【実施例】
【0049】
共沸混合物の実施例:
実施例1:
69.4重量%のZ−HFO−1336mzzm、3.1重量%のエタノール、7.6重量%の軽質物質、及び残りが重質物質の試料を、Monel蒸留カラム中に充填した。蒸留
カラムは、大気圧において運転する回転バンドカラムである。温度調節したプロピレングリコール水溶液を用いて凝縮器を冷却した。
【0050】
まず、蒸留カラムを全還流で運転して、それぞれの所望の条件において平衡の温度及び圧力に到達させた。カラムが平衡に達したら、蒸留カラムの塔頂から蒸気試料を採取した。蒸留物が回収される間は、カラムの塔頂流を周期的にサンプリングした。蒸留カラムから軽質分を取り出した後、試料を採取した。試料は、Z−HFO−1336mzzm中の2.0重量%のエタノールを示した。エタノールがZ−HFO−1336mzzm留分中に残留し、これは共沸混合物が形成されたことを示した。
【0051】
実施例2:
沸点測定装置を用いて、Z−HFO−1336mzzm及びエタノールの共沸混合物を測定した。沸点測定装置は、底部が密封されており、頂部が大気に開放されている真空断熱ガラス容器から構成されている。沸点測定装置の頂部又は凝縮器部分はドライアイスで取り囲んで、全ての蒸気が凝縮して沸点測定装置中に還流されることを確保している。まず、Z−HFO−1336mzzmを沸点測定装置中に充填し、エタノールを計量投入した。
【0052】
表1に、共沸混合物が形成されたことを示す温度の最小値を示す。混合物の沸点温度は一定に維持され、これはこの混合物が大きな組成範囲にわたって共沸混合物様であることを示す。
【0053】
【表1】
【0054】
実施例2:
実施例2においては沸点測定装置を用いてZ−HFO−1336mzzm及びメタノールの共沸混合物を測定した。まず、Z−HFO−1336mzzmを沸点測定装置中に充填し、メタノールを計量投入した。
【0055】
表2に、共沸混合物が形成されたことを示す温度の最小値を示す。混合物の沸点温度は一定に維持され、これはこの混合物が大きな組成範囲にわたって共沸混合物様であることを示す。
【0056】
【表2】
【0057】
実施例3:
実施例2において用いた沸点測定装置を用いて、Z−HFO−1336mzzm及びドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オン(Novec 1230)の共沸混合物を測定した。まず、Z−HFO−1336mzzmを沸点測定装置中に充填し、フルオロケトン:Novec 1230(3M Company)を計量投入した。
【0058】
表3に、共沸混合物が形成されたことを示す温度の最小値を示す。混合物の沸点温度は一定に維持され、これはこの混合物が大きな組成範囲にわたって共沸混合物様であることを示す。
【0059】
【表3】
【0060】
実施例4:
また、化合物:E−HCFO−1233zd(トランス−1,1,1−トリフルオロ−3−クロロプロペン)も、Z−HFO−1336mzzmと共沸混合物様の組成物を形成することが分かった。下表4に示すように、この組成物の共沸混合物様特性は約10重量%のZ−HFO−1336mzzmまで継続することが分かった。これらの組成物は噴霧フォーム用途のために特に有用である。
【0061】
【表4】
【0062】
実施例5:
実施例2における沸点測定装置を用いて、Z−HFO−1336mzzm及び水の共沸混合物を測定した。まず、Z−HFO−1336mzzmを沸点測定装置中に充填し、水を計量投入した。表5に、共沸混合物が形成されたことを示す温度の最小値を示す。混合物の沸点温度は一定に維持され、これはこの混合物が大きな組成範囲にわたって共沸混合物様であることを示す。
【0063】
【表5】
【0064】
共沸混合物様の組成物の使用:
上記に記載したように、本発明の任意の共沸混合物様の組成物は、広範囲の用途において、CFCに対する代替物として、及びより望ましくないHCFCを含む組成物に対する代替物として用いることができる。
【0065】
具体的には、有効量の、Z−HFO−1336mzzm、並びに水、フルオロケトン、アルコール、ヒドロクロロフルオロオレフィン、及びこれらの2以上の組合せからなる群から選択される他の材料を含むか又は実質的にこれらから構成される共沸混合物様の組成物は、少数の好ましい用途が挙げられる発泡剤、冷媒、加熱剤、動力サイクル薬剤、洗浄剤、エアゾール噴射剤、滅菌剤、潤滑剤、香味料及び香料抽出剤、燃焼性低下剤、及び炎抑制剤として有用である。これらの使用のそれぞれを下記においてより詳細に議論する。
【0066】
発泡剤:
本発明の一態様は、1種類以上の本発明の共沸混合物様の組成物を含む発泡剤に関する。他の態様においては、本発明は、発泡性組成物、好ましくはポリウレタン及びポリイソシアヌレートフォーム組成物、並びにフォームを製造する方法を提供する。かかるフォームの態様においては、1種類以上の共沸混合物様の組成物は、当該技術において周知のように、好ましくは適当な条件下で反応及び発泡してフォーム又は気泡構造を形成することができる1種類以上の更なる成分を含む発泡性組成物中に発泡剤として含まれる。
【0067】
本方法は、好ましくはかかる発泡性組成物を準備し、フォーム、好ましくは独立気泡フォームを得るのに有効な条件下でそれを反応させることを含む。本発明はまた、本発明の共沸混合物様の組成物を含む発泡剤を含むポリマーフォーム配合物から製造されるフォーム、好ましくは独立気泡フォームにも関する。
