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特許6705984情報処理装置と、その処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6705984
(24)【登録日】2020年5月19日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】情報処理装置と、その処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20200525BHJP
   G06K 9/38 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   G06T1/00 460Z
   G06K9/38 Z
   G06T1/00 460A
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-71827(P2015-71827)
(22)【出願日】2015年3月31日
(65)【公開番号】特開2016-192070(P2016-192070A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2018年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】上條 久美子
【審査官】 新井 則和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−202834(JP,A)
【文献】 特開昭59−043480(JP,A)
【文献】 特開2014−215877(JP,A)
【文献】 特開平05−328129(JP,A)
【文献】 特開2004−193818(JP,A)
【文献】 特開2008−250545(JP,A)
【文献】 特開2000−067155(JP,A)
【文献】 特開2006−011967(JP,A)
【文献】 特開2013−131922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00
G06K 9/00−9/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像画像を認識処理できるサーバと接続可能な情報処理装置におけるプログラムであって、
前記情報処理装置を、
撮像画像を取得する画像取得手段と、
前記撮像画像の明るさにかかる条件により、前記画像取得手段により取得された撮像画像を用いて、加工画像を生成する第1加工画像生成手段と、
前記第1加工画像生成手段により生成された加工画像を前記サーバに送信する第1送信手段と、
前記サーバからの前記生成された加工画像の認識処理の結果に基づき、前記画像取得手段により取得された撮像画像を用いて、他の加工画像を生成する第2加工画像生成手段と、
前記第2加工画像生成手段により生成された加工画像を前記サーバに送信する第2送信手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記第1加工画像生成手段は、
前記条件に基づき、前記撮像画像を縮小した加工画像を生成することを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記条件とは、撮像する際の照度、もしくは前記画像取得手段により取得された撮像画像の輝度値であって、
前記第1加工画像生成手段は、
前記照度もしくは前記輝度値に基づき、該撮像画像を用いて加工画像を生成することを特徴とする請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第1加工画像生成手段は、
前記条件に基づき、前記撮像画像の画像サイズを縮小した加工画像を生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2加工画像生成手段は、
前記サーバからの前記生成された加工画像の認識処理の結果、該加工画像が正常に処理されない場合、前記撮像画像を用いて他の加工画像を生成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第2送信手段により前記サーバに送信された加工画像が、前記撮像画像の所定の縮小倍率以上であり、かつ前記第2加工画像生成手段による処理で、該第2送信手段により前記サーバに送信された加工画像の認識処理の結果、該加工画像が正常に処理されない場合、該撮像画像を前記サーバに送信する第3送信手段
として機能させるための請求項2乃至5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記サーバからの前記第3送信手段により送信した前記撮像画像の認識処理の結果、該撮像画像が正常に処理されない場合、前記画像取得手段により再度撮像画像を取得するよう促す画面を生成する撮像画像再取得画面生成手段
