(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6705944
(24)【登録日】2020年5月18日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】パワーデバイス及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20200525BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20200525BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20200525BHJP
H01L 29/861 20060101ALI20200525BHJP
H01L 29/868 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
H01L29/78 652H
H01L29/78 652P
H01L29/78 652N
H01L29/78 658E
H01L29/06 301D
H01L29/06 301V
H01L29/06 301G
H01L29/91 D
【請求項の数】31
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2019-516049(P2019-516049)
(86)(22)【出願日】2017年10月20日
(65)【公表番号】特表2019-521529(P2019-521529A)
(43)【公表日】2019年7月25日
(86)【国際出願番号】CN2017107010
(87)【国際公開番号】WO2018082455
(87)【国際公開日】20180511
【審査請求日】2018年12月4日
(31)【優先権主張番号】201610941707.1
(32)【優先日】2016年11月1日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518431772
【氏名又は名称】杭州士▲蘭▼▲微▼▲電▼子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 邵▲華▼
【審査官】
杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/008543(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0076599(US,A1)
【文献】
特開2007−300034(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第105097932(CN,A)
【文献】
国際公開第2014/112239(WO,A1)
【文献】
特開2016−021547(JP,A)
【文献】
特開2015−220367(JP,A)
【文献】
特表2012−533167(JP,A)
【文献】
特開2009−004668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/739
H01L 29/78
H01L 21/336
H01L 29/06
H01L 29/861
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板に位置する第1ドーピング領域と、
前記第1ドーピング領域の第1領域に位置する複数の第2ドーピング領域と、
前記第1ドーピング領域の第2領域に位置する複数の第3ドーピング領域と、を備えるパワーデバイスにおいて、
前記半導体基板、前記第1ドーピング領域はそれぞれ第1ドーピングタイプであり、
前記複数の第2ドーピング領域、前記複数の第3ドーピング領域はそれぞれ第2ドーピングタイプであり、第2ドーピングタイプと第1ドーピングタイプとが反対であり、
前記複数の第2ドーピング領域は、互いに第1所定間隔を離間し、前記第1ドーピング領域とともに第1電荷補償構造を形成し、前記第1電荷補償構造と前記半導体基板が電流通路に位置し、
前記複数の第3ドーピング領域は、互いに第2所定間隔を離間し、前記第1ドーピング領域とともに第2電荷補償構造を形成し、前記第2電荷補償構造は前記パワーデバイスの連続的な表面電界を分散させることに用いられ、
前記第1電荷補償構造は、前記パワーデバイスのセル領域に位置し、前記第2電荷補償構造は、前記パワーデバイスのリング領域に位置し、前記リング領域は、前記セル領域を囲み、
前記複数の第2ドーピング領域及び前記複数の第3ドーピング領域は、それぞれ前記第1ドーピング領域において縦方向に沿って前記半導体基板へ延伸し、且つドーピング濃度が非線形に減少し、
前記複数の第2ドーピング領域及び前記複数の第3ドーピング領域の平均ドーピング濃度は、それぞれ前記第1ドーピング領域の平均ドーピング濃度よりも小さく、
前記複数の第2ドーピング領域の平均ドーピング濃度が前記複数の第3ドーピング領域の平均ドーピング濃度よりも大きいことにより、前記平均ドーピング濃度の差を利用して前記セル領域のオン抵抗を減少するとともに前記セル領域のブレークダウン電圧を向上させるパワーデバイス。
【請求項2】
前記複数の第2ドーピング領域の平均ドーピング濃度は前記複数の第3ドーピング領域の平均ドーピング濃度よりも10%又はそれ以上大きい請求項1に記載のパワーデバイス。
【請求項3】
前記複数の第2ドーピング領域は、それぞれ第1サブ領域及び第2サブ領域を備え、前記第1サブ領域の平均ドーピング濃度が前記第1ドーピング領域のドーピング濃度よりも小さくし、前記第2サブ領域の平均ドーピング濃度が前記第1ドーピング領域のドーピング濃度に等しい請求項1に記載のパワーデバイス。
【請求項4】
前記第1サブ領域の平均ドーピング濃度は前記第1ドーピング領域の平均ドーピング濃度よりも20%又はそれ以上小さい請求項3に記載のパワーデバイス。
【請求項5】
前記複数の第2ドーピング領域は第1横方向サイズを有し、前記複数の第3ドーピング領域は第2横方向サイズを有し、且つ前記第1横方向サイズは前記第2横方向サイズよりも大きい請求項1に記載のパワーデバイス。
【請求項6】
前記第1横方向サイズと前記第1所定間隔との比率が、前記第2横方向サイズと前記第2所定間隔との比率に等しい請求項5に記載のパワーデバイス。
【請求項7】
前記第1横方向サイズと前記第1所定間隔との和が前記第2横方向サイズと前記第2所定間隔との和の整数倍である請求項5に記載のパワーデバイス。
【請求項8】
前記複数の第2ドーピング領域ではイオンを注入するとき第1イオン注入用量を使用し、前記複数の第3ドーピング領域ではイオンを注入するとき第2イオン注入用量を使用し、前記第1イオン注入用量と前記第2イオン注入用量の範囲は2E12〜2E13cm-2である請求項1に記載のパワーデバイス。
【請求項9】
前記第1イオン注入用量と前記第2イオン注入用量とは同じである請求項8に記載のパワーデバイス。
【請求項10】
前記第1イオン注入用量は前記第2イオン注入用量よりも20%又はそれ以上高い請求項8に記載のパワーデバイス。
【請求項11】
前記複数の第2ドーピング領域及び前記複数の第3ドーピング領域はそれぞれ深い溝内に形成され、前記深い溝は前記第1ドーピング領域において縦方向に沿って前記半導体基板へ延伸し、且つ横方向サイズが減少する請求項1に記載のパワーデバイス。
【請求項12】
前記深い溝はエッチングで形成され、且つ異なるエッチング角度によって横方向サイズが減少する形状を得る請求項11に記載のパワーデバイス。
【請求項13】
前記深い溝の下部はエッチングの時使用されたエッチング角度が85°〜87°であり、上部はエッチングの時使用されたエッチング角度が88°〜89°である請求項12に記載のパワーデバイス。
【請求項14】
前記セル領域は、
それぞれ前記複数の第2ドーピング領域の上方に位置する複数の第4ドーピング領域と、
それぞれ前記複数の第4ドーピング領域に位置する複数の第5ドーピング領域と、を更に備える請求項1に記載のパワーデバイス。
【請求項15】
前記セル領域は、
それぞれ前記複数の第4ドーピング領域に位置し、且つ前記複数の第4ドーピング領域の引き出し端とする複数の第6ドーピング領域を更に備える請求項14に記載のパワーデバイス。
【請求項16】
前記セル領域は、
それぞれゲート誘電体とゲート導体とを備え、且つ少なくとも一部が前記複数の第5ドーピング領域と前記第1ドーピング領域との間に位置する複数のゲートスタック層を更に備え、
前記複数の第4ドーピング領域及び前記複数の第5ドーピング領域はそれぞれ第2ドーピングタイプ及び第1ドーピングタイプであり、
前記パワーデバイスはMOSFETであり、前記半導体基板、前記複数の第4ドーピング領域、前記複数の第5ドーピング領域をそれぞれ前記MOSFETのドレイン領域、ウェル領域及びソース領域とし、前記複数の第4ドーピング領域が前記複数の第5ドーピング領域と前記第1ドーピング領域との間に位置してチャンネルを形成する請求項14に記載のパワーデバイス。
【請求項17】
前記複数の第4ドーピング領域及び前記複数の第5ドーピング領域はそれぞれ第2ドーピングタイプであり、
前記パワーデバイスはダイオードであり、前記複数の第4ドーピング領域、前記半導体基板をそれぞれ前記ダイオードの陽極と陰極とする請求項14に記載のパワーデバイス。
【請求項18】
前記リング領域は、
第2ドーピングタイプであるとともに前記第1ドーピング領域に位置する第7ドーピング領域、及び
第2ドーピングタイプであるとともに前記第1ドーピング領域に位置し、且つ前記複数の第3ドーピング領域と前記第7ドーピング領域から離間する第8ドーピング領域を更に備え、