【0068】
幾つかの態様においては、以下のHFC異性体の1以上が本発明の共沸混合物様の組成物において共発泡剤として用いるのに好ましい:
1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC−125);
1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134);
1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a);
1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a);
1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea);
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236fa);
1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa);及び
1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)。
【0069】
上記に記載の任意の更なる共発泡剤、及び本共沸混合物様組成物中に含ませることができる任意の更なる成分の相対量は、組成物に関する特定の用途にしたがって本発明の一般的な広い範囲内で広く変化させることができ、全てのかかる相対量は本発明の範囲内であるとみなされる。
【0070】
フォーム:
本発明はまた、Z−HFO−1336mzzm、並びに1種類以上のアルコール、好ましくはメタノール又はエタノールを含むか又は実質的にこれらから構成される共沸混合物様の組成物を含む発泡剤を含むポリマーフォーム配合物から製造される全てのフォーム(独立気泡フォーム、連続気泡フォーム、硬質フォーム、軟質フォーム、スキン層付きフォーム等を含むが、これらに限定されない)にも関する。本出願人らは、本発明によるフォーム、特にポリウレタンフォームのような熱硬化性フォームの一つの有利性は、好ましくは熱硬化性フォームの態様と関連して、特にそして好ましくは低温条件下で例えば
図1に示すようにK−因子又はラムダによって測定することができる、非常にすぐれた熱性能を達成する能力であることを見出した。
【0071】
本フォーム、特に本発明の熱硬化性フォームは広範囲の用途において用いることができると意図されるが、幾つかの好ましい態様においては、本発明は、冷蔵庫用フォーム、冷凍庫用フォーム、冷蔵庫/冷凍庫用フォーム、パネル用フォーム、及び他の低温又は極低
温製造用途などの本発明による電気器具用フォームを包含する。
【0072】
本発明にしたがって製造されるフォームは、幾つかの好ましい態様においては、断熱効率(特に熱硬化性フォームに関して)、寸法安定性、圧縮強さ、断熱特性の経時変化などの1つ以上の非常にすぐれた特徴、性質、及び/又は特性を、全て多くの本発明の好ましい発泡剤に関連する低いオゾン層破壊係数及び低い地球温暖化係数に加えて与える。
【0073】
幾つかの非常に好ましい態様においては、本発明は、同じ発泡剤(又は通常用いられる発泡剤であるHFC−245fa)を同じ量で用いるが、本発明の共沸混合物様の組成物を用いずに製造されるフォームに比べて向上した熱伝導性を示すフォーム物品に成形されるフォームなどの熱硬化性フォームを与える。
【0074】
Polyurethanes Chemistry and Technology, Vol. I及びII, Saunders及びFrisch, 1962, John Wiley and Sons, New York, NY(参照として本明細書中に包含する)に記載され
ているもののような当該技術において周知の任意の方法を、本発明のフォームの態様にしたがって用いることができ、又は用いるように適合させることができる。一般に、かかる好ましい方法は、イソシアネート、ポリオール又は複数のポリオールの混合物、1種類以上の本組成物を含む発泡剤又は複数の発泡剤の混合物、及び、触媒のような他の材料、並びに界面活性剤、及び場合によっては難燃剤、着色剤、又は他の添加剤を混合することによってポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームを製造することを含む。
【0075】
多くの用途においては、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームのための成分を予めブレンドした配合物で与えることが好都合である。より通常的には、フォーム配合物は2つの成分に予めブレンドする。イソシアネート及び場合によっては幾つかの界面活性剤及び発泡剤が、通常はA成分と呼ばれる第1の成分を構成する。ポリオール又はポリオール混合物、界面活性剤、触媒、発泡剤、難燃剤、及び他のイソシアネート反応性成分が、通常はB成分と呼ばれる第2の成分を構成する。したがって、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームは、少量の製造のためには手作業での混合、及び好ましくはブロック、スラブ、積層体、現場注入パネル及び他の部材、噴霧適用フォーム、泡などを形成する機械混合技術のいずれかによって、A側及びB側の成分を混合することによって容易に製造される。場合によっては、難燃剤、着色剤、補助発泡剤、及び更には他のポリオールのような他の成分を、第3の流れとして混合ヘッド又は反応場に加えることができる。しかしながら、最も好都合には、これらは全て1つの上記記載のB成分中に含ませる。