として機能させるための請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第1加工画像生成手段により生成される加工画像の画像サイズ、もしくはコントラストの少なくとも1つの調整を受け付ける画面を生成する送信画像調整画面受付手段として機能させ、
前記第1送信手段は、
前記送信画像調整画面受付手段で受け付けた調整を反映した加工画像を前記サーバに送信することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記画像取得手段により撮像画像のフォームを識別するフォーム識別手段として機能させ、
前記第1加工画像生成手段は、
前記フォーム識別手段により識別されたフォームと、前記撮像画像の明るさにかかる条件とにより、前記撮像画像から予め設定された縮小倍率の加工画像を生成することを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
撮像画像を認識処理できるサーバと接続可能な情報処理装置における処置方法であって、
前記情報処理装置が、
撮像画像を取得する画像取得ステップと、
前記撮像画像の明るさにかかる条件により、前記画像取得ステップにより取得された撮像画像を用いて、加工画像を生成する第1加工画像生成ステップと、
前記第1加工画像生成ステップにより生成された加工画像を前記サーバに送信する第1送信ステップと、
前記サーバからの前記生成された加工画像の認識処理の結果に基づき、前記画像取得ステップにより取得された撮像画像を用いて、他の加工画像を生成する第2加工画像生成ステップと、
前記第2加工画像生成ステップにより生成された加工画像を前記サーバに送信する第2送信ステップ
とを実行することを特徴とする処理方法。
【請求項11】
撮像画像を認識処理できるサーバと接続可能な情報処理装置であって、
撮像画像を取得する画像取得手段と、
前記撮像画像の明るさにかかる条件により、前記画像取得手段により取得された撮像画像を用いて、加工画像を生成する第1加工画像生成手段と、
前記第1加工画像生成手段により生成された加工画像を前記サーバに送信する第1送信手段と、
前記サーバからの前記生成された加工画像の認識処理の結果に基づき、前記画像取得手段により取得された撮像画像を用いて、他の加工画像を生成する第2加工画像生成手段と、
前記第2加工画像生成手段により生成された加工画像を前記サーバに送信する第2送信手段
と有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像対象物を撮像する情報処理装置と、その処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、利用者端末からサーバに画像ファイルを送信して、サーバ側で文字認識(OCR)などの画像解析処理を行う仕組みがある。
【0003】
特許文献1には、利用者端末で撮像された文書の画像をサーバに送信し、サーバで文字認識処理を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−272658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のシステム構成で、利用者端末は、撮像した画像を加工せずサーバに送信するため、撮像画像のファイルサイズが大きい場合、ネットワークおよびサーバの負荷が高くなってしまうという課題がある。
【0006】
そこで、撮像画像のファイルサイズを縮小してサーバに送信することが考えられるが、撮像時における利用者端末の環境によっては、明るさ(照度)不足により撮像画像が不鮮明になり、サーバにおける解析処理がエラーになってしまうという課題もある。
【0007】
また、撮像画像のファイルサイズを縮小してサーバに送信する場合、撮像の対象物によって、解析する文字や記号等の大きさが異なるため、撮像の対象物に応じて縮小率を決定しなければならないという課題もある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、撮像された撮像画像をサーバで認識処理できるようにさせ、かつ、ネットワークにおける通信を考慮する仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
撮像画像を認識処理できるサーバと接続可能な情報処理装置におけるプログラムであって、前記情報処理装置を、撮像画像を取得する画像取得手段と、前記撮像画像の明るさにかかる条件により、前記画像取得手段により取得された撮像画像を用いて、加工画像を生成する第1加工画像生成手段と、前記第1加工画像生成手段により生成された加工画像を前記サーバに送信する第1送信手段と、前記サーバからの前記生成された加工画像の認識処理の結果に基づき、前記画像取得手段により取得された撮像画像を用いて、他の加工画像を生成する第2加工画像生成手段と、前記第2加工画像生成手段により生成された加工画像を前記サーバに送信する第2送信手段として機能させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撮像された撮像画像をサーバで認識処理できるようにさせ、かつ、ネットワークにおける通信を考慮する仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の情報処理システム100の構成の一例を示す図