前記第7ドーピング領域は前記セル領域における前記複数の第4ドーピング領域の中の少なくとも1つのドーピング領域まで横方向に延伸し、主接合を形成し、且つ前記第1ドーピング領域の表面から所定深さまで縦方向に延伸し、前記複数の第3ドーピング領域の中の少なくとも幾つかのドーピング領域と接触され、これにより前記複数の第3ドーピング領域の中の少なくとも幾つかのドーピング領域と前記複数の第2ドーピング領域の中の少なくとも幾つかのドーピング領域は前記主接合を介して接続され、
前記第8ドーピング領域は前記パワーデバイスの周辺を限定して且つカットオフリングとする請求項14に記載のパワーデバイス。
【請求項19】
層間誘電体層と、
前記層間誘電体層を通して前記複数の第5ドーピング領域に電気的に接続された第1電極と、
前記層間誘電体層を通して前記第8ドーピング領域に電気的に接続された第2電極と、
前記半導体基板に電気的に接続された第3電極と、を更に備える請求項18に記載のパワーデバイス。
【請求項20】
前記第1ドーピングタイプはN型とP型の中の一方であり、前記第2ドーピングタイプはN型とP型の中の他方である請求項1に記載のパワーデバイス。
【請求項21】
前記パワーデバイスは金属酸化物半導体電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ及びダイオードの中の1種から選ばれたものである請求項1に記載のパワーデバイス。
【請求項22】
半導体基板に第1ドーピング領域を形成すること、
前記第1ドーピング領域の第1領域に複数の第2ドーピング領域を形成すること、及び
前記第1ドーピング領域の第2領域に複数の第3ドーピング領域を形成することを含むパワーデバイスの製造方法において、
前記半導体基板、前記第1ドーピング領域はそれぞれ第1ドーピングタイプであり、
前記複数の第2ドーピング領域と前記複数の第3ドーピング領域はそれぞれ第2ドーピングタイプであり、第2ドーピングタイプと第1ドーピングタイプとが反対であり、
前記複数の第2ドーピング領域は互いに第1所定間隔を離間し、前記第1ドーピング領域とともに第1電荷補償構造を形成し、前記第1電荷補償構造と前記半導体基板が電流通路に位置し、
前記複数の第3ドーピング領域は互いに第2所定間隔を離間し、前記第1ドーピング領域とともに第2電荷補償構造を形成し、前記第2電荷補償構造は前記パワーデバイスの連続的な表面電界を分散させることに用いられ、
前記第1電荷補償構造は、前記パワーデバイスのセル領域に位置し、前記第2電荷補償構造は、前記パワーデバイスのリング領域に位置し、前記リング領域は、前記セル領域を囲み、
前記複数の第2ドーピング領域及び前記複数の第3ドーピング領域は、それぞれ前記第1ドーピング領域において縦方向に沿って前記半導体基板へ延伸し、且つドーピング濃度が非線形に減少し、
前記複数の第2ドーピング領域及び前記複数の第3ドーピング領域の平均ドーピング濃度は、それぞれ前記第1ドーピング領域の平均ドーピング濃度よりも小さく、
前記複数の第2ドーピング領域の平均ドーピング濃度が前記複数の第3ドーピング領域の平均ドーピング濃度よりも大きいことにより、前記平均ドーピング濃度の差を利用して前記セル領域のオン抵抗を減少するとともに前記セル領域のブレークダウン電圧を向上させるパワーデバイスの製造方法。
【請求項23】
前記第1ドーピング領域の第1領域に複数の第2ドーピング領域を形成することは第1マスクを介して第1イオンの注入を行うことを含み、
前記第1ドーピング領域の第2領域に複数の第3ドーピング領域を形成することは第2マスクを介して第2イオンの注入を行うことを含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
第1マスクの開口が第1横方向サイズを有し、第2マスクの開口が第2横方向サイズを有し、且つ前記第1横方向サイズが前記第2横方向サイズよりも大きい請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1イオンを注入する時、第1イオン注入用量を使用し、前記第2イオンを注入する時、第2イオン注入用量を使用し、前記第1イオン注入用量と前記第2イオン注入用量の範囲は2E12〜2E13cm-2である請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記第1イオン注入用量と前記第2イオン注入用量とは同じである請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1イオン注入用量は前記第2イオン注入用量よりも20%又はそれ以上高い請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記第1ドーピング領域の第1領域に複数の第2ドーピング領域を形成することは第1深い溝内に複数の第1エピタキシャル層を充填することを含み、
前記第1ドーピング領域の第2領域に複数の第3ドーピング領域を形成することは第2深い溝内に複数の第2エピタキシャル層を充填することを含む請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記第1深い溝及び前記第2深い溝は前記第1ドーピング領域において縦方向に沿って前記半導体基板へ延伸し、且つ横方向サイズが減少する請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1深い溝及び前記第2深い溝はエッチングで形成され、且つ異なるエッチング角度によって横方向サイズが減少する形状を得る請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1深い溝及び前記第2深い溝の下部はエッチングの時使用されたエッチング角度が85°〜87°であり、上部はエッチングの時使用されたエッチング角度が88°〜89°である請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーデバイスに関し、特に電荷補償構造を含むパワーデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
パワーデバイスは、主にハイパワーの電源回路及び制御回路に使用され、例えばスイッチ素子又は整流素子として使用される。パワーデバイスにおいて、異なるドーピングタイプの各ドーピング領域にPN接合をそれぞれ形成することで、ダイオード又はトランジスタの機能を実現する。パワーデバイスは応用中には一般的に高電圧で大電流を負荷する必要がある。高電圧応用のニーズを満たすとともにデバイスの信頼性及び耐用年数を向上させるために、パワーデバイスは高ブレークダウン電圧を有する必要がある。一方、パワーデバイス自身の消費電力及び発生した熱を低減させるために、パワーデバイスは低オン抵抗を有する必要がある。
【0003】
特許文献1及び特許文献2には、複数のP型ドーピング領域と複数のN型ドーピング領域は交互に横方向に配列されるか又は鉛直に積み重ねられる電荷補償タイプのパワーデバイスが開示されている。パワーデバイスはオン状態では、P型ドーピング領域とN型ドーピング領域の中のいずれかが低インピーダンスの導電経路を提供する。パワーデバイスは切断状態では、隣り合うP型ドーピング領域とN型ドーピング領域同士の電荷は互いに空乏してしまう。このため、電荷補償タイプのパワーデバイスがオン抵抗を大幅に低減させることができ、これにより消費電力を低減させる。
【0004】
一方、他の改善されたパワーデバイスは、リング領域とリング領域で囲まれたセル領域を備える。セル領域にはパワーデバイスのP型ドーピング領域及びN型ドーピング領域が形成され、リング領域において追加のP型ドーピング領域及び追加のN型ドーピング領域が形成されている。リング領域はパワーデバイスの高圧特性と信頼性特性にとって非常に重要なものである。デバイスがオフされる場合、リング領域はデバイスのエッジの表面電界を軽減する役割を果たす。特に高温や高圧となる場合には、電界のデバイスの表面酸化層に対する衝撃を減少して、高温でのデバイス漏れ電流を低減する。一般的には、リング領域の耐電圧のほうがセル領域の耐電圧よりも高いことが望ましい。これによりデバイスにブレークダウンが発生する場合には、電流の大部分がセル領域から流れ出すことができる。デバイスのアバランシェ性能を向上させるように、セル領域の面積がリング領域の面積に対してはるかに大きく設けられている。
【0005】
オン抵抗を減少すると同時に耐電圧特性を向上させるように、パワーデバイスは上記2つの構造を備えることが期待されているが、実際の応用において、電荷補償型デバイスのオン抵抗と耐電圧特性とは、互いに矛盾したパラメータである。N型ドーピング領域の不純物濃度を増加することによって、電流通路の電流能力を向上させ、小さいオン抵抗を得ることができる一方、N型ドーピング領域の不純物濃度を増加する場合には、補償マッチング度に対する要求が非常に厳しくなり、N型ドーピング領域とP型ドーピング領域同士の不純物濃度が完全に同じであることを再現し難くなる。ドーピング領域同士の不純物濃度は僅かずれれば、耐電圧が大幅に低減してしまい、耐電圧が不安定な状況が発生することがある。特にリング領域では、耐電圧を向上させ信頼性を改善する目的をより遂げにくくなる。
【0006】
電荷補償とリング領域とが含まれるパワーデバイスにおいて、オン抵抗とブレークダウン電圧の要求を兼ねるように、更にリング領域の構造を改善する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5216275号明細書
【特許文献2】米国特許第4754310号明細書
【発明の概要】
【0008】