【0076】
また、本発明の共沸混合物様の組成物を用いて熱可塑性フォームを製造することもできる。例えば、通常のフォーム用ポリウレタン及びイソシアヌレート配合物を、通常の方法で共沸混合物様の組成物と混合して硬質フォームを製造することができる。
【0077】
また、分散剤、気泡安定剤、及び界面活性剤を発泡剤混合物中に含ませることもできる。界面活性剤、最も特にはシリコーン油は、気泡安定剤として機能させるために加える。幾つかの代表的な材料は、DC-193、B-8404、及びL-5340の名称で販売されており、これらは一般に、米国特許2,834,748、2,917,480、及び2,846,458において開示されているもののようなポリシロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーである。発泡剤混合物のための他の場合によって用いる添加剤としては、トリ(2−クロロエチル)ホスフェート、トリ(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリ(2、3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリ(1,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、ジアンモニウムホスフェート、種々のハロゲン化芳香族化合物、酸化アンチモン、アルミニウム三水和物、ポリ塩化ビニルなどのような炎抑制剤を挙げることができる。
【0078】
一般に、本発明の発泡性組成物を形成するために用いるブレンドされた混合物中に存在する発泡剤の量は、最終ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォーム生成物の所望のフォーム密度によって決定される。製造されるポリウレタンフォームは、密度を、硬質ポリウレタンフォームに関しては約0.5lb/ft
3〜約40lb/ft
3、好ましくは約1.0〜約20.0lb/ft
3、最も好ましくは約1.5〜約6.0lb/ft
3、軟質フォームに関しては約1.0〜約4.0lb/ft
3で変化させることができる。得られる密度は、どのくらい多くの発泡剤又は発泡剤混合物が、A及び/又はB成分中に存在しているか、或いはフォームが製造される時点で加えられるかなどの幾つかのファクターの関数である。
【0079】
発泡剤及びフォームの実施例:
本実施例は、ポリウレタンフォームの製造と関連して用いるZ−HFO−1336mzzm及びアルコールを含む発泡剤の性能を示す。この実施例に関しては、3つの別々の発泡剤を製造した。第1の発泡剤はHFC−245faである。第2の発泡剤はZ−HFO−1336mzzmである。第3の発泡剤は、全発泡剤の約98重量%の濃度のZ−HF
O−1336mzzm、及び全発泡剤の約2重量%の濃度のエタノールを含む共沸混合物様の組成物を含む。
【0080】
それぞれの系において、発泡剤を実質的に同じモル濃度でポリオールブレンド中に加えた。次に、それぞれの発泡剤を用いてフォームを形成し、フォームのk因子を測定した。用いた配合を下表6に含ませる。フォームは、3秒間の注入時間及び8秒間の混合時間を用いて製造した。原材料の温度は50°F−ポリオール/70°F−MDIであった。
【0081】
【表6】
【0082】
下表7及び
図1は、3つの発泡剤のk因子性能を示す。
【0083】
【表7】
【0084】
この実施例によって示される1つの予期しなかった結果は、ニートのZ−HFO−1336mzzm発泡剤のものよりも向上した98重量%のZ−HFO−1336mzzm及
び2重量%のエタノールのブレンドの低温k因子である。
【0085】
噴霧フォーム:
噴霧フォームの実施例においては、驚くべきことに、4重量%のZ−HFO−1336mzzm及び96重量%の1233zd(E)から実質的に構成される共沸混合物様の組成物を用いることによって、フォームの熱伝導性に対する大きく予期しないプラスの効果があったことが見出された。この発泡剤組成物を用いて製造したフォームは、1233zd(E)のみを含む発泡剤を用いて製造したフォームよりも、全ての温度範囲にわたってよりゆっくりと経時変化し、より良好な熱伝導特性を有していた。
【0086】
方法及びシステム:
本発明の共沸混合物様の組成物はまた、冷却、空調、及びヒートポンプシステムにおいて用いる冷媒のような熱を伝達する方法及びシステムにおける熱伝達流体などとして、数多くの方法及びシステムに関連して有用である。本共沸混合物様組成物はまた、好ましくはかかるシステム及び方法においてエアゾール噴射剤を含むか又はそれから構成されるエアゾールを生成させるシステム及び方法において用いるのにも有利である。フォームを形成する方法、並びに消火及び鎮火する方法も、本発明の幾つかの形態に含まれる。本発明はまた、幾つかの形態においては、かかる方法及びシステムにおいて本共沸混合物様組成物を溶媒組成物として用いる、物品から残留物を除去する方法も提供する。