図2】情報処理装置101のハードウエア構成の一例を示す図
図3】情報処理装置101の一例を示すブロック図
図4】撮像画像送信処理の一例を示すフローチャート
図5】情報処理装置101に表示される撮像画像確認画面の一例を示す図
図6】情報処理装置101に表示される画像解析結果およびメッセージの一例を示す図
図7】情報処理装置101にて管理されるテーブルの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態の情報処理システム100は、情報処理装置101、およびサーバ102が、ネットワーク103により通信可能に接続された構成をとる。情報処理装置101は、カメラ等を用いて文書の画像を取り込み、画像をサーバ102に送信する。サーバ102は、画像の解析を行い、解析結果を情報処理装置101に送信する。情報処理装置101は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC、およびPDA端末などの持ち運び可能な携帯端末であって、ブラウザまたは画像解析アプリケーションがインストールされており、ネットワーク103を介して、サーバ102と通信可能である。
【0014】
以下、図2を用いて、図1に示した情報処理装置101に適用可能なハードウエア構成の一例について説明する。
【0015】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ212には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な各種プログラム等が記憶されている。
【0016】
202はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは外部メモリ212からRAM202にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0017】
また、205は入力コントローラで、タッチセンサ210からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、ディスプレイ211等の表示器への表示を制御する。なお、図2では、ディスプレイ211と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて情報処理装置101のユーザが使用するものである。
【0018】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク(HD))や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ212へのアクセスを制御する。
【0019】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク103を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0020】
209は撮像画像入力コントローラで、撮像画像入力処理部214を介してカメラ215からの入力を制御する。カメラ215から入力された撮像画像を認識することが可能となっている。
【0021】
216は受光コントローラで、受光センサ217を介して受光部218からの入力を制御する。受光部218から入力された光を認識することが可能となっている。
【0022】
なお、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ211上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ211上のタッチセンサ210におけるユーザのタッチ操作指示を受付けることを可能とする。
【0023】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ212に記録されており、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイルや地図データ等も、外部メモリ212に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0024】
図3は、情報処理システム100の機能構成の一例を示すブロック図である。
撮像部301は、撮像対象物を撮像する機能部である。
【0025】
撮像画像記憶部302は、撮像部301により撮像された撮像画像を記憶する機能部である。
【0026】
照度測定部303は、撮像画像に対する照度を測定する機能部である。
【0027】
撮像画像加工部304は、照度測定部303により測定された照度に従って、撮像画像記憶部302により記憶された撮像画像を加工する機能部である。
【0028】
送信部305は、撮像画像加工部304により加工された撮像画像をサーバ102に送信する機能部である。
【0029】