上記の問題点に鑑み、本発明は、オン抵抗とブレークダウン電圧の要求を兼ねるために、リング領域において追加の電荷補償構造を使用するパワーデバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の一様態によれば、パワーデバイスを提供し、前記パワーデバイスは、半導体基板と、前記半導体基板に位置する第1ドーピング領域と、前記第1ドーピング領域の第1領域に位置する複数の第2ドーピング領域と、前記第1ドーピング領域の第2領域に位置する複数の第3ドーピング領域と、を備え、前記半導体基板と前記第1ドーピング領域はそれぞれ第1ドーピングタイプであり、前記複数の第2ドーピング領域と前記複数の第3ドーピング領域はそれぞれ第2ドーピングタイプであり、第2ドーピングタイプと第1ドーピングタイプとは反対であり、前記複数の第2ドーピング領域が互いに第1所定間隔を離間し、前記第1ドーピング領域とともに第1電荷補償構造を形成し、前記第1電荷補償構造と前記半導体基板が電流通路に位置し、前記複数の第3ドーピング領域が互いに第2所定間隔を離間し、前記第1ドーピング領域とともに第2電荷補償構造を形成し、前記第2電荷補償構造は前記パワーデバイスの連続的な表面電界を分散させることに用いられる。
【0010】
好ましくは、前記第1電荷補償構造が前記パワーデバイスのセル領域に位置し、前記第2電荷補償構造が前記パワーデバイスのリング領域に位置し、前記リング領域が前記セル領域を囲む。
【0011】
好ましくは、前記複数の第2ドーピング領域と前記複数の第3ドーピング領域はそれぞれ前記第1ドーピング領域において縦方向に沿って前記半導体基板へ延伸し、且つドーピング濃度が非線形に減少する。
【0012】
好ましくは、前記複数の第2ドーピング領域と前記複数の第3ドーピング領域の平均ドーピング濃度はそれぞれ前記第1ドーピング領域の平均ドーピング濃度よりも小さい。
【0013】
好ましくは、前記複数の第2ドーピング領域の平均ドーピング濃度は前記複数の第3ドーピング領域の平均ドーピング濃度よりも大きくし、これにより前記平均ドーピング濃度の差を利用して前記セル領域のオン抵抗を減少するとともに前記セル領域のブレークダウン電圧を向上させる。
【0014】
好ましくは、前記複数の第2ドーピング領域の平均ドーピング濃度は前記複数の第3ドーピング領域の平均ドーピング濃度よりも10%又はそれ以上大きい。
【0015】
好ましくは、前記複数の第2ドーピング領域はそれぞれ第1サブ領域と第2サブ領域を含み、前記第1サブ領域の平均ドーピング濃度が前記第1ドーピング領域のドーピング濃度よりも小さくし、前記第2サブ領域の平均ドーピング濃度が前記第1ドーピング領域のドーピング濃度に等しい。
【0016】
好ましくは、前記第1サブ領域の平均ドーピング濃度は前記第1ドーピング領域の平均ドーピング濃度よりも20%又はそれ以上小さい。
【0017】
好ましくは、前記複数の第2ドーピング領域が第1横方向サイズを有し、前記複数の第3ドーピング領域が第2横方向サイズを有し、且つ前記第1横方向サイズが前記第2横方向サイズよりも大きい。
【0018】
好ましくは、前記第1横方向サイズと前記第1所定間隔との比率が前記第2横方向サイズと前記第2所定間隔との比率に等しい。
【0019】
好ましくは、前記第1横方向サイズと前記第1所定間隔との和が前記第2横方向サイズと前記第2所定間隔との和の整数倍である。
【0020】
好ましくは、前記複数の第2ドーピング領域はイオンを注入する時第1イオン注入用量を使用し、前記複数の第3ドーピング領域はイオンを注入する時第2イオン注入用量を使用し、前記第1イオン注入用量と前記第2イオン注入用量の範囲は2E12〜2E13cm
-2である。
【0021】
好ましくは、前記第1イオン注入用量と前記第2イオン注入用量とは同じである。
【0022】
好ましくは、前記第1イオン注入用量は前記第2イオン注入用量よりも20%又はそれ以上高い。
【0023】
好ましくは、前記複数の第2ドーピング領域と前記複数の第3ドーピング領域はそれぞれ深い溝内に形成され、前記深い溝は前記第1ドーピング領域において縦方向に沿って前記半導体基板へ延伸し、且つ横方向サイズが減少する。
【0024】
好ましくは、前記深い溝はエッチングで形成され、且つ異なるエッチング角度によって横方向サイズが減少する形状を得る。
【0025】
好ましくは、前記深い溝の下部はエッチングの時使用されたエッチング角度が85°〜87°であり、上部はエッチングの時使用されたエッチング角度が88°〜89°である。
【0026】
好ましくは、前記セル領域は、それぞれ前記複数の第2ドーピング領域の上方に位置する複数の第4ドーピング領域、及びそれぞれ前記複数の第4ドーピング領域に位置する複数の第5ドーピング領域を更に備える。
【0027】
好ましくは、前記セル領域は、それぞれ前記複数の第4ドーピング領域に位置し、且つ前記複数の第4ドーピング領域の引き出し端とする複数の第6ドーピング領域を更に備える。
【0028】
好ましくは、前記セル領域は、それぞれゲート誘電体とゲート導体を含むとともに少なくとも一部が前記複数の第5ドーピング領域と前記第1ドーピング領域との間に位置する複数のゲートスタック層を更に備え、前記複数の第4ドーピング領域と前記複数の第5ドーピング領域がそれぞれ第2ドーピングタイプと第1ドーピングタイプであり、前記パワーデバイスがMOSFETであり、前記半導体基板、前記複数の第4ドーピング領域、前記複数の第5ドーピング領域をそれぞれ前記MOSFETのドレイン領域、ウェル領域及びソース領域とし、前記複数の第4ドーピング領域が前記複数の第5ドーピング領域と前記第1ドーピング領域との間に位置してチャンネルを形成する。
【0029】
好ましくは、前記複数の第4ドーピング領域と前記複数の第5ドーピング領域はそれぞれ第2ドーピングタイプであり、前記パワーデバイスがダイオードであり、前記複数の第4ドーピング領域、前記半導体基板をそれぞれ前記ダイオードの陽極と陰極とする。
【0030】
好ましくは、前記リング領域は、第2ドーピングタイプであるとともに前記第1ドーピング領域に位置する第7ドーピング領域と、第2ドーピングタイプであるとともに前記第1ドーピング領域に位置し、且つ前記複数の第3ドーピング領域と前記第7ドーピング領域から離間する第8ドーピング領域と、を更に備え、前記第7ドーピング領域が前記セル領域における前記複数の第4ドーピング領域の中の少なくとも1つのドーピング領域まで横方向に延伸し、主接合を形成し、且つ前記第1ドーピング領域の表面から所定深さまで縦方向に延伸し、前記複数の第3ドーピング領域の中の少なくとも幾つかのドーピング領域に接触され、これにより前記複数の第3ドーピング領域の中の少なくとも幾つかのドーピング領域と前記複数の第2ドーピング領域の中の少なくとも幾つかのドーピング領域とは前記主接合を介して接続され、前記第8ドーピング領域が前記パワーデバイスの周辺を限定して且つカットオフリングとする。
【0031】
好ましくは、層間誘電体層と、前記層間誘電体層を通して前記複数の第5ドーピング領域に電気的に接続された第1電極と、前記層間誘電体層を通して前記第8ドーピング領域に電気的に接続された第2電極と、前記半導体基板に電気的に接続された第3電極と、を更に備える。
【0032】
好ましくは、前記第1ドーピングタイプがN型とP型の中の一方であり、前記第2ドーピングタイプがN型とP型の中の他方である。
【0033】
好ましくは、前記パワーデバイスは金属酸化物半導体電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ及びダイオードの中の1種から選ばれたものである。
【0034】
本発明の他の様態によれば、パワーデバイスの製造方法を提供し、前記製造方法は、半導体基板に第1ドーピング領域を形成すること、前記第1ドーピング領域の第1領域に複数の第2ドーピング領域を形成すること、及び前記第1ドーピング領域の第2領域に複数の第3ドーピング領域を形成すること、を含み、前記半導体基板と前記第1ドーピング領域はそれぞれ第1ドーピングタイプであり、前記複数の第2ドーピング領域と前記複数の第3ドーピング領域はそれぞれ第2ドーピングタイプであり、第2ドーピングタイプと第1ドーピングタイプとが反対であり、前記複数の第2ドーピング領域が互いに第1所定間隔を離間し、前記第1ドーピング領域とともに第1電荷補償構造を形成し、前記第1電荷補償構造と前記半導体基板が電流通路に位置し、前記複数の第3ドーピング領域は互いに第2所定間隔を離間し、前記第1ドーピング領域とともに第2電荷補償構造を形成し、前記第2電荷補償構造は前記パワーデバイスの連続的な表面電界を分散させることに用いられる。
【0035】
好ましくは、前記複数の第2ドーピング領域の平均ドーピング濃度は前記複数の第3ドーピング領域の平均ドーピング濃度よりも大きくし、これにより前記平均ドーピング濃度の差を利用して前記セル領域のオン抵抗を減少するとともに前記セル領域のブレークダウン電圧を向上させる。
【0036】
好ましくは、前記第1ドーピング領域の第1領域に複数の第2ドーピング領域を形成することは第1マスクを介して第1イオン注入を行うことを含み、前記第1ドーピング領域の第2領域に複数の第3ドーピング領域を形成することは第2マスクを介して第2イオン注入を行うことを含む。
【0037】
好ましくは、第1マスクの開口が第1横方向サイズを有し、第2マスクの開口が第2横方向サイズを有し、且つ前記第1横方向サイズが前記第2横方向サイズよりも大きい。
【0038】
好ましくは、前記第1イオンを注入する時第1イオン注入用量を使用し、前記第2イオンを注入する時第2イオン注入用量を使用し、前記第1イオン注入用量と前記第2イオン注入用量の範囲は2E12〜2E13cm
-2である。
【0039】
好ましくは、前記第1イオン注入用量と前記第2イオン注入用量とは同じである。
【0040】
好ましくは、前記第1イオン注入用量は前記第2イオン注入用量よりも20%又はそれ以上高い。
【0041】
好ましくは、前記第1ドーピング領域の第1領域に複数の第2ドーピング領域を形成することは第1深い溝内に複数の第1エピタキシャル層を充填することを含み、前記第1ドーピング領域の第2領域に複数の第3ドーピング領域を形成することは第2深い溝内に複数の第2エピタキシャル層を充填することを含む。