【0087】
熱伝達方法:
好ましい熱伝達方法は、一般に、本発明の共沸混合物様の組成物を準備し、組成物の相を変化させることによって組成物へか又は組成物から熱を伝達させることを含む。例えば、本方法は、好ましくは本冷媒組成物を冷却する物体又は流体の近傍で蒸発させることによって流体又は物品から熱を吸収して本組成物を含む蒸気を生成させることによって冷却を与える。
【0088】
好ましくは、本方法は、通常は圧縮器又は同様の装置によって冷媒蒸気を圧縮して比較的高圧の本組成物の蒸気を生成させる更なる工程を含む。一般に、蒸気を圧縮する工程によって、蒸気に対して熱が加えられ、これにより比較的高圧の蒸気の温度上昇が引き起こされる。好ましくは、本方法は、この比較的高温で高圧の蒸気から、蒸発工程及び圧縮工程によって加えられる熱の少なくとも一部を取り出すことを含む。熱取り出し工程は、好ましくは、蒸気が比較的高圧条件にある間に高温で高圧の蒸気を凝縮して、本発明の組成物を含む比較的高圧の液体を生成させることを含む。この比較的高圧の液体は、好ましくは、次に見かけ上等エンタルピーの減圧にかけて、比較的低温で低圧の液体を生成させる。かかる態様においては、この低下した温度の冷媒液体を、次に冷却する物体又は流体から伝達される熱により蒸発させる。
【0089】
本発明の他の方法の態様においては、本発明の共沸混合物様の組成物は、加熱する液体又は物体の近傍で本発明の共沸混合物様の組成物を含むか又は実質的にこれから構成される冷媒組成物を凝縮することを含む、加熱を生成させる方法において用いることができる。かかる方法は、上述したように、上記の冷却サイクルに対して逆のサイクルであることが多い。
【0090】
冷媒組成物:
本発明の共沸混合物様の組成物は、自動車用空調システム及び装置、商業用冷却システム及び装置、冷凍機、住宅用冷蔵庫及び冷凍庫、一般的な空調システム、ヒートポンプなどに関連して用いるように適合させることができる。
【0091】
多くの既存の冷却システムは、現在は既存の冷媒と関連して用いるように適合されてお
り、本発明の共沸混合物様の組成物はシステムの変更を行うか又は行わないでかかるシステムの多くにおいて用いるように適合させることができると考えられる。多くの用途において、本発明の共沸混合物様の組成物は、現在は比較的高い能力を有する冷媒をベースとするシステムにおける代替品としての有利性を与えることができる。更に、例えば効率性の理由のために本発明のより低い能力の冷媒組成物を用いてより高い能力の冷媒を置き換えることが望ましい態様においては、かかる態様の本組成物は潜在的な有利性を与える。
【0092】
而して、幾つかの態様においては、Z−HFO−1336mzzm及び1種類以上のアルコールを含むか又は実質的にこれらから構成される共沸混合物様の組成物を、HCFC−123又はHFC−134aのような既存の冷媒に対する代替物として用いることが好ましい。幾つかの用途においては、本発明の冷媒によって、より大型の容積型圧縮器を有効に用いることが潜在的に可能になり、それによってHCFC−123又はHFC−134aのような他の冷媒よりも良好なエネルギー効率が得られる。したがって、本発明の冷媒組成物は、冷媒置換用途に関するエネルギーベースの競争上の優位性を達成する可能性を与える。
【0093】
本発明の共沸混合物様の組成物には広範囲の量の成分を含ませることができると意図されるが、本発明の冷媒組成物は組成物の少なくとも約50重量%、更により好ましくは少なくとも約70重量%の量のZ−HFO−1336mzzmを含むか又は実質的にこれから構成されることが一般に好ましい。
【0094】
動力サイクルの用途:
ランキンサイクルシステムは、熱エネルギーを機械的軸動力に変換する単純で信頼できる手段であることが公知である。低グレードの熱エネルギーに遭遇する場合には、水/蒸気の代わりに有機作動流体が有用である。低グレードの熱エネルギー(通常は400°F以下)で運転する水/蒸気システムは、大きな体積及び低い圧力を伴う。システムの寸法を小さく且つ効率を高く維持するためには、室温付近の沸点を有する作動流体が用いられる。かかる流体は、より高い容量及び好ましい移送に役立つより高い気体密度、並びに低い運転温度において水と比較してより高い効率に役立つ熱伝達特性を有する。工業環境においては、特に工業環境がプロセス又は貯蔵において施設に既に大量の可燃物を有している場合には、トルエン及びペンタンのような可燃性の作動流体を用いる機会がより多い。例えば、人口の多い地域又はビルの近辺での発電のように可燃性の作動流体を用いることに関連する危険性が許容できないものである場合には、CFC−113及びCFC−11のような他の流体が用いられていた。これらの材料は不燃性であるが、これらのオゾン層破壊係数のためにこれらは環境に対して危険であった。理想的には、有機作動流体は環境的に許容でき、不燃性で、低いオーダーの毒性のものであり、正圧で運転されるものでなければならない。
【0095】
本明細書において用いる「不燃性」という用語は、標準的な引火点法の1つ、例えばASTM−1310−86:"Flash point of liquids by tag Open-cup apparatus"によって測定して引火点を示さない本発明の化合物及び組成物を指す。
【0096】
