インターネット等のネットワークに接続されてもよい。また、座部11は、電源ラインA2(PLC:Power Line Communication)を介して、インターネット等のネットワークに接続されてもよい。この場合、座部11は、ネットワークケーブルA3に接続されなくてもよい。
【0022】
図2は、カメラ本体12が座部11から分離されたときの監視カメラ1の斜視図である。図2において、図1と同じものには同じ符号が付してある。
【0023】
図2に示すように、座部11は、筺体外側に円筒形状を有した嵌合部20を有している。嵌合部20は、端部(端面)に円形状の板状のガラス21を有している。
【0024】
座部11のガラス21を除く筐体は、例えば、ステンレスによって構成される。ステンレスには、例えば、SUS316Lが用いられてもよい。
【0025】
カメラ本体12は、軸13を有している。カメラ本体12は、軸13を回転軸として、チルト方向に回転する。例えば、カメラ本体12は、図2に示す両矢印A4の方向に回転する。
【0026】
カメラ本体12は、軸14を有している。カメラ本体12は、軸14を回転軸として、パン方向に回転する。例えば、カメラ本体12は、図2に示す両矢印A5の方向に回転する。
【0027】
図3は、カメラ本体12が座部11から分離されたときの監視カメラ1の斜視図である。図3において、図1および図2と同じものには同じ符号が付してある。
【0028】
図3に示すように、カメラ本体12は、筺体外側に円筒形状を有した嵌合部30を有している。嵌合部30は、座部11の嵌合部20を嵌入する、円筒形状の窪み30aを有している。座部11の嵌合部20の一部は、嵌合部30の窪み30a内に収まる。嵌合部30の窪み30aの底面は、ガラス31によって構成される。
【0029】
カメラ本体12のガラス31を除く筐体は、例えば、ステンレスによって構成される。ステンレスには、例えば、SUS316Lが用いられてもよい。
【0030】
図4は、嵌合部20,30の側面図である。図4において、図1図3と同じものには同じ符号が付してある。
【0031】
嵌合部20は、径の異なる2つの円筒を組み合わせた形状を有している。例えば、図4に示すように、嵌合部20の端部側(端面側)の円筒形状部分A11aの径は、座部11の本体側の円筒形状部分A11bの径より小さい。
【0032】
図4の嵌合部30に示す点線A12は、嵌合部30に形成された窪み30aの内壁を示している。嵌合部20の円筒形状部分A11bの径は、嵌合部30の窪み30aの径より大きい。
【0033】
一方、嵌合部20の端部側の円筒形状部分A11aの径は、円筒形状部分A11aが、嵌合部30に形成された窪み30aに収まる大きさを有している。例えば、嵌合部20の端部側の円筒形状部分A11aの径は、円筒形状部分A11aの周面が、嵌合部30の窪み30aの周面(図4の点線A12に示す部分)に接する大きさを有している。
【0034】
これにより、嵌合部30の上端A13が、嵌合部20の本体側の円筒形状部分A11aに接するまで(嵌合部30の上端A13が、図4の矢印A14に示す部分に位置するまで)、嵌合部30は、嵌合部20を嵌入する。
【0035】
ここで、座部11は、座部11に取り付けられたカメラ本体12に対し、無線によって電力を送電する。座部11からカメラ本体12への無線給電は、嵌合部20,30において行われる。無線給電には、例えば、磁界共鳴方式、電磁誘導方式、電界結合方式、または電波受信方式が適用されてもよい。
【0036】
また、座部11とカメラ本体12は、嵌合部20,30において近距離無線通信を行う。座部11とカメラ本体12は、例えば、PLC通信の通信形式に基づいた通信を行ってもよい。
【0037】
このように、カメラ本体12は、無線給電によって電力が供給される。また、カメラ本体12は、座部11と無線通信を行う。これにより、カメラ本体12は、座部11から取り外されるとき、電源ケーブルおよび通信ケーブルを外さなくて済む。すなわち、カメラ本体12の嵌合部30が、座部11の嵌合部20から外されると、カメラ本体12は、座部11(構造物A1)に対し、直ちにフリーになる。
【0038】
上記したように、カメラ本体12の嵌合部30は、窪み30aを有し、窪み30aの底面は、ガラス31によって構成される。図7で説明するが、ガラス31の下側(−z軸方向側)には、電力を受電する受電コイルと、座部11と無線通信を行うアンテナとが配置される。
【0039】
この配置によって、ガラス31、受電コイル、およびアンテナは、カメラ本体12の筐体表面(例えば、図4に示す嵌合部30の上端A13)から、奥まった位置に配置される。従って、座部11から取り外されたカメラ本体12のガラス31、受電コイル、およびアンテナは、他の物体との衝突等による破損から保護される。