【0042】
好ましくは、前記第1深い溝と前記第2深い溝は前記第1ドーピング領域において縦方向に沿って前記半導体基板へ延伸し、且つ横方向サイズが減少する。
【0043】
好ましくは、前記深い溝はエッチングで形成され、且つ異なるエッチング角度によって横方向サイズが減少する形状を得る。
【0044】
好ましくは、前記深い溝の下部はエッチングの時使用されたエッチング角度が85°〜87°であり、上部はエッチングの時使用されたエッチング角度が88°〜89°である。
【0045】
本発明の実施例のパワーデバイス及びその製造方法によれば、パワーデバイスのセル領域とリング領域にそれぞれ第1電荷補償構造と第2電荷補償構造を形成する。同一のプロセスで第1電荷補償構造と第2電荷補償構造を同時に形成することができるので、該実施例のパワーデバイスはプロセスの複雑さ及びコストを増加しない。セル領域において、第1電荷補償構造は互いに隣り合うP型ドーピング領域とN型ドーピング領域を含み、2つものの電荷を互いに空乏させることができるので、パワーデバイスのオン抵抗を大幅に減少するとともに消費電力を低減することができる。リング領域において、第2電荷補償構造が存在するので、セルエッジ領域での空乏層を拡張させ、セル領域のエッジ領域に形成された逆電界を軽減することに役立ち、これによりパワーデバイスのブレークダウン電圧を向上させる。
【0046】
好ましい実施例において、第1電荷補償構造と第2電荷補償構造におけるP型ドーピング領域の平均ドーピング濃度の差によって、前記セル領域のオン抵抗の減少及び前記セル領域のブレークダウン電圧の向上を同時に実現する。
【0047】
好ましい実施例において、第1電荷補償構造と第2電荷補償構造を形成する時異なるイオン注入ステップによって、第1電荷補償構造と第2電荷補償構造におけるP型ドーピング領域のドーピング濃度差を得ることができる。又は、異なるサイズの窓を使用して、同一のイオン注入ステップにおいて、第1電荷補償構造と第2電荷補償構造におけるP型ドーピング領域のドーピング濃度差を得る。又は、異なるエッチング角度によって深い溝を形成し、そしてエピタキシャル層を充填し、第1電荷補償構造と第2電荷補償構造におけるP型ドーピング領域のドーピング濃度差を得る。
【発明の効果】
【0048】
従来技術に比べて、本発明は任意のプロセスの複雑さ及びコストを増加しないままで、第1電荷補償構造及び第2電荷補償構造におけるP型ドーピング領域のドーピング濃度を調整することによって、パワーデバイスのオン抵抗の減少とブレークダウン電圧の向上の要求を兼ねる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明することにより、本発明の上記及び他の目的、特徴及び長所がより明確になる。
【0050】
【
図1】
図1は本発明の第1実施例によるパワーデバイスの断面図を示す図である。
【
図2】
図2は本発明の第1実施例によるパワーデバイスの平面図を示す図である。
【
図3】
図3は本発明の第1実施例によるパワーデバイスにおける各ドーピング領域のドーピング濃度分布図を示す図である。
【
図4】
図4は本発明の第1実施例によるパワーデバイスのオン抵抗分布図を示す図である。
【
図5】
図5は本発明の第1実施例によるパワーデバイスのブレークダウン電圧分布図を示す図である。
【
図6a】
図6aは本発明の第2実施例によるパワーデバイスの製造方法における各段階の断面図を示す図である。
【
図6b】
図6bは本発明の第2実施例によるパワーデバイスの製造方法における各段階の断面図を示す図である。
【
図6c】
図6cは本発明の第2実施例によるパワーデバイスの製造方法における各段階の断面図を示す図である。
【
図6d】
図6dは本発明の第2実施例によるパワーデバイスの製造方法における各段階の断面図を示す図である。
【
図6e】
図6eは本発明の第2実施例によるパワーデバイスの製造方法における各段階の断面図を示す図である。
【
図6f】
図6fは本発明の第2実施例によるパワーデバイスの製造方法における各段階の断面図を示す図である。
【
図6g】
図6gは本発明の第2実施例によるパワーデバイスの製造方法における各段階の断面図を示す図である。
【
図6h】
図6hは本発明の第2実施例によるパワーデバイスの製造方法における各段階の断面図を示す図である。
【
図7】
図7は本発明の第3実施例によるパワーデバイスの断面図を示す図である。
【
図8】
図8は本発明の第4実施例によるパワーデバイスの断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳しく説明する。各図面において、同じ構成は同一又は類似の図面符号で示されている。明確にするために、図面の各部分は説明の必要に応じて概略的に示されている。
【0052】
以下、いくつかの例示を挙げて本発明を説明するが、これらの例に限定されなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の変更ができる。
【0053】
<第1実施例>
図1、
図2はそれぞれ本発明の第1実施例によるパワーデバイスの断面図と平面図を示し、
図1は
図2に示す平面図におけるAA’線に沿って得られた断面図である。この実施例において、パワーデバイス100は金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である。以下では、N型MOSFETを例として説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0054】
図1にはリング領域120の一部の構造のみを示す。
図1に示すように、パワーデバイス100はセル領域110及びセル領域110を囲むリング領域120を備える。リング領域120はセル領域110を囲む閉じた形状である。セル領域110とリング領域120は、いずれも複数の第1ドーピング領域102及び複数のP型ドーピング領域を備える。セル領域110における第1ドーピング領域102とP型ドーピング領域はソース領域、ドレイン領域、チャンネル及び補償領域を提供することにより、パワーデバイスのオンになるときの電流通路が形成される。リング領域120における第1ドーピング領域102及び第3ドーピング領域121は、パワーデバイスエッジの表面電界を分散させることに用いられるものである。
【0055】
更に、
図1を参照して、セル領域110及びリング領域120の縦方向構造を示す。簡明にするために、図面においてセル領域110はセルの縦方向構造の模式図を2つしか含んでいないが、実際の製品において、セルの数が2つ以上含む。リング領域110は第3ドーピング領域121を5つしか含んでいないが、実際の製品において、この数よりも少なくても大きくてもよい。パワーデバイス100において、セル領域110及びリング領域120は、共通の半導体基板101及び半導体基板101に位置された第1ドーピング領域102を備える。この実施例において、半導体基板101は例えばシリコン基板であり、且つドーピングタイプがN++型であり、第1ドーピング領域102は例えばインサイチュドーピングされたエピタキシャル半導体層であり、且つドーピングタイプがN型である。半導体基板101は、MOSFETのドレイン領域とされる。
【0056】
セル領域110において、第1ドーピング領域102にドーピングタイプがP型である複数の第2ドーピング領域111が形成される。第1ドーピング領域102と複数の第2ドーピング領域111とはドーピングタイプが反対であり、複数の第2ドーピング領域111のそれぞれが第1ドーピング領域102同士の間に交互に配布され、第1電荷補償構造110aが形成される。リング領域120において、第1ドーピング領域102にはドーピングタイプがP型である複数の第3ドーピング領域121は形成される。第1ドーピング領域102と複数の第3ドーピング領域121とはドーピングタイプが反対であり、複数の第3ドーピング領域121のそれぞれが第1ドーピング領域102に交互に配布され、第2電荷補償構造120aが形成される。前記複数の第2ドーピング領域111及び複数の第3ドーピング領域121はそれぞれ最上端から最下端まで減少していくドーピング濃度分布を有し、且つ各ドーピング領域は、いずれも積み重なった複数のエピタキシャル層から構成されても良い。
【0057】
更に、セル領域110において、複数の第2ドーピング領域111の上方に複数の第4ドーピング領域112が形成され、第4ドーピング領域112に第5ドーピング領域113が形成される。第4ドーピング領域112及び第5ドーピング領域113は、例えばイオン注入によって形成されたドーピング領域であり、且つドーピングタイプがそれぞれP型とN+型である。第4ドーピング領域112がMOSFETの本体ウェル領域とされ、第5ドーピング領域113がMOSFETのソース領域とされる。第4ドーピング領域112の底部が、対応する1つの第2ドーピング領域111に接触される。好ましくは、第4ドーピング領域112に第6ドーピング領域114が更に形成されてもよい。第6ドーピング領域114は例えばイオン注入によって形成されたドーピング領域であり、且つドーピングタイプがそれぞれP+型である。第6ドーピング領域114が第4ドーピング領域112に延伸し、且つ第5ドーピング領域113と隣接する。この好ましい実施例において、第6ドーピング領域114が本体ウェル領域の引き出し端とされる。
【0058】
第1ドーピング領域102及び第4ドーピング領域112の表面には、ゲート誘電体115及びゲート導体116を備えるゲートスタック層が形成される。ゲート導体116の少なくとも一部は第1ドーピング領域102の上方から第5ドーピング領域113の上方まで横方向に延伸する。第4ドーピング領域112は第1ドーピング領域102と第5ドーピング領域113との間にあり、ゲート導体116の下方に位置する部分はMOSFETのチャンネル領域が形成される。