有機ランキンサイクルシステムは、工業プロセスからの廃熱を回収するためにしばしば用いられている。熱電供給(コジェネレーション)用途においては、発電機セットの一次原動機を駆動するのに用いる燃料の燃焼からの廃熱を回収し、これを用いて、例えば熱を供給するためか、或いは吸収冷凍機を運転して冷却を与えるための熱を供給するための熱水を生成させる。幾つかの場合においては、熱水に対する需要は小さいか又は存在しない。最も困難なケースは、熱的要件が変動し、負荷整合が困難になり、熱電供給システムの効率的な運転が混乱する場合である。このような場合においては、有機ランキンサイクルシステムを用いることによって廃熱を軸動力に変換することがより有用である。軸動力を
用いて例えばポンプを運転することができ、或いはこれを用いて電気を生成させることができる。このアプローチを用いることによって、システム全体の効率がより高く、燃料の利用率がより大きい。同量の燃料投入量についてより多くの電力を生成させることができるので、燃料の燃焼からの大気放出を減少させることができる。
【0097】
廃熱を生成するプロセスは、燃料電池、内燃エンジン、内部圧縮エンジン、外部燃焼エンジン、及びタービンからなる群から選択される少なくとも1つである。廃熱の他の源は、精油業者、石油プラント、石油及びガスのパイプライン、化学産業、商業ビル、ホテル、ショッピングモール、スーパーマーケット、製パン所、食品加工産業、レストラン、塗料硬化オーブン、家具製造、プラスチック成形、セメント窯、木材窯(乾燥)、か焼運転、製鉄業、ガラス産業、鋳造所、製錬所、空調、冷却、及びセントラルヒーティングにおける運転に関連して見出すことができる。米国特許7,428,816(その開示事項は参照として本明細書中に包含する)を参照。
【0098】
この化合物の動力サイクル用途の他の具体的な態様は、作動流体がZ−HFO−1336mzzm及び1種類以上のアルコール、好ましくはメタノール又はエタノールを含むか又は実質的にこれらから構成される共沸混合物様の組成物である有機ランキンサイクルシステムにおける廃熱を回収するためのプロセスである。
【0099】
動力サイクルの例:
この例は、ランキン動力サイクル用組成物として用いるための本発明の共沸混合物様の組成物の使用を示す。
【0100】
Smith, J.M.ら, Introduction to Chemical Engineering Thermodynamics; McGraw-Hill (1996)に概説されている手順にしたがって、有機ランキンサイクルにおける種々の作動流体の有効性を比較することができる。この例において有機ランキンサイクルの計算において用いる条件は、75%のポンプ効率、80%の膨張器効率、190℃のボイラー温度、45℃の凝縮器温度、及び1000Wのボイラーへ供給される熱量である。Z−HFO−1336mzzm:メタノールの95:5重量%混合物の性能を、商業的に入手できる流体であるHFC−245fa(Honeywellから入手できる)と比較する。指定の条件に
おけるHFC−245fa及びZ−HFO−1336mzzm:メタノールの95:5重量%混合物の熱効率は、それぞれ0.142及び0.158である。これは、Z−HFO−1336mzzm:メタノールの95:5重量%混合物が動力サイクルにおいてHFC−245faよりも良好に機能することを示す。
【0101】
洗浄及び汚染物質除去:
本発明はまた、本発明の共沸混合物様の組成物を物品に適用することによって、製品、部材、部品、基材、又は任意の他の物品若しくはその一部から汚染物質を除去する方法も提供する。便宜上の目的から、「物品」という用語は、本明細書においては、全てのかかる製品、部材、部品、基材などを指すように用いられ、更に、任意の表面又はその一部を指すように意図される。更に、「汚染物質」という用語は、かかる物質が物品の上に意図的に配置されている場合であっても、物品の上に存在する任意の望ましくない材料又は物質を指すように意図される。例えば、半導体デバイスの製造においては、基板の上にフォトレジスト材料を堆積させてエッチング操作のためのマスクを形成し、次いでフォトレジスト材料を基板から除去することが通常的である。本明細書において用いられる「汚染物質」という用語は、かかるフォトレジスト材料をカバーし且つ包含するように意図される。
【0102】
本発明の好ましい方法は、本組成物を物品に適用することを含む。多くの様々な洗浄方法において本発明の共沸混合物様の組成物を良好な有利性で用いることができると意図さ
れるが、本組成物を超臨界洗浄法に関連して用いることが特に有利であると考えられる。超臨界洗浄は、米国特許第6,589,355号(本発明の譲受人に譲渡され、参照として本明細書中に包含する)に開示されている。
【0103】
超臨界洗浄用途のためには、幾つかの態様においては、本発明の共沸混合物様の組成物に加えて、CO
2、及び超臨界洗浄用途に関連して用いることが公知の他の更なる成分のような他の成分を本洗浄組成物中に含ませることが好ましい。
【0104】
また、幾つかの態様においては、特定の亜臨界蒸気脱脂法や溶剤洗浄法に関連して本洗浄組成物を用いることが可能で且つ望ましい可能性もある。