【0040】
図5は、嵌合部20,30の斜視図である。図5において、図1図4と同じものには同じ符号が付してある。
【0041】
図5に示すように、嵌合部20の端面は、ガラス21と、輪部材22と、によって構成されている。輪部材22は、中央部分に開口を有した輪形状の板状部材である。ガラス21は、輪部材22の開口部分に配置される。
【0042】
輪部材22は、外側の縁に3つの鍔部22a〜22cを有している。3つの鍔部22a〜22cにおける径は、3つの鍔部22a〜22cが形成されていない部分の径より大きい。また、輪部材22は、外側の縁にU字形状の窪み23を有している。
【0043】
図6は、嵌合部20,30の斜視図である。図6において、図1図5と同じものには同じ符号が付してある。図6には、図5に示した鍔部22a,22bが示してある。
【0044】
図6に示すように、嵌合部30の窪み30aの底面は、ガラス31と、輪部材32と、によって構成されている。輪部材32は、中央に開口を有した輪形状の板状部材である。ガラス31は、輪部材32の開口部分に配置される。
【0045】
輪部材32は、外側の縁に3つの受け部32a〜32cを有している。受け部32a〜32cは、嵌合部30の窪み30aの底面より高くなっている。
【0046】
受け部32cは、外側の縁に沿った形状の溝32caを有している。受け部32cは、矢印A21に示す位置から、矢印A22に示す位置まで、溝32caを有している。
【0047】
受け部32cの溝32caは、図6に示す矢印A21に示す位置から、図5に示した鍔部22cが挿入される。図5に示した鍔部22cは、図6に示す矢印A22に示す位置まで、溝32caに沿って挿入される。
【0048】
受け部32aも、受け部32cの溝32caと同様に、図5に示した鍔部22aが挿入される溝が形成されている。受け部32bも、受け部32cの溝32caと同様に、図5に示した鍔部22bが挿入される溝が形成されている。
【0049】
嵌合部30は、ボタン33aと、ピン33bと、を有している。ボタン33aは、嵌合部30の外側の周面に配置されている。ボタン33aは、窪み30aの底面の法線方向(±z軸方向)に可動する。
【0050】
ピン33bは、窪み30aの底面に配置されている。ピン33bは、ボタン33aの動きに連動して、嵌合部30における窪み30aの底面の法線方向に可動する。ピン33bは、例えば、ばね等の付勢部材によって、通常、嵌合部30の窪み30aの底面より飛び出している。ピン33bは、例えば、円筒形状を有し、図5に示した窪み23と嵌合する形状を有している。
【0051】
カメラ本体12を座部11に固定するときは、嵌合部20の鍔部22a〜22cが、嵌合部30の受け部32a〜32cに接触しないように、嵌合部30の窪み30aに、嵌合部20を嵌入する。そして、嵌合部30を回し、嵌合部20の鍔部22a〜22cを、嵌合部30の受け部32a〜32cの溝に挿入する。嵌合部30のピン33bが、嵌合部20の輪部材22の窪み23に嵌ると、カメラ本体12は、座部11に固定される。
【0052】
カメラ本体12を座部11から取り外すときは、ピン33bが窪み30aの底面に引っ込むようにボタン33aを操作する(−z軸方向にボタン33aを下げる)。ピン33bが窪み30aの底面から引っ込むことにより、カメラ本体12は、座部11に対して回転可能になる。カメラ本体12を回して、鍔部22a〜22cを、受け部32a〜32cの溝から外すことにより、カメラ本体12は、座部11から取り外せる。
【0053】
図7は、嵌合部20,30の断面図である。図7において、図1図6と同じものには同じ符号が示している。図7に示すように、カメラ本体12が座部11に取り付けられると、座部11のガラス21の面と、カメラ本体12のガラス31の面とは対向し、近接する。
【0054】
図7に示すように、嵌合部20は、送電コイル24と、アンテナ25と、を有している。嵌合部30は、受電コイル34と、アンテナ35と、を有している。
【0055】
送電コイル24は、ガラス21の下側(+z軸方向側)に配置されている。例えば、送電コイル24は、座部11の筐体内側であって、平面視において(z軸方向から見て)ガラス21の外縁内に収まる位置に配置される。送電コイル24は、例えば、ガラス21の下面に近接して、または、接して配置されてもよい。
【0056】
送電コイル24は、中央に開口を有した輪形状を有している。送電コイル24には、種々の巻き方が用いられてもよい。例えば、送電コイル24には、整列巻またはアルファ巻が用いられてもよい。
【0057】
アンテナ25は、ガラス21の下側(+z軸方向側)に配置されている。例えば、アンテナ25は、座部11の筐体内側であって、平面視においてガラス21の外縁内に収まる位置に配置される。アンテナ25は、例えば、ガラス21の下面に接して、または、近接して配置されてもよい。