【0059】
更に、リング領域120において、第1ドーピング領域102に第7ドーピング領域104が形成される。前記第7ドーピング領域104は、例えばイオン注入によって形成されたドーピング領域であり、且つドーピングタイプがP型である。第7ドーピング領域104は、第4ドーピング領域112まで横方向に延伸して、主接合が形成される。第7ドーピング領域104は表面から所定深さまで縦方向に延伸して、一部の第3ドーピング領域121に接触されることにより、一部の第4ドーピング領域112と一部の第3ドーピング領域121とが主接合を介して接続される。更に、第1ドーピング領域102に第8ドーピング領域122が形成される。第8ドーピング領域122はMOSFETの周辺を限定し、且つカットオフリングとする。前記第8ドーピング領域122は例えばイオン注入によって形成されたドーピング領域であり、且つドーピングタイプがP+型である。第8ドーピング領域122は第4ドーピング領域112とともに形成されることができ、両者のドーピングタイプ及び延伸深さが同じである。
【0060】
更に、層間誘電体層105が上記のデバイス構造を被覆する。層間誘電体層105には貫通穴が形成される。第1電極118は貫通穴を介して第5ドーピング領域113に接触され、これにより、ソース領域までの電気的な接続を提供する。また、第1電極118は更に第5ドーピング領域113と第6ドーピング領域114とを互いに短絡する。第2電極128は貫通穴を介して第8ドーピング領域122に接触され、これによりカットオフリングまでの電気的な接続を提供する。半導体基板101の第1ドーピング領域102に反対する表面に第3電極108を形成し、これによりドレイン領域までの電気的な接続を提供する。この実施例において、第1電極118及び第3電極108は、それぞれMOSFETのソース電極及びドレイン電極とされる。
【0061】
明らかに説明するために、
図1において、水平のX方向と鉛直のY方向を定義している。水平のX方向とは、リング領域120からセル領域110へ横方向に延伸する方向である。鉛直のY方向とは、半導体基板101から第5ドーピング領域113へ縦方向に延伸する方向である。
【0062】
水平のX方向において、第2ドーピング領域111の幅をW1とし、互いに隣り合う第2ドーピング領域111の間の間隔をS1とし、第3ドーピング領域121の幅をW2とし、互いに隣り合う第3ドーピング領域121の間の間隔をS2とし、互いに隣り合う第3ドーピング領域121と第2ドーピング領域111との間の間隔をS3とする。実際の製造過程において、X方向の注入窓が、以下の条件を満たすことが要求される。
【0063】
W1+S1=n*(W2+S2) (数1)
且つ
W1/(W1+S1)=W2/(W2+S2) (数2)
nは整数である。
【0064】
鉛直のY方向において、第2ドーピング領域111及び第3ドーピング領域121のドーピング濃度が非線形である。第2ドーピング領域111と第3ドーピング領域121は、最上端がパワーデバイスのソース領域、即ち第5ドーピング領域113に近接し、最下端がパワーデバイスのドレイン領域、即ち半導体基板101に近接する。第2ドーピング領域111及び第3ドーピング領域121は、それぞれ最上端から最下端へ減少していくドーピング濃度分布を有する。
【0065】
パワーデバイス100の作動期間において、ゲート導体116にゲート電圧が印加される。ゲート電圧が閾値電圧よりも低い場合には、パワーデバイスが切断状態となり、ドレインに高電圧が印加される。ドレイン電圧の上昇につれて、電荷補償構造は空乏層が形成されて、電圧が負荷される。第1電荷補償構造は、第2ドーピング領域111と第1ドーピング領域102との相互補償作用で、比較的に高い電圧を耐えることができる。第2ドーピング領域111は第3ドーピング領域121とサイズ比が同じであるが、第2電荷補償構造の第3ドーピング領域121のサイズが第2ドーピング領域111のサイズよりも小さくて、後続製造の高温過程において、第2ドーピング領域111の不純物拡散状況が第3ドーピング領域121の拡散状況と違うことによって、同じドレイン電極電圧の作用で、第3ドーピング領域121の不純物は、より容易に第1ドーピング領域102の不純物補償により空乏され、即ち第2電荷補償構造において補償マッチング度の絶対値がより小さいことを引き起こす。一般的には、600Vの高圧パワーデバイスであれば、本実施例によるリング領域110による耐電圧が、セル領域110による耐電圧よりも60V程度高くなり、パワーデバイスの信頼性の要求を完全に満たすことができる。
【0066】
第2電荷補償構造での上記改善によって高耐電圧を簡単化してきたが、このような改善方法は、第1ドーピング領域102のサイズを減少するおそれがある。即ち、セル領域110に同様な処理方法を使用すると、電流通路が狭くなり、オン抵抗が明らかに増加される。これは期待される結果ではない。セル領域110における第1電荷補償構造の高耐電圧を維持するとともにオン抵抗を減少するために、第2ドーピング領域111がII領域とI領域とに分けられる。I領域がドレイン付近に近接する領域であり、II領域がソース付近に近接する領域である。I領域において、第2ドーピング領域111のドーピング濃度が第1ドーピング領域102のドーピング濃度よりも低くし、II領域において、第2ドーピング領域111のドーピング濃度が第1ドーピング領域102のドーピング濃度に等しい。
【0067】
具体的には、第2ドーピング領域111は、異なるサブ領域に分けられて、鉛直のY方向において、ドレイン付近に近接する領域から始め、サブ領域の補償マッチング度が−20%から0%に変化してきて、ソース付近に近接する領域において、サブ領域の補償マッチング度が変わらないように0%となる。電荷マッチング濃度が0%であり、即ち第2ドーピング領域111のドーピング濃度が第1ドーピング領域102のドーピング濃度と等しく、ドレイン付近に近接するサブ領域では2つのドーピング濃度のミスマッチを意図的に配置する必要がある。
【0068】
パワーデバイスの作動期間において、パワーデバイスのゲート電圧が閾値電圧よりも高いときに、パワーデバイスがオンになり、電流がドレイン電極から第1ドーピング領域102を通過して、ソース電極へ流れる。パワーデバイスのゲート電圧が閾値電圧よりも低いときに、パワーデバイスがオフになり、ドレイン電極が高電圧を印加する。リング領域120の役割は、セル領域110とパワーデバイスにおけるエッジ領域の第1ドーピング領域102との間に形成された逆電界を軽減することにより、ドレイン電圧を負荷する。
【0069】
半導体デバイスにおいて、理想的な平面PN接合のブレークダウン電圧はエピタキシャルの濃度と厚さのみによって決められる。しかしながら、実際には、デバイスにおけるセル領域のエッジ領域に接合終端の効果が出現することがあり、即ちセル領域110とパワーデバイスのエッジ付近の第1ドーピング領域102との間のPN接合の空乏層の輪郭が湾曲したものであり、PN接合の曲率効果が存在する。電圧を逆方向に印加するとき、PN接合の曲率が最大の位置に最も強い電界が出現して、予定の前にブレークダウンされるか又はPN接合の逆方向漏れ電流の増加を引き起こし、耐電圧及び信頼性が低減する。
【0070】
本発明の実施例のパワーデバイスによれば、リング領域120でセル領域110を囲んで、リング領域120の内に第2電荷補償構造120aを形成するように構成される。第2電荷補償構造120aにおける第3ドーピング領域121のドーピング濃度分布の設計によって、電圧を逆方向に印加するとき、第3ドーピング領域121及び第1ドーピング領域102の空乏がより十分となり、セルエッジ領域の空乏層に接続され、これによりセル領域エッジの空乏層を効果的に拡張させて、終端曲率を低減させ、耐電圧を向上させる。さらに、リング領域120における空乏層内の可動キャリアが大幅に減少され、高抵抗領域が形成され、逆方向漏れ電流が効果的に低減されることで、信頼性が改善された。
【0071】
図3は本発明の第1実施例によるパワーデバイスにおける各ドーピング領域のドーピング濃度分布を示す。曲線P1は、第2ドーピング領域111が最上端から最下端までのドーピング濃度分布曲線であり、曲線P2は第3ドーピング領域121が最上端から最下端までのドーピング濃度分布曲線であり、曲線Nは第1ドーピング領域102が最上端から最下端までのドーピング濃度分布曲線である。従来技術のパワーデバイスに比べて、本発明の実施例によるパワーデバイスにおいては、第2ドーピング領域111と第3ドーピング領域121のドーピング濃度が非線形であり、最上端から最下端まで減少していく。第2ドーピング領域111と第3ドーピング領域121の平均ドーピング濃度が第1ドーピング領域102の平均ドーピング濃度よりも低い。更に、第3ドーピング領域121の平均ドーピング濃度が第2ドーピング領域111の平均ドーピング濃度よりも低い。
【0072】
図4及び
図5は、それぞれ本発明の第1実施例によるパワーデバイスのオン抵抗配布図及びブレークダウン電圧配布図を示す。
【0073】
パワーデバイスのオン状態では、
図4は、従来技術方法及び本実施例方法でそれぞれ製造された600Vパワーデバイスのオン抵抗分布を比較する比較図であり、マークAで従来技術のパワーデバイスを示し、マークBで本発明の実施例によるパワーデバイスを示す。本実施例で製造されたパワーデバイスのオン抵抗が従来技術よりも低いのは、第2ドーピング領域111のソース付近に近接するドーピング濃度を減少しており、接合抵抗を低減しているためである。
【0074】
パワーデバイスのオフ状態では、第1電荷補償構造のドーピング濃度が完全にマッチングすることができないが、ドレインが電圧を印加するとき、依然として電荷補償を行うことができ、空乏層を生成して高耐電圧を得る。