本発明の他の洗浄の態様は、システムを製造及び運転する際に蒸気圧縮システム及びこれらの付属部品から汚染物質を除去することを含む。本明細書において用いる「汚染物質」という用語は、処理流体、潤滑剤、粒子状物質、スラッジ、及び/又はこれらのシステムの製造中に用いられるか若しくはこれらの使用中に生成する他の物質を指す。一般に、これらの汚染物質は、アルキルベンゼン、鉱油、エステル、ポリアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、及び主として炭素、水素、及び酸素から形成される他の化合物のような化合物を含む。本発明の共沸混合物様の組成物はこの目的のために有用である。
【0105】
洗浄組成物の例:
この例は、洗浄組成物として使用するための、本発明の共沸混合物様の組成物の使用を示す。
【0106】
95重量%のZ−HFO−1336mzzmを約5重量%のエタノールと共に含む共沸混合物様の組成物を製造する。幾つかのステンレススチール試験片を、鉱油、ロジンフラックス、又は他の汚染物質で汚す。次に、これらの試験片を溶媒ブレンド中に浸漬する。このブレンドは油を短時間で除去することができる。試験片を清浄性に関して視認観察する。他の混合物を用いて同様の結果が期待される。同様の結果はシリコンオイルを用いても期待される。
【0107】
噴霧可能な組成物用の噴射剤:
他の態様においては、本発明の共沸混合物様の組成物は、単独か又は公知の噴射剤と組み合わせて、噴霧可能な組成物において噴射剤として用いることができる。噴射剤組成物は、本発明の共沸混合物様の組成物を含み、より好ましくは実質的にこれから構成され、更により好ましくはこれから構成される。噴霧する活性成分を、不活性成分、溶媒、及び他の物質と一緒に噴霧可能な混合物中に存在させることもできる。好ましくは、噴霧可能な組成物はエアゾールである。噴霧する好適な活性物質としては、限定なしに、潤滑剤、殺虫剤、洗浄剤、消臭剤、香水、及びヘアスプレーのような化粧物質、艶出し剤、並びに皮膚冷却剤(日焼けの処置)、局所麻酔薬、及び抗喘息薬のような医薬物質が挙げられる。
【0108】
噴霧可能な組成物は、噴霧する物質、及び本発明の共沸混合物様の組成物を含む噴射剤を含む。不活性成分、溶媒、及び他の物質を噴霧可能な混合物中に存在させることもできる。好ましくは、噴霧可能な組成物はエアゾールである。噴霧する好適な物質としては、限定なしに、消臭剤、香水、ヘアスプレー、洗浄剤、洗顔クリーム、艶出し剤のような化粧物質、並びに抗喘息薬、口臭予防薬のような医薬物質が挙げられる。
【0109】
滅菌:
特に医療分野で用いるための多くの物品、装置、及び材料は、患者や病院職員の健康及び安全などの健康上及び安全上の理由のために、使用する前に滅菌しなければならない。本発明は、滅菌する物品、装置、又は材料を、場合によっては1種類以上の更なる滅菌剤
と組み合わせた本発明の共沸混合物様の組成物と接触させることを含む滅菌方法を提供する。
【0110】
多くの滅菌剤が当該技術において公知であり、本発明に関連して用いるように適合させることができると考えられるが、幾つかの好ましい態様においては、滅菌剤は、エチレンオキシド、ホルムアルデヒド、過酸化水素、二酸化塩素、オゾン、及びこれらの組み合わせを含む。幾つかの態様においては、エチレンオキシドが好ましい滅菌剤である。本明細書に含まれる教示事項を考慮すると、当業者であれば、本滅菌組成物及び方法に関連して用いられる滅菌剤と1種類又は複数の本化合物との相対割合を容易に決定することができ、全てのかかる範囲は本発明の広い範囲に含まれる。
【0111】
当業者に公知なように、エチレンオキシドのような幾つかの滅菌剤は非常に可燃性の成分であり、本発明による1種類又は複数の化合物は、組成物中に存在する他の成分と共に、滅菌組成物の可燃性を許容可能なレベルまで低減させるのに有効な量で本組成物中に含まれる。本発明の滅菌方法は高温又は低温のいずれでもよいが、本発明の滅菌は、約250°F〜約270°Fの温度において、好ましくは実質的に密閉された室内で本発明の化合物又は組成物を使用することを含む。このプロセスは通常は約2時間未満で完了させることができる。しかしながら、プラスチック物品及び電気部品のような幾つかの物品はかかる高温に耐えることができず、低温の滅菌を必要とする。
【0112】
滅菌の例:
低温滅菌方法においては、滅菌する物品を、ほぼ室温乃至約200°Fの温度、より好ましくはほぼ室温乃至約100°Fの温度において、本発明の組成物を含む流体に曝露する。
【0113】
本発明の低温滅菌は、好ましくは、実質的に密閉され、好ましくは気密の室内で行なう少なくとも二工程のプロセスである。第一工程(滅菌工程)においては、洗浄して気体透過性の袋の中に収容した物品を室内に配置する。
【0114】
次に、真空に引き、及び場合によっては空気を水蒸気で置換することによって、室から空気を排出する。幾つかの態様においては、室中に水蒸気を注入して、好ましくは約30%〜約70%の範囲の相対湿度を達成することが好ましい。かかる湿度は、所望の相対湿度が達成された後に室中に導入される滅菌剤の滅菌効果を最大にすることができる。滅菌剤が被包を透過して物品の隙間に到達するのに十分な一定の時間の後、滅菌剤と水蒸気を室から排出する。
【0115】
プロセスの好ましい第二工程(通気工程)においては、物品を通気して滅菌剤残留物を除去する。かかる残留物を除去することは、毒性の滅菌剤の場合においては特に重要であるが、実質的に非毒性の本発明の化合物を用いる場合にはこの工程は任意である。典型的な通気プロセスは、空気洗浄、連続通気、及びこれら二つの組み合わせを含む。空気洗浄はバッチプロセスであり、通常は、室を比較的短い時間、例えば12分間排気し、次に室中に空気を大気圧以上で導入することを含む。