【0058】
アンテナ25は、中央に開口を有した輪形状を有している。アンテナ25の中央の開口部分に送電コイル24が配置される。アンテナ25は、例えば、アンテナ25の内側が、送電コイル24の外側と接するように配置されてもよい。アンテナ25には、例えば、ループアンテナが用いられてもよい。
【0059】
受電コイル34は、ガラス31の下側(−z軸方向側)に配置されている。例えば、受電コイル34は、カメラ本体12の筐体内側であって、平面視においてガラス31の外縁内に収まる位置に配置される。受電コイル34は、例えば、ガラス31の下面に近接して、または、接して配置されてもよい。
【0060】
受電コイル34は、中央に開口を有した輪形状を有している。受電コイル34には、種々の巻き方が用いられてもよい。例えば、受電コイル34には、整列巻またはアルファ巻が用いられてもよい。
【0061】
アンテナ35は、ガラス31の下側(−z軸方向側)に配置されている。例えば、アンテナ35は、カメラ本体12の筐体内側であって、平面視においてガラス31の外縁内に収まる位置に配置される。アンテナ35は、例えば、ガラス31の下面に接するように、または、近接して配置されてもよい。
【0062】
アンテナ35は、中央に開口を有した輪形状を有している。アンテナ35の中央の開口部分に受電コイル34が配置される。アンテナ35は、例えば、アンテナ35の内側が、受電コイル34の外側と接するように配置されてもよい。アンテナ35には、例えば、ループアンテナが用いられてもよい。
【0063】
送電コイル24と受電コイル34は、カメラ本体12が座部11に取り付けられたとき、送電コイル24の中心と受電コイル34の中心とが一致するように、嵌合部20,30に配置される。アンテナ25とアンテナ35は、カメラ本体12が座部11に取り付けられたとき、アンテナ25の中心とアンテナ35の中心とが一致するように、嵌合部20,30に配置される。
【0064】
座部11からカメラ本体12への送電電力が10Wであり、座部11とカメラ本体12との間の通信速度が240Mbpsである場合、ガラス21,31、送電コイル24、受電コイル34、およびアンテナ25,35の各寸法は、以下の値が好ましい。各寸法が以下の値のとき、送電電力10Wおよび通信速度240Mbpsが得られるとともに、ガラス21,31において、所望の強度が得られる。
【0065】
送電コイル24および受電コイル34の内径(中央の開口の直径)は、例えば、9mmである。送電コイル24および受電コイル34の外径(外周の直径)は、例えば、34mmである。アンテナの外径(外周の直径)は、例えば、44mmである。カメラ本体12が座部11に取り付けられたときの送電コイル34と受電コイル34とが対向する距離は、例えば、7.8mmである。
【0066】
ガラス21,31の直径は、例えば、58mmである。ガラス21,31の厚さは、例えば、3mmである。カメラ本体12が座部11に取り付けられたときのガラス21,31の対向する距離は、例えば、0.8mmである。
【0067】
下記の値の範囲であっても、送電電力10Wおよび通信速度240Mbpsが得られるとともに、ガラス21,31において、所望の強度が得られる。例えば、送電コイル24および受電コイル34の内径は、7mm以上、11mm以下であってもよい。送電コイル24および受電コイル34の外径は、31mm以上、37mm以下であってもよい。アンテナの外径(外周の直径)は、41mm以上、47mm以下であってもよい。カメラ本体12が座部11に取り付けられたときの送電コイル34と受電コイル34とが対向する距離は、例えば、6.8mm以上、8.8mm以下であってもよい。
【0068】
ガラス21,31の直径は、55mm以上、61mm以下であってもよい。ガラス21,31の厚さは、例えば、2mm以上、4mm以下であってもよい。カメラ本体12が座部11に取り付けられたときのガラス21,31の対向する距離は、例えば、0.6mm以上、1.0mm以下であってもよい。
【0069】
送信電力を大きくするには、送電コイル24および受電コイル34の外径を大きくすればよい。送電コイル24および受電コイル34の外径を大きくした場合、ガラス21,31の直径内に、送電コイル24、受電コイル34、およびアンテナ25,35が収まるように、ガラス21,31の直径を大きくする。ガラス21,31の直径を大きくした場合、所望の強度が得られるようにガラス21,31の厚さを厚くする。ただし、送電コイル24および受電コイル34の距離は、電力効率に影響することに留意する。
【0070】