図5は従来技術方法と本実施例方法で製造された600Vパワーデバイスのブレークダウン電圧配布図を比較し、マークAで従来技術のパワーデバイスを示し、マークBで本発明の実施例によるパワーデバイスを示す。図面から分かるように、本実施例のパワーデバイスのブレークダウン電圧分布が従来技術のブレークダウン電圧分布よりも大きい。これは、主に第1電荷補償構造の電荷補償マッチング度が若干異なるためである。耐電圧が比較的低いパワーデバイスであっても、リング領域110の第2電荷補償構造の補償マッチング度の絶対値が小さいので、リング領域110の耐電圧が依然としてセル領域110の耐電圧よりも高くし、パワーデバイスの信頼性を確保している。
【0075】
<第2実施例>
図6a〜6hは本発明の第2実施例によるパワーデバイス製造方法における各段階の断面図を示す。
【0076】
半導体基板101に第1エピタキシャル層1021をエピタキシャル成長し、
図6aに示す。
【0077】
該実施例において、半導体基板101は例えばシリコン基板であり、且つドーピングタイプがN++型である。例えば、半導体基板101は抵抗率が0.01〜0.03ohms*cmであり、厚さが600um程度の<100>結晶方位の単結晶シリコン基板である。第1エピタキシャル層1021は例えば減圧エピタキシャルの方法で、温度が1050〜1150℃で、インサイチュドーピングしたエピタキシャル半導体層であり、且つドーピングタイプがN型である。半導体基板101がMOSFETのドレイン領域とされる。
【0078】
第1エピタキシャル層1021の厚さ及び抵抗率は、パワーデバイスの異なる耐電圧仕様によって大きな違いがある。第1エピタキシャル層1021の厚さが例えば14〜24umであり、抵抗率が0.8〜3ohms*cmである。また、必要に応じて第1エピタキシャル層1021の濃度を向上させるために、第1エピタキシャル層1021の表面に1回のN型不純物の全体的な注入を行い、一般的にリン(P)を注入された不純物とし、注入の量が一般的に7E11〜7E12cm
-2である。
【0079】
そして、第1エピタキシャル層1021の表面にフォトレジストを塗布し、露光、現像等のリソグラフィーステップによって、フォトレジストマスクPR1を形成する。該フォトレジストマスクPR1が注入窓のパターンを備え、第2ドーピング領域と第3ドーピング領域の対応する位置に、第1エピタキシャル層1021の表面を露出する。フォトレジストマスクPR1で不純物注入を行うことを
図6bに示す。
【0080】
P型の第2ドーピング領域及び第3ドーピング領域を形成するために、ホウ素をドーパントとしてイオン注入を行うことができ、注入のエネルギーが一般的に60〜180Kevであり、用量が一般的に2E12〜2E13cm
-2である。イオン注入した後、溶剤溶解又はアッシングによってフォトレジストマスクPR1を除去する。
【0081】
以上のように、注入窓が以下の規則を満たす。W1+S1=n*(W2+S2)とし、且つW1/(W1+S1)=W2/(W2+S2)とし、W1が第2ドーピング領域の幅であり、S1が互いに隣り合う第2ドーピング領域の間の間隔であり、W2が第3ドーピング領域の幅であり、S2は互いに隣り合う第3ドーピング領域の間の間隔であり、S3は互いに隣り合う第3ドーピング領域と第2ドーピング領域との間の間隔であり、nが整数である。
【0082】
このイオン注入が第2ドーピング領域の注入窓位置にドーピング領域1111を形成し、第3ドーピング領域の注入窓位置にドーピング領域1211を形成する。ドーピング領域1111及び1211は第1エピタキシャル層1021から下へ所定の深さで延伸する。注入窓のサイズの違いによって、同じ注入条件でも、ドーピング領域1211のドーピング濃度がドーピング領域1111のドーピング濃度よりも10%小さい。
【0083】
そして、
図6aと6bに示すステップを繰り返して、第1エピタキシャル層1021に第2エピタキシャル層1022を形成し、且つ第2エピタキシャル層1022にドーピング領域1112及び1212を形成する。第2エピタキシャル層1022の厚さは一般的に5〜8umであり、抵抗率が0.8〜3ohms*cmである。ドーピング領域1112及び1212は第2エピタキシャル層1022から下へ所定の深さで延伸する。イオン注入ステップにおいて、ドーピング領域1112の注入窓が事前に形成されておいたドーピング領域1111と位置合わせて且つ不純物の注入用量が同じで、ドーピング領域1212の注入窓が事前に形成されておいたドーピング領域1211に位置合わせて且つ不純物の注入用量が同じである。以上のように、注入窓のサイズの違いによって、同じ注入条件でも、ドーピング領域1212のドーピング濃度がドーピング領域1112のドーピング濃度よりも10%小さい。
【0084】
更に、
図6aと6bに示すステップを繰り返して、第2エピタキシャル層1022に第3エピタキシャル層1023を形成し、且つ第3エピタキシャル層1023にドーピング領域1113と1213を形成し、
図6cに示す。
【0085】
上記多回のエピタキシャル成長及びイオン注入ステップにおいて、複数のエピタキシャル層のスタック構造を形成し、且つ前記エピタキシャル層におけるドーピング領域を位置合わせる。パワーデバイスの異なる耐電圧への要求によって、一般的に上記ステップを4〜10回繰り返して行い、本実施例において例として4回である。各層は、成長エピタキシャルの厚さ及び抵抗率が、いずれも第2エピタキシャル層1022と同じである。
【0086】
鉛直のY方向において、ドーピング領域1111〜1113の不純物注入用量が非線形に変化し、ドレイン付近に近接する不純物注入用量がソース付近に近接する不純物注入用量よりも20%小さくて、ドーピング領域1211〜1213の不純物注入用量が非線形に変化し、ドレイン付近に近接する不純物注入用量がソース付近に近接する不純物注入用量よりも20%小さい。すべての面で、リング領域におけるドーピング領域の不純物注入用量がセル領域におけるドーピング領域の不純物注入用量よりも10%小さい。
【0087】
次に、第3エピタキシャル層1023に第4エピタキシャル層1024をエピタキシャル成長し、
図6dに示す。第4エピタキシャル層1024は、厚さ及び抵抗率が、パワーデバイスのパラメータ特性によって、前述のエピタキシャルと若干異なってもよい。例えば、第4エピタキシャル層1024の厚さが4〜7umであり、抵抗率が1〜4ohms*cmである。エピタキシャル成長した後、熱アニーリングを行い、1000〜1150℃の高温過程の後、厚さが3000〜6000Aの酸化シリコン層1025を成長する。
【0088】
次に、酸化シリコン層1025の表面にフォトレジストを塗布し、露光、現像等のリソグラフィーステップによって、フォトレジストマスクPR2を形成する。該フォトレジストマスクPR2は注入窓のパターンを備え、第7ドーピング領域の対応する位置に、酸化シリコン層1025の表面を露出する。フォトレジストマスクPR2で不純物注入を行うことにより、第7ドーピング領域104を形成し、
図6eに示す。
【0089】
このステップにおいて、イオン注入の前に、表面の二酸化ケイ素をエッチングで除去することができる。そして、不純物ホウ素を注入する。イオン注入のエネルギーが40〜100KeVであり、用量が3E12〜3E13cm
-2である。イオン注入の後、溶剤溶解又はアッシングによって、フォトレジストマスクPR1を除去する。
【0090】
そして、長時間の高温ドライブイン過程を行う。該ステップは1100〜1200℃温度で約60〜300分間の熱処理を行うことを含む。
【0091】
高温ドライブインの過程において、エピタキシャル層1021〜1023におけるドーピング領域1111〜1113及び1211〜1213の中の不純物が周りへ拡散する。鉛直のY方向において、ドーピング領域1111〜1113が互いに接続されて第2ドーピング領域111を形成し、ドーピング領域1211〜1213が互いに接続されて第3ドーピング領域121を形成する。更に、高温ドライブインの過程において、第4エピタキシャル層1024の表面に厚さが0.8〜1.6umに達する酸化シリコン層105を成長し、
図6fに示す。
【0092】
次に、酸化シリコン層105の表面に、フォトレジストを塗布し、露光、現像等のリソグラフィーステップによって、フォトレジストマスクを形成する。該フォトレジストマスクはエッチング窓のパターンを備え、セル領域の全体領域及びリング領域とカットオフリングに対応する位置に、エッチング窓から第1ドーピング領域102の表面を露出する。ウェットエッチングを用いて、セル領域の全体領域及びリング領域とカットオフリングでの酸化シリコン層105を除去する。エッチングの後、溶剤溶解又はアッシングによってフォトレジストマスクを除去する。
【0093】
好ましくは、厚さが200〜600Aの薄い酸化層を熱成長して、イオン注入のバリア層とする。1回のN型不純物の全体的な注入を行って、セル領域110表面のN型ドーピング濃度を高める。一般的にリン(P)を注入不純物とし、注入の量が一般的に7E11〜7E12cm
-2である。注入後、更に1回の高温過程を行い、一般的に1100〜1150℃の温度を選択し、不純物を表面から1〜3umの深さへ拡散する。
【0094】
更に、表面洗浄によって、900〜1000℃の温度条件下で、二酸化ケイ素を熱成長することにより、ゲート誘電体115を形成する。ゲート誘電体115の厚さは一般的に800〜1200Aである。LPCVDの方法でポリシリコンの堆積を行い、堆積されたポリシリコンの厚さが3000〜5000Aである。ポリシリコンに不純物ドーピングを行い、不純物ドーピングは拡散又は注入の方法を使用することができる。ドーピング後のポリシリコンは、一般的に角形抵抗が5〜30ohm/cmに配布される。
【0095】