判定部306は、送信部305に送信された撮像画像がサーバ102によって正常に処理されたか否かを判定する機能部である。
【0030】
送信部305は、判定部306により正常に処理されなかったと判定された場合、送信した撮像画像の加工方法と異なる加工方法で加工した撮像画像を送信する。
【0031】
加工方法管理部307は、照度に従って、撮像画像の加工方法を管理する機能部である。
【0032】
加工方法決定部308は、加工方法管理部307を用い、照度に従って、撮像画像の加工方法を決定する機能部である。
【0033】
撮像画像加工部304は、加工方法決定部308により決定された加工方法により、撮像画像を加工する機能部である。
【0034】
加工方法管理部307は、撮像対象物を識別する識別情報と照度とに従って、撮像画像の加工方法を管理する機能部である。
【0035】
加工方法決定部308は、加工方法管理部307を用い、撮像対象物の識別情報と照度とに従って、撮像画像の加工方法を決定する機能部である。
【0036】
判定部306により正常に処理されなかったと判定され、送信した撮像画像の加工方法と異なる加工方法で加工した撮像画像を送信し、判定部306により正常に処理されたと判定された場合、加工方法管理部307により管理されている加工方法を異なる加工方法に更新する機能部である。
【0037】
図4は、撮像画像送信処理の一例を示すフローチャートである。以下、図4を用いて、撮像画像送信処理について説明する。また、図7のフォーム定義テーブル710および送信画像サイズ定義テーブル720は、情報処理装置101の外部メモリ212にて管理されているテーブルである。
【0038】
ステップS401において、情報処理装置101のCPU201は、情報処理システム100のユーザによって行われる情報処理システム100へのログインを受け付ける。なお、この撮像画像送信処理においてユーザインターフェースとなる画像解析アプリケーションは、情報処理装置101にインストールされたアプリケーションであってもよいし、ブラウザに表示されるWebアプリケーションなどのアプリケーションであってもよい。
【0039】
ステップS402において、情報処理装置101のCPU201は、カメラ215を用いて画像解析を行う文書を撮像する。すなわち、ステップS402は、撮像対象物を撮像する処理の一例を示すステップである。
【0040】
なお、この実施形態においては、情報処理装置101のカメラ215を用いて撮像画像を得るとしたが、デジタルカメラなどを用いて撮像された画像やスキャナーなどを用いてスキャンされた画像を情報処理装置101に取り込むとしてもよい。なお、この実施形態においては、文書を例に挙げたが、これに限定するものではなく、メモ書き、ノート、記入用紙、帳票、カタログ、チラシ、パンフレットなどの文書、バーコードなどのパターン、図形、地図、絵画、写真、物、風景、建物、生物、顔、生体認証に利用される指紋・網膜等の生体情報など、撮像できる対象物であればよい。
【0041】
ステップS403において、情報処理装置101のCPU201は、ステップS402にて撮像した画像(以下、撮像画像)を外部メモリ212に記憶する。すなわち、ステップS403は、撮像された撮像画像を記憶する処理の一例を示すステップである。
【0042】
ステップS404において、情報処理装置101のCPU201は、外部メモリ212に記憶した撮像画像を、フォーム定義テーブル710の各レコードにおける「フォーム画像」カラムに記憶されているファイルパスを用いて外部メモリ212から取り出したフォーム画像と順に画像比較することで、撮像画像のフォームIDを特定する。
【0043】
具体的には、外部メモリ212から取り出したフォーム画像と撮像画像を比較し、所定の値以上の割合で画像が一致した場合、撮像画像は当該フォーム画像の文書であると判定し、撮像画像のフォームIDは、当該フォーム画像に対応するフォームIDであると特定する。
【0044】
なお、この画像比較に用いる画像は未加工のまま画像を比較してよいし、画像比較の精度を上げるために、輪郭を抽出するなどの画像加工を施した後に画像比較を行うとしてもよい。なお、この実施形態においては、文書の種類(フォームID)を識別するとしたが、これに限定するものではなく、撮像対象物が物の場合は物の識別ID、生体情報であれば生体識別IDのように、撮像対象物を識別する識別情報を特定すればよい。
【0045】
なお、この実施形態においては、撮像画像とフォーム定義テーブル710のフォーム画像を比較することで、文書のフォームの特定を行ったが、この方法に限定するものではなく、撮像する文書にフォームIDを示すバーコードや番号を記しておき、撮像画像を解析してフォームIDを特定する方法であってもよい。ここでは、文書の撮像画像からフォームID=1000の「ショッピングクレジット申込書」が特定されたとする。
【0046】
ステップS405において、情報処理装置101のCPU201は、撮像画像に対する照度を測定する。すなわち、ステップS405は、撮像画像に対する照度を測定する処理の一例を示すステップである。具体的には、受光部218、受光センサ217を用いて、情報処理装置101の照度を測定し、外部メモリ212に測定した照度を記憶する。ここでは、情報処理装置101の照度は800ルクスと測定されたとする。