また、通信速度を大きくするには、アンテナ25,35の外径を大きくすればよい。アンテナ25,35の外径を大きくした場合、ガラス21,31の直径内に、送電コイル24、受電コイル34、およびアンテナ25,35が収まるように、ガラス21,31の直径を大きくする。ガラス21,31の直径を大きくした場合、所望の強度が得られるようにガラス21,31の厚さを厚くする。ただし、アンテナ25,35の距離は、通信速度に影響することに留意する。
【0071】
図8は、監視カメラ1のブロック構成例を示した図である。図8において、図1図7と同じものには同じ符号が付してある。図8に示すように、座部11は、制御部41と、電源部42と、送電部43と、通信部44,45と、記憶部46と、を有している。カメラ本体12は、制御部51と、受電部52と、通信部53と、光学ユニット54と、記憶部55と、を有している。
【0072】
制御部41は、座部11全体を制御する。制御部41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)によって構成されてもよい。
【0073】
電源部42には、外部電源の電力が供給される。例えば、電源部42には、AC100Vの電力が供給される。電源部42は、外部電源の電力を各部に供給する。
【0074】
送電部43は、図7に示した送電コイル24を有している。送電部43は、送電コイル24を介して、電源部42から供給される電力を、カメラ本体12に無線によって送電する。
【0075】
通信部44は、図7に示したアンテナ25を有している。通信部44は、アンテナ25を介して、カメラ本体12の通信部53と無線通信する。
【0076】
通信部44は、カメラ本体12から送信される映像データを受信する。制御部41は、通信部44が受信した映像データを、通信部45を介して、ネットワークに接続されたサーバまたは端末装置に送信してもよい。
【0077】
通信部45は、インターネット等のネットワークに接続されている。通信部45は、例えば、ネットワークに接続されたサーバまたは端末装置と通信する。
【0078】
ネットワークに接続されたサーバまたは端末装置は、監視カメラ1に対し、例えば、撮影の開始および停止を制御する制御信号を送信してもよい。また、ネットワークに接続されたサーバまたは端末装置は、監視カメラ1に対し、例えば、パン方向およびチルト方向の可動を制御する制御信号を送信してもよい。制御部41は、ネットワークに接続されたサーバまたは端末装置から送信された制御信号を、通信部44を介して、カメラ本体12に送信する。
【0079】
記憶部46は、制御部41が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶部46には、制御部41が計算処理を行うためのデータ、または、制御部41が各部を制御するためのデータ等が記憶される。記憶部46は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、およびHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置によって構成されてもよい。
【0080】
カメラ本体12の制御部51は、カメラ本体12全体を制御部する。制御部51は、例えば、CPUまたはDSP(Digital signal Processer)によって構成されてもよい。
【0081】
受電部52は、図7に示した受電コイル34を有している。受電部52は、受電コイル34を介して、座部11の送電部43から無線給電される電力を受電する。受電部52は、受電した電力を各部に供給する。
【0082】
通信部53は、図7に示したアンテナ35を有している。通信部53は、アンテナ35を介して、座部11の通信部44と無線通信する。
【0083】
光学ユニット54は、例えば、レンズ、撮像素子、チルトモータ、およびパンモータ等を有している。撮像素子は、レンズを介して受光した光を電気信号(映像データ)に変換し、制御部51に出力する。チルトモータおよびパンモータは、制御部51から出力される制御信号に応じて、カメラ本体12をチルト方向およびパン方向に可動する。
【0084】
記憶部55は、制御部51が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶部55には、制御部51が計算処理を行うためのデータ、または、制御部51が各部を制御するためのデータ等が記憶される。記憶部55は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、およびHDDなどの記憶装置によって構成されてもよい。
【0085】