更に、フォトレジストを塗布し、露光、現像等のリソグラフィーステップによって、フォトレジストマスクを形成する。該フォトレジストマスクはエッチング窓のパターンを備え、セル領域のゲート導体以外の位置に、エッチング窓からポリシリコンの表面を露出する。ウェットエッチングで、ポリシリコンの露出部分を除去し、これによりゲート導体116を形成し、
図6gに示す。エッチングの後、溶剤溶解又はアッシングによってフォトレジストマスクを除去する。
【0096】
そして、フォトレジストマスクによってイオン注入を行うことにより、セル領域110において第4ドーピング領域112を形成し、且つリング領域120において第8ドーピング領域122を形成する。第4ドーピング領域112をパワーデバイス100の本体ウェル領域とする。
【0097】
パワーデバイス閾値の需要に応じて、本体ウェル領域の注入量を選択する。一般的に3Vの閾値で、2E13〜5E13cm
-2の用量を使用する。1100℃〜1150℃の高温ドライブインによって、第4ドーピング領域112が2〜4umの接合深さに達し、第2ドーピング領域111に接触される。
【0098】
そして、フォトレジストマスクによってイオン注入を行うことにより、第4ドーピング領域112に第6ドーピング領域114を形成する。第6ドーピング領域114を本体ウェル領域の引き出し端とする。該イオン注入の量は例えば1E15〜5E15cm
-2であり、ホウ素不純物をドーパントとする。
【0099】
第6ドーピング領域114を形成した後、900〜1000℃の温度、30〜90分間の熱過程によって、0.5〜1.5umの接合深さを形成する。第6ドーピング領域114が第4ドーピング領域112に接続され、本体ウェル領域の接触を形成する。
【0100】
更に、フォトレジストマスクを介してイオン注入を行うことにより、第4ドーピング領域112に第5ドーピング領域113を形成する。第5ドーピング領域113をパワーデバイスのソース領域とする。該イオン注入の量は例えば1E15〜5E15cm
-2であり、ヒ素不純物をドーパントとする。第6ドーピング領域114が第4ドーピング領域112に延伸し、且つ第5ドーピング領域113と隣接する。
【0101】
更に、デバイス構造の表面に層間誘電体層105を形成する。該層間誘電体層105は例えば堆積形成された絶縁層又はホウ酸を含有するシリコンガラスである。フォトレジストマスクで層間誘電体層105をエッチングし、貫通穴を形成する。更に、金属層を堆積して貫通穴を充填し、金属層の厚さが例えば3〜4.5umである。金属層をパターン化させて、第1電極118及び第2電極128を形成する。
【0102】
第1電極118は貫通穴を介して第5ドーピング領域113に接触され、これによりソース領域までの電気的な接続を提供する。同時に、第1電極118は更に第5ドーピング領域113と第6ドーピング領域114を互いに短絡する。第2電極128は貫通穴を介して第8ドーピング領域122に接触され、これによりカットオフリングまでの電気的な接続を提供する。
【0103】
半導体基板101を薄くさせ、これにより半導体基板101の厚さが200〜300umに達する。類似的に、半導体基板101の第1ドーピング領域102に反対する表面に第3電極108を形成する。これにより、ドレイン領域までの電気的な接続を提供する。該実施例において、第1電極118及び第3電極108をそれぞれMOSFETのソース電極及びドレイン電極とする。
【0104】
最終的に、該製造方法で形成されたパワーデバイス100の構造は
図6hに示される。
【0105】
<第3実施例>
図7は本発明の第3実施例によるパワーデバイスの断面図を示す。
【0106】
該実施例において、パワーデバイス200が金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である。以下では、N型MOSFETを例として説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0107】
図7を参照して、その中にセル領域110及びリング領域120の縦方向構造を示す。簡明にするために、図面において、セル領域110はセルの縦方向構造の模式図を2つしか含んでいないが、実際の製品において、セルの数は2つ以上含む。リング領域110は第3ドーピング領域221を5つしか含んでいないが、実際の製品において、この数よりも少なくても大きくてもよい。パワーデバイス200において、セル領域110及びリング領域120は、共通の半導体基板101及び半導体基板101に位置された第1ドーピング領域102を備える。この実施例において、半導体基板101は例えばシリコン基板であり、且つドーピングタイプがN++型であり、第1ドーピング領域102は例えばインサイチュドーピングしたエピタキシャル半導体層であり、且つドーピングタイプがN型である。半導体基板101は、MOSFETのドレイン領域とされる。
【0108】
セル領域110において、第1ドーピング領域102にドーピングタイプがP型である複数の第2ドーピング領域211を形成する。第1ドーピング領域102と複数の第2ドーピング領域211とはドーピングタイプが反対であり、複数の第2ドーピング領域211のそれぞれが第1ドーピング領域102同士の間に交互に配布され、第1電荷補償構造が形成される。リング領域120において、第1ドーピング領域102にはドーピングタイプがP型である複数の第3ドーピング領域221は形成される。第1ドーピング領域102と複数の第3ドーピング領域221とはドーピングタイプが反対であり、複数の第3ドーピング領域221のそれぞれが第1ドーピング領域102に交互に配布され、第2電荷補償構造が形成される。前記複数の第2ドーピング領域211及び複数の第3ドーピング領域221はそれぞれ最上端から最下端まで減少していくドーピング濃度分布を有し、且つ各ドーピング領域は、いずれも積み重なった複数のエピタキシャル層から構成されても良い。
【0109】
更に、セル領域110において、複数の第2ドーピング領域211の上方に複数の第4ドーピング領域112が形成され、且つ第4ドーピング領域112に第5ドーピング領域113が形成される。第4ドーピング領域112及び第5ドーピング領域113は、例えばイオン注入によって形成されたドーピング領域であり、且つドーピングタイプはそれぞれP型とN+型である。第4ドーピング領域112がMOSFETの本体ウェル領域とされ、第5ドーピング領域113がMOSFETのソース領域とされる。第4ドーピング領域112の底部が、対応する1つの第2ドーピング領域211に接触される。好ましくは、第4ドーピング領域112に第6ドーピング領域114が更に形成されてもよい。第6ドーピング領域114は例えばイオン注入によって形成されたドーピング領域であり、且つドーピングタイプはそれぞれP+型である。第6ドーピング領域114が第4ドーピング領域112に延伸し、且つ第5ドーピング領域113と隣接する。この好ましい実施例において、第6ドーピング領域114が本体ウェル領域の引き出し端とされる。
【0110】
第1ドーピング領域102及び第4ドーピング領域112の表面には、ゲート誘電体115とゲート導体116を備えるゲートスタック層が形成される。ゲート導体116は第1ドーピング領域102から第5ドーピング領域113まで横方向に延伸する。ゲート導体116の少なくとも一部が第4ドーピング領域112の上方に位置することにより、第4ドーピング領域112は第1ドーピング領域102と第5ドーピング領域113との間の部分は、MOSFETのチャンネル領域が形成される。
【0111】
更に、リング領域120において、第1ドーピング領域102に第7ドーピング領域104が形成される。前記第7ドーピング領域104は、例えばイオン注入によって形成されたドーピング領域であり、且つドーピングタイプがP型である。第7ドーピング領域104は、第4ドーピング領域112まで横方向に延伸して、主接合が形成される。第7ドーピング領域104は表面から所定深さまで縦方向に延伸して、一部の第3ドーピング領域221に接触されることにより、一部の第4ドーピング領域112と一部の第3ドーピング領域221とが主接合を介して接続される。更に、第1ドーピング領域102に第8ドーピング領域122が形成される。第8ドーピング領域122はMOSFETの周辺を限定し、且つカットオフリングとする。前記第8ドーピング領域122は例えばイオン注入によって形成されたドーピング領域であり、且つドーピングタイプがP+型である。第8ドーピング領域122は第4ドーピング領域112とともに形成されることができ、両者のドーピングタイプと延伸深さが同じである。
【0112】
更に、層間誘電体層105が上記のデバイス構造を被覆する。層間誘電体層105に貫通穴を形成する。第1電極118は貫通穴を介して第5ドーピング領域113に接触され、これによりソース領域までの電気的な接続を提供する。同時に、第1電極118は更に第5ドーピング領域113と第6ドーピング領域114を互いに短絡する。第2電極128は貫通穴を介して第8ドーピング領域122に接触され、これによりカットオフリングまでの電気的な接続を提供する。半導体基板101の第1ドーピング領域102に反対する表面に第3電極108を形成し、これによりドレイン領域までの電気的な接続を提供する。該実施例において、第1電極118及び第3電極108は、それぞれMOSFETのソース電極及びドレイン電極とされる。
【0113】
この実施例において、第2ドーピング領域211と第3ドーピング領域221とは同時に形成される。第1実施例と異なって、深い溝エッチング及びエピタキシャルバックフィルの技術を利用して、第2ドーピング領域211及び第3ドーピング領域221を形成し、両者の抵抗率は完全に同じである。但し、深い溝の形状が異なるので、第2ドーピング領域211と第3ドーピング領域221の最下端の形状が異なる。
【0114】
明らかに説明するために、
図7において、水平のX方向と鉛直のY方向を定義しいる。水平のX方向とは、リング領域120からセル領域110へ横方向に延伸する方向である。鉛直のY方向とは、半導体基板101から第5ドーピング領域113へ縦方向に延伸する方向である。