【0047】
なお、この実施形態においては、情報処理装置101の照度を測定するとしたが、これに限定するものではなく、例えば、情報処理装置101以外の受光センサを用いて、撮像する文書、文書の周囲、または部屋などの照度を測定して情報処理装置101に送信するとしてもよいし、照明の輝度を測定するとしてもよいし、ステップS403にて撮像した撮像画像の明るさから撮像画像の照度を求めてもよい。また、ユーザが照度測定器(不図示)を用いて測定した照度を情報処理装置101のディスプレイ211から入力するとしてもよい。
【0048】
ステップS406において、情報処理装置101のCPU201は、サーバ102へ送信する画像のサイズを決定する。具体的には、ステップS404にて特定したフォームIDと、ステップS405にて測定した照度をキーにして送信画像サイズ定義テーブル720(図7)を検索し、送信画像サイズを決定する。
【0049】
すなわち、送信画像サイズ定義テーブル720は、照度に従って、撮像画像の加工方法を管理する手段の一例を示す機能部である。また、送信画像サイズ定義テーブル720は、撮像対象物を識別する識別情報と照度に従って、撮像画像の加工方法を管理する手段の一例を示す機能部である。また、ステップS406は、照度に従って、撮像画像の加工方法を決定する処理の一例を示すステップである。また、ステップS406は、撮像対象物の識別情報と照度に従って、撮像画像の加工方法を決定する処理の一例を示すステップである。
【0050】
ここでは、フォームID=1000、照度=800をキーにして送信画像サイズ定義テーブル720を検索し、送信画像サイズは「小」に決定されたとする。なお、送信画像サイズ「大(オリジナル)」(以下、「大」と記す)とは、撮像画像のそのままのサイズを示す。
【0051】
つまり、ステップS406は、撮像画像に対する照度が低い場合は、画像解析しづらいため大きなサイズで画像を送信し、撮像画像に対する照度が高い場合は、画像解析しやすいため小さなサイズに加工して送信する、ということを意味する。
【0052】
なお、この実施形態においては、送信画像サイズ定義テーブル720における「送信画像サイズ」を大・中・小の3種類としたが、これに限定するものではなく、より正確なサイズの指定、撮像画像加工後のファイルサイズの指定、撮像画像を縮小する縮小率の指定、撮像画像の加工後の解像度の指定、減色方法の指定、コントラストの指定、シャープネスの指定、色補正の指定、または撮像画像を圧縮する圧縮方式や圧縮率の指定等であってもよい。つまり、送信画像サイズ定義テーブル720には、照度に従って撮像画像の加工方法が管理されていればよい。
【0053】
これにより、明るさ(照度)に従って加工方法を決定することができるため、明るさに応じた最適な画像を作成することができる。また、撮像の対象物に従って加工方法を決定することができるため、撮像の対象物に応じた最適な画像を作成することができる。
【0054】
ステップS407において、情報処理装置101のCPU201は、送信画像サイズが「中」または「小」の場合は、ステップS408に進み、送信画像サイズが「大」の場合は、ステップS402にて撮像した撮像画像を加工せず、この後サーバに送信する送信画像としてRAM202に記憶し、ステップS409に進む。
【0055】
ステップS408において、情報処理装置101のCPU201は、画像サイズが「中」または「小」になるように撮像画像を加工し、この後サーバに送信する送信画像としてRAM202に記憶する。すなわち、ステップS408は、測定された照度に従って、撮像画像を加工する処理の一例を示すステップである。また、ステップS408は、決定された加工方法により、撮像画像を加工する処理の一例を示すステップである。これによって、撮像画像のファイルサイズより送信画像のファイルサイズを小さくすることができる。つまり、撮像画像のファイルサイズが大きい場合でも、最適な画像に加工するため、ネットワークおよびサーバの負荷を抑えることができる。
【0056】
なお、この実施形態においては、撮像画像の大きさを「中」または「小」に加工するとしたが、これに限定するものではなく、より正確なサイズを指定して加工、指定したファイルサイズに加工、縮小率を指定して加工、解像度を指定して加工、減色方法を指定して加工、コントラストを指定して加工、シャープネスを指定して加工、色補正を指定して加工、または撮像画像を圧縮する圧縮方式や圧縮率を指定して加工等の加工であってもよい。つまり、撮像画像を正常に解析されるように加工する処理であればよい。
【0057】
ステップS409において、情報処理装置101のCPU201は、ディスプレイ211上に送信画像確認画面500(図5)を表示する。
【0058】
図5は、情報処理装置101に表示される送信画像確認画面の一例を示す図である。画像501は、ステップS407またはステップS408にてRAM202に記憶された送信画像である。これにより、この後サーバに送信する送信画像が適切な画像か否かユーザが確認できる。