【0116】
本明細書において用いる「非毒性」という用語は、Anesthesiology, vol.14, p.466-472, 1953(参照として本明細書中に包含する)において公開されている方法によって測定
して、HFO−1233xdの毒性レベルよりも実質的に低く、好ましくは少なくとも約30相対%低い急性毒性レベルを有する本発明の化合物及び組成物を指す。
【0117】
滅菌剤の所望の除去が達成されるまでこのサイクルを任意の回数繰り返す。連続通気は、通常は室の一方の側の入口を通して空気を導入し、次に出口に僅かな真空を適用するこ
とによって室の他の側の出口を通してそれを排出することを含む。2つのアプローチを組み合わせることが多い。例えば、通常のアプローチは、空気洗浄、次に通気サイクルを行うことを含む。
【0118】
潤滑剤:
幾つかの好ましい態様においては、本発明の共沸混合物様の組成物は更に潤滑剤を含む。任意の種々の通常の潤滑剤を本発明の共沸混合物様の組成物において用いることができる。潤滑剤に関する重要な要件は、冷媒系において用いる場合に、圧縮器が潤滑されるようにシステムの圧縮器に十分な潤滑剤が戻されなければならないということである。而して、任意の与えられたシステムに関する潤滑剤の好適性は、部分的には冷媒/潤滑剤の特徴によって、及び部分的にはその中で潤滑剤を用いることが意図されるシステムの特徴によって決定される。
【0119】
好適な潤滑剤の例としては、鉱油、アルキルベンゼン、ポリオールエステル、例えばポリアルキレングリコール、PAG油などが挙げられる。パラフィン油又はナフテン油を含む鉱油は商業的に入手できる。商業的に入手できる鉱油としては、WitcoからのWitco LP 250(登録商標)、Shrieve ChemicalからのZerol 300(登録商標)、WitcoからのSunisco
3GS、及びCalumetからのCalumet R015が挙げられる。商業的に入手できるアルキルベン
ゼン潤滑剤としては、Zerol 150(登録商標)が挙げられる。商業的に入手できるエステ
ルとしては、Emery 2917(登録商標)及びHatcol 2370(登録商標)として入手できるネ
オペンチルグリコールジペラルゴネートが挙げられる。他の有用なエステルとしては、リン酸エステル、二塩基酸エステル、及びフルオロエステルが挙げられる。好ましい潤滑剤としては、ポリアルキレングリコール及びエステルが挙げられる。幾つかのより好ましい潤滑剤としてはポリアルキレングリコールが挙げられる。
【0120】
香味料及び香料の抽出:
本発明の共沸混合物様の組成物はまた、バイオマスから所望の物質を運搬、抽出、又は分離するために用いる場合にも有利性を与える。これらの物質としては、香味料及び香料のようなエッセンシャルオイル、燃料、医薬、栄養補助食品等として用いることができるオイルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0121】
抽出の例:
この目的に関する本発明の共沸混合物様の組成物の好適性を、ジャスモンの試料を厚肉ガラスチューブ中に配置する試験手順によって示す。好適な量の本発明の共沸混合物様の組成物をガラスチューブに加える。次に、チューブを冷凍し、密封する。チューブを解凍すると、混合物がジャスモン及び共沸混合物様の組成物を含む1つの液相を有する場合には、この試験は、エアゾール及び他の配合物において香味料及び香料配合物に関する抽出剤、キャリア、又はデリバリーシステムの一部としての組成物の好ましい使用を達成する。また、植物などからの香味料及び香料の抽出剤としてのその潜在性も達成される。
【0122】
可燃性減少方法:
幾つかの他の好ましい態様によれば、本発明は、本発明の共沸混合物様の組成物を流体に加えることを含む、流体の可燃性を減少させる方法を提供する。任意の広範囲の可燃性の流体に関係する可燃性を、本発明によって減少させることができる。例えば、エチレンオキシド、可燃性ヒドロフルオロカーボン及び炭化水素、例えばHFC−152a、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、ジフルオロメタン(HFC−32)、プロパン、ヘキサン、オクタンなどのような流体に関係する可燃性を、本発明によって減少させることができる。本発明の目的のためには、可燃性流体は、ASTM−E681などのような任意の標準的な通常の試験法によって測定して空気中で可燃性範囲を示す任意の流体であってよい。
【0123】
任意の好適な量の本化合物又は組成物を加えて、本発明にしたがって流体の可燃性を減少させることができる。当業者に認められるように、加える量は、少なくとも部分的に、対象の流体の可燃性の程度、及びその可燃性を減少させることが望まれている程度によって定まる。幾つかの好ましい態様においては、可燃性流体に加える化合物又は組成物の量は、得られる流体を実質的に不燃性にするのに有効なものである。
【0124】
可燃性減少の例:
この例は、他の組成物の可燃性流体を減少させるための本発明の共沸混合物様の組成物の使用を示す。
【0125】