以上説明したように、監視カメラ1は、筺体外側に嵌合部20を備え、構造物A1に固定される座部11と、筺体外側に嵌合部20と着脱自在の嵌合部30を備えたカメラ本体12と、を備える。カメラ本体12の嵌合部30は、座部11の嵌合部20を嵌入する窪み30aを備える。窪み30aの底面と対向する嵌合部20の面は、ガラス21によって構成される。嵌合部30の窪み30aの底面は、ガラス31によって構成される。座部11は、ガラス21の下側に電力を無線送電する送電コイル24を備える。監視カメラ本体12は、ガラス31の下側に電力を受電する受電コイル34を備える。
【0086】
このように、監視カメラ1のカメラ本体12は、窪み30aの底面にガラス31が配置される。そして、カメラ本体12は、ガラス31の下側に、受電コイル34とアンテナ35とが配置される。このため、ガラス31、受電コイル34、およびアンテナ35は、カメラ本体12の筐体表面(筐体外側)において、奥まった位置に配置され、カメラ本体12の移動の際または掃除の際等に、他の物体との衝突等による破損から保護される。
【0087】
また、監視カメラ1は、汚れが付着する場合がある。例えば、監視カメラ1は、屋外等の環境下においては、多くの汚れが付着する。監視カメラ1のカメラ本体12は、座部11と着脱自在であるため、座部11から取り外すことができ、容易に掃除されることができる。
【0088】
また、監視カメラ1の筐体(筐体表面)は、ステンレスおよびガラス21,31によって構成される。このため、監視カメラ1は、耐薬品性を有し、清掃の際に用いられる薬品の使用制限が少ない。
【0089】
また、送電コイル24は、嵌合部20のガラス21の下側に配置される。受電コイル34は、嵌合部30のガラス31の下側に配置される。このため、座部11およびカメラ本体12は、例えば、雨等による漏電を抑制できる。また、座部11およびカメラ本体12は、清掃の際、水または薬品等が筐体内に入ることを抑制できる。また、座部11およびカメラ本体12の清掃が容易となる。
【0090】
(変形例1)
カメラ本体12は、Wi−Fiまたはブルートゥース等の無線通信機能を有し、この無線通信機能によって、座部11と無線通信してもよい。また、カメラ本体12は、Wi−Fiまたはブルートゥース等の無線通信機能によって、座部11以外の機器と無線通信してもよい。この場合、座部11およびカメラ本体12は、ガラス21,31の下側にアンテナ25,35を備えなくてもよい。
【0091】
(変形例2)
監視カメラ1は、アンテナ25,35を備え、送電コイル24および受電コイル34を備えなくてもよい。この場合、カメラ本体12は、電源ケーブルを備え、電源ケーブルから電力が供給されてもよい。
【0092】
(変形例3)
上記では、本開示の電子機器を監視カメラに適用した例について説明したが、これに限られない。本開示の電子機器は、例えば、電気自動車に適用してもよい。この場合、電気自動車本体は、カメラ本体12に対応してもよい。充電スタンドの充電プラグが嵌合される電気自動車のコネクタは、嵌合部30に対応してもよい。座部11は、例えば、地面に固定された充電スタンドに対応してもよい。充電スタンドから伸びるケーブルの先の充電プラグは、座部11の嵌合部20に対応してもよい。
【0093】
上記の実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0094】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0095】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本開示は、構造物に対し、着脱可能な電子機器において、破損を抑制できる電子機器に有用である。
【符号の説明】
【0097】
1 監視カメラ
11 座部
12 カメラ本体
13,14 軸
20,30 嵌合部
21,31 ガラス
22,32 輪部材
22a〜22c 鍔部
23,30a 窪み
24 送電コイル
25,35 アンテナ
32a〜32c 受け部
32ca 溝
33a ボタン
33b ピン
34 受電コイル
【要約】
【課題】構造物から取り外された状態において、破損が抑制される電子機器を提供すること。
【解決手段】電子機器は、筺体外側に第1の嵌合部を備え、構造物に固定される座部と、筺体外側に第1の嵌合部と着脱自在の第2の嵌合部を備えた電子機器本体と、を備え、第2の嵌合部は、第1の嵌合部を嵌入する窪みを備え、窪みの底面と対向する第1の嵌合部の面は、第1のガラスによって構成され、窪みの底面は、第2のガラスによって構成され、座部の筺体内側であって、平面視において第1のガラスの外縁内に収まる位置に、電力を無線送電する送電コイルが備えられており、電子機器本体の筺体内側であって、平面視において第2のガラスの外縁内に収まる位置に、電力を受電する受電コイルが備えられている。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8