【0059】
また、コントラスト調整バー502は、画像501(送信画像)のコントラストを調整するバーである。送信画像サイズラジオボタン503は、ステップS406にて決定した撮像画像サイズ(大・中・小)が選択された状態である。また、ユーザは送信画像サイズラジオボタン503を操作し、送信画像のサイズを変更することができる。また、サーバへの送信をキャンセルするキャンセルボタン504、再度撮像をやり直す再撮像ボタン505、画像501(送信画像)をサーバに送信する送信ボタン506がある。
【0060】
ステップS410において、情報処理装置101のCPU201は、送信画像確認画面500に対するユーザ操作を受付け判定する。コントラスト調整バー502が変更された場合はステップS411に進み、送信画像サイズラジオボタン503が変更された場合はステップS407に戻り、再撮像ボタン505が押下された場合はステップS402に戻り、送信ボタン506が押下された場合はステップS412に進む。
【0061】
ステップS411において、情報処理装置101のCPU201は、画像501(送信画像)のコントラストを変更し、送信画像としてRAM202に記憶する。
【0062】
ステップS412において、情報処理装置101のCPU201は、再送フラグをOFFにして、RAM202に記憶する。また、画像501(送信画像)のサイズもRAM202に記憶しておく。
【0063】
ステップS413において、情報処理装置101のCPU201は、サーバ102へ画像501(送信画像)を送信する。すなわち、ステップS413は、加工された撮像画像をサーバに送信する処理の一例を示すステップである。
【0064】
ステップS414において、サーバ102は、情報処理装置101から送信された画像501を受信する。
【0065】
ステップS415において、サーバ102は、受信した画像501の画像解析を行い、結果をRAM202に記憶する。具体的には、画像501をOCR処理し、文字認識を行う。なお、OCR処理については既知の技術であるため、説明を省略する。なお、この実施形態においては、画像解析としてOCR処理を例に挙げたが、これに限定するものではなく、OMR処理、バーコードなどの読取処理、パターン認識処理、顔認識、生体認証における指紋・網膜等の生体情報の読取処理など、受信した画像を解析する処理であればよい。
【0066】
ステップS416において、サーバ102は、ステップS414にて行った画像解析の結果(OKまたはNG)を情報処理装置101に送信する。なお、この実施形態においては、情報処理装置101に送信する画像解析結果をOKまたはNGとしたが、これに限定するものではなく、一部NG、条件付きOK、解析して得られた情報などを送信するとしてもよい。
【0067】
ステップS417において、情報処理装置101のCPU201は、サーバ102から送信された画像解析結果を受信する。
【0068】
ステップS418において、情報処理装置101のCPU201は、受信した画像解析結果を判定し、NGの場合はステップS419に進み、OKの場合はステップS425に進む。すなわち、ステップS418は、送信された撮像画像がサーバによって正常に処理されたか否かを判定する処理の一例を示すステップである。
【0069】
ステップS419において、情報処理装置101のCPU201は、画像解析結果NG画面620(図6)を表示する。画像解析結果NG画面620には、画像解析ができなかったため、送信画像のサイズを大きくして、サーバ102に再送するメッセージを表示する。画像解析結果NG画面620のOKボタンを押すと、ステップS420に進む。
【0070】
ステップS420において、情報処理装置101のCPU201は、ステップS412にてRAM202に記憶した送信画像サイズが「大」の場合はステップS421に進み、「小」の場合はステップS422に進み、送信画像サイズが「中」の場合はステップS423に進む。
【0071】
つまり、ステップS413にてサーバ102に送信した画像501が撮像画像そのものだった場合はこれ以上大きなサイズで送信できないためステップS421に進み再撮像し、撮像画像を再加工することで画像501より大きなサイズを作成できる場合はステップS422に進み再加工し、撮像画像を再加工しても画像501より大きなサイズを作成できない場合はステップS423に進み撮像画像そのものを送信するということである。
【0072】
なお、この実施形態においては、画像解析できなかった場合、前回の送信画像サイズよりも大きくなるように加工するとしたが、これに限定するものではなく、例えば、減色方法や圧縮方式等の加工を前回の送信画像とは異なる方法・方式に変更するとしてもよい。その場合、送信画像サイズ定義テーブル720の「送信画像サイズ」カラムを「加工方法」カラムに変更し、「加工方法」カラムには、減色方法であれば「2値化」「16色に減色」「256色に減色」・・・、圧縮方式であれば「GIF」「JPEG」「BMP」・・・のような値を記憶する。つまり、「2値化」して画像解析に失敗したら、「16色に減色」にする。更に失敗したら、「256色に減色」にする。つまり、撮像画像を正常に解析されるように再加工する処理であればよい。