【0115】
水平のX方向において、W1が第2ドーピング領域211の幅であり、S1が互いに隣り合う第2ドーピング領域211の間の間隔であり、W2が第3ドーピング領域221の幅であり、S2が互いに隣り合う第3ドーピング領域221の間の間隔であり、S3が互いに隣り合う第3ドーピング領域221と第2ドーピング領域211との間の間隔である。実際の製造過程において、X方向の深い溝エッチング窓が以下の規則を満たすことを要求する。
【0116】
W1+S1=n*(W2+S2) (数1)
且つ
W1/(W1+S1)=W2/(W2+S2) (数2)
nは整数である。
【0117】
鉛直のY方向において、第2ドーピング領域211及び第3ドーピング領域221のドーピング濃度が非線形である。第2ドーピング領域211と第3ドーピング領域221は、最上端がパワーデバイスのソース領域、即ち第5ドーピング領域113に近接し、最下端がパワーデバイスのドレイン領域、即ち半導体基板101に近接する。第2ドーピング領域211及び第3ドーピング領域221は、それぞれ最上端から最下端まで減少するドーピング濃度分布を有する。
【0118】
第1電荷補償構造においては、ドレイン付近に近接する領域がI領域であり、第1電荷補償構造はソース付近に近接する領域がII領域である。I領域及びII領域において、第2ドーピング領域111内にP型エピタキシャルを充填する外観が異なる。I領域において第2ドーピング領域211と第1ドーピング領域102とのY方向境界面は水平のX軸に対して勾配が小さくて、II領域において第2ドーピング領域211と第1ドーピング領域102とのY方向境界面は水平のX軸に対して勾配が大きい。勾配違いの理由は、深い溝エッチングの時、I領域とII領域でのエッチング角度が異なるためである。一般的には、I領域には85°〜87°のエッチング角度を使用し、II領域には88°〜89°のエッチング角度を使用する。
【0119】
具体的には、バックフィルされたエピタキシャル層のドーピング濃度が一定である場合には、勾配角度によって、I領域において第1ドーピング領域102のドーピング濃度が第2ドーピング領域111のドーピング濃度よりも高くなり、II領域において第1ドーピング領域102のドーピング濃度がほぼ第2ドーピング領域111のドーピング濃度に等しくなる。鉛直のY方向において、第2ドーピング領域111のドーピング濃度は非線形に変化しており、且つその平均ドーピング濃度が第1ドーピング領域102の平均ドーピング濃度よりも低い。
【0120】
<第4実施例>
図8は本発明の第4実施例によるパワーデバイスの断面図を示す。この実施例において、パワーデバイス300がダイオードである。
【0121】
図8を参照して、セル領域110及びリング領域120の縦方向構造を示す。簡明にするために、図面において、セル領域110はセルの縦方向構造の模式図を2つしか含んでいないが、実際の製品において、セルの数は2つ以上含む。リング領域110は第3ドーピング領域121を5つしか含んでいないが、実際の製品において、この数よりも少なくても大きくてもよい。パワーデバイス300において、セル領域110とリング領域120は、共通の半導体基板101及び半導体基板101に位置された第1ドーピング領域102を備える。この実施例において、半導体基板101は例えばシリコン基板であり、且つドーピングタイプがN++型であり、第1ドーピング領域102は例えばインサイチュドーピングしたエピタキシャル半導体層であり、且つドーピングタイプがN型である。半導体基板101はダイオードの陰極とされる。
【0122】
セル領域110において、第1ドーピング領域102にドーピングタイプがP型である複数の第2ドーピング領域111が形成される。第1ドーピング領域102と複数の第2ドーピング領域111とはドーピングタイプが反対であり、複数の第2ドーピング領域111のそれぞれが第1ドーピング領域102同士の間に交互に配布され、第1電荷補償構造を形成する。リング領域120において、第1ドーピング領域102にはドーピングタイプがP型である複数の第3ドーピング領域121は形成される。第1ドーピング領域102と複数の第3ドーピング領域121とはドーピングタイプが反対であり、複数の第3ドーピング領域121のそれぞれが第1ドーピング領域102に交互に配布され、第2電荷補償構造が形成される。前記複数の第2ドーピング領域111及び複数の第3ドーピング領域121は、それぞれ最上端から最下端まで減少していくドーピング濃度分布を有し、且つ各ドーピング領域は、いずれも積み重なった複数のエピタキシャル層から構成されても良い。
【0123】
更に、セル領域110において、複数の第2ドーピング領域111の上方に複数の第4ドーピング領域112が形成され、第4ドーピング領域112に第5ドーピング領域313が形成される。第4ドーピング領域112及び第5ドーピング領域313は、例えばイオン注入によって形成されたドーピング領域であり、且つドーピングタイプがそれぞれP型とP+型である。第4ドーピング領域112がダイオードの陽極とされる。第4ドーピング領域112の底部が、対応する1つの第2ドーピング領域111に接触される。好ましくは、第4ドーピング領域112に第5ドーピング領域313が更に形成されてもよい。第5ドーピング領域313は例えばイオン注入によって形成されたドーピング領域であり、且つドーピングタイプがそれぞれP+型である。第5ドーピング領域313は第4ドーピング領域112まで延伸する。この好ましい実施例では、第5ドーピング領域313が陽極の引き出し端とされる。
【0124】
更に、リング領域120において、第1ドーピング領域102に第7ドーピング領域104が形成される。前記第7ドーピング領域104は、例えばイオン注入によって形成されたドーピング領域であり、且つドーピングタイプがP型である。第7ドーピング領域104は、第4ドーピング領域112まで横方向に延伸して、主接合を形成される。第7ドーピング領域104は表面から所定深さまで縦方向に延伸して、一部の第3ドーピング領域121に接触されことにより、一部の第4ドーピング領域112と一部の第3ドーピング領域121とが主接合を介して接続される。更に、第1ドーピング領域102に第8ドーピング領域122が形成される。第8ドーピング領域122はダイオードの周辺を限定し、且つカットオフリングとする。前記第8ドーピング領域122は例えばイオン注入によって形成されたドーピング領域であり、且つドーピングタイプがP+型である。第8ドーピング領域122は第4ドーピング領域112とともに形成されることができ、両者のドーピングタイプ及び延伸深さが同じである。
【0125】
更に、層間誘電体層105が上記のデバイス構造を被覆する。層間誘電体層105に貫通穴を形成する。第1電極118は貫通穴を介して第5ドーピング領域313に接触され、これにより陽極までの電気的な接続を提供する。同時に、第1電極118は更に第5ドーピング領域313と第6ドーピング領域114を互いに短絡する。第2電極128は貫通穴を介して第8ドーピング領域122に接触され、これによりカットオフリングまでの電気的な接続を提供する。半導体基板101の第1ドーピング領域102に反対する表面に第3電極108を形成し、これにより陰極までの電気的な接続を提供する。この実施例において、第1電極118及び第3電極108は、それぞれダイオードの陽極電極と陰極電極とされる。
【0126】
明らかに説明するために、
図8において、水平のX方向と鉛直のY方向を定義している。水平のX方向とは、リング領域120からセル領域110へ横方向に延伸する方向である。鉛直のY方向とは、半導体基板101から第5ドーピング領域313へ縦方向に延伸する方向である。
【0127】
水平のX方向において、W1が第2ドーピング領域111の幅であり、S1が互いに隣り合う第2ドーピング領域111の間の間隔であり、W2が第3ドーピング領域121の幅であり、S2が互いに隣り合う第3ドーピング領域121の間の間隔であり、S3が互いに隣り合う第3ドーピング領域121と第2ドーピング領域111との間の間隔である。実際の製造過程において、X方向注入窓が以下の規則を満たすことを要求する。
【0128】
W1+S1=n*(W2+S2) (数1)
且つ
W1/(W1+S1)=W2/(W2+S2) (数2)
nは整数である。
【0129】
鉛直のY方向において、第2ドーピング領域111及び第3ドーピング領域121のドーピング濃度が非線形である。第2ドーピング領域111と第3ドーピング領域121は、最上端がダイオードの陽極、即ち第5ドーピング領域313に近接し、最下端がダイオードの陰極、即ち半導体基板101に近接する。第2ドーピング領域111及び第3ドーピング領域121は、それぞれ最上端から最下端まで減少していくドーピング濃度分布を有する。
【0130】
本発明の上記実施例によれば、パワーデバイスは、高圧パワーデバイスや、IGBTパワーデバイス、又はダイオードであってもよい。そのパワーデバイス構造には、第1ドーピング領域及び第2ドーピング領域を備え、且つ2種のドーピング領域が交互に配布される。具体的な実施例において、第1ドーピング領域と第2ドーピング領域の位置とを互いに交換することが可能である。
【0131】
本発明の実施例によれば、上述のように、これらの実施例はすべての細部を詳しく説明せず、且つ本発明が前記の具体的な実施例のみに限定されない。明らかに、上記の説明によって多くの調整及び変更を行うことができる。本明細書がこれらの実施例を選択して具体的に説明することは、本発明の原理及び実際な応用をより良く解釈するためのものであり、これにより当業者は本発明をよく利用することができ、且つ本発明のうえで変更することによって使用することができる。本発明の保護範囲は本発明の請求の範囲で限定された範囲によって準じるものである。