ASTM−E681装置内で、雰囲気条件において、イソペンタン蒸気と97:2重量%のZ−HFO−1336mzzm:エタノールの共沸混合物様の混合物を混合することによって、より多くの97:2重量%のZ−HFO−1336mzzm:エタノールの共沸混合物様の混合物を加えると燃焼下限界(LFL)が上昇することが分かる。これは、このブレンドに関してはイソペンタン単独のものよりも可燃性が低く、これによって安全に用いることがより容易な可燃性のより低い材料が得られることを示す。このより高いLFLによって、点火源及び潜在的な火災又は爆発に関する心配なしに、空気中のより高い濃度が可能である。
【0126】
2つのエアゾール缶にメタノール/水を充填し、一方をHFC−152aで加圧し、他方をHFC−152a及び97:2重量%のZ−HFO−1336mzzm:エタノールの共沸混合物様の混合物で加圧する。エアゾール炎拡大試験手順におけるようにろうそくの炎の上方及び中に缶からのエアゾールを噴霧すると、97:2重量%のZ−HFO−1336mzzm:エタノールの共沸混合物様の混合物で加圧した缶からの炎拡大はより小さいことが観察される。
【0127】
炎抑制方法:
本発明は、炎を、本発明の共沸混合物様の組成物に接触させることを含む炎を抑制する方法を更に提供する。所望の場合には、更なる炎抑制剤を、本発明の組成物と共に、混合してか又は補助的な炎抑制剤として用いることもできる。この目的のために有用な化合物の1つの種類はフルオロケトンである。特に好ましいフルオロケトンはドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンである。この好ましい化合物に関する商業的供給源は、3M
Company(商品名Novec 1230)である。
【0128】
炎を本組成物と接触させるための任意の好適な方法を用いることができる。例えば、本発明の組成物を炎上に噴霧、注入などすることができ、或いは炎の少なくとも一部を組成物中に浸漬させることができる。
【0129】
好ましい態様を参照して本発明を特に示し且つ記載したが、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更及び修正を行うことができることは、当業者には容易に認められるであろう。特許請求の範囲は、開示されている態様、上記で議論したこれらの代替物、及びこれに対する全ての均等物をカバーするように解釈すると意図される。
本発明は以下の態様を含む。
[1]
0より多く約99重量%までの有効量の化合物:シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(Z−HFO−1336mzzm)、及び約1重量%乃至100重量%未満の有効量の、水、フルオロケトン、アルコール、ヒドロクロロフルオロオレフィン、及びこれらの2以上の組合せからなる群から選択される他の材料を含む共沸混合物様の組成物。
[2]
少なくとも1種類のアルコールがメタノールである、[1]に記載の共沸混合物様の組成物。
[3]
少なくとも1種類のアルコールがエタノールである、[1]に記載の共沸混合物様の組成物。
[4]
約75重量%乃至100重量%未満の有効量のZ−HFO−1336mzzm、及び0より多く約25重量%までの有効量のアルコール及びこれらの2以上の組合せを含む、[1]に記載の共沸混合物様の組成物。
[5]
約85重量%乃至100重量%未満の有効量のZ−HFO−1336mzzm、及び0より多く約15重量%までの有効量のアルコール及びこれらの2以上の組合せを含む、[1]に記載の共沸混合物様の組成物。
[6]
0より多く約50重量%までの有効量の水、及び約50重量%乃至100重量%未満の有効量のZ−HFO−1336mzzmを含む、[1]に記載の共沸混合物様の組成物。
[7]
0より多く約10重量%までの有効量の水、及び約90重量%乃至100重量%未満の有効量のZ−HFO−1336mzzmを含む、[1]に記載の共沸混合物様の組成物。
[8]
50重量%〜約99重量%の有効量のZ−HFO−1336mzzm、及び約1重量%乃至50重量%未満の有効量のフルオロケトンを含む、[1]に記載の共沸混合物様の組成物。
[9]
60重量%〜約95重量%の有効量のZ−HFO−1336mzzm、及び約5重量%乃至40重量%未満の有効量のフルオロケトンを含む、[1]に記載の共沸混合物様の組成物。
[10]
約1重量%〜約99重量%の有効量のZ−HFO−1336mzzm、及び約1重量%〜約99重量%の有効量のトランス−1,1,1−トリフルオロ−3−クロロプロペンを含む、[1]に記載の共沸混合物様の組成物。
[11]
約90重量%〜約99重量%のZ−HFO−1336mzzm、及び約1重量%〜約10重量%のトランス−1,1,1−トリフルオロ−3−クロロプロペンを含む、[1]に記載の共沸混合物様の組成物。
[12]
約4重量%のZ−HFO−1336mzzm、及び約96重量%のトランス−1,1,1−トリフルオロ−3−クロロプロペンを含む、[1]に記載の共沸混合物様の組成物。
[13]
HFO−1233zd、及び約10重量%以下のZ−HFO−1336mzzmを含む、[1]に記載の共沸混合物様の組成物。
[14]
[1]に記載の共沸混合物様の組成物を含む噴霧フォーム用の発泡剤。
[15]
[1]に記載の共沸混合物様の組成物を含む冷媒組成物。