【0073】
ステップS421において、情報処理装置101のCPU201は、ディスプレイ211上に再撮像メッセージ画面630(図6)を表示する。再撮像メッセージ画面630には、撮像画像を再加工してもこれ以上大きな画像を作成できないこと、より明るい場所で撮像し直して欲しいというメッセージを表示する。再撮像メッセージ画面630のOKボタンを押すと、ステップS402に戻る。
【0074】
ステップS422において、情報処理装置101のCPU201は、画像サイズが「中」になるように、ステップS402にて撮像した撮像画像を加工し、この後サーバに送信する送信画像としてRAM202に記憶する。すなわち、ステップS422は、正常に処理されなかったと判定された場合、送信した撮像画像の加工方法と異なる加工方法で加工した撮像画像を送信する処理の一例を示すステップである。これによって、撮像画像のファイルサイズより送信画像のファイルサイズを小さくすることができる。以上により、撮像画像のファイルサイズが大きい場合でも、最適な画像に加工するため、ネットワークおよびサーバの負荷を抑えることができる。
【0075】
ステップS423において、情報処理装置101のCPU201は、再送フラグをONにして、RAM202に記憶する。再送フラグ=ONということは、画像解析がNGだったため、再送したということを意味する。また、再送する送信画像のサイズもRAM202に記憶しておく。
【0076】
ステップS424において、情報処理装置101のCPU201は、サーバ102へ送信画像を送信し、ステップS414に戻る。
【0077】
ステップS425において、情報処理装置101のCPU201は、画像解析結果OK画面610(図6)を表示する。画像解析結果OK画面610には、画像解析が正常に行われたことを示すメッセージを表示する。画像解析結果NG画面620のOKボタンを押すと、ステップS420に進む。
【0078】
ステップS426において、情報処理装置101のCPU201は、RAM202に記憶されている再送フラグを判定し、ONの場合はステップS427に進み、OFFの場合は撮像画像送信処理を終了する。
【0079】
ステップS427において、情報処理装置101のCPU201は、送信画像サイズ定義テーブル720のレコードを更新する。すなわち、ステップS427は、正常に解析されなかったと判定され、送信した撮像画像の加工方法と異なる加工方法で加工した撮像画像を送信し、正常に解析されたと判定された場合、送信画像サイズ定義テーブル720に管理されている加工方法を異なる加工方法に更新する処理の一例を示すステップである。これにより、送信画像サイズ定義テーブル720が更新されるため、明るさ(照度)に従って最適な加工方法を決定することができるようになる。
【0080】
具体的には、送信画像サイズ定義テーブル720を、ステップS404にて特定したフォームIDとステップS405にて測定した照度をキーにして検索し、ヒットしたレコードの送信画像サイズの値を、ステップS423にてRAM202に記憶した送信画像サイズの値に更新する。
以上により、図4の撮像画像送信処理の説明を終了する。
【0081】
以上により、撮像画像のファイルサイズが大きい場合でも、最適な画像に加工するため、ネットワークおよびサーバの負荷を抑えることができる。また、明るさ(照度)に従って加工方法を決定することができるため、明るさに応じた最適な画像を作成することができる。また、撮像の対象物に従って加工方法を決定することができるため、撮像の対象物に応じた最適な画像を作成することができる。
【0082】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0083】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0084】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0085】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0086】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0087】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0088】
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OS(オペレーティングシステム)に供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
【符号の説明】
【0089】
100 情報処理システム
101 情報処理装置
102 サーバ
103 ネットワーク
図1
図2
図3
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図5
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図7